1 00:00:02,000 --> 00:00:05,830 (カルラ)聞いたよ 第二正妃と 側妃まで決まったんだって? 2 00:00:06,180 --> 00:00:08,340 (リーシア)地下牢に 閉じ込められてるのに— 3 00:00:08,340 --> 00:00:11,010 耳だけは早いのね (カルラ)フフッ 4 00:00:11,010 --> 00:00:13,840 衛兵がうれしそうに 話してたからな 5 00:00:14,500 --> 00:00:18,850 リーシアはどう感じたんだ? アイーシャにも言ったけど— 6 00:00:18,960 --> 00:00:21,850 これからソーマの正妃やら 側妃は増える 7 00:00:22,400 --> 00:00:26,360 そうなったら 力関係が難しいことになるわ 8 00:00:26,980 --> 00:00:30,030 だったら 気心が知れる… どう考えてるかじゃない 9 00:00:30,220 --> 00:00:33,200 あっ リーシアがどう感じたか聞いてるんだ 10 00:00:33,200 --> 00:00:35,200 あ… 11 00:00:37,580 --> 00:00:41,200 ここの奥がチリッて痛かった… 12 00:00:45,640 --> 00:00:47,600 カーマイン公には会えたのか? 13 00:00:47,760 --> 00:00:48,740 あっ 14 00:00:52,120 --> 00:00:54,720 でも 自害したって知らされて— 15 00:00:55,300 --> 00:00:57,890 自分でも驚くほど冷静でいたわ 16 00:00:58,520 --> 00:01:03,200 悲しくないわけじゃない むしろ 胸が張り裂けそう 17 00:01:03,990 --> 00:01:07,660 でも こうなるんじゃないか っていう予感があったの 18 00:01:09,000 --> 00:01:12,000 リーシア… カーマイン公ならきっと— 19 00:01:12,300 --> 00:01:17,170 この国に蔓延していた闇と共に 滅びる道を選ぶだろうって 20 00:01:17,500 --> 00:01:21,680 そしてソーマも その覚悟を 受け入れざるをえないって 21 00:01:22,960 --> 00:01:25,920 私が大事に思う2人が決めたこと 22 00:01:27,100 --> 00:01:29,850 たとえつらくても悲しくても— 23 00:01:30,600 --> 00:01:35,020 それを受け入れなければ 2人の覚悟に申し訳がないわ 24 00:01:35,480 --> 00:01:39,030 リーシア… そこまで覚悟してるのか 25 00:01:39,600 --> 00:01:42,860 だったら ここに来る意味が ないこともわかるだろ 26 00:01:42,860 --> 00:01:46,200 あっ… それとこれは別よ! 27 00:01:46,640 --> 00:01:48,200 あなたはまだ生きている 28 00:01:48,580 --> 00:01:50,480 いくらでも道があるわ! 29 00:01:51,660 --> 00:01:53,540 「俺は臆病者だ」 30 00:01:54,420 --> 00:01:57,710 ヴァンでの戦いのとき アイツはそう言ったんだ 31 00:01:58,100 --> 00:01:59,160 あっ… 32 00:01:59,460 --> 00:02:04,490 アイツは今もまだ戦ってるんだ リーシアや家族のために 33 00:02:04,900 --> 00:02:06,490 あっ… 34 00:02:06,680 --> 00:02:10,660 戦場で アイツの背負っているものの 重さを見せつけられた 35 00:02:11,180 --> 00:02:12,660 だったら…! 36 00:02:13,520 --> 00:02:16,670 だからこそ とりなしを 受けるわけにはいかない 37 00:02:17,280 --> 00:02:19,170 カルラ! どうしてなの! 38 00:02:19,480 --> 00:02:23,170 この国の闇は カーマイン公が 命と共に引き受けたのよ! 39 00:02:23,580 --> 00:02:26,060 あなたがそれに殉じる意味が… 40 00:02:26,960 --> 00:02:30,350 違う そうじゃないんだ リーシア あ… 41 00:02:31,380 --> 00:02:32,680 私はもう— 42 00:02:32,920 --> 00:02:37,080 あなたと あなたの思い人の 重荷になりたくないんだ 43 00:02:43,160 --> 00:02:47,540 先の戦で大功を立てた エクセル・ウォルター公の嘆願により— 44 00:02:47,960 --> 00:02:51,640 カストール・バルガス カルラ・バルガス 両名の裁定権は— 45 00:02:51,980 --> 00:02:57,100 エルフリーデン王国法院から ソーマ暫定国王に預けられた 46 