1 00:00:02,002 --> 00:00:05,839 (ミンチェスター)優秀な医者は この国にも多くいるではないか。 2 00:00:05,839 --> 00:00:09,176 皇妃になれるのは そなた1人だけ。 3 00:00:09,176 --> 00:00:14,681 どちらが 国にとっての大事か わからぬ姫君ではあるまい? 4 00:00:14,681 --> 00:00:16,683 (エリーゼ)んっ…。 5 00:00:16,683 --> 00:00:20,020 (ミンチェスター)息子を嫌いに なったわけではないのだろう? 6 00:00:20,020 --> 00:00:24,524 先ほどは 息の合ったダンスを 披露したと聞いているぞ。 7 00:00:26,526 --> 00:00:30,697 どうだ? 考え直してはくれないか? 8 00:00:30,697 --> 00:00:34,701 《エリーゼ:陛下の おっしゃることは わかるわ。 9 00:00:34,701 --> 00:00:38,205 それでも 私は…》 10 00:00:38,205 --> 00:00:42,109 んっ! 賭けを終わらせるつもりは ありません! 11 00:00:49,049 --> 00:00:51,051 (ノック) 12 00:00:51,051 --> 00:00:53,387 どうぞ。 13 00:00:53,387 --> 00:00:55,556 (クリス)やっぱり まだ起きてた。 14 00:00:55,556 --> 00:00:59,059 はい 試験に備えておきたくて。 15 00:00:59,059 --> 00:01:01,328 (クリス) リゼは ちょっと頑張り過ぎだよ。 16 00:01:01,328 --> 00:01:03,497 あしたは 誕生祭もあるし➡ 17 00:01:03,497 --> 00:01:06,500 朝 早いんだから そろそろ 寝ないと。 18 00:01:06,500 --> 00:01:09,670 えっ? でも まだ 勉強が途中で…。 19 00:01:09,670 --> 00:01:13,507 それは また今度にしなさい。 ほら! 寝た 寝た! 20 00:01:13,507 --> 00:01:16,610 《ハァ… 今日は 無理そうね》 21 00:03:06,319 --> 00:03:08,989 クロレンス姫君。 あっ…。 22 00:03:08,989 --> 00:03:11,491 この度は おめでとうございます。 23 00:03:11,491 --> 00:03:15,328 はい。 まあ すてきな お方ね。 24 00:03:15,328 --> 00:03:18,832 陛下なら 姫君を お選びになると 思っておりました。 25 00:03:18,832 --> 00:03:21,001 あっ えっと…。 26 00:03:21,001 --> 00:03:24,671 《昨日の陛下の発表を聞いたら➡ 27 00:03:24,671 --> 00:03:28,341 私が婚約者と思われて 当然よね。 28 00:03:28,341 --> 00:03:30,644 あっ! そうだ ユリエン!》 29 00:03:34,347 --> 00:03:37,017 あっ…。 あっ あの…。 んっ? 30 00:03:37,017 --> 00:03:40,187 チャイルド家の姫君は いらっしゃっていますか? 31 00:03:40,187 --> 00:03:42,689 いいえ お見かけしておりませんね。 32 00:03:42,689 --> 00:03:44,691 そうですか…。 33 00:03:44,691 --> 00:03:48,195 《エリーゼ:殿下に思いを寄せている ユリエンにとっては➡ 34 00:03:48,195 --> 00:03:50,697 あの発表は ショックだったはず。 35 00:03:50,697 --> 00:03:53,867 せっかく 友達になれたのに…。 36 00:03:53,867 --> 00:03:55,869 会って きちんと説明したい》 37 00:03:55,869 --> 00:03:58,371 キャー! あっ! (倒れる音) 38 00:03:58,371 --> 00:04:01,141 誰か! 誰か 医者を呼んできてくれ! 39 00:04:01,141 --> 00:04:03,310 ハーバー公爵夫人が 急に! 40 00:04:03,310 --> 00:04:06,313 《ハーバー公爵夫人! んっ!》 41 00:04:06,313 --> 00:04:08,815 (ハーバー)あっ あっ あっ…。 (エリーゼ)すみません! 42 00:04:08,815 --> 00:04:12,486 失礼します! あっ…。 