1 00:00:01,040 --> 00:00:02,680 〈およそ10年前 2 00:00:02,800 --> 00:00:07,440 突如として現れた魔王領によって 人類は領土を奪われた 3 00:00:08,640 --> 00:00:12,970 グラン・ケイオス帝国は 「対魔族人類共闘宣言」— 4 00:00:12,970 --> 00:00:15,810 通称「人類宣言」を掲げた 5 00:00:15,810 --> 00:00:17,660 人類宣言に加盟した国は— 6 00:00:17,720 --> 00:00:19,140 以下の3つの条文を— 7 00:00:19,140 --> 00:00:22,650 批准することになる その第一条 8 00:00:22,650 --> 00:00:24,650 「人類同士の争いによる— 9 00:00:24,650 --> 00:00:26,020 武力による国境線の— 10 00:00:26,020 --> 00:00:27,520 変更を認めない」 11 00:00:28,200 --> 00:00:33,060 アミドニア公国はこれに加盟し エルフリーデン王国は非加盟であった 12 00:00:33,490 --> 00:00:37,060 よって 首都ヴァンを 奪われたアミドニア公国は— 13 00:00:37,200 --> 00:00:40,840 第一条に従って 領土返還の権利を— 14 00:00:40,840 --> 00:00:42,840 人類宣言の盟主たる— 15 00:00:42,840 --> 00:00:46,140 グラン・ケイオス帝国に 求めることが可能だった〉 16 00:02:26,980 --> 00:02:30,820 (ジャンヌ)グラン・ケイオス帝国と エルフリーデン王国の外交— 17 00:02:31,140 --> 00:02:34,120 復活ですね (ソーマ)あぁ 18 00:02:38,500 --> 00:02:40,830 (ジャンヌ)ごちそうさま 19 00:02:40,830 --> 00:02:42,830 たいへんおいしかったです 20 00:02:42,830 --> 00:02:46,330 本来なら 宴席でも設けるべきだろうが 21 00:02:48,340 --> 00:02:50,780 食べ物のお礼は食べ物で 22 00:02:50,780 --> 00:02:53,440 こちらも とっておきの情報を お教えしましょう 23 00:02:53,440 --> 00:02:56,280 魔物の肉 24 00:02:56,280 --> 00:02:59,620 はぁ? (リーシア)あ… (ハクヤ)あぁ… 25 00:02:59,620 --> 00:03:02,450 魔物の肉は食べることができます 26 00:03:02,450 --> 00:03:04,960 マジか… 27 00:03:04,960 --> 00:03:08,290 その魔物は 魔王領から来る魔物か? 28 00:03:08,290 --> 00:03:11,300 えぇ 味は意外と普通でした (リーシア/ハクヤ)うっ! 29 00:03:11,300 --> 00:03:13,800 ジャンヌ殿も食べたのか!? 30 00:03:13,800 --> 00:03:17,140 《かわいい顔して 意外とワイルドだな》 31 00:03:17,140 --> 00:03:21,470 まさかコボルトとかの 肉じゃない… ですよね? 32 00:03:21,470 --> 00:03:23,980 あっ…? 33 00:03:23,980 --> 00:03:25,980 食べたのは魔物ですよ 34 00:03:25,980 --> 00:03:29,980 さすがに人間みたいな魔族を 食べようとは思いませんよ 35 00:03:29,980 --> 00:03:34,320 いや… その違いも イマイチわかんないんだけど 36 00:03:34,320 --> 00:03:38,160 あぁ 貴殿は 召喚された勇者殿でしたね 37 00:03:38,160 --> 00:03:42,160 討伐戦のことをご存じですか? あぁ 38 00:03:42,160 --> 00:03:44,830 先王アルベルト殿から聞いている 39 00:03:44,830 --> 00:03:47,330 もう10年も前のことですが— 40 00:03:47,330 --> 00:03:51,270 討伐軍は魔族によって 壊滅させられました 41 00:03:51,270 --> 00:03:54,940 姉が9つ 私が7つのとき— 42 00:03:54,940 --> 00:03:58,780 討伐軍を率いていたのは 先代の皇帝 43 00:03:58,780 --> 00:04:01,610 すなわち 私たちの父です 44 00:04:01,610 --> 00:04:04,280 魔物に襲撃されたときは— 45 00:04:04,280 --> 00:04:07,290 それは無残な光景が 広がったと聞きます 46 00:04:07,290 --> 00:04:10,450 魔物の吐く炎で 都市は焦土と化し— 47 00:04:10,450 --> 00:04:14,630 