1 00:01:45,000 --> 00:01:49,540 昔むかし ある村に→ 2 00:01:49,540 --> 00:01:55,050 働き者の屁ひり娘がいました。 3 00:02:03,010 --> 00:02:07,060 お父さんもお母さんも はずかしいので 4 00:02:07,060 --> 00:02:12,060 家の中でしか 屁をさせませんでした。 5 00:02:14,530 --> 00:02:19,860 ところが やがて 娘は年頃になり お嫁にいくことになりました。 6 00:02:19,860 --> 00:02:21,820 ええか? 7 00:02:21,820 --> 00:02:25,490 嫁さいったら 屁っぴりのクセは 直さねばなんねえぞ。 8 00:02:25,490 --> 00:02:29,000 お前 よく気をつけろや。 はい。 9 00:02:35,000 --> 00:02:41,010 それから 数日して 娘は 迎えにきた婿さんに連れられて 10 00:02:41,010 --> 00:02:45,010 山ひとつ向こうの村へ お嫁にいきました。 11 00:02:48,060 --> 00:02:54,520 お婿さんの家でも 娘は 朝から晩まで よく働きました。 12 00:02:59,990 --> 00:03:05,450 そんな娘を見て お姑さんも お舅さんも 大喜びでした。 13 00:03:05,450 --> 00:03:10,330 ところが 何日も何日も おならを我慢しているうちに 14 00:03:10,330 --> 00:03:14,840 娘の顔が 青くなってしまったのです。 15 00:03:14,840 --> 00:03:20,800 お前 顔色がよくないぞ。 体が悪いなら 言ってみれ。 16 00:03:20,800 --> 00:03:25,350 どこも悪くないです…。 ほうか? なら いいけど。 17 00:03:25,350 --> 00:03:30,770 しかし 娘の顔色は ますます 青くなるばかり。 18 00:03:30,770 --> 00:03:33,600 どこも悪くないと言うけども 19 00:03:33,600 --> 00:03:36,690 お前の顔色は どう見ても 普通じゃない。 20 00:03:36,690 --> 00:03:41,150 どこぞ悪いなら 遠慮のう 言うてみてくれ。 21 00:03:41,150 --> 00:03:46,240 そこで とうとう 娘は 本当のことを言いました。 22 00:03:46,240 --> 00:03:51,660 おら 実は 屁がひりたくて たまんねえだ。 23 00:03:51,660 --> 00:03:53,620 (2人)アハハハハハ! 24 00:03:53,620 --> 00:03:57,670 そんなこと なんも 遠慮はいらねえ。 はよ ひれ! 25 00:03:57,670 --> 00:04:01,670 だけど おらの屁は そら たいしたもんで。 26 00:04:01,670 --> 00:04:06,140 なんも! 我慢してたら 体に悪い。 はよ ひればええ。 27 00:04:06,140 --> 00:04:09,140 そんなら ご免こうむります。 28 00:04:09,140 --> 00:04:15,650 かか様は炉ぶちに取りつき とと様は臼につかまってくれろ。 29 00:04:15,650 --> 00:04:18,730 はい はい… 言うとおりにすべ。 30 00:04:18,730 --> 00:04:21,320 これで ええか? 31 00:04:24,660 --> 00:04:27,160 (おならの音) 32 00:04:29,540 --> 00:04:33,660 音がしたかと思うと 舅も 姑も 33 00:04:33,660 --> 00:04:37,960 庭まで 吹き飛ばされてしまいました。 34 00:04:40,000 --> 00:04:43,470 あぁ~! 35 00:04:43,470 --> 00:04:47,550 これほどの屁をひられては 家に置いてはおかれねえ。 36 00:04:47,550 --> 00:04:50,350 荷物まとめて 帰ってくれ! 37 00:04:55,140 --> 00:04:59,190 こうして 娘は また 婿さんに送られて 38 00:04:59,190 --> 00:05:03,440 山ひとつ向こうの家に 帰ることになりました。 39 00:05:03,440 --> 00:05:05,490 途中まで行くと 40 00:05:05,490 --> 00:05:11,330 たくさんの実がなった 柿の木がありました。 41 00:05:11,330 --> 00:05:14,290 柿の木の下では 村人が集まって 42 00:05:14,290 --> 00:05:18,710 棒を振ったり 木に登ったりしていましたが 43 00:05:18,710 --> 00:05:23,340 なかなか 柿の実は とれません。 