1 00:00:01,043 --> 00:00:02,920 (辰宇(しんう)) 皇后陛下が お倒れです 2 00:00:03,003 --> 00:00:04,880 (尭明(ぎょうめい))伝染病か? 3 00:00:04,964 --> 00:00:05,798 (玲琳(れいりん):慧月(けいげつ)の声)いいえ 4 00:00:07,883 --> 00:00:10,136 きっと 呪いです 5 00:00:12,096 --> 00:00:15,766 (玲琳) 慧月様にかけられた蠱毒(こどく)の呪い 6 00:00:15,850 --> 00:00:20,521 それが今度は 伯母様に 降りかかっているのだとしたら… 7 00:00:20,604 --> 00:00:23,649 (慧月・玲琳の声) 貴妃様の真の目的はね 8 00:00:23,733 --> 00:00:24,775 恐らく… 9 00:00:25,484 --> 00:00:28,779 (玲琳)あの時 慧月様が言いたかったことは 10 00:00:29,363 --> 00:00:33,117 恐らく 皇后陛下の暗殺 11 00:00:33,617 --> 00:00:38,539 最初は 計画を邪魔するあなたを 排除したかったんだと思うわ 12 00:00:39,373 --> 00:00:42,168 (玲琳) 計画を邪魔するというのは きっと 13 00:00:42,251 --> 00:00:45,337 わたくしが庭を薬草畑に変えたり 14 00:00:45,421 --> 00:00:48,883 害虫を 実験用のネズミの餌にしたりと 15 00:00:48,966 --> 00:00:52,386 黄麒宮(こうきぐう)を清らかに保っていたから 16 00:00:52,470 --> 00:00:55,556 知らずに 蠱毒が発動できない状況を 17 00:00:55,639 --> 00:00:57,892 作りだしていたのでしょう 18 00:00:57,975 --> 00:01:00,269 だから 排除したかった 19 00:01:00,770 --> 00:01:04,482 そして 慧月様とわたくしを 入れ替えさせて 20 00:01:04,565 --> 00:01:06,901 2人とも 死に追い込む 21 00:01:06,984 --> 00:01:10,029 それが朱(しゅ)貴妃様の筋書き 22 00:01:10,112 --> 00:01:15,034 そこまで手をかけてでも 伯母様の命を奪おうとしている 23 00:01:15,618 --> 00:01:17,703 何としても 止めなくては 24 00:01:19,121 --> 00:01:22,416 (尭明)朱 慧月 なぜ 呪いなどと言う? 25 00:01:22,500 --> 00:01:23,793 (玲琳:慧月の声)伝染病なら 26 00:01:23,876 --> 00:01:26,796 陛下より先に 雛女(ひめ)つきの女官が 罹患(りかん)するはずです 27 00:01:26,879 --> 00:01:28,297 確かに 28 00:01:28,380 --> 00:01:31,050 (玲琳:慧月の声) さらに黄(こう)家の雛女の症状には 29 00:01:31,133 --> 00:01:33,928 破魔の弓の弦音(つるね)が 効いたのですよね? 30 00:01:34,011 --> 00:01:35,930 それこそが病ではなく― 31 00:01:36,013 --> 00:01:38,766 呪いであることの証左では ありませんか? 32 00:01:39,809 --> 00:01:42,186 殿下 お願いでございます 33 00:01:42,770 --> 00:01:43,938 わたくしに 34 00:01:44,021 --> 00:01:47,942 いま一度 破魔の弓を お貸しくださいませ 35 00:01:48,484 --> 00:01:52,822 ♪~ 36 00:03:12,651 --> 00:03:17,907 ~♪ 37 00:03:18,866 --> 00:03:20,367 (尭明)何を言っている 38 00:03:20,451 --> 00:03:22,161 また弓を引くつもりか? 39 00:03:22,244 --> 00:03:26,248 はい 破魔の弓で呪いを祓(はら)います 40 00:03:27,708 --> 00:03:30,002 ダメだ お前は休んでいろ 41 00:03:30,085 --> 00:03:31,879 なぜでございます 42 00:03:32,463 --> 00:03:34,381 わたくしも正直 43 00:03:34,465 --> 00:03:37,635 呪いや迷信のたぐいは 信じておりませんでしたが 44 00:03:38,510 --> 00:03:40,137 今は違います 45 00:03:40,888 --> 00:03:42,890 この世に呪いはあるし 46 00:03:42,973 --> 00:03:44,683 奇跡も起こるのです 47 00:03:46,101 --> 00:03:47,394 お願いでございます 48 00:03:47,478 --> 00:03:48,312 破魔の弓を… 49 00:03:48,395 --> 00:03:49,772 (尭明)くどいぞ! 50 00:03:49,855 --> 00:03:51,565 何度も言わせるな 51 00:03:51,649 --> 00:03:54,109 破魔の弓は お前には貸せない 52 00:03:54,193 --> 00:03:55,527 どうすれば わたくしを 53 00:03:55,611 --> 00:03:57,363 信じて いただけるのです! 