1 00:00:01,260 --> 00:00:06,170 〈話は ソーマ・カズヤがこの世界に 召喚されたころにさかのぼる 2 00:00:06,700 --> 00:00:09,840 それまでの王都パルナムは 無計画に拡張され— 3 00:00:10,040 --> 00:00:13,510 道は複雑に折れ曲がり 入り組んでいた 4 00:00:13,960 --> 00:00:16,350 ソーマは幹線道路を整備し— 5 00:00:16,350 --> 00:00:19,680 迅速な物流が可能な 都市造りをした 6 00:00:20,040 --> 00:00:25,190 また上下水道を整備し 町の美化に力を注いだ 7 00:00:25,560 --> 00:00:28,190 さらには 公衆衛生の観点から— 8 00:00:28,190 --> 00:00:32,860 下水を浄化するために 大規模な沈殿池が建設された 9 00:00:32,860 --> 00:00:36,700 その掘削作業中に ガーゴイル 巨人など— 10 00:00:36,700 --> 00:00:40,370 多数の魔物の骨が 発見されたのである 11 00:00:40,370 --> 00:00:43,370 その中にドラゴンの骨があった 12 00:00:43,370 --> 00:00:46,710 王立アカデミーに 運び込もうとした矢先— 13 00:00:46,710 --> 00:00:51,050 それは こつ然と 行方不明になったのである〉 14 00:00:51,050 --> 00:00:53,720 (ソーマ)あれの犯人は ジーニャだったのか 15 00:00:53,720 --> 00:00:56,050 (ルドウィン)申し訳ございません 16 00:00:56,050 --> 00:01:00,490 (リーシア)でも だいぶ前のことよ 言われるまで忘れてたぐらい 17 00:01:00,490 --> 00:01:02,490 なんで今ごろになって? 18 00:01:02,490 --> 00:01:05,490 それは私の不徳の致すところ 19 00:01:05,490 --> 00:01:07,660 書類を整理していたときに— 20 00:01:07,660 --> 00:01:10,500 1枚の紙が 紛れ込んでいたのでございます 21 00:01:10,500 --> 00:01:12,500 「ルゥ兄へ 22 00:01:12,500 --> 00:01:17,340 ドラゴンの骨もらってくから 手続きヨロ ジーニャ」ハァ… 23 00:01:17,340 --> 00:01:21,180 (ジーニャ)やっと見つけたの? 遅いよ ルゥ兄 24 00:01:21,180 --> 00:01:25,350 紙切れ一枚で ドラゴンの骨を 盗み出した君に言われたくない! 25 00:01:25,350 --> 00:01:29,690 盗んだなんて ひどいなぁ だから手紙を置いてったのに 26 00:01:29,690 --> 00:01:32,190 夫婦喧嘩は あとにしてくれないかな 27 00:01:32,190 --> 00:01:35,020 ふっ ふ… 夫婦ではありません! 28 00:01:35,020 --> 00:01:38,030 僕をお嫁さんにするのは嫌なのかい? 29 00:01:38,030 --> 00:01:41,030 い いい… いや まだ夫婦ではないということだ 30 00:01:41,030 --> 00:01:44,700 それで? ドラゴンの骨を どうしようと思ったんだ? 31 00:01:44,940 --> 00:01:48,600 よくぞ聞いてくれました! あ… 32 00:03:19,500 --> 00:03:21,510 (3人)あぁ… 33 00:03:21,510 --> 00:03:23,680 この子の名前は メカドラ 34 00:03:23,680 --> 00:03:27,010 ドラゴンの骨格の上に 魔物の素材やら— 35 00:03:27,010 --> 00:03:30,520 ダンジョンから発見された 謎部品なんかを組み合わせた— 36 00:03:30,520 --> 00:03:32,850 機械仕掛けのドラゴンだよ 37 00:03:32,850 --> 00:03:36,860 《魔物の素材やダンジョンの 謎部品ってところからして— 38 00:03:36,860 --> 00:03:38,860 嫌な感じしかしない》 39 00:03:38,860 --> 00:03:42,690 これ 暴走したりしないよな? アハハ 40 00:03:42,690 --> 00:03:46,530 暴走なんてするわけないよ そもそも これ動かないし 41 00:03:46,530 --> 00:03:49,870 えっ そうなのか? 