1 00:00:04,104 --> 00:00:06,106 (玲琳)う~ん。 2 00:00:06,106 --> 00:00:10,244 なんとよい天気でしょう 絶好の農耕日和! 3 00:00:10,244 --> 00:00:12,279 フゥ…。 4 00:00:12,279 --> 00:00:14,915 《入れ替わって はや4日➨ 5 00:00:14,915 --> 00:00:17,584 ここでの生活は最高です! 6 00:00:17,584 --> 00:00:21,755 食料も薬草も 面白いくらいに生えてきますし…。 7 00:00:21,755 --> 00:00:26,126 連日 農作業に没頭しても 全然倒れませんし…》 8 00:00:28,095 --> 00:00:32,900 《夜更かししても 心配をかけませんし…。 9 00:00:32,900 --> 00:00:35,102 ご飯は おいしいですし!》 10 00:00:35,102 --> 00:00:38,405 健康って素晴らしい! 11 00:00:38,405 --> 00:00:45,012 始祖神よ 私 こんなに幸せでよいのでしょうか。 12 00:00:45,012 --> 00:00:47,247 《この長い手足は➨ 13 00:00:47,247 --> 00:00:49,750 いつも 私が取り入れていた 運動をするだけで➨ 14 00:00:49,750 --> 00:00:51,752 すぐに鍛えられて…》 15 00:00:51,752 --> 00:00:53,754 フンッ! 16 00:00:53,754 --> 00:00:57,424 《この快感! 筋肉! それこそは力! 17 00:00:57,424 --> 00:01:00,794 腹筋も 6つに割ってみたいけれど➨ 18 00:01:00,794 --> 00:01:04,064 さすがに あと3日では 無理ですよね…。 19 00:01:04,064 --> 00:01:07,401 3日後の中元節の儀…。 20 00:01:07,401 --> 00:01:13,173 私の謹慎も解かれて 慧月様にも会えるはず》 21 00:01:13,173 --> 00:01:15,108 ⸨慧月:許せないわ!⸩ 22 00:01:15,108 --> 00:01:18,912 《地下ろうで お話ししてから 何も音沙汰がありませんが➨ 23 00:01:18,912 --> 00:01:23,083 慧月様は 何をお考えなのでしょう》 24 00:01:23,083 --> 00:01:27,754 やはり 一度 お会いしないといけませんよね。 25 00:01:27,754 --> 00:01:29,756 んっ? (物音) 26 00:01:29,756 --> 00:01:34,428 なに朝っぱらから ブツブツ言ってんだよ。 27 00:01:34,428 --> 00:01:38,732 まあ 莉莉 おはようございます。 早起きさんですね。 28 00:01:38,732 --> 00:01:42,436 いや 女官より早く起きてる あんたに言われても…。 29 00:01:48,875 --> 00:01:54,948 《あの日から 莉莉は 私と寝食を共にして➨ 30 00:01:54,948 --> 00:01:57,751 ここで張り合いのある日々を 過ごしてくれている様子で➨ 31 00:01:57,751 --> 00:01:59,753 よかったです》 32 00:01:59,753 --> 00:02:01,755 んあ!? なんだよ。 33 00:02:01,755 --> 00:02:05,759 んっ… いえ 今日も どんな一日になるのか楽しみです。 34 00:02:05,759 --> 00:02:08,128 声を出していきましょう! 35 00:03:52,099 --> 00:03:54,101 では あさげとまいりましょうか。 36 00:03:54,101 --> 00:03:56,970 あっ ちょっと いいかげんイモはもう…。 37 00:03:56,970 --> 00:04:00,006 ご安心ください 味付けは変えますので。 38 00:04:00,006 --> 00:04:02,275 そういうことじゃないから! 39 00:04:02,275 --> 00:04:04,744 (羽音) 40 00:04:04,744 --> 00:04:07,247 うわ 蜂!? 41 00:04:07,247 --> 00:04:11,918 《こいつ… ここに来てから やたら機嫌がいいんだよな》 42 00:04:11,918 --> 00:04:13,920 ⸨くらえ!! 43 00:04:13,920 --> 00:04:15,922 まあ ミミズさん! 44 00:04:15,922 --> 00:04:18,358 どんどん土を耕してくださいね。 