1 00:00:08,258 --> 00:00:09,384 (爆撃機の飛行音) 2 00:00:09,384 --> 00:00:10,677 (爆撃機の飛行音) 3 00:00:09,384 --> 00:00:10,677 (修道女)ん? はっ! 4 00:00:10,677 --> 00:00:13,680 (爆撃機の飛行音) 5 00:00:24,524 --> 00:00:26,526 (悲鳴) 6 00:00:28,403 --> 00:00:30,363 (修道女) やめて! ここには ケガ人しか… 7 00:00:35,702 --> 00:00:38,079 (修道女)うっう… はっ! 8 00:00:38,580 --> 00:00:41,583 (人々のせき込み) 9 00:00:42,709 --> 00:00:48,006 (修道女)呪われろ 呪われろ 呪われろ 呪われろ 呪われろ… 10 00:00:48,131 --> 00:00:49,841 呪われろ 呪われろ! 11 00:00:49,966 --> 00:00:51,509 呪われろ! 12 00:00:51,968 --> 00:00:54,888 (修道女たち) 呪われろ 呪われろ 呪われろ… 13 00:00:56,931 --> 00:00:58,475 おお… 14 00:01:02,187 --> 00:01:03,813 (ドイツ兵)うわあっ! (ドイツ兵)はっ! 15 00:01:05,147 --> 00:01:06,357 (ドイツ兵)ひいっ! 16 00:01:06,775 --> 00:01:08,193 うわあ! 17 00:01:08,943 --> 00:01:10,111 (修道女たち)おお! 18 00:01:11,112 --> 00:01:13,073 (ドイツ兵)うう… あっ ああ! 19 00:01:18,369 --> 00:01:20,705 (修道女たちの笑い声) 20 00:01:20,955 --> 00:01:23,958 ウフフフ… ハハハハ 21 00:01:24,459 --> 00:01:29,464 ♪~ 22 00:02:48,960 --> 00:02:53,965 ~♪ 23 00:02:54,924 --> 00:02:55,884 (一弥(かずや))〝一弥よ〞 24 00:02:56,009 --> 00:02:57,886 〝かの国へと お前が留学し―〞 25 00:02:58,011 --> 00:02:59,721 〝はや半年余りが経つ〞 26 00:03:00,388 --> 00:03:02,682 “学園より報告が届いた” 27 00:03:02,807 --> 00:03:06,561 “聞けば なかなか優秀な成績を 収めているとのこと” 28 00:03:06,686 --> 00:03:08,605 (アブリル)あっ 褒められた 29 00:03:08,730 --> 00:03:12,025 “だが お前は 国を背負って旅立った身” 30 00:03:12,150 --> 00:03:16,362 “慢心せず より一層 精進に励むよう…” 31 00:03:16,613 --> 00:03:19,616 あらら… 厳しいね お父さん 32 00:03:19,949 --> 00:03:20,992 (一弥)うん 33 00:03:21,117 --> 00:03:23,536 (アブリル) 久城(くじょう)君は やっぱり その… 34 00:03:23,661 --> 00:03:26,122 お国に帰ったら軍人さんになるの? 35 00:03:26,247 --> 00:03:27,373 (一弥)まあね 36 00:03:27,498 --> 00:03:30,376 ちっちゃな頃から ずっと言い聞かされてきたから 37 00:03:31,002 --> 00:03:32,337 (一弥)けど… 38 00:03:35,298 --> 00:03:36,591 ア… アブリルは? 39 00:03:36,716 --> 00:03:38,384 前に言ってたよね 確か… 40 00:03:38,760 --> 00:03:40,303 うん 冒険家 41 00:03:40,428 --> 00:03:42,931 おじいちゃんみたいに 世界中を旅して回るの! 42 00:03:43,056 --> 00:03:43,973 すてきだね 43 00:03:44,098 --> 00:03:44,974 (アブリル)フフ… 44 00:03:45,099 --> 00:03:47,560 あっ おいしそうなお菓子! 45 00:03:47,894 --> 00:03:48,895 フフ 46 00:03:49,729 --> 00:03:51,147 (一弥)う~ん… 47 00:03:51,522 --> 00:03:53,900 やっぱり 洋なしのタルトかな? 48 00:03:54,525 --> 00:03:57,153 随分 真剣だね 久城君 49 00:03:57,278 --> 00:03:59,989 うん ヴィクトリカは 甘い物にうるさいから― 50 00:04:00,114 --> 00:04:02,617 機嫌を損ねたら お仕置きのフルコースだよ 51 00:04:03,159 --> 00:04:04,619 お仕置き? 52 00:04:05,036 --> 00:04:06,287 う~ん 53 00:04:10,208 --> 00:04:13,211 ヴィクトリカ! あのね お土産があるんだけど… 54 00:04:17,298 --> 00:04:18,466 ああ… 55 00:04:19,091 --> 00:04:21,844 お~い ヴィクトリカ~! 