当たり前だよ 42 00:03:49,870 --> 00:03:54,140 肝心の各部を動かす 命令を送る仕組みがないからね 43 00:03:54,140 --> 00:03:56,980 だったら何のためにこんなものを 44 00:03:56,980 --> 00:04:02,810 生物の関節を研究するために 実験的に作ったんだ 45 00:04:02,810 --> 00:04:06,820 ほら こんなふうに 動き自体は滑らかなんだよ 46 00:04:06,820 --> 00:04:09,490 まったく力がなくても 動かせるからね 47 00:04:09,490 --> 00:04:12,490 あぁ すごいよ すごいけどもさ… 48 00:04:12,490 --> 00:04:15,990 ジ ジーニャ 君はなんてものを作ったんだ! 49 00:04:15,990 --> 00:04:19,500 星竜連峰に知られたら 国際問題に発展するぞ! 50 00:04:19,500 --> 00:04:21,500 そうなの? 51 00:04:21,500 --> 00:04:25,000 帰ったら星竜連峰に 謝罪の書簡を送ろう 52 00:04:25,000 --> 00:04:28,840 そうね 場合によっては 骨を埋葬するなり— 53 00:04:28,840 --> 00:04:31,540 送り返す必要が出てくるわ うん 54 00:04:36,350 --> 00:04:38,350 えっ… 55 00:04:40,350 --> 00:04:42,520 (みんな)ああっ! 56 00:04:42,520 --> 00:04:45,190 ちょっと王様 何かしたのかい? 57 00:04:45,340 --> 00:04:48,660 ソーマ リビング・ポルターガイスツ 使ったわね? 58 00:04:48,660 --> 00:04:50,820 まぁ ほんの好奇心から 59 00:04:53,300 --> 00:04:56,300 やっぱり僕の計算は ちゃんとしてた! 60 00:04:56,300 --> 00:04:59,970 ルゥ兄 見てごらんよ あの流れるような動き 61 00:04:59,970 --> 00:05:02,470 そういう問題じゃ ないんだってば! 62 00:05:02,470 --> 00:05:04,480 陛下も陛下です! 63 00:05:04,480 --> 00:05:06,480 機械仕掛けのドラゴンを動かせるなんて— 64 00:05:06,480 --> 00:05:08,480 他国にとって 脅威でしかないですよ! 65 00:05:08,480 --> 00:05:10,480 あっ… 66 00:05:12,480 --> 00:05:14,650 でも これって戦力になるの? 67 00:05:14,650 --> 00:05:16,820 メカドラには武装はあるのか? 68 00:05:16,820 --> 00:05:21,990 模型にわざわざ武装を施すほど 僕も酔狂じゃないよ 69 00:05:21,990 --> 00:05:25,160 《そうなると 本当に使い道がないな 70 00:05:25,160 --> 00:05:28,170 他国から警戒されかねない 代物なのに— 71 00:05:28,170 --> 00:05:31,370 まったくの役立たずって 最悪じゃないか》 72 00:05:34,670 --> 00:05:38,680 メカドラに関しては 我が国の超極秘事項として扱い— 73 00:05:38,680 --> 00:05:40,680 星竜連峰の返答があるまで— 74 00:05:40,680 --> 00:05:43,350 厳重に封印する え~っ! 75 00:05:43,350 --> 00:05:45,680 牢に繋がれないだけ よかったと思え! 76 00:05:45,680 --> 00:05:49,520 ジーニャ・マクスウェルには 国家研究機関を作る 77 00:05:49,520 --> 00:05:52,290 そこでの研究テーマはジーニャに 任せるよ 78 00:05:52,290 --> 00:05:54,790 本当かい? ただし— 79 00:05:54,790 --> 00:05:57,130 研究費の1割は自己負担だ 80 00:05:57,130 --> 00:05:59,130 1割… 81 00:05:59,130 --> 00:06:02,300 今まで彼女の研究費を 負担してきた身としては— 82 00:06:02,300 --> 00:06:05,800 全額負担していただけると ありがたいのですが 83 00:06:05,800 --> 00:06:07,810 全額負担してみろ 84 00:06:07,810 --> 00:06:10,510 何を研究しだすか わかったもんじゃない 85 00:06:15,650 --> 00:06:18,320 ポンチョ橋が落とされたって 86 00:06:18,320 --> 00:06:21,650 えっ! あれ 買い物行くとき 便利だったのに 87 00:06:21,650 --> 00:06:24,990 ユリウス様が戻ってきてから 堅苦しいよな 88 00:06:24,990 --> 00:06:30,500 宝珠放送は禁止になるし 食料も配給制になったわ 89 00:06:30,500 --> 00:06:33,170 子どもに満足に 食べさせてやれない 90 00:06:33,170 --> 00:06:35,500 その配給も少なくなるって— 91 00:06:35,500 --> 00:06:38,500 もっぱらのうわさだぞ え~っ 92 00:06:38,500 --> 00:06:43,100 あ~あ ソーマ陛下 また占領してくんねぇかな 93 00:06:46,680 --> 00:06:50,120 (ユリウス)民に不満の声が多い? 