00:02:57,760 --> 00:03:01,650 ただ今より 国王による直接裁定が行われる 47 00:03:02,440 --> 00:03:07,150 (ソーマ)それでは カストール カルラ 両名の裁判を行おうか 48 00:03:10,540 --> 00:03:15,170 (ハクヤ)元空軍大将 カストール・ バルガス並びにその娘カルラは— 49 00:03:15,640 --> 00:03:19,000 ソーマ陛下への王位禅譲を認めず 軍を起こした 50 00:03:19,860 --> 00:03:22,340 これは反逆罪が適用され— 51 00:03:22,600 --> 00:03:27,640 領地 私有財産の没収 及び極刑が 相当であると考えます 52 00:03:32,400 --> 00:03:35,850 (エクセル)両名は確かに 愚かな行為を犯しました 53 00:03:36,740 --> 00:03:40,530 しかし 王位簒奪を もくろんだのではありません 54 00:03:40,960 --> 00:03:43,700 前王 アルベルト殿への忠誠心— 55 00:03:44,000 --> 00:03:48,870 またゲオルグ・カーマインとの友誼が 道を誤らせたのです 56 00:03:49,200 --> 00:03:53,310 陛下の王位は アルベルト殿より 正式に譲り渡されたもの 57 00:03:53,760 --> 00:03:56,810 疑念を抱くなど 家臣としてあるまじきことです 58 00:03:57,420 --> 00:04:00,480 急な王位の交代は カストールにかぎらず— 59 00:04:00,700 --> 00:04:03,650 多くの民に混乱をもたらしました 60 00:04:04,020 --> 00:04:06,650 その責は 陛下にもあると存じますが— 61 00:04:06,980 --> 00:04:08,400 いかがでしょうか? 62 00:04:08,920 --> 00:04:14,330 幸運にも紅竜城での戦闘では 領民に死者は出ておりません 63 00:04:14,880 --> 00:04:19,030 どうか2人の命だけでも お助けいただけないでしょうか 64 00:04:22,540 --> 00:04:25,500 カストール 何か申し開きはあるか? 65 00:04:28,920 --> 00:04:30,180 (カストール)ただひとつだけ! 66 00:04:30,540 --> 00:04:32,510 戦を起こしたのは俺だ! 67 00:04:32,510 --> 00:04:34,510 カルラは俺の命に従ったにすぎん 68 00:04:34,510 --> 00:04:37,350 あっ… 父上!? んっ… 69 00:04:37,560 --> 00:04:41,020 その罪も罰も すべて俺が背負う! だから… 70 00:04:41,700 --> 00:04:45,620 だからカルラの命だけは 助けてもらえないだろうか! 71 00:04:45,760 --> 00:04:47,580 あっ… 父上! 72 00:04:48,600 --> 00:04:50,300 フゥ… (2人)ハッ… 73 00:04:50,760 --> 00:04:54,260 空軍部隊を 率いていたのはカルラだった 74 00:04:55,380 --> 00:05:00,970 まさか罪に問われる覚悟なしに 反旗を翻したわけではあるまい? 75 00:05:01,180 --> 00:05:02,970 ウッ… カルラ 76 00:05:03,320 --> 00:05:06,810 申し開きはあるか? ありません 77 00:05:07,460 --> 00:05:08,980 何も言うことはないのか? 78 00:05:10,340 --> 00:05:14,280 それならば ひとつだけ 我が身の不明をお詫びします 79 00:05:17,680 --> 00:05:21,160 許しを乞うたりはしないのか? しません 80 00:05:22,040 --> 00:05:23,660 存分にお裁きください 81 00:05:24,020 --> 00:05:27,080 そうか… さて 82 00:05:27,780 --> 00:05:31,670 貴公らならば どう裁くのが適切だと判断する? 83 00:05:32,100 --> 00:05:34,820 もちろん 先ほど 両名が言ったことを— 84 00:05:34,820 --> 00:05:36,680 踏まえたうえでの判断を聞こう 85 00:05:37,420 --> 00:05:38,520 陛下! (どよめき) 86 00:05:38,580 --> 00:05:42,100 それでは罪は決まっているような 言い方ではありませんか! 87 00:05:42,320 --> 00:05:45,180 んっ… あの者は誰か? 88 00:05:45,840 --> 00:05:49,190 サラセン家当主 ピルトリー・サラセン殿です 89 00:05:49,560 --> 00:05:52,620 ここは罪の軽重を 問うための場と心得ます 90 00:05:53,320 --> 00:05:54,790 バルガス公とご息女が— 91 00:05:55,120 --> 00:05:57,800 いかなる刑にも服すと 言われたからといって— 92 00:05:58,300 --> 00:06:00,800 それによって 有罪とはならないはずです! 