44 00:05:27,680 --> 00:05:30,010 何してるだ? 45 00:05:30,010 --> 00:05:33,970 見りゃ わかるだろう。 柿の実 落としてるだよ。 46 00:05:33,970 --> 00:05:38,020 ふ~ん。 そんなもん おらが みんな 落としてやる。 47 00:05:38,020 --> 00:05:41,070 なかなか落とせるもんでねえ。 48 00:05:41,070 --> 00:05:43,940 いいや 全部落としてやる。 49 00:05:43,940 --> 00:05:46,820 ほう そしたら 全部落としてみれ。 50 00:05:46,820 --> 00:05:51,160 できたら この馬はくれてやるわ。 アハハハハハ! 51 00:05:51,160 --> 00:05:55,750 そこで娘が 柿の木の下まで行って…。 52 00:05:55,750 --> 00:06:00,540 (みんな)うわぁ~! 53 00:06:05,210 --> 00:06:09,340 柿の実は 一つ残らず落ちました。 54 00:06:09,340 --> 00:06:12,970 フゥ… ウフッ…。 55 00:06:12,970 --> 00:06:16,230 こりゃあ たまげた! 馬は やるわ! 56 00:06:16,230 --> 00:06:20,730 こうして娘は 馬を引いていくことにしました。 57 00:06:28,030 --> 00:06:32,990 しばらく行くと 今度は 米俵をたくさん積んだ荷車が→ 58 00:06:32,990 --> 00:06:36,950 急な坂を上れず困っていました。 59 00:06:40,710 --> 00:06:43,130 (2人)え~い! 60 00:06:43,130 --> 00:06:47,010 おらが上げてやろうか? 61 00:06:47,010 --> 00:06:49,130 な… なに!? 62 00:06:49,130 --> 00:06:52,680 おらが山の上まで 上げてやろうか? 63 00:06:52,680 --> 00:06:57,350 な~んも お前みたいな娘っ子に 上げられるもんか! 64 00:06:57,350 --> 00:06:59,980 いいや 上げてやる。 65 00:06:59,980 --> 00:07:05,400 おお! もし山の上まで上げたら この米み~んなくれてやるわ。 66 00:07:05,400 --> 00:07:07,320 (2人)ハハハハハ! 67 00:07:07,320 --> 00:07:13,030 そこで娘が 米を積んだ荷車の前まで行って…。 68 00:07:13,030 --> 00:07:15,030 (2人)うわぁ~! 69 00:07:15,030 --> 00:07:17,950 おぉ おぉ~! 70 00:07:17,950 --> 00:07:25,880 荷車は あっという間に 坂の上まで着いてしまいました。 71 00:07:25,880 --> 00:07:28,880 フゥ… フフフ。 72 00:07:34,390 --> 00:07:39,180 こりゃ たいしたもんだ。 この米 全部くれてやるわ。 73 00:07:41,310 --> 00:07:46,480 こうして娘は 荷車いっぱいの お米までもらうことになりました。 74 00:07:46,480 --> 00:07:51,530 こげんな宝の嫁っこ 里に帰すわけにはいかねえだ。 75 00:07:51,530 --> 00:07:55,160 おらと一緒に帰ろう。 76 00:07:55,160 --> 00:07:57,830 うん。 77 00:07:57,830 --> 00:08:04,710 それからというもの 娘と婿 舅と姑の4人の家族は→ 78 00:08:04,710 --> 00:08:09,960 それはそれは 仲よく暮らしたということです。 79 00:08:09,960 --> 00:08:13,300 ウフッ。 うんうん。 80 00:08:15,390 --> 00:08:17,470 でも庭に小さいけれど→ 81 00:08:17,470 --> 00:08:21,810 頑丈な倉を建て 娘は屁をするときは→ 82 00:08:21,810 --> 00:08:25,310 そこでするように なったということです。 83 00:08:27,820 --> 00:08:30,320 (おなら) 84 00:08:43,960 --> 00:08:50,390 昔むかし 猟師仲間でも 一番腕がいいといわれる若者が→ 85 00:08:50,390 --> 00:08:54,970 山のふもとの一軒家に 母親と住んでいました。 