1 00:00:02,002 --> 00:00:07,841 《雫:拝啓 さや 瑞希 長野に着きました。 2 00:00:07,841 --> 00:00:11,845 これから あたしの 初めての連泊が始まります》 3 00:00:11,845 --> 00:00:13,847 (缶ビールを開ける音) 4 00:00:13,847 --> 00:00:17,017 (雫)あっ もう飲んでる! ずるいですよ~。 5 00:00:17,017 --> 00:00:19,686 (厳)なんだよ お前もいるか? 6 00:00:19,686 --> 00:00:22,356 ほれ。 あっ いただきます。 7 00:00:22,356 --> 00:00:25,359 なら いっそ おつまみ どうですか? 8 00:00:25,359 --> 00:00:28,028 朝 仕込んできた これを➨ 9 00:00:28,028 --> 00:00:30,197 混ぜまして…。 10 00:00:30,197 --> 00:00:35,535 ビールが進む ザックザクで スパイシーな クリームチーズボールです! 11 00:00:35,535 --> 00:00:37,538 どれ…。 12 00:00:40,541 --> 00:00:43,544 《クリームチーズの柔らかさと ザクザク感が相まって➨ 13 00:00:43,544 --> 00:00:45,545 食感が楽しい! 14 00:00:45,545 --> 00:00:49,716 黒コショウがピリリと効いて ビールにも合う。 こいつは…》 15 00:00:49,716 --> 00:00:52,119 (2人)うまい! 16 00:02:33,020 --> 00:02:36,356 (厳)よし ささっと設営するか。 17 00:02:36,356 --> 00:02:40,694 でも ここ 全体的に 少し傾斜かかってますね。 18 00:02:40,694 --> 00:02:42,863 うむ… 区画サイトに比べ➨ 19 00:02:42,863 --> 00:02:46,199 フリーサイトのほうは 整地までされていないことも多い。 20 00:02:46,199 --> 00:02:49,703 テントから見える景色が いいに越したことはないが➨ 21 00:02:49,703 --> 00:02:53,040 それでも避けたほうがいい ポイントはある。 22 00:02:53,040 --> 00:02:55,042 < まずは 中州。 23 00:02:55,042 --> 00:02:57,044 安全が 認められている場所もあるが➨ 24 00:02:57,044 --> 00:03:00,814 万が一 増水した場合 浸水は もちろん➨ 25 00:03:00,814 --> 00:03:03,316 命の危険もある。 26 00:03:03,316 --> 00:03:05,318 次に 崖下。 27 00:03:05,318 --> 00:03:07,654 落石や土砂崩れがないとは 言い切れず➨ 28 00:03:07,654 --> 00:03:10,657 特に 落石などの 痕跡があるところは➨ 29 00:03:10,657 --> 00:03:12,659 要注意である。 30 00:03:12,659 --> 00:03:15,495 その次が 水はけの悪い場所。 31 00:03:15,495 --> 00:03:17,497 命の危険は少ないが➨ 32 00:03:17,497 --> 00:03:21,168 雨が降ると 周りが水浸しになってしまう。 33 00:03:21,168 --> 00:03:23,837 吸水性の高い 粘土質の土や➨ 34 00:03:23,837 --> 00:03:26,173 赤土の場所が これにあたる。 35 00:03:26,173 --> 00:03:30,010 砂利のような 水はけのよい場所が望ましい> 36 00:03:30,010 --> 00:03:33,680 他にも 斜面や ボコボコしているところ➨ 37 00:03:33,680 --> 00:03:35,849 樹の根が 地表に出ているところなど➨ 38 00:03:35,849 --> 00:03:38,185 寝づらい場所は避けたほうがいい。 39 00:03:38,185 --> 00:03:41,021 キャンプサイトに 指定されていない場所は➨ 40 00:03:41,021 --> 00:03:43,023 論外だ。 なるほど。 41 00:03:43,023 --> 00:03:45,692 だが 必ずしも 平地があるとも限らん。 42 00:03:45,692 --> 00:03:49,029 それなら なるべく 平たいところを探して…。 43 00:03:49,029 --> 00:03:51,531 斜面の上のほうに 頭がくるように➨ 44 00:03:51,531 --> 00:03:55,202 設営するんですね。 フン… わかってきたな。 45 00:03:55,202 --> 00:03:59,206 斜面に対して横に寝るのも 寝返りを打ちづらくて➨ 46 00:03:59,206 --> 00:04:01,141 意外とストレスだからな。 