1 00:00:07,324 --> 00:00:08,450 (爆撃機の飛行音) 2 00:00:08,450 --> 00:00:09,743 (爆撃機の飛行音) 3 00:00:08,450 --> 00:00:09,743 (修道女)ん? はっ! 4 00:00:09,743 --> 00:00:12,746 (爆撃機の飛行音) 5 00:00:23,590 --> 00:00:25,592 (悲鳴) 6 00:00:27,469 --> 00:00:29,429 (修道女) やめて! ここには ケガ人しか… 7 00:00:34,768 --> 00:00:37,145 (修道女)うっう… はっ! 8 00:00:37,646 --> 00:00:40,649 (人々のせき込み) 9 00:00:41,775 --> 00:00:47,072 (修道女)呪われろ 呪われろ 呪われろ 呪われろ 呪われろ… 10 00:00:47,197 --> 00:00:48,907 呪われろ 呪われろ! 11 00:00:49,032 --> 00:00:50,575 呪われろ! 12 00:00:51,034 --> 00:00:53,954 (修道女たち) 呪われろ 呪われろ 呪われろ… 13 00:00:55,997 --> 00:00:57,541 おお… 14 00:01:01,253 --> 00:01:02,879 (ドイツ兵)うわあっ! (ドイツ兵)はっ! 15 00:01:04,214 --> 00:01:05,423 (ドイツ兵)ひいっ! 16 00:01:05,841 --> 00:01:07,259 うわあ! 17 00:01:08,009 --> 00:01:09,177 (修道女たち)おお! 18 00:01:10,178 --> 00:01:12,139 (ドイツ兵)うう… あっ ああ! 19 00:01:17,435 --> 00:01:19,771 (修道女たちの笑い声) 20 00:01:20,021 --> 00:01:23,024 ウフフフ… ハハハハ 21 00:01:23,525 --> 00:01:28,530 ♪~ 22 00:02:48,026 --> 00:02:53,031 ~♪ 23 00:02:53,990 --> 00:02:54,950 (一弥(かずや))〝一弥よ〞 24 00:02:55,075 --> 00:02:56,952 〝かの国へと お前が留学し―〞 25 00:02:57,077 --> 00:02:58,787 〝はや半年余りが経つ〞 26 00:02:59,454 --> 00:03:01,748 “学園より報告が届いた” 27 00:03:01,873 --> 00:03:05,627 “聞けば なかなか優秀な成績を 収めているとのこと” 28 00:03:05,752 --> 00:03:07,671 (アブリル)あっ 褒められた 29 00:03:07,796 --> 00:03:11,091 “だが お前は 国を背負って旅立った身” 30 00:03:11,216 --> 00:03:15,428 “慢心せず より一層 精進に励むよう…” 31 00:03:15,679 --> 00:03:18,682 あらら… 厳しいね お父さん 32 00:03:19,015 --> 00:03:20,058 (一弥)うん 33 00:03:20,183 --> 00:03:22,602 (アブリル) 久城(くじょう)君は やっぱり その… 34 00:03:22,727 --> 00:03:25,188 お国に帰ったら軍人さんになるの? 35 00:03:25,313 --> 00:03:26,439 (一弥)まあね 36 00:03:26,564 --> 00:03:29,442 ちっちゃな頃から ずっと言い聞かされてきたから 37 00:03:30,068 --> 00:03:31,403 (一弥)けど… 38 00:03:34,364 --> 00:03:35,657 ア… アブリルは? 39 00:03:35,782 --> 00:03:37,450 前に言ってたよね 確か… 40 00:03:37,826 --> 00:03:39,369 うん 冒険家 41 00:03:39,494 --> 00:03:41,997 おじいちゃんみたいに 世界中を旅して回るの! 42 00:03:42,122 --> 00:03:43,039 すてきだね 43 00:03:43,164 --> 00:03:44,040 (アブリル)フフ… 44 00:03:44,165 --> 00:03:46,626 あっ おいしそうなお菓子! 45 00:03:46,960 --> 00:03:47,961 フフ 46 00:03:48,795 --> 00:03:50,213 (一弥)う~ん… 47 00:03:50,588 --> 00:03:52,966 やっぱり 洋なしのタルトかな? 48 00:03:53,591 --> 00:03:56,219 随分 真剣だね 久城君 49 00:03:56,344 --> 00:03:59,055 うん ヴィクトリカは 甘い物にうるさいから― 50 00:03:59,180 --> 00:04:01,683 機嫌を損ねたら お仕置きのフルコースだよ 51 00:04:02,225 --> 00:04:03,685 お仕置き? 52 00:04:04,102 --> 00:04:05,353 う~ん 53 00:04:09,274 --> 00:04:12,277 ヴィクトリカ! あのね お土産があるんだけど… 54 00:04:16,364 --> 00:04:17,532 ああ… 55 00:04:18,158 --> 00:04:20,910 お~い ヴィクトリカ~! 