56 00:04:22,553 --> 00:04:24,597 いるんだろ? 57 00:04:30,853 --> 00:04:32,105 ん? 58 00:04:32,230 --> 00:04:33,106 あっ 59 00:04:37,986 --> 00:04:39,237 ヴィクトリカの… 60 00:04:41,823 --> 00:04:43,783 (走る足音) 61 00:04:50,540 --> 00:04:52,500 (一弥)いない ここにも… 62 00:04:53,626 --> 00:04:55,253 ここにも… 63 00:05:02,760 --> 00:05:04,304 まさか… 64 00:05:04,637 --> 00:05:07,348 (足音) 65 00:05:07,473 --> 00:05:08,766 (セシル)あっ 久城君… 66 00:05:08,933 --> 00:05:10,893 先生! ヴィクトリカは? 67 00:05:12,854 --> 00:05:13,855 あのね― 68 00:05:13,980 --> 00:05:18,318 ゆうべ遅く 警部さんが お父様の部下の方と一緒に見えて… 69 00:05:18,818 --> 00:05:19,944 ブロワ侯爵の! 70 00:05:20,236 --> 00:05:23,156 遠くの… 修道院に移送するって 71 00:05:23,531 --> 00:05:25,950 (一弥)どうして こんな急に… 72 00:05:26,075 --> 00:05:27,869 分からないの 全然 73 00:05:27,994 --> 00:05:30,955 でも 久城君にって ヴィクトリカさんがこれを… 74 00:05:31,414 --> 00:05:32,582 あっ… 75 00:05:32,999 --> 00:05:34,334 ヴィクトリカさん― 76 00:05:34,459 --> 00:05:37,754 “ちょっと待ちたまえ”って 宣言して それを… 77 00:05:38,588 --> 00:05:43,092 気丈に振る舞ってたけど お目々に涙いっぱいためてた 78 00:05:43,843 --> 00:05:47,638 それで 書き終えると 自分から出ていって… 79 00:05:47,764 --> 00:05:50,808 (セシルの泣き声) 80 00:05:51,267 --> 00:05:52,518 (鼻をかむ音) 81 00:05:53,436 --> 00:05:54,979 ヴィクトリカ… 82 00:05:56,105 --> 00:05:58,274 (グレヴィール) 仰せのとおりにいたしました 父上 83 00:05:58,399 --> 00:06:01,152 しかし この移送は時期尚早では… 84 00:06:01,486 --> 00:06:03,571 (ブロワ侯爵) 情でも移ったのかね? 85 00:06:03,696 --> 00:06:06,407 “心弱きは真理になど至れぬ” 86 00:06:06,532 --> 00:06:08,576 そう教えたはずだが? 87 00:06:08,701 --> 00:06:10,995 (グレヴィール) い… いえ 私は決して 88 00:06:11,120 --> 00:06:15,833 (ブロワ侯爵) 多少のリスクを冒しても 我々には あれが必要なのだ 89 00:06:15,958 --> 00:06:16,793 (ヴィクトリカのせき) 90 00:06:19,462 --> 00:06:21,798 (教師) え~ この問題を解ける者? 91 00:06:21,923 --> 00:06:22,799 (一弥)はい 92 00:06:26,094 --> 00:06:28,429 よろしい 戻りたまえ 93 00:06:28,554 --> 00:06:30,681 では 次の問題を… 94 00:06:30,807 --> 00:06:32,850 (教師)ん? (生徒)聞こえてんのか? 95 00:06:32,975 --> 00:06:35,812 あっ! き… 君! 席へ戻りたまえ 96 00:06:35,937 --> 00:06:38,106 (生徒)あいつ 大丈夫か? 97 00:06:38,898 --> 00:06:41,692 (アブリル) そっか ヴィクトリカさんが… 98 00:06:41,818 --> 00:06:42,652 (一弥)うん 99 00:06:42,777 --> 00:06:46,114 警察署に行っても ブロワ警部は ずっと留守だし… 100 00:06:46,572 --> 00:06:48,157 きっと大丈夫よ 101 00:06:48,282 --> 00:06:51,994 だって ヴィクトリカさんと 修道院なんて 全然 似合わないもの 102 00:06:52,120 --> 00:06:55,498 すぐ飛び出して帰ってくるよ 