47 00:04:01,141 --> 00:04:04,344 万が一 打てても 危ないし。 はい! 48 00:04:06,646 --> 00:04:09,983 ふぅ~ 暖かくなってきたといっても➨ 49 00:04:09,983 --> 00:04:12,152 高地は寒いですね~。 50 00:04:12,152 --> 00:04:15,489 なので 早速 焚き火をしたいところですが…。 51 00:04:15,489 --> 00:04:17,824 ふっふっふ…。 52 00:04:17,824 --> 00:04:22,496 ナタ 買っちゃいましたよ~ ふふふ…。 53 00:04:22,496 --> 00:04:26,666 なんだよ そのノリは。 薪割り用のものが欲しくて➨ 54 00:04:26,666 --> 00:04:29,669 ナイフと迷いましたけど ナタにしました。 55 00:04:29,669 --> 00:04:32,172 これでバトリングしていきます! 56 00:04:32,172 --> 00:04:36,009 バトニングな 誰と戦うつもりだよ。 57 00:04:36,009 --> 00:04:39,846 今回は 自分で調べてきたので やってみます! 58 00:04:39,846 --> 00:04:41,848 アテッ ささくれが…。 59 00:04:41,848 --> 00:04:44,184 《大丈夫かよ…》 60 00:04:44,184 --> 00:04:47,687 < まず 土台となる薪 または石などを置く。 61 00:04:47,687 --> 00:04:51,858 そして 薪の繊維の方向に 合うように ナタを当てる。 62 00:04:51,858 --> 00:04:55,695 この際 体に平行になるように ナタを向ける。 63 00:04:55,695 --> 00:04:59,966 ナタの背を垂直に叩き 薪に食い込ませたら➨ 64 00:04:59,966 --> 00:05:02,803 ナタが飛び出ているところを 叩いていく。 65 00:05:02,803 --> 00:05:05,972 刃の角度が 地面と平行を保つように➨ 66 00:05:05,972 --> 00:05:07,974 注意する> 67 00:05:07,974 --> 00:05:12,779 《できた! よ~し この調子でいくぞ~》 68 00:05:14,815 --> 00:05:16,983 さ~て 早速 焚き火を…。 ちょっと待て。 69 00:05:16,983 --> 00:05:19,486 な なんでしょ? 70 00:05:19,486 --> 00:05:21,988 覚えてるか? ローインパクト。 71 00:05:21,988 --> 00:05:26,993 はい もちろん! 自然へのダメージを 減らすことですよね。 72 00:05:26,993 --> 00:05:30,163 ほれ。 わっ 何ですか? これ。 73 00:05:30,163 --> 00:05:34,668 (厳)スパッタシート 地面への熱を減らすものだ。 74 00:05:34,668 --> 00:05:37,837 (雫)そういえば厳さんも いつも敷いてますね。 75 00:05:37,837 --> 00:05:42,676 <焚き火台を使っても 地面への影響は ゼロではない。 76 00:05:42,676 --> 00:05:46,680 特に 芝生のようなサイトでは スパッタシートを敷くことで➨ 77 00:05:46,680 --> 00:05:51,017 輻射熱や 燃えて崩れ落ちた薪から 守ることができる> 78 00:05:51,017 --> 00:05:53,520 (厳)自然を相手に楽しんでるんだ。 79 00:05:53,520 --> 00:05:57,190 利用時のちょっとした心遣いで 守れるものもある。 80 00:05:57,190 --> 00:06:00,126 そいつも その一つってわけだ。 81 00:06:00,126 --> 00:06:02,128 そいつは お前にやるよ。 82 00:06:02,128 --> 00:06:05,465 今後は 芝生のサイトでは そいつを使え。 83 00:06:05,465 --> 00:06:09,302 あぁ… いただいていいんですか!? 悪いですよ~。 84 00:06:09,302 --> 00:06:11,304 いいんだよ。 85 00:06:11,304 --> 00:06:14,474 たまには 師匠らしいこと したくなっただけだ。 86 00:06:14,474 --> 00:06:17,310 俺は キャンパーに 最も必要なのは➨ 87 00:06:17,310 --> 00:06:19,980 心構えだと思っている。 88 00:06:19,980 --> 00:06:22,649 楽しむだけで終わってちゃいかん。 89 00:06:22,649 --> 00:06:26,820 自然に対する感謝も そして 恐怖も 忘れちゃいかん。 