1 00:00:02,102 --> 00:00:05,272 (冬雪)やはり あなた様が玲琳様なのですね!? 2 00:00:05,272 --> 00:00:10,110 その止血布の巻き方。 ほほ笑み方。 3 00:00:10,110 --> 00:00:13,447 困ると 頬に手をお当てになる癖。 4 00:00:13,447 --> 00:00:15,749 (冬雪)やはりそうなのですね!? 5 00:00:15,749 --> 00:00:18,285 (玲琳)私は… うっ…。 6 00:00:18,285 --> 00:00:20,420 うっ…。 7 00:00:20,420 --> 00:00:22,623 申し訳ございません! 8 00:00:22,623 --> 00:00:24,758 冬雪。 9 00:00:24,758 --> 00:00:27,761 顔を上げてくださいませ。 いいえ! 10 00:00:27,761 --> 00:00:29,763 この冬雪➨ 11 00:00:29,763 --> 00:00:32,666 玲琳様に合わせる顔など ありませぬ! 12 00:00:32,666 --> 00:00:35,435 わかりました。 13 00:00:35,435 --> 00:00:41,108 では 私がかがみましょう。 あっ…。 14 00:00:41,108 --> 00:00:43,110 あぁ…。 15 00:00:43,110 --> 00:00:45,445 これぞ玲琳様…。 16 00:00:45,445 --> 00:00:47,481 私は七日もの間➨ 17 00:00:47,481 --> 00:00:51,752 なぜ朱慧月なんかを 玲琳様と思い込んでいたのか…。 18 00:00:51,752 --> 00:00:55,255 クッ…。 19 00:00:55,255 --> 00:00:57,758 うぅ! 20 00:02:39,126 --> 00:02:42,796 冬雪は どうして気付いたのですか? 21 00:02:42,796 --> 00:02:47,934 お恥ずかしながら つい先ほど… かの女が目覚めたとき➨ 22 00:02:47,934 --> 00:02:52,439 蓄積されていた違和感が ふつふつとあふれ出しまして…。 23 00:02:52,439 --> 00:02:56,443 ⸨珠蘭:玲琳様! あぁ! 本当によかった! 24 00:02:56,443 --> 00:02:58,612 (珊瑚)どれだけ 気をもみましたことか! 25 00:02:58,612 --> 00:03:02,449 (翠玉)朱慧月の破魔の弓にすら すがる思いでした! 26 00:03:02,449 --> 00:03:04,785 (慧月)朱慧月…。 27 00:03:04,785 --> 00:03:07,921 (珠蘭)はい。 玲琳様のためにと言って➨ 28 00:03:07,921 --> 00:03:10,257 夜通しで弓を引いたのですわ。 29 00:03:10,257 --> 00:03:14,327 (珊瑚)最初は何をたくらんで いるのかと思いましたが➨ 30 00:03:14,327 --> 00:03:19,266 朱家とは相性の悪いはずの 玄家の弓を引き続けて…。 31 00:03:19,266 --> 00:03:21,935 意外な一面を垣間見た思いです。 32 00:03:21,935 --> 00:03:24,604 私はだまされないわ! 33 00:03:24,604 --> 00:03:27,974 あなたたちも だまされてはいけませんわ! 34 00:03:27,974 --> 00:03:30,610 あの女は 朱慧月は➨ 35 00:03:30,610 --> 00:03:35,048 自分勝手な雛宮一の悪女で どぶネズミなのよ! 36 00:03:35,048 --> 00:03:37,617 ハァ ハァ…。 (冬雪)雛女様。 37 00:03:37,617 --> 00:03:40,287 少し錯乱しておいでのご様子。 38 00:03:40,287 --> 00:03:42,923 沈静の薬湯をお持ちいたしました。 39 00:03:42,923 --> 00:03:47,294 ただ これは朱慧月が煎じたもの。 40 00:03:47,294 --> 00:03:50,097 薬師が毒味して 問題ないとのことでしたが➨ 41 00:03:50,097 --> 00:03:52,132 お嫌なら…。 42 00:03:52,132 --> 00:03:55,902 いいえ いただくわ。 43 00:04:10,417 --> 00:04:12,752 (冬雪)お前は誰だ。 44 00:04:12,752 --> 00:04:17,591 な 何を言っているの 冬雪 私は黄玲琳…。 45 00:04:17,591 --> 00:04:20,427 ひっ… うぅ! 46 00:04:20,427 --> 00:04:24,097 我が至上のお方の名をかたるな! 