1 00:00:03,036 --> 00:00:06,039 (歓声) 2 00:00:06,039 --> 00:00:09,042 ⸨んっ? 3 00:00:09,042 --> 00:00:13,480 皇太子殿下 ご誕生に 沸き立つ声にございます…。 4 00:00:13,480 --> 00:00:16,216 (雅媚)そう…。 5 00:00:16,216 --> 00:00:19,586 あっ 貴妃様! 貴妃様! 6 00:00:19,586 --> 00:00:21,722 違うの…。 7 00:00:21,722 --> 00:00:25,225 絹秀様がご無事で 安心したの。 8 00:00:25,225 --> 00:00:28,061 《怖かった…。 9 00:00:28,061 --> 00:00:31,398 もし 絹秀様が皇子を お産みになったら➨ 10 00:00:31,398 --> 00:00:34,434 ねたんでしまうのではないかと。 11 00:00:34,434 --> 00:00:38,705 だけど今 心からうれしい》 12 00:00:38,705 --> 00:00:42,910 (雅媚)早くまた… 会いたいわ。 13 00:00:45,379 --> 00:00:47,381 (麗雅)あらまあ! 14 00:00:47,381 --> 00:00:51,885 私のお見舞いの香炉 使ってくださっているのですね。 15 00:00:51,885 --> 00:00:54,054 あっ… えぇ。 16 00:00:54,054 --> 00:00:56,056 フフッ よかったわ。 17 00:00:56,056 --> 00:00:58,559 実は あの方に倣って➨ 18 00:00:58,559 --> 00:01:01,061 お見舞いを 控えたほうがいいのかしらと➨ 19 00:01:01,061 --> 00:01:03,030 案じておりましたのよ。 20 00:01:03,030 --> 00:01:05,065 あの方? 21 00:01:05,065 --> 00:01:07,901 皇后陛下ですわ。 22 00:01:07,901 --> 00:01:12,573 親友でいらしたのに 縁起が悪いからかしら。 23 00:01:12,573 --> 00:01:17,911 顔も見せないなんて 薄情ですわねぇ。 24 00:01:17,911 --> 00:01:21,949 まあ でも 友とはいえ しょせんは他人。 25 00:01:21,949 --> 00:01:26,053 誰だって 自分の子のほうが大事でしょうし。 26 00:01:26,053 --> 00:01:30,724 大輪の花は 間引かれた花の犠牲の上に咲き➨ 27 00:01:30,724 --> 00:01:35,395 王者とは 幾多のしかばねの上に 玉座を敷くもの。 28 00:01:35,395 --> 00:01:41,234 きっと 朱貴妃様の亡くされた 皇子の天命も…。 29 00:01:41,234 --> 00:01:43,270 うぅ! 30 00:01:43,270 --> 00:01:46,573 ハァハァ…。 31 00:01:46,573 --> 00:01:48,909 (絹秀)お前の皇子の命も➨ 32 00:01:48,909 --> 00:01:51,211 わらわの皇子が もらい受けたのだから➨ 33 00:01:51,211 --> 00:01:55,382 お前も我が子のように かわいがってくれるだろう? 34 00:01:55,382 --> 00:01:57,384 雅媚。 35 00:01:57,384 --> 00:02:02,055 ヒッ… いや… 来ないで! 36 00:02:02,055 --> 00:02:05,392 どうして…。 37 00:02:05,392 --> 00:02:09,429 どうして… 私の皇子を! 38 00:02:09,429 --> 00:02:11,565 フッフッフ…。 どうして!⸩ 39 00:02:11,565 --> 00:02:14,401 黄絹秀!! 40 00:02:14,401 --> 00:02:17,037 (尭明)無事か 玲琳! 41 00:02:17,037 --> 00:02:21,375 おにい… 殿下。 42 00:02:21,375 --> 00:02:24,044 あっ…。 あぁ…。 43 00:02:24,044 --> 00:02:26,713 (辰宇)貴妃・朱雅媚よ。 44 00:02:26,713 --> 00:02:29,082 お前が皇后陛下の呪殺を たくらんだという叫びは➨ 45 00:02:29,082 --> 00:02:31,084 確かに聞いた。 46 00:02:31,084 --> 00:02:34,087 これからしかと問い詰めるから 覚悟しろ。 47 00:02:50,103 --> 00:02:53,607 (雅媚)いや… いや… あっちへお行き! 48 00:02:53,607 --> 00:02:56,476 (尭明)玲琳。 あっ…。 