56 00:04:21,619 --> 00:04:23,663 いるんだろ? 57 00:04:29,919 --> 00:04:31,171 ん? 58 00:04:31,296 --> 00:04:32,172 あっ 59 00:04:37,052 --> 00:04:38,303 ヴィクトリカの… 60 00:04:40,889 --> 00:04:42,849 (走る足音) 61 00:04:49,606 --> 00:04:51,566 (一弥)いない ここにも… 62 00:04:52,692 --> 00:04:54,319 ここにも… 63 00:05:01,826 --> 00:05:03,370 まさか… 64 00:05:03,703 --> 00:05:06,414 (足音) 65 00:05:06,539 --> 00:05:07,832 (セシル)あっ 久城君… 66 00:05:07,999 --> 00:05:09,959 先生! ヴィクトリカは? 67 00:05:11,920 --> 00:05:12,921 あのね― 68 00:05:13,046 --> 00:05:17,384 ゆうべ遅く 警部さんが お父様の部下の方と一緒に見えて… 69 00:05:17,884 --> 00:05:19,010 ブロワ侯爵の! 70 00:05:19,302 --> 00:05:22,222 遠くの… 修道院に移送するって 71 00:05:22,597 --> 00:05:25,016 (一弥)どうして こんな急に… 72 00:05:25,141 --> 00:05:26,935 分からないの 全然 73 00:05:27,060 --> 00:05:30,021 でも 久城君にって ヴィクトリカさんがこれを… 74 00:05:30,480 --> 00:05:31,648 あっ… 75 00:05:32,065 --> 00:05:33,400 ヴィクトリカさん― 76 00:05:33,525 --> 00:05:36,820 “ちょっと待ちたまえ”って 宣言して それを… 77 00:05:37,654 --> 00:05:42,158 気丈に振る舞ってたけど お目々に涙いっぱいためてた 78 00:05:42,909 --> 00:05:46,704 それで 書き終えると 自分から出ていって… 79 00:05:46,830 --> 00:05:49,874 (セシルの泣き声) 80 00:05:50,333 --> 00:05:51,584 (鼻をかむ音) 81 00:05:52,502 --> 00:05:54,045 ヴィクトリカ… 82 00:05:55,171 --> 00:05:57,340 (グレヴィール) 仰せのとおりにいたしました 父上 83 00:05:57,465 --> 00:06:00,218 しかし この移送は時期尚早では… 84 00:06:00,552 --> 00:06:02,637 (ブロワ侯爵) 情でも移ったのかね? 85 00:06:02,762 --> 00:06:05,473 “心弱きは真理になど至れぬ” 86 00:06:05,598 --> 00:06:07,642 そう教えたはずだが? 87 00:06:07,767 --> 00:06:10,061 (グレヴィール) い… いえ 私は決して 88 00:06:10,186 --> 00:06:14,899 (ブロワ侯爵) 多少のリスクを冒しても 我々には あれが必要なのだ 89 00:06:15,024 --> 00:06:15,859 (ヴィクトリカのせき) 90 00:06:18,528 --> 00:06:20,864 (教師) え~ この問題を解ける者? 91 00:06:20,989 --> 00:06:21,865 (一弥)はい 92 00:06:25,160 --> 00:06:27,495 よろしい 戻りたまえ 93 00:06:27,620 --> 00:06:29,747 では 次の問題を… 94 00:06:29,873 --> 00:06:31,916 (教師)ん? (生徒)聞こえてんのか? 95 00:06:32,041 --> 00:06:34,878 あっ! き… 君! 席へ戻りたまえ 96 00:06:35,003 --> 00:06:37,172 (生徒)あいつ 大丈夫か? 97 00:06:37,964 --> 00:06:40,758 (アブリル) そっか ヴィクトリカさんが… 98 00:06:40,884 --> 00:06:41,718 (一弥)うん 99 00:06:41,843 --> 00:06:45,180 警察署に行っても ブロワ警部は ずっと留守だし… 100 00:06:45,638 --> 00:06:47,223 きっと大丈夫よ 101 00:06:47,348 --> 00:06:51,060 だって ヴィクトリカさんと 修道院なんて 全然 似合わないもの 102 00:06:51,186 --> 00:06:54,564 すぐ飛び出して帰ってくるよ 