86 00:09:03,480 --> 00:09:08,030 ある日 若者が 猟師仲間の寄り合いに行くと→ 87 00:09:08,030 --> 00:09:11,820 近頃 山に恐ろしい 山猫が出るという話で→ 88 00:09:11,820 --> 00:09:14,330 もちきりになっていました。 89 00:09:14,330 --> 00:09:18,250 その山猫のヤツ 人間に化けて 道に迷わせるらしい。 90 00:09:18,250 --> 00:09:21,130 俺は山猫に後ろから襲われて→ 91 00:09:21,130 --> 00:09:24,340 沢に落とされた 猟師がいるって話を聞いた。 92 00:09:24,340 --> 00:09:27,840 山猫に 食い殺された人間もいるらしい。 93 00:09:27,840 --> 00:09:31,050 しばらく山に入るのは やめたほうがいいな。 94 00:09:31,050 --> 00:09:34,560 そうだな 命あってのものだねだからな。 95 00:09:37,310 --> 00:09:40,520 いや 俺は そんな山猫なんか怖くねえ! 96 00:09:40,520 --> 00:09:44,980 俺が山に入って その山猫を退治してやる! 97 00:09:44,980 --> 00:09:48,070 (みんな)おぉ~。 98 00:09:48,070 --> 00:09:53,570 家に帰った若者は すぐに 鉄砲の弾を作り始めました。 99 00:10:00,710 --> 00:10:03,460 おっかあ この子猫どうしたんだ。 100 00:10:03,460 --> 00:10:07,670 かわいかろう。 さっき庭先で鳴いておってな。 101 00:10:07,670 --> 00:10:10,340 私を見たらすり寄ってきたんじゃ。 102 00:10:10,340 --> 00:10:13,340 そうかそうか。 よしよし。 103 00:10:20,020 --> 00:10:23,400 なんだお前 鉄砲玉が珍しいのか。 104 00:10:23,400 --> 00:10:25,360 ハハハッ。 105 00:10:25,360 --> 00:10:29,360 若者は ちょうど12個の 鉄砲玉を作りました。 106 00:10:29,360 --> 00:10:32,450 そして 次の日の朝。 107 00:10:32,450 --> 00:10:34,490 おっかあ これから猟に出てくる。 108 00:10:34,490 --> 00:10:37,410 今日は 帰れんかもしれんが 心配せんでええからな。 109 00:10:37,410 --> 00:10:39,410 ああ 気をつけてな。 110 00:11:06,400 --> 00:11:10,400 《みんなの話じゃ 山猫が出るのは このあたりのはずだが》 111 00:11:12,320 --> 00:11:14,360 《ん? 足跡だ。 112 00:11:14,360 --> 00:11:19,160 これはキジの羽 こっちは野ウサギの毛だ。 113 00:11:19,160 --> 00:11:22,660 山猫に食われたに違いない》 114 00:11:22,660 --> 00:11:26,830 若者は足跡を追って 山のなかを探しましたが 115 00:11:26,830 --> 00:11:32,300 山猫の姿はどこにもなく とうとう日が暮れてきました。 116 00:11:32,300 --> 00:11:37,890 若者は いつもの山小屋で 夜を明かすことにしました。 117 00:11:50,980 --> 00:11:53,650 《あんな恐ろしい目をした 獣は見たことがない。 118 00:11:53,650 --> 00:11:56,360 あれは山猫に違いない。 119 00:11:56,360 --> 00:11:58,370 よし》 120 00:12:09,000 --> 00:12:13,300 若者は 2つの赤い目の間を狙って…。 121 00:12:16,300 --> 00:12:18,300 《何だ あの音は》 122 00:12:18,300 --> 00:12:21,260 撃った弾は 鉄のようなものに当たり 123 00:12:21,260 --> 00:12:23,310 音を立てて落ちました。 124 00:12:23,310 --> 00:12:25,310 《今度こそ仕留めてやる》 125 00:12:31,020 --> 00:12:34,650 若者は 次々に鉄砲を撃ちましたが 126 00:12:34,650 --> 00:12:40,160 チャリンという音がするばかりで まるで手応えがありません。 127 00:12:40,160 --> 00:12:44,330 そして とうとう 作った鉄砲玉すべてを 128 00:12:44,330 --> 00:12:46,330 使い果たしてしまいました。 129 00:12:46,330 --> 00:12:51,380 《しまった。 このままじゃ あの山猫に食い殺されてしまう。 