45 00:04:18,358 --> 00:04:20,760 まあ クモさんとムカデさんまで! 46 00:04:20,760 --> 00:04:22,762 はあ? 47 00:04:22,762 --> 00:04:24,764 呪われろ! 48 00:04:24,764 --> 00:04:28,769 あら ハサミと… こちらは針山にピッタリ。 49 00:04:28,769 --> 00:04:31,171 お裁縫ができます! えぇ? 50 00:04:33,106 --> 00:04:35,942 くっさ… 今度こそ泣かせてやる! 51 00:04:35,942 --> 00:04:38,445 汚物をくらえ!! キャーッ! 52 00:04:38,445 --> 00:04:40,614 堆肥にピッタリ! 53 00:04:40,614 --> 00:04:42,582 なあっ!?⸩ 54 00:04:42,582 --> 00:04:45,919 《毎日嫌がらせしてるのに 全然効かないし➨ 55 00:04:45,919 --> 00:04:49,422 でも あたしは 朱駒宮から抜け出したいんだ。 56 00:04:49,422 --> 00:04:51,424 今日こそは! 57 00:04:51,424 --> 00:04:53,827 何する?》 58 00:04:53,827 --> 00:04:55,862 んっ? 59 00:04:55,862 --> 00:04:59,599 《莉莉は 今日も私への嫌がらせ… いえ➨ 60 00:04:59,599 --> 00:05:02,469 奉仕活動を 考えているようですね》 61 00:05:02,469 --> 00:05:04,504 フフ…。 62 00:05:04,504 --> 00:05:07,440 《できれば 次は包丁か 染料あたりをいただけたら➨ 63 00:05:07,440 --> 00:05:09,442 うれしいのですが…》 64 00:05:09,442 --> 00:05:12,579 あんた 今 ろくでもないこと 考えてるでしょ。 65 00:05:12,579 --> 00:05:14,614 いえ そんな! 66 00:05:14,614 --> 00:05:19,452 蜂さん すてきな恵みを ありがとうございます。 67 00:05:19,452 --> 00:05:23,590 莉莉は蜂蜜より塩派ですか? 68 00:05:23,590 --> 00:05:26,393 どっちでもいいよ。 ウフッ。 69 00:05:31,431 --> 00:05:35,268 《人って こんな急に 変わるもんなのか? 70 00:05:35,268 --> 00:05:37,437 あの不快な女が…。 71 00:05:37,437 --> 00:05:40,440 日の出とともに 女官よりも早く起き出し➨ 72 00:05:40,440 --> 00:05:42,442 庭を整え…》 73 00:05:42,442 --> 00:05:44,411 さあ できましたよ。 74 00:05:46,913 --> 00:05:49,249 《かいがいしく世話まで焼く…。 75 00:05:49,249 --> 00:05:55,422 それに 虫嫌いだったはずなのに この前 手でじかに触ってた》 76 00:05:55,422 --> 00:05:59,926 ⸨入れ物が足りないから クモさんとムカデさんは一緒にどうぞ。 77 00:05:59,926 --> 00:06:02,529 そんなことしたら食い合うぞ!? 78 00:06:02,529 --> 00:06:05,498 それも自然の摂理です⸩ 79 00:06:07,434 --> 00:06:09,803 いただきます。 80 00:06:09,803 --> 00:06:11,938 あっ…。 81 00:06:11,938 --> 00:06:16,309 莉莉は育ち盛りなのですから… 大きいほうをどうぞ。 82 00:06:16,309 --> 00:06:18,478 フンッ! あっ…。 83 00:06:18,478 --> 00:06:20,780 ありがとうございます! 84 00:06:23,783 --> 00:06:25,785 (2人)ん~! 85 00:06:25,785 --> 00:06:28,455 あぁ 幸せ! 86 00:06:28,455 --> 00:06:31,625 《今のこいつは かわいいかも…》 87 00:06:31,625 --> 00:06:35,629 いやいや! あ~! しっかりしろ あたし! 88 00:06:35,629 --> 00:06:38,131 あっ ごめんなさい。 莉莉にも事情があるのですよね。 