1 00:00:00,710 --> 00:00:01,919 (玲琳(れいりん):慧月(けいげつ)の声)それでは 2 00:00:02,002 --> 00:00:04,714 白練(しろねり)の雅容(がよう)様という方も 3 00:00:04,797 --> 00:00:06,674 この場に お呼びいただけますか? 4 00:00:06,757 --> 00:00:08,634 (清佳(せいか))白練の中に 5 00:00:08,718 --> 00:00:11,679 雅容などという名前の者は いませんわよ 6 00:00:11,762 --> 00:00:12,930 (莉莉(りーりー))え? 7 00:00:17,393 --> 00:00:19,603 (上級女官) 誰かが かんざしをなくしたと 8 00:00:19,687 --> 00:00:22,606 嘆いていたのを 聞いたことがございます 9 00:00:23,482 --> 00:00:24,483 (玲琳:慧月の声)清佳様 10 00:00:24,567 --> 00:00:27,945 かんざしを なくした女官が いたのですよね? 11 00:00:28,028 --> 00:00:30,197 それは いつのことですか? 12 00:00:30,281 --> 00:00:33,492 (清佳) たしか ひと月ほど前ですわ 13 00:00:34,243 --> 00:00:35,202 ひと月… 14 00:00:35,286 --> 00:00:36,996 (扉が開く音) 15 00:00:37,079 --> 00:00:39,498 (冬雪(とうせつ))ハァ ハァ ハァ… 16 00:00:41,625 --> 00:00:44,378 儀式の最中に ご無礼つかまつります 17 00:00:49,091 --> 00:00:51,135 (絹秀(けんしゅう))何事だ 冬雪 18 00:00:51,218 --> 00:00:52,553 皇后陛下 19 00:00:52,636 --> 00:00:55,139 急ぎ 黄麒宮(こうきぐう)に お戻りくださいませ! 20 00:00:55,222 --> 00:00:56,640 雛女(ひめ)様が… 21 00:00:56,724 --> 00:01:01,020 玲琳様が 高熱で 意識朦朧(もうろう)となられております! 22 00:01:01,103 --> 00:01:02,521 あっ… 23 00:01:02,605 --> 00:01:03,898 (尭明(ぎょうめい))何だと? 24 00:01:08,235 --> 00:01:14,658 (慧月:玲琳の声) ハァ ハァ ハァ ハァ… 25 00:01:14,742 --> 00:01:16,035 (珊瑚)玲琳様! 26 00:01:16,118 --> 00:01:17,161 (珠蘭)お気を確かに! 27 00:01:20,456 --> 00:01:24,794 ♪~ 28 00:02:44,623 --> 00:02:49,962 ~♪ 29 00:02:50,921 --> 00:02:53,215 (尭明)冬雪 薬師(くすし)は呼んだのか? 30 00:02:53,299 --> 00:02:54,592 はい 31 00:02:54,675 --> 00:02:58,095 呼びましたが どのような薬も まるで効きませぬ 32 00:02:58,178 --> 00:03:02,474 病がちな玲琳様とはいえ このようなことは初めてで… 33 00:03:02,558 --> 00:03:05,477 (ざわめき) 34 00:03:05,561 --> 00:03:06,604 (絹秀)静まれ 35 00:03:10,107 --> 00:03:12,109 委細 相分かった 36 00:03:12,192 --> 00:03:13,694 だが 冬雪よ 37 00:03:13,777 --> 00:03:17,114 女官の長(おさ)が動揺を あらわにするものではない 38 00:03:18,240 --> 00:03:21,118 玲琳は あれで芯の強いおなご 39 00:03:21,201 --> 00:03:25,915 こたびも気丈に耐えておろうに 周囲が取り乱して どうするのだ 40 00:03:25,998 --> 00:03:27,249 ですが 陛下! 41 00:03:27,333 --> 00:03:30,628 こたびばかりは いつもと様子が異なるのです 42 00:03:31,211 --> 00:03:35,132 もしかしたら 玲琳様は 今日一日とて… 43 00:03:35,215 --> 00:03:37,885 (ざわめき) 44 00:03:43,766 --> 00:03:44,934 (絹秀)仮に… 45 00:03:45,976 --> 00:03:48,270 仮に わらわの愛するあの子が 46 00:03:48,354 --> 00:03:52,107 今日一日で 命を 燃やしきってしまうというのなら 47 00:03:52,191 --> 00:03:54,652 それが あの子の天命なのだ 48 00:03:56,987 --> 