1 00:00:01,134 --> 00:00:08,175 ♬~ 2 00:00:08,175 --> 00:00:11,211 ⚞(武蔵魏一)なんだ? このデザートの不可解な見た目は…。 3 00:00:11,211 --> 00:00:13,347 ⚞(女性)凝ってるわねえ! 4 00:00:13,347 --> 00:00:15,148 ⚞(男性)これはまた… どうやって食べたらいいのか。 5 00:00:15,148 --> 00:00:17,150 (武蔵)ぬう…。 ハハハハハ! 6 00:00:17,150 --> 00:00:20,120 広瀬くんの錦を飾るにふさわしい祝賀会→ 7 00:00:20,120 --> 00:00:24,124 ここまで 本当にハイレベルなコース料理が続いたが…。 8 00:00:24,124 --> 00:00:28,128 大トリを務める一品となるわけか これが! 9 00:00:33,133 --> 00:00:43,143 ♬~ 10 00:02:11,098 --> 00:02:14,067 (広瀬一太郎)岳~! 11 00:02:14,067 --> 00:02:17,070 岳~? 12 00:02:21,074 --> 00:02:23,076 ハハハハハ…。 13 00:02:23,076 --> 00:02:25,078 (赤松蘭菜)《布袋の言うとおりだわ…》 14 00:02:25,078 --> 00:02:27,080 《この日まで岳は 私たちはおろか→ 15 00:02:27,080 --> 00:02:31,118 あんなに気にしてたはずの広瀬に対してまで 目を合わせない》 16 00:02:31,118 --> 00:02:33,086 岳~。 17 00:02:35,088 --> 00:02:41,094 僕だよ~? 僕 僕 僕 僕 僕 僕 僕 僕! 18 00:02:41,094 --> 00:02:43,096 (武蔵神楽)《ようやく 目が合った…》 19 00:02:45,132 --> 00:02:48,101 (広瀬)ハハハハハハ…。 20 00:02:52,105 --> 00:02:54,107 (広瀬)ハハハハハハ…! 21 00:02:59,112 --> 00:03:01,081 (北田 岳)お召し上がりください。 22 00:03:04,084 --> 00:03:06,186 な… 何やってんの? あれ。 広瀬くん…。 23 00:03:06,186 --> 00:03:09,122 どうやら あのコックの男の子と知り合いのようだ。 24 00:03:09,122 --> 00:03:12,092 全然 仲良さそうじゃないけど…。 25 00:03:12,092 --> 00:03:14,094 なんで 広瀬くんは あんな変な体勢なんだ? 26 00:03:18,131 --> 00:03:20,100 うん。 よし 食べよう! 27 00:03:20,100 --> 00:03:23,070 そ… そうだ! 今日のコースの締めくくり→ 28 00:03:23,070 --> 00:03:26,106 このデザートの味は どんななのか すごく興味が湧くね。 29 00:03:26,106 --> 00:03:30,110 (男性)この見た目だからな。 数学賞のイメージに合ってる! 30 00:03:30,110 --> 00:03:33,080 (女性)早く食べたい。 ワクワクするわね! 31 00:03:33,080 --> 00:03:37,150 (福田寧々)皆様に 食べ方を説明して差し上げたほうが…。 32 00:03:37,150 --> 00:03:39,086 📺食べ方は簡単です。 33 00:03:39,086 --> 00:03:41,054 海…! 34 00:03:43,090 --> 00:03:46,093 お皿に沈むのは 一般的なブランマンジェです。 35 00:03:47,094 --> 00:03:49,096 ブランマンジェは→ 36 00:03:49,096 --> 00:03:51,098 砂糖 生クリーム バニラで 風味をつけた牛乳を→ 37 00:03:51,098 --> 00:03:53,066 ゼラチンで固めたもの。 38 00:03:53,066 --> 00:03:55,102 杏仁豆腐みたいな見た目の プリンよ。 39 00:03:55,102 --> 00:04:01,074 そこに 様々な素材をジュレやマリネさせ 付け合わせを添えて 味付けしています。 40 00:04:01,074 --> 00:04:04,177 上に飾りとして蓋した それは ラングドシャです。 41 00:04:04,177 --> 00:04:08,081 クッキーと比べて薄い生地なので 繊細な模様が作れます。 