89 00:06:38,131 --> 00:06:42,135 近頃の… その 私へのあれこれは➨ 90 00:06:42,135 --> 00:06:44,137 そのためなのでしょう? ぬあっ! 91 00:06:44,137 --> 00:06:48,275 本当は私も恐怖に血へどし➨ 92 00:06:48,275 --> 00:06:52,445 血の涙を流すくらいの反応が できればいいのですが。 93 00:06:52,445 --> 00:06:54,614 いや… そこまで言われると➨ 94 00:06:54,614 --> 00:06:57,484 こっちの立場が 完全になくなるんだけど。 95 00:06:57,484 --> 00:07:01,755 でしたら もう おやめになってはいかがですか? 96 00:07:03,790 --> 00:07:07,160 あなたは 素直で すてきな女官です。 97 00:07:07,160 --> 00:07:10,664 本来の女官の仕事に 全力で当たるほうが➨ 98 00:07:10,664 --> 00:07:14,467 きっと あなたの心も喜ぶはず。 99 00:07:14,467 --> 00:07:17,971 なんだよそれ…。 100 00:07:17,971 --> 00:07:20,907 さんざん あたしをさげすんできたくせに➨ 101 00:07:20,907 --> 00:07:23,610 今更褒めるの? それは…。 102 00:07:23,610 --> 00:07:26,613 こんな廃屋で 罪人の世話をさせられて➨ 103 00:07:26,613 --> 00:07:29,749 本来の女官の仕事ができない 状況に巻き込んだのは➨ 104 00:07:29,749 --> 00:07:31,785 あんただろ! 105 00:07:31,785 --> 00:07:34,621 誠心誠意仕えたら あたしの 女官としての地位と報酬を➨ 106 00:07:34,621 --> 00:07:36,756 保障してくれるわけ!? 107 00:07:36,756 --> 00:07:41,094 それは… い 今の私には できないのですが…。 108 00:07:41,094 --> 00:07:46,266 だろう! だったら 大口をたたくなってんだ! 109 00:07:46,266 --> 00:07:48,268 ハッ! 110 00:07:48,268 --> 00:07:50,770 《違う! あたしは悪くない。 111 00:07:50,770 --> 00:07:54,240 これは 正当な復しゅうなんだ! クッ…》 112 00:07:54,240 --> 00:07:56,276 莉莉! どこへ…。 113 00:07:56,276 --> 00:07:58,745 (莉莉)うるさい! 114 00:07:58,745 --> 00:08:01,414 ハァハァハァ…。 115 00:08:01,414 --> 00:08:05,318 《さんざん 今まで苦しめてきたくせに➨ 116 00:08:05,318 --> 00:08:08,788 なんで あんな顔すんだよ!》 117 00:08:08,788 --> 00:08:12,425 ハァハァハァ…。 118 00:08:12,425 --> 00:08:14,761 (雅容)止まりなさい。 あっ! 119 00:08:14,761 --> 00:08:16,930 が 雅容様!? 120 00:08:16,930 --> 00:08:19,399 《会うのは夕方のはずなのに…》 121 00:08:21,434 --> 00:08:24,437 お前には失望しました。 えっ? 122 00:08:24,437 --> 00:08:26,606 うわさで聞きましたよ。 123 00:08:26,606 --> 00:08:28,775 お前からの報告を信じ➨ 124 00:08:28,775 --> 00:08:31,411 そのたびに 褒美を与えてきましたが➨ 125 00:08:31,411 --> 00:08:34,948 朱慧月は 笑って過ごしているとか…。 126 00:08:34,948 --> 00:08:36,916 そ れは…。 127 00:08:36,916 --> 00:08:41,354 嫌がらせを受けている人間が なぜ楽しげなのです? 128 00:08:41,354 --> 00:08:44,924 さてはお前 ウソをつきましたね。 129 00:08:44,924 --> 00:08:47,427 いいえ! そんなこと! 130 00:08:47,427 --> 00:08:51,097 本当に嫌がらせをしました! 始祖神に誓って! 131 00:08:51,097 --> 00:08:53,600 (雅容)ほう… 誓えるの。 132 00:08:53,600 --> 00:08:57,437 本当に朱慧月への忠義は 捨てていると? 133 00:08:57,437 --> 00:08:59,439 (莉莉)間違いございません。 