1 00:00:07,790 --> 00:00:09,500 〈およそ10年前 2 00:00:09,625 --> 00:00:14,463 突如として現れた魔王領によって 人類は領土を奪われた 3 00:00:15,715 --> 00:00:20,229 グラン・ケイオス帝国は 「対魔族人類共闘宣言」— 4 00:00:20,229 --> 00:00:23,191 通称「人類宣言」を掲げた 5 00:00:23,191 --> 00:00:25,120 人類宣言に加盟した国は— 6 00:00:25,182 --> 00:00:26,663 以下の3つの条文を— 7 00:00:26,663 --> 00:00:30,323 批准することになる その第一条 8 00:00:30,323 --> 00:00:32,408 「人類同士の争いによる— 9 00:00:32,408 --> 00:00:33,837 武力による国境線の— 10 00:00:33,837 --> 00:00:35,401 変更を認めない」 11 00:00:36,110 --> 00:00:41,177 アミドニア公国はこれに加盟し エルフリーデン王国は非加盟であった 12 00:00:41,626 --> 00:00:45,348 よって 首都ヴァンを 奪われたアミドニア公国は— 13 00:00:45,494 --> 00:00:49,290 第一条に従って 領土返還の権利を— 14 00:00:49,290 --> 00:00:51,375 人類宣言の盟主たる— 15 00:00:51,375 --> 00:00:54,816 グラン・ケイオス帝国に 求めることが可能だった〉 16 00:02:39,963 --> 00:02:43,967 (ジャンヌ)グラン・ケイオス帝国と エルフリーデン王国の外交— 17 00:02:44,301 --> 00:02:47,408 復活ですね (ソーマ)あぁ 18 00:02:51,975 --> 00:02:54,404 (ジャンヌ)ごちそうさま 19 00:02:54,404 --> 00:02:56,490 たいへんおいしかったです 20 00:02:56,490 --> 00:03:00,139 本来なら 宴席でも設けるべきだろうが 21 00:03:02,235 --> 00:03:04,779 食べ物のお礼は食べ物で 22 00:03:04,779 --> 00:03:07,553 こちらも とっておきの情報を お教えしましょう 23 00:03:07,553 --> 00:03:10,514 魔物の肉 24 00:03:10,514 --> 00:03:13,997 はぁ? (リーシア)あ… (ハクヤ)あぁ… 25 00:03:13,997 --> 00:03:16,948 魔物の肉は食べることができます 26 00:03:16,948 --> 00:03:19,565 マジか… 27 00:03:19,565 --> 00:03:23,037 その魔物は 魔王領から来る魔物か? 28 00:03:23,037 --> 00:03:26,176 えぇ 味は意外と普通でした (リーシア/ハクヤ)うっ! 29 00:03:26,176 --> 00:03:28,783 ジャンヌ殿も食べたのか!? 30 00:03:28,783 --> 00:03:32,265 《かわいい顔して 意外とワイルドだな》 31 00:03:32,265 --> 00:03:36,780 まさかコボルトとかの 肉じゃない… ですよね? 32 00:03:36,780 --> 00:03:39,397 あっ…? 33 00:03:39,397 --> 00:03:41,483 食べたのは魔物ですよ 34 00:03:41,483 --> 00:03:45,654 さすがに人間みたいな魔族を 食べようとは思いませんよ 35 00:03:45,654 --> 00:03:50,179 いや… その違いも イマイチわかんないんだけど 36 00:03:50,179 --> 00:03:54,183 あぁ 貴殿は 召喚された勇者殿でしたね 37 00:03:54,183 --> 00:03:58,354 討伐戦のことをご存じですか? あぁ 38 00:03:58,354 --> 00:04:01,138 先王アルベルト殿から聞いている 39 00:04:01,138 --> 00:04:03,745 もう10年も前のことですが— 40 00:04:03,745 --> 00:04:07,853 討伐軍は魔族によって 壊滅させられました 41 00:04:07,853 --> 00:04:11,680 姉が9つ 私が7つのとき— 42 00:04:11,680 --> 00:04:15,684 討伐軍を率いていたのは 先代の皇帝 43 00:04:15,684 --> 00:04:18,635 すなわち 私たちの父です 44 00:04:18,635 --> 00:04:21,419 魔物に襲撃されたときは— 45 00:04:21,419 --> 00:04:24,557 それは無残な光景が 広がったと聞きます 46 00:04:24,557 --> 00:04:27,852 魔物の吐く炎で 都市は焦土と化し— 47 00:04:27,852 --> 00:04:32,211 