1 00:01:54,320 --> 00:01:59,950 むか~しむかし そのまた昔 この地上ではなく 2 00:01:59,950 --> 00:02:04,960 神様たちが住む天の世界 天界のお話です。 3 00:02:04,960 --> 00:02:10,550 天界には 天の川という 大きな川が流れています。 4 00:02:21,270 --> 00:02:25,900 その西の岸辺には たいそう立派な御殿がありました。 5 00:02:25,900 --> 00:02:31,150 宇宙のすべてを取り計らう 神様のなかの神様 6 00:02:31,150 --> 00:02:33,650 天のみかどの住まいです。 7 00:02:36,240 --> 00:02:39,280 天のみかどには 一人の娘がいました。 8 00:02:39,280 --> 00:02:43,290 名前を織姫といいます。 9 00:02:43,290 --> 00:02:47,290 織姫は 機を織るのが とても上手でした。 10 00:02:50,340 --> 00:02:53,550 機という大きな道具を使って 糸を織り 11 00:02:53,550 --> 00:02:56,590 1枚の布を作ることが仕事です。 12 00:02:56,590 --> 00:03:01,720 織姫が 毎日毎日 精を出して 布を織るので 13 00:03:01,720 --> 00:03:03,810 天界の神様たちは 14 00:03:03,810 --> 00:03:07,310 着る物に不自由することは ありませんでした。 15 00:03:12,940 --> 00:03:16,570 やがて 織姫も年ごろの娘になり 16 00:03:16,570 --> 00:03:21,530 天のみかどは 婿を迎えようと考えました。 17 00:03:21,530 --> 00:03:25,000 たくさんの若者の中から 選ばれたのは 18 00:03:25,000 --> 00:03:30,290 天の川の東側に住んでいる 彦星という牛飼いでした。 19 00:03:32,210 --> 00:03:34,420 彦星もまた 働き者で 20 00:03:34,420 --> 00:03:37,550 飼っている牛は どれも立派でした。 21 00:03:39,640 --> 00:03:42,930 ついに お目見えの日がやってきました。 22 00:03:47,980 --> 00:03:52,770 2人はすぐに 相手を気に入ってしまいました。 23 00:03:55,820 --> 00:04:01,820 こうして 織姫と彦星は 晴れて 夫婦となったのです。 24 00:04:06,950 --> 00:04:11,750 織姫も彦星も それはそれは幸せでした。 25 00:04:19,930 --> 00:04:24,060 2人で過ごす時間は あっという間に過ぎていきます。 26 00:04:26,020 --> 00:04:28,600 (織姫)今度は お花を摘みにいきましょう。 27 00:04:28,600 --> 00:04:33,270 (彦星)あぁ それはいい。 その次は 森へ出かけよう。 28 00:04:33,270 --> 00:04:35,730 それも楽しそうです。 29 00:04:35,730 --> 00:04:41,450 織姫と彦星は 来る日も来る日も 楽しいことを考えては 30 00:04:41,450 --> 00:04:44,370 2人で出かけていきました。 31 00:04:44,370 --> 00:04:48,370 そんな毎日が 楽しくて仕方がなかったのです。 32 00:04:52,250 --> 00:04:55,000 そして いつの間にか 33 00:04:55,000 --> 00:04:58,010 仕事のことを 忘れてしまったのです。 34 00:05:05,890 --> 00:05:08,600 皆の者 どうかしたのか? 35 00:05:08,600 --> 00:05:13,900 織姫様が機織りをせんので 新しい布が届きません。 36 00:05:13,900 --> 00:05:17,230 おかげで 新しい着物が作れず…。 37 00:05:17,230 --> 00:05:20,530 古くなったのを がまんして 着ているのです。 38 00:05:20,530 --> 00:05:23,610 彦星もそうだ! そうそう! 39 00:05:23,610 --> 00:05:26,580 すっかり 牛の世話を しなくなったもので…。 40 00:05:26,580 --> 00:05:30,750 どの牛も痩せてしまって 今にも病に倒れそうだ。 41 00:05:30,750 --> 00:05:33,920 (みんな)みかど様 なんとかしてください! 