134 00:08:59,439 --> 00:09:02,609 (雅容)朱慧月に 懐柔されていないと? 135 00:09:02,609 --> 00:09:04,677 もちろんでございます。 136 00:09:06,746 --> 00:09:08,748 いいでしょ。 137 00:09:08,748 --> 00:09:11,117 ならば今回は見逃します。 138 00:09:11,117 --> 00:09:14,254 あ… ありがとうございます。 139 00:09:14,254 --> 00:09:18,925 ただし 次は これを使っておやりなさい。 140 00:09:18,925 --> 00:09:22,095 何を… でございますか。 141 00:09:22,095 --> 00:09:25,598 それを考えるのは お前の仕事でしょ。 142 00:09:30,970 --> 00:09:34,274 清佳様に差し出せる証拠があれば それでいい。 143 00:09:34,274 --> 00:09:36,776 好きなものを裂くがいいわ。 144 00:09:36,776 --> 00:09:41,147 衣でも髪でも 心臓でも。 えっ!? 145 00:09:41,147 --> 00:09:44,684 ですが! 嫌がらせと殺傷では 話が違います! 146 00:09:44,684 --> 00:09:50,290 曲がりなりにも雛女を傷つければ 私は処刑されてしまいます! 147 00:09:50,290 --> 00:09:52,926 だから何だと言うのです? 148 00:09:52,926 --> 00:09:54,928 えっ? 149 00:09:54,928 --> 00:09:57,764 自分の立場がわかってないのね。 150 00:09:57,764 --> 00:10:00,633 カンザシを受け取ったときから➨ 151 00:10:00,633 --> 00:10:04,104 お前の命は もう私の手の中にあるの。 152 00:10:07,740 --> 00:10:11,077 (雅容)できなければ 鷲官長に突き出すだけのこと。 153 00:10:11,077 --> 00:10:14,247 金家のカンザシを盗んだ罪でね。 154 00:10:14,247 --> 00:10:16,416 そんな…。 155 00:10:16,416 --> 00:10:23,423 白練の私と 洗朱で異国人のお前 どちらを信じるかしら? 156 00:10:23,423 --> 00:10:25,825 で でも…。 157 00:10:25,825 --> 00:10:29,929 男を誘うしか能のない 踊り子の娘風情が➨ 158 00:10:29,929 --> 00:10:32,098 黙っておやりなさい。 159 00:10:32,098 --> 00:10:34,100 あっ… お待ちください! 160 00:10:34,100 --> 00:10:36,769 ぐうっ! 161 00:10:36,769 --> 00:10:40,106 (雅容)触らないでちょうだい。 162 00:10:40,106 --> 00:10:45,612 餌をもらえるのは 仕事をしたあとでしょ ネズミさん。 163 00:10:55,088 --> 00:10:59,092 その つまらなそうな顔を どうにかしたらどうだ 辰宇。 164 00:10:59,092 --> 00:11:01,461 申し訳ございません。 165 00:11:01,461 --> 00:11:04,497 連日 黄玲琳殿への 見舞いにつきあわされ➨ 166 00:11:04,497 --> 00:11:07,433 ついうんざりした思いが顔に…。 167 00:11:07,433 --> 00:11:10,436 フッ 謝罪の口調でケンカを売るな。 168 00:11:10,436 --> 00:11:14,908 お前と初めて会ったときも そんな目をしていたな。 169 00:11:18,444 --> 00:11:20,446 ⸨お前が おとうとか。 170 00:11:20,446 --> 00:11:23,082 父親が同じでも似ないものだな。 171 00:11:23,082 --> 00:11:25,585 碧眼は母親譲りか。 172 00:11:25,585 --> 00:11:27,620 そのようです。 173 00:11:27,620 --> 00:11:29,923 まるで人ごとだな。 174 00:11:29,923 --> 00:11:32,258 (辰宇)あまり 覚えておりませぬゆえ…。 175 00:11:32,258 --> 00:11:34,594 (尭明)戦地はどうだった。 176 00:11:34,594 --> 00:11:38,765 人間が殺し合っているだけの くだらない場所でした。 