甘い物 食べに 103 00:06:54,689 --> 00:06:57,692 それに お父さんと一緒なら 心配しなくても… 104 00:06:57,817 --> 00:07:00,695 だから心配なんだよ 余計に 105 00:07:01,237 --> 00:07:03,406 あっ ご… ごめん 106 00:07:03,531 --> 00:07:06,242 うん… 私のほうこそ 107 00:07:07,368 --> 00:07:09,787 ありがとう また あしたね 108 00:07:12,123 --> 00:07:13,750 あのさ 久城君 109 00:07:16,252 --> 00:07:18,004 久城君… 110 00:07:23,051 --> 00:07:23,885 “バカ”? 111 00:07:24,010 --> 00:07:28,056 “バカ”って何だよ こんな時まで 減らず口ばっかり… 112 00:07:28,306 --> 00:07:31,184 泣くほどイヤなら 素直に言えばいいじゃないか― 113 00:07:31,309 --> 00:07:32,810 “助けて”って 114 00:07:42,278 --> 00:07:44,489 君は今 どこに? 115 00:07:44,656 --> 00:07:47,033 (ヴィクトリカ) 君は 私を見つけられないのか? 116 00:07:47,158 --> 00:07:48,368 (一弥)はっ! 117 00:07:53,706 --> 00:07:55,208 ヴィクトリカ… 118 00:07:56,876 --> 00:07:57,961 (ヴィクトリカ)バカ 119 00:08:00,338 --> 00:08:01,381 うっ! 120 00:08:01,798 --> 00:08:05,843 (足音) 121 00:08:09,305 --> 00:08:12,850 (一弥)う~ん よし! 122 00:08:15,562 --> 00:08:16,771 これで ひととおり… 123 00:08:16,896 --> 00:08:17,814 (グレヴィール)違う 124 00:08:17,939 --> 00:08:20,525 そのパニエは そっちの ふわふわドレス専用だ 125 00:08:20,942 --> 00:08:21,818 (一弥)警部! 126 00:08:21,943 --> 00:08:24,362 まさか あれを捜しに 出るつもりかね? 127 00:08:24,487 --> 00:08:25,780 手がかりもなしに? 128 00:08:26,364 --> 00:08:29,617 君は もう少し賢明な子リスかと 思っていたが 129 00:08:29,742 --> 00:08:31,536 教えてください ヴィクトリカは? 130 00:08:31,828 --> 00:08:35,164 灰色狼(はいいろおおかみ)の命のともし火は 消えかかっている 131 00:08:35,290 --> 00:08:36,249 移送されて以来― 132 00:08:36,374 --> 00:08:40,211 食事もせず 書物も読まず もはや ほえもしない 133 00:08:40,378 --> 00:08:41,212 なっ… 134 00:08:41,337 --> 00:08:42,672 (グレヴィール) あれは もしかすると― 135 00:08:42,797 --> 00:08:46,384 限られた条件でしか生きられぬ 異形のものなのかもしれん 136 00:08:47,051 --> 00:08:49,304 ならば せめて 荷物だけでも送ってやろうと― 137 00:08:49,429 --> 00:08:50,888 こうして立ち寄ったが… 138 00:08:51,639 --> 00:08:53,474 幸い 間もなく満月 139 00:08:53,600 --> 00:08:56,227 これさえあれば 君でも あそこに入れるだろう 140 00:08:56,352 --> 00:08:57,437 あそこ? 141 00:08:57,854 --> 00:08:59,856 “ベルゼブブの頭蓋”だよ 142 00:08:59,981 --> 00:09:02,734 灰色狼は その奥深くに 捕らわれている 143 00:09:03,109 --> 00:09:04,277 あ… 144 00:09:04,777 --> 00:09:06,779 (セシル)え~ おっほん 145 00:09:06,904 --> 00:09:10,283 久城君は 一身上の都合で しばらくお休みで~す 146 00:09:10,617 --> 00:09:12,535 (生徒) また事件を起こしたんじゃ? 147 00:09:10,617 --> 00:09:12,535 (セシル)で… でも ご心配は無用 148 00:09:12,660 --> 00:09:14,203 (生徒)不吉なことばかりね 149 00:09:12,660 --> 00:09:14,203 2~3日中には たぶん… 150 00:09:14,495 --> 00:09:16,956 いえ 必ず… あっ… 151 00:09:17,290 --> 00:09:18,958 (生徒) 連れ去られたんじゃないの? 