1 00:00:04,505 --> 00:00:06,506 (エリーゼ)うっ…。 2 00:00:09,676 --> 00:00:12,512 (エリーゼ)お父様 お母様。 3 00:00:12,512 --> 00:00:16,316 クリスお兄様 レンお兄様。 4 00:00:18,518 --> 00:00:20,520 会いたかった! 5 00:00:20,520 --> 00:00:22,523 (エル)あっ… ああ…。 (レン)んっ…。 6 00:00:22,523 --> 00:00:26,693 みんな 大好きです。 愛しています。 7 00:00:26,693 --> 00:00:29,696 エリーゼ…。 (クリス)どうしたんだ? リゼ。 8 00:00:29,696 --> 00:00:32,532 (エミリー) かわいそうに。 つらかったね。 9 00:00:32,532 --> 00:00:36,536 だから 言ったんですよ あなた。 罰が厳しすぎると。 10 00:00:36,536 --> 00:00:40,207 んっ… んん…。 少々 やり過ぎたようだな。 11 00:00:40,207 --> 00:00:43,377 すまない エリーゼ。 フン…。 12 00:00:43,377 --> 00:00:46,880 もう泣くな。 クリスお兄様。 13 00:00:46,880 --> 00:00:50,884 婚約を控えている淑女が 人前で泣くもんじゃない。 14 00:00:50,884 --> 00:00:56,390 あっ あの… その婚約のことなのですが…。 15 00:00:56,390 --> 00:00:59,726 そのことなら すでに 陛下とも話がついているから➡ 16 00:00:59,726 --> 00:01:01,695 心配は いらん。 17 00:01:01,695 --> 00:01:06,700 お前と リンデン皇太子の婚約は 誕生祭で 公に発表する。 18 00:01:06,700 --> 00:01:10,871 すべて お前の望みどおりだ。 いえ あの…。 19 00:01:10,871 --> 00:01:14,374 父上 正直に お聞きします。 20 00:01:14,374 --> 00:01:19,046 父上は エリーゼが 皇太子様に 釣り合うと お思いですか? 21 00:01:19,046 --> 00:01:22,215 私ごときが 皇帝陛下の決めたことに➡ 22 00:01:22,215 --> 00:01:25,052 口を出すなんて 畏れ多いですが…。 23 00:01:25,052 --> 00:01:28,055 あっ…。 (レン)私は その婚約に 反対です。 24 00:01:28,055 --> 00:01:30,223 兄上! 何を…。 25 00:01:30,223 --> 00:01:33,727 あっ! んっ? んっ…。 26 00:01:33,727 --> 00:01:35,896 エリーゼ? 27 00:01:35,896 --> 00:01:38,231 《レンお兄様は 相変わらずね。 28 00:01:38,231 --> 00:01:42,569 昔は この毒舌が 本当に嫌いだったけど➡ 29 00:01:42,569 --> 00:01:45,706 今回は お兄様の言うとおりだわ》 30 00:01:45,706 --> 00:01:50,043 ほら やっぱり 厳しすぎたんだよ。 うっ… うん。 31 00:01:50,043 --> 00:01:53,714 エリーゼが 兄上に言い返さないなんて ただごとじゃないよ。 32 00:01:53,714 --> 00:01:56,917 《1度目の人生が 後悔だらけなのは➡ 33 00:01:56,917 --> 00:01:59,987 私自身のせい。 でも…。 34 00:01:59,987 --> 00:02:03,824 皇太子様は 私のわがままで➡ 35 00:02:03,824 --> 00:02:06,827 不幸な時間を 過ごすことになった。 36 00:02:06,827 --> 00:02:10,330 このまま 誕生祭を 迎えるわけにはいかない。 37 00:02:10,330 --> 00:02:13,333 二度と同じ過ちを 犯さないようにするには…》 38 00:02:17,170 --> 00:02:19,673 《エリーゼ:できるかぎり情報を集め➡ 39 00:02:19,673 --> 00:02:22,376 これからのことを 把握しなければ!》 40 00:04:13,987 --> 00:04:18,158 《クセフ遠征により 2番目の兄 クリス 死亡。 41 00:04:18,158 --> 00:04:20,327 義母 エミリー 病死。 