00:03:58,280 陛下… 49 00:04:00,115 --> 00:04:01,533 (絹秀)ただし 50 00:04:01,617 --> 00:04:04,912 あの子が それに あらがい 生きようともするなら 51 00:04:04,995 --> 00:04:07,289 あらゆる手助けを 惜しんではならぬ 52 00:04:07,957 --> 00:04:09,416 よいか 冬雪 53 00:04:09,500 --> 00:04:10,334 (冬雪)はっ! 54 00:04:10,417 --> 00:04:12,127 (絹秀)金(きん) 清佳よ 55 00:04:12,962 --> 00:04:14,838 見事な儀であったぞ 56 00:04:14,922 --> 00:04:16,840 中座の非礼を許せ 57 00:04:17,675 --> 00:04:20,052 もったいないお言葉でございます 58 00:04:24,598 --> 00:04:27,559 (玲琳:慧月の声) お待ちくださいませ 陛下 殿下 59 00:04:29,687 --> 00:04:31,355 お願いでございます 60 00:04:31,438 --> 00:04:34,817 わたくしも 黄麒宮に伺わせてくださいませ 61 00:04:35,401 --> 00:04:36,694 何だと? 62 00:04:36,777 --> 00:04:40,614 わたくしには 看病の心得がございます 63 00:04:40,698 --> 00:04:44,159 かの方の病状を きっと癒やせると思うのです 64 00:04:44,243 --> 00:04:45,828 (絹秀)笑止 (玲琳:慧月の声)あっ… 65 00:04:45,911 --> 00:04:49,498 (絹秀)薬師を上回る 腕前だとでも言うのか? 66 00:04:49,581 --> 00:04:50,916 わらわの知るかぎり 67 00:04:51,000 --> 00:04:54,003 そんな不遜(ふそん)を吐いてよいのは 玲琳本人だけだ 68 00:04:54,086 --> 00:04:54,920 ですので… 69 00:04:55,004 --> 00:04:57,089 (尭明)わきまえろ 朱(しゅ) 慧月よ 70 00:04:57,172 --> 00:04:59,591 なぜ そこまで躍起になる 71 00:04:59,675 --> 00:05:01,593 お前が玲琳のことを妬み 72 00:05:01,677 --> 00:05:05,347 終始 疎ましげな視線を 送っていたことは周知の事実 73 00:05:05,431 --> 00:05:08,100 あっ… そうなのですか? 74 00:05:08,183 --> 00:05:10,853 (ざわめき) 75 00:05:10,936 --> 00:05:12,062 あっ… 76 00:05:12,146 --> 00:05:14,606 いえ! そ… そうでしたわ 77 00:05:14,690 --> 00:05:17,651 わたくし 見つめておりました 78 00:05:17,735 --> 00:05:20,112 ですが それは害意からではなく 79 00:05:21,947 --> 00:05:25,409 か… 彼女のことが好き? 80 00:05:25,492 --> 00:05:26,493 だったのです! 81 00:05:26,577 --> 00:05:28,370 (莉莉)なんで 照れてるんです? 82 00:05:29,788 --> 00:05:31,373 (玲琳:慧月の声) お願いでございます 83 00:05:31,457 --> 00:05:34,376 先ほどの舞の褒美ということで 84 00:05:35,461 --> 00:05:37,421 彼女を追い詰めて しまったことのある― 85 00:05:37,504 --> 00:05:38,630 わたくしだからこそ 86 00:05:38,714 --> 00:05:40,340 救わねば 87 00:05:43,052 --> 00:05:44,595 (尭明)信用できぬ 88 00:05:46,597 --> 00:05:48,140 (絹秀)よかろう (玲琳:慧月の声)あっ… 89 00:05:48,223 --> 00:05:49,641 朱 慧月 90 00:05:50,225 --> 00:05:53,896 そこまで言うのなら お前に機会を与える 91 00:05:53,979 --> 00:05:55,731 陛下 ありがとうございま… 92 00:05:55,814 --> 00:05:56,899 (絹秀)ただし 93 00:05:56,982 --> 00:05:58,734 看病の機会ではなく 94 00:05:58,817 --> 00:06:02,154 まずは お前が 信用を得る機会をだ 95 00:06:03,614 --> 00:06:06,658 鷲官長(しゅうかんちょう) 破魔の弓を持て 96 00:06:07,409 --> 00:06:08,911 (辰宇(しんう))恐れながら 陛下 97 00:06:08,994 --> 00:06:13,707 破魔の弓は 玄(げん)家が管理してきた 水の気の強い神器です 98 00:06:14,249 --> 00:06:18,504 火の加護のある朱家の雛女が 扱うには 向かないでしょう 99 00:06:19,004 --> 00:06:20,589 だからこそだ 100 00:06:20,672 --> 00:06:22,758 誠意を測るための行為が 101 00:06:22,841 --> 00:06:25,803 容易なものであって いいはずがないだろう? 