甘い物 食べに 103 00:06:55,623 --> 00:06:58,626 それに お父さんと一緒なら 心配しなくても… 104 00:06:58,751 --> 00:07:01,629 だから心配なんだよ 余計に 105 00:07:02,171 --> 00:07:04,340 あっ ご… ごめん 106 00:07:04,465 --> 00:07:07,176 うん… 私のほうこそ 107 00:07:08,302 --> 00:07:10,721 ありがとう また あしたね 108 00:07:13,057 --> 00:07:14,684 あのさ 久城君 109 00:07:17,186 --> 00:07:18,938 久城君… 110 00:07:23,985 --> 00:07:24,819 “バカ”? 111 00:07:24,944 --> 00:07:28,990 “バカ”って何だよ こんな時まで 減らず口ばっかり… 112 00:07:29,240 --> 00:07:32,118 泣くほどイヤなら 素直に言えばいいじゃないか― 113 00:07:32,243 --> 00:07:33,744 “助けて”って 114 00:07:43,212 --> 00:07:45,423 君は今 どこに? 115 00:07:45,590 --> 00:07:47,967 (ヴィクトリカ) 君は 私を見つけられないのか? 116 00:07:48,092 --> 00:07:49,302 (一弥)はっ! 117 00:07:54,640 --> 00:07:56,142 ヴィクトリカ… 118 00:07:57,810 --> 00:07:58,895 (ヴィクトリカ)バカ 119 00:08:01,272 --> 00:08:02,315 うっ! 120 00:08:02,732 --> 00:08:06,777 (足音) 121 00:08:10,239 --> 00:08:13,784 (一弥)う~ん よし! 122 00:08:16,496 --> 00:08:17,705 これで ひととおり… 123 00:08:17,830 --> 00:08:18,748 (グレヴィール)違う 124 00:08:18,873 --> 00:08:21,459 そのパニエは そっちの ふわふわドレス専用だ 125 00:08:21,876 --> 00:08:22,752 (一弥)警部! 126 00:08:22,877 --> 00:08:25,296 まさか あれを捜しに 出るつもりかね? 127 00:08:25,421 --> 00:08:26,714 手がかりもなしに? 128 00:08:27,298 --> 00:08:30,551 君は もう少し賢明な子リスかと 思っていたが 129 00:08:30,676 --> 00:08:32,470 教えてください ヴィクトリカは? 130 00:08:32,761 --> 00:08:36,097 灰色狼(はいいろおおかみ)の命のともし火は 消えかかっている 131 00:08:36,224 --> 00:08:37,183 移送されて以来― 132 00:08:37,308 --> 00:08:41,145 食事もせず 書物も読まず もはや ほえもしない 133 00:08:41,312 --> 00:08:42,145 なっ… 134 00:08:42,270 --> 00:08:43,606 (グレヴィール) あれは もしかすると― 135 00:08:43,731 --> 00:08:47,318 限られた条件でしか生きられぬ 異形のものなのかもしれん 136 00:08:47,985 --> 00:08:50,238 ならば せめて 荷物だけでも送ってやろうと― 137 00:08:50,363 --> 00:08:51,822 こうして立ち寄ったが… 138 00:08:52,573 --> 00:08:54,408 幸い 間もなく満月 139 00:08:54,534 --> 00:08:57,161 これさえあれば 君でも あそこに入れるだろう 140 00:08:57,286 --> 00:08:58,371 あそこ? 141 00:08:58,788 --> 00:09:00,790 “ベルゼブブの頭蓋”だよ 142 00:09:00,915 --> 00:09:03,668 灰色狼は その奥深くに 捕らわれている 143 00:09:04,043 --> 00:09:05,211 あ… 144 00:09:05,711 --> 00:09:07,713 (セシル)え~ おっほん 145 00:09:07,838 --> 00:09:11,217 久城君は 一身上の都合で しばらくお休みで~す 146 00:09:11,551 --> 00:09:13,469 (生徒) また事件を起こしたんじゃ? 147 00:09:11,551 --> 00:09:13,469 (セシル)で… でも ご心配は無用 148 00:09:13,594 --> 00:09:15,137 (生徒)不吉なことばかりね 149 00:09:13,594 --> 00:09:15,137 2~3日中には たぶん… 150 00:09:15,429 --> 00:09:17,890 いえ 必ず… あっ… 151 00:09:18,224 --> 00:09:19,892 (生徒) 連れ去られたんじゃないの? 