152 00:09:22,920 --> 00:09:24,631 (グレヴィール)リトアニア沿岸 153 00:09:24,756 --> 00:09:28,843 中世のいにしえより現代まで続く 人里離れた修道院 154 00:09:29,427 --> 00:09:31,471 それが“ベルゼブブの頭蓋”だ 155 00:09:31,596 --> 00:09:35,475 かの国と我らソヴュールは 長く同盟関係にある 156 00:09:35,808 --> 00:09:38,227 あそこは 灰色狼を おとなしくさせておくのに― 157 00:09:38,353 --> 00:09:40,229 うってつけの場所だったのだが… 158 00:09:40,355 --> 00:09:41,814 (一弥)なぜ そんな所へ? 159 00:09:41,939 --> 00:09:43,399 我々は ある目的から― 160 00:09:43,524 --> 00:09:46,235 とある人物を おびき寄せる必要があった 161 00:09:46,361 --> 00:09:49,656 そのために どうしても 灰色狼が必要だったのだ 162 00:09:50,031 --> 00:09:51,616 ある人物? 163 00:09:51,741 --> 00:09:55,662 久城君 我々は あれが自由になっても困るが― 164 00:09:55,787 --> 00:09:58,831 かといって 死なれても なおさら困るのだよ 165 00:09:59,248 --> 00:10:01,334 父上は 意に介していないが 166 00:10:01,459 --> 00:10:03,294 しかし 今のままでは いずれ… 167 00:10:03,419 --> 00:10:04,837 (一弥)分かりました 168 00:10:05,296 --> 00:10:07,340 迎えに行きます 僕が 169 00:10:09,175 --> 00:10:12,136 でも あなたや ブロワ侯爵のためじゃない 170 00:10:12,261 --> 00:10:14,347 僕は… 僕はヴィクトリカの… 171 00:10:14,722 --> 00:10:16,099 友達だから 172 00:10:18,184 --> 00:10:21,187 (汽笛) 173 00:10:21,938 --> 00:10:22,814 (発車のベル) 174 00:10:22,814 --> 00:10:26,234 (発車のベル) 175 00:10:22,814 --> 00:10:26,234 (車掌) オールド・マスカレード号に ご乗車の方は お急ぎを 176 00:10:26,234 --> 00:10:26,359 (発車のベル) 177 00:10:26,359 --> 00:10:28,528 (発車のベル) 178 00:10:26,359 --> 00:10:28,528 間もなく発車いたします 179 00:10:45,253 --> 00:10:47,630 どうも ご一緒します 180 00:10:48,506 --> 00:10:50,633 (ハント) おや? 東洋のキュートな少年 181 00:10:50,758 --> 00:10:52,343 君も ベルゼブブの頭蓋に? 182 00:10:53,469 --> 00:10:54,345 はい… 183 00:10:54,721 --> 00:10:57,348 その若さでファンタスマゴリアに 招かれるとは― 184 00:10:57,473 --> 00:10:59,267 君も隅に置けないね 185 00:10:59,392 --> 00:11:00,476 (一弥)ファンタス…? 186 00:11:00,601 --> 00:11:03,646 またまた これだよ 187 00:11:04,230 --> 00:11:06,065 あの修道院では 月に一度― 188 00:11:06,190 --> 00:11:08,609 満月の夜に 秘密の夜会が開かれている 189 00:11:08,735 --> 00:11:09,569 それが… 190 00:11:09,694 --> 00:11:10,862 ファンタスマゴリア! 191 00:11:10,987 --> 00:11:12,530 (ハント)いかにも 192 00:11:12,655 --> 00:11:15,116 まあ 一種のショーのようなものさ 193 00:11:15,241 --> 00:11:18,953 宙を舞うゴースト 箱の中で消える男― 194 00:11:19,078 --> 00:11:22,623 ヨーロッパ中から集められた いにしえの魔術師たち 195 00:11:23,082 --> 00:11:25,793 この20世紀に 時代遅れ極まりないが― 196 00:11:25,918 --> 00:11:27,378 何しろショーの会場係は― 197 00:11:27,503 --> 00:11:30,506 なまめかしい美女ばかり といううわさだ 198 00:11:30,631 --> 00:11:32,758 ねえ ご老人 あなたも 199 00:11:32,884 --> 00:11:35,136 (老人)黙れ 罰(ばち)当たりが (ハント)ん? 