42 00:04:20,327 --> 00:04:22,662 トレスタン家の謀反事件。 43 00:04:22,662 --> 00:04:29,836 皇后 エリーゼを かばった罪で 父 エル 1番目の兄 レン 処刑。 44 00:04:29,836 --> 00:04:34,541 それにより クロレンス家門 滅門》 45 00:04:38,345 --> 00:04:40,347 んっ…。 46 00:04:40,347 --> 00:04:45,185 《1次クセフ遠征軍 原因不明の伝染病により 全滅。 47 00:04:45,185 --> 00:04:48,688 推定死亡者 4万7,000人。 48 00:04:48,688 --> 00:04:53,360 ミンチェスター皇帝 持病の悪化により 病死。 49 00:04:53,360 --> 00:04:57,197 クセフ戦争後 東方が起源の はやり病により➡ 50 00:04:57,197 --> 00:04:59,366 南部3都市 閉鎖。 51 00:04:59,366 --> 00:05:02,335 死亡者 7万人》 52 00:05:02,335 --> 00:05:05,005 ハァ…。 53 00:05:05,005 --> 00:05:07,841 《医学が発達していない 時代だから➡ 54 00:05:07,841 --> 00:05:10,177 病気に関する問題が 多かったのね》 55 00:05:10,177 --> 00:05:12,179 んっ? (ノック) 56 00:05:12,179 --> 00:05:16,183 (マリ) お嬢様 お茶を お持ちしました。 57 00:05:16,183 --> 00:05:20,520 あっ いちごのタルトね! ありがとう マリ。 58 00:05:20,520 --> 00:05:24,324 ああ…。 どうしたの? 59 00:05:24,324 --> 00:05:26,827 あっ いえ! あの…。 60 00:05:26,827 --> 00:05:29,496 お礼を言われるとは 思わなかったもので。 61 00:05:29,496 --> 00:05:34,000 その… 少し驚いてしまいまして。 あっ…。 62 00:05:34,000 --> 00:05:36,002 《それは そうよね。 63 00:05:36,002 --> 00:05:39,706 だって かつての私は➡ 64 00:05:39,706 --> 00:05:42,209 ささいなことで怒り➡ 65 00:05:42,209 --> 00:05:45,212 周囲への八つ当たりは 日常茶飯事。 66 00:05:45,212 --> 00:05:50,550 リンデン皇太子が即位してからは 更に最悪の皇后となり➡ 67 00:05:50,550 --> 00:05:52,519 10年後に…》 68 00:05:56,723 --> 00:05:59,059 んっ…。 69 00:05:59,059 --> 00:06:02,295 (マリ)あっ! あっ…。 (ポットの落下音) 70 00:06:02,295 --> 00:06:04,798 もっ… 申し訳ありません! 71 00:06:04,798 --> 00:06:06,800 いった…。 72 00:06:08,802 --> 00:06:11,972 見せて。 えっ? 73 00:06:11,972 --> 00:06:15,475 よかった 破片は残っていないみたい。 74 00:06:15,475 --> 00:06:18,311 でも 傷口を 水で洗ったほうがいいわ。 75 00:06:18,311 --> 00:06:22,649 そっ… そそ… そんな! 結構です 大丈夫です! 76 00:06:22,649 --> 00:06:26,653 お嬢様の お手を煩わせずとも 自分で できます。 77 00:06:26,653 --> 00:06:28,655 そう? うん うん! 78 00:06:28,655 --> 00:06:30,991 それじゃあ…。 79 00:06:30,991 --> 00:06:34,995 きれいに洗ったあとは 清潔な布を巻くのよ。 80 00:06:34,995 --> 00:06:37,163 傷口を閉じるようにね。 ああ…。 81 00:06:37,163 --> 00:06:39,165 あまり きつくしちゃだめ。 82 00:06:39,165 --> 00:06:43,503 聞いてる? マリ。 あっ! はっ… はい! 83 00:06:43,503 --> 00:06:46,172 ああ… うぅ…。 