クロレンス姫君! 43 00:04:12,486 --> 00:04:14,988 うっ… うぅ…。 44 00:04:14,988 --> 00:04:18,492 《パーキンソン病に見られる 嚥下障害。 45 00:04:18,492 --> 00:04:21,828 パーティーの料理が 気道に 詰まっている可能性が高い》 46 00:04:21,828 --> 00:04:25,499 夫人! しっかりしてください! ハーバー夫人! 47 00:04:25,499 --> 00:04:30,003 《意識がない。 それに チアノーゼを起こしている》 48 00:04:30,003 --> 00:04:32,506 んっ! 49 00:04:32,506 --> 00:04:35,675 うっ! フッ! うっ! 50 00:04:35,675 --> 00:04:38,845 《ハイムリック法も だめ。 51 00:04:38,845 --> 00:04:42,182 こうなったら 方法は1つしかない。 52 00:04:42,182 --> 00:04:47,187 感染対策として アルコール消毒液を 持ち歩いていて よかったわ》 53 00:04:50,023 --> 00:04:52,025 なっ… 何をしている!? 54 00:04:52,025 --> 00:04:55,529 夫人のためを思うなら 今は 邪魔しないでください! 55 00:04:59,366 --> 00:05:01,301 必ず 助けます。 56 00:05:01,301 --> 00:05:03,803 (貴族たち)あっ…。 57 00:05:07,140 --> 00:05:10,644 《ナイフで 頸部を切開して 気道を確保する。 58 00:05:10,644 --> 00:05:14,848 30秒以内に終わらせないと…。 んっ!》 59 00:05:18,485 --> 00:05:21,988 《よし かすかに 詰まっていた 食べ物が見えてきたわ。 60 00:05:21,988 --> 00:05:24,658 あとは この管を使って…》 61 00:05:24,658 --> 00:05:27,561 (貴族たち)あっ…。 62 00:05:30,997 --> 00:05:35,001 助かった! よかった…。 あっ! 63 00:05:35,001 --> 00:05:39,339 (どよめき) 64 00:05:39,339 --> 00:05:41,508 《まだ この世界では 気管切開術を➡ 65 00:05:41,508 --> 00:05:44,177 行った例はないから…。 66 00:05:44,177 --> 00:05:46,179 大変なことになりそうね》 67 00:05:46,179 --> 00:05:48,515 クロレンス姫君。 んっ? 68 00:05:48,515 --> 00:05:52,519 ご同行願います。 69 00:05:52,519 --> 00:05:54,521 承知いたしました。 70 00:05:54,521 --> 00:05:58,024 ですが その前に 言づてを お願いできますか? 71 00:05:58,024 --> 00:06:00,293 言づて? はい。 72 00:06:00,293 --> 00:06:05,632 緊急のため 手術室への移送を 行わずに 処置を行いました。 73 00:06:05,632 --> 00:06:09,302 万全な状態で 消毒を 行ったわけではありませんので➡ 74 00:06:09,302 --> 00:06:12,138 感染症のおそれがあります。 75 00:06:12,138 --> 00:06:14,808 皇室十字病院の方たちには➡ 76 00:06:14,808 --> 00:06:18,478 改めて 消毒を行うよう お伝えください。 77 00:06:18,478 --> 00:06:20,480 あっ…。 はっ… はぁ…。 78 00:06:20,480 --> 00:06:22,482 お願いしますね。 79 00:06:33,994 --> 00:06:37,664 (ベント)ハーバー公爵夫人は 一命を取り留めたようです。 80 00:06:37,664 --> 00:06:43,003 そうか。 姫君には 感謝せねばなるまいな。 81 00:06:43,003 --> 00:06:45,005 陛下の ご命令のとおりに➡ 82 00:06:45,005 --> 00:06:48,174 姫君の身柄は 百院にて預かっております。 83 00:06:48,174 --> 00:06:53,680 ああ 姫君を ろうになど 入れるわけには いかぬからな。 84 00:06:53,680 --> 00:06:58,184 陛下 このままでは 少し やっかいなことになるかと…。 