177 00:11:38,765 --> 00:11:43,937 フッ… ハハッ いいな お前の死んだ魚のような目。 178 00:11:43,937 --> 00:11:45,939 気に入ったぞ⸩ 179 00:11:45,939 --> 00:11:49,842 殿下が褒めてくださったので そのまま成長しました。 180 00:11:49,842 --> 00:11:52,779 フン…。 それにしても➨ 181 00:11:52,779 --> 00:11:55,281 殿下は フワフワした 可れんなだけの女は➨ 182 00:11:55,281 --> 00:11:57,750 お好きではないかと 思っていましたが…。 183 00:11:57,750 --> 00:12:02,589 んっ? 玲琳が可れんなだけの女だと? 184 00:12:02,589 --> 00:12:05,925 あれで芯の強い黄家の女だ。 185 00:12:05,925 --> 00:12:07,961 俺に引き合わされたとき➨ 186 00:12:07,961 --> 00:12:11,264 誰も彼もが俺の持つ龍気に 引き寄せられているなか➨ 187 00:12:11,264 --> 00:12:14,434 頬を染めなかった唯一の女だぞ。 188 00:12:14,434 --> 00:12:17,103 侮ってもらっては困る。 189 00:12:17,103 --> 00:12:21,608 しかし 朱慧月とのことは よほどこたえたのか➨ 190 00:12:21,608 --> 00:12:25,545 乞巧節以来 少し様子が違うのが 気になってな…。 191 00:12:25,545 --> 00:12:27,580 違うと言えば➨ 192 00:12:27,580 --> 00:12:32,418 朱慧月も獣尋の儀以来 やけに穏やかになったような…。 193 00:12:32,418 --> 00:12:36,923 朱慧月を過剰に 攻撃したいわけではないが➨ 194 00:12:36,923 --> 00:12:41,127 あれが悪女と言われる行いを 重ねてきたのは事実だ。 195 00:12:41,127 --> 00:12:43,463 お前が鷲官長になる前➨ 196 00:12:43,463 --> 00:12:45,498 「襲われかけた」とウソをつき➨ 197 00:12:45,498 --> 00:12:48,601 宦官の首を はねさせようとしたこともある。 198 00:12:48,601 --> 00:12:52,438 そんなことが…。 (文昴)ハァハァ… 鷲官長! 199 00:12:52,438 --> 00:12:56,109 尭明殿下 申し訳ございません。 200 00:12:56,109 --> 00:12:58,211 鷲官長に ご報告をよろしいでしょうか。 201 00:13:00,279 --> 00:13:02,949 雛宮付きの鷲官からの報告です。 202 00:13:02,949 --> 00:13:07,453 洗朱の女官が短刀を手に 朱駒宮に向かったとのこと。 203 00:13:07,453 --> 00:13:11,591 足取りもおぼつかなく 危うい気配だったと。 204 00:13:11,591 --> 00:13:13,593 なぜ その場で止めない? 205 00:13:13,593 --> 00:13:17,964 我々は鷲官長のように 宮に簡単には立ち入れません! 206 00:13:17,964 --> 00:13:20,500 それに 見間違いでなければ➨ 207 00:13:20,500 --> 00:13:23,903 朱慧月の住む小屋に 進んでいったそうで…。 208 00:13:23,903 --> 00:13:28,107 つまり 被害に遭うのが 朱慧月ならよいと? 209 00:13:43,089 --> 00:13:45,892 精が出ますね。 210 00:13:45,892 --> 00:13:48,061 《ふがいないことです。 211 00:13:48,061 --> 00:13:53,733 私 莉莉に何も報いることが できていないのですね。 212 00:13:53,733 --> 00:13:57,603 あんなに素直に 感情をぶつけてくれる方は➨ 213 00:13:57,603 --> 00:13:59,739 なかなかいないのに…。 214 00:13:59,739 --> 00:14:03,743 黄麒宮にある 私物のカンザシやクシは➨ 215 00:14:03,743 --> 00:14:08,081 今の状況では渡せませんし…》 216 00:14:08,081 --> 00:14:11,884 ええい! 声を出していきましょう! 217 00:14:11,884 --> 00:14:16,089 (短刀を研ぐ音) 218 00:14:16,089 --> 00:14:21,427 あっ… まあ 莉莉! 戻ってきていたので…。 