偽者め! 47 00:04:24,097 --> 00:04:26,266 我が最愛の雛女は➨ 48 00:04:26,266 --> 00:04:29,002 「ちくしょう」などと 決して言わない!⸩ 49 00:04:29,002 --> 00:04:31,271 ⸨ちくしょう…⸩ 50 00:04:33,440 --> 00:04:35,442 ⸨他家の雛女を 決しておとしめない! 51 00:04:35,442 --> 00:04:38,578 ましてや 悪女とまでおとしめた人物から➨ 52 00:04:38,578 --> 00:04:40,614 施しなど受けない! 53 00:04:40,614 --> 00:04:43,250 ひっ! 今思えば➨ 54 00:04:43,250 --> 00:04:45,919 乞巧節の頃から おかしかったのだ。 55 00:04:45,919 --> 00:04:49,322 玲琳様のお体に 居座っているお前は➨ 56 00:04:49,322 --> 00:04:51,858 朱慧月だな。 57 00:04:51,858 --> 00:04:54,094 クッ…⸩ 58 00:04:54,094 --> 00:04:59,599 それで かの方は 素直に事情を話されたのですか? 59 00:04:59,599 --> 00:05:04,004 はい。 お二人の入れ替わりは 禁術の結果だと。 60 00:05:04,004 --> 00:05:08,408 全て快く話されました。 61 00:05:08,408 --> 00:05:11,578 《さては… 脅しましたね》 62 00:05:11,578 --> 00:05:14,581 あっ… 莉莉は驚かないのですか? 63 00:05:14,581 --> 00:05:19,085 (莉莉)まあ… 前から もしかしてと思ってたんで。 64 00:05:19,085 --> 00:05:21,254 「殿下の胡蝶」と名高い方が➨ 65 00:05:21,254 --> 00:05:23,723 まさかこんな ちょっとあれな方だったのは➨ 66 00:05:23,723 --> 00:05:25,725 驚きですけど。 67 00:05:25,725 --> 00:05:27,761 ちょっとあれ…。 68 00:05:27,761 --> 00:05:29,729 アハハ…。 69 00:05:29,729 --> 00:05:34,067 ではなぜ 今まで何も? んっ…。 70 00:05:34,067 --> 00:05:37,070 尋ねてしまったら➨ 71 00:05:37,070 --> 00:05:39,072 この不思議なご縁が➨ 72 00:05:39,072 --> 00:05:41,575 あんたの存在ごと 消えちゃう気がして…。 73 00:05:41,575 --> 00:05:43,577 だから…。 74 00:05:43,577 --> 00:05:46,079 莉莉…。 75 00:05:46,079 --> 00:05:48,748 雛女様は なぜ私どもに➨ 76 00:05:48,748 --> 00:05:51,251 救いを求めて くださらなかったのですか? 77 00:05:51,251 --> 00:05:53,887 それは…。 78 00:05:53,887 --> 00:05:56,723 (冬雪)もしや 何らかの口封じを? 79 00:05:56,723 --> 00:06:00,427 朱慧月め どこまでも卑劣な! 80 00:06:00,427 --> 00:06:03,663 あっ まさか あのときも…。 81 00:06:03,663 --> 00:06:05,999 ⸨信じてもらえないかも しれませんが➨ 82 00:06:05,999 --> 00:06:09,035 私は… あっ クッ…⸩ 83 00:06:09,035 --> 00:06:13,773 御身を見抜けなかったばかりか ののしって毒を渡し…。 84 00:06:13,773 --> 00:06:17,744 私の愚かさは万死に値します…。 85 00:06:17,744 --> 00:06:19,746 でもね 冬雪。 86 00:06:19,746 --> 00:06:23,416 私は この状況に感謝しているのです。 87 00:06:23,416 --> 00:06:25,619 感謝? 88 00:06:25,619 --> 00:06:31,091 この七日間は まるで宝物のような日々でした。 89 00:06:31,091 --> 00:06:34,594 今まで経験できなかったことに たくさん挑んで➨ 90 00:06:34,594 --> 00:06:38,265 たくさん触れられたのですから。 91 00:06:38,265 --> 00:06:41,434 できることなら 大ごとにせず終わりたいの。 92 00:06:41,434 --> 00:06:43,803 雛女様が たとえ そうおっしゃられても➨ 93 00:06:43,803 --> 00:06:47,607 私は やはりあの女を許せません。 