85 00:06:58,184 --> 00:07:00,453 というと? 86 00:07:00,453 --> 00:07:03,790 今回の一件で 彼女の 医師としての名声は➡ 87 00:07:03,790 --> 00:07:06,126 大いに高まってしまうでしょう。 88 00:07:06,126 --> 00:07:11,298 そうだな。 皇族である 公爵夫人を助けたのだ。 89 00:07:11,298 --> 00:07:14,301 勲章を授けることに なるやもしれん。 90 00:07:14,301 --> 00:07:18,305 そうなると 姫君の 医者を 目指したいという気持ちに➡ 91 00:07:18,305 --> 00:07:20,974 世論が 同調するおそれがあります。 92 00:07:20,974 --> 00:07:24,311 うん 確かにな。 93 00:07:24,311 --> 00:07:27,647 そこで ご提案なのですが➡ 94 00:07:27,647 --> 00:07:29,649 姫君には このまま 百院で➡ 95 00:07:29,649 --> 00:07:33,153 おとなしくしていただくのは いかがでしょう? 96 00:07:33,153 --> 00:07:35,655 医師試験が終わる そのときまで。 97 00:07:35,655 --> 00:07:39,492 そういうわけには いかぬだろう。 98 00:07:39,492 --> 00:07:43,330 姫君を そう長く 軟禁することはできまい。 99 00:07:43,330 --> 00:07:47,667 いえ 恐らく 姫君の処置は 完璧ではないでしょう。 100 00:07:47,667 --> 00:07:49,669 詳しく 調査を行えば➡ 101 00:07:49,669 --> 00:07:53,006 何かしらのミスが 出てくるはずです。 102 00:07:53,006 --> 00:07:58,511 確か 食事用のナイフで 処置を行ったという話だったな。 103 00:07:58,511 --> 00:08:04,617 よろしい。 ベント卿 今すぐ 帝国で最高の医師を集めよ。 104 00:08:04,617 --> 00:08:07,454 至急 調査を行うのだ。 105 00:08:07,454 --> 00:08:09,456 はっ! 106 00:08:13,460 --> 00:08:16,463 リゼ! なぜ あんな危険なことをしたんだ!? 107 00:08:16,463 --> 00:08:19,132 俺も父上も 心配してたんだぞ! (レン)んっ…。 108 00:08:19,132 --> 00:08:23,303 ごめんなさい クリスお兄様。 109 00:08:23,303 --> 00:08:25,472 本当に 反省してるのか? 110 00:08:25,472 --> 00:08:29,142 いきなり 公爵夫人の首を ナイフで切るなんて! 111 00:08:29,142 --> 00:08:31,144 陛下が 取り計らってくれたから➡ 112 00:08:31,144 --> 00:08:34,814 この百院での謹慎で 済んだようなものの➡ 113 00:08:34,814 --> 00:08:38,318 本来なら 一発で ろう屋行きなんだからな! 114 00:08:38,318 --> 00:08:40,987 すみません。 115 00:08:40,987 --> 00:08:43,656 フゥ… わかればいいんだ。 116 00:08:43,656 --> 00:08:47,660 じゃあ リゼ また同じようなことが あったら どうする? 117 00:08:47,660 --> 00:08:49,996 ちゃんと おとなしくできる? 118 00:08:49,996 --> 00:08:52,832 そこに患者がいるのなら 助けます! 119 00:08:52,832 --> 00:08:57,170 お説教が足りないみたいだね。 うっ…。 120 00:08:57,170 --> 00:08:59,172 (レン)エリーゼ。 あっ? 121 00:08:59,172 --> 00:09:02,942 クリスも私も お前が 夫人を助けたいがために➡ 122 00:09:02,942 --> 00:09:05,779 あのような行動を取ったことは わかっている。 123 00:09:05,779 --> 00:09:09,616 《レンお兄様 怒ってない?》 124 00:09:09,616 --> 00:09:11,951 私だけではない。 