42 00:04:08,081 --> 00:04:10,083 ラングドシャとは→ 43 00:04:10,083 --> 00:04:12,085 クッキーに似た サクサク食感のお菓子。 44 00:04:12,085 --> 00:04:15,055 口の中で溶けるくらいの軽さ 薄さが特徴。 45 00:04:15,055 --> 00:04:17,057 特別な食材は使っていません。 46 00:04:19,092 --> 00:04:24,097 確かに… 説明だけ聞くと ごくごく一般的なお菓子ということだな。 47 00:04:24,097 --> 00:04:27,167 見た目のインパクトが主体の デザートなんだね。 48 00:04:27,167 --> 00:04:30,170 📺(男性)まあ 結局は たかだかデザートということだ。 49 00:04:30,170 --> 00:04:34,174 📺このユニークな盛り付けで 数学賞に花を添えたってことだろう。 50 00:04:34,174 --> 00:04:36,109 📺味は もう どうでもいいじゃないか。 51 00:04:36,109 --> 00:04:39,079 《岳にしては 奇をてらった盛り付け…》 52 00:04:39,079 --> 00:04:43,083 《でも 食材だけ聞くと よくある ただのブランマンジェだわ》 53 00:04:43,083 --> 00:04:46,086 《それが どう 口の中で跳ねるっていうの…!?》 54 00:04:46,086 --> 00:04:48,088 《とてもじゃないけど→ 55 00:04:48,088 --> 00:04:51,091 あなたの大逆転の一品になる 想像がつかない…!》 56 00:04:51,091 --> 00:04:54,094 (宍戸邦彦)《北田くん… ここまで 我々は完璧な仕事をした》 57 00:04:54,094 --> 00:04:56,129 《そして 君に繋いだんだ》 58 00:04:56,129 --> 00:05:01,134 (王 明剣)《見た目のインパクトだけで 勝負にいったとか 陳腐なアイデアなら…》 59 00:05:02,068 --> 00:05:08,074 (ウィヴィア・ミロ)《僕たちのコース料理を 台無しにしてしまうよ~?》 60 00:05:08,074 --> 00:05:10,110 《そう 最後だから取り返しがつかない》 61 00:05:10,110 --> 00:05:13,113 《それが トリを飾るデザートというものなんだ!》 62 00:05:13,113 --> 00:05:16,082 《君にかかってるんだよ~?》 63 00:05:20,153 --> 00:05:23,089 広瀬様… 会場のお客様も→ 64 00:05:23,089 --> 00:05:27,093 どうぞ 飾りを崩しながら お好きなように お召し上がりください。 65 00:05:27,093 --> 00:05:48,114 ♬~ 66 00:05:48,114 --> 00:05:50,116 うんうん…。 うんうん。 67 00:05:50,116 --> 00:05:54,120 サクサククッキーと杏仁豆腐みたいな。 食べやすい。 68 00:05:55,188 --> 00:05:59,125 うんうん。 サクサクとプリンプリンと…。 豊満な甘み。 69 00:05:59,125 --> 00:06:01,094 予想どおりの味ね これは。 70 00:06:02,095 --> 00:06:04,130 (蘭菜)《予想どおりの味…!?》 71 00:06:04,130 --> 00:06:08,101 《そんな… なんてこと…。 やっぱり 今の岳では…!》 72 00:06:08,101 --> 00:06:13,106 ん? あれ? でも それだけじゃない。 味が変わって…。 73 00:06:13,106 --> 00:06:22,082 ♬~ 74 00:06:22,082 --> 00:06:25,085 《最初は このラングドシャのサクサクの食感》 75 00:06:25,085 --> 00:06:29,089 《小麦の焼いた香ばしさ 甘みと塩味が口に》 76 00:06:29,089 --> 00:06:32,092 《主役のブランマンジェは この時点では→ 77 00:06:32,092 --> 00:06:35,095 ラングドシャの食感の裏に潜んで 隠れている》 78 00:06:35,095 --> 00:06:39,065 《幾何学模様の複雑な形のラングドシャを かみ砕くうちに→ 79 00:06:39,065 --> 00:06:44,070 その形の間から 甘いブランマンジェが 少しずつ 広瀬くんの舌に届く…》 80 00:06:45,105 --> 00:06:49,109 《味が変わった…? 