1 00:00:03,337 --> 00:00:08,008 (レン) 殿下 少し よろしいでしょうか。 2 00:00:08,008 --> 00:00:11,511 殿下? (リンデン)んっ! うっ… うぅ…。 3 00:00:11,511 --> 00:00:14,848 (レン)殿下! 大丈夫ですか? うっ…。 4 00:00:14,848 --> 00:00:18,852 ああ なんでもない。 少し 疲れただけだ。 5 00:00:18,852 --> 00:00:21,355 (レン)ご気分が 優れないようでしたら➡ 6 00:00:21,355 --> 00:00:25,526 皇室十字病院で 診てもらっては? 不要だ。 7 00:00:25,526 --> 00:00:28,529 このくらいの めまいは…。 あっ…。 8 00:00:28,529 --> 00:00:31,532 ⦅ロン:このくらいの めまいは いつものことだ。 9 00:00:31,532 --> 00:00:36,203 (エリーゼ)定期的な めまいとなると 何かあるかもしれません。 10 00:00:36,203 --> 00:00:41,041 お時間は取らせませんので 診察を受けていかれませんか?⦆ 11 00:00:41,041 --> 00:00:43,844 殿下? なんでもない。 12 00:02:27,848 --> 00:02:30,017 (ノック) 13 00:02:30,017 --> 00:02:33,020 (グレアム)グレアムにございます。 (ゴート)入れ。 14 00:02:33,020 --> 00:02:35,522 (グレアム)ハァ…。 (ドアの開く音) 15 00:02:40,360 --> 00:02:42,362 あっ! あっ…。 16 00:02:42,362 --> 00:02:45,565 どうした? あっ いえ なんでも…。 17 00:02:47,701 --> 00:02:50,037 《エリーゼ:あの方は ベン子爵!》 18 00:02:50,037 --> 00:02:52,706 (ベン)んっ? あの少女は? 19 00:02:52,706 --> 00:02:56,209 新しく入った見習いだが… どうかしたか? 20 00:02:56,209 --> 00:02:59,713 いや どこかで見覚えが…。 21 00:02:59,713 --> 00:03:02,315 《まずいわ。 ベン子爵には➡ 22 00:03:02,315 --> 00:03:04,317 幼いころから よく 診察してもらっていた。 23 00:03:04,317 --> 00:03:06,319 私が エリーゼだって➡ 24 00:03:06,319 --> 00:03:08,488 気が付かれてしまったら どうしよう…》 25 00:03:08,488 --> 00:03:12,492 《あの姫君が 見習いなどするはずがない》 26 00:03:12,492 --> 00:03:16,329 いや なんでもない。 他人の そら似というやつだろう。 27 00:03:16,329 --> 00:03:18,331 (ゴート)そうか。 ハァ…。 28 00:03:18,331 --> 00:03:20,333 彼は ベン子爵。 29 00:03:20,333 --> 00:03:24,671 皇室十字病院に勤める 帝国でも随一の医者だ。 30 00:03:24,671 --> 00:03:27,174 くれぐれも 失礼のないように。 31 00:03:27,174 --> 00:03:31,678 はい。 ハハッ そう かしこまらなくていい。 32 00:03:31,678 --> 00:03:33,680 話を聞かせておくれ! 33 00:03:33,680 --> 00:03:36,850 先日の 脾臓摘出術の件ですね。 34 00:03:36,850 --> 00:03:40,353 ああ! あれは 医学史に残る業績だよ! 35 00:03:40,353 --> 00:03:42,522 ぜひ 詳しく聞かせてほしい! 36 00:03:42,522 --> 00:03:44,524 それは…。 37 00:03:44,524 --> 00:03:47,194 私ではなく 彼女に聞いてください。 38 00:03:47,194 --> 00:03:49,196 あっ… えっ? 39 00:03:49,196 --> 00:03:51,531 なぜ 彼女に? 40 00:03:51,531 --> 00:03:54,034 あの手術を行ったのは…。 41 00:03:54,034 --> 00:03:56,036 彼女ですので。 42 00:03:56,036 --> 00:03:59,206 グレアム おかしな冗談を言うんじゃない! 43 00:03:59,206 --> 00:04:01,641 失礼のないようにと 言ったばかりだろう! 44 00:04:01,641 --> 00:04:05,979 ハハッ… これは どうしたものか。 んっ…。 