人は老若男女の区別なく 食い殺されました 48 00:04:32,211 --> 00:04:35,161 本能のまま 暴れているだけなので— 49 00:04:35,161 --> 00:04:38,123 人々はなんとか 逃れることができたそうです 50 00:04:38,123 --> 00:04:40,907 猛獣みたいだな 51 00:04:40,907 --> 00:04:44,900 一方 魔族は 統率のとれた行動をし— 52 00:04:44,900 --> 00:04:48,383 圧倒的な強さで 討伐軍を打ち破った 53 00:04:48,383 --> 00:04:50,990 敗戦後の状況はさまざまで— 54 00:04:50,990 --> 00:04:54,472 退去すれば追撃してこなかった という話もあれば— 55 00:04:54,472 --> 00:04:58,998 略奪や暴行 虐殺が 行われたという話もあります 56 00:04:58,998 --> 00:05:03,169 まるで人類を 相手にしているみたいだな 57 00:05:03,169 --> 00:05:05,609 違いはどこからくるんだろう? 58 00:05:05,609 --> 00:05:09,081 魔物が進化したのが 魔族なのだろうか? 59 00:05:09,081 --> 00:05:12,668 「ヤツらは人の脳を食らって 知能を得たのだ」! 60 00:05:12,668 --> 00:05:14,930 (3人)ええっ!? と 一時期— 61 00:05:14,930 --> 00:05:17,193 宗教関係者が 騒いでいたようですが— 62 00:05:17,193 --> 00:05:20,321 眉唾物ですね あぁ… 63 00:05:20,321 --> 00:05:22,407 ともあれ— 64 00:05:22,407 --> 00:05:26,067 戦線が膠着状態になってから 襲撃してきているのは— 65 00:05:26,067 --> 00:05:28,152 魔物だけです 66 00:05:28,152 --> 00:05:31,593 だからこそ現状を維持できている とも言えますが 67 00:05:33,720 --> 00:05:38,068 魔物が食べられるという話から だいぶ それてしまいましたね 68 00:05:38,068 --> 00:05:42,416 私が食べたのは 翼の生えた大蛇の肉でした 69 00:05:42,416 --> 00:05:44,502 翼の生えたヘビ? 70 00:05:44,502 --> 00:05:49,548 巨大なヘビに4枚の鳥の翼が 生えただけのものです 71 00:05:49,548 --> 00:05:55,116 《たしか中南米に ケツァルコアトルって 神様がいたような…》 72 00:05:55,116 --> 00:05:58,245 よくそんなものを 食べる気になったなぁ 73 00:05:58,245 --> 00:06:03,469 味は普通のヘビです 魚より鳥に近い感じでしたよ 74 00:06:03,469 --> 00:06:09,203 《味は普通のヘビって… ヘビ食べたことあるのかよ》 75 00:06:09,203 --> 00:06:12,446 ジャンヌ殿は お姫様にしては— 76 00:06:12,446 --> 00:06:14,876 ずいぶん変なものを 食べられているんですね 77 00:06:14,876 --> 00:06:17,837 軍を率いる将でもありますから 78 00:06:17,837 --> 00:06:22,185 いざというときのために 食べられるものは食べています 79 00:06:22,185 --> 00:06:24,271 それは合理的だな 80 00:06:24,271 --> 00:06:28,441 でも魔物を食べてみようとは ならないだろ 普通 81 00:06:28,441 --> 00:06:30,537 偵察部隊が— 82 00:06:30,537 --> 00:06:33,665 調理された魔物の残骸を 発見したんです 83 00:06:33,665 --> 00:06:36,481 なっ… それってつまり 84 00:06:38,535 --> 00:06:41,663 魔族が魔物を 食べたのだと思われます 85 00:06:43,759 --> 00:06:45,844 それで… 86 00:06:45,844 --> 00:06:48,274 同種の魔物を捕まえた折— 87 00:06:48,274 --> 00:06:51,235 食べられるかどうかを 検証しました 88 00:06:51,235 --> 00:06:53,320 そのうえで食べてみると— 89 00:06:53,320 --> 00:06:56,282 淡泊ですが さっぱりとした味でした 90 00:06:56,282 --> 00:06:58,367 いや 味の感想よりも— 91 00:06:58,367 --> 00:07:01,850 もっと気になる部分があるだろう そうですか? 