甘くやわらかいミルクの甘みだ》 81 00:06:49,109 --> 00:06:55,081 《ああ…。 サクサクからプリンへのスイッチが コントロールされてるかのように… 絶妙》 82 00:06:55,081 --> 00:07:02,088 ♬~ 83 00:07:02,088 --> 00:07:04,090 サクサクは消え去り→ 84 00:07:04,090 --> 00:07:08,061 牛乳から作られたブランマンジェの甘みが 舌を支配する。 85 00:07:10,096 --> 00:07:15,068 ああ… いいね 岳。 この2つの味が バトンタッチで繋がって…。 86 00:07:15,068 --> 00:07:20,073 あれ? いや まだ その奥にある… 別の味が。 87 00:07:21,074 --> 00:07:23,076 ブランマンジェのさらに奥から→ 88 00:07:23,076 --> 00:07:28,081 溶け込んでいたバラやラベンダーの 華やかな香りが ふき出してくる。 89 00:07:28,081 --> 00:07:34,087 ♬~ 90 00:07:34,087 --> 00:07:36,089 ひとさじでは 全ての扉は開きません。 91 00:07:36,089 --> 00:07:38,091 続けて どうぞ。 92 00:07:43,096 --> 00:07:45,098 また 味が変わった! 93 00:07:45,098 --> 00:07:48,101 今度は果物… 柑橘系? 94 00:07:48,101 --> 00:07:51,071 ごめん。 食べ物のこと よくわからなくって…。 95 00:07:51,071 --> 00:07:53,073 グレープフルーツ。 96 00:07:54,107 --> 00:07:57,077 そのあと 上品なライチと白茶の味がくる。 97 00:07:57,077 --> 00:07:59,179 ああ…。 98 00:07:59,179 --> 00:08:02,082 ⚞(男性)なんだ…? (男性)なんだ…? 99 00:08:02,082 --> 00:08:04,084 (一同)なんだ? これは! 100 00:08:04,084 --> 00:08:08,088 何段階の食感 香り 甘みがあるっていうの!? 101 00:08:08,088 --> 00:08:12,092 ラングドシャ ブランマンジェに いくつもの果実… 花の香り! 102 00:08:12,092 --> 00:08:17,097 それらが代わる代わる 完璧なタイミングで 口の中でスイッチしていく! 103 00:08:17,097 --> 00:08:20,066 むう… 待てい! この波状攻撃の最後に…→ 104 00:08:20,066 --> 00:08:22,102 バナナの甘み!? 105 00:08:22,102 --> 00:08:27,173 サクサクのラングドシャから変化の末… バナナの芳醇な甘みで締めくくった! 106 00:08:27,173 --> 00:08:30,076 📺(武蔵)なんなんだ? このデザートは! 107 00:08:30,076 --> 00:08:33,113 極上の食感 香りと甘みの七変化…。 108 00:08:33,113 --> 00:08:37,083 どれもが完璧なタイミングで 浮かんでは消えていったぞ! 109 00:08:37,083 --> 00:08:41,087 一度もない…。 食べたことない味だったわ! 110 00:08:41,087 --> 00:08:45,091 一体 何が起こったっていうの…? なんて不思議なデザートなの!? 111 00:08:45,091 --> 00:08:58,104 ♬~ 112 00:08:58,104 --> 00:09:00,073 (広瀬)ああ…。 113 00:09:04,110 --> 00:09:08,114 北田岳くん! さあ みんなに説明してくれたまえ! 114 00:09:08,114 --> 00:09:13,186 この素晴らしい一品が どういう理屈で作られたのか 君の口から…! 115 00:09:13,186 --> 00:09:16,122 ⚞(男性)北田岳…? どこかで聞いたことがあるような。 116 00:09:16,122 --> 00:09:19,125 競技数学をやってた子じゃないか? 117 00:09:19,125 --> 00:09:22,095 (女性)えっ!? そんな子が今 料理人をやってるの? 118 00:09:26,099 --> 00:09:30,103 デザートは 図形と数字でできているんです。 