102 00:06:25,886 --> 00:06:26,970 (辰宇)はっ… 103 00:06:35,062 --> 00:06:36,438 (莉莉)あ… 104 00:06:37,731 --> 00:06:39,817 こんな重いものを… 105 00:06:41,902 --> 00:06:45,489 (絹秀)その弓は 弦音(つるね)で病魔をおびえさせ 106 00:06:45,572 --> 00:06:48,450 的を射る音によって祓(はら)うという 107 00:06:48,534 --> 00:06:52,704 玲琳の回復を祈って ひと晩中 弓を引けたなら 108 00:06:52,788 --> 00:06:56,708 お前に害意がないことを認め 看病を許そう 109 00:06:56,792 --> 00:06:58,460 (莉莉)ひと晩中? 110 00:07:01,046 --> 00:07:02,464 (玲琳:慧月の声)フッ… 111 00:07:02,548 --> 00:07:05,968 なんと やりがいのある 挑戦でございましょう 112 00:07:06,051 --> 00:07:08,303 さすがは皇后陛下でございます 113 00:07:11,390 --> 00:07:12,558 (莉莉)あ… 114 00:07:12,641 --> 00:07:15,936 やってみせましょう 徹夜弓! 115 00:07:19,398 --> 00:07:22,818 (慧月:玲琳の声)ハァ ハァ… 116 00:07:27,156 --> 00:07:29,116 (幼い慧月)んっ んっ! 117 00:07:30,033 --> 00:07:32,286 お母様 出してください 118 00:07:32,369 --> 00:07:33,829 お願いです! 119 00:07:34,955 --> 00:07:36,832 (慧月)これは夢だ 120 00:07:36,915 --> 00:07:38,584 (慧月の母)ああ うるさい 121 00:07:38,667 --> 00:07:42,129 お前は わたくしの恥だから 隠さねばならないのよ 122 00:07:42,212 --> 00:07:45,591 大きくて醜くて 本当に恥ずかしい子 123 00:07:47,009 --> 00:07:48,343 (炎がゆらめく音) 124 00:07:52,681 --> 00:07:55,184 (慧月)ぬくもりを求めて 125 00:07:55,267 --> 00:07:58,854 いつからか 炎と会話するようになった 126 00:07:58,937 --> 00:08:03,692 それが禁術だと 父の書物を見て知り 127 00:08:03,775 --> 00:08:08,155 そして 意のままに 操れるようになった頃… 128 00:08:11,491 --> 00:08:13,911 (雅媚(がび))その年で両親を… 129 00:08:13,994 --> 00:08:16,163 なんと哀れですこと 130 00:08:16,246 --> 00:08:20,792 (慧月)唯一 朱貴妃様が引き取ってくれた時 131 00:08:20,876 --> 00:08:25,672 ほんの少し 信頼というものを思い出しかけた 132 00:08:26,590 --> 00:08:27,841 だけど… 133 00:08:27,925 --> 00:08:31,178 (女官たちの笑い声) 134 00:08:31,261 --> 00:08:32,638 (雅媚)あなたも 135 00:08:32,721 --> 00:08:36,183 玲琳様のように なれればよかったのに 136 00:08:36,266 --> 00:08:37,142 ねえ… 137 00:08:39,144 --> 00:08:40,062 (慧月)くっ… 138 00:08:40,145 --> 00:08:43,148 だったら なってやる 139 00:08:45,943 --> 00:08:47,945 これで ようやく 140 00:08:48,028 --> 00:08:50,739 自分が理不尽にも受けてきた 不幸が終わり 141 00:08:50,822 --> 00:08:53,367 輝かしい日々が始まる 142 00:08:53,951 --> 00:08:55,994 そう思ってたのに 143 00:08:57,079 --> 00:08:59,581 (慧月:玲琳の声)ハァ ハァ… 144 