92 00:07:01,850 --> 00:07:06,365 魔族が魔物を食べていたという 事実のほうが衝撃的だろう 93 00:07:06,365 --> 00:07:08,461 つまり 魔族は— 94 00:07:08,461 --> 00:07:11,411 魔物を同族視していない ということじゃないか 95 00:07:11,411 --> 00:07:13,497 あっ… 96 00:07:13,497 --> 00:07:15,520 なぁ ジャンヌ 97 00:07:15,520 --> 00:07:17,605 なんでしょう 98 00:07:17,605 --> 00:07:19,691 もしかして魔族と魔物って— 99 00:07:19,691 --> 00:07:22,829 こちら側でいう 人類と動物なんじゃないか? 100 00:07:22,829 --> 00:07:23,914 あっ! (2人)ああっ 101 00:07:24,060 --> 00:07:25,436 えっ 102 00:07:25,916 --> 00:07:29,523 なぜそう思ったのですか? あっ… 103 00:07:31,171 --> 00:07:35,800 リーシア いったん筆記を止めてくれ わかったわ 104 00:07:36,051 --> 00:07:39,700 公的な記録に残さないとは 物騒ですね 105 00:07:39,930 --> 00:07:42,536 どんな爆弾発言が 飛び出すのでしょうか? 106 00:07:43,225 --> 00:07:44,163 すまない 107 00:07:44,622 --> 00:07:48,897 場合によっては 差別的発言とも とられかねない話だったもので 108 00:07:49,272 --> 00:07:50,836 差別的発言? 109 00:07:51,337 --> 00:07:54,298 魔族と魔物の 関係についての話がですか? 110 00:07:54,882 --> 00:07:56,571 俺の目には— 111 00:07:56,821 --> 00:08:00,805 この世界の動物と 魔物の区別がつかないんだ 112 00:08:01,795 --> 00:08:05,101 この感覚は みんなには 想像できないだろうな 113 00:08:05,476 --> 00:08:09,615 もっと言えば 獣人族や ドラゴニュートのような種族と— 114 00:08:09,939 --> 00:08:12,358 魔族との区別も あまりつかない 115 00:08:12,577 --> 00:08:15,017 なっ… それは… 116 00:08:15,319 --> 00:08:19,115 獣人族も魔族も存在しない世界で 生きてきた俺には— 117 00:08:19,469 --> 00:08:21,377 違いがわからないんだよ 118 00:08:21,513 --> 00:08:24,766 そもそも魔族とは… トモエちゃんを見てわからないの!? 119 00:08:24,808 --> 00:08:27,988 陛下! あまりといえば あまりなお言葉! 120 00:08:28,603 --> 00:08:29,500 だから! 121 00:08:30,073 --> 00:08:33,723 だから差別的な発言になるかも しれないって言ったんだよ! 122 00:08:38,196 --> 00:08:43,618 ジャンヌ殿は妖狼族 妖狐族と コボルトの違いがわかりますか? 123 00:08:43,816 --> 00:08:47,820 それはもちろん コボルトは犬の顔をしています 124 00:08:47,956 --> 00:08:52,711 でも 獣人族の中には 動物の顔をしたものもいるよな? 125 00:08:52,867 --> 00:08:56,631 言われてみれば そうですよね 126 00:08:56,871 --> 00:08:58,487 あっ そうよ 127 00:08:58,571 --> 00:09:01,741 コボルト族の体は 体毛で覆われているわ 128 00:09:02,095 --> 00:09:06,516 だとすれば 体毛のない あるいは 短い魔族とは— 129 00:09:06,537 --> 00:09:09,102 どう見分けるんだ? あっ… 130 00:09:09,165 --> 00:09:10,896 ウーン… 131 00:09:14,816 --> 00:09:18,049 指摘されてみて初めて 人類と魔族とを— 132 00:09:18,090 --> 00:09:20,947 感覚だけで判別していたのだと 気付かされました 133 00:09:21,156 --> 00:09:24,284 そうね 言われてみれば— 134 00:09:24,284 --> 00:09:26,599 これといった違いが見当たらないわ 135 00:09:26,661 --> 00:09:29,727 なんで今まで 気付かなかったのでしょう 136 00:09:31,333 --> 00:09:34,899 《おそらくこれが この世界の 共通認識なんだろう 137 00:09:35,274 --> 00:09:38,381 みんな感覚で人類と魔族を 判別してるんだ》 138 00:09:39,841 --> 00:09:42,385 他言無用と 言っていただけてよかったです 139 00:09:42,896 --> 00:09:45,117 もしここに官僚たちがいたら— 140 00:09:45,503 --> 00:09:47,641 斬らねばならなかったかも しれません 141 00:09:47,943 --> 00:09:51,770 ええっ そ そこまで するようなことか? 