90 00:06:26,820 --> 00:06:30,824 感謝を忘れなきゃ その大きさも 怖さも➨ 91 00:06:30,824 --> 00:06:32,826 忘れないもんさ。 92 00:06:32,826 --> 00:06:36,830 そいつは その感謝を忘れない ギアの一つというわけだ。 93 00:06:36,830 --> 00:06:39,332 俺からのメッセージみたいなもんだ。 94 00:06:39,332 --> 00:06:41,835 もらってくれ。 はい! 95 00:06:41,835 --> 00:06:46,506 《雫:そうやって教えてくれるから あたしも意識できてます。 96 00:06:46,506 --> 00:06:50,010 自然への感謝も➨ 97 00:06:50,010 --> 00:06:53,680 厳さんへの感謝も…》 98 00:06:53,680 --> 00:06:57,183 (雫)よ~し 晩ご飯 1品目! 99 00:06:57,183 --> 00:07:00,287 海なし県で 2種の海鮮生春巻きです! 100 00:07:00,287 --> 00:07:02,622 生春巻きぃ? 101 00:07:02,622 --> 00:07:05,625 不満そうですね。 あぁ いや…。 102 00:07:05,625 --> 00:07:08,962 厳さんが好きそうなので いつも お肉寄りでしたけど➨ 103 00:07:08,962 --> 00:07:10,964 今日は海鮮でいきます。 104 00:07:10,964 --> 00:07:13,967 一日目なら 生っぽいものでも 平気ですからね。 105 00:07:13,967 --> 00:07:15,969 ささっ 食べましょ! 106 00:07:15,969 --> 00:07:20,307 《まぁ うまそうだが… いざっ! 107 00:07:20,307 --> 00:07:22,309 うまい! 108 00:07:22,309 --> 00:07:25,812 アボカドとスモークサーモン それにチーズが合わさり➨ 109 00:07:25,812 --> 00:07:27,814 味が濃くて うまい! 110 00:07:27,814 --> 00:07:30,984 更に シャキッとした野菜が いいアクセントになっている。 111 00:07:30,984 --> 00:07:33,653 そして こちらは…。 112 00:07:33,653 --> 00:07:35,989 うまぁ…。 113 00:07:35,989 --> 00:07:39,659 マグロのたたきに和っぽい野菜は 間違いない! 114 00:07:39,659 --> 00:07:42,662 わさび醤油が また合う…》 115 00:07:42,662 --> 00:07:46,499 連泊一日目の夜は まだまだ終わりませんよ! 116 00:07:46,499 --> 00:07:50,003 パクチー香る ベトナム風アクアパッツァです! 117 00:07:50,003 --> 00:07:53,006 アクアパッツァ… ベトナム風? 118 00:07:53,006 --> 00:07:57,510 生春巻きもベトナム料理なので 今回はベトナム縛りです。 119 00:07:57,510 --> 00:08:00,447 はい! これ 厳さんの分です。 120 00:08:00,447 --> 00:08:02,949 《パクチーとヌクマムの香り…。 121 00:08:02,949 --> 00:08:06,553 まぁ 俺も嫌いじゃないが さて…》 122 00:08:08,788 --> 00:08:10,790 《うまいっ! 123 00:08:10,790 --> 00:08:13,793 魚より肉のほうが… なんて思っていたが➨ 124 00:08:13,793 --> 00:08:15,795 やはり 魚もうまい! 125 00:08:15,795 --> 00:08:18,465 ヌクマムの味わい パクチーの香り。 126 00:08:18,465 --> 00:08:20,800 とたんにエスニックな味わいがいい。 127 00:08:20,800 --> 00:08:23,803 味も ちょっと濃い目で 酒に合う!》 128 00:08:23,803 --> 00:08:26,806 こりゃうまい もう ひと口…。 あ~! 129 00:08:26,806 --> 00:08:29,642 ちょっと待ってください! ここは せっかくですから➨ 130 00:08:29,642 --> 00:08:31,811 アレで! アレでいきましょう! 131 00:08:31,811 --> 00:08:33,813 アレ? ほら さっき➨ 132 00:08:33,813 --> 00:08:37,650 アクアパッツァを作る時に使った…。 あぁ アレか。 133 00:08:37,650 --> 00:08:41,354 (雫)やはり アクアパッツァには 白ワインですよ! 134 00:08:43,323 --> 00:08:45,325 《2人:うま~》 135 00:08:45,325 --> 00:08:48,495 うむ 確かに アクアパッツァに爽やかな白ワイン➨ 136 00:08:48,495 --> 00:08:52,165 これはいいなぁ。 