54 00:03:57,988 --> 00:04:01,325 (尭明)この女は 確実に変わり始めている 55 00:04:01,408 --> 00:04:02,534 だが… 56 00:04:03,911 --> 00:04:07,206 今のお前は 神器を扱うに値しない 57 00:04:07,831 --> 00:04:13,003 ただ 母上の病を祓いたいと 申し出たことは覚えておこう 58 00:04:13,087 --> 00:04:13,504 (尭明)いずれ… 59 00:04:13,504 --> 00:04:14,254 (尭明)いずれ… 60 00:04:13,504 --> 00:04:14,254 (玲琳:慧月の声) ならば もう結構でございます 61 00:04:14,254 --> 00:04:16,215 (玲琳:慧月の声) ならば もう結構でございます 62 00:04:19,301 --> 00:04:23,055 獣尋(じゅうじん)の儀でも 中元節(ちゅうげんせつ)の儀でも 63 00:04:23,138 --> 00:04:24,723 そして 今も 64 00:04:24,807 --> 00:04:28,477 わたくしは 殿下に“話を聞いてほしい” 65 00:04:28,560 --> 00:04:29,895 “信じてほしい”と 66 00:04:29,979 --> 00:04:32,231 そう申し上げてまいりました 67 00:04:33,315 --> 00:04:37,611 ですが 三度(みたび)とも 殿下は かなえてくださらなかった 68 00:04:39,613 --> 00:04:42,866 ならば もう結構でございます 69 00:04:44,702 --> 00:04:46,245 (玲琳)こうなったら 70 00:04:46,328 --> 00:04:49,123 慧月様に 入れ替わりを解除していただき 71 00:04:49,206 --> 00:04:53,752 元の体に戻って弓を引きたいと 願い出るしか… 72 00:04:53,836 --> 00:04:55,963 (尭明)おい 何をしに行く 73 00:04:56,046 --> 00:04:59,466 もう 殿下に 許可を願い出ることはいたしません 74 00:04:59,550 --> 00:05:01,593 好きにさせていただきます 75 00:05:03,971 --> 00:05:05,139 (尭明)ハッ… 76 00:05:05,889 --> 00:05:08,267 (莉莉(りーりー)) どこに行くんですか 雛女様! 77 00:05:08,350 --> 00:05:09,643 失礼します 78 00:05:10,477 --> 00:05:12,688 行かせてよいのですか? 79 00:05:14,106 --> 00:05:16,525 ひとまず 弓を守ります 80 00:05:17,151 --> 00:05:18,027 (尭明)ああ 81 00:05:21,405 --> 00:05:24,533 真実を映すという紫龍泉(しりゅうせん) 82 00:05:25,200 --> 00:05:27,494 水面(みなも)に映った姿は… 83 00:05:32,583 --> 00:05:33,751 まさか… 84 00:05:34,251 --> 00:05:36,170 (玲琳:慧月の声) お願いでございます 85 00:05:36,253 --> 00:05:38,130 少しの間でいい 86 00:05:38,213 --> 00:05:41,008 わたくしの話を お聞きくださいませ 87 00:05:41,091 --> 00:05:43,177 名君との呼び声高く 88 00:05:43,260 --> 00:05:45,054 優しき お従兄(にい)様なら… 89 00:05:45,929 --> 00:05:49,558 (尭明)あの時 玲琳しか使わぬ呼称を… 90 00:05:50,142 --> 00:05:52,269 この世に呪いはあるし 91 00:05:52,352 --> 00:05:54,146 奇跡も起こるのです 92 00:05:54,938 --> 00:05:56,440 (尭明)いつからだ? 93 00:05:56,523 --> 00:05:59,651 入れ替わった そうとしか思えない 94 00:05:59,735 --> 00:06:03,655 あの乞巧節(きっこうせつ)の夜に 入れ替わったのだとしたら 95 00:06:03,739 --> 00:06:07,159 俺は 彼女に何をした? 96 00:06:07,242 --> 00:06:08,160 何と言った? 