42 00:05:33,920 --> 00:05:38,210 なんとかしてもらわないと 大変なことになります! 43 00:05:40,800 --> 00:05:49,310 (雷鳴) 44 00:05:51,310 --> 00:05:54,770 お父様 お久しぶりでございます。 45 00:05:54,770 --> 00:05:57,730 仲よう暮らしているようだな。 46 00:05:57,730 --> 00:06:02,240 はい 父上。 おかげさまで 楽しく暮らしています。 47 00:06:02,240 --> 00:06:06,780 それは よい。 だがな…。 48 00:06:06,780 --> 00:06:09,700 誰が 仕事を 放り出してよいと言った!? 49 00:06:09,700 --> 00:06:14,750 新しい布がのうて どうする!? 牛を痩せこけにさせて どうする!? 50 00:06:14,750 --> 00:06:17,210 皆 困り果てておるのだぞ! 51 00:06:17,210 --> 00:06:21,260 今日かぎり 彦は天の川の東で暮らすがよい。 52 00:06:21,260 --> 00:06:24,840 そなたは これまでどおり 西の岸辺で暮らすのだ! 53 00:06:24,840 --> 00:06:28,350 で… でも…。 わかったな!? 54 00:06:30,260 --> 00:06:38,230 彦星は 天の川を渡り 東の岸辺へと去っていきました。 55 00:06:38,230 --> 00:06:40,230 (泣き声) 56 00:06:40,230 --> 00:06:44,320 織姫は 彦星と 離ればなれになったことが 57 00:06:44,320 --> 00:06:46,570 悲しくて たまりません。 58 00:06:46,570 --> 00:06:49,240 涙はとどまることを知らず 59 00:06:49,240 --> 00:06:54,910 立ち上がることさえ できないありさまでした。 60 00:06:54,910 --> 00:07:00,920 (織姫の泣き声) 61 00:07:00,920 --> 00:07:06,590 うぅ…。 62 00:07:06,590 --> 00:07:09,100 はぁ…。 63 00:07:09,100 --> 00:07:11,060 わかった。 64 00:07:11,060 --> 00:07:14,810 1年に一度だけ 7月7日の夜にだけは 65 00:07:14,810 --> 00:07:17,310 彦星に会うことを許そう。 66 00:07:21,770 --> 00:07:26,740 織姫は 7月7日に 彦星に会えることを楽しみに 67 00:07:26,740 --> 00:07:29,740 機織りの仕事に精を出しました。 68 00:07:29,740 --> 00:07:35,250 彦星も また 一生懸命 牛の世話をしました。 69 00:07:35,250 --> 00:07:40,250 おかげで 神様たちは また 新しい着物を着ることができ 70 00:07:40,250 --> 00:07:44,260 牛たちも 元の立派な姿に戻りました。 71 00:07:50,260 --> 00:07:58,310 そして 7月7日の夜が来ると 織姫は天の川を渡っていきます。 72 00:07:58,310 --> 00:08:03,820 そこには 笑みを浮かべた彦星が 待っているのです。 73 00:08:07,320 --> 00:08:12,330 これが 七夕の由来です。 74 00:08:14,790 --> 00:08:19,210 夏の夜 東の空を 見上げてごらんなさい。 75 00:08:19,210 --> 00:08:23,800 ひときわ 輝く 2つの星が 見つかるはずです。 76 00:08:23,800 --> 00:08:26,840 空の高い所にあるのが 織姫。 77 00:08:26,840 --> 00:08:31,340 低い所にあるのが 彦星です。 78 00:08:42,310 --> 00:08:47,440 昔むかし あるところに 長者がいました。 79 00:08:47,440 --> 00:08:49,440 長者の自慢は 80 00:08:49,440 --> 00:08:54,030 お宝の詰まった たくさんの蔵 広い田んぼと畑。 81 00:08:54,030 --> 00:08:58,910 そして なにより 器量よしの一人娘でした。 82 00:08:58,910 --> 00:09:03,460 ある朝 長者は 田んぼが干上がって 83 00:09:03,460 --> 00:09:07,960 稲が干草のようになってるのに 気がつきました。 