125 00:09:11,951 --> 00:09:15,622 あの会場にいた者であれば 誰もが あの処置を➡ 126 00:09:15,622 --> 00:09:17,957 勇気ある行動だと たたえるだろう。 127 00:09:17,957 --> 00:09:19,959 エヘヘヘ…。 128 00:09:19,959 --> 00:09:22,295 それと これとは 話が別だよ!! 129 00:09:22,295 --> 00:09:24,964 公爵夫人を助けたのは 立派だけど➡ 130 00:09:24,964 --> 00:09:26,966 リゼが 危険なことをしていい理由には➡ 131 00:09:26,966 --> 00:09:28,968 ならないんだからね! 132 00:09:28,968 --> 00:09:30,970 はっ… はい。 133 00:09:30,970 --> 00:09:34,474 本当に反省してるのか? 《レンお兄様から褒められて➡ 134 00:09:34,474 --> 00:09:37,310 クリスお兄様から怒られる。 135 00:09:37,310 --> 00:09:39,512 これじゃあ ふだんと逆よね》 136 00:09:47,987 --> 00:09:51,324 《グラハム論文を もっと読み直して…。 137 00:09:51,324 --> 00:09:54,994 フレミングの医学書も 読み込んでおかないと…。 138 00:09:54,994 --> 00:09:57,497 あっ! ハァ…。 139 00:09:57,497 --> 00:10:04,671 急性腸間膜動脈閉塞症に見られる 症状は えっと…》 140 00:10:04,671 --> 00:10:08,374 んっ…。 (寝言) 141 00:10:13,346 --> 00:10:17,183 ⦅ミハイル:お姉様 話したいことがあるんだ。 142 00:10:17,183 --> 00:10:19,185 何? 143 00:10:21,187 --> 00:10:24,591 ハハッ なんでもない。 元気でね。 144 00:10:27,694 --> 00:10:29,863 あっ! 145 00:10:29,863 --> 00:10:35,535 だめ… 待って ミル! ミル!⦆ 146 00:10:35,535 --> 00:10:41,140 だめ… お願い 死んじゃだめ…。 147 00:10:45,545 --> 00:10:48,882 (リンデン)捕まったと聞いて 様子を見に来たが…。 148 00:10:48,882 --> 00:10:51,084 どんな夢を見ているのだ? 149 00:10:54,554 --> 00:10:56,556 《泣くな。 150 00:10:56,556 --> 00:10:59,893 そなたが 苦しんでいる姿を見ると➡ 151 00:10:59,893 --> 00:11:02,395 なぜか 胸の奥が締めつけられる》 152 00:11:07,333 --> 00:11:11,004 《リンデン:二度と来るまいと 思っていた この血の塔に➡ 153 00:11:11,004 --> 00:11:13,806 再び 足を運んでしまうほどに》 154 00:11:21,848 --> 00:11:24,851 エリーゼ どうか いい夢を。 155 00:11:33,526 --> 00:11:37,530 ふ~ん あの兄上がね…。 156 00:11:44,370 --> 00:11:46,372 《エリーゼ。 157 00:11:46,372 --> 00:11:50,043 あの兄上が興味を示した婚約者。 158 00:11:50,043 --> 00:11:52,345 少し からかってあげようかな》 159 00:11:55,381 --> 00:11:57,383 う~ん…。 160 00:11:57,383 --> 00:11:59,986 お姉様 何を読んでいるのですか? 161 00:11:59,986 --> 00:12:02,822 えっ! ひゃっ! おっと…。 162 00:12:02,822 --> 00:12:05,658 アッハハハ 失礼。 163 00:12:05,658 --> 00:12:08,328 こうして お話しするのは 初めてですね。 164 00:12:08,328 --> 00:12:13,666 リンデン・ド・ロマノフの弟 第3皇子の ミハイルです。 165 00:12:13,666 --> 00:12:16,669 お会いできて 光栄ですよ お姉様。 166 00:12:16,669 --> 00:12:19,005 それとも 兄上の政敵とは➡ 167 00:12:19,005 --> 00:12:21,341 顔なんて 合わせたくなかったかな? 