152 00:09:23,854 --> 00:09:25,565 (グレヴィール)リトアニア沿岸 153 00:09:25,690 --> 00:09:29,777 中世のいにしえより現代まで続く 人里離れた修道院 154 00:09:30,361 --> 00:09:32,405 それが“ベルゼブブの頭蓋”だ 155 00:09:32,530 --> 00:09:36,409 かの国と我らソヴュールは 長く同盟関係にある 156 00:09:36,742 --> 00:09:39,161 あそこは 灰色狼を おとなしくさせておくのに― 157 00:09:39,287 --> 00:09:41,163 うってつけの場所だったのだが… 158 00:09:41,289 --> 00:09:42,748 (一弥)なぜ そんな所へ? 159 00:09:42,873 --> 00:09:44,333 我々は ある目的から― 160 00:09:44,458 --> 00:09:47,169 とある人物を おびき寄せる必要があった 161 00:09:47,295 --> 00:09:50,590 そのために どうしても 灰色狼が必要だったのだ 162 00:09:50,965 --> 00:09:52,550 ある人物? 163 00:09:52,675 --> 00:09:56,596 久城君 我々は あれが自由になっても困るが― 164 00:09:56,721 --> 00:09:59,765 かといって 死なれても なおさら困るのだよ 165 00:10:00,182 --> 00:10:02,268 父上は 意に介していないが 166 00:10:02,393 --> 00:10:04,228 しかし 今のままでは いずれ… 167 00:10:04,353 --> 00:10:05,771 (一弥)分かりました 168 00:10:06,230 --> 00:10:08,274 迎えに行きます 僕が 169 00:10:10,109 --> 00:10:13,070 でも あなたや ブロワ侯爵のためじゃない 170 00:10:13,195 --> 00:10:15,281 僕は… 僕はヴィクトリカの… 171 00:10:15,656 --> 00:10:17,033 友達だから 172 00:10:19,118 --> 00:10:22,121 (汽笛) 173 00:10:22,872 --> 00:10:23,748 (発車のベル) 174 00:10:23,748 --> 00:10:27,168 (発車のベル) 175 00:10:23,748 --> 00:10:27,168 (車掌) オールド・マスカレード号に ご乗車の方は お急ぎを 176 00:10:27,168 --> 00:10:27,293 (発車のベル) 177 00:10:27,293 --> 00:10:29,462 (発車のベル) 178 00:10:27,293 --> 00:10:29,462 間もなく発車いたします 179 00:10:46,187 --> 00:10:48,564 どうも ご一緒します 180 00:10:49,440 --> 00:10:51,567 (ハント) おや? 東洋のキュートな少年 181 00:10:51,692 --> 00:10:53,277 君も ベルゼブブの頭蓋に? 182 00:10:54,403 --> 00:10:55,279 はい… 183 00:10:55,655 --> 00:10:58,282 その若さでファンタスマゴリアに 招かれるとは― 184 00:10:58,407 --> 00:11:00,201 君も隅に置けないね 185 00:11:00,326 --> 00:11:01,410 (一弥)ファンタス…? 186 00:11:01,535 --> 00:11:04,580 またまた これだよ 187 00:11:05,164 --> 00:11:06,999 あの修道院では 月に一度― 188 00:11:07,124 --> 00:11:09,543 満月の夜に 秘密の夜会が開かれている 189 00:11:09,669 --> 00:11:10,503 それが… 190 00:11:10,628 --> 00:11:11,796 ファンタスマゴリア! 191 00:11:11,921 --> 00:11:13,464 (ハント)いかにも 192 00:11:13,589 --> 00:11:16,050 まあ 一種のショーのようなものさ 193 00:11:16,175 --> 00:11:19,887 宙を舞うゴースト 箱の中で消える男― 194 00:11:20,012 --> 00:11:23,557 ヨーロッパ中から集められた いにしえの魔術師たち 195 00:11:24,016 --> 00:11:26,727 この20世紀に 時代遅れ極まりないが― 196 00:11:26,852 --> 00:11:28,312 何しろショーの会場係は― 197 00:11:28,437 --> 00:11:31,440 なまめかしい美女ばかり といううわさだ 198 00:11:31,565 --> 00:11:33,692 ねえ ご老人 あなたも 199 00:11:33,818 --> 00:11:36,070 (老人)黙れ 罰(ばち)当たりが (ハント)ん? 