84 00:06:46,172 --> 00:06:50,176 ありがとうございます! お嬢様! 85 00:06:50,176 --> 00:06:52,345 あっ! 86 00:06:52,345 --> 00:06:55,548 ⦅本当に ありがとうございました!⦆ 87 00:06:57,851 --> 00:07:00,320 フフッ…。 《やっぱり 私は➡ 88 00:07:00,320 --> 00:07:03,323 この世界でも 医者として生きていきたい。 89 00:07:03,323 --> 00:07:07,661 私の医学知識で 救える命があるなら 救いたい。 90 00:07:07,661 --> 00:07:11,331 そのための方法は1つ。 91 00:07:11,331 --> 00:07:13,500 あしたは 真っ向勝負よ》 92 00:07:25,679 --> 00:07:28,348 エリーゼ・ド・クロレンスにございます。 93 00:07:28,348 --> 00:07:33,353 (ミンチェスター) 侯爵 エリーゼ姫 よくぞ来られた。 94 00:07:33,353 --> 00:07:37,023 ベント卿も ご無沙汰しております。 95 00:07:37,023 --> 00:07:41,027 さあ こちらに座りなさい。 (エル)はい 陛下。 96 00:07:41,027 --> 00:07:45,699 急に 呼び出してしまって 悪かったな。 97 00:07:45,699 --> 00:07:49,369 久しぶりに 姫君の顔が見られて うれしいぞ。 98 00:07:49,369 --> 00:07:52,372 《変わらず お優しい。 99 00:07:52,372 --> 00:07:55,208 心が休まらない 皇宮生活の中➡ 100 00:07:55,208 --> 00:08:00,146 陛下の優しさに かつての私は どれだけ救われたか。 101 00:08:00,146 --> 00:08:03,650 それなのに…》 102 00:08:03,650 --> 00:08:06,653 (泣き声) 103 00:08:06,653 --> 00:08:09,656 ⦅頼んだぞ エリーゼ。 104 00:08:09,656 --> 00:08:14,027 必ずや 立派な皇后になりなさい。 陛下…。 105 00:08:16,329 --> 00:08:19,833 (エリーゼ)あっ…。 (泣き声) 106 00:08:19,833 --> 00:08:23,169 うわ~!⦆ 107 00:08:23,169 --> 00:08:27,507 《エリーゼ:あのとき 私は 何も して差し上げられなかった。 108 00:08:27,507 --> 00:08:32,579 今 お体は大丈夫なのかしら? 持病は…》 109 00:08:35,148 --> 00:08:39,486 今日は なんだか 姫君の様子が ふだんと違うような…。 110 00:08:39,486 --> 00:08:42,655 えっ? そっ… そうでしょうか? 111 00:08:42,655 --> 00:08:45,325 (ベント)誕生祭も迫っております故➡ 112 00:08:45,325 --> 00:08:48,161 姫君も思うところが おありなのでしょう。 113 00:08:48,161 --> 00:08:51,331 フゥ…。 だというのなら➡ 114 00:08:51,331 --> 00:08:55,001 皇后として迎え入れるのが ますます楽しみだ。 115 00:08:55,001 --> 00:08:58,171 《早く 言わなきゃ》 (ミンチェスター)ハハッ…。 116 00:08:58,171 --> 00:09:02,942 あの… 陛下。 折り入って お話がありまして…。 117 00:09:02,942 --> 00:09:06,780 うん? 実は…。 118 00:09:06,780 --> 00:09:09,482 (リンデン)遅れて 申し訳ありません。 あっ! 119 00:09:17,457 --> 00:09:19,459 あっ…。 120 00:09:25,632 --> 00:09:28,034 《エリーゼ:リンデン皇太子殿下》 121 00:09:35,809 --> 00:09:37,811 あっ…。 122 00:09:42,482 --> 00:09:46,653 《昔は あの無愛想なところにも ほれていたのよね。 123 00:09:46,653 --> 00:09:48,655 だけど…》 124 00:09:48,655 --> 00:09:50,990 ⦅お茶を お持ちいたしました。 125 00:09:50,990 --> 00:09:53,493 読書の邪魔になる。 