45 00:04:05,979 --> 00:04:09,483 君 グレアムの言っていることは 本当なのかい? 46 00:04:11,985 --> 00:04:14,488 はい。 私が やりました。 47 00:04:14,488 --> 00:04:18,325 悪いが うそを 言ってるようにしか聞こえん。 48 00:04:18,325 --> 00:04:20,494 君は まだ 見習いだろ? 49 00:04:20,494 --> 00:04:24,498 私は 昔から 医者になりたいという一心で➡ 50 00:04:24,498 --> 00:04:27,501 現代医学の基礎となる グラハム総論など➡ 51 00:04:27,501 --> 00:04:30,337 さまざまな本を基に 勉強してきました。 52 00:04:30,337 --> 00:04:33,340 その中で 常に よりよい治療法がないか➡ 53 00:04:33,340 --> 00:04:35,342 模索してきたのです。 54 00:04:35,342 --> 00:04:39,012 今回 行った 脾臓摘出術に関しても➡ 55 00:04:39,012 --> 00:04:42,849 何度も 頭の中で 手術のやり方を検討しました。 56 00:04:42,849 --> 00:04:45,352 《本当は 違うんだけど➡ 57 00:04:45,352 --> 00:04:49,689 前世で外科医だったと言っても 信じてもらえないだろうし…》 58 00:04:49,689 --> 00:04:52,359 あれを 1人で考えたと? 59 00:04:52,359 --> 00:04:54,694 とてもじゃないが 信じられん。 60 00:04:54,694 --> 00:04:57,864 もし 本当に 君が やったというのなら➡ 61 00:04:57,864 --> 00:05:01,968 どうやって手術を行ったのか この場で 説明できるかな? 62 00:05:01,968 --> 00:05:03,970 はい。 63 00:05:03,970 --> 00:05:08,475 今回の患者は 脾臓に 銃弾が貫通し➡ 64 00:05:08,475 --> 00:05:11,311 止血は 大変 困難でしたが➡ 65 00:05:11,311 --> 00:05:15,649 脾臓自体を切除し より根元の位置で血管を結べば➡ 66 00:05:15,649 --> 00:05:18,985 助けられるのではないかと 考えました。 67 00:05:18,985 --> 00:05:22,322 そのために まず 正中切開を行います。 68 00:05:22,322 --> 00:05:24,324 (ゴート)なぜ 正中切開を? 69 00:05:24,324 --> 00:05:28,328 脾臓があるのは 体の中心ではなく 左側だろう。 70 00:05:28,328 --> 00:05:30,997 (エリーゼ) 脾臓があるのは 左側ですが➡ 71 00:05:30,997 --> 00:05:33,166 膵臓は 中心にありますので。 72 00:05:33,166 --> 00:05:35,168 膵臓? 73 00:05:35,168 --> 00:05:38,505 はい。 脾臓と膵臓は つながっています。 74 00:05:38,505 --> 00:05:41,174 ですから 先に 膵臓の後ろの部分を➡ 75 00:05:41,174 --> 00:05:43,176 剥離する必要があったのです。 76 00:05:43,176 --> 00:05:48,682 膵臓の剥離が済んだら 次は 靱帯の切り取りを行います。 77 00:05:48,682 --> 00:05:51,685 まだ 脾臓の切除には いかぬのか。 78 00:05:51,685 --> 00:05:54,688 手術の成功率を上げるためには➡ 79 00:05:54,688 --> 00:05:58,024 脾臓の向きを 回転させなくてはなりません。 80 00:05:58,024 --> 00:06:01,294 しかし 靱帯が 脾臓を固定しているため➡ 81 00:06:01,294 --> 00:06:03,296 先に 切り取りを行うのです。 82 00:06:05,298 --> 00:06:08,468 (エリーゼ)以上にございます。 すごいな。 83 00:06:08,468 --> 00:06:10,637 こんなことがあるのか? 84 00:06:10,637 --> 00:06:14,641 彼女は まだ うちに来て 1か月なんだぞ! 85 00:06:14,641 --> 00:06:17,477 (ベン)ローゼといったか。 はい。 86 00:06:17,477 --> 00:06:20,313 ここではなく 我が 皇室十字病院で➡ 87 00:06:20,313 --> 00:06:22,315 働くつもりはないか? 88 00:06:22,315 --> 00:06:24,818 えっ? 