94 00:06:50,120 --> 00:06:53,290 (ユリウス)たるみ切った風紀を 元に戻しているだけだ 95 00:06:53,290 --> 00:06:56,620 堤防もアリの一穴から と言うではないか 96 00:06:56,620 --> 00:06:58,960 気を許せば民は増長する 97 00:06:58,960 --> 00:07:03,960 恨むなら多額の賠償金を要求した エルフリーデンを恨め 98 00:07:03,960 --> 00:07:06,800 国家を恨むなど お門違いだろう 99 00:07:06,800 --> 00:07:09,300 あっ? なんだ? (扉の開く音) 100 00:07:09,300 --> 00:07:12,140 ハァ ハァ ハァ… 101 00:07:12,140 --> 00:07:15,310 ガルアの領主 ハドルス殿ではないか 102 00:07:15,310 --> 00:07:18,310 陛下… お助けください 103 00:07:18,310 --> 00:07:21,650 反乱でございます! なにっ!? 104 00:07:21,650 --> 00:07:24,980 我がガルアは ご存じのように国の外れ 105 00:07:24,980 --> 00:07:29,650 食料も少なく領民の中には 餓死者が続出しておりました 106 00:07:29,650 --> 00:07:32,660 その不満が 爆発したのでございます 107 00:07:32,660 --> 00:07:35,990 フン たしかハドルス殿は— 108 00:07:35,990 --> 00:07:38,830 「若造の公王など 信頼できるか」と— 109 00:07:38,830 --> 00:07:41,170 兵を増強したのではなかったか? 110 00:07:41,170 --> 00:07:44,170 ご自分の身はご自分で守られよ 111 00:07:44,170 --> 00:07:47,010 しかし陛下 暴動が長引けば— 112 00:07:47,010 --> 00:07:49,670 不満がくすぶる各地に 飛び火しましょう 113 00:07:49,670 --> 00:07:53,450 それに ここでお力を示しておけば… 114 00:07:53,450 --> 00:07:55,950 フム… 115 00:07:55,950 --> 00:08:00,550 これから全軍を率い ガルアの反乱を鎮圧する! 116 00:08:05,290 --> 00:08:09,130 (ロウ)王たま~ 遊んで~ 王たま~ 117 00:08:09,130 --> 00:08:12,460 (トモコ)陛下 ロウたちのお相手を してくださるのは— 118 00:08:12,460 --> 00:08:14,970 うれしいですが お忙しいんじゃないですか? 119 00:08:14,970 --> 00:08:18,800 大丈夫 そんなに仕事も 立て込んでないからね 120 00:08:18,800 --> 00:08:20,810 そうなんですか 121 00:08:20,810 --> 00:08:23,980 じゃあ いっぱい 遊んでもらえるわね ロウくん 122 00:08:23,980 --> 00:08:28,150 あいっ! アハハハ うわ~ やめてくれ~ 123 00:08:28,150 --> 00:08:30,980 (カルラ)すごい格好ですね ご主人様 えっ? 124 00:08:30,980 --> 00:08:32,980 いや… 125 00:08:32,980 --> 00:08:35,080 今のカルラに 言われたくないんだけど 126 00:08:37,490 --> 00:08:39,490 (カルラ)うぅ… 127 00:08:39,490 --> 00:08:44,330 メイド服が恐ろしく似合わないな あ… 言わないでください 128 00:08:44,330 --> 00:08:46,500 私自身 そう思っています! 129 00:08:46,500 --> 00:08:51,440 やけにスカート丈が短くないか? はっ! 見ないでください! 130 00:08:51,440 --> 00:08:55,770 じ… 侍従長が これを着ろって 131 00:08:55,770 --> 00:08:59,280 あ~ やっぱりセリィナさんの趣味か 132 00:08:59,280 --> 00:09:02,950 侍従の研修は終わったのか? け… 研修… 133 00:09:02,950 --> 00:09:05,620 ああっ な 何があったんだ? 