200 00:11:36,404 --> 00:11:39,198 わしはただ 娘に会いに行くだけだ 201 00:11:39,615 --> 00:11:42,451 あっ なるほど 修道女さんなんですね 202 00:11:42,576 --> 00:11:43,619 それで はるばる 203 00:11:44,995 --> 00:11:48,124 (老人)黒い髪 黒い瞳 204 00:11:48,249 --> 00:11:51,127 まるで言い伝えにある 死に神のごときだな 205 00:11:51,252 --> 00:11:52,128 (一弥)えっ? 206 00:11:52,586 --> 00:11:54,088 (ハント) なるほど あの修道院は― 207 00:11:54,213 --> 00:11:57,508 中世の黒死病流行の折に 建てられたのだよ 208 00:11:57,633 --> 00:12:00,761 当時の人々は病を 真っ黒な死に神に見立てて… 209 00:12:00,886 --> 00:12:02,763 よ… よしてくださいよ! 210 00:12:02,888 --> 00:12:04,098 そりゃあ 確かに― 211 00:12:04,223 --> 00:12:07,226 僕も学園では“死に神”なんて 呼ばれてるけど 212 00:12:07,351 --> 00:12:08,644 でも… 213 00:12:08,769 --> 00:12:09,937 (老人)ふん… (ハント)ハハハ 214 00:12:10,604 --> 00:12:12,189 少年 ええと… 215 00:12:12,314 --> 00:12:13,566 (一弥)久城一弥です 216 00:12:13,691 --> 00:12:15,192 サイモン・ハントだ 217 00:12:15,317 --> 00:12:18,279 ソヴレムで とある大手の 時計メーカーに勤めている 218 00:12:18,696 --> 00:12:21,407 もし 時計のご購入をお考えなら どうぞ 219 00:12:21,532 --> 00:12:22,741 安くしとくよ 220 00:12:22,867 --> 00:12:25,619 は… はあ… よろしく 221 00:12:25,744 --> 00:12:28,164 (汽笛) 222 00:12:35,546 --> 00:12:38,215 ダメだ どうにも寝つけないや 223 00:12:38,340 --> 00:12:39,216 (ドアが閉まる音) (一弥)ん? 224 00:12:40,926 --> 00:12:43,512 あっ ブライアン・ロスコー!? 225 00:12:51,395 --> 00:12:52,688 (羽ばたく音) 226 00:12:52,813 --> 00:12:53,898 (一弥)うわっ! 227 00:12:57,651 --> 00:12:59,528 はぁ… 228 00:13:02,990 --> 00:13:06,577 おかしいな 確かに ここに入ったのに… 229 00:13:09,121 --> 00:13:10,915 チェスドール? 230 00:13:14,293 --> 00:13:17,463 やっぱり この列車には ブライアンが? 231 00:13:18,672 --> 00:13:20,216 変な顔だなあ 232 00:13:22,301 --> 00:13:23,552 イテッ! うわあ! 233 00:13:24,094 --> 00:13:26,055 えっ!? どういうこと? 234 00:13:28,390 --> 00:13:29,808 機械? 235 00:13:30,476 --> 00:13:31,685 ん? 236 00:13:34,230 --> 00:13:37,816 こっちも… どういう仕掛けで勝手に動くんだ? 237 00:13:39,109 --> 00:13:41,654 でも ブライアンまで 来てるってことは… 238 00:13:42,196 --> 00:13:43,155 (一弥)間違いない 239 00:13:43,280 --> 00:13:46,492 この列車の行き着く先に 必ずヴィクトリカが… 240 00:13:51,205 --> 00:13:53,249 (汽笛) 241 00:13:55,167 --> 00:13:58,379 (一弥)結局 ブライアンは 見つからずじまいか… 242 00:13:58,546 --> 00:14:01,507 (ハント)ほう “落下させる聖(セント)マリアの怪”ですか 243 00:14:01,966 --> 00:14:05,678 (女性)今から10年前 1914年のことですわ 244 00:14:05,803 --> 00:14:09,682 ドイツ軍の飛行機に襲われた 当時のベルゼブブの頭蓋で 245 00:14:09,974 --> 00:14:11,308 知っていますよ 246 00:14:11,433 --> 00:14:15,813 空に巨大なマリア像が現れ 爆撃機隊を全滅させた 247 00:14:15,938 --> 00:14:16,855 しかし 当時は― 248 00:14:16,981 --> 00:14:20,150 ソヴュール王国の科学アカデミーが 工作活動のため― 249 00:14:20,276 --> 00:14:23,654 あそこを使っていたとの うわさもありますが… 250 00:14:23,946 --> 00:14:25,114 (一弥)アカデミー? 251 00:14:25,239 --> 00:14:28,325 確か ブロワ侯爵のオカルト省と 対立してる… 252 00:14:28,617 --> 00:14:29,785 眉唾でしょう? 253 00:14:29,910 --> 00:14:32,830 科学で説明のつく出来事では ありませんわ 254 00:14:33,205 --> 00:14:35,833 なるほど なるほど フフ… 255 00:14:36,333 --> 00:14:37,585 まあ 256 00:14:38,627 --> 00:14:41,005 (汽笛) (一弥)ん… あっ 257 00:14:44,466 --> 00:14:47,094 (一弥) 構うもんか ここまで来たんだ 258 00:14:47,219 --> 00:14:52,057 何が待ち受けようと 必ず助けるよ 君を… 259 00:14:56,103 --> 00:14:58,898 (汽笛) 260 00:14:59,023 --> 00:14:59,857 あっ 261 00:15:01,150 --> 00:15:03,235 あれが ベルゼブブの頭蓋 262 00:15:03,360 --> 00:15:04,278 (ハント)そのとおり 263 00:15:04,904 --> 00:15:05,738 どうだい? 264 00:15:05,863 --> 00:15:07,406 ハエの王 ベルゼブブに ちなんで― 265 00:15:07,531 --> 00:15:09,575 名付けられた理由が 分かるだろう? 266 00:15:09,700 --> 00:15:12,745 (一弥)ええ 確かに ハエの頭そっくりです 267 00:15:14,830 --> 00:15:16,832 (汽笛) 268 00:15:21,503 --> 00:15:23,505 (車掌)皆様 お疲れさまでした 269 00:15:23,631 --> 00:15:26,133 こちらが当列車の終点にございます 270 00:15:26,342 --> 00:15:29,053 明朝 日の出には お迎えに参りますので― 271 00:15:29,178 --> 00:15:31,639 何とぞ お乗り遅れなきよう 272 00:15:35,059 --> 00:15:35,893 あっ 273 00:15:42,942 --> 00:15:45,194 少年 あちらを見てごらん 274 00:15:45,653 --> 00:15:46,737 あの水門が― 275 00:15:46,862 --> 00:15:49,406 海からベルゼブブの頭蓋を 守っている 276 00:15:49,531 --> 00:15:52,076 今夜は満潮 もし あれが開けば… 277 00:15:53,160 --> 00:15:54,578 (老人)ようやく… (一弥)ん? 278 00:15:55,329 --> 00:15:58,332 ようやく娘に再び会える 279 00:15:58,832 --> 00:15:59,959 ん… 280 00:16:10,803 --> 00:16:13,430 え? あ はい! 281 00:16:13,681 --> 00:16:16,475 あの 僕 友人を迎えに来たんです 282 00:16:16,600 --> 00:16:18,852 アルベール・ド・ブロワ侯爵の 娘で― 283 00:16:18,978 --> 00:16:20,938 ヴィクトリカという 女の子なんですが… 284 00:16:21,063 --> 00:16:22,147 あっ… 285 00:16:31,281 --> 00:16:32,199 (ドラの音) 286 00:16:32,366 --> 00:16:33,784 (美少女)魔術の夜へようこそ! 287 00:16:33,909 --> 00:16:35,828 (美少女)間もなく うたげが開幕いたします! 288 00:16:35,953 --> 00:16:37,121 (一弥)えっ!? えっ!? 289 00:16:37,246 --> 00:16:40,165 (けん騒) 290 00:16:40,958 --> 00:16:41,834 (招待客)わあ! 291 00:16:43,794 --> 00:16:46,171 あの… これって? 292 00:16:51,093 --> 00:16:53,971 (ロスコー) フン… 変わり果てたものだ 293 00:16:55,180 --> 00:16:59,309 前に俺がここを訪れたのは 1914年 294 00:16:59,435 --> 00:17:02,021 グレートウォーの 最中でのことだった 295 00:17:07,776 --> 00:17:09,694 (ロジェ) 君がブライアン・ロスコーだね 296 00:17:09,819 --> 00:17:10,654 ああ 297 00:17:10,904 --> 00:17:12,364 ようこそ 298 00:17:12,489 --> 00:17:15,576 