49 00:02:56,476 --> 00:03:00,881 お前が玲琳だったのだな。 50 00:03:00,881 --> 00:03:03,550 俺は なぜ気付かなかったんだ…。 51 00:03:03,550 --> 00:03:05,585 《ごめんなさい おにい様。 52 00:03:05,585 --> 00:03:10,424 でも私 今認めるわけには…。 53 00:03:10,424 --> 00:03:16,563 慧月様と入れ替わりを 解消してしまわないと…》 54 00:03:16,563 --> 00:03:19,066 殿下 なんのことでしょう。 55 00:03:19,066 --> 00:03:21,101 ハッ…。 56 00:03:21,101 --> 00:03:23,136 私は…。 ヒッ! 57 00:03:23,136 --> 00:03:26,406 な なんということなの…。 58 00:03:26,406 --> 00:03:31,378 こんな すさまじい龍気が… こうも 乱れ! 59 00:03:33,413 --> 00:03:36,416 あっ! 60 00:03:36,416 --> 00:03:38,385 あっ…。 61 00:03:40,420 --> 00:03:42,722 《龍気の強い始祖は➨ 62 00:03:42,722 --> 00:03:46,393 天候を操れたと 聞いたことはありましたが➨ 63 00:03:46,393 --> 00:03:50,397 まさか おにい様に そのような機能が…》 64 00:03:50,397 --> 00:03:53,867 (尭明)こんな俺を… もう許せないか? 65 00:03:53,867 --> 00:03:56,570 《そういうわけでは…。 66 00:03:56,570 --> 00:03:58,572 でも今は…》 67 00:03:58,572 --> 00:04:02,709 玲琳… 頼む 何か言ってくれ! 68 00:04:02,709 --> 00:04:04,911 (2人)ヒイッ! (雷鳴) 69 00:04:09,716 --> 00:04:11,718 あっ…。 70 00:04:11,718 --> 00:04:15,722 お願い! 何でもいいから早く話して! 71 00:04:15,722 --> 00:04:19,059 ヒッ! 72 00:04:19,059 --> 00:04:21,728 殿下 それより今は朱貴妃様の…。 73 00:04:21,728 --> 00:04:25,398 その経緯は おおよそ理解した。 74 00:04:25,398 --> 00:04:28,902 呪いは すでに解けたということも。 75 00:04:28,902 --> 00:04:31,238 呪いが解けたのなら➨ 76 00:04:31,238 --> 00:04:35,041 あの冬雪が 母上の命を 危機にさらすことはあるまい。 77 00:04:35,041 --> 00:04:37,744 冬雪? 78 00:04:37,744 --> 00:04:41,581 そうだ。 冬雪からも話を聞いた。 79 00:04:41,581 --> 00:04:45,418 朱慧月が お前に嫉妬して 体を入れ替えたこと➨ 80 00:04:45,418 --> 00:04:48,054 お前が それを知ってなお➨ 81 00:04:48,054 --> 00:04:51,224 彼女をかばおうとしていることも 全てだ。 82 00:04:51,224 --> 00:04:55,061 《冬雪! 口止めしたはずですのに!》 83 00:04:55,061 --> 00:04:58,098 あれも 入れ替わりを 見抜けなかったことを➨ 84 00:04:58,098 --> 00:05:00,901 心底悔いていた。 85 00:05:00,901 --> 00:05:03,370 気持ちは よくわかる。 86 00:05:05,572 --> 00:05:09,910 俺は… お前を傷つけた。 87 00:05:09,910 --> 00:05:13,713 罪悪感で 心の臓が裂けてしまいそうで➨ 88 00:05:13,713 --> 00:05:17,384 この荒れ狂う感情を どうにか吐き出さねば➨ 89 00:05:17,384 --> 00:05:19,419 息もできないのだ!! 90 00:05:19,419 --> 00:05:22,055 どうしたらいい…。 殿下? 91 00:05:22,055 --> 00:05:25,559 (尭明)俺は… どうわびればいい。 92 00:05:25,559 --> 00:05:31,565 向こう何年ひざまずこうと 大陸中の財宝を差し出そうと➨ 93 00:05:31,565 --> 00:05:35,235 お前の命を消しかけた罪は 消えない!! 94 00:05:35,235 --> 00:05:37,571 (悲鳴) 95 00:05:37,571 --> 00:05:39,739 殿下! 96 00:05:39,739 --> 00:05:43,410 殿下! 