93 00:06:00,940 --> 00:06:04,470 ≪ワーッハッハッハ! んっ? 94 00:06:04,780 --> 00:06:07,970 よくぞ言った! サラセンの若いの! 95 00:06:08,280 --> 00:06:11,640 ジャバナ家当主 オーエン・ジャバナ殿です 96 00:06:12,080 --> 00:06:15,650 宰相殿よ そこにおられるバルガス公は— 97 00:06:15,760 --> 00:06:19,650 我らが生まれるよりも前 実に100年もの間— 98 00:06:19,860 --> 00:06:23,490 この国を守り続けてこられたのだ 99 00:06:23,820 --> 00:06:26,490 その功により刑を減じろと? 100 00:06:26,800 --> 00:06:29,660 いやいや そうではござらん 101 00:06:29,740 --> 00:06:33,670 すでにバルガス公は 地位も名誉も失っておる 102 00:06:33,670 --> 00:06:37,670 このうえ ご息女もろとも 命まで取ろうというのは— 103 00:06:37,670 --> 00:06:41,010 さすがに 重すぎるのではないだろうか? 104 00:06:41,360 --> 00:06:44,840 反逆者を許せ そうおっしゃるので? 105 00:06:45,120 --> 00:06:48,010 老いた身としては惜しいのだ 106 00:06:48,010 --> 00:06:51,950 バルガス公は あと200~300年は 現役でおられるだろう 107 00:06:52,400 --> 00:06:57,290 今この国にバルガス公以上に 空軍を指揮できる者はいない— 108 00:06:57,540 --> 00:06:59,290 と言いたいだけだ 109 00:06:59,500 --> 00:07:01,290 陛下! 陛下は— 110 00:07:01,500 --> 00:07:04,460 「ただ才あらば用いる」と おっしゃられたではないですか 111 00:07:05,200 --> 00:07:07,970 得がたき才を このまま失うのですか? 112 00:07:08,500 --> 00:07:10,640 私には友を最後まで… 113 00:07:12,660 --> 00:07:13,970 あっ… 114 00:07:14,780 --> 00:07:16,310 他の者の意見は? 115 00:07:16,860 --> 00:07:18,310 法は法です 116 00:07:18,520 --> 00:07:22,150 これを許さば 臣下に示しがつきません 117 00:07:22,380 --> 00:07:27,320 陛下に逆らう愚者など 今後の役には立ちますまい 118 00:07:27,700 --> 00:07:31,080 反逆行為は我ら貴族の汚名ですぞ 119 00:07:31,320 --> 00:07:35,490 陛下 どうぞご聖断を (みんな)さよう さよう 120 00:07:35,840 --> 00:07:37,500 クッ… 陛下 121 00:07:37,780 --> 00:07:40,330 確かに法は法 ですが— 122 00:07:40,420 --> 00:07:45,170 その運用を厳格にすればするほど 民の心は陛下から離れます! 123 00:07:46,000 --> 00:07:49,840 それがしは法の厳格さなど どうでもいいのです 124 00:07:50,200 --> 00:07:53,740 ただ バルガス公の お人柄を知る者として… 125 00:07:53,740 --> 00:08:10,300 ♩~ 126 00:08:11,280 --> 00:08:12,300 斬れ 127 00:08:12,300 --> 00:08:13,400 ハッ… 128 00:08:17,120 --> 00:08:19,000 (斬る音) 129 00:08:27,960 --> 00:08:31,480 《マキャベリの『君主論』は 「悪魔の書」と呼ばれ— 130 00:08:31,960 --> 00:08:36,900 世に出てから数百年の間 キリスト教会から攻撃されてきた 131 00:08:37,780 --> 00:08:40,990 特に槍玉に 挙げられるのは 第8章— 132 00:08:41,520 --> 00:08:46,360 「悪辣な行為によって 君主の地位についた人々」— 133 00:08:47,480 --> 00:08:49,000 第17章— 134 00:08:49,300 --> 00:08:53,100 「恐れられるのと愛されるのと さてどちらがよいか」— 135 00:08:53,600 --> 00:08:54,940 という記述だ 136 00:08:56,940 --> 