130 00:12:51,380 --> 00:12:53,380 いったいどうしたらいいんだ》 131 00:12:55,380 --> 00:12:57,340 《そうだ》 132 00:12:57,340 --> 00:12:59,970 それは しゃちだまといって 133 00:12:59,970 --> 00:13:03,720 猟師がいよいよ 最後のときに使う弾でした。 134 00:13:03,720 --> 00:13:06,680 病気で亡くなった父親が 残してくれたものを 135 00:13:06,680 --> 00:13:11,520 母親がお守り袋の中に入れて 若者に持たせていたのです。 136 00:13:17,030 --> 00:13:21,200 《もっと来い もっと近づいて来るんだ》 137 00:13:21,200 --> 00:13:24,280 くらえ! 138 00:13:29,000 --> 00:13:31,420 《やった!》 139 00:13:31,420 --> 00:13:36,010 赤い目を光らせていた山猫は 暗闇のなかを逃げて行きました。 140 00:13:50,230 --> 00:13:55,650 朝日が昇るのを待って 若者が恐る恐る外に出てみると…。 141 00:13:55,650 --> 00:13:57,740 あっ。 142 00:13:57,740 --> 00:14:01,320 戸口のそばに2つに割れた 茶釜の蓋が落ちていました。 143 00:14:04,030 --> 00:14:07,410 そして その先には 12個の鉄砲の弾が 144 00:14:07,410 --> 00:14:10,370 点々と散らばっていました。 145 00:14:10,370 --> 00:14:14,340 若者が 足跡を追っていくと その先に 146 00:14:14,340 --> 00:14:17,920 それは大きな山猫が 息絶えていました。 147 00:14:24,390 --> 00:14:26,390 《この模様…》 148 00:14:28,970 --> 00:14:31,310 《もしや…》 149 00:14:31,310 --> 00:14:34,360 おっかあ! 150 00:14:34,360 --> 00:14:37,020 おっかあ 今 帰った。 151 00:14:37,020 --> 00:14:38,980 おや まあ おかえり。 152 00:14:38,980 --> 00:14:42,030 おっかあ… あの子猫は どこ行ったんだ? 153 00:14:42,030 --> 00:14:45,990 それが お前が出ていって すぐ いなくなっちまったんだよ。 154 00:14:45,990 --> 00:14:50,000 それに ほれ 茶釜の蓋が どこにもないんだよ。 155 00:14:50,000 --> 00:14:53,000 おかしなことがあるもんだね。 156 00:14:56,040 --> 00:14:58,300 《そうか…。 157 00:14:58,300 --> 00:15:03,760 あの山猫は 俺が鉄砲の弾を 何発 作るのか知りたくて 158 00:15:03,760 --> 00:15:07,350 子猫に化けて この家に来たんだ。 159 00:15:07,350 --> 00:15:10,980 そして 12個の弾を 作ったのを知ると 160 00:15:10,980 --> 00:15:14,020 盗んだ茶釜の蓋で弾を弾いて 161 00:15:14,020 --> 00:15:18,650 弾が切れたところで 俺を食い殺す気だったんだ。 162 00:15:18,650 --> 00:15:24,240 しかし このお守りの中に しゃち弾を持っていたおかげで 163 00:15:24,240 --> 00:15:27,240 俺は助かることができた》 164 00:15:30,660 --> 00:15:35,620 《おっとう おっかあ… ありがとう》 165 00:15:46,020 --> 00:15:51,650 昔は ぼてふりという物売りが いろんなものを売りにきました。 166 00:15:54,690 --> 00:15:58,990 豆腐 豆腐。 167 00:15:58,990 --> 00:16:03,410 ハハァ… 天秤棒を手に 荷を振りながら歩くから 168 00:16:03,410 --> 00:16:06,950 ぼてふりと呼ばれていたんですね。 169 00:16:06,950 --> 00:16:12,080 え~ カボチャにサトイモ。 カボチャにサトイモ。 170 00:16:12,080 --> 00:16:16,010 アサリ シジミ。 171 00:16:16,010 --> 00:16:19,970 煮豆に おこうこ 金山寺味噌。 172 00:16:19,970 --> 00:16:25,390 え~ 大福餅 大福餅は いかが? 173 00:16:25,390 --> 00:16:32,020 (物売りたちの声) 174 00:16:34,650 --> 00:16:36,690 毎度。 