134 00:09:05,620 --> 00:09:09,120 ムチで… ムチで叩かれるんです 135 00:09:09,120 --> 00:09:11,120 ムチ? 136 00:09:11,120 --> 00:09:14,960 しかも そのムチが 魔法の付与された特別製で— 137 00:09:14,960 --> 00:09:18,630 叩かれても 体に傷一つ つかないのですが… 138 00:09:18,630 --> 00:09:21,630 (セリィナ)ムチは愛 愛は受け入れるものです 139 00:09:21,630 --> 00:09:24,140 ああっ! ウフッ 140 00:09:24,140 --> 00:09:26,140 ひぃ~っ! 141 00:09:26,140 --> 00:09:28,970 《ガイウスにさえ 単身 突っ込んでいった— 142 00:09:28,970 --> 00:09:31,980 カルラが怯えるって どんだけなんだよ》 143 00:09:31,980 --> 00:09:34,310 カルラさん はっ はいっ! 144 00:09:34,310 --> 00:09:38,320 政務室にある陛下のベッドメークを 申しつけたはずですが? 145 00:09:38,320 --> 00:09:43,320 か… 顔見知りの男性のシーツを 回収するのは さすがに… 146 00:09:43,320 --> 00:09:45,320 何を言っているのです 147 00:09:45,320 --> 00:09:47,330 あなたも侍従であるならば— 148 00:09:47,330 --> 00:09:52,330 いずれ陛下と姫さまが …に励み…を …して— 149 00:09:52,330 --> 00:09:54,330 たいそう お濡れになったベッド… あっちで遊ぼうか 150 00:09:54,330 --> 00:09:57,000 (2人)あ~い 151 00:09:58,260 --> 00:09:59,340 フゥ… 152 00:10:01,320 --> 00:10:02,340 そうか… 153 00:10:03,000 --> 00:10:05,680 で 反乱は鎮圧できたのか? 154 00:10:05,960 --> 00:10:08,350 (ハクヤ)はい 見せしめでしょうが— 155 00:10:08,620 --> 00:10:11,520 かなり残虐なやり方で 鎮圧したようです 156 00:10:11,960 --> 00:10:14,850 《残虐の使い方が間違ってる》 157 00:10:15,500 --> 00:10:18,520 それでは民衆の不満が つのるだけだ 158 00:10:18,520 --> 00:10:21,530 ハクヤ ヴァンからの使者は なんと言っている? 159 00:10:22,460 --> 00:10:25,030 ヴァンの民衆代表から これを 160 00:10:30,040 --> 00:10:34,870 「我らヴァンの民衆は エルフリーデン王国に恭順を示し— 161 00:10:34,870 --> 00:10:36,870 援軍を要請する」!? 162 00:10:42,880 --> 00:10:48,220 ソーマ これも計算のうち? ちょっと動いたことは認めよう 163 00:10:48,220 --> 00:10:51,660 だが ヴァンの人たちが どう判断するかは— 164 00:10:51,660 --> 00:10:53,660 俺には決められない 165 00:10:53,660 --> 00:10:56,490 しかし 正式な要請がきた以上— 166 00:10:56,490 --> 00:10:59,990 王国はこれを受理し 援軍を派遣する 167 00:11:08,010 --> 00:11:10,010 クソッ! 168 00:11:10,010 --> 00:11:12,010 よりによってヴァンが! 169 00:11:12,010 --> 00:11:14,680 生まれ育った町が… 俺を裏切り— 170 00:11:14,680 --> 00:11:18,680 あの憎きソーマに 尻尾を振るとは思わなかったわ! 171 00:11:20,690 --> 00:11:23,360 申し上げます 大貴族カトラス様が— 172 00:11:23,360 --> 00:11:26,860 打倒アミドニア公王家を標ぼうし 蜂起したもよう 173 00:11:26,860 --> 00:11:28,860 なんだと!? 174 00:11:28,860 --> 00:11:30,860 ハァ… ハァ… 175 00:11:30,860 --> 00:11:33,870 ガルアから逃げてきた民衆を かくまったシャドラー殿が— 176 00:11:33,870 --> 00:11:38,200 こちらからの返還要求を蹴り 陛下に反旗を翻しました! 