1 00:00:02,102 --> 00:00:05,772 莉莉 どうしたのですか!? どうもこうも➨ 2 00:00:05,772 --> 00:00:08,775 あの冬雪とかいう 暑苦しい筆頭女官➨ 3 00:00:08,775 --> 00:00:13,447 どうにかしてくださいよ。 と 冬雪が何か…。 4 00:00:13,447 --> 00:00:18,118 おとといの夜 雛女様が眠りにつかれた後…。 5 00:00:23,457 --> 00:00:25,425 ⸨えっ…? 6 00:00:25,425 --> 00:00:28,795 利き手が使えないせいで 止血が甘いようです。 7 00:00:28,795 --> 00:00:31,765 巻き直します⸩ 8 00:00:31,765 --> 00:00:35,202 (莉莉)その後にまた…。 9 00:00:35,202 --> 00:00:38,438 ⸨ハッ!? こ… 今度は何? (ドアが開く音) 10 00:00:38,438 --> 00:00:42,109 こんな環境に 玲琳様を置いてはおけません。 11 00:00:42,109 --> 00:00:45,779 模様替えを手伝いなさい。 はぁ~!?⸩ 12 00:00:45,779 --> 00:00:49,416 それで部屋の様子が 変わっていたのですね。 13 00:00:49,416 --> 00:00:52,452 更なる迷惑は その後です。 えっ…。 14 00:00:52,452 --> 00:00:55,455 そもそも黄麒宮の人間が 朱駒宮に来るのは➨ 15 00:00:55,455 --> 00:00:57,457 おきて破りだから➨ 16 00:00:57,457 --> 00:00:59,760 いいかげんにしろって 追い返したら➨ 17 00:00:59,760 --> 00:01:02,462 朝方になって…。 (物音) 18 00:01:02,462 --> 00:01:04,431 ⸨んあ!? 19 00:01:04,431 --> 00:01:06,867 何して… えっ!? 20 00:01:06,867 --> 00:01:09,102 壁をずらしました。 21 00:01:09,102 --> 00:01:12,506 (莉莉)はい!? もともとの壁は 色がはげていて➨ 22 00:01:12,506 --> 00:01:17,110 もはや境界ともいえなかったので 新しい壁に色を塗りました。 23 00:01:17,110 --> 00:01:20,781 よって ここは 今どこにも属さぬ公共空間。 24 00:01:20,781 --> 00:01:24,151 誰でも自由に行き来ができる⸩ 25 00:01:24,151 --> 00:01:28,422 なんとあっぱれな根性でしょう。 さすがは冬雪です。 26 00:01:28,422 --> 00:01:31,758 (莉莉)感心するとこかよ!? それ以降はもう…。 27 00:01:31,758 --> 00:01:34,428 ⸨玲琳様のご体調はいかがか? 28 00:01:34,428 --> 00:01:37,097 目覚めたときの水あみに清水を。 29 00:01:37,097 --> 00:01:39,099 お召し物と髪飾りです⸩ 30 00:01:39,099 --> 00:01:41,168 しまいには…。 31 00:01:41,168 --> 00:01:43,103 ⸨お前には 護身術を教えよう⸩ 32 00:01:43,103 --> 00:01:45,105 い~っ! 33 00:01:45,105 --> 00:01:48,108 おかげで全身筋肉痛だし…。 34 00:01:48,108 --> 00:01:51,778 冬雪は 私の武術の先生でしたから。 35 00:01:51,778 --> 00:01:57,784 幸い 昨日は 雛宮で黄玲琳様の 回復を祝う茶会があって➨ 36 00:01:57,784 --> 00:02:01,788 準備のために しぶしぶあの女が 退場してくれたと思ったら➨ 37 00:02:01,788 --> 00:02:03,790 今度は…。 38 00:02:03,790 --> 00:02:08,095 金家 玄家 藍家が お見舞いの品を次々持ってきて➨ 39 00:02:08,095 --> 00:02:11,098 対応に追われて…。 こんなに…! 40 00:02:11,098 --> 00:02:13,767 いろいろと大変だったのですね…。 41 00:02:13,767 --> 00:02:15,769 ありがとう莉莉。 42 00:02:15,769 --> 00:02:19,139 あとは 私が整理して 礼状を書きますので➨ 43 00:02:19,139 --> 00:02:21,775 少し休んで…。 はっ!? 何言ってんの!? 44 00:02:21,775 --> 00:02:24,411 あんたの手 全治1か月だからね!? 