94 00:06:47,607 --> 00:06:49,743 大ごとになろうとも➨ 95 00:06:49,743 --> 00:06:53,580 朱慧月を断罪させた後 すぐにでも自害を! 96 00:06:53,580 --> 00:06:55,615 それは許しません。 97 00:06:55,615 --> 00:06:58,251 ですが! 駄目です。 98 00:06:58,251 --> 00:07:03,156 死ぬよりも健康に生きるほうが 何倍も難しいのです。 99 00:07:05,125 --> 00:07:07,093 しょく罪を願うなら➨ 100 00:07:07,093 --> 00:07:11,064 その手段に安易な死など 選ばないでくださいませ。 101 00:07:11,064 --> 00:07:17,237 ですが… それでは あまりにも 申し訳が立ちませぬ…。 102 00:07:17,237 --> 00:07:21,741 わかりました 冬雪。 では こうしましょう。 103 00:07:21,741 --> 00:07:26,079 かの方と あなた自身を 害することを禁じます。 104 00:07:26,079 --> 00:07:30,583 殿下や陛下に真実を告げることも。 あっ…。 105 00:07:30,583 --> 00:07:33,453 私と同じ目に遭ってください。 106 00:07:33,453 --> 00:07:37,757 それをもって 冬雪 あなたへの罰とします。 107 00:07:37,757 --> 00:07:40,593 そんな… 甘すぎます。 108 00:07:40,593 --> 00:07:45,131 主人と同じ苦境を味わうのですよ。 どこが甘いものですか。 109 00:07:45,131 --> 00:07:47,167 ですが…。 110 00:07:47,167 --> 00:07:50,070 かの方は 一命を取り留めたとはいえ➨ 111 00:07:50,070 --> 00:07:52,405 雛宮は厳しい場所です。 112 00:07:52,405 --> 00:07:55,241 あなたを信頼するからこそ➨ 113 00:07:55,241 --> 00:07:58,745 黄麒宮にとどまり 守ってもらいたいの。 114 00:07:58,745 --> 00:08:01,081 承知しました。 115 00:08:01,081 --> 00:08:04,551 ご下命とあらば 最善を尽くします。 116 00:08:07,153 --> 00:08:09,055 だますようなかたちに なってしまって➨ 117 00:08:09,055 --> 00:08:11,091 ごめんなさい。 118 00:08:11,091 --> 00:08:13,059 黄玲琳様➨ 119 00:08:13,059 --> 00:08:16,496 朱駒宮の人間として おわび申し上げます。 120 00:08:16,496 --> 00:08:18,732 莉莉! やめてください。 121 00:08:18,732 --> 00:08:22,102 どうか 今までのように接してください。 122 00:08:22,102 --> 00:08:24,738 あなたが 気さくでいてくれなければ➨ 123 00:08:24,738 --> 00:08:28,908 私は ここでの生活を こんなには 楽しめなかったのですから。 124 00:08:28,908 --> 00:08:30,910 でも…。 125 00:08:30,910 --> 00:08:34,781 いずれ ここでの暮らしも 終わってしまうことでしょう。 126 00:08:34,781 --> 00:08:38,451 ですから せめて それまでは…。 127 00:08:42,756 --> 00:08:44,758 フッ…。 128 00:08:44,758 --> 00:08:48,762 まっ 正直 殿下の胡蝶が こんな芋好きで➨ 129 00:08:48,762 --> 00:08:52,732 鍛錬好きの変人と知っては 敬意を払おうにもねぇ。 130 00:08:52,732 --> 00:08:55,568 まぁ 莉莉 あんまりですわ。 131 00:08:55,568 --> 00:09:00,073 ちょっと! 信じられない 真っ青じゃないか! 132 00:09:00,073 --> 00:09:02,075 そりゃそうだよ。 133 00:09:02,075 --> 00:09:04,477 あんなに むちゃしまくって 気絶した人間が➨ 134 00:09:04,477 --> 00:09:07,247 すぐに平然と 起き上がれるはずないじゃないか。 135 00:09:07,247 --> 00:09:09,215 いいから寝ろ! 136 00:09:09,215 --> 00:09:11,918 莉莉 大げさですわ。 るさいっ! 137 00:09:11,918 --> 00:09:15,555 とにかく あんたは この寝台から一歩も動くな! 