正気か? 89 00:06:24,818 --> 00:06:26,820 さっきの説明を聞いただろう? 90 00:06:26,820 --> 00:06:30,323 私は 彼女の才能を 直接 見てみたいんだ! 91 00:06:30,323 --> 00:06:32,993 《皇室十字病院…。 92 00:06:32,993 --> 00:06:36,830 名実ともに 帝国最高の医療機関! 93 00:06:36,830 --> 00:06:39,332 そこに 私が?》 94 00:06:39,332 --> 00:06:41,334 ばかを言うな! 95 00:06:41,334 --> 00:06:45,005 それには 彼女が 試験に 合格する必要があるだろう。 96 00:06:45,005 --> 00:06:48,174 忘れたのか? 今年の試験は…。 97 00:06:48,174 --> 00:06:50,176 ああ そういえば➡ 98 00:06:50,176 --> 00:06:52,512 陛下から 試験の難易度を上げるようにと➡ 99 00:06:52,512 --> 00:06:54,514 ご命令があったな。 100 00:06:54,514 --> 00:06:57,517 今年は 諦めろ。 来年でもいいだろう。 101 00:06:57,517 --> 00:06:59,519 諦められるか! 102 00:06:59,519 --> 00:07:03,123 陛下は きっと 彼女のような 人材を 選び出すために➡ 103 00:07:03,123 --> 00:07:05,792 ご命令を下したに違いない! 104 00:07:05,792 --> 00:07:11,131 そうは言っても 今年の試験は 陛下の誕生祭の直後なのだぞ。 105 00:07:11,131 --> 00:07:14,301 今から勉強して 受かるわけがない。 106 00:07:14,301 --> 00:07:18,638 私も 彼女は 医師試験を 受けるべきだと考えます。 107 00:07:18,638 --> 00:07:22,309 グレアム! あっ! 108 00:07:22,309 --> 00:07:25,979 彼女は…。 109 00:07:25,979 --> 00:07:28,815 ローゼは 本物の天才です。 110 00:07:28,815 --> 00:07:31,318 私が 今まで出会った どんな医者よりも➡ 111 00:07:31,318 --> 00:07:33,820 高い実力の持ち主です。 112 00:07:33,820 --> 00:07:36,489 グレアム先生…。 113 00:07:36,489 --> 00:07:39,826 彼女を 弟子として 迎え入れはしましたが➡ 114 00:07:39,826 --> 00:07:43,663 すでに その能力は 私を はるかに しのいでいます。 115 00:07:43,663 --> 00:07:48,335 お前に そこまで言わせるとは…。 116 00:07:48,335 --> 00:07:52,672 医師試験を受けるには 3人の教授の推薦が必要だ。 117 00:07:52,672 --> 00:07:58,678 私と グレアム教授 そして ゴート子爵で ちょうど 3人ではないか! 118 00:07:58,678 --> 00:08:01,614 勝手に 話を進めるんじゃない。 119 00:08:01,614 --> 00:08:05,452 君… 試験に合格する自信は あるのかね? 120 00:08:05,452 --> 00:08:08,288 全力を尽くします。 121 00:08:08,288 --> 00:08:14,961 わかった。 試験を受けられるよう 私からも 推薦文を書いておく。 122 00:08:14,961 --> 00:08:17,130 ありがとうございます! 123 00:08:17,130 --> 00:08:20,033 ああ これからが楽しみだ! 124 00:08:22,469 --> 00:08:25,638 あっ…。 125 00:08:25,638 --> 00:08:28,475 まあ ローゼ先生。 126 00:08:28,475 --> 00:08:31,578 明るくなったわ ありがとう。 127 00:08:34,481 --> 00:08:37,150 《受験資格をもらえて よかったわ。 128 00:08:37,150 --> 00:08:39,986 この病院で 推薦をもらえなかったら➡ 129 00:08:39,986 --> 00:08:43,156 別の方法を 考えなければいけなかったし…》 130 00:08:43,156 --> 00:08:49,329 ⦅そうは言っても 今年の試験は 陛下の誕生祭の直後なのだぞ⦆ 131 00:08:49,329 --> 00:08:52,332 《陛下の誕生祭…。 