落ち着いてくださいませ! 97 00:05:46,246 --> 00:05:49,416 《もう 入れ替わりをごまかせない》 98 00:05:49,416 --> 00:05:51,918 英明なる殿下ですもの。 99 00:05:51,918 --> 00:05:56,423 この地を混乱させることは 本意ではないはずです。 100 00:05:56,423 --> 00:05:59,559 ご覧ください 皆様はもちろん➨ 101 00:05:59,559 --> 00:06:02,729 木や草までも おびえてしまっています。 102 00:06:02,729 --> 00:06:08,735 私も 殿下が気を乱していらしたら 怖くなってしまいますわ。 103 00:06:13,740 --> 00:06:16,543 私は ここにいます。 104 00:06:16,543 --> 00:06:22,082 確かに慧月様は 入れ替わりの術を行使しました。 105 00:06:22,082 --> 00:06:26,453 その結果 私は健康な体を得て➨ 106 00:06:26,453 --> 00:06:28,521 友にも恵まれました。 107 00:06:28,521 --> 00:06:30,390 ほら。 108 00:06:30,390 --> 00:06:33,727 ビックリするくらい 元気な鼓動でしょう? 109 00:06:33,727 --> 00:06:35,762 玲琳…。 110 00:06:35,762 --> 00:06:41,134 この数日間 私 本当に幸せでした。 111 00:06:43,069 --> 00:06:46,139 そんなに ご自分を 責めないでくださいませ。 112 00:06:52,212 --> 00:06:56,783 だが お前の優しさに つけ込むわけにはいかない。 113 00:06:56,783 --> 00:06:59,252 俺は償わねば…。 114 00:06:59,252 --> 00:07:02,155 お…。 115 00:07:02,155 --> 00:07:05,625 では 償っていただきましょうか。 116 00:07:05,625 --> 00:07:09,095 殿下はまた 以前のような信頼関係を➨ 117 00:07:09,095 --> 00:07:11,064 取り戻したいと お考えなのですよね? 118 00:07:11,064 --> 00:07:13,099 もちろんだ。 119 00:07:13,099 --> 00:07:16,269 それなら まず この入れ替わりに関して➨ 120 00:07:16,269 --> 00:07:19,439 朱慧月様を罰することは おやめくださいませ。 121 00:07:19,439 --> 00:07:23,343 なに!? 慧月様は 朱貴妃様に操られ➨ 122 00:07:23,343 --> 00:07:26,746 結果 私を 幸せにしてしまったのですから。 123 00:07:26,746 --> 00:07:29,416 だが それでは 何の償いにもならない…。 124 00:07:29,416 --> 00:07:31,418 反論は許しません。 125 00:07:31,418 --> 00:07:33,920 なにしろ 私➨ 126 00:07:33,920 --> 00:07:37,924 殿下には 「この悪女め」と ののしられた身の上ですもの。 127 00:07:37,924 --> 00:07:40,427 殿下は おとなしく➨ 128 00:07:40,427 --> 00:07:43,630 悪女の言いなりにならなくては なりませんわ。 129 00:07:45,598 --> 00:07:50,270 《尭明:あぁ… あのときと同じ…。 130 00:07:50,270 --> 00:07:53,907 朱慧月であって 朱慧月ではない。 131 00:07:53,907 --> 00:07:59,612 玲琳であって 俺の知る玲琳とも違う。 132 00:07:59,612 --> 00:08:03,483 同じ女に 二度にわたって ほれるということは➨ 133 00:08:03,483 --> 00:08:06,019 あるのだろうか》 134 00:08:06,019 --> 00:08:08,755 フッ…。 135 00:08:08,755 --> 00:08:13,126 わかった。 朱慧月は罰しない。 136 00:08:13,126 --> 00:08:15,161 ありがとうございます。 137 00:08:15,161 --> 00:08:17,197 では 2つ目。 んっ? 138 00:08:17,197 --> 00:08:19,432 朱貴妃様への罰も➨ 139 00:08:19,432 --> 00:08:23,770 当事者である皇后陛下のご意向を 優先してくださいませ。 