00:09:00,082 --> 00:09:02,876 ちくしょう… 145 00:09:03,835 --> 00:09:05,087 ハァ… 146 00:09:05,879 --> 00:09:08,507 ハァ ハァ… 147 00:09:09,091 --> 00:09:10,008 (冬雪)雛女様? 148 00:09:10,092 --> 00:09:11,760 (珠蘭)玲琳様! 149 00:09:16,765 --> 00:09:18,392 (慧月)わたくしは 150 00:09:19,184 --> 00:09:20,769 死ぬの? 151 00:09:42,374 --> 00:09:43,500 (玲琳:慧月の声)フゥ… 152 00:09:44,293 --> 00:09:47,004 雛女様 水を持ってきました 153 00:09:48,005 --> 00:09:48,922 ハッ… 154 00:09:49,965 --> 00:09:53,051 今度こそ 食事は取ると 言ったではないですか! 155 00:09:55,637 --> 00:09:57,306 (弦音) 156 00:09:57,389 --> 00:09:58,932 あっ… 157 00:09:59,016 --> 00:10:01,310 (莉莉)…って 聞いてます? (玲琳:慧月の声)ハッ… 158 00:10:01,393 --> 00:10:02,769 莉莉 159 00:10:02,853 --> 00:10:05,147 ごめんなさい えーと… 160 00:10:05,230 --> 00:10:08,942 揚げ芋は 蜂蜜派か塩派かという お話ですっけ? 161 00:10:09,026 --> 00:10:11,820 (莉莉) 先に会話の的中率を上げろよ! 162 00:10:11,903 --> 00:10:15,157 ちゃんと ごはんを 食べてくださいって話です 163 00:10:15,240 --> 00:10:16,074 ああ… 164 00:10:16,658 --> 00:10:18,952 さっきも言ったじゃないですか 165 00:10:19,036 --> 00:10:20,495 中元節(ちゅうげんせつ)の儀で 166 00:10:20,579 --> 00:10:22,831 あんな激しい胡旋舞(こせんぶ)を 舞ったあとに 167 00:10:23,582 --> 00:10:26,710 急いで戻って 薬を作って 168 00:10:27,294 --> 00:10:29,046 黄麒宮に届けて… 169 00:10:29,129 --> 00:10:33,050 わたくしの誠意が届きましたら どうか この薬を 170 00:10:33,633 --> 00:10:35,218 (莉莉)それから 三刻以上も 171 00:10:35,302 --> 00:10:38,263 そんな弓を ぶっ通しで引き続けて 172 00:10:38,347 --> 00:10:40,891 さすがのあんたも倒れちゃうだろ 173 00:10:40,974 --> 00:10:44,394 まあ 莉莉 心配してくれたのですね 174 00:10:45,771 --> 00:10:47,564 あんたが倒れでもしたら 175 00:10:47,647 --> 00:10:50,400 あたしの寝泊まりする場所が なくなるんです 176 00:10:50,484 --> 00:10:52,527 それだけですから 177 00:10:53,362 --> 00:10:56,156 莉莉の気持ちは しかと受け止めました 178 00:10:56,239 --> 00:10:58,492 ありがとうございます 179 00:10:58,575 --> 00:11:01,787 でも わたくし 絶対に倒れません 180 00:11:01,870 --> 00:11:04,581 かの方を お助けするまでは 181 00:11:04,664 --> 00:11:06,083 あ… 182 00:11:11,922 --> 00:11:14,466 (弦音) 183 00:11:19,513 --> 00:11:22,224 (尭明)黄麒宮からの知らせは まだ来ないのか? 184 00:11:22,307 --> 00:11:23,934 (宦官(かんがん))申し訳ございません 185 00:11:24,017 --> 00:11:27,187 宮が封鎖されてしまい なかなか… 186 00:11:27,270 --> 00:11:30,315 よい そなたの咎(とが)ではない 187 00:11:31,108 --> 00:11:32,359 ハァ… 188 00:11:32,984 --> 00:11:35,946 (慧月:玲琳の声)ハァ ハァ… 189 00:11:36,029 --> 00:11:39,032 尭明 本宮へ戻れ 190 00:11:39,116 --> 00:11:40,200 しかし… 191 00:11:40,283 --> 00:11:42,828 (冬雪)黄(こう)家の者としても お願いいたします 192 00:11:44,663 --> 