119 00:09:32,105 --> 00:09:35,108 デザートは 図形と数字でできているんです。 120 00:09:36,076 --> 00:09:38,111 ゆえにデザートは 他のどの料理より→ 121 00:09:38,111 --> 00:09:42,082 数学的思考を用いるべきパートと 言えるのです。 122 00:09:42,082 --> 00:09:46,086 この数学賞の授賞式には 最も花を添える一品となるでしょう。 123 00:09:47,120 --> 00:09:51,091 デザートが 図形と数字でできてる…? どういうこと…? 124 00:09:52,125 --> 00:09:54,093 今から3週間ほど前→ 125 00:09:54,093 --> 00:09:57,096 僕は とても美味しい苺のタルトを食べました。 126 00:09:58,131 --> 00:10:02,101 (岳の声)それは 普通のタルトなら 生地の上に苺やクリームをのせるところを→ 127 00:10:02,101 --> 00:10:07,106 サクサクしたタルトの食感を残すため タルトを砕いて 最後にまぶす。 128 00:10:07,106 --> 00:10:10,110 たったそれだけで 苺 タルト クリーム→ 129 00:10:10,110 --> 00:10:14,114 全ての素材が最高の状態で 口の中で合わさった。 130 00:10:14,114 --> 00:10:17,116 従来の苺タルトとは かけ離れたイメージ。 131 00:10:17,116 --> 00:10:21,120 バラバラにした素材が 再構築されていったのです。 132 00:10:21,120 --> 00:10:24,124 先に酸味がきて 時差で甘さがきた…。 133 00:10:24,124 --> 00:10:28,128 再構築されていく味を 僕は楽しんだ。 134 00:10:28,128 --> 00:10:30,096 その時 ひらめきました。 135 00:10:30,096 --> 00:10:33,099 この味わいの時間… もっと正確に計算したら→ 136 00:10:33,099 --> 00:10:36,135 もっと奥深いところまで いけるのではないか? 137 00:10:36,135 --> 00:10:39,105 口の温度で変化していく素材。 138 00:10:39,105 --> 00:10:42,141 温度の影響を受けやすい このデザートというテーマ。 139 00:10:42,141 --> 00:10:46,112 口を使うこと それ自体を もっと突き詰められたら どうなるのか? 140 00:10:46,112 --> 00:10:49,082 その計算を 全て数字で表せれば…。 141 00:10:51,117 --> 00:10:54,120 皆さんに提供できる 「美味しさ」というものを→ 142 00:10:54,120 --> 00:10:57,123 僕が この手で コントロールできるのではないか? 143 00:10:57,123 --> 00:10:59,092 完全に。 144 00:11:02,128 --> 00:11:04,130 ハハハ… ハハ。 145 00:11:04,130 --> 00:11:08,101 面白いね。 でも 一体 どんな計算をするというのかね? 146 00:11:08,101 --> 00:11:12,138 このデザートは 4つの要素から構築されています。 147 00:11:12,138 --> 00:11:15,108 まず ラベンダーと杏仁のブランマンジェ。 148 00:11:15,108 --> 00:11:17,076 ライチと白茶のジュレ。 149 00:11:17,076 --> 00:11:20,079 グレープフルーツとローズマリーと バラのマリネ。 150 00:11:20,079 --> 00:11:23,116 バナナとバイマックルーの付け合わせ。 151 00:11:23,116 --> 00:11:26,085 口の中の味わい 香りの残り具合→ 152 00:11:26,085 --> 00:11:31,090 これらを関数で表した結果 この4つの要素を選択しました。 153 00:11:31,090 --> 00:11:33,126 《味を関数で…?》 154 00:11:33,126 --> 00:11:37,096 か か か…。 な… 何!? いつにも増して 何言ってんだ? あいつ! 155 00:11:38,097 --> 00:11:41,100 例えば 一つ… デザートの「甘み」だと→ 156 00:11:41,100 --> 00:11:44,103 時間をX軸 甘みをY軸で計算できます。 