140 00:08:23,770 --> 00:08:28,074 朱貴妃様の行いは 決して 許されるものではありませんが➨ 141 00:08:28,074 --> 00:08:31,745 私も たとえ呪いに手を染めてでも➨ 142 00:08:31,745 --> 00:08:34,748 守りたい人を 守らずにはいられなかった…。 143 00:08:34,748 --> 00:08:37,417 それが悪行だとしても。 144 00:08:37,417 --> 00:08:42,822 この気持ちは かつての私では わからなかったことですが➨ 145 00:08:42,822 --> 00:08:48,028 これが きっと 生きるということなのですね。 146 00:08:51,231 --> 00:08:54,234 わかった… 受け入れよう。 147 00:08:56,436 --> 00:08:59,806 玲琳 本当に悪かった。 148 00:08:59,806 --> 00:09:02,442 あっ…。 また以前のように➨ 149 00:09:02,442 --> 00:09:05,111 おにい様と呼んでくれるか? 150 00:09:07,781 --> 00:09:11,451 では あともうひとつ。 何だ。 151 00:09:11,451 --> 00:09:16,089 《だって 私 まだまだ ふつつかとはいえ➨ 152 00:09:16,089 --> 00:09:20,093 悪女ですもの》 153 00:09:20,093 --> 00:09:23,096 どうか これからも たびたびの入れ替わりを➨ 154 00:09:23,096 --> 00:09:25,098 お許しくださいませ。 155 00:09:25,098 --> 00:09:27,600 えぇ!? あっ…。 なっ…。 156 00:09:27,600 --> 00:09:30,437 もし それを殿下が見抜けたなら➨ 157 00:09:30,437 --> 00:09:33,106 そのときは おにい様とお呼びして➨ 158 00:09:33,106 --> 00:09:36,676 あなた様の雛女でい続けると 誓いますわ。 159 00:09:38,745 --> 00:09:40,780 フッ…。 160 00:09:40,780 --> 00:09:42,782 わかった。 161 00:09:42,782 --> 00:09:44,951 では 今度こそ お前を➨ 162 00:09:44,951 --> 00:09:49,122 俺の胡蝶を捕まえてみせよう。 163 00:09:59,265 --> 00:10:03,269 じゃあ 戻すわよ。 はい。 164 00:10:03,269 --> 00:10:05,672 慧月様。 165 00:10:05,672 --> 00:10:10,076 せんえつながら 私 入れ替わったときからずっと➨ 166 00:10:10,076 --> 00:10:14,981 慧月様のお体を 日々 磨き上げてまいりました。 167 00:10:14,981 --> 00:10:16,983 どうか 慧月様も➨ 168 00:10:16,983 --> 00:10:20,753 この素晴らしいお体を 大事になさってくださいね。 169 00:10:20,753 --> 00:10:23,256 勝手なことを…。 170 00:10:25,425 --> 00:10:28,261 あなたこそ…。 171 00:10:28,261 --> 00:10:30,296 むちゃは ほどほどにして➨ 172 00:10:30,296 --> 00:10:34,167 せいぜい 虚弱な体をいたわるがいいわ。 173 00:10:37,403 --> 00:10:39,439 はい! 174 00:10:39,439 --> 00:10:55,455 ♬~ 175 00:10:55,455 --> 00:10:57,423 フッ…。 176 00:10:57,423 --> 00:10:59,425 フフッ。 177 00:11:04,030 --> 00:11:08,368 《莉莉:事件から三日後 朱貴妃様の審判が行われ…》 178 00:11:08,368 --> 00:11:10,370 (尭明)朱雅媚。 179 00:11:10,370 --> 00:11:14,741 皇后に重大な不敬を働いた罪で 貴妃の座を剥奪。 180 00:11:14,741 --> 00:11:17,277 流刑に処す。 181 00:11:17,277 --> 00:11:21,214 朱慧月は後見人の陰謀を 阻止できなかったかどで➨ 182 00:11:21,214 --> 00:11:24,083 七日間の謹慎とする。 183 00:11:24,083 --> 00:11:28,421 それ以外の朱家の者は無罪とする。 184 00:11:28,421 --> 00:11:30,924 《莉莉:皇后陛下に呪いをかけて➨ 185 00:11:30,924 --> 00:11:33,893 雛女2人を 窮地に陥れたにしては➨ 186 00:11:33,893 --> 00:11:36,729 破格に寛大な処遇だった》 187 00:11:36,729 --> 00:11:39,232 ハァ…。 