168 00:12:21,341 --> 00:12:25,511 《さあ どうする? 驚いて あぜんとするか➡ 169 00:12:25,511 --> 00:12:28,348 本音を隠して 無理に笑顔を作るか》 170 00:12:28,348 --> 00:12:30,350 (エリーゼ)ミル…。 えっ? 171 00:12:30,350 --> 00:12:35,355 ミル… 本当に ミルなのですか? 172 00:12:35,355 --> 00:12:39,025 《ミル? なぜ その呼び名を…》 173 00:12:39,025 --> 00:12:41,694 あっ えっと…。 174 00:12:41,694 --> 00:12:46,532 もっ… 申し訳ございません 殿下。 お気になさらず。 175 00:12:46,532 --> 00:12:50,536 改めて ご挨拶させていただきます。 176 00:12:50,536 --> 00:12:53,539 クロレンス一族の エリーゼにございます。 177 00:12:53,539 --> 00:12:55,541 よろしくね エリーゼ。 178 00:12:55,541 --> 00:12:57,543 フッ…。 179 00:12:57,543 --> 00:13:00,146 《どうしてだろう? 180 00:13:00,146 --> 00:13:05,151 僕を見つめる この子の瞳は どこか 愁いを帯びている》 181 00:13:05,151 --> 00:13:10,156 今日は 挨拶だけのつもりだったし 僕は これで…。 182 00:13:10,156 --> 00:13:13,159 はい 殿下。 また来るよ。 183 00:13:13,159 --> 00:13:16,829 僕も 今 この塔に 閉じ込められてて 暇だからさ。 184 00:13:16,829 --> 00:13:20,500 閉じ込められて? 何か なさったのですか? 185 00:13:20,500 --> 00:13:24,003 陛下の誕生祭のために用意した 飲み物を➡ 186 00:13:24,003 --> 00:13:27,006 ちょっと拝借したのが ばれちゃってね。 187 00:13:27,006 --> 00:13:30,510 反省しろって ここに放り込まれたんだ。 188 00:13:30,510 --> 00:13:33,846 殿下 反省の様子が見られませんが…。 189 00:13:33,846 --> 00:13:38,851 そう? じゃあ またね お姉様。 190 00:13:38,851 --> 00:13:41,354 フッ…。 (ドアの閉まる音) 191 00:13:43,690 --> 00:13:47,527 では 調査の結果を 聞かせてもらおうか。 192 00:13:47,527 --> 00:13:49,529 (ベン/グレアム)はっ! 193 00:13:49,529 --> 00:13:51,698 (ベン)結論から申し上げますと➡ 194 00:13:51,698 --> 00:13:54,534 あれは まさに 完璧な処置です! 195 00:13:54,534 --> 00:13:58,538 なっ… 何? 首を ナイフで刺したのだぞ。 196 00:13:58,538 --> 00:14:00,640 それが完璧だというのか? 197 00:14:00,640 --> 00:14:02,642 ええ まさしく! 198 00:14:02,642 --> 00:14:05,812 今回 行われた処置は 危険性が高いために➡ 199 00:14:05,812 --> 00:14:08,981 これまで 誰も試せなかったものです。 200 00:14:08,981 --> 00:14:11,984 しかし 姫君は それを 卓越した技術と➡ 201 00:14:11,984 --> 00:14:16,989 解剖学的知識によって 見事に やってのけた! 202 00:14:16,989 --> 00:14:19,158 偶然ではないのか? 203 00:14:19,158 --> 00:14:21,828 はい。 姫君の書いた陳述書には➡ 204 00:14:21,828 --> 00:14:24,664 今回の処置の 詳細が書かれていました。 205 00:14:24,664 --> 00:14:27,333 これが また すばらしいのなんの! 206 00:14:27,333 --> 00:14:31,003 どの部位を どのように 切開するのが 最適であるのか➡ 207 00:14:31,003 --> 00:14:33,673 明確に記述されています。 208 00:14:33,673 --> 00:14:39,011 あの陳述書は 医学の発展のために 論文として発表すべきかと! 