えっ? 126 00:09:53,493 --> 00:09:56,830 それと 変な勘違いは やめてもらいたい。 127 00:09:56,830 --> 00:09:59,165 私は ただ 父上の命を受けて➡ 128 00:09:59,165 --> 00:10:02,669 そなたと結婚しただけだ。 なっ! 129 00:10:02,669 --> 00:10:06,172 《どうして あのお方は あんなにも冷たいの? 130 00:10:06,172 --> 00:10:08,508 絶対に 振り向かせてみせる! 131 00:10:08,508 --> 00:10:11,010 どんな手を使ってでも!》 ひぃ~!⦆ 132 00:10:11,010 --> 00:10:14,681 ハァ…。 《全部 私のせいなのに➡ 133 00:10:14,681 --> 00:10:16,683 本当に ばかよね》 134 00:10:16,683 --> 00:10:21,187 ずいぶん 時間がかかったようだな リンデン。 135 00:10:21,187 --> 00:10:25,525 はい 財政部と クセフ遠征についての 予算案の議論が➡ 136 00:10:25,525 --> 00:10:29,028 長引いてしまいまして。 クセフ遠征…。 137 00:10:29,028 --> 00:10:31,364 どうかしたか? いっ… いえ。 138 00:10:31,364 --> 00:10:35,201 今回の遠征について 何か 気になることでも? 139 00:10:35,201 --> 00:10:37,203 あれば 申してみよ。 140 00:10:37,203 --> 00:10:39,205 んっ…。 141 00:10:39,205 --> 00:10:42,375 《あのときは 世間知らずで 何も知らなかったけど➡ 142 00:10:42,375 --> 00:10:44,377 今なら わかる。 143 00:10:44,377 --> 00:10:46,880 クセフ遠征は 失敗に終わる。 144 00:10:46,880 --> 00:10:49,382 それも 無残なほどに。 145 00:10:49,382 --> 00:10:53,386 そして その戦争で クリスお兄様は 命を…》 146 00:10:53,386 --> 00:10:58,391 そう深く考えずに 何かあるなら 臆せずに 申してみなさい。 147 00:10:58,391 --> 00:11:02,695 《言っていいの? なぜ そんなことが わかるのかと➡ 148 00:11:02,695 --> 00:11:05,064 疑いの目で 見られるかもしれない》 149 00:11:08,868 --> 00:11:11,204 あっ…。 150 00:11:11,204 --> 00:11:13,873 《だけど これで 犠牲者を減らすことが➡ 151 00:11:13,873 --> 00:11:15,875 できるかもしれない》 152 00:11:15,875 --> 00:11:21,714 では せん越ながら 私の意見を 申し上げさせていただきます。 153 00:11:21,714 --> 00:11:23,716 (ミンチェスター)ああ 言ってみなさい。 154 00:11:23,716 --> 00:11:26,719 んっ…。 155 00:11:26,719 --> 00:11:29,722 この戦争で 注意しないといけないのは➡ 156 00:11:29,722 --> 00:11:34,394 大陸東部の モンセル王国の参戦です。 モンセル王国? 157 00:11:34,394 --> 00:11:38,698 うん… ほう。 んっ…。 158 00:11:38,698 --> 00:11:43,536 エリーゼ姫 我々が 遠征時に 心配しないといけない相手は➡ 159 00:11:43,536 --> 00:11:45,705 フレスガード共和国。 160 00:11:45,705 --> 00:11:47,707 地政学的に モンセル王国が➡ 161 00:11:47,707 --> 00:11:51,544 クセフ半島の戦争に参戦する理由は 皆無です。 162 00:11:51,544 --> 00:11:53,880 いいえ 理由はあります。 163 00:11:53,880 --> 00:11:55,882 (ベント/エル)んっ? それは? 164 00:11:55,882 --> 00:12:01,654 モンセル王国の現君主である イグリント伯爵の影響です。 165 00:12:01,654 --> 00:12:05,658 彼は 国王として 認められていない お方。 