142 00:09:51,770 --> 00:09:53,855 するようなことです 143 00:09:53,855 --> 00:09:59,079 今の話が広まれば 大陸中が騒乱に包まれかねない 144 00:09:59,079 --> 00:10:02,093 そうよね ハクヤ おっしゃるとおり 145 00:10:02,614 --> 00:10:07,244 魔族と獣人族は さほど違いがない という話が広まれば— 146 00:10:07,869 --> 00:10:11,769 アミドニア公国のような 人間族至上主義の国や— 147 00:10:11,769 --> 00:10:14,751 ハイエルフのように 多種族を認めない種族に— 148 00:10:15,377 --> 00:10:18,755 格好の攻撃材料を 与えることになります 149 00:10:19,078 --> 00:10:20,820 あ… 150 00:10:21,164 --> 00:10:26,033 獣人族やドラゴニュートは 魔族であるとして排斥されたり— 151 00:10:26,033 --> 00:10:29,172 弾圧の対象に なるかもしれないってことよ! 152 00:10:29,172 --> 00:10:33,165 あっ… あ… 153 00:10:33,165 --> 00:10:35,261 我々も自国内に— 154 00:10:35,261 --> 00:10:38,733 種族間対立という火種を 抱えることになります 155 00:10:38,733 --> 00:10:40,829 すまない 156 00:10:40,829 --> 00:10:43,780 そこまで考えていなかった いいえ 157 00:10:43,780 --> 00:10:47,263 ある日突然 突きつけられるよりマシです 158 00:10:47,263 --> 00:10:50,391 そう言ってもらえると助かる 159 00:10:50,391 --> 00:10:53,519 とはいえ 対策は思いつかない 160 00:10:53,519 --> 00:10:57,700 仮に魔族を 少数民族と考えたとして— 161 00:10:57,700 --> 00:11:01,183 人類宣言で 少数民族を迫害しないよう— 162 00:11:01,183 --> 00:11:03,435 訴えてはいます。 が… 163 00:11:03,435 --> 00:11:06,574 その約束事は国家同士のものです 164 00:11:06,574 --> 00:11:09,358 一般人相手には通用しません 165 00:11:09,358 --> 00:11:13,706 せいぜいが その国に 監督責任を問う程度です 166 00:11:13,706 --> 00:11:16,834 (ハクヤ)そもそも 私たちのように— 167 00:11:38,533 --> 00:11:41,838 人類宣言に加盟していない 国もあります 168 00:11:41,838 --> 00:11:44,966 他国の政策に 無理に介入しようとすれば— 169 00:11:44,966 --> 00:11:48,376 反発を生み 最悪 戦争になります 170 00:11:48,376 --> 00:11:50,462 そのとおりです 171 00:11:50,462 --> 00:11:54,820 魔物や魔族についての情報が 出揃っているわけではありません 172 00:11:54,820 --> 00:12:00,034 不確定要素が多い以上 結論を急ぐのは危険でしょう 173 00:12:02,474 --> 00:12:05,258 フム… わかった 174 00:12:05,258 --> 00:12:09,606 この件は帝国と王国で 継続して話し合う— 175 00:12:09,606 --> 00:12:13,672 ということでどうだろう? 承知しました 176 00:12:21,774 --> 00:12:23,870 (ジャンヌ)さて そろそろ— 177 00:12:23,870 --> 00:12:26,299 ヴァンの占領について 話し合いましょう 178 00:12:26,299 --> 00:12:30,825 帝国としては人類宣言を遵守し— 179 00:12:30,825 --> 00:12:34,652 武力による国境線の変更を 認めることはできません 180 00:12:34,652 --> 00:12:38,478 王国としては 返還要求はのめないな 181 00:12:38,478 --> 00:12:41,262 先に仕掛けてきたのはアミドニアだ 182 00:12:41,262 --> 00:12:43,869 このような暴挙を許せば— 183 00:12:43,869 --> 00:12:49,020 人類宣言の加盟国 非加盟国に 侮られることになるぞ 184 00:12:49,020 --> 00:12:52,503 そうですね ですから帝国は— 185 00:12:52,503 --> 00:12:57,372 アミドニアに対しても相応の代償を 支払わせることになるでしょう 186 00:12:57,372 --> 00:13:01,543 応じなければ武力に訴えるのか? 