209 00:14:39,011 --> 00:14:43,015 あっ そうか… 君の考えは どうだ? 210 00:14:43,015 --> 00:14:45,351 グレアム・ファロン教授。 211 00:14:45,351 --> 00:14:48,855 (グレアム)はっ… せんえつながら申し上げます。 212 00:14:48,855 --> 00:14:51,357 帝国医学界が また1人➡ 213 00:14:51,357 --> 00:14:55,194 希代の天才に出会えたと 言えるでしょう。 うんうん! 214 00:14:55,194 --> 00:14:57,697 そこまでか。 215 00:14:57,697 --> 00:15:01,968 はい。 姫君の処置は完璧なものだと➡ 216 00:15:01,968 --> 00:15:04,470 医者としての名誉にかけて 断言します。 217 00:15:04,470 --> 00:15:08,975 わかった。 報告 ご苦労だった。 218 00:15:08,975 --> 00:15:15,148 ベント卿 すぐ 姫君を解放するよう 百院の者に伝えよ。 219 00:15:15,148 --> 00:15:19,318 よろしいのですか? 陛下。 ああ。 220 00:15:19,318 --> 00:15:23,156 (ベン)時に 陛下 実は 折り入って お願いが…。 221 00:15:23,156 --> 00:15:25,825 なんだ? 申してみよ。 222 00:15:25,825 --> 00:15:29,829 クロレンス姫君に 一度 会わせていただけませんか? 223 00:15:29,829 --> 00:15:34,167 今回の件について 姫君と 意見を交えたいのですが。 224 00:15:34,167 --> 00:15:37,170 まあ 好きにするがいい。 225 00:15:37,170 --> 00:15:40,506 あああ… ありがとうございます! 226 00:15:40,506 --> 00:15:42,675 んっ…。 227 00:15:42,675 --> 00:15:46,012 (ノック) 228 00:15:46,012 --> 00:15:48,014 どうぞ。 229 00:15:48,014 --> 00:15:50,183 お姉様 おはよう! 230 00:15:50,183 --> 00:15:54,353 殿下! あまり 謹慎中に 歩き回られるのは…。 231 00:15:54,353 --> 00:15:57,857 え~? 暇なんだよ 構ってよ~。 232 00:15:57,857 --> 00:16:00,460 もう… しょうがないですね。 233 00:16:00,460 --> 00:16:03,462 今日も 本を読んでるの? 234 00:16:03,462 --> 00:16:06,132 こんな難しい本 よく読むよね。 235 00:16:06,132 --> 00:16:08,134 試験に合格して➡ 236 00:16:08,134 --> 00:16:10,303 医者にならなくては いけませんので。 237 00:16:10,303 --> 00:16:14,473 それってさ 兄上とは 婚約しないってことだよね? 238 00:16:14,473 --> 00:16:18,311 私は そのつもりです。 ふ~ん。 239 00:16:18,311 --> 00:16:21,981 ですから 殿下も 私のことは お姉様ではなく➡ 240 00:16:21,981 --> 00:16:25,485 エリーゼ もしくは リゼと お呼びください。 241 00:16:25,485 --> 00:16:27,486 わかったよ リゼ。 242 00:16:27,486 --> 00:16:30,823 ところで その勉強は いつ終わるの? 243 00:16:30,823 --> 00:16:33,826 今日中には終わりませんね。 244 00:16:33,826 --> 00:16:36,162 リゼは 真面目だな~。 245 00:16:36,162 --> 00:16:40,166 適当に切り上げてさ 今日は 僕と 一杯やらない? 246 00:16:40,166 --> 00:16:42,501 そういうわけには…。 247 00:16:42,501 --> 00:16:44,670 少しくらい いいだろう? 248 00:16:44,670 --> 00:16:48,674 フレスガード共和国から取り寄せた 特製スイーツもあるんだよ! 249 00:16:48,674 --> 00:16:52,178 スイーツ… んっ…。 250 00:16:52,178 --> 00:16:55,014 あ~ 残念だな~。 