00:08:58,440 第8章では— 137 00:08:58,640 --> 00:09:01,450 「悪辣な手段を使って 国を奪っておきながら— 138 00:09:02,000 --> 00:09:04,280 その後 反逆にもあわず— 139 00:09:04,600 --> 00:09:07,620 平穏な一生を送れた 人物がいるのはなぜなのか」— 140 00:09:08,080 --> 00:09:09,620 と問いかけ— 141 00:09:09,620 --> 00:09:12,120 「それは 残虐の使い方が うまかったからだ」— 142 00:09:12,560 --> 00:09:14,130 と答えている 143 00:09:14,640 --> 00:09:16,960 また第17章では— 144 00:09:17,560 --> 00:09:20,970 「君主は愛されるよりも 恐れられるほうがよい」— 145 00:09:21,160 --> 00:09:23,640 と説いている そして— 146 00:09:23,640 --> 00:09:27,470 「軍隊を率いるときは 冷酷などという評判は— 147 00:09:27,470 --> 00:09:31,480 ハナから気にする必要はない」 とも述べている 148 00:09:31,480 --> 00:09:34,650 しかし マキャベリの第8章で— 149 00:09:34,650 --> 00:09:38,150 「うまい残虐の使い方は 一気に使い果たし— 150 00:09:38,150 --> 00:09:42,320 その後は繰り返さないことである」と 言っている 151 00:09:42,320 --> 00:09:47,490 だが その残虐や君主が背負うべき 冷酷が何かについては— 152 00:09:47,490 --> 00:09:50,330 実例を挙げるにとどめている 153 00:09:50,330 --> 00:09:55,000 単純に敵を皆殺しにしろ というのではない 154 00:09:55,000 --> 00:09:57,840 マキャベリが挙げた実例を読み解けば— 155 00:09:57,840 --> 00:10:01,510 残虐が向けられる対象は 敵ではなく— 156 00:10:01,510 --> 00:10:05,840 むしろ味方であることが わかるだろう 157 00:10:05,840 --> 00:10:11,020 マキャベリは味方の中に巣食う 内通者 日和見者— 158 00:10:11,020 --> 00:10:13,520 そういった獅子身中の虫を— 159 00:10:13,520 --> 00:10:16,350 残虐と言われようと 一気に駆除せよ— 160 00:10:16,350 --> 00:10:18,520 と説いているのだ》 161 00:10:18,520 --> 00:10:21,120 (アイーシャ/リーシア)あぁ… 162 00:10:29,370 --> 00:10:31,540 うぅ… あっ… 163 00:10:31,540 --> 00:10:33,540 んっ んっ! 164 00:10:35,540 --> 00:10:37,540 (2人)あっ… 大丈夫だ 165 00:10:37,540 --> 00:10:42,550 俺の配下の者だよ 配下って… えぇっ!? 166 00:10:42,550 --> 00:10:57,660 ♩~ 167 00:10:57,660 --> 00:11:00,330 あっ! カーマイ… 168 00:11:00,330 --> 00:11:02,330 あっ 169 00:11:08,670 --> 00:11:12,340 アイーシャも剣を収めろ (アイーシャ)し しかし 170 00:11:12,340 --> 00:11:14,350 カゲトラ 171 00:11:14,350 --> 00:11:18,850 俺直属の諜報部隊 「黒猫」のリーダーだ 172 00:11:25,020 --> 00:11:28,690 彼らの邸宅付近に待機している 禁軍部隊へ連絡 173 00:11:28,690 --> 00:11:31,860 証拠品を押収するように伝えよ 174 00:11:31,860 --> 00:11:34,660 抵抗するようなら鎮圧せよ 175 00:11:44,380 --> 00:11:48,550 あ… 陛下 176 00:11:48,550 --> 00:11:52,480 差し支えなければ この事態 ご説明願えませんでしょうか 177 00:11:52,480 --> 00:11:58,660 あの12家の貴族は アミドニアとも 他の国々とも繋がっていたんだ 178 00:11:58,660 --> 00:12:01,160 ウム… 確かに— 179 00:12:01,160 --> 00:12:05,000 風見鶏のように 強いほうを向く連中でしたな 180 00:12:05,000 --> 00:12:08,500 あぁ たとえ残虐と言われようと— 181 00:12:08,500 --> 00:12:12,670 その病巣を一度に 根から断ち切らねばならなかった 182 00:12:12,670 --> 