187 00:13:01,543 --> 00:13:05,724 必要とあらば フッ… 188 00:13:05,724 --> 00:13:09,551 現在 駐屯させている 兵力をもってすれば— 189 00:13:09,551 --> 00:13:14,243 王国軍と公国軍を同時に 殲滅できると自負しております 190 00:13:14,243 --> 00:13:16,329 だろうな 191 00:13:16,329 --> 00:13:18,769 こちらとしても戦いたくはない 192 00:13:18,769 --> 00:13:22,595 だからまず お互いの意思を整理しよう 193 00:13:22,595 --> 00:13:26,599 帝国としては 国境線の変更を認めたくない 194 00:13:26,599 --> 00:13:29,727 だからヴァンを返還してほしい 195 00:13:29,727 --> 00:13:34,941 これで間違いないな? えぇ そのとおりです 196 00:13:34,941 --> 00:13:37,037 我が国としては— 197 00:13:37,037 --> 00:13:41,385 敵対行動をとり続ける アミドニア公国の力を削ぎたい 198 00:13:41,385 --> 00:13:43,992 もう二度と 干渉してこないようにな 199 00:13:43,992 --> 00:13:47,474 そして侵攻した 報いを受けてもらう 200 00:13:47,474 --> 00:13:49,560 ヴァンを奪ったのは— 201 00:13:49,560 --> 00:13:53,491 その報復だとおっしゃるのですね うん 202 00:13:53,491 --> 00:13:56,973 つまり 無償返還はありえないが— 203 00:13:56,973 --> 00:13:59,580 公国側が代償を払えば— 204 00:13:59,580 --> 00:14:03,230 返還に応じる用意がある ということですね 205 00:14:03,230 --> 00:14:07,932 公国が賠償金を支払うなら ヴァンを返還しよう 206 00:14:07,932 --> 00:14:10,018 長い目で見た場合— 207 00:14:10,018 --> 00:14:12,969 やり方しだいで いくらでも富を生む領土を— 208 00:14:12,969 --> 00:14:16,806 一時の資金で譲り渡すのは 口惜しいですね 209 00:14:16,806 --> 00:14:19,579 悪い判断ではないと思うぞ 210 00:14:19,579 --> 00:14:22,363 帝国側も公国に対しては— 211 00:14:22,363 --> 00:14:25,325 領土を返還させたという 大義名分が立つ 212 00:14:25,325 --> 00:14:30,716 非加盟国に対しても もし似たような行為をした場合— 213 00:14:30,716 --> 00:14:32,801 領土は奪われなくても— 214 00:14:32,801 --> 00:14:36,805 賠償金は支払わせる… と釘を刺せますね 215 00:14:36,805 --> 00:14:40,288 さすがジャンヌ殿 察しが早い 216 00:14:40,288 --> 00:14:44,281 非加盟国に対しての 信用にもなるはずだろう? 217 00:14:44,281 --> 00:14:51,069 ハァ… ユリウス殿は反発しそうですね 元凶にかける情けはない 218 00:14:51,069 --> 00:14:55,178 あぁ あと支払いは 帝国金貨で決済させてくれ 219 00:14:55,178 --> 00:14:57,440 我が国も巻き込みますか 220 00:14:57,440 --> 00:15:02,654 今回のアミドニアの暴挙は 帝国側にも管理責任がある 221 00:15:02,654 --> 00:15:05,156 返す言葉もありません 222 00:15:07,523 --> 00:15:12,049 なぜソーマ殿は人類宣言に 加盟してくださらないのですか? 