人は老若男女の区別なく 食い殺されました 48 00:04:14,630 --> 00:04:17,460 本能のまま 暴れているだけなので— 49 00:04:17,460 --> 00:04:20,300 人々はなんとか 逃れることができたそうです 50 00:04:20,300 --> 00:04:22,970 猛獣みたいだな 51 00:04:22,970 --> 00:04:26,800 一方 魔族は 統率のとれた行動をし— 52 00:04:26,800 --> 00:04:30,140 圧倒的な強さで 討伐軍を打ち破った 53 00:04:30,140 --> 00:04:32,640 敗戦後の状況はさまざまで— 54 00:04:32,640 --> 00:04:35,980 退去すれば追撃してこなかった という話もあれば— 55 00:04:35,980 --> 00:04:40,320 略奪や暴行 虐殺が 行われたという話もあります 56 00:04:40,320 --> 00:04:44,320 まるで人類を 相手にしているみたいだな 57 00:04:44,320 --> 00:04:46,660 違いはどこからくるんだろう? 58 00:04:46,660 --> 00:04:49,990 魔物が進化したのが 魔族なのだろうか? 59 00:04:49,990 --> 00:04:53,430 「ヤツらは人の脳を食らって 知能を得たのだ」! 60 00:04:53,430 --> 00:04:55,600 (3人)ええっ!? と 一時期— 61 00:04:55,600 --> 00:04:57,770 宗教関係者が 騒いでいたようですが— 62 00:04:57,770 --> 00:05:00,770 眉唾物ですね あぁ… 63 00:05:00,770 --> 00:05:02,770 ともあれ— 64 00:05:02,770 --> 00:05:06,280 戦線が膠着状態になってから 襲撃してきているのは— 65 00:05:06,280 --> 00:05:08,280 魔物だけです 66 00:05:08,280 --> 00:05:11,580 だからこそ現状を維持できている とも言えますが 67 00:05:13,620 --> 00:05:17,790 魔物が食べられるという話から だいぶ それてしまいましたね 68 00:05:17,790 --> 00:05:21,960 私が食べたのは 翼の生えた大蛇の肉でした 69 00:05:21,960 --> 00:05:23,960 翼の生えたヘビ? 70 00:05:23,960 --> 00:05:28,800 巨大なヘビに4枚の鳥の翼が 生えただけのものです 71 00:05:28,800 --> 00:05:34,140 《たしか中南米に ケツァルコアトルって 神様がいたような…》 72 00:05:34,140 --> 00:05:37,140 よくそんなものを 食べる気になったなぁ 73 00:05:37,140 --> 00:05:42,150 味は普通のヘビです 魚より鳥に近い感じでしたよ 74 00:05:42,150 --> 00:05:47,650 《味は普通のヘビって… ヘビ食べたことあるのかよ》 75 00:05:47,650 --> 00:05:50,760 ジャンヌ殿は お姫様にしては— 76 00:05:50,760 --> 00:05:53,090 ずいぶん変なものを 食べられているんですね 77 00:05:53,090 --> 00:05:55,930 軍を率いる将でもありますから 78 00:05:55,930 --> 00:06:00,100 いざというときのために 食べられるものは食べています 79 00:06:00,100 --> 00:06:02,100 それは合理的だな 80 00:06:02,100 --> 00:06:06,100 でも魔物を食べてみようとは ならないだろ 普通 81 00:06:06,100 --> 00:06:08,110 偵察部隊が— 82 00:06:08,110 --> 00:06:11,110 調理された魔物の残骸を 発見したんです 83 00:06:11,110 --> 00:06:13,810 なっ… それってつまり 84 00:06:15,780 --> 00:06:18,780 魔族が魔物を 食べたのだと思われます 85 00:06:20,790 --> 00:06:22,790 それで… 86 00:06:22,790 --> 00:06:25,120 同種の魔物を捕まえた折— 87 00:06:25,120 --> 00:06:27,960 食べられるかどうかを 検証しました 88 00:06:27,960 --> 00:06:29,960 そのうえで食べてみると— 89 00:06:29,960 --> 00:06:32,800 淡泊ですが さっぱりとした味でした 90 00:06:32,800 --> 00:06:34,800 いや 味の感想よりも— 91 00:06:34,800 --> 00:06:38,140 もっと気になる部分があるだろう そうですか? 