84 00:09:07,960 --> 00:09:14,390 誰か ここに水を引いてくれたら 娘を嫁にくれてやるのに…。 85 00:09:14,390 --> 00:09:18,430 翌朝 長者が田んぼに来てみると 86 00:09:18,430 --> 00:09:23,440 昨日とは うって変わって 水が満ちていました。 87 00:09:23,440 --> 00:09:28,020 《誰かは知らぬが 娘の婿に 来てもらいたいもんじゃ》 88 00:09:28,020 --> 00:09:29,900 むっ!? 89 00:09:29,900 --> 00:09:35,910 すると 朝日を背に 小さな山が できているのに 気がつきました。 90 00:09:35,910 --> 00:09:41,960 よく見ると それは山ではなく とぐろを巻いた 大きな蛇でした。 91 00:09:41,960 --> 00:09:46,920 田んぼを水で満たしたのは この蛇だったのです。 92 00:09:46,920 --> 00:09:51,970 蛇は近くの沼の主で このあたりで 悪さばかりしていました。 93 00:09:51,970 --> 00:09:54,930 お前の願いは聞いてやったぞ。 94 00:09:54,930 --> 00:09:58,970 約束どおり お前の娘を嫁にもらう! 95 00:09:58,970 --> 00:10:01,470 あぁ あわあわ!? 96 00:10:01,470 --> 00:10:04,440 屋敷に戻った長者は→ 97 00:10:04,440 --> 00:10:07,770 悲しみのあまり 食事も喉を通りませんでした。 98 00:10:07,770 --> 00:10:14,950 心配した一人娘に 正直に蛇の話を聞かせました。 99 00:10:14,950 --> 00:10:19,740 お父様の頼みでしたら なんでも聞きます。 100 00:10:19,740 --> 00:10:21,910 すまぬ。 101 00:10:21,910 --> 00:10:27,830 娘は 嫁に行くことを 承知しました。 102 00:10:27,830 --> 00:10:32,760 (泣き声) 103 00:10:32,760 --> 00:10:35,680 (オンバ)あねさまよ 泣かずともよい。 104 00:10:35,680 --> 00:10:37,680 はっ! 105 00:10:40,470 --> 00:10:43,480 (オンバ)わたしゃ この池に住むヒキガエルじゃが→ 106 00:10:43,480 --> 00:10:47,940 今まで沼の主には 子供や孫を大勢食われた。 107 00:10:47,940 --> 00:10:52,480 沼の主を退治したいのじゃが わしらの力じゃなんともならん。 108 00:10:52,480 --> 00:10:54,780 じゃが あねさまの力を借りれば→ 109 00:10:54,780 --> 00:10:58,820 沼の主を退治する方法が あるのじゃが…。 110 00:10:58,820 --> 00:11:00,830 えっ? 111 00:11:02,740 --> 00:11:07,170 実はな あるものをいくつか 用意してほしいのじゃ。 112 00:11:07,170 --> 00:11:09,960 は… はい。 113 00:11:14,090 --> 00:11:19,800 お父様 嫁に行く前に 揃えてほしいものがございます。 114 00:11:19,800 --> 00:11:22,260 えっ? 115 00:11:22,260 --> 00:11:27,600 それは 針千本と真綿千枚 そして千成びょうたんでした。 116 00:11:27,600 --> 00:11:29,560 さて 嫁入りの日となりました。 117 00:11:29,560 --> 00:11:34,530 娘はオンバに言われたとおりの たくさんの道具を荷車にのせて→ 118 00:11:34,530 --> 00:11:38,610 主のいる沼に行きました。 119 00:11:42,740 --> 00:11:46,120 ひょうたんをすべて沼に 沈めることができれば→ 120 00:11:46,120 --> 00:11:48,420 あなたの嫁になります。 121 00:11:48,420 --> 00:11:51,750 フフ たやすいことだ。 122 00:11:54,840 --> 00:11:58,260 口に真綿を詰めて 針を刺したひょうたんが→ 123 00:11:58,260 --> 00:12:02,470 沼いちめんに広がりました。 124 00:12:02,470 --> 00:12:04,470 うわぁ~! 125 00:12:06,520 --> 00:12:10,310 ギャー!! 126 00:12:14,320 --> 00:12:17,900 やがて仰向けに浮かんだまま 動かなくなりました。 