00:12:17,510 でも 昔から 王家に仕えていた家々よ 183 00:12:17,510 --> 00:12:21,850 確かに代々 王家に仕えてきた者たちです 184 00:12:21,850 --> 00:12:25,850 なれど 王の目を盗んで 他国と内通し— 185 00:12:25,850 --> 00:12:30,520 疑われれば他の者をあおって 追求の目が及ばないようにする 186 00:12:30,520 --> 00:12:33,020 そのような者たちでした 187 00:12:33,020 --> 00:12:36,530 俺は何かが起きたとき— 188 00:12:36,530 --> 00:12:42,700 リーシアやアイーシャやジュナさんのような 俺の大事な人が傷ついてから— 189 00:12:42,700 --> 00:12:47,210 「あのとき殺しておけば」なんて 後悔したくない 190 00:12:47,210 --> 00:12:50,480 あ… あぁ… 191 00:12:50,480 --> 00:12:55,310 《さらにマキャベリは『君主論』の中で こうも言っている 192 00:12:55,310 --> 00:12:58,820 「運命は人間がどんなに 思慮深く行動しようと— 193 00:12:58,820 --> 00:13:02,320 その流れを変えることなど できないものだが— 194 00:13:02,320 --> 00:13:05,160 少なくとも そのうちの半分は— 195 00:13:05,160 --> 00:13:09,490 その人の手に委ねられていると 考えるべきだ」》 196 00:13:09,490 --> 00:13:12,330 運命の急変を 止めることはできないが— 197 00:13:12,330 --> 00:13:16,330 運命の急変に備えて 事前に準備しておけば— 198 00:13:16,330 --> 00:13:20,510 その流れを穏やかなものに できるだろう… ってわけだ 199 00:13:20,510 --> 00:13:23,170 ソーマの考えは理解したわ 200 00:13:23,170 --> 00:13:27,350 でも サラセン家とジャバナ家は どうするの? 201 00:13:27,350 --> 00:13:31,020 それは私から 説明させていただきます 202 00:13:31,020 --> 00:13:35,520 お二人の先代に当たる当主は あの12家と仲間でした 203 00:13:35,520 --> 00:13:39,020 確かにそうでしたが 204 00:13:39,020 --> 00:13:42,030 しかし それも先代までのこと 205 00:13:42,030 --> 00:13:47,030 ピルトリー殿もオーエン殿も 彼らとの関係は絶っています 206 00:13:47,030 --> 00:13:50,800 ピルトリー殿は若いとはいえ 文武に優れ— 207 00:13:50,800 --> 00:13:54,470 オーエン殿は実直な熱血漢です 208 00:13:54,470 --> 00:13:58,980 お二人ならば 裏表なく陛下に尽くしましょう 209 00:13:58,980 --> 00:14:02,480 (2人)陛下に忠誠を誓います 210 00:14:02,480 --> 00:14:06,150 立て 堅苦しいのは気に入らない 211 00:14:06,150 --> 00:14:09,990 ハッハッハ しかしあれですな 212 00:14:09,990 --> 00:14:13,660 もし私どもが 他の12家と同調していたら— 213 00:14:13,660 --> 00:14:17,500 この首は なかったことになりますな 214 00:14:17,500 --> 00:14:21,000 その場合は 私がお二人を挑発し— 215 00:14:21,000 --> 00:14:23,830 怒らせる手はずと なっておりました 216 00:14:23,830 --> 00:14:28,010 まぁ 他の12家のように 陛下におもねるようなら— 217 00:14:28,010 --> 00:14:30,340 今後 重用はできませんが 218 00:14:30,340 --> 00:14:33,340 ハッハッハッハ! いかにも 219 00:14:33,340 --> 00:14:35,850 重用なさらぬが吉です 220 00:14:35,850 --> 00:14:40,350 そこまで考えていたのね えっ… あ… 221 00:14:42,350 --> 00:14:44,350 陛下 そろそろ 222 00:14:47,690 --> 00:14:49,690 わかっている 223 00:14:57,970 --> 00:14:59,970 カストール・バルガス 224 00:14:59,970 --> 00:15:05,310 最終勧告を拒否した以上 反逆罪が適用される 225 00:15:05,310 --> 00:15:09,650 承知している すべての罪は俺にある 226 00:15:09,650 --> 00:15:12,820 だから カルラだけは助けてくれ! 