177 00:11:38,200 --> 00:11:42,870 ロロア派の貴族たちが結束し 陛下の退位を要求してきました 178 00:11:42,870 --> 00:11:45,710 シャドラー殿が… 反乱を… 179 00:11:45,710 --> 00:11:48,710 民衆が蜂起し ガルアへ侵攻しています! 180 00:11:48,710 --> 00:11:52,110 いったい… 何が… 181 00:11:54,650 --> 00:11:58,820 そうか… ユリウスの公国軍は崩壊したか 182 00:11:58,820 --> 00:12:02,160 さすがに これほど一気に反乱が起きては— 183 00:12:02,160 --> 00:12:05,000 鎮圧することも不可能でしょう 184 00:12:05,000 --> 00:12:10,000 ユリウス殿は わずかな手勢を率いて 帝国に逃れたそうです 185 00:12:10,000 --> 00:12:13,510 ここまでは 俺たちの思惑どおりだが… 186 00:12:13,510 --> 00:12:15,670 うまくいきすぎてないか? 187 00:12:15,670 --> 00:12:18,510 意思統一のできていない反乱が— 188 00:12:18,510 --> 00:12:22,510 こんなに軌を一にして起きるとは 想定していませんでした 189 00:12:22,510 --> 00:12:25,810 お前の言う 何者かの意思か… 190 00:12:35,190 --> 00:12:37,700 〈ユリウスを放逐したアミドニアは— 191 00:12:37,700 --> 00:12:40,370 一時期 あるじなき国家となった 192 00:12:40,370 --> 00:12:42,370 この隙を突こうと— 193 00:12:42,370 --> 00:12:45,370 アミドニアの北にある ルナリア正教皇国と— 194 00:12:45,370 --> 00:12:49,040 南にある トルギス共和国が 動き出した 195 00:12:49,040 --> 00:12:53,650 西の傭兵国家ゼムは 永世中立をうたっているため— 196 00:12:53,650 --> 00:12:55,980 侵攻のそぶりを 見せてはいないが— 197 00:12:55,980 --> 00:12:59,320 両国に対して傭兵を派遣していた 198 00:12:59,320 --> 00:13:01,990 ルナリア正教皇国は— 199 00:13:01,990 --> 00:13:06,320 月の女神ルナリアを祀る ルナリア正教の総本山であり— 200 00:13:06,320 --> 00:13:11,660 教皇が国を治めている 政教一体の宗教国家である 201 00:13:11,660 --> 00:13:16,840 アミドニア公国の騒乱に対し 同国内の教徒の保護を掲げ— 202 00:13:16,840 --> 00:13:21,670 アミドニアとの国境線沿いに 軍を展開した 203 00:13:21,670 --> 00:13:25,510 一方のトルギス共和国は 極寒の地だった 204 00:13:25,510 --> 00:13:27,850 特に南部の半島部分は— 205 00:13:27,850 --> 00:13:31,020 1年の大半を 雪と氷に閉ざされており— 206 00:13:31,020 --> 00:13:35,020 雪降らぬ大地は いわば 羨望の土地だったのである 207 00:13:35,020 --> 00:13:40,360 今の公国はまとまりもなく 侵略し放題の状態である 208 00:13:40,360 --> 00:13:43,860 さいわい トルギス共和国軍の進軍は— 209 00:13:43,860 --> 00:13:46,870 南部の防御都市 ネルヴァの領主にして— 210 00:13:46,870 --> 00:13:50,970 百戦錬磨の老将ヘルマンの 奮戦によって阻まれていた 211 00:13:50,970 --> 00:13:54,470 しかし それも いつまでもつか わからない 212 00:13:54,470 --> 00:14:00,480 公王を失ったアミドニア公国は もはや風前の灯だったのである〉 213 00:14:00,480 --> 00:14:04,980 アミドニア全土を エルフリーデン王国に併合してほしい!? 