157 00:11:45,104 --> 00:11:47,106 (岳の声)咀嚼 嚥下して余韻。 158 00:11:47,106 --> 00:11:51,077 幾多の食材の甘みが 口の温度で いつ出現して消えていくのか。 159 00:11:51,077 --> 00:11:55,081 一つ一つ おおよそで数値化していく。 160 00:11:55,081 --> 00:11:57,116 味の印象は 人それぞれではあるが→ 161 00:11:57,116 --> 00:12:00,119 このあと 素材同士を組み合わせるための目安なので→ 162 00:12:00,119 --> 00:12:02,121 そこは大まかでいい。 163 00:12:02,121 --> 00:12:06,092 相対強度 経過時間を グラフに当てはめます。 164 00:12:07,093 --> 00:12:09,095 ほう…。 165 00:12:09,095 --> 00:12:13,099 この要領で 他の要素の数値も 関数化していく。 166 00:12:13,099 --> 00:12:15,101 特にのめり込んだのが 「香り」です。 167 00:12:15,101 --> 00:12:20,106 (岳の声)華やかに口と鼻に残る香りは 決め手として どうしても欲しいものでした。 168 00:12:20,106 --> 00:12:24,110 地元の植物園で解を得ました。 169 00:12:24,110 --> 00:12:27,113 ラベンダーとバラの… 花びらだった。 170 00:12:27,113 --> 00:12:33,086 このように 何度の温度の時に どの食材が どの程度の香りになるのか→ 171 00:12:33,086 --> 00:12:36,089 どのように加工したら その数値が変化するのか。 172 00:12:36,089 --> 00:12:39,092 食材を絞りながらも 一つ一つ 数値を割り出し→ 173 00:12:39,092 --> 00:12:42,095 関数のグラフに当てはめていった。 174 00:12:42,095 --> 00:12:45,098 すると 当然 食材の関数表が出来上がる。 175 00:12:45,098 --> 00:12:51,104 この曲線の中から 味わいを理想的に バトンタッチしていける食材を厳選した。 176 00:12:51,104 --> 00:12:54,107 その結果 導き出された食材の組み合わせが→ 177 00:12:54,107 --> 00:12:57,110 ベースはラベンダーと杏仁のブランマンジェ。 178 00:12:57,110 --> 00:13:00,179 グレープフルーツとローズマリーと バラのマリネ。 179 00:13:00,179 --> 00:13:02,181 📺ライチと白茶のジュレ。 180 00:13:02,181 --> 00:13:04,150 📺バナナとバイマックルーの 付け合わせだったのです。 181 00:13:06,119 --> 00:13:08,121 なるほど 関数…。 182 00:13:08,121 --> 00:13:11,124 だが 君は デザートは数字と図形だと言ったぞ。 183 00:13:11,124 --> 00:13:13,092 図形の要素は どこにあるんだ? 184 00:13:13,092 --> 00:13:15,094 盛り付けです。 185 00:13:16,095 --> 00:13:18,097 ズッキューン! 186 00:13:18,097 --> 00:13:20,099 《海さんの苺のタルト→ 187 00:13:20,099 --> 00:13:22,101 あの時 あの盛り付けの時点で→ 188 00:13:22,101 --> 00:13:24,103 苺とタルトは同時に食べる他なかった》 189 00:13:25,104 --> 00:13:28,107 盛り付けは 見た目の美しさ インパクトだけじゃない。 190 00:13:28,107 --> 00:13:31,110 食べる人の 口への入り方もコントロールされてる。 191 00:13:31,110 --> 00:13:36,115 この幾何学模様のラングドシャを 崩さないで食べるのは難しいでしょう? 192 00:13:36,115 --> 00:13:38,117 サクサクが口に当たった時の角度→ 193 00:13:38,117 --> 00:13:41,120 その細やかな心地良さを入り口にしたかった。 