97 00:06:09,745 --> 00:06:12,915 牢(ろう)に追いやり 獣と同じ檻(おり)に入れ 98 00:06:12,998 --> 00:06:16,668 悪女と罵り 女官に襲われても放置して 99 00:06:16,752 --> 00:06:20,047 わたくしは 殿下に“話を聞いてほしい” 100 00:06:20,130 --> 00:06:21,715 “信じてほしい”と 101 00:06:21,799 --> 00:06:23,926 そう申し上げてまいりました 102 00:06:24,760 --> 00:06:25,928 (尭明)何より 103 00:06:26,011 --> 00:06:28,889 その正体を見抜けなかった 104 00:06:29,765 --> 00:06:33,435 (玲琳) ならば もう結構でございます 105 00:06:36,438 --> 00:06:38,190 (尭明)玲琳! 106 00:06:47,199 --> 00:06:50,119 やっと追いついた ハァ… 107 00:06:50,202 --> 00:06:52,871 なんで そんな足 速いんですか 108 00:06:52,955 --> 00:06:56,125 (玲琳:慧月の声)莉莉 いいところへ来てくれました 109 00:06:52,955 --> 00:06:56,125 (莉莉) ハァ ハァ ハァ… 110 00:06:56,208 --> 00:07:00,170 大変 申し訳ないのですが そこへ かがんでくれます? 111 00:07:00,254 --> 00:07:01,338 (莉莉)嫌です 112 00:07:01,421 --> 00:07:04,133 絶対 ろくでもないこと 考えてるでしょ 113 00:07:04,216 --> 00:07:06,510 (玲琳:慧月の声)塀を ちょっぴり越えたいだけですから 114 00:07:06,593 --> 00:07:09,096 (莉莉)そういうのを ろくでもないって言うんだよ! 115 00:07:09,179 --> 00:07:10,639 不法侵入だぞ 116 00:07:10,722 --> 00:07:15,936 けれど かの方に 一刻も早く お会いしなければならないのです 117 00:07:16,019 --> 00:07:21,525 そうだとしても そんな格好じゃ とても皇后陛下には会えませんよ 118 00:07:21,608 --> 00:07:23,402 陛下ではありません 119 00:07:23,485 --> 00:07:27,781 え? もしかして 朱 慧月ですか? 120 00:07:27,865 --> 00:07:28,699 はい 121 00:07:28,782 --> 00:07:31,034 会って どうするんです? 122 00:07:31,118 --> 00:07:32,870 ハッ… まさか あんた… 123 00:07:32,953 --> 00:07:36,874 (玲琳:慧月の声)わたくしが 今のわたくしでなくなっても 124 00:07:38,959 --> 00:07:42,337 莉莉 また会いに行って よいですか? 125 00:07:42,421 --> 00:07:44,047 (莉莉)嫌です (玲琳:慧月の声)あ… 126 00:07:44,131 --> 00:07:47,593 そんなの 嫌です 127 00:07:47,676 --> 00:07:51,430 あんたは あたしの初めての主人なんです 128 00:07:52,014 --> 00:07:55,642 でも 黄 玲琳に戻ってしまったら 129 00:07:56,143 --> 00:07:57,102 もう… 130 00:07:58,353 --> 00:08:00,272 (玲琳:慧月の声) ナメてもらっては困ります 131 00:08:00,355 --> 00:08:01,440 (莉莉)ハッ… 132 00:08:01,523 --> 00:08:03,442 黄家の情はね 133 00:08:03,525 --> 00:08:06,778 それは もう 重~いのでございます 134 00:08:06,862 --> 00:08:07,988 (莉莉)はい? 135 00:08:08,071 --> 00:08:11,909 莉莉は もう わたくしの内側の人間なのです 136 00:08:11,992 --> 00:08:14,453 この縁を ここで断ち切ったりなんて 137 00:08:14,536 --> 00:08:15,913 決してしません 138 00:08:16,788 --> 00:08:18,415 雛女様… 139 00:08:18,498 --> 00:08:21,793 (玲琳:慧月の声) わたくしは 内側に入れた人間を 140 00:08:21,877 --> 00:08:26,798 何としても 何者からも 守ってみせるつもりです 141 00:08:26,882 --> 00:08:28,550 あなたも 142 00:08:28,634 --> 00:08:30,677 皇后陛下も 143 00:08:30,761 --> 00:08:33,972 あと もうおひと方も 144 00:08:42,272 --> 00:08:45,484 (莉莉) あんた お人よしが過ぎますよ 145 00:08:45,567 --> 00:08:47,819 それか 人を見る目が全然ない 146 00:08:47,903 --> 00:08:51,448 あんたになら ひざまずいても いいとは思いましたけど 147 00:08:51,531 --> 00:08:54,326 まさか塀越えのために なんてね 148 00:08:55,244 --> 00:08:57,412 ありがとうございます 莉莉 149 00:08:57,496 --> 00:09:00,374 (莉莉)あたしの背骨 折らないでくださいよ 150 00:09:00,457 --> 00:09:02,542 フッ 最善を尽くします 151 00:09:03,126 --> 00:09:07,005 “1 2 3”で踏みますから こらえてくださいね 152 00:09:07,089 --> 00:09:07,923 (莉莉)はい 153 00:09:08,006 --> 00:09:09,549 (玲琳:慧月の声)それと 154 00:09:09,633 --> 00:09:14,054 黄家の藤黄(とうおう)の衣に ご興味はありますか? 