127 00:12:21,740 --> 00:12:26,120 長者は 沼の主を退治したのを たいそう喜びました。 128 00:12:26,120 --> 00:12:29,790 しかし 大蛇の呪いで→ 129 00:12:29,790 --> 00:12:33,750 重い病気にかかって 寝込んでしまいました。 130 00:12:33,750 --> 00:12:37,960 (泣き声) 131 00:12:37,960 --> 00:12:42,840 あねさまよ すべて あねさまのおかげじゃ。 132 00:12:42,840 --> 00:12:45,640 これで みんな安心して暮らせる。 133 00:12:45,640 --> 00:12:48,100 ところで何を泣いておるんじゃ? 134 00:12:48,100 --> 00:12:53,610 娘が わけを話すと 懐から小さな蓑を出しました。 135 00:12:53,610 --> 00:12:59,940 あねさまは このオンバの皮をかぶり 西へと向かって旅に出なさい。 136 00:12:59,940 --> 00:13:02,910 そこで きっといいことが 起きるに違いない。 137 00:13:02,910 --> 00:13:09,200 そうなれば 父親の病気も すぐによくなるだろう。 138 00:13:09,200 --> 00:13:11,210 えっ? 139 00:13:14,290 --> 00:13:16,290 あっ! 140 00:13:21,090 --> 00:13:28,680 翌朝早く 長者の家から 旅姿のお婆さんが出てきました。 141 00:13:28,680 --> 00:13:33,980 それは オンバの皮をかぶって お婆さんとなった娘でした。 142 00:13:36,400 --> 00:13:39,150 とある村に着いた娘は→ 143 00:13:39,150 --> 00:13:43,280 ある屋敷の前で足を止めました。 144 00:13:43,280 --> 00:13:48,160 それは 村の庄屋の家で 働き手を求めていました。 145 00:13:48,160 --> 00:13:50,620 娘は この家に奉公に入り→ 146 00:13:50,620 --> 00:13:55,380 朝から晩まで 一生懸命 働きました。 147 00:13:55,380 --> 00:14:00,340 娘は 一日の仕事を終え 人々が寝静まってから→ 148 00:14:00,340 --> 00:14:05,340 オンバの皮を脱いで 本来の姿に戻りました。 149 00:14:07,970 --> 00:14:12,230 ある夜のこと この家の長男が お婆さんの部屋に 150 00:14:12,230 --> 00:14:16,270 美しい娘がいるのを 見てしまいました。 151 00:14:16,270 --> 00:14:20,280 翌日 長男は 娘を捜してまわりましたが 152 00:14:20,280 --> 00:14:23,320 どこにも見つかりません。 153 00:14:23,320 --> 00:14:28,280 そのうちこの長男は 恋の病にかかってしまい 154 00:14:28,280 --> 00:14:30,620 医者に診せても治りません。 155 00:14:30,620 --> 00:14:34,460 奉公のおなごみんなに お膳を持たせて 156 00:14:34,460 --> 00:14:38,330 お膳の飯を食べた相手を 嫁にすれば治る。 157 00:14:38,330 --> 00:14:41,630 庄屋は せがれかわいさに 奉公に来ている女に 158 00:14:41,630 --> 00:14:45,220 お膳を持たせて 長男の前に出しましたが 159 00:14:45,220 --> 00:14:48,890 誰のお膳にも手を つけようともしませんでした。 160 00:14:48,890 --> 00:14:53,430 残る女といえば 年寄りの婆さん1人。 161 00:14:53,430 --> 00:14:55,940 けれどあまりに みすぼらしいので…。 162 00:14:55,940 --> 00:14:59,480 お婆さんに着物を 着替えるように言いました。 163 00:14:59,480 --> 00:15:06,280 観念した娘は オンバの皮を脱ぎました。 164 00:15:13,950 --> 00:15:16,620 娘がお膳を持って行くと…。 165 00:15:16,620 --> 00:15:21,880 長男は お膳の食事を きれいに平らげました。 166 00:15:21,880 --> 00:15:27,970 娘は この家の嫁となり いつまでも幸せに暮らしました。 