188 00:11:39,232 --> 00:11:41,234 (絹秀)不服か 尭明? 189 00:11:41,234 --> 00:11:44,404 本来 皇帝陛下に 朱家断絶を求めても➨ 190 00:11:44,404 --> 00:11:46,406 おかしくない大罪ですから。 191 00:11:46,406 --> 00:11:48,408 後宮のことは➨ 192 00:11:48,408 --> 00:11:50,843 皇后である わらわに 一任されておる。 193 00:11:50,843 --> 00:11:53,246 なに 結果だけ見れば➨ 194 00:11:53,246 --> 00:11:57,617 たちの悪い風邪に 一日二日悩まされただけのことだ。 195 00:12:04,591 --> 00:12:08,695 ハァ… ハァ…。 196 00:12:08,695 --> 00:12:11,698 (絹秀)ご苦労。 下がってよい。 はっ。 197 00:12:14,033 --> 00:12:20,206 ここは ひどい暑さだというのに お前は寒そうだな。 198 00:12:20,206 --> 00:12:23,676 大胆 ですこと。 199 00:12:23,676 --> 00:12:32,051 皇后 陛下が… 供も連れず… 私の前に現れるなど…。 200 00:12:32,051 --> 00:12:34,554 フッ ほら見ろ。 201 00:12:34,554 --> 00:12:40,026 普通の女なら 数刻で正気を失う ろうにあっても 嫌味を言える。 202 00:12:40,026 --> 00:12:44,230 お前は まったく苛烈な女だ。 203 00:12:44,230 --> 00:12:47,700 刺しゅうにせよ 暗殺の計画にせよ➨ 204 00:12:47,700 --> 00:12:51,638 お前は 本当に 手の込んだことが好きよなぁ。 205 00:12:51,638 --> 00:12:54,407 わらわへの恨みを晴らすために➨ 206 00:12:54,407 --> 00:12:58,044 いったい どれだけの労力を 費やした。 207 00:12:58,044 --> 00:13:01,648 朱慧月を引き取ったのも 復讐のためか? 208 00:13:03,950 --> 00:13:07,587 あれは未熟だが 根は素直な娘だ。 209 00:13:07,587 --> 00:13:09,555 その心を操り➨ 210 00:13:09,555 --> 00:13:14,060 妹の忘れ形見 わらわの至宝である 玲琳をじゅうりんしてまで➨ 211 00:13:14,060 --> 00:13:16,362 わらわを苦しめたかったか。 212 00:13:16,362 --> 00:13:19,065 フッ。 213 00:13:19,065 --> 00:13:22,535 慧月を 利用することに➨ 214 00:13:22,535 --> 00:13:26,205 ためらいなど ありませんでしたわ。 215 00:13:26,205 --> 00:13:29,876 あの子は 私の言うことを➨ 216 00:13:29,876 --> 00:13:33,046 愚かにも丸のみにして。 217 00:13:33,046 --> 00:13:40,420 私を信じて 信じて…。 218 00:13:40,420 --> 00:13:45,191 私の皇子が もし生きていたなら➨ 219 00:13:45,191 --> 00:13:49,395 このように 一心に母を慕うのだろうかと➨ 220 00:13:49,395 --> 00:13:53,166 何度か 思いはしましたわ。 221 00:13:55,535 --> 00:13:58,538 (絹秀)わらわはなぁ 恨みの炎は➨ 222 00:13:58,538 --> 00:14:01,708 たけだけしい朱色をしていると 思っていたよ。 223 00:14:01,708 --> 00:14:03,710 邪道だろうが➨ 224 00:14:03,710 --> 00:14:06,713 それで暖を取り 生き延びられるなら➨ 225 00:14:06,713 --> 00:14:10,216 結構なことだと。 226 00:14:10,216 --> 00:14:15,221 だが 恨みの炎は きっと青白いのだな。 227 00:14:15,221 --> 00:14:17,557 どれだけ たけだけしかろうと➨ 228 00:14:17,557 --> 00:14:21,861 氷獄のように寒々しいのだろう。 229 00:14:21,861 --> 00:14:24,063 なあ 雅媚よ。 230 00:14:27,033 --> 00:14:31,404 もう 恨みに すがりついてくれるな。 