155 00:09:16,473 --> 00:09:17,808 (莉莉)もちろん 156 00:09:19,017 --> 00:09:21,812 あるに決まってるじゃないですか 157 00:09:21,895 --> 00:09:26,775 では それをお土産に あなたに会いに参りますね 158 00:09:31,780 --> 00:09:34,491 1 2 3! 159 00:09:38,787 --> 00:09:39,621 (着地音) 160 00:09:38,787 --> 00:09:39,621 (玲琳:慧月の声)莉莉! 後ほど 必ず会いに参ります 161 00:09:39,621 --> 00:09:42,291 (玲琳:慧月の声)莉莉! 後ほど 必ず会いに参ります 162 00:09:42,374 --> 00:09:44,209 (走り去る足音) 163 00:09:46,795 --> 00:09:49,798 どうか うまくいきますように 164 00:09:50,299 --> 00:09:51,675 (走る足音) 165 00:09:51,758 --> 00:09:52,676 ハッ… 166 00:09:56,346 --> 00:09:57,347 (尭明)開門せよ! 167 00:09:58,056 --> 00:09:59,975 (宦官(かんがん))殿下 どうか おやめください! 168 00:10:00,058 --> 00:10:02,311 黄麒宮には 封札が貼られております 169 00:10:02,394 --> 00:10:03,770 (宦官)万が一 御身に 170 00:10:03,854 --> 00:10:06,773 病の気が移るようなことが あってはなりません 171 00:10:06,857 --> 00:10:08,859 どうか 本宮へ お戻りを 172 00:10:08,942 --> 00:10:10,610 お前たちは下がっていろ 173 00:10:10,694 --> 00:10:12,362 皇太子としてではなく 174 00:10:12,446 --> 00:10:15,073 非公式に 様子を確かめに来ただけだ 175 00:10:15,157 --> 00:10:20,162 今 この宮の中には 母上と 恐らく… 176 00:10:22,080 --> 00:10:24,416 開けてくれ 今すぐにだ! 177 00:10:25,292 --> 00:10:26,835 ここに向かったのだろう? 178 00:10:27,669 --> 00:10:29,713 玲琳! 179 00:10:29,796 --> 00:10:32,215 (莉莉)“ここに向かった”? 180 00:10:32,299 --> 00:10:35,469 入れ替わりが 知られてしまったのか? 181 00:10:36,094 --> 00:10:39,389 実の息子とはいえ 皇太子殿下を 182 00:10:39,473 --> 00:10:43,477 病の続く黄麒宮が 出迎えるとは思えない 183 00:10:43,560 --> 00:10:48,940 もし 殿下が引き返してきたら 何とか あたしが ごまかさないと 184 00:11:02,037 --> 00:11:02,871 (鷲官(しゅうかん))ん? 185 00:11:14,466 --> 00:11:18,220 (絹秀(けんしゅう))ハァ ハァ ハァ… 186 00:11:18,303 --> 00:11:19,888 雅媚(がび)… 187 00:11:21,431 --> 00:11:22,808 寒い 188 00:11:23,308 --> 00:11:25,977 まるで あの冬のようだ 189 00:11:27,396 --> 00:11:28,980 20年前 190 00:11:29,064 --> 00:11:34,319 わらわと同時期に妊娠した雅媚は 予定より早く産気づき… 191 00:11:34,403 --> 00:11:37,322 皆が雅媚を見舞う中 192 00:11:37,406 --> 00:11:40,867 わらわは 一度とて 会いには行かなかった 193 00:11:40,951 --> 00:11:43,370 どの面を下げて行ける? 