132 00:08:52,332 --> 00:08:55,001 1回目の人生では➡ 133 00:08:55,001 --> 00:08:58,671 誕生祭で 私と殿下の婚約が発表された。 134 00:08:58,671 --> 00:09:04,110 あのころの私は 幸せな未来が 待っていると信じていた。 135 00:09:04,110 --> 00:09:06,613 でも…。 136 00:09:06,613 --> 00:09:10,450 愛した人に 愛されなかった。 137 00:09:10,450 --> 00:09:15,455 私は 最後まで 彼の笑顔ひとつ 見ることはできなかった》 138 00:09:19,793 --> 00:09:24,297 《今回は 婚約発表自体が なくなるはずだし➡ 139 00:09:24,297 --> 00:09:27,600 殿下とは 別の道を行くと決めたから》 140 00:09:31,137 --> 00:09:33,139 んっ? 141 00:09:33,139 --> 00:09:35,141 んっ…。 142 00:09:35,141 --> 00:09:46,319 ♬~ 143 00:09:46,319 --> 00:09:48,321 ロン様…。 144 00:09:51,825 --> 00:09:54,661 確か… ローゼだったな。 145 00:09:54,661 --> 00:09:57,497 ロン様が なぜ ここに? 146 00:09:57,497 --> 00:09:59,833 いや…。 147 00:09:59,833 --> 00:10:01,835 あっ…。 148 00:10:01,835 --> 00:10:05,505 なんでもない。 少し寄っただけだ。 149 00:10:05,505 --> 00:10:08,308 《あっ そういえば 確か…》 150 00:10:11,177 --> 00:10:14,013 待ってください。 あっ…。 151 00:10:14,013 --> 00:10:17,183 治療を受けに 来てくださったのですよね? 152 00:10:17,183 --> 00:10:19,185 お待ちしていました! 153 00:10:19,185 --> 00:10:22,021 あっ…。 ああ。 154 00:10:22,021 --> 00:10:25,024 すぐ 診察しますので こちらへ どうぞ。 155 00:10:27,026 --> 00:10:29,696 顔色 よくありませんね。 156 00:10:29,696 --> 00:10:34,033 疲れが取れなかったり 無気力感を 感じることはありますか? 157 00:10:34,033 --> 00:10:36,035 ああ。 158 00:10:36,035 --> 00:10:40,206 そういった状態を自覚されたのは いつごろからでしょうか? 159 00:10:40,206 --> 00:10:42,542 2か月ほど前からだ。 160 00:10:42,542 --> 00:10:44,544 食欲はありますか? 161 00:10:44,544 --> 00:10:48,047 それと 体重に 変化などは ございましたか? 162 00:10:48,047 --> 00:10:51,050 食欲は 落ちた気がするが…。 163 00:10:51,050 --> 00:10:54,387 では めまいの症状について お聞きしますが➡ 164 00:10:54,387 --> 00:10:56,389 天井が ぐるぐる回ったり➡ 165 00:10:56,389 --> 00:10:59,225 物が ぼやけて見えることは ありますか? 166 00:10:59,225 --> 00:11:01,160 ああ たまに。 167 00:11:01,160 --> 00:11:03,663 《私は 何をやっているんだ。 168 00:11:03,663 --> 00:11:07,333 私の めまいは あの 皇室十字病院でさえ➡ 169 00:11:07,333 --> 00:11:09,502 原因が わからなかったのだ。 170 00:11:09,502 --> 00:11:13,173 彼女に 正しい診断が 下せるはずがないというのに》 171 00:11:13,173 --> 00:11:16,843 うん… 失礼しますね。 172 00:11:16,843 --> 00:11:18,845 なっ… 何を! 173 00:11:18,845 --> 00:11:23,516 体温と発汗量を確認するための 触診ですが 何か? 174 00:11:23,516 --> 00:11:25,518 あっ いや…。 175 00:11:25,518 --> 00:11:30,356 体温が 若干 低いようですね。 う~ん…。 176 00:11:30,356 --> 00:11:34,360 少し 失礼します。 あっ! 177 00:11:34,360 --> 00:11:38,031 そっ… そんなに 隅々まで 触るものなのか? 