175 00:16:36,690 --> 00:16:40,860 家の近くに来たときに 買えばいいから 便利ですね。 176 00:16:40,860 --> 00:16:44,280 どいた どいた! どいた どいた! 177 00:16:44,280 --> 00:16:49,000 今のは魚屋さんだけど 何も言わずに行っちゃいました。 178 00:16:49,000 --> 00:16:52,420 魚屋さんは お得意さんを持っているから 179 00:16:52,420 --> 00:16:56,340 売り歩かなくてもいいんですね。 180 00:16:56,340 --> 00:17:00,380 ちゃくりかきふ ちゃくりかきふ。 181 00:17:00,380 --> 00:17:03,970 はあ? この人 何を売っているの? 182 00:17:03,970 --> 00:17:11,020 ちゃくりかきふ ちゃくりかきふ。 183 00:17:11,020 --> 00:17:14,520 ちょいと あんた。 何を売ってんだよ? 184 00:17:14,520 --> 00:17:19,690 ハア… 茶 栗 柿 麩だ。 185 00:17:19,690 --> 00:17:25,370 はあ? そりゃ あんた 順番が悪いんだよ。 186 00:17:25,370 --> 00:17:29,330 順番が悪いからさ 何 売ってんだか わかんないんだよ。 187 00:17:29,330 --> 00:17:32,410 そう そう。 順番 変えてごらんよ。 188 00:17:32,410 --> 00:17:35,000 はあ… そんなもんだべか。 189 00:17:35,000 --> 00:17:37,670 くりふかきちゃ。 190 00:17:37,670 --> 00:17:41,340 くりふかきちゃ くりふ…。 191 00:17:41,340 --> 00:17:45,220 何か ご用ですか? はあ? 192 00:17:45,220 --> 00:17:49,350 私の名前 呼んでいましたね。 193 00:17:49,350 --> 00:17:52,390 おら 売ってるもんを 言ってたんだ。 194 00:17:52,390 --> 00:17:54,690 栗 麩 柿 茶って。 195 00:17:54,690 --> 00:17:58,360 はい 私 クリフ・カキッチャーです。 196 00:17:58,360 --> 00:18:01,320 はあ? 197 00:18:01,320 --> 00:18:05,360 チッチッチッ! ノーです! 順番 変えてください。 198 00:18:05,360 --> 00:18:08,490 紛らわしい! プンプン! 199 00:18:08,490 --> 00:18:11,700 なんだべ? 怒らせてしもうた。 200 00:18:11,700 --> 00:18:14,580 だば 順番 変えよう。 201 00:18:14,580 --> 00:18:21,300 ふかきくりちゃ ふかきくりちゃ。 202 00:18:21,300 --> 00:18:23,880 ふかきくりちゃ。 203 00:18:23,880 --> 00:18:26,470 ふかき…。 コラ! 204 00:18:26,470 --> 00:18:31,220 お前 どこのもんだ! いったい! え… どこのもんって…。 205 00:18:31,220 --> 00:18:35,640 ここが 俺のなわばりだと 知ってのことか!? 206 00:18:35,640 --> 00:18:40,480 この町内じゃ ぶっかき氷は 俺だけと決まってるんだ。 207 00:18:40,480 --> 00:18:44,530 あれ そうでねんだ。 こちとら はるばる 富士山から 208 00:18:44,530 --> 00:18:47,990 えっちらおっちら運んできた 大事な大事な氷で 209 00:18:47,990 --> 00:18:51,580 ぶっかき氷やってんだ。 べらぼうめ! 210 00:18:53,830 --> 00:18:57,330 だから そうでねえんだで…。 211 00:18:57,330 --> 00:19:01,500 なんでぇ そういうわけか。 ふ~ん…。 212 00:19:01,500 --> 00:19:06,010 そりゃ オメエ 一つひとつ 区切って言わなくちゃいけねえな。 213 00:19:06,010 --> 00:19:11,060 一つひとつ区切ってって言うのか。 そういうことだ。 214 00:19:11,060 --> 00:19:14,060 はぁ… じゃあ そうすべ。 215 00:19:18,850 --> 00:19:24,150 茶 と一つひとつ区切って 栗 と一つひとつ区切って 216 00:19:24,150 --> 00:19:30,570 柿 と一つひとつ区切って 麩 と一つひとつ区切って…。 