227 00:15:12,820 --> 00:15:16,650 それを決めるのはお前じゃない 228 00:15:16,650 --> 00:15:18,990 裁きを伝える! 229 00:15:18,990 --> 00:15:22,490 貴公の反逆罪適用は明白! 230 00:15:22,490 --> 00:15:25,500 しかし 100年もの間— 231 00:15:25,500 --> 00:15:29,830 この国の防衛に携わってきた その功は認める 232 00:15:29,830 --> 00:15:32,840 よって 命だけは助けよう 233 00:15:32,840 --> 00:15:35,840 その身柄はエクセルに預ける 234 00:15:35,840 --> 00:15:40,340 ただし 旧バルガス公領への 立ち入りは禁じる 235 00:15:40,340 --> 00:15:44,350 子息カルルと その母アクセラとの接触もだ 236 00:15:44,350 --> 00:15:48,350 エクセル 貴殿の娘婿の しでかしたことだ 237 00:15:48,350 --> 00:15:50,290 しっかりと監督しろ 238 00:15:50,290 --> 00:15:54,290 はい! しかと承りましてございます 239 00:15:57,960 --> 00:16:00,460 カルラ お前も同罪だ 240 00:16:00,460 --> 00:16:04,140 しかもお前には 父のような功もない 241 00:16:04,140 --> 00:16:06,640 残念だが 減刑は無理だ 242 00:16:06,640 --> 00:16:08,640 承知しています 243 00:16:08,640 --> 00:16:11,140 それなら俺を殺してくれ! 244 00:16:11,140 --> 00:16:14,310 カルラがアンタに刃向かったのは 俺の指示なんだ! 245 00:16:14,310 --> 00:16:18,320 頼む! 俺の功はすべてカルラに! 246 00:16:18,320 --> 00:16:20,620 連れていけ 247 00:16:24,320 --> 00:16:27,660 放せ! 頼む! お願いだ! 248 00:16:27,660 --> 00:16:31,500 娘の命だけは助けてくれ! 俺が身代わりになる! 249 00:16:31,500 --> 00:16:34,830 頼む! 250 00:16:34,830 --> 00:16:37,130 クッ… 251 00:16:40,340 --> 00:16:46,510 お前の罪は明白 が 従犯ゆえ死罪は不当とする 252 00:16:46,510 --> 00:16:49,010 ハッ… 命だけは助けるが— 253 00:16:49,010 --> 00:16:51,450 お前の身分は奴隷へと落とす 254 00:16:51,450 --> 00:16:54,790 その所有者は王家… つまり— 255 00:16:54,790 --> 00:16:57,120 俺とリーシアとする んっ… 256 00:16:57,120 --> 00:16:59,960 はい 257 00:16:59,960 --> 00:17:01,960 追って指示は出すが— 258 00:17:01,960 --> 00:17:05,130 まず初めに お前に命じておきたいことがある 259 00:17:05,130 --> 00:17:07,830 ご随意に 260 00:17:09,800 --> 00:17:12,470 もし俺が道を踏み外したら— 261 00:17:12,470 --> 00:17:15,310 そのときは俺を殺せ ハッ…! 262 00:17:15,310 --> 00:17:17,810 暴君に成り果てたとき— 263 00:17:17,810 --> 00:17:21,480 それを止める役を お前に担ってもらいたい 264 00:17:21,480 --> 00:17:25,980 いきなりそんなことを なぜ私に? 265 00:17:25,980 --> 00:17:29,650 リーシアたちには できないかもしれないからだよ 266 00:17:29,650 --> 00:17:35,660 もしいつか 俺が権力によって 暴君になったらと考えると— 267 00:17:35,660 --> 00:17:37,660 怖くなったんだ 268 00:17:37,660 --> 00:17:42,360 リーシアたちはちゃんと 止めてくれるだろうか… ってな 269 00:17:44,840 --> 00:17:50,440 カルラには 俺の大事な人たちが 俺と一緒に不幸になる前に— 270 00:17:50,440 --> 00:17:53,440 俺の息の根を止める役になって ほしいんだ 271 00:17:55,610 --> 00:17:59,010 その命 しかと承りました 272 00:18:01,290 --> 00:18:04,590 以上をもって裁きとする! 273 00:18:11,800 --> 00:18:14,300 ハァ… 274 00:18:14,300 --> 00:18:16,300 あっ… ソーマ!? 