あとは こいつもお約束ですよ。 137 00:08:52,165 --> 00:08:54,667 アクアパッツァといえば…。 138 00:08:54,667 --> 00:08:56,836 フランスパンでしょ! 139 00:08:56,836 --> 00:08:58,838 汁に つけても…。 140 00:08:58,838 --> 00:09:00,940 うまぁ! 141 00:09:00,940 --> 00:09:04,110 具をのせて チーズも削っちゃったり…。 142 00:09:04,110 --> 00:09:07,280 おいし~! 143 00:09:07,280 --> 00:09:10,283 お 俺にも よこせ! 144 00:09:10,283 --> 00:09:12,619 はいはい。 145 00:09:12,619 --> 00:09:16,623 (厳)パンも食って 腹にたまるな。 ごちそうさん。 146 00:09:16,623 --> 00:09:19,125 お粗末さまです。 さて…。 147 00:09:19,125 --> 00:09:23,129 ちょいと早いが寝るわ。 あっ 早いですね。 148 00:09:23,129 --> 00:09:25,799 明日は 朝日でも見ようかとな。 149 00:09:25,799 --> 00:09:29,636 あ~ いいですね! それじゃ あたしも➨ 150 00:09:29,636 --> 00:09:31,638 もうちょっとしたら 寝ようかと思います。 151 00:09:31,638 --> 00:09:34,974 おう わかった。 あ~ そうだ。 152 00:09:34,974 --> 00:09:39,479 連泊の醍醐味は二日目からだ。 楽しみにしとけよ! 153 00:09:50,990 --> 00:09:54,327 (雫)おはようございます 厳さん。 154 00:09:54,327 --> 00:09:58,164 お~ 起きたか。 何やってるんですか? それ。 155 00:09:58,164 --> 00:10:03,069 コーヒーだよ お前もいるか? いただきます! 156 00:10:07,507 --> 00:10:09,509 (2人)はふぅ…。 157 00:10:09,509 --> 00:10:11,511 そういえば あの…。 158 00:10:11,511 --> 00:10:16,115 連泊の醍醐味って…。 おっ 昇ってきたぞ。 159 00:10:22,856 --> 00:10:25,859 連泊の醍醐味… それは➨ 160 00:10:25,859 --> 00:10:28,361 時間だ。 161 00:10:28,361 --> 00:10:30,363 チェックインも チェックアウトもない。 162 00:10:30,363 --> 00:10:33,867 ゆとりある贅沢な時間こそ 連泊の醍醐味だ。 163 00:10:33,867 --> 00:10:37,370 贅沢な時間…。 164 00:10:37,370 --> 00:10:39,873 だから俺は… 寝る。 165 00:10:39,873 --> 00:10:43,543 え? えっ あの…。 166 00:10:43,543 --> 00:10:46,713 ホントに寝ちゃった…。 167 00:10:46,713 --> 00:10:50,884 《でも そうか 朝日 見るためだけに起きて➨ 168 00:10:50,884 --> 00:10:53,052 またゆっくり二度寝。 169 00:10:53,052 --> 00:10:57,223 自由な時間こそ 連泊の醍醐味か。 170 00:10:57,223 --> 00:11:00,827 でも あたしは 目が覚めちゃったよ》 171 00:11:00,827 --> 00:11:02,829 はぁ~。 172 00:11:02,829 --> 00:11:05,832 《もう 朝ご飯食べちゃおうかな…》 173 00:11:05,832 --> 00:11:08,001 (いびき) 174 00:11:08,001 --> 00:11:21,014 ♬~ 175 00:11:21,014 --> 00:11:24,017 《ん? あいつ どっか行ったのか? 176 00:11:24,017 --> 00:11:27,520 まだ昼前か。 177 00:11:27,520 --> 00:11:29,522 だが…》 178 00:11:37,864 --> 00:11:41,167 《そろそろ戻ろうかな…》 179 00:11:54,714 --> 00:11:57,717 はぁ~。 180 00:11:57,717 --> 00:11:59,919 《うまい!》 181 00:12:01,988 --> 00:12:05,091 《やっぱり まだちょっと寒いな。 戻ろう》 182 00:12:10,663 --> 00:12:12,999 あは…。 183 00:12:12,999 --> 00:12:17,170 厳さん 奇遇ですね! 