45 00:02:24,411 --> 00:02:28,448 今日 何もせずに寝とくのが 仕事だから! 46 00:02:28,448 --> 00:02:31,818 わかりました…。 (おなかが鳴る音) 47 00:02:31,818 --> 00:02:37,224 うっ!? 先に食事にしましょうか。 はい! 48 00:04:19,092 --> 00:04:21,094 (2人)いただきます。 49 00:04:21,094 --> 00:04:24,831 こちらは 金清佳様が 御自らお持ちになったものです。 50 00:04:24,831 --> 00:04:28,435 ⸨別に 心配なんてしていなくてよ⸩ 51 00:04:28,435 --> 00:04:30,437 あ~む。 52 00:04:30,437 --> 00:04:35,108 ん~ おいしい~! ホントだ~。 53 00:04:35,108 --> 00:04:37,077 莉莉。 んっ? 54 00:04:37,077 --> 00:04:39,079 かんざしの件なのですが➨ 55 00:04:39,079 --> 00:04:42,783 私 清佳様は 関わっていないと思うのです。 56 00:04:42,783 --> 00:04:45,118 こうした場面で清佳様は➨ 57 00:04:45,118 --> 00:04:49,422 けが人にも食べやすい果物を ご自身の手で贈ってくださる。 58 00:04:49,422 --> 00:04:52,759 気に入った相手には 自ら果物を贈り➨ 59 00:04:52,759 --> 00:04:57,097 気に入らない相手には 自ら水を浴びせに行く。 60 00:04:57,097 --> 00:04:59,366 あのときも そうでしたね。 61 00:05:02,068 --> 00:05:06,106 そういう潔いお方だと思うのです。 62 00:05:06,106 --> 00:05:09,743 では あたしを脅した 白練の金雅容は➨ 63 00:05:09,743 --> 00:05:12,078 独断で動いていたのでしょうか。 64 00:05:12,078 --> 00:05:15,081 勝手に主人の意思を忖度して…。 65 00:05:17,417 --> 00:05:20,787 それほど 忠誠心の高い女官であれば➨ 66 00:05:20,787 --> 00:05:24,858 清佳様が把握していないはずは ないと思うのです。 67 00:05:24,858 --> 00:05:29,095 もしかしたら 金家の淑妃様が 指示なさったのか…。 68 00:05:29,095 --> 00:05:31,731 でも 何かが引っ掛かります…。 69 00:05:31,731 --> 00:05:33,767 ごめんなさい 莉莉。 70 00:05:33,767 --> 00:05:36,770 落とし前をつけると 大見得を切ったくせに➨ 71 00:05:36,770 --> 00:05:38,738 まだ核心に近付けず…。 72 00:05:38,738 --> 00:05:40,774 いや いいですよ! 73 00:05:40,774 --> 00:05:42,742 っていうか あたしはもう➨ 74 00:05:42,742 --> 00:05:45,078 このまま流してくれても いいんですから。 75 00:05:45,078 --> 00:05:47,080 それはできません。 76 00:05:47,080 --> 00:05:51,751 私の一等大切なかわいい女官を 傷つけられたまま➨ 77 00:05:51,751 --> 00:05:54,421 何もお返しできないだなんて…。 78 00:05:54,421 --> 00:05:56,423 ひえっ!? (ノック) 79 00:05:56,423 --> 00:05:59,092 (2人)んっ? 冬雪でしょうか? 80 00:05:59,092 --> 00:06:02,062 あのたたき方は違いますね。 81 00:06:04,731 --> 00:06:08,101 (莉莉)鷲官長様! 目が覚めたか。 82 00:06:08,101 --> 00:06:12,105 えっ… はい おかげさまで…。 83 00:06:12,105 --> 00:06:15,175 (辰宇)武官が愛用する 鎮痛の軟こうだ。 84 00:06:15,175 --> 00:06:19,079 えっ…。 体調は その後どうだ。 85 00:06:19,079 --> 00:06:22,082 えぇ 順調に回復に 向かっております。 86 00:06:22,082 --> 00:06:25,752 何しろ 私 頑丈ですので。 えぇ。 87 00:06:25,752 --> 00:06:30,123 男でも難儀する こわ弓を 夜まで引き続ける女があるかと➨ 88 00:06:30,123 --> 00:06:32,158 正気を疑った。 89 00:06:32,158 --> 00:06:34,728 だが 美しい射形だった。 