166 00:12:05,658 --> 00:12:07,660 王位の正統性を得たいなら➡ 167 00:12:07,660 --> 00:12:12,999 宗主国である フレスガード共和国の 承認を得る必要があります。 168 00:12:12,999 --> 00:12:16,169 そこに目を付けた フレスガード共和国が➡ 169 00:12:16,169 --> 00:12:19,339 イグリント伯爵の正統性を 認める代わりに➡ 170 00:12:19,339 --> 00:12:23,042 我々を脅かすよう 要求する可能性があります。 171 00:12:25,011 --> 00:12:27,013 うん… なるほどな。 172 00:12:27,013 --> 00:12:29,048 んっ…。 173 00:12:29,048 --> 00:12:32,185 モンセル王国の兵力は 2万余り。 174 00:12:32,185 --> 00:12:34,687 そなたは その程度の兵力が➡ 175 00:12:34,687 --> 00:12:39,359 西大陸 最強といわれる 我が ブリチア帝国を脅かすと? 176 00:12:39,359 --> 00:12:41,361 (エリーゼ)いいえ。 177 00:12:41,361 --> 00:12:43,863 ですが もし ウバキ山脈側に➡ 178 00:12:43,863 --> 00:12:47,367 モンセル王国軍が進撃したら どうでしょう? んっ…。 179 00:12:47,367 --> 00:12:49,535 (エリーゼ)ウバキ山脈は 我々がいる➡ 180 00:12:49,535 --> 00:12:51,871 西大陸本島の ロマノフ領から➡ 181 00:12:51,871 --> 00:12:55,375 クセフ半島に入る 唯一の入り口。 182 00:12:55,375 --> 00:12:57,877 そのウバキ山脈を奪われれば➡ 183 00:12:57,877 --> 00:13:00,847 クセフ半島に入った 帝国遠征軍は➡ 184 00:13:00,847 --> 00:13:03,349 補給路を断たれ 孤立するでしょう。 185 00:13:03,349 --> 00:13:05,852 そうなれば 結果は ただ1つ。 186 00:13:05,852 --> 00:13:08,688 遠征軍の全滅。 187 00:13:08,688 --> 00:13:11,691 《国際情勢に精通し➡ 188 00:13:11,691 --> 00:13:15,161 各国の関係を ここまで把握しているとは…》 189 00:13:18,364 --> 00:13:22,702 うん。 ハァー。 (エル/エリーゼ)あっ! 190 00:13:22,702 --> 00:13:24,704 申し訳ありません。 191 00:13:24,704 --> 00:13:26,873 お疲れになってしまいましたよね。 192 00:13:26,873 --> 00:13:29,876 私のような素人が 長々と…。 193 00:13:29,876 --> 00:13:34,547 いや 姫君の助言は すばらしいものであった。 194 00:13:34,547 --> 00:13:37,050 ただ 近頃 疲れやすく➡ 195 00:13:37,050 --> 00:13:40,053 気分も すぐれぬ日々が 続いていてな。 196 00:13:40,053 --> 00:13:42,388 あっ…。 197 00:13:42,388 --> 00:13:47,393 陛下… もしかして 長時間 寝ても 疲れが取れませんか? 198 00:13:47,393 --> 00:13:49,395 ああ そうだな。 199 00:13:49,395 --> 00:13:52,732 異常に喉が渇き お水を たくさん飲んでも➡ 200 00:13:52,732 --> 00:13:55,702 渇きは治まらないですか? (ミンチェスター)うん。 201 00:13:55,702 --> 00:13:58,871 (エリーゼ)尿意のせいで お目覚めになることは? 202 00:13:58,871 --> 00:14:01,641 ああ それもあったが…。 203 00:14:01,641 --> 00:14:04,644 《あっ! あのとき…》 204 00:14:06,846 --> 00:14:09,515 《エリーゼ:深く速い呼吸を繰り返し➡ 205 00:14:09,515 --> 00:14:13,019 酸欠症から こん睡に陥った陛下の体からは➡ 206 00:14:13,019 --> 00:14:15,688 ケトン臭がした。 