92 00:06:38,140 --> 00:06:42,470 魔族が魔物を食べていたという 事実のほうが衝撃的だろう 93 00:06:42,470 --> 00:06:44,480 つまり 魔族は— 94 00:06:44,480 --> 00:06:47,310 魔物を同族視していない ということじゃないか 95 00:06:47,310 --> 00:06:49,310 あっ… 96 00:06:49,310 --> 00:06:51,250 なぁ ジャンヌ 97 00:06:51,250 --> 00:06:53,250 なんでしょう 98 00:06:53,250 --> 00:06:55,250 もしかして魔族と魔物って— 99 00:06:55,250 --> 00:06:58,260 こちら側でいう 人類と動物なんじゃないか? 100 00:06:58,260 --> 00:06:59,300 あっ! (2人)ああっ 101 00:06:59,440 --> 00:07:00,760 えっ 102 00:07:01,220 --> 00:07:04,680 なぜそう思ったのですか? あっ… 103 00:07:06,260 --> 00:07:10,700 リーシア いったん筆記を止めてくれ わかったわ 104 00:07:10,940 --> 00:07:14,440 公的な記録に残さないとは 物騒ですね 105 00:07:14,660 --> 00:07:17,160 どんな爆弾発言が 飛び出すのでしょうか? 106 00:07:17,820 --> 00:07:18,720 すまない 107 00:07:19,160 --> 00:07:23,260 場合によっては 差別的発言とも とられかねない話だったもので 108 00:07:23,620 --> 00:07:25,120 差別的発言? 109 00:07:25,600 --> 00:07:28,440 魔族と魔物の 関係についての話がですか? 110 00:07:29,000 --> 00:07:30,620 俺の目には— 111 00:07:30,860 --> 00:07:34,680 この世界の動物と 魔物の区別がつかないんだ 112 00:07:35,630 --> 00:07:38,800 この感覚は みんなには 想像できないだろうな 113 00:07:39,160 --> 00:07:43,130 もっと言えば 獣人族や ドラゴニュートのような種族と— 114 00:07:43,440 --> 00:07:45,760 魔族との区別も あまりつかない 115 00:07:45,970 --> 00:07:48,310 なっ… それは… 116 00:07:48,600 --> 00:07:52,240 獣人族も魔族も存在しない世界で 生きてきた俺には— 117 00:07:52,580 --> 00:07:54,410 違いがわからないんだよ 118 00:07:54,540 --> 00:07:57,660 そもそも魔族とは… トモエちゃんを見てわからないの!? 119 00:07:57,700 --> 00:08:00,750 陛下! あまりといえば あまりなお言葉! 120 00:08:01,340 --> 00:08:02,200 だから! 121 00:08:02,750 --> 00:08:06,250 だから差別的な発言になるかも しれないって言ったんだよ! 122 00:08:10,540 --> 00:08:15,740 ジャンヌ殿は妖狼族 妖狐族と コボルトの違いがわかりますか? 123 00:08:15,930 --> 00:08:19,770 それはもちろん コボルトは犬の顔をしています 124 00:08:19,900 --> 00:08:24,460 でも 獣人族の中には 動物の顔をしたものもいるよな? 125 00:08:24,610 --> 00:08:28,220 言われてみれば そうですよね 126 00:08:28,450 --> 00:08:30,000 あっ そうよ 127 00:08:30,080 --> 00:08:33,120 コボルト族の体は 体毛で覆われているわ 128 00:08:33,460 --> 00:08:37,700 だとすれば 体毛のない あるいは 短い魔族とは— 129 00:08:37,720 --> 00:08:40,180 どう見分けるんだ? あっ… 130 00:08:40,240 --> 00:08:41,900 ウーン… 131 00:08:45,660 --> 00:08:48,760 指摘されてみて初めて 人類と魔族とを— 132 00:08:48,800 --> 00:08:51,540 感覚だけで判別していたのだと 気付かされました 133 00:08:51,740 --> 00:08:54,740 そうね 言われてみれば— 134 00:08:54,740 --> 00:08:56,960 これといった違いが見当たらないわ 135 00:08:57,020 --> 00:08:59,960 なんで今まで 気付かなかったのでしょう 136 00:09:01,500 --> 00:09:04,920 《おそらくこれが この世界の 共通認識なんだろう 137 00:09:05,280 --> 00:09:08,260 みんな感覚で人類と魔族を 判別してるんだ》 138 00:09:09,660 --> 00:09:12,100 他言無用と 言っていただけてよかったです 139 00:09:12,590 --> 00:09:14,720 もしここに官僚たちがいたら— 140 00:09:15,090 --> 00:09:17,140 斬らねばならなかったかも しれません 141 00:09:17,430 --> 00:09:21,100 ええっ そ そこまで するようなことか? 