陛下! 275 00:18:16,300 --> 00:18:21,470 いい… ちょっと疲れただけだ でも 276 00:18:21,470 --> 00:18:25,970 大丈夫だから 少しだけ一人にしてほしい 277 00:18:30,650 --> 00:18:33,320 (扉の閉まる音) 278 00:18:33,320 --> 00:18:36,990 姫さま 私には陛下が— 279 00:18:36,990 --> 00:18:39,660 初陣帰りの 兵士のように見えました 280 00:18:39,660 --> 00:18:42,490 初めて人を殺した… 281 00:18:42,490 --> 00:18:48,330 12貴族を処刑したときのソーマは いつものソーマじゃなかった 282 00:18:48,330 --> 00:18:50,600 ねぇ アイーシャ 283 00:18:50,600 --> 00:18:54,100 初めて人を殺した兵士たちの フォローって どうするの? 284 00:18:54,100 --> 00:18:56,110 そうですね… 285 00:18:56,110 --> 00:19:00,440 私も経験はないので 詳しくはわかりませんが… 286 00:19:00,440 --> 00:19:04,950 よく聞くのは 忘れさせるってことでしょうか 287 00:19:04,950 --> 00:19:06,950 忘れさせるか… 288 00:19:08,950 --> 00:19:10,960 あっ 289 00:19:10,960 --> 00:19:14,460 ねぇ アイーシャ 忘れさせるの手伝ってくれない? 290 00:19:17,630 --> 00:19:19,630 なっ…!? 291 00:19:23,800 --> 00:19:28,640 《「残虐な行為は 一気にやってしまう」 292 00:19:28,640 --> 00:19:33,310 「君主は冷酷であるとの評を 気にする必要はない」 293 00:19:33,310 --> 00:19:38,820 「滅びないために あえて戦う道を選ぶ」 294 00:19:38,820 --> 00:19:41,320 「滅びるときになって— 295 00:19:41,320 --> 00:19:45,320 あのときやっておけばと 後悔しても遅い」》 296 00:19:45,320 --> 00:19:49,160 マキャベリの言うことは わかるけどさぁ 297 00:19:49,160 --> 00:19:54,160 それでも判断が正しかったのか 迷ってしまうんだよ 298 00:19:54,160 --> 00:19:56,170 ハァ… 299 00:19:56,170 --> 00:19:58,170 あっ? (ノック) 300 00:20:01,840 --> 00:20:05,840 (2人)うぅ… 301 00:20:05,840 --> 00:20:08,680 えっ!? どういうつもりだよ!? 302 00:20:08,680 --> 00:20:10,850 (2人)うぅ… えっ… 303 00:20:10,850 --> 00:20:13,680 あっ いや すまない 304 00:20:13,680 --> 00:20:16,080 一人にしてくれって言ったはずだ 305 00:20:18,360 --> 00:20:22,530 そんなふうになってるソーマを ほうっておけるわけないでしょ 306 00:20:22,530 --> 00:20:25,700 うっ し 失礼します 307 00:20:25,700 --> 00:20:29,370 なんなんだよ 何がしたいんだよ!? 308 00:20:29,370 --> 00:20:34,710 それは… その… 忘れさせてあげたいというか 309 00:20:34,710 --> 00:20:37,210 はい? 310 00:20:37,210 --> 00:20:41,210 ともかく! 私たちのこと 好きにしてくれていいから! 311 00:20:41,210 --> 00:20:45,050 な なにぶん こういったことは 初めてですので 312 00:20:45,050 --> 00:20:47,890 よろしくお願いします 陛下! 313 00:20:47,890 --> 00:20:51,490 好きにしてとか よろしくお願いしますとか— 314 00:20:51,490 --> 00:20:53,490 2人して何言ってんだっ! 315 00:20:53,490 --> 00:20:57,330 ハァ… あの… ソーマ 316 00:20:57,330 --> 00:21:00,830 寒いから布団の中に入っていい? 