223 00:15:12,049 --> 00:15:15,531 リーシア姫の前で恐縮なのですが— 224 00:15:15,531 --> 00:15:20,401 先王アルベルト殿が人類宣言に 加盟しなかったことは— 225 00:15:20,401 --> 00:15:24,572 その… しなかったというより… 226 00:15:24,572 --> 00:15:28,231 加盟する しないの判断が できなかったのよね 227 00:15:28,231 --> 00:15:30,317 優柔不断だから 228 00:15:32,402 --> 00:15:34,488 ソーマ殿が加盟しないのには— 229 00:15:34,488 --> 00:15:37,272 はっきりとした 理由があると思いますが 230 00:15:37,272 --> 00:15:40,577 《その答えを 今言うわけにはいかない 231 00:15:40,577 --> 00:15:42,663 かといってウソをつけば— 232 00:15:42,663 --> 00:15:46,489 帝国との関係に 悪影響が出るだろう》 233 00:15:46,489 --> 00:15:50,316 信じてもらいたいのだが 我が国としては— 234 00:15:50,316 --> 00:15:53,455 貴国と足並みを 揃えていきたいと思っている 235 00:15:53,455 --> 00:15:55,540 女皇マリア殿が— 236 00:15:55,540 --> 00:15:58,772 「人類一丸となって 魔王軍に対応する」— 237 00:15:58,772 --> 00:16:01,035 という理想を掲げるかぎり— 238 00:16:01,035 --> 00:16:04,163 王国は帝国の敵には ならないことを約束する 239 00:16:04,163 --> 00:16:10,086 人類宣言には参加しない それなのに信じろとおっしゃる 240 00:16:10,086 --> 00:16:12,870 人類宣言には参加できないが— 241 00:16:12,870 --> 00:16:17,562 我が国は帝国と二国間同盟を 結びたいと思っている 242 00:16:17,562 --> 00:16:19,647 それも秘密裏にだ 243 00:16:19,647 --> 00:16:22,786 秘密同盟… ですか? 244 00:16:22,786 --> 00:16:24,871 うん… 245 00:16:24,871 --> 00:16:28,177 ようやく国内を 安定させることができた 246 00:16:28,177 --> 00:16:32,869 今後は軍制改革も行っていき 統一した意思のもとで— 247 00:16:32,869 --> 00:16:36,008 全軍を動かせる体制を 築き上げるつもりだ 248 00:16:36,008 --> 00:16:39,480 んっ… そこでだ 249 00:16:39,480 --> 00:16:44,005 帝国は今 東方諸国連合の救援要請にも— 250 00:16:44,005 --> 00:16:46,966 軍を派遣しているよな? えぇ 251 00:16:46,966 --> 00:16:49,917 あそこは 中小国家の集合体ですが— 252 00:16:49,917 --> 00:16:53,921 人類宣言に加盟している国が ほとんどです 253 00:16:53,921 --> 00:16:57,404 盟主として軍を派遣するのは 当然でしょう 254 00:16:57,404 --> 00:16:59,594 それだ。 その役目— 255 00:16:59,594 --> 00:17:02,023 我が国に 任せてもらえないだろうか? 256 00:17:02,023 --> 00:17:05,151 あっ… 本気なのですか? 257 00:17:08,290 --> 00:17:11,251 魔物や魔族が南下してきた場合— 258 00:17:11,251 --> 00:17:15,766 必ず星竜連峰を避けて 東西を通過することになる 259 00:17:15,766 --> 00:17:18,905 西側からの南下には帝国が 260 00:17:18,905 --> 00:17:22,898 東側からの南下には 王国が対処しよう 261 00:17:22,898 --> 00:17:27,424 そのためには手順が必要です わかっている 262 00:17:27,424 --> 00:17:30,552 東方諸国連合から救援要請を— 263 00:17:30,552 --> 00:17:33,690 人類宣言の盟主である帝国が受けて— 264 00:17:33,690 --> 00:17:37,684 援軍の派遣を 我が国に対して要請する— 265 00:17:37,684 --> 00:17:40,301 という形式を 取らせていただきたい 266 00:17:40,301 --> 00:17:42,564 あ… 267 00:17:42,564 --> 00:17:48,820 帝国と王国が結んだと知られれば 警戒する国も出てくるでしょう 268 00:17:48,820 --> 00:17:54,732 アミドニア公国 傭兵国家ゼム トルギス共和国などは特に 269 00:17:54,732 --> 00:18:00,133 ですから協力関係にあることを 極力知られたくないのです 270 00:18:00,133 --> 00:18:03,188 それで秘密同盟なのですね 271 00:18:03,188 --> 00:18:07,891 こちらとしては受けて損のない 申し出だと思います 272 00:18:07,891 --> 00:18:11,196 ですが そちらに メリットはあるのですか? 