207 00:14:15,688 --> 00:14:19,859 そして 今の問診で わかった 症状の数々から導き出される➡ 208 00:14:19,859 --> 00:14:22,528 皇帝陛下の持病は…。 209 00:14:22,528 --> 00:14:24,497 Diabetes Mellitus》 210 00:14:27,533 --> 00:14:30,803 《糖尿病 この病気で間違いない!》 211 00:14:32,839 --> 00:14:36,676 姫君 今の質問は 一体? 212 00:14:36,676 --> 00:14:40,513 なぜ そんなに 私の体のことが 詳しく わかるんだ? 213 00:14:40,513 --> 00:14:45,351 私が 最近 読んだ 医学書で 陛下と同じ症例を見ました。 214 00:14:45,351 --> 00:14:47,687 (ミンチェスター)医学書を? はい。 215 00:14:47,687 --> 00:14:50,189 診断名までは覚えていませんが➡ 216 00:14:50,189 --> 00:14:54,560 血液中の糖の濃度が 過度に上がることが原因だと。 217 00:14:54,560 --> 00:14:58,398 それは 一度 ベン子爵と話してみないとな。 218 00:14:58,398 --> 00:15:00,967 《ベン子爵は優れた医者だから➡ 219 00:15:00,967 --> 00:15:05,471 今の手がかりで 糖尿病だと断定できるはず。 220 00:15:05,471 --> 00:15:09,308 これで 陛下の持病に関しては 一段落ね。 221 00:15:09,308 --> 00:15:12,311 そうなると 残ったのは…》 222 00:15:14,480 --> 00:15:19,485 (エリーゼ)実は 本日 私から陛下に 折り入って お話があります。 223 00:15:19,485 --> 00:15:23,823 (ミンチェスター)今日の姫君からは 有意義な話ばかりを聞けているな。 224 00:15:23,823 --> 00:15:26,826 次は どんな話であろうか? 225 00:15:26,826 --> 00:15:31,164 恐縮な お話なのですが…。 226 00:15:31,164 --> 00:15:34,167 私と皇太子様との婚約を➡ 227 00:15:34,167 --> 00:15:36,502 なかったことに していただけないでしょうか? 228 00:15:36,502 --> 00:15:38,504 えっ? 229 00:15:42,208 --> 00:15:46,212 (エル/ミンチェスター)あっ…。 230 00:15:46,212 --> 00:15:48,214 んっ…。 231 00:15:48,214 --> 00:15:50,383 婚約を なかったことに? 232 00:15:50,383 --> 00:15:52,718 どういうことだ? エリーゼ! 233 00:15:52,718 --> 00:15:56,355 結婚というものは 子どもの おふざけではないんだぞ! 234 00:15:56,355 --> 00:15:59,692 あっ…。 235 00:15:59,692 --> 00:16:01,961 どうしたというのだ? 236 00:16:01,961 --> 00:16:04,964 息子との婚約を 切に願っていたのは➡ 237 00:16:04,964 --> 00:16:07,800 他でもない 姫君であったろう? 238 00:16:07,800 --> 00:16:10,636 はい。 ですが 気付いたのです。 239 00:16:10,636 --> 00:16:15,308 皇太子妃は 帝国のファーストレディー。 240 00:16:15,308 --> 00:16:18,477 後に 帝国の母となる 尊貴な お方。 241 00:16:18,477 --> 00:16:20,813 私のような 未熟な小娘になど➡ 242 00:16:20,813 --> 00:16:23,616 務まるようなものではない ということを。 243 00:16:26,152 --> 00:16:28,154 あっ…。 ああ…。 244 00:16:28,154 --> 00:16:31,657 身の丈に合わない夢を 見てしまいました。 245 00:16:31,657 --> 00:16:35,161 身分をわきまえず 欲張ってしまった罪。 246 00:16:35,161 --> 00:16:40,500 それによって 皇室と陛下の威厳を損ねた罪。 