138 00:09:15,555 --> 00:09:18,558 ならば せめて刺しゅうでも…。 縫うな! 139 00:09:18,558 --> 00:09:20,593 編むな! 何もするな! 140 00:09:20,593 --> 00:09:22,562 寝ろ! 141 00:09:22,562 --> 00:09:26,533 莉莉ったら 主人に対して まるで遠慮がありませんわ…。 142 00:09:26,533 --> 00:09:29,402 あんたが遠慮するなって 言ったんでしょ! 143 00:09:29,402 --> 00:09:34,741 フフッ。 ありがとう 莉莉…。 144 00:09:34,741 --> 00:09:37,644 人騒がせな雛女め。 145 00:09:43,082 --> 00:09:46,753 ハァハァハァ…。 146 00:09:46,753 --> 00:09:50,723 ⸨冬雪:おのれ 禁術などと卑きょうなまねを! 147 00:09:50,723 --> 00:09:53,426 クッ… やりたければやれば? 148 00:09:53,426 --> 00:09:57,397 でもね 黄玲琳の魂を 元に戻せるのは➨ 149 00:09:57,397 --> 00:09:59,399 私だけなのよ。 150 00:09:59,399 --> 00:10:01,401 うっ! 151 00:10:05,071 --> 00:10:07,574 この体がどうなってもいいの!? 152 00:10:07,574 --> 00:10:10,243 クッ…。 153 00:10:10,243 --> 00:10:12,245 我が主に会ってくる。 154 00:10:12,245 --> 00:10:14,948 このままで済むと思うな⸩ 155 00:10:25,425 --> 00:10:27,594 もう… おしまいだわ…。 156 00:10:27,594 --> 00:10:29,596 女官であれだもの。 157 00:10:29,596 --> 00:10:33,466 もし… 殿下がお知りになったら…。 158 00:10:33,466 --> 00:10:37,237 《結局… 同じね。 159 00:10:37,237 --> 00:10:40,406 誰からも愛される女と 入れ替わっても➨ 160 00:10:40,406 --> 00:10:44,077 たった七日で 激しい敵意にさらされる。 161 00:10:44,077 --> 00:10:47,547 誰も救ってなどくれない》 162 00:10:50,316 --> 00:10:54,420 ⸨私 入れ替わって いい思いを させていただいてばかりですし➨ 163 00:10:54,420 --> 00:10:56,923 きちんとお話しできれば➨ 164 00:10:56,923 --> 00:10:59,893 何か風が吹くことも あるかもしれません。 165 00:10:59,893 --> 00:11:04,731 玲琳様のためにと言って 夜通しで弓を引いたのですわ⸩ 166 00:11:04,731 --> 00:11:08,568 《どうしてよ…》 167 00:11:08,568 --> 00:11:13,139 どうして…。 168 00:11:13,139 --> 00:11:15,408 どうして あなたは➨ 169 00:11:15,408 --> 00:11:20,713 いつも いつまでも… 美しいのよ…。 170 00:11:24,817 --> 00:11:28,588 あぁ…。 171 00:11:28,588 --> 00:11:32,225 あぁ! あぁ…。 172 00:11:32,225 --> 00:11:34,427 (ひび割れる音) 173 00:11:34,427 --> 00:11:36,729 あれは…。 174 00:11:36,729 --> 00:11:41,601 《そういえば 夢の中で襲ってきた 無数の目玉…。 175 00:11:41,601 --> 00:11:44,771 あれは おそらく病魔の姿。 176 00:11:44,771 --> 00:11:48,908 それが 破魔の弓の弦音を聞いて 消えた…。 177 00:11:48,908 --> 00:11:53,413 でも… 病が弦音ではらえるなんて おかしい。 178 00:11:53,413 --> 00:11:58,851 はらえるとしたら それは… 呪い。 179 00:11:58,851 --> 00:12:02,221 なぜ 金家からの贈り物に…》 180 00:12:04,757 --> 00:12:06,759 あっ! 181 00:12:09,229 --> 00:12:11,264 蟲毒…。 182 00:12:11,264 --> 00:12:16,603 《それも 病で死ぬように 呪いをかけられたもの。 