273 00:18:11,196 --> 00:18:15,889 強いて挙げるなら 帝国の信頼を得ることかな 274 00:18:15,889 --> 00:18:19,371 メリットと呼べるほどのものでは ない気がします 275 00:18:19,371 --> 00:18:23,198 まぁ 人類の存亡が かかっているときに— 276 00:18:23,198 --> 00:18:25,982 損得勘定だけではいられないさ 277 00:18:25,982 --> 00:18:30,497 我関せずでいたら 他国から白い目で見られるしな 278 00:18:30,497 --> 00:18:32,593 なるほど 279 00:18:32,593 --> 00:18:35,200 しかし 迅速な意思疎通をするには— 280 00:18:35,200 --> 00:18:38,161 帝国と王国では 距離がありすぎます 281 00:18:38,161 --> 00:18:41,289 その点については こちらに考えがある 282 00:18:41,289 --> 00:18:43,374 ハクヤ あれを 283 00:18:43,374 --> 00:18:45,460 はい 284 00:18:45,460 --> 00:18:47,900 マリア殿に渡してもらいたい 285 00:18:47,900 --> 00:18:51,904 簡易受信機ですね… あっ! 286 00:18:51,904 --> 00:18:55,032 そちらも 簡易受信機を送ってくれれば— 287 00:18:55,032 --> 00:18:57,461 いつでも連絡がとれるだろう? 288 00:18:57,461 --> 00:19:02,164 これならば 姉上とも簡単に 会談することができますね! 289 00:19:02,164 --> 00:19:06,272 ソーマ殿の発想力には 戦慄さえ覚えます 290 00:19:06,272 --> 00:19:08,358 大げさだよ 291 00:19:08,358 --> 00:19:10,787 俺の世界には 普通にあった物だからな 292 00:19:10,787 --> 00:19:14,447 これが普通だと 思っていることが もう… 293 00:19:14,447 --> 00:19:17,919 あの ソーマ殿… 今から少しだけ— 294 00:19:17,919 --> 00:19:20,703 暴言をお許しいただいて よろしいでしょうか? 295 00:19:20,703 --> 00:19:23,143 あっ? 許可しよう 296 00:19:23,143 --> 00:19:26,449 ありがとうございます それでは— 297 00:19:26,449 --> 00:19:29,400 リーシア姫 えっ? 私? 298 00:19:29,400 --> 00:19:33,404 アルベルト殿に 王位を戻す気はありませんか? 299 00:19:33,404 --> 00:19:37,230 そして ソーマ殿を我が国にください 300 00:19:37,230 --> 00:19:39,316 (みんな)はぁ!? 301 00:19:39,316 --> 00:19:42,100 もし来ていただけるなら 宰相でもなんでも— 302 00:19:42,100 --> 00:19:44,540 好きな地位につけます 303 00:19:44,540 --> 00:19:48,022 いっそ 姉上もつけるので 皇帝になってほしい! 304 00:19:48,022 --> 00:19:51,297 あ… あなたは 自分が何を言っているのか— 305 00:19:51,359 --> 00:19:54,300 わかっているのですか!? (アイーシャ)そ そうです! 306 00:19:54,362 --> 00:19:57,323 姫様の言うとおりです! わかっているのですか!? 307 00:19:57,469 --> 00:20:00,910 ソーマ殿の思考は 時代の先をいっている 308 00:20:01,348 --> 00:20:05,498 私は姉上とソーマ殿が作る帝国を 見てみたいのです! 309 00:20:05,759 --> 00:20:08,303 ダメに決まってるでしょ! 310 00:20:08,303 --> 00:20:11,953 ソーマは私にとって… 311 00:20:11,953 --> 00:20:14,914 王国にとって必要な人間よ! 312 00:20:14,914 --> 00:20:19,085 落ち着け リーシア 俺はどこにも行かないから 313 00:20:19,085 --> 00:20:21,692 なっ んっ… 314 00:20:21,692 --> 00:20:25,174 ごめんなさい 取り乱したわ 315 00:20:25,174 --> 00:20:27,958 剣に手をかけるんじゃない! 316 00:20:27,958 --> 00:20:30,398 アイーシャ ステイ! あっ! 317 00:20:30,398 --> 00:20:34,048 わ 私の扱いが雑じゃないですか!? 