178 00:11:38,031 --> 00:11:42,535 より正確な診断を下すために 必要なことですので。 179 00:11:42,535 --> 00:11:46,873 《まさか 他の患者のときも こうなのか?》 180 00:11:46,873 --> 00:11:49,042 いっ… いつまで 触って…。 181 00:11:49,042 --> 00:11:51,377 はい 終わりです。 182 00:11:51,377 --> 00:11:54,547 ご説明しますので 少々 お待ちください。 183 00:11:54,547 --> 00:11:57,884 くっ… ここで待っておればよいのか。 184 00:11:57,884 --> 00:12:01,487 はい 何か 問題がございますでしょうか? 185 00:12:01,487 --> 00:12:04,991 なんでもない。 少し 疲れただけだ。 186 00:12:04,991 --> 00:12:09,662 ロン様 2か月ほど前に 風邪をひかれませんでしたか? 187 00:12:09,662 --> 00:12:11,664 ああ ひいていたが。 188 00:12:11,664 --> 00:12:14,500 (エリーゼ)その際 先ほど 私が触れた部分に➡ 189 00:12:14,500 --> 00:12:18,504 痛みは ありませんでしたか? なぜ それを? 190 00:12:18,504 --> 00:12:23,009 ロン様は 亜急性甲状腺炎です。 191 00:12:23,009 --> 00:12:26,012 亜急性? 192 00:12:26,012 --> 00:12:29,849 (エリーゼ)甲状腺は 我々の体の燃料である➡ 193 00:12:29,849 --> 00:12:32,685 甲状腺ホルモンを作る場所です。 194 00:12:32,685 --> 00:12:36,022 そこに炎症が起こり その後遺症として➡ 195 00:12:36,022 --> 00:12:39,525 甲状腺ホルモンの生成機能が 低下したのでしょう。 196 00:12:39,525 --> 00:12:43,363 それは 手術が必要な病気なのか? 197 00:12:43,363 --> 00:12:48,034 いえ お薬を飲んでいただければ すぐに よくなりますよ! 198 00:12:48,034 --> 00:12:51,037 ハァ… そうか。 199 00:12:51,037 --> 00:12:53,873 処方箋を お渡ししますね。 200 00:12:53,873 --> 00:12:56,709 薬剤科から 薬を受け取ってください。 201 00:12:56,709 --> 00:12:59,879 わかった。 これで 治療は終わりか? 202 00:12:59,879 --> 00:13:03,149 いえ 3日後に またいらしてください。 203 00:13:03,149 --> 00:13:07,320 症状の経過を見て 薬の量を調整しますので。 204 00:13:07,320 --> 00:13:10,490 2か月ほどは 来ていただく形になるかと。 205 00:13:10,490 --> 00:13:14,494 2か月か。 あっ 通院が大変なようでしたら➡ 206 00:13:14,494 --> 00:13:16,663 皇室十字病院で 治療を受けていただいても➡ 207 00:13:16,663 --> 00:13:18,665 大丈夫ですよ。 208 00:13:18,665 --> 00:13:21,167 そのときは 報告書を こちらで。 209 00:13:21,167 --> 00:13:23,336 いや いい。 また来る。 210 00:13:23,336 --> 00:13:41,187 ♬~ 211 00:13:41,187 --> 00:13:43,856 その後 お体の調子は いかがでしょうか? 212 00:13:43,856 --> 00:13:48,695 ああ 驚くほど よくなっている。 そなたのおかげだ。 213 00:13:48,695 --> 00:13:50,863 何よりです。 214 00:13:50,863 --> 00:13:54,033 さて 今日は どんな治療を行う? 215 00:13:54,033 --> 00:13:56,202 やはり まずは 触診からか。 216 00:13:56,202 --> 00:13:59,706 次回以降は もう来られなくても大丈夫です。 217 00:13:59,706 --> 00:14:01,641 なっ… なんだと? 218 00:14:01,641 --> 00:14:03,810 経過も良好ですので➡ 219 00:14:03,810 --> 00:14:06,979 お薬だけ 継続して飲んでいただければ。 220 00:14:06,979 --> 00:14:11,150 治療は ここまでということか。 