194 00:11:43,453 --> 00:11:45,372 雅媚の皇子は死に 195 00:11:45,455 --> 00:11:48,375 わらわの子は生きているのに 196 00:11:51,962 --> 00:11:56,049 (麗雅(れいが)) 誠に おめでとうございます~ 197 00:11:56,133 --> 00:12:01,513 殿下が お生まれになった際 都中に龍気(りゅうき)が とどろいたとか 198 00:12:01,596 --> 00:12:03,974 あらゆる陽の気を お集めになって 199 00:12:04,057 --> 00:12:07,269 この世に 現れたのでございますね~ 200 00:12:07,352 --> 00:12:10,856 朱貴妃様は 残念でございましたが 201 00:12:10,939 --> 00:12:15,277 大輪の花は 間引かれた花の犠牲の上に咲き 202 00:12:15,360 --> 00:12:20,240 王者とは 幾多の屍(しかばね)の上に玉座を敷くもの 203 00:12:20,740 --> 00:12:22,242 尭明殿下には 204 00:12:22,325 --> 00:12:25,245 死した皇子様から いただいた天命も 205 00:12:25,328 --> 00:12:27,706 備わっているでしょう 206 00:12:27,789 --> 00:12:29,332 朱貴妃様は 207 00:12:29,416 --> 00:12:32,669 殿下を 我が子として かわいがればよいですわね 208 00:12:32,752 --> 00:12:34,129 (絹秀)あっ… 209 00:12:34,212 --> 00:12:37,215 まさか お前 朱貴妃にも そう言ったのか? 210 00:12:37,299 --> 00:12:38,842 あら 211 00:12:38,925 --> 00:12:41,595 なぜ お怒りになるのです? 212 00:12:41,678 --> 00:12:44,973 龍気に恵まれた尊き皇子と 213 00:12:45,056 --> 00:12:49,603 皇子に恵まれた皇后陛下を たたえただけですわ 214 00:12:49,686 --> 00:12:51,855 ですが 朱貴妃様ったら 215 00:12:51,938 --> 00:12:54,649 お心が狭いのですわねえ 216 00:12:54,733 --> 00:12:57,652 今にも皇后陛下を 呪いそうな形相で 217 00:12:57,736 --> 00:12:59,988 怒っていましたわ 218 00:13:00,071 --> 00:13:01,448 そうそう 219 00:13:01,531 --> 00:13:02,782 皇后陛下だけが 220 00:13:02,866 --> 00:13:04,409 お見舞いに来ていないことも 221 00:13:04,493 --> 00:13:06,161 教えてさしあげたら 222 00:13:06,244 --> 00:13:10,916 お怒りのあまり 枕を床にたたきつけてましてよ 223 00:13:10,999 --> 00:13:14,127 あっ… 枕をたたきつけた? 224 00:13:14,669 --> 00:13:19,382 ずっと床(とこ)にあった雅媚が 身を起こし 腕を振り上げた? 225 00:13:19,466 --> 00:13:22,135 あの美しい顔を ゆがめて 226 00:13:22,219 --> 00:13:24,346 陛下を罵って 227 00:13:24,429 --> 00:13:28,350 まこと不敬なことで ございますよね~ 228 00:13:29,434 --> 00:13:31,353 そうか… 229 00:13:31,436 --> 00:13:35,899 その瞬間 雅媚に必要なものは何か悟った 230 00:13:36,399 --> 00:13:38,777 怒りの矛先 231 00:13:38,860 --> 00:13:42,697 絶望のふちから立ち上がるのに 必要だったのは 232 00:13:42,781 --> 00:13:48,119 慰めなどではなく 全身を燃やす恨みの炎 233 00:13:48,203 --> 00:13:49,496 雅媚よ 234 00:13:49,579 --> 00:13:52,332 針を持ち わらわを刺すがいい 235 00:13:52,415 --> 00:13:54,876 その手を休めてはならぬ 236 00:13:54,960 --> 00:13:58,004 恨みを杖(つえ)に立ち上がるのだ 237 00:13:58,088 --> 00:14:02,384 いつの日か 傷が癒えるその時まで 238 00:14:04,970 --> 00:14:06,388 (絹秀)なあ 雅媚よ 239 00:14:07,013 --> 00:14:10,559 恨みの図案は まだ刺し終わらぬか? 240 00:14:11,226 --> 00:14:12,143 (物音) 241 00:14:12,227 --> 00:14:13,061 (絹秀)うっ… 242 00:14:13,645 --> 00:14:16,481 (うめき声) 243 00:14:24,197 --> 00:14:29,119 (絹秀)お前の恨みは 深まるばかりなのか… 244 00:14:31,788 --> 00:14:33,623 (物音) 245 00:14:38,211 --> 00:14:39,629 ハァ ハァ… 246 00:14:39,713 --> 00:14:41,715 (上級女官) 陛下! どうぞ お気を確かに 247 00:14:41,798 --> 00:14:42,632 ハッ… 248 00:14:47,095 --> 00:14:48,179 (上級女官)陛下! 249 00:14:51,516 --> 00:14:53,268 (玲琳)伯母様… 250 00:14:53,351 --> 00:14:54,811 (上級女官)誰か氷嚢(ひょうのう)を! 251 00:14:54,894 --> 00:14:57,188 (上級女官) いえ 足を温めるのですわ 252 