219 00:14:21,427 --> 00:14:25,264 何をしているのです? それは…。 220 00:14:25,264 --> 00:14:27,734 あんたのせいだ…。 221 00:14:29,902 --> 00:14:34,941 あんたが… あたしの人生を めちゃくちゃにしたんだ! 222 00:14:34,941 --> 00:14:38,945 莉莉 落ち着いてください。 うるさい! 223 00:14:38,945 --> 00:14:40,947 どうあがいても しょせん言われるのは➨ 224 00:14:40,947 --> 00:14:44,250 踊り子の娘! ふざけんな! 225 00:14:44,250 --> 00:14:46,753 莉莉 とにかく 一度落ち着きましょう。 226 00:14:46,753 --> 00:14:48,755 触るな! 227 00:14:48,755 --> 00:14:51,657 あたしは もうおしまいなんだ! 228 00:14:51,657 --> 00:14:53,693 そんなこと…。 229 00:14:53,693 --> 00:14:57,764 うわ~!! あぁ…。 230 00:14:57,764 --> 00:15:00,266 《慧月様の御髪が…》 231 00:15:00,266 --> 00:15:04,437 ちくしょ~!! 232 00:15:04,437 --> 00:15:06,439 何をしている!? 233 00:15:06,439 --> 00:15:08,775 うっ! 234 00:15:08,775 --> 00:15:12,412 無事か!? 235 00:15:12,412 --> 00:15:17,417 鷲官長様に文昴様… なぜここに? 236 00:15:17,417 --> 00:15:19,485 殿下の命で確かめに来た。 237 00:15:19,485 --> 00:15:22,422 ⸨後宮の人間が朱慧月なら➨ 238 00:15:22,422 --> 00:15:24,791 私刑を加えてもいいと 考えたのであれば➨ 239 00:15:24,791 --> 00:15:27,126 それは 俺のとがだ。 240 00:15:27,126 --> 00:15:29,462 俺の態度がそうさせたのだろう。 241 00:15:29,462 --> 00:15:33,232 行ってくれ 鷲官長。 はっ!⸩ 242 00:15:35,368 --> 00:15:37,804 後宮内の刃傷沙汰は厳禁だ。 243 00:15:37,804 --> 00:15:40,973 これに反したものは厳刑に処す。 244 00:15:43,442 --> 00:15:45,444 そのうえで 双方に問おう。 245 00:15:45,444 --> 00:15:47,447 何があった。 246 00:15:49,415 --> 00:15:55,955 うぅ… うっ…。 247 00:15:55,955 --> 00:15:59,592 そうですね…。 248 00:15:59,592 --> 00:16:03,262 枝毛を切ってもらっておりました。 249 00:16:03,262 --> 00:16:05,264 なんだと? 250 00:16:05,264 --> 00:16:09,936 ですから 髪の手入れを してもらいました フフ…。 251 00:16:09,936 --> 00:16:12,605 悪女と呼ばれるお前が 他人をかばうなど➨ 252 00:16:12,605 --> 00:16:15,608 慣れないことは するものではないな。 253 00:16:15,608 --> 00:16:19,011 この状況で その言い訳が通用するとでも? 254 00:16:19,011 --> 00:16:21,080 言い訳ではございません。 255 00:16:21,080 --> 00:16:23,616 純粋な事実でございます。 256 00:16:23,616 --> 00:16:27,954 莉莉が どのような思いを 抱いていたにせよ➨ 257 00:16:27,954 --> 00:16:30,323 実際に起こったのは➨ 258 00:16:30,323 --> 00:16:34,126 私の枝毛が 切り取られたということだけ。 259 00:16:34,126 --> 00:16:36,262 起こらなかったことに対して➨ 260 00:16:36,262 --> 00:16:38,931 いちいち疑ったり 非難したりしては➨ 261 00:16:38,931 --> 00:16:42,101 体力がもったいのうございます。 262 00:16:42,101 --> 00:16:46,272 うっ…。 あっ…。 263 00:16:46,272 --> 00:16:51,444 《この女は… 誰?》 264 00:16:51,444 --> 00:16:54,947 というわけですので 御前を失礼いたしますね。 