231 00:14:31,404 --> 00:14:33,372 わらわは あのとき➨ 232 00:14:33,372 --> 00:14:36,542 恨みの炎で 暖を取らせるのではなく➨ 233 00:14:36,542 --> 00:14:41,714 こうして お前を抱きしめに行けば よかったのだなぁ。 234 00:14:41,714 --> 00:14:44,050 お前 本当に➨ 235 00:14:44,050 --> 00:14:47,220 金家の女狐の言うことなど 信じたのか。 236 00:14:47,220 --> 00:14:49,889 わらわが お前の皇子の運気を奪って➨ 237 00:14:49,889 --> 00:14:55,027 尭明に龍気を帯びさせたと 本気で信じたのか。 238 00:14:55,027 --> 00:14:57,029 そんなわけがなかろう。 239 00:14:57,029 --> 00:15:02,034 わらわは 心底 お前に幸せになってほしかった。 240 00:15:11,711 --> 00:15:13,713 これをやる。 241 00:15:13,713 --> 00:15:15,848 弦を指ではじくだけでも➨ 242 00:15:15,848 --> 00:15:19,886 お前についた呪いは いくらか おびえるかもしれぬ。 243 00:15:19,886 --> 00:15:21,888 心に刻め。 244 00:15:21,888 --> 00:15:25,358 今後 誰もお前のために弓は引かぬ。 245 00:15:25,358 --> 00:15:29,862 お前を救うのは お前だけだ。 246 00:15:29,862 --> 00:15:32,698 ⸨絹秀:お前への礼は何がいい? 247 00:15:32,698 --> 00:15:36,035 刀か? やりか? あぁ 弓なんてどうだ? 248 00:15:36,035 --> 00:15:39,205 なぜ 武器しか選択肢がないのです…。 249 00:15:39,205 --> 00:15:42,375 敵意の表れですか? バカめ。 250 00:15:42,375 --> 00:15:45,878 武器を授けることの意味が わからないのか?⸩ 251 00:15:45,878 --> 00:15:48,281 フッ…。 252 00:15:48,281 --> 00:15:50,716 なぜ弓なのです…。 253 00:15:50,716 --> 00:15:55,888 敵意の表れですか? フッ… バカめ。 254 00:15:55,888 --> 00:15:59,525 武器を授けることの意味が わからないのか? 255 00:15:59,525 --> 00:16:02,128 わかります…。 256 00:16:02,128 --> 00:16:04,063 ⸨たとえ すぐに駆けつけられぬほど➨ 257 00:16:04,063 --> 00:16:06,032 離れてしまっても➨ 258 00:16:06,032 --> 00:16:11,037 その武器が 自分の代わりに お前を守り続ける。 259 00:16:11,037 --> 00:16:14,874 こんな最上の友情表現 他になかろうが⸩ 260 00:16:14,874 --> 00:16:19,145 よく… わかりますわ…。 261 00:16:24,550 --> 00:16:29,789 私は… この20年間…。 262 00:16:29,789 --> 00:16:34,393 ⸨絹秀:わらわは 心底 お前に幸せになってほしかった⸩ 263 00:16:34,393 --> 00:16:36,896 その言葉を➨ 264 00:16:36,896 --> 00:16:40,366 聞きたかった だけなのかもしれませんわ➨ 265 00:16:40,366 --> 00:16:42,869 絹秀様。 266 00:16:50,209 --> 00:16:52,712 ご報告申し上げます。 267 00:16:52,712 --> 00:16:56,749 朱雅媚様は 先ほど後宮を立ち去りました。 268 00:16:56,749 --> 00:16:59,685 そうか。 ご苦労。 269 00:16:59,685 --> 00:17:01,687 んっ…。 270 00:17:04,023 --> 00:17:08,060 大きな麻袋を 大切そうに抱きしめて➨ 271 00:17:08,060 --> 00:17:10,029 ゆっくりですが➨ 272 00:17:10,029 --> 00:17:13,366 しっかりとした 足取りでいらっしゃいました。 273 00:17:13,366 --> 00:17:17,536 弓というのは ままならない武器だな。 274 00:17:17,536 --> 00:17:21,541 放たれた矢の 行方を追うことはかなわない。 275 00:17:24,410 --> 00:17:26,445 ですが 弓は➨ 276 00:17:26,445 --> 00:17:30,216 ずっと遠くにいる人を 守れる武器です。 あっ…。 277 00:17:30,216 --> 00:17:33,052 他のどんな武器よりも。 