90 00:06:34,728 --> 00:06:38,064 あ… ありがとうございます…。 91 00:06:38,064 --> 00:06:41,401 それは 恐悦至極に存じます…? 92 00:06:41,401 --> 00:06:48,475 しかし 玄家以外の雛女が なぜ突然 弓を引いたのか。 93 00:06:48,475 --> 00:06:53,079 お前の顔つきも 以前と ずいぶん違う気がするのだが。 94 00:06:53,079 --> 00:06:57,117 それは… まだ本調子では ないからでしょうか。 95 00:06:57,117 --> 00:07:00,186 ねぇ 莉莉。 エヘヘ… ですね! 96 00:07:00,186 --> 00:07:03,089 あの… 私 鷲官長様に➨ 97 00:07:03,089 --> 00:07:05,425 お聞きしたいことが あったのでした。 98 00:07:05,425 --> 00:07:07,427 んっ… なんだ? 99 00:07:07,427 --> 00:07:11,097 先日 金家に 雅容という上級女官は➨ 100 00:07:11,097 --> 00:07:15,769 いないと うかがったのですが。 儀式のとき 話していたことか? 101 00:07:15,769 --> 00:07:20,407 そこで 女官が かんざしを 盗まれたという話も出ましたが➨ 102 00:07:20,407 --> 00:07:23,443 鷲官への届け出も あったのでしょうか? 103 00:07:23,443 --> 00:07:26,413 あぁ たしか ひと月ほど前に…。 104 00:07:26,413 --> 00:07:28,848 さようでございますか…。 105 00:07:28,848 --> 00:07:32,419 金家は その前も 白練の衣が盗まれたと➨ 106 00:07:32,419 --> 00:07:34,921 騒いでいたので よく覚えている。 107 00:07:34,921 --> 00:07:36,890 えっ!? 108 00:07:38,959 --> 00:07:41,728 《金雅容という女官は 存在しない。 109 00:07:41,728 --> 00:07:46,099 そして 白練の衣が盗まれていた。 110 00:07:46,099 --> 00:07:52,138 誰かが金家の仕業と見せかけ 朱慧月への嫌がらせを指示した➨ 111 00:07:52,138 --> 00:07:55,442 と考えるのが妥当ですよね。 112 00:07:55,442 --> 00:07:58,078 慧月様は 想像以上に➨ 113 00:07:58,078 --> 00:08:01,414 根深い悪意に さらされている気がします…》 114 00:08:01,414 --> 00:08:05,719 ハァ ハァ…。 115 00:08:07,787 --> 00:08:11,157 ⚟殿下のお戻りだ! 開門!! 116 00:08:17,430 --> 00:08:19,766 (ドアをたたく音) 117 00:08:19,766 --> 00:08:21,801 出てきなさい 莉莉! 118 00:08:21,801 --> 00:08:24,104 貴妃様に断りのひと言もなく➨ 119 00:08:24,104 --> 00:08:27,440 朱駒宮の壁を動かすとは いったい何事です。 120 00:08:27,440 --> 00:08:29,442 ここは 私が…。 121 00:08:29,442 --> 00:08:32,145 主人をいきなり突き出す 女官がいますか。 122 00:08:32,145 --> 00:08:34,114 横になっていてくださいよ。 123 00:08:34,114 --> 00:08:38,451 はいはい なんでしょ! いったい何ですか あの壁は。 124 00:08:38,451 --> 00:08:40,854 そうです。 どうして このようなことになったのか➨ 125 00:08:40,854 --> 00:08:43,123 説明してください。 126 00:08:43,123 --> 00:08:48,094 《慧月様は 今 どうなさって いるのでしょうか?》 127 00:08:53,133 --> 00:08:56,469 《慧月様 聞こえますか? 128 00:08:56,469 --> 00:08:59,806 どうか 私を呼んでくださいませ。 129 00:08:59,806 --> 00:09:02,208 お話ししたいのです…》 130 00:09:08,782 --> 00:09:12,152 黄玲琳…。 131 00:09:12,152 --> 00:09:16,189 私を… 助けて…。 132 00:09:16,189 --> 00:09:20,460 慧月様! まぁ すごい! 本当につながりましたわ! 133 00:09:20,460 --> 00:09:23,463 私たち なんと気が合うのでしょう! 