00:11:45,831 (尭明)ふがいない 193 00:11:46,415 --> 00:11:50,085 好いた女の危機に何もできぬなど 194 00:11:50,669 --> 00:11:52,295 いつも そうだ 195 00:11:52,379 --> 00:11:56,967 皇太子として この上ない権力を 与えられているようで 196 00:11:57,050 --> 00:11:59,344 実際は 不幸から遠ざけられ 197 00:11:59,428 --> 00:12:02,597 恭しく 籠に閉じ込められている 198 00:12:04,015 --> 00:12:06,101 (幼い玲琳) お初に お目にかかります 199 00:12:06,184 --> 00:12:08,603 玲琳と申します 200 00:12:09,187 --> 00:12:10,105 (尭明)ハッ… 201 00:12:14,943 --> 00:12:16,695 (尭明)お前は なぜ装う? 202 00:12:16,778 --> 00:12:17,612 (幼い玲琳)あ… 203 00:12:18,113 --> 00:12:20,282 わたくしの顔色が よいと 204 00:12:20,365 --> 00:12:24,161 皆様が うれしそうな顔を なさるからでございます 205 00:12:25,328 --> 00:12:29,249 (尭明) あの時 以来 俺は ずっと… 206 00:12:31,042 --> 00:12:32,502 (宦官)あの… 207 00:12:32,586 --> 00:12:35,464 黄麒宮からの知らせでは ないのですが 208 00:12:35,547 --> 00:12:36,923 朱 慧月様が 209 00:12:37,007 --> 00:12:40,510 破魔の弓を引き続けているとの 報告は来ております 210 00:12:40,594 --> 00:12:42,637 かれこれ 三刻の間 211 00:12:42,721 --> 00:12:44,014 三刻だと? 212 00:12:44,097 --> 00:12:47,809 (宦官)はい 食事も断ち ただ ひたすらに 213 00:12:47,893 --> 00:12:52,063 見張っておりました宦官の多くも 感心しているようです 214 00:12:56,109 --> 00:12:57,277 (弦音) 215 00:12:57,360 --> 00:12:59,279 (玲琳:慧月の声)あっ… (莉莉)刺さった 216 00:13:00,530 --> 00:13:03,533 まだまだ 的から外れていますけどね 217 00:13:03,617 --> 00:13:05,410 一歩前進です 218 00:13:05,494 --> 00:13:06,786 (莉莉)ちょ… 219 00:13:06,870 --> 00:13:08,497 雛女様が 本気で 220 00:13:08,580 --> 00:13:12,167 黄 玲琳様をお助けしたいと 思ったことは分かりました 221 00:13:12,250 --> 00:13:14,419 でも もう いいんじゃないですか? 222 00:13:14,503 --> 00:13:16,296 (辰宇)そのとおりだな (莉莉)ハッ… 223 00:13:16,379 --> 00:13:19,466 鷲官長様? 文昂(ぶんこう)様も 224 00:13:19,549 --> 00:13:20,675 なんで ここに? 225 00:13:20,759 --> 00:13:24,513 (文昂)そこのムチャな雛女様を 見かねた女官や宦官から 226 00:13:24,596 --> 00:13:27,933 連絡があったからですよね 鷲官長 227 00:13:28,517 --> 00:13:30,393 朱 慧月 228 00:13:30,477 --> 00:13:33,563 贖罪(しょくざい)を見せつけるための弓ならば 十分 見た 229 00:13:34,147 --> 00:13:38,527 これ以上の弓引きは無用であると 黄麒宮から言質も取った 230 00:13:39,027 --> 00:13:41,821 なので もう弓は引かずともよい 231 00:13:42,405 --> 00:13:44,449 (玲琳:慧月の声) では わたくしの薬を 232 00:13:44,533 --> 00:13:46,576 飲んでいただけたのですか? 