265 00:16:54,947 --> 00:16:58,618 私の女官が ぬれそぼっておりますので➨ 266 00:16:58,618 --> 00:17:01,754 着替えさせねば。 267 00:17:01,754 --> 00:17:05,958 あの 何か言いたいことは ないのですか? 268 00:17:05,958 --> 00:17:08,294 言いたいこと? 269 00:17:08,294 --> 00:17:11,664 今は優先すべきことが ございますので。 270 00:17:19,772 --> 00:17:22,775 やはり 朱慧月がおかしい。 271 00:17:22,775 --> 00:17:24,777 僕もそう思います。 272 00:17:24,777 --> 00:17:27,280 殿下への報告は慎重を要する。 273 00:17:27,280 --> 00:17:29,715 僕もそう思います。 274 00:17:29,715 --> 00:17:33,452 なので 報告書は お前が書くのがよいと思う。 275 00:17:33,452 --> 00:17:35,421 僕はそう思いません。 276 00:17:37,590 --> 00:17:42,261 さあ 莉莉 その汚れた衣をお脱ぎなさい。 277 00:17:42,261 --> 00:17:45,097 そして 私に背を向けて。 278 00:17:45,097 --> 00:17:47,266 むち打ちでございますか…。 279 00:17:47,266 --> 00:17:49,769 んもう 何を言っているのです。 280 00:17:49,769 --> 00:17:53,272 それに いつもの元気な口調は どうしたのですか? 281 00:17:53,272 --> 00:17:58,644 だって… あたしは あんたを殺そうとした…。 282 00:18:00,846 --> 00:18:05,918 あなたは優しい人なのですね 莉莉。 283 00:18:05,918 --> 00:18:07,887 あっ…。 284 00:18:07,887 --> 00:18:10,256 肩を詰めればピッタリですね。 285 00:18:10,256 --> 00:18:13,426 裏地が無事で本当によかった。 286 00:18:13,426 --> 00:18:15,928 なにを…。 287 00:18:15,928 --> 00:18:20,600 もちろん 莉莉に差し上げる衣を 合わせているのです。 288 00:18:22,568 --> 00:18:25,571 折よく 銀朱色の衣なのですよ。 289 00:18:25,571 --> 00:18:27,573 洗朱も愛らしいけれど➨ 290 00:18:27,573 --> 00:18:31,978 あなたのきびきびと働く姿に きっと似合います。 291 00:18:31,978 --> 00:18:34,413 そんな… だって➨ 292 00:18:34,413 --> 00:18:37,917 あたしが上級女官のまとう 銀朱色なんて…。 293 00:18:37,917 --> 00:18:41,554 あなたは 私の 大切な女官ですもの。 294 00:18:41,554 --> 00:18:44,090 何の問題がありましょう。 295 00:18:44,090 --> 00:18:46,425 あなたに 差し上げられるものがあって➨ 296 00:18:46,425 --> 00:18:48,427 よかった。 297 00:18:51,731 --> 00:18:54,567 いいですか 莉莉。 298 00:18:54,567 --> 00:18:58,638 手洗い 清潔な格好 そして笑顔。 299 00:18:58,638 --> 00:19:01,240 これが健康の秘けつですからね。 300 00:19:01,240 --> 00:19:03,576 私付きの女官ならば➨ 301 00:19:03,576 --> 00:19:07,380 これらを何があっても 維持せねばなりませんのよ。 302 00:19:07,380 --> 00:19:09,448 そんな…。 303 00:19:09,448 --> 00:19:13,119 あたしは あんたを切りつけようと 刃を向けて…。 304 00:19:13,119 --> 00:19:16,922 ほんの少し 髪を切っただけでしょう? 305 00:19:16,922 --> 00:19:18,891 クッ…。 306 00:19:23,596 --> 00:19:27,266 背を丸めては 体に悪いことばかりですよ。 307 00:19:27,266 --> 00:19:32,605 胸を広げ 深く息を吸い込み 視線は前に。 