134 00:09:23,463 --> 00:09:27,434 あなたって… いつも楽しそうね。 135 00:09:27,434 --> 00:09:32,439 慧月様 私のお渡しした 薬湯は 全て飲まれました? 136 00:09:32,439 --> 00:09:34,441 飲んだわよ。 137 00:09:34,441 --> 00:09:38,778 でも もう私は おしまいだわ…。 138 00:09:38,778 --> 00:09:42,782 冬雪に 入れ替わりを知られてしまって➨ 139 00:09:42,782 --> 00:09:44,884 言われたのよ…。 140 00:09:44,884 --> 00:09:47,554 ⸨命が惜しくば ここから出るな!!⸩ 141 00:09:50,123 --> 00:09:53,092 それ以降 誰も来ないの。 142 00:09:53,092 --> 00:09:55,095 私が忌ばらいのため➨ 143 00:09:55,095 --> 00:09:59,766 閉じこもったことにすると 言ってたけど。 きっとウソよ…。 144 00:09:59,766 --> 00:10:03,436 今頃 真相を言いふらしてるのだわ。 145 00:10:03,436 --> 00:10:08,775 皇后陛下も尭明殿下も きっと私を処刑なさるわ。 146 00:10:08,775 --> 00:10:13,847 慧月様。 冬雪には 私が言ってきかせますので。 147 00:10:13,847 --> 00:10:16,416 事態が完全に露見する前に➨ 148 00:10:16,416 --> 00:10:20,487 入れ替わりを解消すれば よいのではございませんか? 149 00:10:20,487 --> 00:10:23,122 それで済むわけがないでしょう! 150 00:10:23,122 --> 00:10:25,125 皆が私を責めるわ! 151 00:10:25,125 --> 00:10:28,795 私はいたぶられ 殺される。 152 00:10:28,795 --> 00:10:32,432 誰からも見限られて…。 153 00:10:32,432 --> 00:10:35,468 悲しいことをおっしゃらないで。 154 00:10:35,468 --> 00:10:37,437 少なくとも私は➨ 155 00:10:37,437 --> 00:10:41,107 一緒にこの問題を 解決したいと思っております。 156 00:10:41,107 --> 00:10:45,778 それに 慧月様には 後見の朱貴妃様も➨ 157 00:10:45,778 --> 00:10:50,116 ついていらっしゃるでは ありませんか…。 158 00:10:50,116 --> 00:10:53,753 フッ… 貴妃様ね…。 159 00:10:53,753 --> 00:10:56,756 ハ… ハハ…。 160 00:10:56,756 --> 00:10:58,791 聞いてちょうだい。 161 00:10:58,791 --> 00:11:03,129 私のこの病も この入れ替わりも➨ 162 00:11:03,129 --> 00:11:07,100 仕組んだのは 朱貴妃なの。 えっ…? 163 00:11:09,135 --> 00:11:16,476 (雅媚)ハァ ハァ…。 164 00:11:16,476 --> 00:11:19,145 うっ…。 165 00:11:19,145 --> 00:11:22,415 ハァ ハァ…。 166 00:11:25,118 --> 00:11:27,120 くっ…。 167 00:11:31,090 --> 00:11:33,760 蟲毒という呪術を知っていて? 168 00:11:33,760 --> 00:11:35,762 え えぇ…。 169 00:11:35,762 --> 00:11:39,766 虫さんを壺の中で共食いさせて 得る毒ですよね…。 170 00:11:39,766 --> 00:11:44,771 そうよ。 でも 虫をただ共食いさせるだけでは➨ 171 00:11:44,771 --> 00:11:47,440 まじない程度の効果しかないの。 172 00:11:47,440 --> 00:11:52,812 正しい儀式と呪文を与えて ようやく威力を得る。 173 00:11:52,812 --> 00:11:57,417 私は その蟲毒によって 苦しめられたのよ。 174 00:11:57,417 --> 00:12:02,121 だから薬湯だけでなく 破魔の弦音で回復したの。 175 00:12:02,121 --> 00:12:06,492 つまり この病は 呪いだったということよ。 176 00:12:06,492 --> 00:12:08,428 呪い…? 177 00:12:08,428 --> 00:12:10,797 それは入れ替わりの直後➨ 178 00:12:10,797 --> 00:12:15,435 金清佳から贈られてきた 香炉に仕込まれていたの。 