何やってたんですか? 184 00:12:17,170 --> 00:12:19,839 おう… 雫。 185 00:12:19,839 --> 00:12:23,676 ちょっと 酒の買い足しにな。 お前は何やってたんだ? 186 00:12:23,676 --> 00:12:25,845 散歩したり 本読んだり…。 187 00:12:25,845 --> 00:12:28,648 あっちに 景色のいいところ あったんですよ! 188 00:12:32,018 --> 00:12:34,687 厳さん お酒飲みました? 189 00:12:34,687 --> 00:12:36,856 あぁ…。 190 00:12:36,856 --> 00:12:38,858 ひとりで飲んでたんですか~? 191 00:12:38,858 --> 00:12:42,862 べ 別にいいだろ。 うへへ…。 192 00:12:42,862 --> 00:12:45,531 《あれ? 193 00:12:45,531 --> 00:12:48,368 さっきまで ちょっと寒かったのに➨ 194 00:12:48,368 --> 00:12:51,070 なんか暖かい…》 195 00:12:53,873 --> 00:12:56,376 なんだよ? うへへ…。 196 00:12:56,376 --> 00:13:01,147 あたしのご飯で飲むお酒のほうが ず~っとおいしいですから! 197 00:13:01,147 --> 00:13:03,316 期待しててくださいね! 198 00:13:03,316 --> 00:13:07,820 連泊二日目のキャンプご飯 いっきますよ~! 199 00:13:09,989 --> 00:13:11,991 ♬(鼻歌) 200 00:13:11,991 --> 00:13:13,993 《俺は どちらかと言うと➨ 201 00:13:13,993 --> 00:13:15,995 料理をするのは あまり好きではない。 202 00:13:15,995 --> 00:13:18,831 うまいものを食べるのは もちろん好きだが➨ 203 00:13:18,831 --> 00:13:21,167 それより面倒が勝ってしまう。 204 00:13:21,167 --> 00:13:25,838 楽しみ方はそれぞれだと言ったが 俺には よくわからん。 205 00:13:25,838 --> 00:13:29,175 だけど 楽しそうにメシ作ってる こいつを見てると➨ 206 00:13:29,175 --> 00:13:31,844 面倒を楽しむって 原点を感じる》 207 00:13:31,844 --> 00:13:33,846 ふふ…。 208 00:13:33,846 --> 00:13:36,516 と こっちは まだかかるので…。 209 00:13:36,516 --> 00:13:39,519 次の品に取りかかりますよ! 210 00:13:39,519 --> 00:13:43,189 《いっつも楽しそうに メシ作りやがって…。 211 00:13:43,189 --> 00:13:47,694 次のソロキャンプじゃ 俺も なんか しっかり作ってみるか…》 212 00:13:50,697 --> 00:13:52,865 (雫)最後に炙って➨ 213 00:13:52,865 --> 00:13:55,034 ソースをかけて…。 214 00:13:55,034 --> 00:13:58,371 できました! フライパンでコンビーフコロッケです。 215 00:13:58,371 --> 00:14:00,973 《パン粉とチーズの焼ける香り…。 216 00:14:00,973 --> 00:14:04,477 そして なんだかんだと 食欲を誘う ソースの匂い! 217 00:14:04,477 --> 00:14:06,646 こりゃ 腹も鳴るぜ! 218 00:14:06,646 --> 00:14:09,982 どれ…。 219 00:14:09,982 --> 00:14:12,318 うまい! 220 00:14:12,318 --> 00:14:15,988 一見 層を重ねただけのようにも 見えるが➨ 221 00:14:15,988 --> 00:14:21,661 それぞれの味わいがありつつ 口の中でコロッケになってる!》 222 00:14:21,661 --> 00:14:23,663 ふだん キャンプご飯は➨ 223 00:14:23,663 --> 00:14:25,665 余りが出ないように 作ってるんですけど➨ 224 00:14:25,665 --> 00:14:28,334 今日は連泊だから 逆転の発想があっても➨ 225 00:14:28,334 --> 00:14:30,336 いいかなって…。 226 00:14:30,336 --> 00:14:33,506 昨日のパンをあえて余らせて 次の日に活かす! 227 00:14:33,506 --> 00:14:35,675 そうやってメニューを考えたんです。 228 00:14:35,675 --> 00:14:38,678 なるほどな いい発想だ。 