200 00:11:35,470 --> 00:11:38,264 わしはただ 娘に会いに行くだけだ 201 00:11:38,681 --> 00:11:41,517 あっ なるほど 修道女さんなんですね 202 00:11:41,642 --> 00:11:42,685 それで はるばる 203 00:11:44,061 --> 00:11:47,190 (老人)黒い髪 黒い瞳 204 00:11:47,315 --> 00:11:50,193 まるで言い伝えにある 死に神のごときだな 205 00:11:50,318 --> 00:11:51,194 (一弥)えっ? 206 00:11:51,652 --> 00:11:53,154 (ハント) なるほど あの修道院は― 207 00:11:53,279 --> 00:11:56,574 中世の黒死病流行の折に 建てられたのだよ 208 00:11:56,699 --> 00:11:59,827 当時の人々は病を 真っ黒な死に神に見立てて… 209 00:11:59,952 --> 00:12:01,829 よ… よしてくださいよ! 210 00:12:01,954 --> 00:12:03,164 そりゃあ 確かに― 211 00:12:03,289 --> 00:12:06,292 僕も学園では“死に神”なんて 呼ばれてるけど 212 00:12:06,417 --> 00:12:07,710 でも… 213 00:12:07,835 --> 00:12:09,003 (老人)ふん… (ハント)ハハハ 214 00:12:09,670 --> 00:12:11,255 少年 ええと… 215 00:12:11,380 --> 00:12:12,632 (一弥)久城一弥です 216 00:12:12,757 --> 00:12:14,258 サイモン・ハントだ 217 00:12:14,383 --> 00:12:17,345 ソヴレムで とある大手の 時計メーカーに勤めている 218 00:12:17,762 --> 00:12:20,473 もし 時計のご購入をお考えなら どうぞ 219 00:12:20,598 --> 00:12:21,807 安くしとくよ 220 00:12:21,933 --> 00:12:24,685 は… はあ… よろしく 221 00:12:24,810 --> 00:12:27,230 (汽笛) 222 00:12:34,612 --> 00:12:37,281 ダメだ どうにも寝つけないや 223 00:12:37,406 --> 00:12:38,282 (ドアが閉まる音) (一弥)ん? 224 00:12:39,992 --> 00:12:42,578 あっ ブライアン・ロスコー!? 225 00:12:50,461 --> 00:12:51,754 (羽ばたく音) 226 00:12:51,879 --> 00:12:52,964 (一弥)うわっ! 227 00:12:56,717 --> 00:12:58,594 はぁ… 228 00:13:02,056 --> 00:13:05,643 おかしいな 確かに ここに入ったのに… 229 00:13:08,187 --> 00:13:09,981 チェスドール? 230 00:13:12,318 --> 00:13:15,488 やっぱり この列車には ブライアンが? 231 00:13:16,697 --> 00:13:18,241 変な顔だなあ 232 00:13:20,326 --> 00:13:21,577 イテッ! うわあ! 233 00:13:22,119 --> 00:13:24,080 えっ!? どういうこと? 234 00:13:26,415 --> 00:13:27,833 機械? 235 00:13:28,501 --> 00:13:29,710 ん? 236 00:13:32,255 --> 00:13:35,841 こっちも… どういう仕掛けで勝手に動くんだ? 237 00:13:37,134 --> 00:13:39,679 でも ブライアンまで 来てるってことは… 238 00:13:40,221 --> 00:13:41,180 (一弥)間違いない 239 00:13:41,305 --> 00:13:44,517 この列車の行き着く先に 必ずヴィクトリカが… 240 00:13:49,230 --> 00:13:51,274 (汽笛) 241 00:13:53,192 --> 00:13:56,404 (一弥)結局 ブライアンは 見つからずじまいか… 242 00:13:56,571 --> 00:13:59,532 (ハント)ほう “落下させる聖(セント)マリアの怪”ですか 243 00:13:59,991 --> 00:14:03,703 (女性)今から10年前 1914年のことですわ 244 00:14:03,828 --> 00:14:07,707 ドイツ軍の飛行機に襲われた 当時のベルゼブブの頭蓋で 245 00:14:07,999 --> 00:14:09,333 知っていますよ 246 00:14:09,458 --> 00:14:13,838 空に巨大なマリア像が現れ 爆撃機隊を全滅させた 247 00:14:13,963 --> 00:14:14,880 しかし 当時は― 248 00:14:15,006 --> 00:14:18,175 ソヴュール王国の科学アカデミーが 工作活動のため― 249 00:14:18,301 --> 00:14:21,679 あそこを使っていたとの うわさもありますが… 250 00:14:21,971 --> 00:14:23,139 (一弥)アカデミー? 