142 00:09:21,100 --> 00:09:23,100 するようなことです 143 00:09:23,100 --> 00:09:28,110 今の話が広まれば 大陸中が騒乱に包まれかねない 144 00:09:28,110 --> 00:09:31,000 そうよね ハクヤ おっしゃるとおり 145 00:09:31,500 --> 00:09:35,940 魔族と獣人族は さほど違いがない という話が広まれば— 146 00:09:36,540 --> 00:09:40,280 アミドニア公国のような 人間族至上主義の国や— 147 00:09:40,280 --> 00:09:43,140 ハイエルフのように 多種族を認めない種族に— 148 00:09:43,740 --> 00:09:46,980 格好の攻撃材料を 与えることになります 149 00:09:47,290 --> 00:09:48,960 あ… 150 00:09:49,290 --> 00:09:53,960 獣人族やドラゴニュートは 魔族であるとして排斥されたり— 151 00:09:53,960 --> 00:09:56,970 弾圧の対象に なるかもしれないってことよ! 152 00:09:56,970 --> 00:10:00,800 あっ… あ… 153 00:10:00,800 --> 00:10:02,810 我々も自国内に— 154 00:10:02,810 --> 00:10:06,140 種族間対立という火種を 抱えることになります 155 00:10:06,140 --> 00:10:08,150 すまない 156 00:10:08,150 --> 00:10:10,980 そこまで考えていなかった いいえ 157 00:10:10,980 --> 00:10:14,320 ある日突然 突きつけられるよりマシです 158 00:10:14,320 --> 00:10:17,320 そう言ってもらえると助かる 159 00:10:17,320 --> 00:10:20,320 とはいえ 対策は思いつかない 160 00:10:20,320 --> 00:10:24,330 仮に魔族を 少数民族と考えたとして— 161 00:10:24,330 --> 00:10:27,670 人類宣言で 少数民族を迫害しないよう— 162 00:10:27,670 --> 00:10:29,830 訴えてはいます。 が… 163 00:10:29,830 --> 00:10:32,840 その約束事は国家同士のものです 164 00:10:32,840 --> 00:10:35,510 一般人相手には通用しません 165 00:10:35,510 --> 00:10:39,680 せいぜいが その国に 監督責任を問う程度です 166 00:10:39,680 --> 00:10:42,680 (ハクヤ)そもそも 私たちのように— 167 00:10:42,680 --> 00:10:45,850 人類宣言に加盟していない 国もあります 168 00:10:45,850 --> 00:10:48,850 他国の政策に 無理に介入しようとすれば— 169 00:10:48,850 --> 00:10:52,120 反発を生み 最悪 戦争になります 170 00:10:52,120 --> 00:10:54,120 そのとおりです 171 00:10:54,120 --> 00:10:58,300 魔物や魔族についての情報が 出揃っているわけではありません 172 00:10:58,300 --> 00:11:03,300 不確定要素が多い以上 結論を急ぐのは危険でしょう 173 00:11:05,640 --> 00:11:08,310 フム… わかった 174 00:11:08,310 --> 00:11:12,480 この件は帝国と王国で 継続して話し合う— 175 00:11:12,480 --> 00:11:16,380 ということでどうだろう? 承知しました 176 00:11:24,150 --> 00:11:26,160 (ジャンヌ)さて そろそろ— 177 00:11:26,160 --> 00:11:28,490 ヴァンの占領について 話し合いましょう 178 00:11:28,490 --> 00:11:32,830 帝国としては人類宣言を遵守し— 179 00:11:32,830 --> 00:11:36,500 武力による国境線の変更を 認めることはできません 180 00:11:36,500 --> 00:11:40,170 王国としては 返還要求はのめないな 181 00:11:40,170 --> 00:11:42,840 先に仕掛けてきたのはアミドニアだ 182 00:11:42,840 --> 00:11:45,340 このような暴挙を許せば— 183 00:11:45,340 --> 00:11:50,280 人類宣言の加盟国 非加盟国に 侮られることになるぞ 184 00:11:50,280 --> 00:11:53,620 そうですね ですから帝国は— 185 00:11:53,620 --> 00:11:58,290 アミドニアに対しても相応の代償を 支払わせることになるでしょう 186 00:11:58,290 --> 00:12:02,290 応じなければ武力に訴えるのか? 