183 00:12:16,603 --> 00:12:20,473 まさか… だって これを作れるのは➨ 184 00:12:20,473 --> 00:12:23,176 私と あと一人だけ…》 185 00:12:26,279 --> 00:12:28,247 ウソでしょう…。 186 00:12:34,554 --> 00:12:38,558 お見舞いの品ですわ どうぞ玲琳様に。 187 00:12:43,062 --> 00:12:47,900 《玲琳様のご回復を祝う 茶会だなんて しらじらしいこと。 188 00:12:47,900 --> 00:12:52,038 病弱な玲琳様を批判するのが 目的のくせに》 189 00:12:52,038 --> 00:12:54,407 まあ ご覧になって。 190 00:12:54,407 --> 00:12:58,077 金鳳花のなんと愛らしいこと。 191 00:12:58,077 --> 00:13:01,948 ですが 少ししおれておりますわね。 192 00:13:01,948 --> 00:13:05,718 かの黄色の花は あまりに繊細ですもの。 193 00:13:05,718 --> 00:13:09,222 豪しゃな花瓶に挿されても すぐ枯れてしまうのなら➨ 194 00:13:09,222 --> 00:13:11,724 かえって哀れですわね。 195 00:13:11,724 --> 00:13:14,060 (笑い声) 196 00:13:14,060 --> 00:13:16,062 《朱慧月。 197 00:13:16,062 --> 00:13:20,933 どぶネズミのあなたがいたことで 一つだけいいことがありましたわ。 198 00:13:20,933 --> 00:13:23,236 泥臭い あなたがいれば➨ 199 00:13:23,236 --> 00:13:26,873 浅ましい女の放つ腐臭は 目立たない》 200 00:13:26,873 --> 00:13:31,678 玲琳様のご回復を お祈りいたします。 201 00:13:35,048 --> 00:13:39,218 朱貴妃。 どうした その足は? 202 00:13:39,218 --> 00:13:42,088 大したことではございません。 203 00:13:44,390 --> 00:13:46,359 皆の者。 204 00:13:46,359 --> 00:13:49,228 今日は我が雛女 玲琳のために 手間を取らせたな。 205 00:13:49,228 --> 00:13:51,264 礼を言う。 206 00:13:51,264 --> 00:13:54,567 玲琳様は その後 いかがお過ごしでしょうか。 207 00:13:54,567 --> 00:13:57,870 意識を取り戻したとは お聞きしているのですが。 208 00:13:57,870 --> 00:14:00,073 (絹秀)心配をかけたな。 209 00:14:00,073 --> 00:14:02,542 玲琳は すでに回復したのだが➨ 210 00:14:02,542 --> 00:14:06,212 まだ過保護な女官たちに 軟禁されていてな。 211 00:14:06,212 --> 00:14:11,084 あまり案ずるな。 (麗雅)まあ 安心いたしましたわ。 212 00:14:11,084 --> 00:14:16,255 ですが こうも病弱ですと 心配ですわねぇ。 213 00:14:16,255 --> 00:14:20,093 雛女は やがて妃になって 陛下をお慰めし➨ 214 00:14:20,093 --> 00:14:23,229 子をもうけなければならないのに。 215 00:14:23,229 --> 00:14:26,733 果たして玲琳様に そのようなご体力があるのか。 216 00:14:26,733 --> 00:14:28,735 おばさま! (絹秀)金淑妃。 217 00:14:28,735 --> 00:14:31,404 あっ…。 陛下がおっしゃっていたぞ。 218 00:14:31,404 --> 00:14:37,076 お前は相手として申し分ないが 声が大きいのには難儀すると。 219 00:14:37,076 --> 00:14:39,078 ゴホッ ゴホッ ゴホッ…。 220 00:14:39,078 --> 00:14:42,749 なっ… ま 真っ昼間から なんという下世話な! 221 00:14:42,749 --> 00:14:44,751 はあ? わらわは➨ 222 00:14:44,751 --> 00:14:47,253 碁の手合わせの話を しただけだぞ? 223 00:14:47,253 --> 00:14:50,723 お前こそ なに いやらしいことを考えておる? 224 00:14:50,723 --> 00:14:53,059 好き者よなあ。 225 00:14:53,059 --> 00:14:56,562 よくも皇后でありながら そのような卑しい口を…。 226 00:14:56,562 --> 00:14:58,731 (絹秀)金麗雅。 あっ…。 