167 00:15:27,970 --> 00:15:32,260 あ そうそう。 長者さんも病気が治り 168 00:15:32,260 --> 00:15:34,890 とても元気になったそうですよ。 169 00:15:44,150 --> 00:15:50,160 昔むかし あるところに 小さな村があった。 170 00:15:53,160 --> 00:15:57,120 あるとき村の長者様が 家を新しくしたので 171 00:15:57,120 --> 00:16:01,330 お祝いをすることになった。 172 00:16:01,330 --> 00:16:05,460 村の者も 何人か招いて ご馳走してくれるという。 173 00:16:05,460 --> 00:16:09,930 一人ひとりにお膳がつく 祝いの宴だ。 174 00:16:09,930 --> 00:16:13,760 ところが お呼ばれをした村の者たち 175 00:16:13,760 --> 00:16:17,770 何やらソワソワ落ち着かない。 176 00:16:17,770 --> 00:16:20,810 祝いの席って どうしたらええんじゃ。 177 00:16:20,810 --> 00:16:26,440 おらもよくわからねえが 何でも羽織袴で行くんだと。 178 00:16:26,440 --> 00:16:29,400 えっ そんなもん持っておらんぞ! 179 00:16:29,400 --> 00:16:32,990 お行儀よくせねばならぬな。 180 00:16:32,990 --> 00:16:35,280 それでおらも困っとる。 181 00:16:35,280 --> 00:16:38,790 そんな席で 飯を食うたことなどないでな。 182 00:16:38,790 --> 00:16:41,790 ああ おらもそうじゃ。 183 00:16:41,790 --> 00:16:47,130 村の者たち 行儀作法と いうものを知らなかったので 184 00:16:47,130 --> 00:16:50,130 どうしたらよいのかわからず 困っていた。 185 00:16:50,130 --> 00:16:54,140 そこでみんなで相談して 寺の和尚さんのところに 186 00:16:54,140 --> 00:16:56,430 聞きにいくことにした。 187 00:16:59,810 --> 00:17:05,810 はぁさようか。 それは皆のものが 心配するのも無理はない。 188 00:17:05,810 --> 00:17:10,150 とはいうものの これから 行儀作法を教えていたのでは 189 00:17:10,150 --> 00:17:12,110 日にちが足りない。 190 00:17:12,110 --> 00:17:16,450 そうだ こうしてはいかがかな。 191 00:17:16,450 --> 00:17:21,120 幸いその日は拙僧も お招きを受けておる。 192 00:17:21,120 --> 00:17:25,130 そこでだ みんな わしの脇に1列に並んで 193 00:17:25,130 --> 00:17:29,130 何でも わしがするとおりに 真似をするというのはどうじゃ? 194 00:17:29,130 --> 00:17:31,880 なるほど。 195 00:17:31,880 --> 00:17:36,470 和尚さんがおやりになるとおりに 真似すりゃええんじゃな。 196 00:17:38,810 --> 00:17:40,890 そういうことだ。 197 00:17:40,890 --> 00:17:44,350 はぁ それなら何とかなるべ。 な。 198 00:17:44,350 --> 00:17:48,150 ああ これで安心して ご馳走が食える。 199 00:17:54,200 --> 00:17:56,490 さて お祝いの日がやって来た。 200 00:18:00,790 --> 00:18:04,750 村の者たちは 着慣れない紋付き袴の姿で 201 00:18:04,750 --> 00:18:08,130 ゾロゾロと長者さんの 新しい家にやって来た。 202 00:18:08,130 --> 00:18:12,840 和尚さんは もう家に着いていて 203 00:18:12,840 --> 00:18:16,430 袈裟を着て しゃんと上座に座っている。 204 00:18:16,430 --> 00:18:19,560 そこで 村の者たちは 和尚さんと並んで 205 00:18:19,560 --> 00:18:22,850 ズラーッと1列になって座った。 206 00:18:34,450 --> 00:18:38,530 本日は お招きにあずかり ありがたく存じます。 