187 00:12:02,290 --> 00:12:06,300 必要とあらば フッ… 188 00:12:06,300 --> 00:12:09,970 現在 駐屯させている 兵力をもってすれば— 189 00:12:09,970 --> 00:12:14,470 王国軍と公国軍を同時に 殲滅できると自負しております 190 00:12:14,470 --> 00:12:16,470 だろうな 191 00:12:16,470 --> 00:12:18,810 こちらとしても戦いたくはない 192 00:12:18,810 --> 00:12:22,480 だからまず お互いの意思を整理しよう 193 00:12:22,480 --> 00:12:26,320 帝国としては 国境線の変更を認めたくない 194 00:12:26,320 --> 00:12:29,320 だからヴァンを返還してほしい 195 00:12:29,320 --> 00:12:34,320 これで間違いないな? えぇ そのとおりです 196 00:12:34,320 --> 00:12:36,330 我が国としては— 197 00:12:36,330 --> 00:12:40,500 敵対行動をとり続ける アミドニア公国の力を削ぎたい 198 00:12:40,500 --> 00:12:43,000 もう二度と 干渉してこないようにな 199 00:12:43,000 --> 00:12:46,340 そして侵攻した 報いを受けてもらう 200 00:12:46,340 --> 00:12:48,340 ヴァンを奪ったのは— 201 00:12:48,340 --> 00:12:52,110 その報復だとおっしゃるのですね うん 202 00:12:52,110 --> 00:12:55,450 つまり 無償返還はありえないが— 203 00:12:55,450 --> 00:12:57,950 公国側が代償を払えば— 204 00:12:57,950 --> 00:13:01,450 返還に応じる用意がある ということですね 205 00:13:01,450 --> 00:13:05,960 公国が賠償金を支払うなら ヴァンを返還しよう 206 00:13:05,960 --> 00:13:07,960 長い目で見た場合— 207 00:13:07,960 --> 00:13:10,790 やり方しだいで いくらでも富を生む領土を— 208 00:13:10,790 --> 00:13:14,470 一時の資金で譲り渡すのは 口惜しいですね 209 00:13:14,470 --> 00:13:17,130 悪い判断ではないと思うぞ 210 00:13:17,130 --> 00:13:19,800 帝国側も公国に対しては— 211 00:13:19,800 --> 00:13:22,640 領土を返還させたという 大義名分が立つ 212 00:13:22,640 --> 00:13:27,810 非加盟国に対しても もし似たような行為をした場合— 213 00:13:27,810 --> 00:13:29,810 領土は奪われなくても— 214 00:13:29,810 --> 00:13:33,650 賠償金は支払わせる… と釘を刺せますね 215 00:13:33,650 --> 00:13:36,990 さすがジャンヌ殿 察しが早い 216 00:13:36,990 --> 00:13:40,820 非加盟国に対しての 信用にもなるはずだろう? 217 00:13:40,820 --> 00:13:47,330 ハァ… ユリウス殿は反発しそうですね 元凶にかける情けはない 218 00:13:47,330 --> 00:13:51,270 あぁ あと支払いは 帝国金貨で決済させてくれ 219 00:13:51,270 --> 00:13:53,440 我が国も巻き込みますか 220 00:13:53,440 --> 00:13:58,440 今回のアミドニアの暴挙は 帝国側にも管理責任がある 221 00:13:58,440 --> 00:14:00,840 返す言葉もありません 222 00:14:03,110 --> 00:14:07,450 なぜソーマ殿は人類宣言に 加盟してくださらないのですか? 