227 00:14:58,731 --> 00:15:00,900 わらわも陛下と同意見だ。 228 00:15:00,900 --> 00:15:06,072 お前の声は 時々ひどく耳に障る。 229 00:15:06,072 --> 00:15:08,074 あっ…。 230 00:15:08,074 --> 00:15:11,077 本人は たあいのない さえずりをしたつもりでも➨ 231 00:15:11,077 --> 00:15:13,479 その甲高い響きが➨ 232 00:15:13,479 --> 00:15:15,882 弱った者には 毒となることもあろう。 233 00:15:15,882 --> 00:15:21,087 ここを見舞いの場と心得るなら その不快な口をつぐめ。 234 00:15:21,087 --> 00:15:24,090 野に放たれたいのか。 235 00:15:24,090 --> 00:15:28,261 淑妃が とんだ失礼を申し上げました。 236 00:15:28,261 --> 00:15:31,731 金家の者として おわび申し上げます。 237 00:15:35,268 --> 00:15:37,437 フッ よかろう。 238 00:15:37,437 --> 00:15:41,107 金家は しっかりした雛女に恵まれたなぁ。 239 00:15:43,109 --> 00:15:47,747 (絹秀)まあ 金淑妃が わらわに 敬意を払えぬのもわかるがな。 240 00:15:47,747 --> 00:15:51,651 雛宮時代 わらわが皇后になると 予想した者など➨ 241 00:15:51,651 --> 00:15:53,753 誰一人いなかったしな。 242 00:15:53,753 --> 00:15:56,255 まぁ…。 そうなのですか? 243 00:15:56,255 --> 00:15:59,759 わらわは最年長の雛女で かわいげもない。 244 00:15:59,759 --> 00:16:03,563 女のたしなみというものには てんで興味がなく➨ 245 00:16:03,563 --> 00:16:06,933 玄賢妃との組み手が 唯一の気晴らしだったからな。 246 00:16:06,933 --> 00:16:08,935 フッ…。 247 00:16:08,935 --> 00:16:12,572 我らが組めば 当時の鷲官長とて震えたものよ。 248 00:16:12,572 --> 00:16:17,076 なあ 傲雪? フゥ… さようでございますな。 249 00:16:17,076 --> 00:16:20,246 (絹秀)最も輝いていたのは 朱貴妃だった。 250 00:16:20,246 --> 00:16:25,651 麗しく 慈愛深く 徳に高く 奥ゆかしい。 251 00:16:25,651 --> 00:16:28,754 「殿下の芙蓉」とたたえられてな。 252 00:16:28,754 --> 00:16:30,723 過ぎたお話です。 253 00:16:30,723 --> 00:16:33,726 過分なお言葉 お恥ずかしいかぎりですわ。 254 00:16:33,726 --> 00:16:35,761 過分なものか。 255 00:16:35,761 --> 00:16:41,567 お前のとりなしがなければ わらわは雛宮に残れたかどうか…。 256 00:16:41,567 --> 00:16:44,403 ⸨絹秀様!? 257 00:16:44,403 --> 00:16:47,039 そんなところで 何をなさっているのです!? 258 00:16:47,039 --> 00:16:51,878 ここで昼寝すれば 体調を崩して 儀式を休めると思ってなぁ。 259 00:16:51,878 --> 00:16:55,882 そんな理由で危険行為を働くのは およしなさいませ! 260 00:16:55,882 --> 00:16:59,252 (雅媚)絹秀様が いくら聡明でも➨ 261 00:16:59,252 --> 00:17:01,888 乞巧節で披露する刺しゅうが これでは➨ 262 00:17:01,888 --> 00:17:04,557 他の雛女たちに侮られましょう。 263 00:17:04,557 --> 00:17:07,560 悔しくはないのですか? まったく。 264 00:17:07,560 --> 00:17:10,229 わらわは官吏になりたかったのだ。 265 00:17:10,229 --> 00:17:13,599 天下の母たる皇后なら やってもいいが➨ 266 00:17:13,599 --> 00:17:15,735 皇后の座には雅媚がいるしな。 267 00:17:15,735 --> 00:17:19,205 それは 殿下がお決めになることですが…。 268 00:17:19,205 --> 00:17:22,742 絹秀様が侮られるのは 私が嫌ですわ。 269 00:17:22,742 --> 00:17:26,812 ですから これを。 