179 00:12:15,435 --> 00:12:21,107 でも本当は 金家から 贈られた物ではないはずよ。 180 00:12:21,107 --> 00:12:25,778 《金家の仕業と見せかけた かんざしのときと同じ…》 181 00:12:25,778 --> 00:12:29,148 だって あの蟲毒 クモの型は➨ 182 00:12:29,148 --> 00:12:32,185 私と あと一人しか知らないから。 183 00:12:32,185 --> 00:12:35,421 その あと一人というのが…。 184 00:12:35,421 --> 00:12:41,094 朱雅媚。 かつて 私から聞き出した術を用いた。 185 00:12:41,094 --> 00:12:44,097 あのお優しい朱貴妃様が…。 186 00:12:44,097 --> 00:12:47,467 今思えば 入れ替わりを決意させたのも➨ 187 00:12:47,467 --> 00:12:49,936 あの人のひと言だったわ。 188 00:12:49,936 --> 00:12:54,440 ⸨あなたも 玲琳様のように なれれば良かったのに。 189 00:12:54,440 --> 00:12:56,442 ねぇ…⸩ 190 00:12:56,442 --> 00:13:01,781 おそらく 入れ替われば2人とも すぐに死ぬと踏んでいたのね。 191 00:13:01,781 --> 00:13:04,150 あなたは 獣尋の儀で➨ 192 00:13:04,150 --> 00:13:07,754 私は 虚弱な体質と蟲毒によって。 193 00:13:07,754 --> 00:13:09,756 そんな…。 194 00:13:09,756 --> 00:13:12,759 ですが 他家の私はともかく➨ 195 00:13:12,759 --> 00:13:15,094 なぜ慧月様のことまで…。 196 00:13:15,094 --> 00:13:17,430 私は口封じよ。 197 00:13:17,430 --> 00:13:22,101 あの人は 禁術が使えるから 私を雛女に選んだだけ。 198 00:13:22,101 --> 00:13:24,737 死なれても ちっとも惜しくない…。 199 00:13:24,737 --> 00:13:27,407 本当に滑稽だこと。 200 00:13:27,407 --> 00:13:31,077 私は やはり独りだったのだわ。 201 00:13:31,077 --> 00:13:35,081 みじめで 誰からもいいように扱われ…。 202 00:13:35,081 --> 00:13:39,485 慧月様…。 私の願いはね…。 203 00:13:39,485 --> 00:13:42,388 乞巧節での私の願いは➨ 204 00:13:42,388 --> 00:13:45,825 本当にあの瞬間 叫んだとおりだった。 205 00:13:45,825 --> 00:13:50,063 ⸨いまいましい女 消えるがいいわ…!⸩ 206 00:13:50,063 --> 00:13:56,736 でもあれは 自分に向かって叫んでいたのよ…。 207 00:13:56,736 --> 00:14:01,074 私… 消えてしまいたかったの。 208 00:14:01,074 --> 00:14:03,743 それで あなたになりたかった。 209 00:14:03,743 --> 00:14:08,748 誰からも愛される 胡蝶のようなあなたに…。 210 00:14:08,748 --> 00:14:12,051 でも 無理だった。 211 00:14:12,051 --> 00:14:14,387 どうしてかしら。 212 00:14:14,387 --> 00:14:18,424 私は今 入れ替わる前よりも➨ 213 00:14:18,424 --> 00:14:22,095 もっと自分が嫌いでしかたがない。 214 00:14:22,095 --> 00:14:30,069 ねぇ 黄玲琳… あなたは… 私を殺してもいいわ。 215 00:14:34,407 --> 00:14:38,811 極端なお方ですね。 それはつまり➨ 216 00:14:38,811 --> 00:14:43,082 「ごめんなさい」 ということでございましょう? 217 00:14:43,082 --> 00:14:45,084 謝罪を通りこして➨ 218 00:14:45,084 --> 00:14:47,487 いきなり殺せと おっしゃるなんて➨ 219 00:14:47,487 --> 00:14:49,722 本当に苛烈なお方。 220 00:14:49,722 --> 00:14:52,091 まるで炎のように。 221 00:14:52,091 --> 00:14:57,430 まさしく 火をつかさどる 朱家の雛女君でございますね。 