194 00:13:41,120 --> 00:13:44,123 そして 主役の4種類のデザートについても→ 195 00:13:44,123 --> 00:13:46,125 スプーンですくった時の口に入る順番すら→ 196 00:13:46,125 --> 00:13:48,094 コントロールされている。 197 00:13:49,095 --> 00:13:52,131 つまりは デザートは数字と図形でできている! 198 00:13:52,131 --> 00:13:56,102 これらを駆使すれば 皆さんに提供できる 「美味しさ」…→ 199 00:13:56,102 --> 00:14:00,106 その度合いや出現のタイミングを 僕が全て…→ 200 00:14:00,106 --> 00:14:02,108 全てコントロールできる! 201 00:14:03,109 --> 00:14:05,111 たまらない…! 202 00:14:05,111 --> 00:14:07,113 これに気づいた瞬間から→ 203 00:14:07,113 --> 00:14:11,117 今日まで僕は そのことしか考えられなくなった! 204 00:14:11,117 --> 00:14:13,086 (朝倉 海)フハハハ…。 205 00:14:16,122 --> 00:14:18,091 (蘭菜)あっ… ああ…。 206 00:14:21,094 --> 00:14:23,129 なぜデザートなの? 207 00:14:23,129 --> 00:14:25,131 料理のことはわからない。 208 00:14:25,131 --> 00:14:29,135 でも 食材の数値化とか盛り付けって 他の料理でもできるよね? 209 00:14:29,135 --> 00:14:33,106 魚料理とか肉料理とか。 デザートじゃなくたって…。 210 00:14:33,106 --> 00:14:35,074 そうだろ? 211 00:14:38,144 --> 00:14:49,088 ♬~ 212 00:14:49,088 --> 00:14:51,090 最高の質問! 広瀬くん! 213 00:14:51,090 --> 00:14:55,094 デザートは不自由なんだ。 厳格なルールがある。 214 00:14:55,094 --> 00:14:57,096 でもね そのルールさえ守れば→ 215 00:14:57,096 --> 00:15:01,100 他の料理パートより 無限に組み合わせが広がるってこと! 216 00:15:01,100 --> 00:15:04,170 肉や魚だと まず はっきりとした素材があって→ 217 00:15:04,170 --> 00:15:08,107 それを 焼く 煮る… 加工の手数が限られている。 218 00:15:08,107 --> 00:15:10,076 でもデザートでは ほとんど無限なんだ! 219 00:15:10,076 --> 00:15:12,078 例えば チョコレートなら→ 220 00:15:12,078 --> 00:15:15,114 加熱して いろんな図形に変形させても自由だ。 221 00:15:15,114 --> 00:15:19,085 果物 バニラ クリーム 飴細工…。 222 00:15:19,085 --> 00:15:22,088 素材を最初に はっきり決める必要はない。 223 00:15:22,088 --> 00:15:27,093 関数の組み合わせに 一番近いものを細かく… 本当に細かく組み立てていける! 224 00:15:27,093 --> 00:15:31,097 ルールは数学にもある。 定義や法則とかね。 225 00:15:31,097 --> 00:15:35,101 でも その制限がある不自由さの中でなら 何をしても自由! 226 00:15:35,101 --> 00:15:38,104 ルールの範囲内ギリギリまで考えようとする! 227 00:15:38,104 --> 00:15:40,106 わかるかい? 広瀬くん。 228 00:15:40,106 --> 00:15:43,075 デザートこそ 数学そのものなんだ! 229 00:15:43,075 --> 00:15:49,115 ♬~ 230 00:15:49,115 --> 00:15:51,083 岳…! 231 00:15:52,084 --> 00:15:54,086 広瀬くん! 232 00:15:55,121 --> 00:15:57,089 ねえ 食べていい? 僕も。 233 00:15:57,089 --> 00:16:00,092 出来上がった時から 食べたくって 食べたくって…! 