214 00:14:04,980 --> 00:14:07,990 はい ヘルマン・ノイマン将軍と— 215 00:14:07,990 --> 00:14:11,990 元財務大臣 ギャツビー・コルベール殿の連名で— 216 00:14:11,990 --> 00:14:14,160 正式に書状が届きました 217 00:14:14,160 --> 00:14:16,490 分割統治されるぐらいなら— 218 00:14:16,490 --> 00:14:19,160 王国に身を寄せたほうが いいと思うのは— 219 00:14:19,160 --> 00:14:21,170 当然じゃないかしら 220 00:14:21,170 --> 00:14:23,840 (ジュナ)トルギスを食い止めた ヘルマン将軍と— 221 00:14:23,840 --> 00:14:27,840 元財務大臣のコルベールが 併合派を支持したとなれば— 222 00:14:27,840 --> 00:14:30,510 逆らう者は誰もいないでしょう 223 00:14:30,510 --> 00:14:35,180 ハクヤ これが何者かの意思か わかりかねます 224 00:14:35,180 --> 00:14:39,680 で どうするの? どうするのって言われても 225 00:14:39,680 --> 00:14:43,690 アミドニア併合は デメリットのほうが大きい 226 00:14:43,690 --> 00:14:46,360 まずメリットを考えてみよう 227 00:14:46,360 --> 00:14:51,130 人口が増え 長期的に見れば 国力は増大するだろう 228 00:14:51,130 --> 00:14:57,030 またアミドニアは鉱物資源が 豊富なので安定供給のメドが立つ 229 00:15:00,140 --> 00:15:04,640 次にデメリットだ まずは食料問題だな 230 00:15:04,640 --> 00:15:09,810 ヴァンではうまくいってたじゃない ヴァンは首都とはいえ 一都市だ 231 00:15:09,810 --> 00:15:12,650 それが アミドニア全土となると— 232 00:15:12,650 --> 00:15:16,650 ようやく食料問題が 解決できたばかりの我が国には— 233 00:15:16,650 --> 00:15:18,990 荷が重い あ… 234 00:15:18,990 --> 00:15:22,490 それに つい先日まで 敵国だった場所なので— 235 00:15:22,490 --> 00:15:24,500 統治が難しい 236 00:15:24,500 --> 00:15:28,670 今まで東方諸国連合 アミドニア公国— 237 00:15:28,670 --> 00:15:32,170 トルギス共和国の一部としか 隣接していなかったのに— 238 00:15:32,170 --> 00:15:37,340 傭兵国家ゼム ルナリア正教皇国とも 隣接してしまう 239 00:15:37,340 --> 00:15:42,180 隣接する国家が増えれば それだけ外交は難しくなります 240 00:15:42,180 --> 00:15:44,180 うん… 241 00:15:44,180 --> 00:15:47,520 それと 最初から あてにはしてなかったけど— 242 00:15:47,520 --> 00:15:52,460 アミドニアを併合すれば 戦争賠償金が手に入らなくなる 243 00:15:52,460 --> 00:15:54,460 (ジュナ/リーシア)あっ… 244 00:15:54,460 --> 00:15:57,630 じゃあ 併合はしないの? 245 00:15:57,630 --> 00:16:00,800 できれば そうしたいところだけど— 246 00:16:00,800 --> 00:16:04,140 拒否する選択肢は 俺たちにはないらしい 247 00:16:04,140 --> 00:16:08,140 拒否すれば ヴァンは領民からの要請により— 248 00:16:08,140 --> 00:16:12,640 王国に編入したという 大義名分が揺らぐことになります 249 00:16:12,640 --> 00:16:14,650 うん… 250 00:16:14,650 --> 00:16:18,480 ヴァンの編入は認めたのに 他も無視はできないだろう 251 00:16:18,480 --> 00:16:22,490 また ヴァンの民も 同胞を見捨てたとなれば— 252 00:16:22,490 --> 00:16:24,490 王国に失望するだろう 253 00:16:24,490 --> 00:16:29,990 トルギス共和国やルナリア正教皇国の 侵略するままに任せれば— 254 00:16:29,990 --> 00:16:33,670 我が国に難民が 押し寄せることになるでしょう 255 00:16:33,670 --> 00:16:38,340 だったら最初から全部まとめて 面倒を見たほうがマシだろう 256 00:16:38,340 --> 00:16:40,510 今は苦労するだろうが— 257 00:16:40,510 --> 00:16:44,180 長期的に見れば 必ず元は取れるだろうからな 258 00:16:44,180 --> 00:16:47,350 ホント やれやれだよ 259 00:16:47,350 --> 00:16:51,280 アミドニア全土の王国編入を 認めることにし— 260 00:16:51,280 --> 00:16:54,620 そのことを諸外国に通知せよ はっ 261 00:16:54,620 --> 00:16:57,290 エクセル配下の海軍部隊を— 262 00:16:57,290 --> 00:17:00,630 トルギス共和国との 国境線沿いへと動かし— 263 00:17:00,630 --> 00:17:03,130 いつでも攻め込める 態勢をとらせよ 264 00:17:05,130 --> 00:17:09,130 〈かくしてアミドニア全土は エルフリーデン王国に— 265 00:17:09,130 --> 00:17:13,130 正式に かつ平和裏に 併合されたのであった〉 266 00:17:15,140 --> 00:17:18,980 (ハクヤ)ギャツビー・コルベール殿 (コルベール)ははっ 267 00:17:18,980 --> 00:17:23,480 コルベール殿 よくぞ アミドニアの民をまとめてくれた 268 00:17:23,480 --> 00:17:26,820 貴殿の尽力なくば 混乱は長引き— 269 00:17:26,820 --> 00:17:30,820 アミドニアの民は塗炭の苦しみを 味わったことであろう 270 00:17:30,820 --> 00:17:33,320 もったいなきお言葉にございます 271 00:17:33,320 --> 00:17:35,830 つきましては 陛下— 272 00:17:35,830 --> 00:17:38,530 お納めいただきたいものが ございます 273 00:17:41,000 --> 00:17:44,000 (コルベール)アミドニア公国内の 収支報告書や— 274 00:17:44,000 --> 00:17:46,000 権利関係の書類にございます 275 00:17:46,000 --> 00:17:48,670 戦火による紛失を恐れ— 276 00:17:48,670 --> 00:17:50,940 安全な場所に保管しておりました 277 00:17:50,940 --> 00:17:54,950 《おいおい それなしに 公国運営を任されたのか? 278 00:17:54,950 --> 00:17:57,280 ユリウスに同情するな》 279 00:17:57,280 --> 00:18:01,790 それはすばらしい贈り物だな 統治が楽になる 280 00:18:01,790 --> 00:18:06,120 しかし それは貴殿自身の手で 持ち帰るがよかろう 281 00:18:06,120 --> 00:18:08,130 えっ… 282 00:18:08,130 --> 00:18:11,460 元アミドニア公国財務大臣 コルベール 283 00:18:11,460 --> 00:18:13,460 俺に仕える気はあるか? 284 00:18:13,460 --> 00:18:16,300 は… はい 285 00:18:16,300 --> 00:18:18,300 貴殿はこれより— 286 00:18:18,300 --> 00:18:22,470 エルフリーデン王国の財務大臣として 国の財政を支えよ 287 00:18:22,470 --> 00:18:24,480 お待ちください! 288 00:18:24,480 --> 00:18:27,310 アミドニア領の 財政担当ではないのですか? 289 00:18:27,310 --> 00:18:30,150 エルフリーデン王国の財務大臣だ 290 00:18:30,150 --> 00:18:32,150 し しかし 291 00:18:32,150 --> 00:18:35,650 私はアミドニアの人間ですが… かまわない 292 00:18:35,650 --> 00:18:38,320 使える者なら どんなヤツでも使うのが— 293 00:18:38,320 --> 00:18:40,320 今のエルフリーデン流だ 294 00:18:40,320 --> 00:18:42,660 へ… 陛下 295 00:18:42,660 --> 00:18:45,160 アミドニアは豊かでもないうえに— 296 00:18:45,160 --> 00:18:47,670 軍事費に かなり予算を取られていた 297 00:18:47,670 --> 00:18:49,670 にもかかわらず— 298 00:18:49,670 --> 00:18:53,100 財政破綻させなかった その手腕 みごとである 299 00:18:53,100 --> 00:18:56,270 是が非でもほしい人材だ 300 00:18:56,270 --> 00:18:59,940 エルフリーデン王国財務大臣 コルベール 301 00:18:59,940 --> 00:19:04,780 それらの書物は そなたにとって 仕事道具となるであろう 302 00:19:04,780 --> 00:19:08,620 持ち帰り アミドニア地方の 再建のために働いてくれ 303 00:19:08,620 --> 00:19:13,460 は… はい! 承りましてございます! 