318 00:20:34,048 --> 00:20:36,654 すまないが— 319 00:20:36,654 --> 00:20:39,094 その申し出は応じられない 320 00:20:39,094 --> 00:20:43,442 王国のためにも リーシアたちのためにも 321 00:20:43,442 --> 00:20:45,528 わかっております 322 00:20:45,528 --> 00:20:50,053 暴言を許していただき ありがとうございました 323 00:20:50,053 --> 00:20:55,965 同盟の件に話を戻しますが このような重要な案件を— 324 00:20:55,965 --> 00:20:59,271 私の一存では 決めるわけにはいきません 325 00:20:59,271 --> 00:21:03,619 そのための簡易受信機だ それだけではなく— 326 00:21:03,619 --> 00:21:07,800 外交官僚数名を相互に 派遣しあってはいかがでしょう? 327 00:21:07,800 --> 00:21:11,794 なるほど それならば 連携を取りやすいだろうな 328 00:21:11,794 --> 00:21:13,879 了解した 329 00:21:13,879 --> 00:21:20,667 どうだろう 外交官僚の代表に特 命全権大使の称号を与え— 330 00:21:20,667 --> 00:21:24,848 両国の首都に大使館を建てて 常駐させるというのは 331 00:21:24,848 --> 00:21:29,541 それはすばらしい! 早速 検討させていただきます 332 00:21:29,541 --> 00:21:31,626 さすがにもう遅い 333 00:21:31,626 --> 00:21:35,276 今日はこれくらいにしよう (ジャンヌ)そうですね 334 00:21:40,844 --> 00:21:42,939 ウーン… 335 00:21:42,939 --> 00:21:46,766 (ジャンヌ)ずいぶんと長いこと 話してましたね 336 00:21:46,766 --> 00:21:49,196 もう夜明けが近いです 337 00:21:49,196 --> 00:21:53,377 今日 話し合わなくていいことまで 話した気がするな 338 00:21:53,377 --> 00:21:58,768 私としては頼りになる 盟友ができて うれしいですね 339 00:21:58,768 --> 00:22:03,460 そんな東の盟友に お伝えしたいことがあります 340 00:22:03,460 --> 00:22:06,599 どうしたんだ? 西の盟友 341 00:22:06,599 --> 00:22:11,186 魔王領にいるとされる 魔王と呼ばれる存在のことです 342 00:22:13,303 --> 00:22:15,920 魔族の言葉はわかりませんが— 343 00:22:15,920 --> 00:22:19,747 ヤツらは ある単語を よく口にしているようなのです 344 00:22:19,747 --> 00:22:21,833 我が国の研究者は— 345 00:22:21,833 --> 00:22:26,702 それが魔王の名前なのではないか と推測しています 346 00:22:26,702 --> 00:22:29,142 それは… 347 00:22:29,142 --> 00:22:31,227 ディバルロイ 348 00:22:31,227 --> 00:22:35,273 ディバルロイ… 魔王ディバルロイ? 349 00:22:36,274 --> 00:22:37,661 はい 350 00:22:37,661 --> 00:22:42,708 魔王ディバルロイ… 魔王… ディバルロイ… 351 00:22:42,708 --> 00:22:44,470 魔王… 352 00:22:45,116 --> 00:22:50,361 《あれ… なんだ? どこかで聞いた覚えがある 353 00:22:50,538 --> 00:22:54,011 デジャビュか… いや そんなんじゃない 354 00:22:54,167 --> 00:22:56,961 聞き覚えがあるんだ どこかで》 355 00:22:58,359 --> 00:23:00,945 あっ… ソーマ! 356 00:23:02,467 --> 00:23:06,878 セリィナ ジャンヌ殿を 客室にご案内してちょうだい 357 00:23:11,935 --> 00:23:16,856 大丈夫だよ 政務室のベッドで休めば ダメよ 358 00:23:16,919 --> 00:23:18,837 ちゃんとしたベッドで寝なきゃ 359 00:23:22,883 --> 00:23:27,700 理由はわからないけど 疲れたときぐらい私に甘えてよ 360 00:23:28,118 --> 00:23:30,766 ごめん… ありがとう 361 00:23:30,995 --> 00:23:33,873 フフッ どういたしまして 362 00:23:34,124 --> 00:23:36,209