234 00:16:04,096 --> 00:16:08,100 (拍手) 235 00:16:08,100 --> 00:16:15,141 ♬~ 236 00:16:15,141 --> 00:16:20,112 (拍手) 237 00:16:23,182 --> 00:16:25,117 📺(会場の拍手) 238 00:16:25,117 --> 00:16:35,094 ♬~ 239 00:16:36,095 --> 00:16:38,097 (男性)いやあ いい授賞式だった! 240 00:16:38,097 --> 00:16:41,100 (男性)特に料理! 全て美味しかったが→ 241 00:16:41,100 --> 00:16:44,103 やはり 最後のデザートが 全て持っていったな! 242 00:16:44,103 --> 00:16:48,107 (男性)数学賞の授賞式のこの場に 完璧にマッチしてたものな。 243 00:16:48,107 --> 00:16:50,109 (女性)あの子 北田岳っていってたよね。 244 00:16:50,109 --> 00:16:54,113 ねえ 気づいた? ジュニア数学で結構有名だった子よね。 245 00:16:54,113 --> 00:16:56,115 広瀬くんと同期! 246 00:16:56,115 --> 00:16:59,118 (女性) 数学で料理を作ることに挑んでるってこと? 247 00:16:59,118 --> 00:17:01,087 どこのお店で働いてるのかしら? 248 00:17:02,121 --> 00:17:04,123 どうだったね? 神楽。 249 00:17:05,124 --> 00:17:07,126 (神楽)ハア ハア…。 250 00:17:07,126 --> 00:17:10,096 ハハハハハ…! ハハハハハ…! 251 00:17:10,096 --> 00:17:12,098 ハア ハア…! 252 00:17:14,133 --> 00:17:16,135 (馬のいななき) 253 00:17:16,135 --> 00:17:23,109 ♬~ 254 00:17:25,111 --> 00:17:28,114 (蘭菜)なぜ 今 パティシエだったの…? 海。 255 00:17:28,114 --> 00:17:31,117 ここまで見抜いてたっていうの…? 256 00:17:31,117 --> 00:17:35,121 数学とデザートの相性がいいから 無理やりでも 今 転向させたのは→ 257 00:17:35,121 --> 00:17:38,124 この場で はっきり成功できると踏んで…? 258 00:17:38,124 --> 00:17:42,094 まさか。 俺のは いつものむちゃ振りだよ。 259 00:17:42,094 --> 00:17:47,099 ただ一つ 直感はあった。 あいつのピュアさが残ってるうちが勝負だと。 260 00:17:47,099 --> 00:17:49,101 賄いの肉じゃがも美味しかった。 261 00:17:49,101 --> 00:17:53,105 そのあと 成長していく岳も 決して悪くない。 262 00:17:53,105 --> 00:17:57,076 ただ 数学という武器を はっきり ものにできないまま→ 263 00:17:57,076 --> 00:18:04,083 科学や物理が混在する料理法が多くなり どこか 数学をあいまいにして進んでいた。 264 00:18:04,083 --> 00:18:07,086 このまま完成してしまうと 後戻りできなくなる。 265 00:18:07,086 --> 00:18:11,090 「数学を使った唯一無二の料理人」でなくなる。 266 00:18:12,124 --> 00:18:15,094 パティシエが数学と相性がいいのは もちろん わかっていた。 267 00:18:15,094 --> 00:18:18,097 膨大な数値の縛りの中→ 268 00:18:18,097 --> 00:18:22,101 不自由の中に自由を見いだした者だけが 成功できる。 269 00:18:22,101 --> 00:18:25,104 それが パティシエの世界だからな。 270 00:18:25,104 --> 00:18:31,077 ピュアな岳のうちに突き落としてみたかった。 パティシエの大海原に。 271 00:18:33,079 --> 00:18:36,082 (広瀬の母)北田くんと話さないでよかったの? 一太郎さん。 272 00:18:36,082 --> 00:18:39,085 彼を助手に誘うのが目的だったんじゃ? 273 00:18:40,086 --> 00:18:43,089 今日の会場は 岳のものだった! 274 00:18:43,089 --> 00:18:46,125 まさか デザートで 僕の真理の扉が一つ開くなんて→ 275 00:18:46,125 --> 00:18:48,094 夢にも思わなかったよ…。 