317 00:21:07,170 --> 00:21:12,340 こんなに冷たい ハーッ… 318 00:21:12,340 --> 00:21:15,010 ハーッ… 319 00:21:15,010 --> 00:21:18,350 あのね ソーマ んっ… 320 00:21:18,350 --> 00:21:23,350 あなたの肩に どれほどの重責が のしかかってるのか— 321 00:21:23,350 --> 00:21:25,520 わかっているつもりだったけど 322 00:21:25,520 --> 00:21:28,190 陛下はご決断のたびに— 323 00:21:28,190 --> 00:21:30,690 苦しい思いを してらっしゃったのですね 324 00:21:30,690 --> 00:21:34,030 でもね 私たち家族でしょう 325 00:21:34,030 --> 00:21:37,870 あなた一人に重責を 担わせるわけにはいかないわ 326 00:21:37,870 --> 00:21:40,370 水くさいですよ 陛下 327 00:21:40,370 --> 00:21:44,040 なんのための 第一正妃と第二正妃ですか 328 00:21:44,040 --> 00:21:46,880 まだ候補ですけど 329 00:21:46,880 --> 00:21:51,650 私たちが苦しいとき あなたに支えてもらったように— 330 00:21:51,650 --> 00:21:55,320 あなたが苦しいときは 私たちが支えるわ 331 00:21:55,320 --> 00:21:57,990 2人とも… 332 00:21:57,990 --> 00:22:01,990 んっ? なんですか? 333 00:22:01,990 --> 00:22:04,090 あったかいな (2人)フフッ 334 00:22:10,000 --> 00:22:12,670 (ロロア)ヴァンを取り返すのに— 335 00:22:12,670 --> 00:22:15,840 賠償金って 兄さん アホちゃうか? 336 00:22:15,840 --> 00:22:18,680 賠償金 取られたら 苦しむんは— 337 00:22:18,680 --> 00:22:21,510 町のおっちゃんや おばちゃんたちやで 338 00:22:21,510 --> 00:22:23,510 いったん王国に渡して— 339 00:22:23,510 --> 00:22:27,180 戦後の責任追及を 回避すればよかったんちゃう? 340 00:22:27,180 --> 00:22:29,520 (コルベール)確かに公国は— 341 00:22:29,520 --> 00:22:31,520 完全に負けたわけでは ありませんから— 342 00:22:31,520 --> 00:22:33,690 領土さえ そのままにしておけば— 343 00:22:33,690 --> 00:22:35,690 王国も帝国も— 344 00:22:35,690 --> 00:22:38,030 それ以上強く 言ってはこないでしょう 345 00:22:38,030 --> 00:22:40,030 次の手だって— 346 00:22:40,030 --> 00:22:42,200 打ちようも あったかもしれません 347 00:22:42,200 --> 00:22:44,540 (セバスチャン)しかし そう簡単に— 348 00:22:44,540 --> 00:22:46,700 割り切れるわけでは ありません 349 00:22:46,700 --> 00:22:49,370 せやな 350 00:22:49,370 --> 00:22:52,640 セバスチャンはソーマに会うたんやろ? 351 00:22:52,640 --> 00:22:55,480 直接 会うてみて どないやった? 352 00:22:55,480 --> 00:22:57,480 そうですね 353 00:22:57,480 --> 00:23:00,320 見た目は平凡な青年ですが— 354 00:23:00,320 --> 00:23:02,320 人の意見に素直に— 355 00:23:02,320 --> 00:23:04,660 耳を傾けることができます 356 00:23:04,660 --> 00:23:06,660 なにより 身内を— 357 00:23:06,660 --> 00:23:10,330 とても大切にしている お方だと感じました 358 00:23:10,330 --> 00:23:14,330 うちのオヤジ殿とは 真逆の王様やね 359 00:23:14,330 --> 00:23:17,670 それなら まだ目があるわ 360 00:23:17,670 --> 00:23:19,670 うちの一世一代の— 361 00:23:19,670 --> 00:23:22,340 大博打の相手にふさわしいわ! 362 00:23:22,340 --> 00:23:25,840 姫さま 本当によろしいのですか? 363 00:23:25,840 --> 00:23:28,680 あぁ こっから巻き返すで! 364 00:23:28,680 --> 00:23:31,350 これ以上は兄さんにもソーマにも— 365 00:23:31,350 --> 00:23:33,350 ええようにはさせへん 366 00:23:33,350 --> 00:23:35,400 最後に笑うんは うちらや! 367 00:23:37,560 --> 00:23:39,050 やらなあかんねん 368 00:23:39,050 --> 00:23:41,050