247 00:16:40,500 --> 00:16:42,668 どんな罰でも受け入れます。 248 00:16:42,668 --> 00:16:46,505 《これでいい… これで 私は…》 249 00:16:46,505 --> 00:16:50,009 (ミンチェスター)理由は それだけか? あっ…。 250 00:16:50,009 --> 00:16:54,514 (ミンチェスター)顔を上げよ。 あっ…。 251 00:16:54,514 --> 00:16:56,816 う~ん…。 252 00:16:59,352 --> 00:17:02,154 医者になりたいのです。 253 00:17:02,154 --> 00:17:04,824 エリーゼ! なぜ そんなうそを! 254 00:17:04,824 --> 00:17:08,995 うそをついている目ではない。 255 00:17:08,995 --> 00:17:12,999 先ほどの話… 医学書を読んでいるというのも➡ 256 00:17:12,999 --> 00:17:16,836 その気持ちの表れであったか。 257 00:17:16,836 --> 00:17:22,308 ハァ… では 賭けをしようではないか。 258 00:17:22,308 --> 00:17:25,511 賭けにございますか? 259 00:17:25,511 --> 00:17:28,681 試験に合格し 医者になり➡ 260 00:17:28,681 --> 00:17:31,684 皇后よりも価値のある仕事が できると➡ 261 00:17:31,684 --> 00:17:35,354 証明してみせよ。 あっ! 262 00:17:35,354 --> 00:17:40,026 証明できれば そなたの思う道を行くがいい。 263 00:17:40,026 --> 00:17:43,863 だが 証明できなかった そのときは…。 264 00:17:43,863 --> 00:17:51,871 我が帝国の皇后となる未来へ 全力で 心を傾けてもらう。 265 00:17:51,871 --> 00:17:54,373 期限は いつまでですか? 266 00:17:54,373 --> 00:17:57,877 姫君が成人するときまで。 267 00:17:57,877 --> 00:18:00,313 それ以上 待つことはできぬ。 268 00:18:00,313 --> 00:18:05,151 《私の成人…。 つまり 6か月以内。 269 00:18:05,151 --> 00:18:07,153 厳しい賭けだわ。 270 00:18:07,153 --> 00:18:09,822 だけど…》 んっ! 271 00:18:12,158 --> 00:18:14,160 最善を尽くします。 272 00:18:14,160 --> 00:18:16,162 あっ ああ…。 273 00:18:16,162 --> 00:18:18,998 フゥ…。 274 00:18:18,998 --> 00:18:24,170 それはそうと 久しぶりの再会に 気も使えず すまなかったな。 275 00:18:24,170 --> 00:18:26,172 (エリーゼ/リンデン)あっ…。 276 00:18:26,172 --> 00:18:29,342 (ミンチェスター)2人で 庭でも 散歩してくるといい。 277 00:18:36,182 --> 00:18:40,519 なぜ あのような無謀な賭けを 受け入れた? えっ? 278 00:18:40,519 --> 00:18:45,191 医者は 帝国最高の専門職。 279 00:18:45,191 --> 00:18:48,527 試験は難しく どんなに高位の貴族でも➡ 280 00:18:48,527 --> 00:18:51,197 なんの特権も受けられないのだぞ。 281 00:18:51,197 --> 00:18:54,867 はい 殿下。 存じております。 282 00:18:54,867 --> 00:18:59,939 ですが 私は 絶対に諦めません。 必ず 医者になってみせます。 283 00:18:59,939 --> 00:19:02,742 んっ… あっ…。 284 00:19:04,777 --> 00:19:08,114 私は この人生が終わる そのときまで➡ 285 00:19:08,114 --> 00:19:10,950 可能なかぎりの命を 救いたいのです。 286 00:19:10,950 --> 00:19:13,953 あっ…。 