221 00:14:11,150 --> 00:14:14,153 はい 気を付けて お帰りください。 222 00:14:14,153 --> 00:14:16,155 んっ…。 223 00:14:25,498 --> 00:14:28,301 ハァ…。 んっ…。 224 00:14:36,342 --> 00:14:39,846 よっ! よいしょ… とっ… うっ…。 225 00:14:41,848 --> 00:14:44,350 ロン様 なぜ ここに? 226 00:14:44,350 --> 00:14:46,853 治療は もう終わりましたが。 227 00:14:46,853 --> 00:14:49,856 いや その… なんだ。 228 00:14:49,856 --> 00:14:53,359 少し 散歩にな。 そうなんですね。 229 00:14:53,359 --> 00:14:57,864 《つい そなたの顔を 見に来てしまったとは言えん》 230 00:14:57,864 --> 00:15:02,301 これを運べばいいのだな? えっ? そんな 悪いです。 231 00:15:02,301 --> 00:15:05,104 かまわん 行くぞ。 あっ…。 232 00:15:07,640 --> 00:15:10,476 あの もう大丈夫ですので。 233 00:15:10,476 --> 00:15:14,814 いや 手伝う。 手伝うと言われましても…。 234 00:15:14,814 --> 00:15:18,484 失礼ですが ロン様 掃除の経験は…。 235 00:15:18,484 --> 00:15:22,655 一切ない。 じゃあ お教えしますね。 236 00:15:22,655 --> 00:15:24,657 モップの向きは こう。 237 00:15:24,657 --> 00:15:27,493 こうして 床を きれいにしていきます。 238 00:15:27,493 --> 00:15:29,495 こうか。 239 00:15:31,497 --> 00:15:35,334 もっと 力を入れてください! こうです。 240 00:15:35,334 --> 00:15:38,171 (ロン)こっ… こうだな。 (エリーゼ)そうです! 241 00:15:38,171 --> 00:15:41,507 医療の現場では 清潔さが第一です! 242 00:15:41,507 --> 00:15:43,509 あっ ああ…。 243 00:15:51,184 --> 00:15:55,521 フゥ… 掃除とは 案外 奥が深いな。 244 00:15:55,521 --> 00:15:57,523 あっ…。 お疲れさまでした。 245 00:15:57,523 --> 00:16:00,793 ああ。 今日は いろいろと助かりました。 246 00:16:00,793 --> 00:16:04,130 ありがとうございます。 礼には及ばん。 247 00:16:04,130 --> 00:16:06,632 ロン様は 優しい方ですね。 248 00:16:06,632 --> 00:16:09,468 んっ! んっ…。 249 00:16:09,468 --> 00:16:11,637 《ロン様か…。 250 00:16:11,637 --> 00:16:15,641 彼女は うれしいとき こんなふうに笑うんだな》 251 00:16:15,641 --> 00:16:18,544 ウフフッ! フフフフッ! 252 00:16:21,647 --> 00:16:24,150 (レン)殿下。 (リンデン)なんだ? 253 00:16:24,150 --> 00:16:26,819 山のように たまった仕事を 置いて➡ 254 00:16:26,819 --> 00:16:30,323 最近 どちらへ行かれているのですか? 255 00:16:30,323 --> 00:16:32,658 うん それは…。 256 00:16:32,658 --> 00:16:37,830 何か 困り事でしたら 私に なんなりと。 257 00:16:37,830 --> 00:16:40,166 そなたの きょうだいは 何を好む? 258 00:16:40,166 --> 00:16:43,836 クリスですか? エリーゼ姫のほうだ。 259 00:16:43,836 --> 00:16:48,007 妹が また 何か ご迷惑を? そうではない。 260 00:16:48,007 --> 00:16:50,843 彼女に 礼をする必要があってな。 261 00:16:50,843 --> 00:16:55,348 特別な感情があっての ことではないから 気にするな。 262 00:16:55,348 --> 00:16:57,516 特に 気にしてはおりませんが。 263 00:16:57,516 --> 00:17:00,620 なら いい。 264 00:17:00,620 --> 00:17:04,624 とにかく 姫君の好む物を知りたいのだ。 