270 00:17:26,812 --> 00:17:29,715 ほう。 もし幸運に恵まれ➨ 271 00:17:29,715 --> 00:17:32,218 私が 皇后となることがあったなら➨ 272 00:17:32,218 --> 00:17:36,656 その右腕となる貴妃の座には 絹秀様がいてほしいですわ。 273 00:17:36,656 --> 00:17:40,726 あっ…。 ウソがなく 真っすぐなあなた様が➨ 274 00:17:40,726 --> 00:17:45,264 心が弱い私には どんなに支えとなることか。 275 00:17:45,264 --> 00:17:48,367 心が弱い? 冗談を。 276 00:17:48,367 --> 00:17:51,103 刺しゅうには人柄が表れる。 277 00:17:51,103 --> 00:17:54,740 これは繊細に見えるが 色使いは大胆で➨ 278 00:17:54,740 --> 00:17:56,742 念入りに重ねて縫ってある。 279 00:17:56,742 --> 00:18:02,748 何度も針で硬い布をうがった 執念と根性の持ち主ということだ。 280 00:18:02,748 --> 00:18:06,185 まあ なんだか ひどい言われようです。 281 00:18:06,185 --> 00:18:08,087 だが当たっているだろう? 282 00:18:08,087 --> 00:18:12,558 お前は一度決めたことは 何としてもやり通す 苛烈な女だ。 283 00:18:12,558 --> 00:18:14,760 そこが わらわは気に入ってる。 284 00:18:14,760 --> 00:18:18,431 フフッ… 私への評価はどうあれ➨ 285 00:18:18,431 --> 00:18:20,433 刺しゅうを お役立ていただけるのなら➨ 286 00:18:20,433 --> 00:18:22,401 なによりですわ。 287 00:18:22,401 --> 00:18:26,072 いや これを殿下に披露するなど もったいない。 288 00:18:26,072 --> 00:18:29,909 わらわの手巾にする。 289 00:18:29,909 --> 00:18:31,944 まあ…。 290 00:18:31,944 --> 00:18:33,946 お前への礼は何がいい? 291 00:18:33,946 --> 00:18:37,249 刀か? やりか? あぁ 弓なんてどうだ? 292 00:18:37,249 --> 00:18:40,252 なぜ 武器しか選択肢がないのです…。 293 00:18:40,252 --> 00:18:43,122 敵意の表れですか? バカめ。 294 00:18:43,122 --> 00:18:46,258 武器を授けることの意味が わからないのか? 295 00:18:46,258 --> 00:18:49,595 たとえ すぐに駆けつけられぬほど 離れてしまっても➨ 296 00:18:49,595 --> 00:18:53,399 その武器が自分の代わりに お前を守り続ける。 297 00:18:55,501 --> 00:18:58,671 こんな最上の友情表現 他になかろうが。 298 00:19:01,107 --> 00:19:03,409 はいはい またそのようなことを。 299 00:19:03,409 --> 00:19:05,911 では 気が向いたらくださいませ。 300 00:19:05,911 --> 00:19:08,781 武器の礼など いつでもかまいませんので。 301 00:19:08,781 --> 00:19:11,083 来年でも来世でも結構です。 302 00:19:11,083 --> 00:19:13,085 フフッ…⸩ 303 00:19:13,085 --> 00:19:16,222 《絹秀:誰の目にも 序列が明らかだったからこそ➨ 304 00:19:16,222 --> 00:19:18,224 平和だったあの時代。 305 00:19:18,224 --> 00:19:20,593 だが…》 306 00:19:20,593 --> 00:19:22,595 ⸨殿下が伝染病? 307 00:19:22,595 --> 00:19:24,630 嘔吐を繰り返され➨ 308 00:19:24,630 --> 00:19:28,234 薬師の煎じた薬も お飲みになれない状態です。 309 00:19:28,234 --> 00:19:32,738 伝染の恐れがあり 雛女君たちは各宮にて禁足を。 310 00:19:32,738 --> 00:19:35,775 そんな!? 恐ろしいわ…。 311 00:19:35,775 --> 00:19:37,810 すぐに離れましょう! 312 00:19:37,810 --> 00:19:41,714 私は蔵にこもる。 感染していないとわかるまで➨ 313 00:19:41,714 --> 00:19:44,050 皆は近づかぬように。 (2人)はっ。 314 00:19:44,050 --> 00:19:46,218 雅媚様 さあ お早く。 315 00:19:46,218 --> 00:19:48,220 (3人)あっ…。 316 00:19:48,220 --> 00:19:51,223 絹秀様 何をなさるおつもりか! 317 00:19:51,223 --> 00:19:53,392 (絹秀)看病なさるおつもりさ。 318 00:19:53,392 --> 00:19:56,896 夫を最後まで守り切るのが 妻の本分だ。 319 00:19:56,896 --> 00:20:00,066 側女として 男を慰める意志はないが➨ 320 00:20:00,066 --> 00:20:04,036 夫のために 命を捨てる覚悟ならある。 321 00:20:12,711 --> 00:20:17,616 あぁ お目覚めになりましたか 殿下⸩ 322 00:20:17,616 --> 00:20:20,219 《絹秀:皇太子は 帝位を引き継ぎ➨ 323 00:20:20,219 --> 00:20:23,289 雛女たちは それぞれ 后妃に任じられた。 324 00:20:23,289 --> 00:20:27,159 そして 期せずしてわらわは…》 325 00:20:30,129 --> 00:20:33,466 (傲雪)陛下? んっ…。 326 00:20:33,466 --> 00:20:35,501 まぁ なんだ。 327 00:20:35,501 --> 00:20:37,903 つまり後宮の女たちの序列など➨ 328 00:20:37,903 --> 00:20:41,240 いつどうひっくり返るかも わからぬ はかないものだ。 329 00:20:41,240 --> 00:20:43,242 身分はどうあれ➨ 330 00:20:43,242 --> 00:20:46,278 互いへの敬意が 重要ということだな。 331 00:20:46,278 --> 00:20:49,582 おっしゃるとおりでございます。 332 00:20:49,582 --> 00:20:53,919 あっ いえ 皇后陛下の地位だけは 不動でございますわ。 333 00:20:53,919 --> 00:20:57,723 尭明殿下のような立派な皇子を お産みになったのは➨ 334 00:20:57,723 --> 00:20:59,758 陛下だけですもの。 335 00:20:59,758 --> 00:21:02,228 あっ! (茶器の割れる音) 336 00:21:02,228 --> 00:21:04,930 おおっと。 手が滑ってしまった。 337 00:21:06,899 --> 00:21:10,569 だが 見舞いの日に割れ茶わんとは 縁起が悪い。 338 00:21:10,569 --> 00:21:12,571 今日は散会としようか。 339 00:21:12,571 --> 00:21:17,610 あ あの… 私の発言が何か…。 雛女たちよ。 340 00:21:17,610 --> 00:21:19,745 見舞いの礼を用意した。 341 00:21:19,745 --> 00:21:22,047 好きな反物を 受け取っていくとよい。 342 00:21:22,047 --> 00:21:25,551 これからも玲琳をよろしく頼むぞ。 343 00:21:31,590 --> 00:21:34,560 私のためでございますか? 344 00:21:34,560 --> 00:21:36,929 (絹秀)何のことだ。 345 00:21:36,929 --> 00:21:40,266 いいえ 何でも…。 346 00:21:40,266 --> 00:21:43,736 あなた様は そういう方でございますね。 347 00:21:49,408 --> 00:21:51,410 《なぁ 雅媚よ。 348 00:21:51,410 --> 00:21:55,781 恨みの図案は まだ刺し終わらぬか?》 349 00:21:55,781 --> 00:21:58,417 あっ! 350 00:21:58,417 --> 00:22:01,086 あっ… うっ…。 351 00:23:35,881 --> 00:23:37,883 あっ…。 352 00:23:37,883 --> 00:23:40,252 《あぁ すっかり寝過ごしました…》 353 00:23:40,252 --> 00:23:42,254 (おなかの鳴る音) 354 00:23:42,254 --> 00:23:47,226 《まあ! おなかもすいている! 生きてるって感じ! 355 00:23:47,226 --> 00:23:49,228 あら? 356 00:23:49,228 --> 00:23:53,232 お部屋が… きれい…》 357 00:23:53,232 --> 00:23:57,102 (莉莉)うぅ… 目が覚めたんですね…。 358 00:23:57,102 --> 00:23:59,104 よかったです…。 莉莉!?