222 00:14:57,430 --> 00:15:03,069 私 慧月様の その喜怒哀楽が はっきりしたところが好きです。 223 00:15:03,069 --> 00:15:05,738 な 何を言うのよ…。 224 00:15:05,738 --> 00:15:09,108 思うがままに 感情を表現されるお姿は➨ 225 00:15:09,108 --> 00:15:11,144 とても心地よいです。 226 00:15:11,144 --> 00:15:14,413 雛宮のどぶネズミと 呼ばれてきた女なのよ! 227 00:15:14,413 --> 00:15:18,050 あり得ないわ! なぜ慧月様はそんなに➨ 228 00:15:18,050 --> 00:15:21,087 ご自身への評価が厳しいのです? 229 00:15:21,087 --> 00:15:26,092 素敵な点をたくさんお持ちなのに。 ないわよ そんなもの! 230 00:15:26,092 --> 00:15:28,094 ありますよ。 231 00:15:28,094 --> 00:15:31,063 まず… 禁術が使えますでしょう? 232 00:15:31,063 --> 00:15:35,735 入れ替わりという 大それたことを実行する力と度胸。 233 00:15:35,735 --> 00:15:39,705 あと 痛々しいほどの感情の強さも。 234 00:15:39,705 --> 00:15:41,707 嫌味なの? 235 00:15:43,743 --> 00:15:46,078 それから根性も。 236 00:15:46,078 --> 00:15:50,716 その体の苦痛と 闘い続けたのですから。 237 00:15:50,716 --> 00:15:52,718 わかっているの? 238 00:15:52,718 --> 00:15:57,089 私は あなたを… 死に追いやろうとしたのよ。 239 00:15:57,089 --> 00:16:00,159 でも できなかった。 あっ…。 240 00:16:00,159 --> 00:16:02,728 結局 あなた様がなさったのは➨ 241 00:16:02,728 --> 00:16:07,400 私に健康な体を貸し 幸せにしてくれただけ。 242 00:16:07,400 --> 00:16:11,404 フッ… 慧月様なんてね えっと➨ 243 00:16:11,404 --> 00:16:15,741 所詮 人を不幸にする才能なんて ないのですわ。 244 00:16:15,741 --> 00:16:18,077 おほほほほっ! おっ おほほっ! 245 00:16:18,077 --> 00:16:21,714 何のまね? 悪女のまねでございます。 246 00:16:21,714 --> 00:16:27,386 どうでしょう。 悔しさをバネに 元気が出たりはしません? 247 00:16:27,386 --> 00:16:33,059 フッ… 下手くそにも程があるわ…。 248 00:16:33,059 --> 00:16:36,395 黄玲琳。 249 00:16:36,395 --> 00:16:42,468 ごめんなさい。 本当に… 悪かったわ。 250 00:16:42,468 --> 00:16:50,409 いいえ こちらこそ 病を10日近くも肩代わりさせて…。 251 00:16:50,409 --> 00:16:54,080 慧月様と こうしてお話しができて 良かったです。 252 00:16:54,080 --> 00:16:59,719 実は 私たちが入れ替わった後 金家の女官を装い➨ 253 00:16:59,719 --> 00:17:03,723 朱慧月に害を及ぼそうとする者が いたのですが➨ 254 00:17:03,723 --> 00:17:06,125 その理由もわかった気がします。 255 00:17:06,125 --> 00:17:09,061 貴妃様ね…。 256 00:17:09,061 --> 00:17:13,399 でも なぜそうまで執拗なのかが わかりません。 257 00:17:13,399 --> 00:17:18,070 最初は 計画を邪魔するあなたを 排除したかったんだと思うわ。 258 00:17:18,070 --> 00:17:20,406 計画を邪魔する…。 259 00:17:20,406 --> 00:17:25,745 それが 今は あなたから 事情が漏れることを恐れている。 260 00:17:25,745 --> 00:17:28,414 まさか…。 261 00:17:28,414 --> 00:17:32,051 貴妃様の真の目的はね 恐らく…。 262 00:17:32,051 --> 00:17:35,388 (莉莉)雛女様 大変です! (ドアをたたく音) 263 00:17:35,388 --> 00:17:37,723 莉莉? (莉莉)尭明殿下がお越しです! 