217 00:19:30,570 --> 00:19:36,000 おう! 珍しいな。 一つひとつ 釘売ってるのか? 218 00:19:36,000 --> 00:19:39,000 いいや そうでねんだ。 219 00:19:39,000 --> 00:19:43,460 ふ~ん また おもしれぇ 取り合わせだな。 220 00:19:43,460 --> 00:19:46,510 茶に栗に柿に麩だ? 221 00:19:46,510 --> 00:19:49,680 んだ。 そりゃ いっぺんに 売ろうとするから 222 00:19:49,680 --> 00:19:54,310 いけねえんだ。 まず 茶なら茶と 順番に売っていきな。 223 00:19:54,310 --> 00:19:57,520 はぁ… なら そうすんべ。 224 00:19:57,520 --> 00:20:00,400 茶 茶 茶。 225 00:20:00,400 --> 00:20:04,980 茶 茶 茶…。 226 00:20:04,980 --> 00:20:07,030 (子供たち)ちゃ~ ちゃ~ ちゃ~。 227 00:20:07,030 --> 00:20:10,820 茶 茶 茶…。 ちゃ~ ちゃ~ ちゃ~。 228 00:20:10,820 --> 00:20:15,160 ちゃ~ ちゃ~ ちゃ~。 229 00:20:15,160 --> 00:20:19,500 茶 茶 茶…。 230 00:20:19,500 --> 00:20:23,460 ちゃ~ ちゃ~ ちゃ~。 231 00:20:23,460 --> 00:20:26,340 (笑い声) 232 00:20:26,340 --> 00:20:31,220 あれ? 茶では笑われるんだか? だば 栗から売ろう。 233 00:20:31,220 --> 00:20:35,680 栗 栗 栗…。 234 00:20:35,680 --> 00:20:37,680 くり~ くり~ くり~。 235 00:20:37,680 --> 00:20:41,650 栗 栗 栗。 くり~ くり~ くり~。 236 00:20:41,650 --> 00:20:44,690 (笑い声) 237 00:20:44,690 --> 00:20:47,740 あんれ… 栗でも また 笑われてしもうた。 238 00:20:47,740 --> 00:20:49,700 だば 麩なら どうだべか? 239 00:20:49,700 --> 00:20:56,990 麩 麩 麩…。 240 00:20:56,990 --> 00:20:58,950 これなら よかんべ。 241 00:20:58,950 --> 00:21:10,670 麩 麩 麩…。 242 00:21:10,670 --> 00:21:13,010 おい どうしたね? 243 00:21:13,010 --> 00:21:16,430 そんなに 息が上がっちゃ 仕事にならねえだろうよ。 244 00:21:16,430 --> 00:21:18,350 ちょいと休んでいきな。 245 00:21:18,350 --> 00:21:21,640 はぁ… んだば そうすんべか。 246 00:21:26,480 --> 00:21:33,110 さぁ 白酒はいかが? おいしい酒だよ。 247 00:21:35,700 --> 00:21:39,700 白酒もらおうか。 へい! まいどあり。 248 00:21:47,500 --> 00:21:50,590 うめぇ! あら… お茶。 249 00:21:53,050 --> 00:21:57,050 よかった 切れてたの。 うち これもらうわね。 250 00:22:01,140 --> 00:22:04,020 栗をもらおう。 柿ちょうだい。 251 00:22:04,020 --> 00:22:06,360 私は お茶を。 私 お麩。 252 00:22:06,360 --> 00:22:08,400 ちょうどいい 麩をくれな。 253 00:22:08,400 --> 00:22:10,820 柿 ちょうだい。 私 お茶を。 254 00:22:10,820 --> 00:22:14,700 栗をもらおう。 私も お麩。 255 00:22:14,700 --> 00:22:18,330 あれ みんな 売れてしもうた。 256 00:22:18,330 --> 00:22:22,370 なんも言わねえほうが よかったんだべな。 257 00:22:22,370 --> 00:22:24,420 アハハハハハ! 258 00:22:24,420 --> 00:22:28,170 下手な考え 休むに似たりと 申しますが 259 00:22:28,170 --> 00:22:31,170 これが 商売の難しさなんでしょうね。 260 00:22:31,170 --> 00:22:34,970 でも 売れてよかったですね。