223 00:14:07,450 --> 00:14:10,790 リーシア姫の前で恐縮なのですが— 224 00:14:10,790 --> 00:14:15,460 先王アルベルト殿が人類宣言に 加盟しなかったことは— 225 00:14:15,460 --> 00:14:19,460 その… しなかったというより… 226 00:14:19,460 --> 00:14:22,970 加盟する しないの判断が できなかったのよね 227 00:14:22,970 --> 00:14:24,970 優柔不断だから 228 00:14:26,970 --> 00:14:28,970 ソーマ殿が加盟しないのには— 229 00:14:28,970 --> 00:14:31,640 はっきりとした 理由があると思いますが 230 00:14:31,640 --> 00:14:34,810 《その答えを 今言うわけにはいかない 231 00:14:34,810 --> 00:14:36,810 かといってウソをつけば— 232 00:14:36,810 --> 00:14:40,480 帝国との関係に 悪影響が出るだろう》 233 00:14:40,480 --> 00:14:44,150 信じてもらいたいのだが 我が国としては— 234 00:14:44,150 --> 00:14:47,160 貴国と足並みを 揃えていきたいと思っている 235 00:14:47,160 --> 00:14:49,160 女皇マリア殿が— 236 00:14:49,160 --> 00:14:52,260 「人類一丸となって 魔王軍に対応する」— 237 00:14:52,260 --> 00:14:54,430 という理想を掲げるかぎり— 238 00:14:54,430 --> 00:14:57,430 王国は帝国の敵には ならないことを約束する 239 00:14:57,430 --> 00:15:03,110 人類宣言には参加しない それなのに信じろとおっしゃる 240 00:15:03,110 --> 00:15:05,780 人類宣言には参加できないが— 241 00:15:05,780 --> 00:15:10,280 我が国は帝国と二国間同盟を 結びたいと思っている 242 00:15:10,280 --> 00:15:12,280 それも秘密裏にだ 243 00:15:12,280 --> 00:15:15,290 秘密同盟… ですか? 244 00:15:15,290 --> 00:15:17,290 うん… 245 00:15:17,290 --> 00:15:20,460 ようやく国内を 安定させることができた 246 00:15:20,460 --> 00:15:24,960 今後は軍制改革も行っていき 統一した意思のもとで— 247 00:15:24,960 --> 00:15:27,970 全軍を動かせる体制を 築き上げるつもりだ 248 00:15:27,970 --> 00:15:31,300 んっ… そこでだ 249 00:15:31,300 --> 00:15:35,640 帝国は今 東方諸国連合の救援要請にも— 250 00:15:35,640 --> 00:15:38,480 軍を派遣しているよな? えぇ 251 00:15:38,480 --> 00:15:41,310 あそこは 中小国家の集合体ですが— 252 00:15:41,310 --> 00:15:45,150 人類宣言に加盟している国が ほとんどです 253 00:15:45,150 --> 00:15:48,490 盟主として軍を派遣するのは 当然でしょう 254 00:15:48,490 --> 00:15:50,590 それだ。 その役目— 255 00:15:50,590 --> 00:15:52,920 我が国に 任せてもらえないだろうか? 256 00:15:52,920 --> 00:15:55,920 あっ… 本気なのですか? 257 00:15:58,930 --> 00:16:01,770 魔物や魔族が南下してきた場合— 258 00:16:01,770 --> 00:16:06,100 必ず星竜連峰を避けて 東西を通過することになる 259 00:16:06,100 --> 00:16:09,110 西側からの南下には帝国が 260 00:16:09,110 --> 00:16:12,940 東側からの南下には 王国が対処しよう 261 00:16:12,940 --> 00:16:17,280 そのためには手順が必要です わかっている 262 00:16:17,280 --> 00:16:20,280 東方諸国連合から救援要請を— 263 00:16:20,280 --> 00:16:23,290 人類宣言の盟主である帝国が受けて— 264 00:16:23,290 --> 00:16:27,120 援軍の派遣を 我が国に対して要請する— 265 00:16:27,120 --> 00:16:29,630 という形式を 取らせていただきたい 266 00:16:29,630 --> 00:16:31,800 あ… 267 00:16:31,800 --> 00:16:37,800 帝国と王国が結んだと知られれば 警戒する国も出てくるでしょう 268 00:16:37,800 --> 00:16:43,470 アミドニア公国 傭兵国家ゼム トルギス共和国などは特に 269 00:16:43,470 --> 00:16:48,650 ですから協力関係にあることを 極力知られたくないのです 270 00:16:48,650 --> 00:16:51,580 それで秘密同盟なのですね 271 00:16:51,580 --> 00:16:56,090 こちらとしては受けて損のない 申し出だと思います 272 00:16:56,090 --> 00:16:59,260 ですが そちらに メリットはあるのですか? 