251 00:16:55,014 --> 00:16:58,518 フレスガードのスイーツは 絶品なのにな~。 252 00:16:58,518 --> 00:17:02,955 でも リゼが いらないっていうなら しかたないよな~。 253 00:17:02,955 --> 00:17:05,458 あっ… コホン! 254 00:17:05,458 --> 00:17:07,460 少しだけですよ。 255 00:17:07,460 --> 00:17:09,462 そうこなくっちゃ! 256 00:17:14,800 --> 00:17:17,303 さあ 飲も 飲も! 257 00:17:17,303 --> 00:17:22,141 父上から拝借してきた 秘蔵のコーディアルだよ。 258 00:17:22,141 --> 00:17:25,144 アルコールは入ってないから 安心して。 259 00:17:25,144 --> 00:17:27,813 手癖が悪いですよ 殿下。 260 00:17:27,813 --> 00:17:31,817 そんなことじゃ いつまでたっても ここから出られませんよ。 261 00:17:31,817 --> 00:17:36,155 リゼと一緒に暮らせるんなら それも悪くないかもね。 262 00:17:36,155 --> 00:17:38,324 私 知ってますからね。 263 00:17:38,324 --> 00:17:42,495 殿下が 女性相手なら 誰にでも そういうこと 言うの。 264 00:17:42,495 --> 00:17:45,331 アッハハ! なんのことやら。 265 00:17:45,331 --> 00:17:47,833 さて それじゃあ 乾杯しよう! 266 00:17:47,833 --> 00:17:52,338 この1杯を飲み損ねた 父上の悔しがる顔に 乾杯! 267 00:17:54,340 --> 00:17:56,342 《懐かしいわ。 268 00:17:56,342 --> 00:17:59,512 昔も こうして よく 乾杯したっけ》 269 00:17:59,512 --> 00:18:03,950 ⦅エリーゼ:待って ミル! ミル!⦆ 270 00:18:03,950 --> 00:18:09,956 《かつての私は ミルの死を 止めることができなかった。 271 00:18:09,956 --> 00:18:16,629 ミルと リンデン殿下 同じ皇子でも 皇帝になれるのは どちらか1人。 272 00:18:16,629 --> 00:18:20,800 ミルが皇位を諦めてくれれば 助かるかもしれないけど➡ 273 00:18:20,800 --> 00:18:22,969 それは無理よね》 274 00:18:22,969 --> 00:18:25,805 リゼ? 大丈夫かい? 275 00:18:25,805 --> 00:18:28,474 あっ… えっと すみません。 276 00:18:28,474 --> 00:18:33,646 リゼは 僕を見ると いつも そんな顔をしているね。 277 00:18:33,646 --> 00:18:37,650 まるで 人生を 何度も 経験してきたあとみたいだ。 278 00:18:37,650 --> 00:18:39,652 えっ!? 279 00:18:39,652 --> 00:18:42,989 アッハハハ! そんな驚かなくていいだろ。 280 00:18:42,989 --> 00:18:44,991 冗談だよ 冗談! 281 00:18:44,991 --> 00:18:47,493 あっ… アハハハ…。 282 00:18:47,493 --> 00:18:52,498 《さっ… さすがは ミルね。 勘が鋭いわ》 283 00:18:52,498 --> 00:18:56,335 (ミハイル)にしても リゼは 本当に変わっているよな。 284 00:18:56,335 --> 00:19:00,106 皇妃の立場を蹴ってまで 医者になりたいなんてさ。 285 00:19:00,106 --> 00:19:03,109 そんなに 兄上のことが嫌? 286 00:19:03,109 --> 00:19:05,111 いえ そういうわけでは…。 287 00:19:05,111 --> 00:19:07,446 じゃあ なんで? う~ん…。 288 00:19:07,446 --> 00:19:11,951 殿下は 確か 剣術の達人ですよね? 289 00:19:11,951 --> 00:19:15,788 異国へ 武者修行に 出たこともあるくらいですし。 290 00:19:15,788 --> 00:19:17,957 (ミハイル)うん そうだね。 