00:14:57,272 --> 00:14:58,773 (玲琳:慧月の声) 落ち着きなさいませ 253 00:14:58,857 --> 00:14:59,774 (上級女官たち)ハッ… 254 00:14:59,858 --> 00:15:05,280 大地をつかさどる黄麒宮の者が そのように浮ついてはなりません 255 00:15:07,365 --> 00:15:09,242 (上級女官)朱 慧月様? 256 00:15:09,326 --> 00:15:10,910 (上級女官)他家の者が なぜ? 257 00:15:11,494 --> 00:15:13,496 (上級女官)鷲官に突き出しますよ 258 00:15:13,580 --> 00:15:15,290 (冬雪(とうせつ))お待ちくださいませ 皆様 259 00:15:15,373 --> 00:15:16,541 (上級女官たち)あっ… 260 00:15:19,753 --> 00:15:21,671 (上級女官)冬雪様… 261 00:15:21,755 --> 00:15:23,048 (3人)あっ… 262 00:15:24,799 --> 00:15:28,303 このお方は 大切な雛女君なのですから 263 00:15:28,386 --> 00:15:32,932 この方の献身は 破魔の弓でも明らかなこと 264 00:15:33,016 --> 00:15:37,020 陛下の急を知って たまらず 駆けつけてくださったのでしょう 265 00:15:38,104 --> 00:15:39,522 (玲琳)伯母様… 266 00:15:39,606 --> 00:15:42,525 わたくしが 必ず お助けいたします 267 00:15:42,609 --> 00:15:45,403 わたくしの何を懸けてでも 268 00:15:45,487 --> 00:15:48,740 大丈夫 絶対に大丈夫 269 00:15:49,991 --> 00:15:52,577 冬雪… 筆頭女官殿 270 00:15:52,661 --> 00:15:54,162 ありがとうございます 271 00:15:54,871 --> 00:15:58,667 とはいえ 他家の者が失礼いたしました 272 00:15:59,542 --> 00:16:04,798 皆様 皇后陛下は忍耐強く 病魔と闘っておいでです 273 00:16:04,881 --> 00:16:09,010 どうか 皆様も 本分を果たされますよう 274 00:16:11,179 --> 00:16:12,847 お見送りいたします 275 00:16:15,934 --> 00:16:19,562 (玲琳:慧月の声)冬雪 陛下の呼気が弱っていました 276 00:16:19,646 --> 00:16:22,482 薬で空気の道を 広げてあげてください 277 00:16:22,565 --> 00:16:25,568 (冬雪)ですが 粉薬など飲めぬご様子で… 278 00:16:25,652 --> 00:16:27,696 (玲琳:慧月の声) 経皮で効くものがあります 279 00:16:27,779 --> 00:16:31,908 氷室に置いた53番の軟膏(なんこう)を 胸と背に塗れば… 280 00:16:31,991 --> 00:16:32,826 (冬雪)はっ! 281 00:16:32,909 --> 00:16:37,205 嘔吐(おうと)が続くようなら 脱水症状の対策として 282 00:16:37,288 --> 00:16:41,835 塩と砂糖を混ぜた水を綿に浸して 口を湿らせて 283 00:16:41,918 --> 00:16:43,753 承知いたしました 284 00:16:44,254 --> 00:16:47,507 あなた様が来てくださって よかった 285 00:16:47,590 --> 00:16:49,342 どれだけ心強いか 286 00:16:49,426 --> 00:16:50,260 あ… 287 00:16:51,553 --> 00:16:53,596 ごめんなさい 冬雪 288 00:16:53,680 --> 00:16:54,806 本当に 289 00:16:56,141 --> 00:16:58,727 でも もう少し 290 00:16:58,810 --> 00:17:01,187 あとは わたくしが何とかしますから 291 00:17:01,271 --> 00:17:03,606 それまで陛下をお願いします 292 00:17:07,402 --> 00:17:08,278 はい 293 00:17:11,406 --> 00:17:12,574 (玲琳)わたくしは 294 00:17:12,657 --> 00:17:15,326 なんと傲慢で 独りよがりだったのでしょう 295 00:17:15,994 --> 00:17:19,122 本来なら 黄麒宮 2番目の地位にある― 296 00:17:19,205 --> 00:17:22,333 黄 玲琳が 指揮を執るべき場面だったのに 297 00:17:22,959 --> 00:17:26,463 体を入れ替えられても さして焦らず 298 00:17:26,546 --> 00:17:31,092 それどころか のんきに 健康な体を喜んでいました 299 00:17:31,676 --> 00:17:36,014 夢のようだった入れ替わり生活は もう おしまい 300 00:17:36,681 --> 00:17:38,266 慧月様 301 00:17:38,349 --> 00:17:42,854 あなた様の意に沿わずとも 体を戻していただきます 302 00:17:42,937 --> 00:17:45,940 そして あなた様も含めて 303 00:17:46,024 --> 00:17:50,487 すべて この事態を わたくしが丸く収めてみせます! 