264 00:17:37,723 --> 00:17:40,393 急ぎお支度を!! (2人)はい? 265 00:17:40,393 --> 00:17:43,729 い 入れ替わりのことを お知りになったのかも…。 266 00:17:43,729 --> 00:17:46,399 いえ きっとまだ ご存じではないでしょう。 267 00:17:46,399 --> 00:17:50,069 殿下のご性格なら 真っ先に 慧月様のところに向かって➨ 268 00:17:50,069 --> 00:17:53,039 拷問から始めるでしょうし。 脅しなの!? 269 00:17:53,039 --> 00:17:55,708 とにかく ここは 私がなんとか。 270 00:17:55,708 --> 00:17:58,077 慧月様として振る舞えば…。 271 00:17:58,077 --> 00:18:00,713 とにかく 一度消しますね! 272 00:18:00,713 --> 00:18:04,383 フッ! (尭明)朱慧月 起きているか。 273 00:18:04,383 --> 00:18:08,054 (莉莉)雛女様 開けますよ! 274 00:18:08,054 --> 00:18:11,057 は はい 起きております。 275 00:18:11,057 --> 00:18:13,726 《ハッ! 悪女らしくでした!!》 276 00:18:13,726 --> 00:18:15,728 それを持て。 はい! 277 00:18:15,728 --> 00:18:20,733 そば付きの女官以外は下がれ。 はっ。 278 00:18:20,733 --> 00:18:23,736 《悪女らしく 悪女らしく…》 279 00:18:23,736 --> 00:18:27,373 あの…! 私は出血しているので➨ 280 00:18:27,373 --> 00:18:30,776 殿下を招き入れるのは 心苦しいといいますか! 281 00:18:30,776 --> 00:18:35,815 ほう? 辰宇や金清佳 黄家の女官の出入りは許すが➨ 282 00:18:35,815 --> 00:18:38,417 俺は受け付けないと? うっ…。 283 00:18:38,417 --> 00:18:42,455 ですが このように 見苦しい姿でございますので! 284 00:18:42,455 --> 00:18:44,457 フン 今更…。 285 00:18:44,457 --> 00:18:46,525 じめじめとした場所だ。 286 00:18:46,525 --> 00:18:49,395 べ 別に じめじめとなどしておりません! 287 00:18:49,395 --> 00:18:51,430 最高の場所ですわ! 288 00:18:51,430 --> 00:18:55,434 (尭明)こんな場所にいたのでは 治る傷も治るまいと言っている。 289 00:18:55,434 --> 00:18:59,839 本宮の最奥 紫龍泉でくみ 祈祷を済ませた水だ。 290 00:18:59,839 --> 00:19:03,109 傷を清めるのに使うといい。 えっ!? 291 00:19:03,109 --> 00:19:06,712 《紫龍泉って あの神秘の水の!?》 292 00:19:09,482 --> 00:19:13,452 お前が手のひらを痛めるほどに 破魔の弓を引いたことは➨ 293 00:19:13,452 --> 00:19:18,424 辰宇から聞いている。 このような貴重なものを私に? 294 00:19:18,424 --> 00:19:20,426 勘違いするな。 295 00:19:20,426 --> 00:19:22,728 玲琳の見舞いにと思い くみすぎただけだ。 296 00:19:22,728 --> 00:19:29,735 はぁ…。 とはいえ 俺自らがくんだ水だ。 297 00:19:29,735 --> 00:19:32,405 なんだ いらないのか? 298 00:19:32,405 --> 00:19:35,374 えっ… いえ そんなことは…。 299 00:19:35,374 --> 00:19:38,077 んっ…! 見せろ。 300 00:19:38,077 --> 00:19:40,413 あっ! 301 00:19:40,413 --> 00:19:42,415 (尭明)なんだこれは! 302 00:19:42,415 --> 00:19:44,717 あ… ええと…。 303 00:19:44,717 --> 00:19:49,722 擦り傷? ということに 分類上はなりますでしょうか? 304 00:19:49,722 --> 00:19:53,726 その域を越しているだろう! 痛まないとでも言うのか? 305 00:19:53,726 --> 00:19:58,397 いえ まぁ… 痛みはするのですけれども。 306 00:19:58,397 --> 00:20:03,769 そうですね… 痛みます ものすごく。 307 00:20:03,769 --> 00:20:05,805 (尭明)なぜそこで笑う。 