私がソヴュール王国 科学アカデミーの主宰者― 299 00:17:15,701 --> 00:17:17,286 ジュピター・ロジェだ 300 00:17:19,579 --> 00:17:23,834 (ロジェ) 我々 科学アカデミーにとって この戦争は 敵国のみならず― 301 00:17:23,959 --> 00:17:25,919 オカルト省との戦いでもある 302 00:17:26,295 --> 00:17:28,130 我々は祖国発展のため― 303 00:17:28,255 --> 00:17:32,092 科学という新しい力を 積極的に取り入れようとしている 304 00:17:32,217 --> 00:17:34,303 それに対しオカルト省は… 305 00:17:34,428 --> 00:17:39,558 この大陸の古き力を用いて 新たな時代と渡り合おうとしている 306 00:17:39,725 --> 00:17:43,937 若き灰色狼の末えいよ 君はオカルト省の… 307 00:17:44,730 --> 00:17:46,940 オカルト省は俺の敵だ 308 00:17:47,066 --> 00:17:50,069 アルベール・ド・ブロワを 俺が許すことは決してない 309 00:17:50,486 --> 00:17:51,403 うむ… 310 00:17:51,528 --> 00:17:53,447 どうか その力を貸してくれ 311 00:17:53,572 --> 00:17:57,451 我々は奇術によって 工作活動をなしたいと考えている 312 00:17:57,826 --> 00:17:58,827 (ロスコー)ちょうどいい 313 00:17:58,952 --> 00:18:02,915 幸い 俺は うってつけの道具を携えていてね 314 00:18:03,207 --> 00:18:05,667 今世紀最大のペテン師― 315 00:18:05,793 --> 00:18:08,712 ブライアン・ロスコーの戦争を ご覧あれ 316 00:18:09,922 --> 00:18:13,550 (ロスコー) だが ロジェの狙いは無論 それのみではなかった 317 00:18:13,675 --> 00:18:16,887 やつらアカデミーが 真に欲していたのは… 318 00:18:17,179 --> 00:18:18,764 形見箱… 319 00:18:20,891 --> 00:18:24,603 あの“名も無き村”から 俺が持ち帰った秘密の箱 320 00:18:24,728 --> 00:18:26,688 必ず取り戻さねばならん 321 00:18:27,189 --> 00:18:28,190 たとえ そのために― 322 00:18:28,315 --> 00:18:31,443 か弱き小狼が 危機にひんしていようと 323 00:18:39,076 --> 00:18:40,369 参ったな 324 00:18:40,494 --> 00:18:42,955 この人混みじゃ ろくに身動き取れないよ 325 00:18:43,080 --> 00:18:44,164 (招待客)始まるぞ! 326 00:18:44,414 --> 00:18:46,375 (招待客) ファンタスマゴリアの開幕だ 327 00:18:47,668 --> 00:18:50,546 (歓声) 328 00:18:53,173 --> 00:18:55,425 (男性)ファンタスマゴリア! 329 00:18:55,551 --> 00:18:58,470 た… た~まや~ ハハ… 330 00:18:59,346 --> 00:19:00,222 ん? 331 00:19:02,432 --> 00:19:03,308 あっ! 332 00:19:06,061 --> 00:19:06,937 ヴィクトリカ! 333 00:19:18,407 --> 00:19:22,077 ハァ ハァ ハァ… 334 00:19:34,798 --> 00:19:35,632 あっ! 335 00:19:38,760 --> 00:19:39,595 ヴィクトリカ! 336 00:19:39,720 --> 00:19:41,680 ヴィクトリカなんだろ? 待ってよ! 337 00:19:46,351 --> 00:19:48,562 (一弥)ヴィクトリカ どうして? 338 00:19:49,354 --> 00:19:52,191 (一弥)ハァ ハァ ハァ… 339 00:19:55,736 --> 00:19:57,362 ハァ ハァ ハァ… 340 00:20:01,617 --> 00:20:04,703 ハァ ハァ ハァ… 341 00:20:05,954 --> 00:20:06,830 くっ! 342 00:20:07,247 --> 00:20:09,791 (一弥)幻なんかじゃない 確かに あれは… 343 00:20:09,917 --> 00:20:12,961 ハァ ハァ ハァ… 344 00:20:15,756 --> 00:20:18,800 (一弥の息切れ) 345 00:20:22,638 --> 00:20:24,389 行き止まり? 