273 00:16:59,260 --> 00:17:03,760 強いて挙げるなら 帝国の信頼を得ることかな 274 00:17:03,760 --> 00:17:07,100 メリットと呼べるほどのものでは ない気がします 275 00:17:07,100 --> 00:17:10,770 まぁ 人類の存亡が かかっているときに— 276 00:17:10,770 --> 00:17:13,440 損得勘定だけではいられないさ 277 00:17:13,440 --> 00:17:17,770 我関せずでいたら 他国から白い目で見られるしな 278 00:17:17,770 --> 00:17:19,780 なるほど 279 00:17:19,780 --> 00:17:22,280 しかし 迅速な意思疎通をするには— 280 00:17:22,280 --> 00:17:25,120 帝国と王国では 距離がありすぎます 281 00:17:25,120 --> 00:17:28,120 その点については こちらに考えがある 282 00:17:28,120 --> 00:17:30,120 ハクヤ あれを 283 00:17:30,120 --> 00:17:32,120 はい 284 00:17:32,120 --> 00:17:34,460 マリア殿に渡してもらいたい 285 00:17:34,460 --> 00:17:38,300 簡易受信機ですね… あっ! 286 00:17:38,300 --> 00:17:41,300 そちらも 簡易受信機を送ってくれれば— 287 00:17:41,300 --> 00:17:43,630 いつでも連絡がとれるだろう? 288 00:17:43,630 --> 00:17:48,140 これならば 姉上とも簡単に 会談することができますね! 289 00:17:48,140 --> 00:17:52,080 ソーマ殿の発想力には 戦慄さえ覚えます 290 00:17:52,080 --> 00:17:54,080 大げさだよ 291 00:17:54,080 --> 00:17:56,410 俺の世界には 普通にあった物だからな 292 00:17:56,410 --> 00:17:59,920 これが普通だと 思っていることが もう… 293 00:17:59,920 --> 00:18:03,250 あの ソーマ殿… 今から少しだけ— 294 00:18:03,250 --> 00:18:05,920 暴言をお許しいただいて よろしいでしょうか? 295 00:18:05,920 --> 00:18:08,260 あっ? 許可しよう 296 00:18:08,260 --> 00:18:11,430 ありがとうございます それでは— 297 00:18:11,430 --> 00:18:14,260 リーシア姫 えっ? 私? 298 00:18:14,260 --> 00:18:18,100 アルベルト殿に 王位を戻す気はありませんか? 299 00:18:18,100 --> 00:18:21,770 そして ソーマ殿を我が国にください 300 00:18:21,770 --> 00:18:23,770 (みんな)はぁ!? 301 00:18:23,770 --> 00:18:26,440 もし来ていただけるなら 宰相でもなんでも— 302 00:18:26,440 --> 00:18:28,780 好きな地位につけます 303 00:18:28,780 --> 00:18:32,120 いっそ 姉上もつけるので 皇帝になってほしい! 304 00:18:32,120 --> 00:18:35,260 あ… あなたは 自分が何を言っているのか— 305 00:18:35,320 --> 00:18:38,140 わかっているのですか!? (アイーシャ)そ そうです! 306 00:18:38,200 --> 00:18:41,040 姫様の言うとおりです! わかっているのですか!? 307 00:18:41,180 --> 00:18:44,480 ソーマ殿の思考は 時代の先をいっている 308 00:18:44,900 --> 00:18:48,880 私は姉上とソーマ殿が作る帝国を 見てみたいのです! 309 00:18:49,130 --> 00:18:51,570 ダメに決まってるでしょ! 310 00:18:51,570 --> 00:18:55,070 ソーマは私にとって… 311 00:18:55,070 --> 00:18:57,910 王国にとって必要な人間よ! 312 00:18:57,910 --> 00:19:01,910 落ち着け リーシア 俺はどこにも行かないから 313 00:19:01,910 --> 00:19:04,410 なっ んっ… 314 00:19:04,410 --> 00:19:07,750 ごめんなさい 取り乱したわ 315 00:19:07,750 --> 00:19:10,420 剣に手をかけるんじゃない! 316 00:19:10,420 --> 00:19:12,760 アイーシャ ステイ! あっ! 317 00:19:12,760 --> 00:19:16,260 わ 私の扱いが雑じゃないですか!? 