308 00:19:32,605 --> 00:19:37,410 うつむいて健康を損ねては お母君に叱られてしまいます。 309 00:19:37,410 --> 00:19:39,412 母? 310 00:19:39,412 --> 00:19:41,914 異国の 踊り子でいらしたのでしょう? 311 00:19:41,914 --> 00:19:44,917 武官とて刀なしでは戦えぬのに➨ 312 00:19:44,917 --> 00:19:48,587 その身一つで 異国の地で生きてこられて➨ 313 00:19:48,587 --> 00:19:51,257 立派な方ですね。 314 00:19:51,257 --> 00:19:54,927 お母君に恥じぬよう生きねば。 315 00:19:54,927 --> 00:19:57,763 あっ…。 316 00:19:57,763 --> 00:20:00,099 《なんでだよ…。 317 00:20:00,099 --> 00:20:03,969 なんで こいつが こんなことを言うんだよ》 318 00:20:03,969 --> 00:20:06,105 ⸨いい? リリー。 319 00:20:06,105 --> 00:20:10,109 あたしのかわいい子。 覚えておいてね。 320 00:20:10,109 --> 00:20:13,446 女はいつだって胸を張らなきゃ。 321 00:20:13,446 --> 00:20:16,849 体を真っすぐにしてね⸩ 322 00:20:16,849 --> 00:20:18,851 フフ…。 323 00:20:18,851 --> 00:20:22,955 あ… ごめんなさっ…。 324 00:20:22,955 --> 00:20:28,461 乱暴な口を利いて いろいろ 嫌がらせをして…。 325 00:20:28,461 --> 00:20:32,932 衣を刻んで… 髪を切って…。 326 00:20:32,932 --> 00:20:36,769 ごめ… 申し訳ございませんでした…。 327 00:20:36,769 --> 00:20:39,105 うっ うぅ…。 328 00:20:39,105 --> 00:20:44,977 いいのよ 莉莉。 あぁ~! 329 00:20:44,977 --> 00:20:49,448 言ったでしょう 私 全然気にしてなどいません。 330 00:20:49,448 --> 00:20:53,886 むしろ… あなたが こんなに 追い詰められていたのに➨ 331 00:20:53,886 --> 00:20:57,857 気付くのが遅くなって ごめんなさい。 332 00:21:01,093 --> 00:21:03,262 《変わった…。 333 00:21:03,262 --> 00:21:09,135 この人は本当に すっかり変わったんだ。 334 00:21:09,135 --> 00:21:13,939 あたしは… この人と共にいたい!》 335 00:21:13,939 --> 00:21:16,275 うわ~ん!! 336 00:21:16,275 --> 00:21:18,944 《雅容様にカンザシを返しに行こう。 337 00:21:18,944 --> 00:21:23,115 あたしにはもう… この人を裏切ることも➨ 338 00:21:23,115 --> 00:21:26,152 絶望させることもできない。 339 00:21:26,152 --> 00:21:30,923 たとえ それで 罪に問われることになっても!》 340 00:21:39,932 --> 00:21:44,436 さて そろそろ 本題とまいりましょうか 莉莉。 341 00:21:44,436 --> 00:21:46,438 本題? 342 00:21:46,438 --> 00:21:48,941 誰かが あなたの笑顔を奪い➨ 343 00:21:48,941 --> 00:21:51,911 「もうおしまいだ」とまで 思わせたのですね。 344 00:21:51,911 --> 00:21:53,913 えっ…。 345 00:21:53,913 --> 00:21:57,283 教えてください 莉莉。 346 00:21:57,283 --> 00:22:02,221 私の大切な女官を追い詰めた すっとこどっこいは➨ 347 00:22:02,221 --> 00:22:05,191 どこのどなたです? 348 00:23:38,083 --> 00:23:44,089 ハァハァハァ…。 349 00:23:44,089 --> 00:23:48,560 《熱い… 苦しい… 苦しい苦しい! 350 00:23:48,560 --> 00:23:54,133 どういうことなのよ 5日も熱が下がらないなんて! 351 00:23:54,133 --> 00:23:57,136 このまま… 私は死んでしまうの?》