304 00:17:52,739 --> 00:17:53,615 (玲琳:慧月の声)雛女様 305 00:17:53,698 --> 00:17:54,783 (慧月:玲琳の声)ハッ… 306 00:17:54,866 --> 00:17:56,785 わたくしでございます 307 00:17:56,868 --> 00:17:58,536 扉を お開けくださいませ 308 00:18:00,371 --> 00:18:01,790 (慧月:玲琳の声)あなたなの? 309 00:18:02,624 --> 00:18:04,667 他には誰かいて? 310 00:18:04,751 --> 00:18:07,796 (玲琳:慧月の声)いいえ わたくし1人でございます 311 00:18:07,879 --> 00:18:09,380 ハァ… 312 00:18:26,689 --> 00:18:29,400 (玲琳)乞巧節から9日ぶり 313 00:18:29,901 --> 00:18:34,823 (玲琳:慧月の声)ようやく 慧月様と直接 お会いできました 314 00:18:34,906 --> 00:18:37,826 単刀直入に申し上げます 315 00:18:37,909 --> 00:18:39,327 入れ替わりを今 316 00:18:39,410 --> 00:18:41,287 解消してくださいませ 317 00:18:42,914 --> 00:18:48,211 本当は 慧月様の望むかぎり 時間をかけたかったのですが 318 00:18:48,294 --> 00:18:49,712 状況が変わりました 319 00:18:49,796 --> 00:18:50,839 (慧月:玲琳の声)え? 320 00:18:50,922 --> 00:18:54,467 (玲琳:慧月の声)皇后陛下が 蠱毒で お倒れになったのです 321 00:18:54,551 --> 00:18:55,593 ハッ… 322 00:18:55,677 --> 00:18:59,097 なので わたくしは 元の姿に急ぎ戻って 323 00:18:59,180 --> 00:19:00,473 救いたいのです 324 00:19:01,182 --> 00:19:03,059 そうだったの 325 00:19:03,142 --> 00:19:06,980 じゃあ やっぱり 朱貴妃様の真の目的は 326 00:19:07,063 --> 00:19:09,691 皇后陛下の暗殺だったのね 327 00:19:09,774 --> 00:19:11,317 (玲琳:慧月の声) ですから わたくしは 328 00:19:11,401 --> 00:19:15,488 一刻も早く 破魔の弓を引いて 呪いを祓いたいのです 329 00:19:16,072 --> 00:19:20,660 ですが 殿下は 朱 慧月に弓を貸してくださらない 330 00:19:20,743 --> 00:19:23,746 だから 今すぐ 元の体に戻って 331 00:19:23,830 --> 00:19:27,083 陛下の姪(めい)として 弓を貸していただきたいのです! 332 00:19:27,166 --> 00:19:28,001 あっ… 333 00:19:28,084 --> 00:19:30,503 ちょっと! 何なの その血は 334 00:19:30,587 --> 00:19:31,629 あ… 335 00:19:31,713 --> 00:19:35,133 お体を傷つけてしまって 申し訳ございません 336 00:19:35,216 --> 00:19:38,011 少しばかり 弓を引きすぎてしまって 337 00:19:38,094 --> 00:19:39,220 あ… 338 00:19:39,304 --> 00:19:42,181 そもそも なんで あなたが引くの? 339 00:19:42,265 --> 00:19:43,099 (玲琳:慧月の声)え? 340 00:19:43,182 --> 00:19:45,810 そんなの 武官に やらせればいいでしょう? 341 00:19:45,894 --> 00:19:49,022 たしか 神器は玄(げん)家の管轄だし 342 00:19:49,105 --> 00:19:51,441 鷲官長も玄家の血筋 343 00:19:51,524 --> 00:19:55,862 彼に引いてもらったほうが 弦音も さえるのではなくて? 