278 00:17:33,052 --> 00:17:35,888 私は そう思います。 279 00:17:35,888 --> 00:17:39,358 フッ… そうだといいな。 280 00:17:42,061 --> 00:17:44,363 (絹秀)玲琳。 281 00:17:44,363 --> 00:17:47,533 お前は繰り返してはならぬぞ。 282 00:17:47,533 --> 00:17:52,204 はい。 肝に銘じます。 283 00:17:52,204 --> 00:17:54,707 玲琳。 284 00:17:54,707 --> 00:17:58,578 お前は日々 美しくなるなぁ…。 285 00:17:58,578 --> 00:18:00,880 静秀…。 286 00:18:00,880 --> 00:18:04,383 わらわは約束を守れるだろうか。 287 00:18:09,055 --> 00:18:11,724 さあ どうぞ。 召し上がれ。 288 00:18:11,724 --> 00:18:16,395 で なぜ あなたは毎日 訪ねてくるのよ。 289 00:18:16,395 --> 00:18:20,099 友情表現は 惜しむべきではないと思いまして。 290 00:18:20,099 --> 00:18:22,068 私は忙しいのよ! 291 00:18:22,068 --> 00:18:24,570 連日だと 甘いものもそそられないし。 292 00:18:24,570 --> 00:18:26,572 あぁ ごめんなさい。 293 00:18:26,572 --> 00:18:29,075 塩味の何かも 用意すべきでしたね。 294 00:18:29,075 --> 00:18:33,079 そういうことじゃなくて! んっ…。 295 00:18:33,079 --> 00:18:35,915 いいお天気ですね。 296 00:18:35,915 --> 00:18:40,419 こんな日は 外で過ごしたら 気持ちがよさそうです。 297 00:18:40,419 --> 00:18:43,322 あのねぇ…。 フフッ。 298 00:18:43,322 --> 00:18:45,324 うっ…。 299 00:18:47,760 --> 00:18:49,729 ふ~。 300 00:18:49,729 --> 00:18:54,133 あらまあ 汗をだらだら流して みっともないこと。 301 00:18:54,133 --> 00:18:57,403 もっと身なりに 気を使ったらどうですの? 302 00:18:57,403 --> 00:19:01,741 ほら ぼうっと立ってないで さっさと木陰に入りなさい。 303 00:19:01,741 --> 00:19:05,044 これで 太い血管のそばを冷やすと なおいいわ。 304 00:19:05,044 --> 00:19:07,013 あの…。 おぉ 嫌だ! 305 00:19:07,013 --> 00:19:10,182 草むしりが 完璧に終わっているではないの! 306 00:19:10,182 --> 00:19:12,385 天才なの? あの。 307 00:19:12,385 --> 00:19:15,221 バレバレですよ 玲琳様。 えっ!? 308 00:19:15,221 --> 00:19:17,256 なぜ わかったのです!? 309 00:19:17,256 --> 00:19:19,792 今回は 念入りに 想定問答集まで作って➨ 310 00:19:19,792 --> 00:19:21,694 覚えましたのに。 311 00:19:21,694 --> 00:19:24,363 そういう無駄な努力 やめましょうよ。 312 00:19:24,363 --> 00:19:28,200 っていうか ほら ごくしぜんに だんご虫と遊んでるし! 313 00:19:28,200 --> 00:19:30,202 はっ つい! 314 00:19:30,202 --> 00:19:34,040 まあでも 今日は殿下 来ないといいですね。 315 00:19:34,040 --> 00:19:38,210 昨日は明け方近くまで うたげがあったと聞いてますから。 316 00:19:38,210 --> 00:19:43,049 お疲れで 午前中は さすがに身動きも取れないはず…。 317 00:19:43,049 --> 00:19:45,084 フフ…。 318 00:19:45,084 --> 00:19:47,720 《殿下は あれから三日と空けず➨ 319 00:19:47,720 --> 00:19:50,723 黄麒宮と朱駒宮に いらっしゃるようになったけど➨ 320 00:19:50,723 --> 00:19:55,761 すでに二度 雛女様たちが 入れ替わったことはバレていない。 321 00:19:55,761 --> 00:20:00,032 そして 殿下が 頻繁に朱駒宮を訪れるから➨ 322 00:20:00,032 --> 00:20:03,202 朱家は 他家からの攻撃を免れている。 