233 00:13:46,660 --> 00:13:49,204 黄 玲琳殿の意識は戻らず 234 00:13:49,287 --> 00:13:53,500 薬師の薬も含めて 飲める状況ではないということだ 235 00:13:53,583 --> 00:13:55,460 そうですか 236 00:13:55,961 --> 00:13:59,256 ならば まだ 弓を引かなくてはなりませんね 237 00:13:59,339 --> 00:14:01,341 いいかげんにしないか 238 00:14:01,424 --> 00:14:04,386 お前の誠意は すでに 伝わったと言っているだろう 239 00:14:05,345 --> 00:14:07,264 その右手は… 240 00:14:07,347 --> 00:14:09,641 え… いえ あの… 241 00:14:09,724 --> 00:14:10,642 え? 242 00:14:10,725 --> 00:14:12,644 (辰宇)これは… (文昂)うわっ… 243 00:14:12,727 --> 00:14:14,854 (莉莉)あんた 何やってんの 244 00:14:14,938 --> 00:14:16,648 手 ボロボロじゃないか! 245 00:14:16,731 --> 00:14:18,858 だ… 大丈夫です 246 00:14:18,942 --> 00:14:22,153 神器には血がつかぬよう 細心の注意を払って… 247 00:14:22,237 --> 00:14:24,155 そういうこと言ってんじゃないだろ 248 00:14:24,239 --> 00:14:26,449 そ… そうですよね 249 00:14:26,533 --> 00:14:29,327 汚れないようになんて 気を取られているから 250 00:14:29,411 --> 00:14:31,538 集中が甘くなるのだという ご指摘… 251 00:14:31,621 --> 00:14:33,290 違う このど阿呆(あほう)! 252 00:14:33,373 --> 00:14:35,542 はい ど阿呆です! 253 00:14:35,625 --> 00:14:37,836 (辰宇)もう弓は取り上げるぞ 254 00:14:37,919 --> 00:14:39,045 (玲琳:慧月の声)嫌でございます 255 00:14:39,129 --> 00:14:40,297 朱 慧月! 256 00:14:40,380 --> 00:14:42,090 なぜ 止めるのです 257 00:14:42,173 --> 00:14:45,760 鷲官長様 わたくし 悪女なのでしょう? 258 00:14:45,844 --> 00:14:49,055 そんな女が 少し すり傷をこさえただけで 259 00:14:49,139 --> 00:14:52,267 大騒ぎなさるのは おかしなことに思いますわ 260 00:14:52,350 --> 00:14:53,268 (辰宇)んっ… 261 00:14:53,351 --> 00:14:55,770 (宦官)鷲官長様 文昂様! 262 00:14:57,022 --> 00:14:59,399 黄 玲琳様の熱が徐々に下がり 263 00:14:59,482 --> 00:15:02,027 回復の兆候が 見受けられるとのことです 264 00:15:02,110 --> 00:15:04,237 (玲琳:慧月の声)あっ… (莉莉)あ… 265 00:15:04,779 --> 00:15:06,656 (辰宇)すぐに殿下に知らせる 266 00:15:07,574 --> 00:15:10,452 あとで こちらにも 薬師を手配する 267 00:15:10,535 --> 00:15:11,661 手当てを受けろ 268 00:15:11,745 --> 00:15:14,414 それから必ず 弓を終えよ 269 00:15:14,497 --> 00:15:16,833 表情は平静を装っていても 270 00:15:16,916 --> 00:15:19,753 異常な量の汗が お前の限界を訴えているぞ 271 00:15:19,836 --> 00:15:20,670 あ… 272 00:15:20,754 --> 00:15:22,213 (辰宇)女官よ 273 00:15:22,297 --> 00:15:25,050 何かあれば 即座に鷲官所に連絡をよこせ 274 00:15:25,133 --> 00:15:26,551 は… はい 275 00:15:27,636 --> 00:15:29,888 (弓を構える音) 276 00:15:30,388 --> 00:15:31,306 (莉莉)ん? 277 00:15:32,140 --> 00:15:33,558 ちょ… ちょっと! 278 00:15:33,642 --> 00:15:36,269 せめて 手当てを 受けてからにしなよ 279 00:15:36,353 --> 00:15:39,230 黄 玲琳様は回復し始めてるんだ 280 00:15:39,314 --> 00:15:40,482 もういいだろ? 