308 00:20:05,805 --> 00:20:10,076 最近のお前は奇妙だな。 ハッ! いえ そんなことは! 309 00:20:10,076 --> 00:20:12,044 あっ…。 310 00:20:17,450 --> 00:20:20,753 (尭明)玲琳の熱は 弦音が聞こえると同時に➨ 311 00:20:20,753 --> 00:20:23,089 ひきはじめたと聞いた。 312 00:20:23,089 --> 00:20:25,758 その点では お前に感謝している。 313 00:20:25,758 --> 00:20:28,127 それから反省も。 314 00:20:28,127 --> 00:20:31,397 これまでの行いが 行いだったとはいえ➨ 315 00:20:31,397 --> 00:20:34,734 お前の誠意を疑い 罵った。 316 00:20:34,734 --> 00:20:37,803 その態度は 不誠実だったと思う。 317 00:20:37,803 --> 00:20:41,407 すまなかった。 318 00:20:41,407 --> 00:20:43,409 いいえ。 319 00:20:43,409 --> 00:20:47,046 私がしたくてしたことを 殿下から感謝されたり➨ 320 00:20:47,046 --> 00:20:51,083 わびられたりする道理は ございません。 321 00:20:51,083 --> 00:20:54,086 お前…。 はい? 322 00:20:54,086 --> 00:20:57,756 ずいぶん 変わったのだな。 323 00:20:57,756 --> 00:21:00,759 (莉莉)ああっと 大変です 雛女様! 324 00:21:00,759 --> 00:21:05,164 貴重な霊水が布から垂れて 殿下のお召し物に~! 325 00:21:05,164 --> 00:21:07,433 《入れ替わりの露見 駄目! 絶対!》 326 00:21:07,433 --> 00:21:09,401 ハッ!! 327 00:21:09,401 --> 00:21:11,804 《悪女的言動! でした》 328 00:21:11,804 --> 00:21:16,442 と あたかも殊勝に聞こえる 発言は実はウソで➨ 329 00:21:16,442 --> 00:21:19,445 本音を申しますと 黄家の雛女様は➨ 330 00:21:19,445 --> 00:21:22,448 私に感謝してしかるべきだと 思っております。 331 00:21:22,448 --> 00:21:24,483 むっ! なんだと? 332 00:21:24,483 --> 00:21:27,720 殿下は かの方に対して過保護なのです。 333 00:21:27,720 --> 00:21:31,457 雛宮のあるじとして 公平を心がけるべきでは? 334 00:21:31,457 --> 00:21:34,793 胡蝶と どぶネズミに 等しくほほ笑みを向けていたら➨ 335 00:21:34,793 --> 00:21:37,062 それこそが 不公平というものだろう。 336 00:21:37,062 --> 00:21:40,399 その呼称は 何とかならぬものでしょうか? 337 00:21:40,399 --> 00:21:43,435 そもそもネズミさんは 愛らしくございません? 338 00:21:43,435 --> 00:21:47,039 むしろチョウさんだって ガさんと 紙一重ではございません? 339 00:21:47,039 --> 00:21:50,042 玲琳をガ呼ばわりする気か? 340 00:21:50,042 --> 00:21:52,077 (辰宇)失礼いたします! 341 00:21:52,077 --> 00:21:54,380 殿下 黄麒宮で異変が。 342 00:21:54,380 --> 00:21:58,717 どうした 玲琳の身に何か? 343 00:21:58,717 --> 00:22:03,389 皇后陛下がお倒れです。 なんだと!? 344 00:22:03,389 --> 00:22:07,393 黄玲琳殿が苦しめられていたのと 同じ症状のようです。 345 00:22:07,393 --> 00:22:11,764 同じ…? (辰宇)昨日 突然体調を崩され➨ 346 00:22:11,764 --> 00:22:14,066 今では水も飲めぬほど…。 347 00:22:14,066 --> 00:22:17,403 陛下のご意向で 秘されていたようですが➨ 348 00:22:17,403 --> 00:22:21,373 もはや伏せてはおけぬと 女官より報告がありました。 349 00:22:21,373 --> 00:22:23,409 伝染病か? 350 00:22:23,409 --> 00:22:26,812 いいえ。 351 00:22:26,812 --> 00:22:29,181 きっと 呪いです。