229 00:14:38,678 --> 00:14:42,682 あ… えへへ…。 230 00:14:42,682 --> 00:14:46,185 材料も流用なら 調理器具も流用です。 231 00:14:46,185 --> 00:14:49,689 小さいとはいえ 重いダッチオーブンを持っていくなら➨ 232 00:14:49,689 --> 00:14:52,191 二日とも使わないと 損だなって…。 233 00:14:52,191 --> 00:14:56,863 と いうことで こっちも そろそろよさそうですよ。 234 00:14:56,863 --> 00:14:59,966 雫式 ミニビア缶チキンです! 235 00:14:59,966 --> 00:15:03,803 ミニ… ビア缶チキン? そうです。 236 00:15:03,803 --> 00:15:07,640 小さなビール缶を使って 丸鶏よりお手軽に。 237 00:15:07,640 --> 00:15:09,809 どれ…。 238 00:15:09,809 --> 00:15:12,311 (2人)うま~い! 239 00:15:14,480 --> 00:15:17,650 さて… あたしは ちょっと このへんで。 240 00:15:17,650 --> 00:15:19,819 お… そうか 今日は早いな。 241 00:15:19,819 --> 00:15:21,821 ちょっと肌寒いので➨ 242 00:15:21,821 --> 00:15:24,657 シュラフで ぬくぬく 本でも読もうかと。 243 00:15:24,657 --> 00:15:26,826 それじゃあ…。 あっ おい。 244 00:15:26,826 --> 00:15:29,495 どうしました? 245 00:15:29,495 --> 00:15:32,832 ん~ あ~。 246 00:15:32,832 --> 00:15:36,002 まぁ なんかあったら声かけろ。 247 00:15:36,002 --> 00:15:38,004 ん? 248 00:15:42,675 --> 00:15:45,511 んむ… おしっこ。 249 00:15:45,511 --> 00:15:48,014 ちょっと肌寒いからかな…。 250 00:15:48,014 --> 00:15:50,183 目が覚めちゃった…。 251 00:15:50,183 --> 00:15:52,351 えっ…。 252 00:15:52,351 --> 00:15:55,021 なに これ! 253 00:15:55,021 --> 00:15:57,690 わぁ…。 254 00:15:57,690 --> 00:16:00,126 すっごい霧…。 255 00:16:00,126 --> 00:16:04,630 《そういえば 寝るとき ちょっと雨の音してたかも。 256 00:16:04,630 --> 00:16:08,968 10m先もロクに見えないや…》 257 00:16:08,968 --> 00:16:11,971 まっ まぁ ちょっとトイレ行くだけだし➨ 258 00:16:11,971 --> 00:16:14,307 平気 平気! 259 00:16:14,307 --> 00:16:16,976 やっぱ こわか~! 260 00:16:16,976 --> 00:16:18,978 こがんも先の見えんことある!? 261 00:16:18,978 --> 00:16:21,147 視界の悪かだけで不気味ばい! 262 00:16:21,147 --> 00:16:24,150 《自分は山育ちやと 思っとったけど➨ 263 00:16:24,150 --> 00:16:27,987 こがん視界で歩き回ることは なかったけんね…。 264 00:16:27,987 --> 00:16:30,656 う~ でも おしっこは したかし!》 265 00:16:30,656 --> 00:16:34,994 どがんしよ 厳さんに声かけるわけにも…。 266 00:16:34,994 --> 00:16:37,330 ⸨なんかあったら声かけろ⸩ 267 00:16:37,330 --> 00:16:39,332 あ…。 268 00:16:39,332 --> 00:16:41,634 《あれって もしかして…》 269 00:16:43,836 --> 00:16:46,839 (雫)厳さん… 厳さん すみません。 270 00:16:46,839 --> 00:16:50,009 ん… 雫か。 271 00:16:50,009 --> 00:16:52,511 ちょっと待ってろ。 (テントを開ける音) 272 00:16:52,511 --> 00:16:55,181 す すみません。 273 00:16:55,181 --> 00:16:57,850 おっ こりゃあ すげえ霧だ。 274 00:16:57,850 --> 00:17:01,954 (厳)昨日の雲 見てたら 一雨来るとは思ってたが➨ 275 00:17:01,954 --> 00:17:06,792 思ったよりガスってんな。 それでですね あの…。 