344 00:19:55,945 --> 00:19:57,947 (玲琳:慧月の声)慧月様… 345 00:19:58,031 --> 00:19:59,032 何よ 346 00:19:59,115 --> 00:20:00,533 (玲琳:慧月の声)そ… 347 00:20:01,117 --> 00:20:03,369 そのとおりですね 348 00:20:03,453 --> 00:20:06,497 自分が何とかせねばと思い込んで 349 00:20:06,581 --> 00:20:10,668 全部 わたくしが 解決してみせると意気込んで 350 00:20:10,752 --> 00:20:12,879 そんな思い込みのもと 351 00:20:12,962 --> 00:20:16,549 殿下に 啖呵(たんか)を 切ってしまったのですね 352 00:20:16,633 --> 00:20:19,177 莉莉にも見得(みえ)を切って… 353 00:20:19,260 --> 00:20:22,889 これが いわゆる 空回りというもの… 354 00:20:22,972 --> 00:20:24,599 (慧月:玲琳の声)急に何よ! 355 00:20:24,682 --> 00:20:27,644 (玲琳:慧月の声) 申し訳ございません 慧月様 356 00:20:27,727 --> 00:20:30,021 人生最大規模の羞恥心で 357 00:20:30,104 --> 00:20:33,191 身動きが 取れずにいるところでございます 358 00:20:33,274 --> 00:20:34,651 (慧月:玲琳の声)うう… 359 00:20:34,734 --> 00:20:39,697 あなた 変なところで びっくりするほど打たれ弱いわね 360 00:20:40,448 --> 00:20:44,452 大体 対処のしかたが なまぬるいのよ 361 00:20:44,535 --> 00:20:47,997 呪われたから 呪いを散らすために弓を引く? 362 00:20:48,081 --> 00:20:53,586 そんなの 飛んでいる蚊を 手で一時的に追い払うのと一緒 363 00:20:53,670 --> 00:20:56,005 何の解決にもなっていないわ 364 00:20:56,089 --> 00:20:56,923 (玲琳:慧月の声)え? 365 00:20:57,006 --> 00:21:00,009 呪われたなら 呪いで返さなきゃ 366 00:21:00,093 --> 00:21:01,511 ハッ… 367 00:21:01,594 --> 00:21:04,138 呪いで返すということは 368 00:21:04,222 --> 00:21:08,017 この場合 朱貴妃様を 害することになるのでは? 369 00:21:08,893 --> 00:21:11,604 慧月様は それでよいのですか? 370 00:21:12,939 --> 00:21:15,650 呪いというのは そういうものよ 371 00:21:16,484 --> 00:21:17,819 とはいえ 372 00:21:17,902 --> 00:21:20,905 毒をもって毒を制すならば まず… 373 00:21:21,489 --> 00:21:25,868 蠱毒を作るための虫から 集めなくてはならないのだけど… 374 00:21:25,952 --> 00:21:29,497 それじゃ 完成まで 数日かかってしまうわね 375 00:21:29,998 --> 00:21:30,915 (玲琳:慧月の声)え? 376 00:21:30,999 --> 00:21:32,333 あの… 377 00:21:32,417 --> 00:21:36,087 共食いを生き残った虫さんが あればよいのですか? 378 00:21:36,170 --> 00:21:37,547 ええ 379 00:21:37,630 --> 00:21:41,092 でも 貴妃様の蠱毒は クモのようだから 380 00:21:41,175 --> 00:21:44,929 クモを捕食できるような 大型の虫が必要だけど 381 00:21:45,013 --> 00:21:46,431 (玲琳:慧月の声)ハッ! 382 00:21:46,514 --> 00:21:48,307 入れ物が足りないから 383 00:21:48,391 --> 00:21:50,768 クモさんとムカデさんは 一緒にどうぞ 384 00:21:50,852 --> 00:21:53,062 そんなことしたら 食い合うぞ! 385 00:21:53,146 --> 00:21:54,522 (玲琳:慧月の声) 慧月様 参りましょう! 386 00:21:54,522 --> 00:21:54,939 (玲琳:慧月の声) 慧月様 参りましょう! 387 00:21:54,522 --> 00:21:54,939 (慧月・玲琳の声) な… 何なの? 388 00:21:54,939 --> 00:21:55,982 (慧月・玲琳の声) な… 何なの? 389 00:21:56,065 --> 00:21:57,859 ご説明は道々 390 00:21:57,942 --> 00:21:59,444 裏口から突破しますよ! 391 00:21:59,527 --> 00:22:01,446 (慧月:玲琳の声) えっ ちょ… ちょっと! 392 00:22:04,532 --> 00:22:05,950 (尭明)気が乱れている 393 00:22:06,034 --> 00:22:07,952 (宦官)殿下 ここは危険です! 394 00:22:08,036 --> 00:22:11,122 (宦官)皇太子として あるべき場所に早くお戻りを! 395 00:22:14,751 --> 00:22:15,668 (玲琳)伯母様 396 00:22:15,752 --> 00:22:17,587 今 お助けします 397 00:22:17,670 --> 00:22:19,380 待っていてください 398 00:22:19,964 --> 00:22:24,969 ♪~ 399 00:23:44,006 --> 00:23:49,011 ~♪