265 00:17:04,624 --> 00:17:06,792 はぁ… リゼでしたら➡ 266 00:17:06,792 --> 00:17:10,129 食べることを好みます。 何? 267 00:17:10,129 --> 00:17:13,466 特に いちごのケーキには目がありません。 268 00:17:13,466 --> 00:17:16,469 他には…。 269 00:17:16,469 --> 00:17:19,639 マンゴープリンと バナナタルトと…。 270 00:17:19,639 --> 00:17:21,974 ああ 牛乳は嫌いで…。 271 00:17:21,974 --> 00:17:24,310 そんなことを 聞いているのではない! 272 00:17:24,310 --> 00:17:27,480 ハァ…。 もっと こう…。 273 00:17:27,480 --> 00:17:31,651 んっ… 女性への贈り物に ふさわしい物だ。 274 00:17:31,651 --> 00:17:34,854 女性への… 贈り物? 275 00:17:36,989 --> 00:17:41,994 《そうだった。 レンは 仕事一筋 実直な男。 276 00:17:41,994 --> 00:17:45,831 こういった方面の相談をしても 無駄だったか…。 277 00:17:45,831 --> 00:17:49,669 この手の話題に 詳しい者といえば…。 278 00:17:49,669 --> 00:17:55,508 そうだ ミハイルなら 私よりも ずっと…。 279 00:17:55,508 --> 00:17:58,511 いや 何を ばかな…》 280 00:17:58,511 --> 00:18:02,949 (レン)殿下。 んっ? 何か 思いついたか。 281 00:18:02,949 --> 00:18:06,118 宝石は いかがでしょう? 何? 282 00:18:06,118 --> 00:18:09,455 考えてみれば エリーゼは 幼いころから➡ 283 00:18:09,455 --> 00:18:13,125 きらびやかな物を 好んでいたように思います。 284 00:18:13,125 --> 00:18:16,629 《リンデン:確かに 姫君の そういった うわさは➡ 285 00:18:16,629 --> 00:18:19,966 私も聞いたことがある。 286 00:18:19,966 --> 00:18:22,635 だが なぜだろう? 287 00:18:22,635 --> 00:18:26,138 宝石をもらって あのように ほほ笑む 彼女の姿が➡ 288 00:18:26,138 --> 00:18:28,474 想像できない。 289 00:18:28,474 --> 00:18:32,979 まあ レンが そう言うなら 一度 聞いてみるか》 290 00:18:32,979 --> 00:18:34,981 遠慮いたします。 291 00:18:34,981 --> 00:18:37,483 あっ…。 292 00:18:37,483 --> 00:18:41,153 これは 我が部下 ランドルの命を 救ってくれたことへの➡ 293 00:18:41,153 --> 00:18:43,155 感謝の気持ちだ。 294 00:18:43,155 --> 00:18:45,992 特別な意味など ないから 気にするな。 295 00:18:45,992 --> 00:18:50,162 特に 気にしているわけでは ないですが…。 なら なぜだ? 296 00:18:50,162 --> 00:18:53,499 私は 医者として 当然のことをしたまで。 297 00:18:53,499 --> 00:18:57,003 このような贈り物を 受け取ることはできません。 298 00:18:57,003 --> 00:18:59,939 そうか すまなかったな。 299 00:18:59,939 --> 00:19:01,941 いえ こちらこそ。 300 00:19:01,941 --> 00:19:04,443 せっかく 用意していただいたのに。 301 00:19:04,443 --> 00:19:07,446 お気持ちだけ ありがたく頂きますので。 302 00:19:07,446 --> 00:19:11,784 いや そなたなら そう言うのでは ないかと思っていた。 303 00:19:11,784 --> 00:19:15,621 しかし 受けた借りは 返さねば 気が済まん。 304 00:19:15,621 --> 00:19:20,292 治療費を頂いております。 それで 十分かと思いますが…。 305 00:19:20,292 --> 00:19:23,129 あの 微々たる治療費のことか。 306 00:19:23,129 --> 00:19:25,798 他に 何か欲しい物はないのか? 307 00:19:25,798 --> 00:19:30,469 う~ん… でしたら そうですね…。 