276 00:17:06,792 --> 00:17:08,961 小便か? そ そうですけど➨ 277 00:17:08,961 --> 00:17:10,963 もう少し なんというか…。 278 00:17:10,963 --> 00:17:13,633 まぁ こういうことも あるかとは思ってたが…。 279 00:17:13,633 --> 00:17:16,969 あ… じゃあ やっぱり昨日のは そういう…。 280 00:17:16,969 --> 00:17:19,972 山の上の天気は 変わりやすいというが➨ 281 00:17:19,972 --> 00:17:21,974 こんな感じで➨ 282 00:17:21,974 --> 00:17:25,311 もはや 雲の中に入ったかのような 状態になることがある。 283 00:17:25,311 --> 00:17:27,813 雲の中…。 284 00:17:27,813 --> 00:17:30,483 <平地で吹いた風は 山にぶつかると➨ 285 00:17:30,483 --> 00:17:33,653 斜面を上っていく 上昇気流となる。 286 00:17:33,653 --> 00:17:37,490 上昇気流によって運ばれた 空気中の水蒸気は➨ 287 00:17:37,490 --> 00:17:39,992 気温の低い 山頂に向かうにつれて➨ 288 00:17:39,992 --> 00:17:42,161 水滴へと変わっていく。 289 00:17:42,161 --> 00:17:45,831 細やかな 水滴の集まりが 雲となる> 290 00:17:45,831 --> 00:17:49,335 空気が乾燥していれば すぐに 雲になるということもないが➨ 291 00:17:49,335 --> 00:17:53,005 湿気が多ければ こうなる。 うぅ… なるほど。 292 00:17:53,005 --> 00:17:55,007 <元の天気がよくても➨ 293 00:17:55,007 --> 00:17:57,343 雲が発生することがある。 294 00:17:57,343 --> 00:18:00,446 日光で山肌が暖められると➨ 295 00:18:00,446 --> 00:18:02,448 空気中の水分が膨張し➨ 296 00:18:02,448 --> 00:18:06,953 他の空気よりも軽くなり 上昇気流が発生するのだ> 297 00:18:06,953 --> 00:18:09,956 うぅ… すみません ま まず トイレに! 298 00:18:09,956 --> 00:18:13,459 おっ おう すまん すまん ちょっと待て。 299 00:18:15,962 --> 00:18:19,131 まぁ まずはライトがないとな。 300 00:18:19,131 --> 00:18:21,467 (厳)登山では 霧がひどい時には➨ 301 00:18:21,467 --> 00:18:23,803 むやみに動くなと 言われることもあるが➨ 302 00:18:23,803 --> 00:18:26,472 キャンプ場は 急な崖も そうないしな。 303 00:18:26,472 --> 00:18:29,475 だが ふだんと同じように歩くのは 危ない。 304 00:18:29,475 --> 00:18:33,479 地面をライトで照らしつつ 慎重に動いたほうがいい。 305 00:18:33,479 --> 00:18:38,317 いくら小便したくてもな。 しょ 小便は やめてください! 306 00:18:38,317 --> 00:18:42,154 <ヘッドライトは 照明の少ないキャンプ場において➨ 307 00:18:42,154 --> 00:18:45,157 設営 料理 食事 移動に至るまで➨ 308 00:18:45,157 --> 00:18:48,494 視線と光を合わせつつ 手を空けることができる➨ 309 00:18:48,494 --> 00:18:50,496 便利なアイテムである。 310 00:18:50,496 --> 00:18:52,498 霧の濃い中では➨ 311 00:18:52,498 --> 00:18:57,169 白色で照らすと 光が拡散するため 暖色のほうが見えやすい。 312 00:18:57,169 --> 00:19:00,439 赤色ライトは 光量が弱いという 難点もあるため➨ 313 00:19:00,439 --> 00:19:03,943 場面に合わせて ライトを切り替えられるものが➨ 314 00:19:03,943 --> 00:19:05,945 望ましい> 315 00:19:05,945 --> 00:19:08,447 ほれ そろそろ着いたぞ。 316 00:19:08,447 --> 00:19:10,449 あっ ちょ ちょっと行ってきます。 317 00:19:10,449 --> 00:19:15,955 まっ 待っててくださいね! はよ 行け。 318 00:19:15,955 --> 00:19:18,791 (厳)さて もうひと眠りするか。 319 00:19:18,791 --> 00:19:20,793 じゃ また あとでな。 