251 00:14:23,264 --> 00:14:26,350 確か ブロワ侯爵のオカルト省と 対立してる… 252 00:14:26,642 --> 00:14:27,810 眉唾でしょう? 253 00:14:27,935 --> 00:14:30,855 科学で説明のつく出来事では ありませんわ 254 00:14:31,230 --> 00:14:33,858 なるほど なるほど フフ… 255 00:14:34,358 --> 00:14:35,610 まあ 256 00:14:36,652 --> 00:14:39,030 (汽笛) (一弥)ん… あっ 257 00:14:42,491 --> 00:14:45,119 (一弥) 構うもんか ここまで来たんだ 258 00:14:45,244 --> 00:14:50,082 何が待ち受けようと 必ず助けるよ 君を… 259 00:14:54,128 --> 00:14:56,923 (汽笛) 260 00:14:57,048 --> 00:14:57,882 あっ 261 00:14:59,175 --> 00:15:01,260 あれが ベルゼブブの頭蓋 262 00:15:01,385 --> 00:15:02,303 (ハント)そのとおり 263 00:15:02,929 --> 00:15:03,763 どうだい? 264 00:15:03,888 --> 00:15:05,431 ハエの王 ベルゼブブに ちなんで― 265 00:15:05,556 --> 00:15:07,600 名付けられた理由が 分かるだろう? 266 00:15:07,725 --> 00:15:10,770 (一弥)ええ 確かに ハエの頭そっくりです 267 00:15:12,855 --> 00:15:14,857 (汽笛) 268 00:15:19,528 --> 00:15:21,530 (車掌)皆様 お疲れさまでした 269 00:15:21,656 --> 00:15:24,158 こちらが当列車の終点にございます 270 00:15:24,367 --> 00:15:27,078 明朝 日の出には お迎えに参りますので― 271 00:15:27,203 --> 00:15:29,664 何とぞ お乗り遅れなきよう 272 00:15:33,084 --> 00:15:33,918 あっ 273 00:15:40,967 --> 00:15:43,219 少年 あちらを見てごらん 274 00:15:43,678 --> 00:15:44,762 あの水門が― 275 00:15:44,887 --> 00:15:47,431 海からベルゼブブの頭蓋を 守っている 276 00:15:47,556 --> 00:15:50,101 今夜は満潮 もし あれが開けば… 277 00:15:51,185 --> 00:15:52,603 (老人)ようやく… (一弥)ん? 278 00:15:53,354 --> 00:15:56,357 ようやく娘に再び会える 279 00:15:56,857 --> 00:15:57,984 ん… 280 00:16:08,828 --> 00:16:11,455 え? あ はい! 281 00:16:11,706 --> 00:16:14,500 あの 僕 友人を迎えに来たんです 282 00:16:14,625 --> 00:16:16,877 アルベール・ド・ブロワ侯爵の 娘で― 283 00:16:17,003 --> 00:16:18,963 ヴィクトリカという 女の子なんですが… 284 00:16:19,088 --> 00:16:20,172 あっ… 285 00:16:29,306 --> 00:16:30,224 (ドラの音) 286 00:16:30,391 --> 00:16:31,809 (美少女)魔術の夜へようこそ! 287 00:16:31,934 --> 00:16:33,853 (美少女)間もなく うたげが開幕いたします! 288 00:16:33,978 --> 00:16:35,146 (一弥)えっ!? えっ!? 289 00:16:35,271 --> 00:16:38,190 (けん騒) 290 00:16:38,983 --> 00:16:39,859 (招待客)わあ! 291 00:16:41,819 --> 00:16:44,196 あの… これって? 292 00:16:49,118 --> 00:16:51,996 (ロスコー) フン… 変わり果てたものだ 293 00:16:53,205 --> 00:16:57,334 前に俺がここを訪れたのは 1914年 294 00:16:57,460 --> 00:17:00,046 グレートウォーの 最中でのことだった 295 00:17:05,801 --> 00:17:07,720 (ロジェ) 君がブライアン・ロスコーだね 296 00:17:07,845 --> 00:17:08,679 ああ 297 00:17:08,929 --> 00:17:10,389 ようこそ 298 00:17:10,514 --> 00:17:13,601 