318 00:19:16,260 --> 00:19:18,760 すまないが— 319 00:19:18,760 --> 00:19:21,100 その申し出は応じられない 320 00:19:21,100 --> 00:19:25,270 王国のためにも リーシアたちのためにも 321 00:19:25,270 --> 00:19:27,270 わかっております 322 00:19:27,270 --> 00:19:31,610 暴言を許していただき ありがとうございました 323 00:19:31,610 --> 00:19:37,280 同盟の件に話を戻しますが このような重要な案件を— 324 00:19:37,280 --> 00:19:40,450 私の一存では 決めるわけにはいきません 325 00:19:40,450 --> 00:19:44,620 そのための簡易受信機だ それだけではなく— 326 00:19:44,620 --> 00:19:48,630 外交官僚数名を相互に 派遣しあってはいかがでしょう? 327 00:19:48,630 --> 00:19:52,460 なるほど それならば 連携を取りやすいだろうな 328 00:19:52,460 --> 00:19:54,460 了解した 329 00:19:54,460 --> 00:20:00,970 どうだろう 外交官僚の代表に特 命全権大使の称号を与え— 330 00:20:00,970 --> 00:20:04,980 両国の首都に大使館を建てて 常駐させるというのは 331 00:20:04,980 --> 00:20:09,480 それはすばらしい! 早速 検討させていただきます 332 00:20:09,480 --> 00:20:11,480 さすがにもう遅い 333 00:20:11,480 --> 00:20:14,980 今日はこれくらいにしよう (ジャンヌ)そうですね 334 00:20:20,320 --> 00:20:22,330 ウーン… 335 00:20:22,330 --> 00:20:26,000 (ジャンヌ)ずいぶんと長いこと 話してましたね 336 00:20:26,000 --> 00:20:28,330 もう夜明けが近いです 337 00:20:28,330 --> 00:20:32,340 今日 話し合わなくていいことまで 話した気がするな 338 00:20:32,340 --> 00:20:37,510 私としては頼りになる 盟友ができて うれしいですね 339 00:20:37,510 --> 00:20:42,010 そんな東の盟友に お伝えしたいことがあります 340 00:20:42,010 --> 00:20:45,020 どうしたんだ? 西の盟友 341 00:20:45,020 --> 00:20:49,420 魔王領にいるとされる 魔王と呼ばれる存在のことです 342 00:20:51,450 --> 00:20:53,960 魔族の言葉はわかりませんが— 343 00:20:53,960 --> 00:20:57,630 ヤツらは ある単語を よく口にしているようなのです 344 00:20:57,630 --> 00:20:59,630 我が国の研究者は— 345 00:20:59,630 --> 00:21:04,300 それが魔王の名前なのではないか と推測しています 346 00:21:04,300 --> 00:21:06,640 それは… 347 00:21:06,640 --> 00:21:08,640 ディバルロイ 348 00:21:08,640 --> 00:21:12,520 ディバルロイ… 魔王ディバルロイ? 349 00:21:13,480 --> 00:21:14,810 はい 350 00:21:14,810 --> 00:21:19,650 魔王ディバルロイ… 魔王… ディバルロイ… 351 00:21:19,650 --> 00:21:21,340 魔王… 352 00:21:21,960 --> 00:21:26,990 《あれ… なんだ? どこかで聞いた覚えがある 353 00:21:27,160 --> 00:21:30,490 デジャビュか… いや そんなんじゃない 354 00:21:30,640 --> 00:21:33,320 聞き覚えがあるんだ どこかで》 355 00:21:34,660 --> 00:21:37,140 あっ… ソーマ! 356 00:21:38,600 --> 00:21:42,830 セリィナ ジャンヌ殿を 客室にご案内してちょうだい 357 00:21:47,680 --> 00:21:52,400 大丈夫だよ 政務室のベッドで休めば ダメよ 358 00:21:52,460 --> 00:21:54,300 ちゃんとしたベッドで寝なきゃ 359 00:21:58,180 --> 00:22:02,800 理由はわからないけど 疲れたときぐらい私に甘えてよ 360 00:22:03,200 --> 00:22:05,740 ごめん… ありがとう 361 00:22:05,960 --> 00:22:08,720 フフッ どういたしまして 362 00:22:08,960 --> 00:22:10,960