291 00:19:17,957 --> 00:19:20,459 自分で言うのもなんだけど➡ 292 00:19:20,459 --> 00:19:23,462 剣では 誰にも負ける気はしないかな。 293 00:19:23,462 --> 00:19:27,133 では なぜ 剣を極めようと思ったのですか? 294 00:19:27,133 --> 00:19:30,970 皇族である殿下に 剣の腕は 不要なはずです。 295 00:19:30,970 --> 00:19:35,641 それは… 剣が好きだからかな? 296 00:19:35,641 --> 00:19:37,843 (エリーゼ)私も同じです。 んっ…。 297 00:19:39,812 --> 00:19:45,484 《最初は 1回目の人生の過ちを 償うために選んだ仕事だった。 298 00:19:45,484 --> 00:19:47,486 でも 今は…》 299 00:19:49,822 --> 00:19:52,158 私は この人生を懸けて➡ 300 00:19:52,158 --> 00:19:54,493 医者という仕事を やり遂げたいんです。 301 00:19:54,493 --> 00:19:59,999 父上は 君と兄上を 結婚させるつもりだよ。 302 00:19:59,999 --> 00:20:02,001 そうなったら 医者にはなれない。 303 00:20:04,003 --> 00:20:06,005 そのときは…。 304 00:20:06,005 --> 00:20:08,174 そのときは ただ➡ 305 00:20:08,174 --> 00:20:12,178 悲しみの歌を 歌い続けるのでしょう。 306 00:20:12,178 --> 00:20:16,882 籠の中に閉じ込められ 羽を奪われた鳥のように。 307 00:20:18,851 --> 00:20:23,355 《だから 私は 陛下との賭けに勝たなければ》 308 00:20:26,192 --> 00:20:28,194 んっ…。 309 00:20:37,036 --> 00:20:39,038 フゥ…。 310 00:20:39,038 --> 00:20:42,842 籠の鳥か…。 311 00:20:45,211 --> 00:20:47,880 あ~あ 僕が兄上なら➡ 312 00:20:47,880 --> 00:20:52,051 リゼのことを もっと大事にしてあげるのに。 313 00:20:52,051 --> 00:20:54,053 フッ…。 314 00:21:05,331 --> 00:21:08,334 もうちょっと ここに 閉じ込められていたかったけど➡ 315 00:21:08,334 --> 00:21:10,536 あしたには 出ていかないと。 316 00:21:12,505 --> 00:21:14,673 (ミハイル)またね レディー。 317 00:21:14,673 --> 00:21:17,076 (ドアの閉まる音) 318 00:21:19,678 --> 00:21:21,680 (ベン)ああ 楽しみだ! 319 00:21:21,680 --> 00:21:26,185 まさか あのエリーゼ姫が これほど 優秀な才能を秘めていたとは! 320 00:21:26,185 --> 00:21:29,688 顔を合わせるのが楽しみだな! グレアム教授! 321 00:21:29,688 --> 00:21:31,690 はい。 322 00:21:31,690 --> 00:21:34,026 《もし クロレンス姫が 本当に➡ 323 00:21:34,026 --> 00:21:37,363 あの処置を行ったというのなら➡ 324 00:21:37,363 --> 00:21:41,033 ローゼに比肩する才能の 持ち主かもしれない》 325 00:21:41,033 --> 00:21:44,703 んっ… あっ…。 326 00:21:44,703 --> 00:21:48,374 寝ちゃってたみたい。 327 00:21:48,374 --> 00:21:50,709 ミルが ベッドに運んでくれたのかな。 328 00:21:50,709 --> 00:21:53,546 あっ…。 (ノック) 329 00:21:53,546 --> 00:21:57,716 姫君 面会のお客様が いらっしゃいました。 330 00:21:57,716 --> 00:22:01,720 お兄様たちかな? どうぞ。 331 00:22:04,657 --> 00:22:06,992 (2人)あっ! なんで…。 332 00:22:06,992 --> 00:22:11,330 なんで ここにいるんだ? ローゼ。 333 00:22:11,330 --> 00:22:14,033 グッ… グレアム先生!