287 00:19:13,953 --> 00:19:15,955 あっ? 288 00:19:15,955 --> 00:19:19,125 あっ! 289 00:19:19,125 --> 00:19:22,962 (エリーゼ)あっ… あの 殿下 今までのこと➡ 290 00:19:22,962 --> 00:19:28,134 本当に 申し訳ありませんでした。 んっ…。 291 00:19:28,134 --> 00:19:30,136 小さいころから 殿下には➡ 292 00:19:30,136 --> 00:19:32,638 たくさん ご迷惑を おかけして…。 293 00:19:32,638 --> 00:19:36,475 私の身の程知らずな わがままのせいで➡ 294 00:19:36,475 --> 00:19:39,145 望んでもいない婚約の話まで…。 295 00:19:39,145 --> 00:19:42,815 本当に 申し訳ありません。 296 00:19:42,815 --> 00:19:45,818 婚約を望んでいないと 誰が言った? 297 00:19:48,320 --> 00:19:50,322 えっ? 298 00:20:00,833 --> 00:20:04,336 (ベント)チャイルド侯爵が 変わった動きをしております。 299 00:20:04,336 --> 00:20:07,840 第3皇子殿下と 頻繁に会っているようです。 300 00:20:07,840 --> 00:20:11,510 動向は 把握しておいたほうが よいかもしれませんね。 301 00:20:11,510 --> 00:20:17,016 チャイルド家は ただでさえ クロレンス一族を 目の敵にしている。 302 00:20:17,016 --> 00:20:19,018 あまり 刺激はするな。 303 00:20:19,018 --> 00:20:23,522 はっ。 お心遣い 感謝いたします。 304 00:20:23,522 --> 00:20:28,527 陛下 先ほどの件 深く おわび申し上げます。 305 00:20:28,527 --> 00:20:31,697 エリーゼは きつく叱っておきますので。 306 00:20:31,697 --> 00:20:33,699 何を言っておる。 307 00:20:33,699 --> 00:20:38,537 あんな立派に成長していて 私は 本当に驚かされたぞ。 308 00:20:38,537 --> 00:20:43,375 姫君に 病院で働く機会を与えては いかがでしょう? 309 00:20:43,375 --> 00:20:48,547 何日か 苦労をすれば すぐに諦めるかと。 うん…。 310 00:20:48,547 --> 00:20:53,052 なるほど。 して どこの病院で学ばせましょうか? 311 00:20:53,052 --> 00:20:56,722 クロレンス一族も 病院を 1つ 持っているでしょう。 312 00:20:56,722 --> 00:21:01,727 テレサ病院 そこで 教育を受けさせるのです。 313 00:21:06,532 --> 00:21:09,535 今回のことは 私が 責任を取り➡ 314 00:21:09,535 --> 00:21:12,538 ご迷惑を おかけしないよう 努めます。 315 00:21:12,538 --> 00:21:15,541 殿下が 私のことを 嫌っておられるのに➡ 316 00:21:15,541 --> 00:21:18,377 わがままな まねを してしまったこと➡ 317 00:21:18,377 --> 00:21:20,713 もう一度 おわび申し上げます。 318 00:21:20,713 --> 00:21:22,681 フゥ…。 んっ? 319 00:21:30,890 --> 00:21:32,858 んっ? 320 00:21:35,361 --> 00:21:37,363 あっ…。 321 00:21:37,363 --> 00:21:41,867 《エリーゼ:殿下… 怒っていらっしゃった。 322 00:21:41,867 --> 00:21:44,870 ううん これでいい。 323 00:21:44,870 --> 00:21:48,541 1度目の人生では 無理やり 同じ道を歩もうとして➡ 324 00:21:48,541 --> 00:21:51,710 あなたを苦しめてしまった。 325 00:21:51,710 --> 00:21:56,382 でも 今回の人生は違う。 326 00:21:56,382 --> 00:21:59,985 私は あなたとは全く別の道を 歩いていきます。 327 00:21:59,985 --> 00:22:04,790 さようなら。 どうか 幸せな人生を》 328 00:22:10,996 --> 00:22:13,098 《私が いちばん愛した人》