私がソヴュール王国 科学アカデミーの主宰者― 299 00:17:13,726 --> 00:17:15,311 ジュピター・ロジェだ 300 00:17:17,605 --> 00:17:21,859 (ロジェ) 我々 科学アカデミーにとって この戦争は 敵国のみならず― 301 00:17:21,984 --> 00:17:23,944 オカルト省との戦いでもある 302 00:17:24,320 --> 00:17:26,155 我々は祖国発展のため― 303 00:17:26,280 --> 00:17:30,117 科学という新しい力を 積極的に取り入れようとしている 304 00:17:30,242 --> 00:17:32,328 それに対しオカルト省は… 305 00:17:32,453 --> 00:17:37,583 この大陸の古き力を用いて 新たな時代と渡り合おうとしている 306 00:17:37,750 --> 00:17:41,962 若き灰色狼の末えいよ 君はオカルト省の… 307 00:17:42,755 --> 00:17:44,965 オカルト省は俺の敵だ 308 00:17:45,091 --> 00:17:48,094 アルベール・ド・ブロワを 俺が許すことは決してない 309 00:17:48,511 --> 00:17:49,428 うむ… 310 00:17:49,553 --> 00:17:51,472 どうか その力を貸してくれ 311 00:17:51,597 --> 00:17:55,476 我々は奇術によって 工作活動をなしたいと考えている 312 00:17:55,851 --> 00:17:56,852 (ロスコー)ちょうどいい 313 00:17:56,977 --> 00:18:00,940 幸い 俺は うってつけの道具を携えていてね 314 00:18:01,232 --> 00:18:03,692 今世紀最大のペテン師― 315 00:18:03,818 --> 00:18:06,737 ブライアン・ロスコーの戦争を ご覧あれ 316 00:18:07,947 --> 00:18:11,575 (ロスコー) だが ロジェの狙いは無論 それのみではなかった 317 00:18:11,700 --> 00:18:14,912 やつらアカデミーが 真に欲していたのは… 318 00:18:15,204 --> 00:18:16,789 形見箱… 319 00:18:18,916 --> 00:18:22,628 あの“名も無き村”から 俺が持ち帰った秘密の箱 320 00:18:22,753 --> 00:18:24,713 必ず取り戻さねばならん 321 00:18:25,214 --> 00:18:26,215 たとえ そのために― 322 00:18:26,340 --> 00:18:29,468 か弱き小狼が 危機にひんしていようと 323 00:18:37,101 --> 00:18:38,394 参ったな 324 00:18:38,519 --> 00:18:40,980 この人混みじゃ ろくに身動き取れないよ 325 00:18:41,105 --> 00:18:42,189 (招待客)始まるぞ! 326 00:18:42,439 --> 00:18:44,400 (招待客) ファンタスマゴリアの開幕だ 327 00:18:45,693 --> 00:18:48,571 (歓声) 328 00:18:51,198 --> 00:18:53,450 (男性)ファンタスマゴリア! 329 00:18:53,576 --> 00:18:56,495 た… た~まや~ ハハ… 330 00:18:57,371 --> 00:18:58,247 ん? 331 00:19:00,457 --> 00:19:01,333 あっ! 332 00:19:04,086 --> 00:19:04,962 ヴィクトリカ! 333 00:19:16,432 --> 00:19:20,102 ハァ ハァ ハァ… 334 00:19:32,823 --> 00:19:33,657 あっ! 335 00:19:36,785 --> 00:19:37,620 ヴィクトリカ! 336 00:19:37,745 --> 00:19:39,705 ヴィクトリカなんだろ? 待ってよ! 337 00:19:44,376 --> 00:19:46,587 (一弥)ヴィクトリカ どうして? 338 00:19:47,379 --> 00:19:50,216 (一弥)ハァ ハァ ハァ… 339 00:19:53,761 --> 00:19:55,387 ハァ ハァ ハァ… 340 00:19:59,642 --> 00:20:02,728 ハァ ハァ ハァ… 341 00:20:03,979 --> 00:20:04,855 くっ! 342 00:20:05,272 --> 00:20:07,816 (一弥)幻なんかじゃない 確かに あれは… 343 00:20:07,942 --> 00:20:10,986 ハァ ハァ ハァ… 344 00:20:13,781 --> 00:20:16,825 (一弥の息切れ) 345 00:20:20,663 --> 00:20:22,414 行き止まり? 