308 00:19:30,469 --> 00:19:33,806 いつか いちごのケーキを ごちそうしてくれませんか? 309 00:19:33,806 --> 00:19:37,309 何? 私 いちごのケーキが大好物なんです。 310 00:19:37,309 --> 00:19:39,311 食べ過ぎちゃうからって➡ 311 00:19:39,311 --> 00:19:42,648 家では なかなか 食べさせてもらえなくて…。 312 00:19:42,648 --> 00:19:47,153 マンゴープリンは どうだ? あっ はい! それも 大好きです。 313 00:19:47,153 --> 00:19:50,990 バナナタルトも好きであろう。 それと 牛乳は嫌いで…。 314 00:19:50,990 --> 00:19:53,659 えっ? なぜ それを…。 315 00:19:53,659 --> 00:19:55,661 フッ…。 316 00:19:55,661 --> 00:19:58,564 これからは 好きなだけ 食わせてやる。 317 00:20:02,001 --> 00:20:04,336 あっ! 318 00:20:04,336 --> 00:20:07,640 では また。 あっ…。 319 00:20:13,345 --> 00:20:15,681 あっ…。 320 00:20:15,681 --> 00:20:19,518 (ミンチェスター) 急に 呼びつけて すまぬな。 321 00:20:19,518 --> 00:20:23,689 実は ローゼという娘について 聞きたくてな。 322 00:20:23,689 --> 00:20:27,693 そなたの病院で 見習いをしていると聞いたが。 323 00:20:27,693 --> 00:20:31,363 はっ… 長年 医者として 仕事をしてきましたが➡ 324 00:20:31,363 --> 00:20:34,033 彼女は 間違いなく 天才です。 325 00:20:34,033 --> 00:20:38,871 まるで 医者になるために 生まれてきたかのような…。 326 00:20:38,871 --> 00:20:40,873 そうか。 327 00:20:40,873 --> 00:20:43,709 あの ローゼが 何か…。 328 00:20:43,709 --> 00:20:47,046 (ベント)貴公は 聞かれたことに ただ答えればよい。 329 00:20:47,046 --> 00:20:49,048 はっ。 330 00:20:49,048 --> 00:20:53,552 こたびの医師資格試験の準備は 進んでおるか? 331 00:20:53,552 --> 00:20:58,557 陛下のご命令に従い 出題問題を厳選しております。 332 00:20:58,557 --> 00:21:02,995 うん。 医者は 人の命を扱う職業ゆえ➡ 333 00:21:02,995 --> 00:21:06,999 資格のない者が 合格することのないように。 334 00:21:06,999 --> 00:21:11,003 話は 以上だ。 はっ 失礼いたします。 335 00:21:14,840 --> 00:21:18,677 そなたも おもしろいことを 考えるな ベント卿。 336 00:21:18,677 --> 00:21:20,846 はっ 恐縮です。 337 00:21:20,846 --> 00:21:24,350 最初に聞いたときは 驚いたぞ。 338 00:21:24,350 --> 00:21:28,020 医師資格試験の難易度を 上げろとは。 339 00:21:28,020 --> 00:21:33,192 彼女の才覚と血筋は 今の 我が国に 必要なものです。 340 00:21:33,192 --> 00:21:36,529 なんとしてでも 皇后になっていただかなくては。 341 00:21:36,529 --> 00:21:41,367 まあ もし あの子が 本当に 天性の医者だというのなら➡ 342 00:21:41,367 --> 00:21:44,537 このくらいの試練は あってもよかろう。 343 00:21:44,537 --> 00:21:49,375 陛下 実は もう1つ ご提案したいことがございます。 344 00:21:49,375 --> 00:21:51,544 んっ? なんだ? 345 00:21:51,544 --> 00:21:57,383 陛下の誕生祭で 殿下と姫君の 婚約発表をしてしまうのですよ。 346 00:21:57,383 --> 00:22:02,321 んっ? だが 姫君との賭けは どうなる? 347 00:22:02,321 --> 00:22:07,660 この私に 一度 取り付けた約束を 撤回しろというのか? 348 00:22:07,660 --> 00:22:09,829 フフッ…。 349 00:22:09,829 --> 00:22:14,133 私に 考えがあります。