276 00:18:48,094 --> 00:18:53,099 面白かった…。 今日の彼の論文は面白かった! 277 00:18:53,099 --> 00:18:55,101 彼は いつでも楽しい。 278 00:18:55,101 --> 00:18:58,104 いつも 僕の中の扉を開けてくれる存在なんだ! 279 00:18:58,104 --> 00:19:02,108 ああ 岳… さすがだよ。 君に出会えて よかった! 280 00:19:02,108 --> 00:19:06,078 料理人の岳の続きを 今は見てみたい! 281 00:19:07,079 --> 00:19:11,083 料理かあ…。 料理ねえ…。 282 00:19:13,119 --> 00:19:18,124 (布袋勝也)海… また お前の賭けが 岳を大変な高みに導いた。 283 00:19:18,124 --> 00:19:21,093 だが 今の岳 本当に危ういぜ。 284 00:19:21,093 --> 00:19:24,130 (布袋)誰とも目が合わず 勝負に挑んでいた。 285 00:19:24,130 --> 00:19:27,099 今日 失敗すれば 自分が破滅するかも…。 286 00:19:27,099 --> 00:19:34,106 その恐怖すら どこかに置いてきたかのように 孤独の世界へ没頭し 突き進んでいった。 287 00:19:34,106 --> 00:19:37,109 広瀬すら… お前すら見てなかった。 288 00:19:37,109 --> 00:19:41,080 不安定に感じる。 本当に これでいいのか? 289 00:19:46,118 --> 00:19:48,120 いいに決まってる。 290 00:19:49,121 --> 00:19:51,123 パティシエ… だったんだ。 291 00:19:51,123 --> 00:19:55,094 《素材の関数化 加工の無限さ→ 292 00:19:55,094 --> 00:19:58,097 次から次へと 頭に組み合わせが浮かんでくる!》 293 00:19:58,097 --> 00:20:00,132 《武器をふるえる役割を手に入れた…》 294 00:20:00,132 --> 00:20:02,101 《パティシエ!》 295 00:20:02,101 --> 00:20:06,138 このパティシエの道を突き詰めたら 僕は どこまで行ける!? 296 00:20:06,138 --> 00:20:11,110 早く… 早く。 次が作りたくて仕方ない! 297 00:20:11,110 --> 00:20:15,147 そうすれば 俺ののど元に迫る。 早く来い 岳。 298 00:20:15,147 --> 00:20:19,118 孤独を突き詰めてこい… 岳! 299 00:20:19,118 --> 00:20:34,133 ♬~ 300 00:20:34,133 --> 00:20:36,102 (岳の声)高みへ…。 301 00:20:37,136 --> 00:20:39,105 高みへ! 302 00:20:39,105 --> 00:20:41,107 フフッ。 303 00:20:43,109 --> 00:21:00,092 ♬~ 304 00:21:00,092 --> 00:21:16,108 ♬~ 305 00:21:17,176 --> 00:21:19,078 (ドアの開く音) 306 00:21:19,078 --> 00:21:23,082 申し訳ございません 本日のランチは…。 307 00:21:30,122 --> 00:21:32,091 (ドアの開く音) (寧々)岳く~ん。 308 00:21:32,091 --> 00:21:37,096 ディナーまでの休憩時間ですが ご来客です~。 309 00:21:37,096 --> 00:21:39,064 来客…? 310 00:21:42,101 --> 00:21:45,104 (北田 勲)おう 岳! 近くまで寄ってな! 311 00:21:45,104 --> 00:21:48,107 父さん!? ハハッ。 312 00:21:51,076 --> 00:21:56,081 〈この料理の世界で 僕は どこまでいけるだろう?〉 313 00:21:56,081 --> 00:22:01,120 〈どんな難問が この先 待ち受けているのだろう?〉 314 00:22:01,120 --> 00:22:04,089 〈でも 僕のレシピを突き詰めていく!〉 315 00:22:04,089 --> 00:22:06,091 〈海さんと共に!〉 316 00:22:15,100 --> 00:22:23,075 ♬~