281 00:15:42,317 --> 00:15:45,945 (玲琳:慧月の声) 莉莉 わたくし 存外… 282 00:15:46,029 --> 00:15:50,367 というか かなり この状況を堪能しておりますの 283 00:15:50,450 --> 00:15:51,618 へ? 284 00:15:52,202 --> 00:15:54,537 (玲琳)水の気の強い神器でも 285 00:15:54,621 --> 00:15:56,873 土の気の強い わたくしなら 286 00:15:56,956 --> 00:15:59,501 制することが できるはず 287 00:15:59,584 --> 00:16:04,464 手は しびれるけれど 徐々に精度が上がってきている 288 00:16:04,547 --> 00:16:09,511 弓が 少しずつ 寄り添ってくれているのを感じます 289 00:16:11,096 --> 00:16:13,390 (辰宇)殿下 朗報にございます 290 00:16:13,473 --> 00:16:16,768 そうか 回復の兆候が… 291 00:16:16,851 --> 00:16:18,269 そうか 292 00:16:18,770 --> 00:16:19,938 よかった 293 00:16:24,025 --> 00:16:26,569 しばし出かける 火を持て 294 00:16:26,653 --> 00:16:30,949 殿下 気がせくのは分かりますが 黄麒宮に見舞うのは 295 00:16:31,032 --> 00:16:33,410 せめて夜が明けるまで 待たれたほうが… 296 00:16:33,493 --> 00:16:34,828 分かっている 297 00:16:34,911 --> 00:16:36,454 向かうのは紫龍泉(しりゅうせん)だ 298 00:16:36,538 --> 00:16:38,415 紫龍泉? 299 00:16:38,498 --> 00:16:40,709 というと 禁域の? 300 00:16:41,251 --> 00:16:42,836 (尭明)幸い身は清めてある 301 00:16:43,461 --> 00:16:46,881 神秘の力を帯びた紫龍泉の水だ 302 00:16:47,424 --> 00:16:51,010 少なくとも ただの水よりかは 助けになるだろう 303 00:16:51,970 --> 00:16:53,555 あの朱 慧月すら 304 00:16:53,638 --> 00:16:56,516 愚直に弓を引き続けていると 聞いたが 305 00:16:56,599 --> 00:17:00,520 手のひらに血をにじませながら 弓を引き続けておりました 306 00:17:01,104 --> 00:17:02,731 なら なおのこと 307 00:17:03,231 --> 00:17:06,276 俺が のんびり夜明けを待っていて いいはずがなかろう 308 00:17:07,902 --> 00:17:08,778 はっ 309 00:17:08,862 --> 00:17:10,655 (尭明)先触れを出せ 310 00:17:10,739 --> 00:17:12,365 陛下に許可を取る 311 00:17:12,449 --> 00:17:16,911 無垢(むく)の布と油で巻いた松明(たいまつ)と 泉に供える酒 312 00:17:16,995 --> 00:17:18,413 それから 新しい桶(おけ)を 313 00:17:20,373 --> 00:17:23,168 桶は2つ用意せよ 314 00:17:23,793 --> 00:17:26,337 あとは任せたぞ 辰宇 315 00:17:31,760 --> 00:17:36,556 (慧月:玲琳の声)ハァ ハァ… 316 00:17:49,402 --> 00:17:50,862 (慧月)ううっ… 317 00:17:59,704 --> 00:18:00,830 あっ… 318 00:18:02,248 --> 00:18:05,043 イヤ… イヤ… 319 00:18:07,420 --> 00:18:08,254 あっ… 320 00:18:08,338 --> 00:18:09,589 (弦音) 321 00:18:10,256 --> 00:18:11,090 え? 322 00:18:11,174 --> 00:18:14,427 (弦音) 323 00:18:15,553 --> 00:18:16,429 (慧月)あ… 324 00:18:20,225 --> 00:18:21,601 これは 325 00:18:22,435 --> 00:18:23,686 何? 326 00:18:26,648 --> 00:18:28,566 (玲琳)慧月様 327 00:18:29,150 --> 00:18:30,485 ごめんなさい 328 00:18:31,110 --> 00:18:35,573 わたくし 実は あの時 見えを張りました 329 00:18:36,157 --> 00:18:37,826 今 思えば 330 00:18:37,909 --> 00:18:40,995 乞巧節(きっこうせつ)で最初に願ったことは 331 00:18:41,079 --> 00:18:44,082 “健康になりたい”というよりも 332 00:18:44,165 --> 00:18:46,084 “楽になりたい” 333 00:18:47,210 --> 00:18:51,172 わたくしは きっと疲れていたのです 334 00:18:51,256 --> 00:18:56,594 人に心配をかけてはいないかと 気を遣う日々を送り続け 335 00:18:56,678 --> 00:19:01,683 寝床に横たわる時 朝には死んでいるかもと 336 00:19:01,766 --> 00:19:04,185 一体 何度 思ったか 337 00:19:04,769 --> 00:19:08,857 恐怖も痛みも 繰り返せば慣れる 338 00:19:08,940 --> 00:19:12,610 病の時にこそ 鍛錬に打ち込んだのは 339 00:19:12,694 --> 00:19:15,613 きっと 心を 空っぽにするためでした 340 00:19:16,990 --> 00:19:18,241 けれど… 341 00:19:19,701 --> 00:19:21,452 ねえ 慧月様 342 00:19:21,953 --> 00:19:24,205 あなた様のおかげで 343 00:19:24,289 --> 00:19:27,876 わたくし 今 すごく体力があるのです 344 00:19:27,959 --> 00:19:32,130 心をせわしなく動かすための すばらしい力が 345 00:19:34,716 --> 00:19:35,967 だから… 346 00:19:38,469 --> 00:19:39,596 あっ… 347 00:19:39,679 --> 00:19:41,014 あ… 348 00:19:46,936 --> 00:19:50,648 みっともなく あがいて ムチャをして 349 00:19:51,649 --> 00:19:54,068 あなたを救わせてくださいませ 350 00:19:56,154 --> 00:19:58,281 死なせたりしない! 351 00:20:05,872 --> 00:20:07,373 (玲琳)慧月様! 352 00:20:08,541 --> 00:20:10,335 どうぞ こちらへ! 353 00:20:20,428 --> 00:20:22,013 玲琳様! 354 00:20:22,764 --> 00:20:24,265 (珠蘭たち)玲琳様… 355 00:20:24,349 --> 00:20:27,769 (珊瑚)よかった お目覚めになられたのですね 356 00:20:29,604 --> 00:20:31,230 当たった 357 00:20:31,314 --> 00:20:33,900 やりました やりましたわ 莉莉 358 00:20:33,983 --> 00:20:35,777 (女官たちの歓声) 359 00:20:36,444 --> 00:20:38,947 (玲琳:慧月の声) 今の 聞こえました? 360 00:20:39,030 --> 00:20:42,283 (莉莉)はい 黄麒宮のほうからの歓声です 361 00:20:44,452 --> 00:20:47,246 (珊瑚)玲琳様の意識が 戻られました! 362 00:20:47,789 --> 00:20:50,333 雛女様 黄 玲琳様が! 363 00:20:50,416 --> 00:20:53,836 ええ よかった 364 00:20:56,172 --> 00:20:58,299 あ… 365 00:20:59,342 --> 00:21:00,843 (玲琳)そんな… 366 00:21:01,427 --> 00:21:06,432 せっかくの 8日連続 気絶なし記録が… 367 00:21:06,516 --> 00:21:09,268 (莉莉)ちょ… 雛女様! 368 00:21:11,437 --> 00:21:16,442 ♪~ 369 00:22:35,521 --> 00:22:40,526 ~♪ 370 00:22:43,321 --> 00:22:44,864 んん… 371 00:22:50,328 --> 00:22:53,247 (玲琳)莉莉 手当てまで… 372 00:22:54,457 --> 00:22:55,458 フフッ 373 00:23:06,344 --> 00:23:08,513 あらら 374 00:23:08,596 --> 00:23:10,640 (玲琳)知りませんでした 375 00:23:11,140 --> 00:23:16,020 涙は 安堵(あんど)した時にこそ こみ上げることを 376 00:23:16,104 --> 00:23:18,022 慧月様 377 00:23:18,523 --> 00:23:21,943 あなた様が 生き延びてくださってよかった 378 00:23:22,527 --> 00:23:23,778 本当に 379 00:23:23,861 --> 00:23:26,197 (冬雪)お目覚めでございますか 380 00:23:29,450 --> 00:23:31,035 (玲琳:慧月の声)冬雪… 381 00:23:31,119 --> 00:23:32,036 あっ 382 00:23:33,079 --> 00:23:34,622 冬雪様 383 00:23:34,705 --> 00:23:36,457 あ… 384 00:23:39,168 --> 00:23:40,378 やはり… 385 00:23:41,963 --> 00:23:46,634 やはり あなた様が 玲琳様なのですね