304 00:19:13,460 --> 00:19:15,460 (ハクヤ)ヘルマン・ノイマン殿 305 00:19:17,800 --> 00:19:21,130 よくぞ トルギス共和国軍を防いでくれた 306 00:19:21,130 --> 00:19:25,140 貴殿の奮闘なくば 我が国の救援も間に合わず— 307 00:19:25,140 --> 00:19:27,640 ひどい混乱に包まれていただろう 308 00:19:27,640 --> 00:19:30,980 (ヘルマン)士は民を守る者 309 00:19:30,980 --> 00:19:33,980 あるじなきとて それは変わらず 310 00:19:33,980 --> 00:19:37,280 それがしはその本分に従ったのみ 311 00:19:40,990 --> 00:19:44,490 それがしも 陛下に 献上したき物がございます 312 00:19:44,490 --> 00:19:49,290 しかし 受け取られた以上 返還されぬことを望みます 313 00:19:52,830 --> 00:19:58,170 アミドニア南部は羊毛生産が盛んで 良質のウールがとれます 314 00:19:58,170 --> 00:20:01,670 これらは その羊毛にて織り上げし物 315 00:20:01,670 --> 00:20:03,670 どうか お納めいただきたい 316 00:20:03,670 --> 00:20:07,010 ほぅ… 近くで見てもいいか? 317 00:20:07,010 --> 00:20:09,110 ご随意に 318 00:20:15,020 --> 00:20:18,520 《この手触り… 絨毯かな》 319 00:20:18,520 --> 00:20:20,620 んっ… 絨毯? 320 00:20:22,690 --> 00:20:26,360 《贈り物で絨毯… なんだろう… 321 00:20:26,360 --> 00:20:29,870 このシチュエーション どっかで聞いたような気がする》 322 00:20:29,870 --> 00:20:33,540 なぁ ヘルマン殿 なんでしょうか? 323 00:20:33,540 --> 00:20:37,880 もしかして この絨毯の中に 女性が隠れていたりしない? 324 00:20:37,880 --> 00:20:40,880 ううっ… 《えっ マジで!?》 325 00:20:46,050 --> 00:20:48,390 (ロロア)な~んや なんや~ 326 00:20:48,390 --> 00:20:51,990 一世一代のサプライズやったのに おもろないなぁ 327 00:20:51,990 --> 00:20:55,660 呼ばれず飛び出てパンパカパーン! 328 00:20:55,660 --> 00:20:57,660 ロロアやで~ 329 00:20:57,660 --> 00:21:01,330 あ… ってか なんで気付いたん? 330 00:21:01,330 --> 00:21:04,670 気付かれへん自信あったんやけど いや… 331 00:21:04,670 --> 00:21:07,840 俺の世界に似たようなことをした 女性がいたんでな 332 00:21:07,840 --> 00:21:12,010 カーッ ネタ被りしとったんか! 不覚やわ~! 333 00:21:12,010 --> 00:21:15,350 ちなみに その人は全裸だったらしいが 334 00:21:15,350 --> 00:21:18,180 なんやねん その女 痴女かいな! 335 00:21:18,180 --> 00:21:23,350 一応 鼻の高さしだいでは 歴史が変わったのではないか— 336 00:21:23,350 --> 00:21:25,520 と言われるほどの 美人なんだけどな 337 00:21:25,520 --> 00:21:28,860 「鼻が高かったら 歴史が変わってた」なんて— 338 00:21:28,860 --> 00:21:31,530 うちの胸への当てこすりかいな 339 00:21:31,530 --> 00:21:37,030 えっと… ロロアでいいのか? ユリウスの妹の 340 00:21:37,030 --> 00:21:40,870 せや 眉目秀麗 才色兼備 341 00:21:40,870 --> 00:21:43,040 水も滴り石をも穿つ 342 00:21:43,040 --> 00:21:47,880 アミドニア一の美少女 ロロアちゃんとは うちのことや 343 00:21:47,880 --> 00:21:55,320 元アミドニア公王ガイウス8世が娘 ロロア・アミドニアと申します 344 00:21:55,320 --> 00:22:00,020 その ロロア姫が いったいなぜこのような場所に? 345 00:22:01,990 --> 00:22:04,500 ソーマはんとこに嫁ぎにきたんや 346 00:22:04,500 --> 00:22:07,000 な~んだ 嫁ぎにか 347 00:22:07,000 --> 00:22:09,300 って… え~っ!?