207 00:18:38,530 --> 00:18:43,450 誠に立派なお住まいを新築なされ お祝い申し上げます。 208 00:18:43,450 --> 00:18:46,580 (みんな)お祝い申し上げます。 209 00:18:46,580 --> 00:18:49,500 皆様 お揃いで お出かけいただき 210 00:18:49,500 --> 00:18:52,840 こちらも 御礼 申し上げます。 211 00:18:52,840 --> 00:18:54,920 は~い。 212 00:18:54,920 --> 00:18:58,220 次々と お膳が運ばれてきた。 213 00:19:00,550 --> 00:19:04,480 ささやかながら 祝いの膳の用意をいたしました。 214 00:19:04,480 --> 00:19:07,690 さあ さあ どうぞ お召し上がりください。 215 00:19:07,690 --> 00:19:10,810 では ありがたく ちょうだいいたす。 216 00:19:10,810 --> 00:19:12,860 (みんな)ちょうだいいたす。 217 00:19:12,860 --> 00:19:15,320 いよいよだというので 218 00:19:15,320 --> 00:19:19,410 村の者たちは ドキドキしながら 和尚さんを見ていた。 219 00:19:29,750 --> 00:19:33,050 そして やっと 箸に手をつけた。 220 00:19:43,890 --> 00:19:45,890 アチッ… チッチッ…。 221 00:19:50,560 --> 00:19:53,570 そして タイの塩焼きに手をつけた。 222 00:19:59,610 --> 00:20:03,200 まあ どうにかこうにか ここまでは格好がついた。 223 00:20:05,240 --> 00:20:08,580 いやいや これは とんだ不作法でした。 224 00:20:08,580 --> 00:20:11,880 さて その次は 煮込んだいもに手をつけます。 225 00:20:11,880 --> 00:20:13,960 あっ…。 226 00:20:13,960 --> 00:20:17,760 村人たちは それも行儀作法だと思って…。 227 00:20:23,550 --> 00:20:26,850 これは いかん。 和尚さん 少し慌てた。 228 00:20:29,890 --> 00:20:31,940 あっ…。 229 00:20:31,940 --> 00:20:35,940 村人たち それも行儀作法だと思って…。 230 00:20:46,200 --> 00:20:49,960 見ていた長者さんも びっくり! 231 00:20:49,960 --> 00:20:52,250 あっ…。 232 00:20:55,250 --> 00:20:57,550 クックックッ…。 233 00:21:01,880 --> 00:21:04,680 (笑い声) 234 00:21:07,600 --> 00:21:09,520 あっ…。 235 00:21:09,520 --> 00:21:12,100 クックックッ… アハハハハ! 236 00:21:12,100 --> 00:21:17,570 (笑い声) 237 00:21:17,570 --> 00:21:20,650 これには客人たちも たまらない。 238 00:21:20,650 --> 00:21:25,280 (笑い声) 239 00:21:25,280 --> 00:21:30,290 これは いかんと 和尚さん 隣の男の肩を叩いた。 240 00:21:30,290 --> 00:21:32,290 これ これ。 241 00:21:34,210 --> 00:21:39,300 これ これ。 242 00:21:39,300 --> 00:21:41,380 (笑い声) 243 00:21:41,380 --> 00:21:46,300 これ これ。 244 00:21:46,300 --> 00:21:48,930 これ… あっ! 245 00:21:48,930 --> 00:21:51,930 おらは 誰を叩けばええだ? 246 00:21:51,930 --> 00:22:03,280 (笑い声) 247 00:22:03,280 --> 00:22:07,240 そこで 和尚さん 仕方なく 長者さんに訳を話した。 248 00:22:07,240 --> 00:22:10,540 長者さんも 話を聞いて驚いたが 249 00:22:10,540 --> 00:22:14,330 そこからは 無礼講ということになった。 250 00:22:17,630 --> 00:22:22,210 それで 皆も安心して ご馳走を味わったということだ。 251 00:22:27,720 --> 00:22:31,720 皆さん 行儀作法は大切ですよ。