346 00:20:28,602 --> 00:20:29,561 うっ! 347 00:20:30,020 --> 00:20:30,896 あっ! 348 00:20:33,732 --> 00:20:34,900 (せき払い) 349 00:20:36,526 --> 00:20:37,402 入るよ 350 00:20:40,656 --> 00:20:43,867 ヴィクトリカ… ヴィクトリカだろ? 351 00:20:46,286 --> 00:20:47,454 ねえ 僕だよ 352 00:20:47,996 --> 00:20:48,872 (せき込み) 353 00:20:49,331 --> 00:20:53,418 僕だってば ヴィクトリカ 君 出てきなよ 354 00:20:53,543 --> 00:20:54,419 (くしゃみ) 355 00:20:54,544 --> 00:20:56,171 あれ? くしゃみした? 356 00:20:56,296 --> 00:20:57,547 寒いんじゃないかい? 357 00:20:57,673 --> 00:20:59,508 ほら 君の荷物… あっ 358 00:20:59,633 --> 00:21:01,009 (ヴィクトリカ)遅い… 359 00:21:01,385 --> 00:21:03,053 (一弥)ご ごめんよ でも… 360 00:21:03,178 --> 00:21:04,721 (ヴィクトリカ)バカ! 死ね! 361 00:21:04,846 --> 00:21:06,014 な… 何だよ? 362 00:21:06,139 --> 00:21:07,724 これでも精いっぱい急いで来た! 363 00:21:07,849 --> 00:21:10,060 言い訳するな! 364 00:21:14,690 --> 00:21:15,691 フッ 365 00:21:18,652 --> 00:21:22,239 でも こうして ちゃんと見つけただろ? 366 00:21:22,990 --> 00:21:24,157 (ヴィクトリカ)ぐじゃっ 367 00:21:31,707 --> 00:21:34,376 (ヴィクトリカ)久城 その赤すぐり色のドレスを取れ 368 00:21:34,501 --> 00:21:37,170 えっ これ? 369 00:21:37,379 --> 00:21:38,422 (ヴィクトリカ)違う! (一弥)うあっ! 370 00:21:38,547 --> 00:21:40,007 (ヴィクトリカ) それは 木いちご色だろう 371 00:21:40,132 --> 00:21:42,384 色の違いも分からぬか この大バカ 372 00:21:42,509 --> 00:21:44,344 (一弥)はいはい すみません 373 00:21:44,720 --> 00:21:46,638 (ヴィクトリカ) まったく 君という男は 374 00:21:47,097 --> 00:21:50,017 相変わらず バカな上に 不粋極まりないのだな 375 00:21:50,392 --> 00:21:53,770 フフ やっといつもの調子が 出てきたみたいだね 376 00:21:53,895 --> 00:21:56,064 でも さっきは なんで 逃げたりしたのさ? 377 00:21:56,189 --> 00:21:57,065 (ヴィクトリカ)は? 378 00:21:57,190 --> 00:22:00,110 “は?”じゃないよ 庭にいたろ 君 379 00:22:00,235 --> 00:22:01,653 だから 僕は追っかけて… 380 00:22:02,279 --> 00:22:04,489 (ヴィクトリカ)本当か? それは 381 00:22:04,614 --> 00:22:05,449 (一弥)ん? 382 00:22:05,574 --> 00:22:07,534 (ヴィクトリカ) 私は ずっとここにいた 383 00:22:07,659 --> 00:22:09,703 だから 君が見たのは別人だ 384 00:22:09,828 --> 00:22:11,413 (一弥)え じゃあ… 385 00:22:12,080 --> 00:22:15,834 恐らく 私の母 コルデリア・ギャロ 386 00:22:16,084 --> 00:22:17,127 えっ 387 00:22:25,385 --> 00:22:27,929 さて 役者はそろった 388 00:22:28,055 --> 00:22:31,475 月の光が人間どもの心を狂わす 389 00:22:31,600 --> 00:22:33,143 (コルデリア)魔術の夜は― 390 00:22:33,727 --> 00:22:35,604 まだ これからだ 391 00:22:36,354 --> 00:22:41,359 ♪~ 392 00:23:59,437 --> 00:24:04,442 ~♪ 393 00:24:06,862 --> 00:24:08,989 (一弥) やっと見つけたよ ヴィクトリカ 394 00:24:09,656 --> 00:24:12,075 (ヴィクトリカ) ああ 私はずっと― 395 00:24:12,325 --> 00:24:14,828 君に焦がれ続けていた 396 00:24:14,953 --> 00:24:17,914 クリームたっぷりの甘いお菓子を 397 00:24:18,039 --> 00:24:19,666 (一弥)お菓子!