346 00:20:26,627 --> 00:20:27,586 うっ! 347 00:20:28,045 --> 00:20:28,921 あっ! 348 00:20:31,757 --> 00:20:32,925 (せき払い) 349 00:20:34,551 --> 00:20:35,427 入るよ 350 00:20:38,681 --> 00:20:41,892 ヴィクトリカ… ヴィクトリカだろ? 351 00:20:44,311 --> 00:20:45,479 ねえ 僕だよ 352 00:20:46,021 --> 00:20:46,897 (せき込み) 353 00:20:47,356 --> 00:20:51,443 僕だってば ヴィクトリカ 君 出てきなよ 354 00:20:51,568 --> 00:20:52,444 (くしゃみ) 355 00:20:52,569 --> 00:20:54,196 あれ? くしゃみした? 356 00:20:54,321 --> 00:20:55,572 寒いんじゃないかい? 357 00:20:55,698 --> 00:20:57,533 ほら 君の荷物… あっ 358 00:20:57,658 --> 00:20:59,034 (ヴィクトリカ)遅い… 359 00:20:59,410 --> 00:21:01,078 (一弥)ご ごめんよ でも… 360 00:21:01,203 --> 00:21:02,746 (ヴィクトリカ)バカ! 死ね! 361 00:21:02,871 --> 00:21:04,039 な… 何だよ? 362 00:21:04,164 --> 00:21:05,749 これでも精いっぱい急いで来た! 363 00:21:05,874 --> 00:21:08,085 言い訳するな! 364 00:21:12,715 --> 00:21:13,716 フッ 365 00:21:16,677 --> 00:21:20,264 でも こうして ちゃんと見つけただろ? 366 00:21:21,015 --> 00:21:22,182 (ヴィクトリカ)ぐじゃっ 367 00:21:29,732 --> 00:21:32,401 (ヴィクトリカ)久城 その赤すぐり色のドレスを取れ 368 00:21:32,526 --> 00:21:35,195 えっ これ? 369 00:21:35,404 --> 00:21:36,447 (ヴィクトリカ)違う! (一弥)うあっ! 370 00:21:36,572 --> 00:21:38,032 (ヴィクトリカ) それは 木いちご色だろう 371 00:21:38,157 --> 00:21:40,409 色の違いも分からぬか この大バカ 372 00:21:40,534 --> 00:21:42,369 (一弥)はいはい すみません 373 00:21:42,745 --> 00:21:44,663 (ヴィクトリカ) まったく 君という男は 374 00:21:45,122 --> 00:21:48,042 相変わらず バカな上に 不粋極まりないのだな 375 00:21:48,417 --> 00:21:51,795 フフ やっといつもの調子が 出てきたみたいだね 376 00:21:51,920 --> 00:21:54,089 でも さっきは なんで 逃げたりしたのさ? 377 00:21:54,214 --> 00:21:55,090 (ヴィクトリカ)は? 378 00:21:55,215 --> 00:21:58,135 “は?”じゃないよ 庭にいたろ 君 379 00:21:58,260 --> 00:21:59,678 だから 僕は追っかけて… 380 00:22:00,304 --> 00:22:02,514 (ヴィクトリカ)本当か? それは 381 00:22:02,639 --> 00:22:03,474 (一弥)ん? 382 00:22:03,599 --> 00:22:05,559 (ヴィクトリカ) 私は ずっとここにいた 383 00:22:05,684 --> 00:22:07,728 だから 君が見たのは別人だ 384 00:22:07,853 --> 00:22:09,438 (一弥)え じゃあ… 385 00:22:10,105 --> 00:22:13,859 恐らく 私の母 コルデリア・ギャロ 386 00:22:14,109 --> 00:22:15,152 えっ 387 00:22:23,410 --> 00:22:25,954 さて 役者はそろった 388 00:22:26,080 --> 00:22:29,500 月の光が人間どもの心を狂わす 389 00:22:29,625 --> 00:22:31,168 (コルデリア)魔術の夜は― 390 00:22:31,752 --> 00:22:33,629 まだ これからだ 391 00:22:34,379 --> 00:22:39,384 ♪~ 392 00:23:57,462 --> 00:24:02,467 ~♪ 393 00:24:04,887 --> 00:24:07,014 (一弥) やっと見つけたよ ヴィクトリカ 394 00:24:07,681 --> 00:24:10,100 (ヴィクトリカ) ああ 私はずっと― 395 00:24:10,350 --> 00:24:12,853 君に焦がれ続けていた 396 00:24:12,978 --> 00:24:15,939 クリームたっぷりの甘いお菓子を 397 00:24:16,064 --> 00:24:17,691 (一弥)お菓子!