320 00:19:20,793 --> 00:19:24,296 《ガス少しでも 晴れてくれりゃいいが…》 321 00:19:24,296 --> 00:19:26,465 あっ あの…。 322 00:19:26,465 --> 00:19:29,301 あ あの その…。 323 00:19:29,301 --> 00:19:31,804 ん? なんだよ? 324 00:19:31,804 --> 00:19:36,008 ちょ ちょっと寝るまで 一緒にいてもらうことなんて…。 325 00:19:39,645 --> 00:19:42,481 こっ 子どもか お前は! あ~ん だって➨ 326 00:19:42,481 --> 00:19:44,984 思ったより怖かったんですもん! 327 00:19:44,984 --> 00:19:48,654 はぁ~ もういい。 わかったから早く寝ろ。 328 00:19:48,654 --> 00:19:50,823 しばらくテントの前にいてやるから。 329 00:19:50,823 --> 00:19:54,493 あ… ありがとうございます! 330 00:19:54,493 --> 00:19:58,497 あの なんかすみません。 331 00:19:58,497 --> 00:20:00,100 こんなこと頼んで。 332 00:20:00,100 --> 00:20:03,836 結構 慣れてきた つもりだったんですけど…。 333 00:20:03,836 --> 00:20:07,840 なんか急に 知らないとこに来たみたいで➨ 334 00:20:07,840 --> 00:20:09,842 怖くなっちゃって…。 335 00:20:09,842 --> 00:20:14,346 まぁ 俺も経験あるからな。 わかるよ。 336 00:20:14,346 --> 00:20:18,851 子どもの頃 親父と2人で よくキャンプ行ってな。 337 00:20:18,851 --> 00:20:22,354 (厳)ふと目が覚めて 外に出ると➨ 338 00:20:22,354 --> 00:20:25,024 ホント今日みたいに 辺りが真っ白でな。 339 00:20:25,024 --> 00:20:28,027 それまで 軽くモヤが かかってることはあったが➨ 340 00:20:28,027 --> 00:20:31,530 周りが何も見えなくなるほど ってのは初めてで➨ 341 00:20:31,530 --> 00:20:35,367 異世界に迷い込んだような 錯覚になったよ。 342 00:20:35,367 --> 00:20:39,572 親父のとこに泣きついてな。 笑われたのを覚えてるよ。 343 00:20:42,041 --> 00:20:45,878 ふふ… でも 厳さんにも そんな時があったんですね。 344 00:20:45,878 --> 00:20:48,881 うるせえな ガキの頃の話だ。 345 00:20:51,217 --> 00:20:55,888 見慣れていたと思っていた景色も ガラッと その姿を変える時がある。 346 00:20:55,888 --> 00:20:57,890 自然はでかい。 347 00:20:57,890 --> 00:21:01,994 俺たちの力が 全然及ばないほどに。 348 00:21:01,994 --> 00:21:04,997 《雫:あたしは その時➨ 349 00:21:04,997 --> 00:21:10,503 自然の怖さを誇らしそうに語る そんな厳さんの横顔が➨ 350 00:21:10,503 --> 00:21:13,105 妙に心に残った》 351 00:21:16,675 --> 00:21:19,678 厳さん 霧 晴れましたね。 352 00:21:19,678 --> 00:21:22,681 ああ 帰る前に晴れて よかったよ。 353 00:21:22,681 --> 00:21:27,353 あの… 今朝は ありがとうございました。 354 00:21:27,353 --> 00:21:31,357 気にすんな お前も ぼちぼち片せよ。 355 00:21:31,357 --> 00:21:33,692 はい。 356 00:21:33,692 --> 00:21:35,694 むう…。 357 00:21:35,694 --> 00:21:40,199 《遠方は 帰りが 同じタイミングになっちまう》 358 00:21:40,199 --> 00:21:42,868 《今回のキャンプも楽しかったな。 359 00:21:42,868 --> 00:21:45,704 料理も大成功だったし。 360 00:21:45,704 --> 00:21:48,374 厳さんの子どもの頃か…。 361 00:21:48,374 --> 00:21:52,878 思えば あたし 厳さんのこと あまり知らないのかも…。 362 00:21:52,878 --> 00:21:57,216 まぁ そういうの聞かれるの 嫌そうだしなぁ。 363 00:21:57,216 --> 00:22:00,319 でも そんな厳さんが➨ 364 00:22:00,319 --> 00:22:03,522 初めて 昔のこと 話してくれたんだよね》