323 00:20:03,202 --> 00:20:07,173 玲琳様は そこまで考えて 提案したんだろうな》 324 00:20:07,173 --> 00:20:09,208 んっ? 325 00:20:09,208 --> 00:20:12,611 黄玲琳 もういいでしょ! 326 00:20:12,611 --> 00:20:15,514 ハァハァ…。 慧月様! 327 00:20:15,514 --> 00:20:17,550 ハァハァ…。 そんな。 328 00:20:17,550 --> 00:20:20,052 さっき入れ替わった ばかりじゃないですか。 329 00:20:20,052 --> 00:20:24,423 だって あの女 私を殺すつもりなのよ! 330 00:20:24,423 --> 00:20:28,694 あぁ… それは 冬雪なりの愛だと思って…。 331 00:20:28,694 --> 00:20:30,863 《入れ替わるたび➨ 332 00:20:30,863 --> 00:20:34,366 慧月様は筆頭女官殿の しごきを受けている》 333 00:20:34,366 --> 00:20:36,368 ところで➨ 334 00:20:36,368 --> 00:20:39,872 莉莉は どうしてまだ 銀朱の衣を着ているのですか? 335 00:20:39,872 --> 00:20:42,374 藤黄の衣を差し上げましたのに。 336 00:20:42,374 --> 00:20:44,376 えっ? あっ いやぁ➨ 337 00:20:44,376 --> 00:20:46,412 だって こうして入れ替わるとき➨ 338 00:20:46,412 --> 00:20:48,514 こっちにも 事情を知る人間がいたほうが➨ 339 00:20:48,514 --> 00:20:51,517 便利でしょう? それはそうですけど…。 340 00:20:51,517 --> 00:20:55,221 別に あなたごとき いなくても 大丈夫よ。 341 00:20:55,221 --> 00:20:57,223 はいはい。 342 00:20:57,223 --> 00:21:02,361 《本当は 藤黄の衣を着ない理由は他にある。 343 00:21:02,361 --> 00:21:04,563 ここにいれば➨ 344 00:21:04,563 --> 00:21:07,700 玲琳様の 「特別」でいられるから。 345 00:21:07,700 --> 00:21:12,872 入れ替わりを承諾し続ける 慧月様も同じじゃないかな。 346 00:21:12,872 --> 00:21:17,376 きっと 特別な秘密を共有できるから。 347 00:21:17,376 --> 00:21:21,413 正体を当てることに 躍起になっている殿下も➨ 348 00:21:21,413 --> 00:21:26,218 一層 忠実に玲琳様に付きまとう 筆頭女官も➨ 349 00:21:26,218 --> 00:21:31,123 仕事を装って 頻繁に訪れる鷲官長様も➨ 350 00:21:31,123 --> 00:21:34,160 皆 玲琳様を…。 351 00:21:34,160 --> 00:21:37,396 この 軽やかで優雅な胡蝶を➨ 352 00:21:37,396 --> 00:21:40,766 その手に つかみたいのだ》 353 00:21:40,766 --> 00:21:43,302 ホント あんたは➨ 354 00:21:43,302 --> 00:21:46,172 大した悪女ですよ。 355 00:21:49,375 --> 00:21:52,044 (景行)へぇ ここが朱駒宮かぁ。 356 00:21:52,044 --> 00:21:54,747 門構えからして 派手だなぁ。 357 00:21:54,747 --> 00:21:59,218 (景彰)兄上 さすがに 無断で踏み入っちゃまずいでしょ。 358 00:21:59,218 --> 00:22:04,223 最愛の妹に再会する前に おば上に八つ裂きにされちゃうよ。 359 00:22:04,223 --> 00:22:07,893 でも ちょっとくらい 拝んでみたいもんじゃねえか。 360 00:22:07,893 --> 00:22:10,396 俺たちの かわいい妹を➨ 361 00:22:10,396 --> 00:22:12,565 高楼から 突き落としたっていう➨ 362 00:22:12,565 --> 00:22:15,067 悪女の顔をよ。 363 00:23:47,092 --> 00:23:49,395 いいよ 俺やるよ。 364 00:23:49,395 --> 00:23:53,799 朱慧月… 災いを振りまく悪女とやらに➨ 365 00:23:53,799 --> 00:23:55,801 追い詰められた 俺たち➨ 366 00:23:55,801 --> 00:23:59,204 民の気持ちを わかってもらおうじゃねえの。