1 00:00:25,830 --> 00:00:27,930 (ノック) 2 00:00:39,670 --> 00:00:44,510 (エリシャ)フフッ (アルベルト)フフフ… (足音) 3 00:00:44,920 --> 00:00:49,350 ソーマ殿 1年の終わりに 呼び立ててすまんのぅ 4 00:00:49,700 --> 00:00:52,850 お久しぶりでございます 陛下 5 00:00:53,380 --> 00:00:54,860 (ソーマ)お久しぶりです 6 00:00:55,760 --> 00:00:57,860 どうぞ こちらに 7 00:01:01,540 --> 00:01:06,640 アミドニアとの戦いの勝利と併合 おめでとうなのじゃ 8 00:01:06,640 --> 00:01:10,310 王位を譲って わずか半年にして この偉業 9 00:01:11,300 --> 00:01:12,820 やっとですね 10 00:01:13,340 --> 00:01:16,650 退位されてから何度も お会いしたいと申し出たのに 11 00:01:17,200 --> 00:01:19,320 ようやく お目通りがかないました 12 00:01:19,540 --> 00:01:22,660 お待たせしてしまって 申し訳ありませんでした 13 00:01:23,100 --> 00:01:26,080 面会を申し出るたびに はぐらかされてきました 14 00:01:26,600 --> 00:01:29,500 「いつかすべてを話す」と言われて 15 00:01:30,280 --> 00:01:32,170 今日がその「いつか」なのですか? 16 00:01:32,360 --> 00:01:35,370 そなたがそれを望むなら… じゃ 17 00:01:38,240 --> 00:01:40,510 いいかげん ハッキリさせてください 18 00:01:40,760 --> 00:01:44,680 あなたが何を考えていたのかを フフフ… 19 00:01:45,060 --> 00:01:46,680 聞きたいことは3つあります 20 00:01:47,240 --> 00:01:48,690 1つ目 21 00:01:48,690 --> 00:01:50,690 この世界に召喚された あのとき— 22 00:01:50,690 --> 00:01:53,860 あなたは即座に王位を譲りました 23 00:01:53,860 --> 00:01:57,190 ご丁寧にリーシアまで 婚約者としてつけて 24 00:01:57,190 --> 00:01:59,200 不自然です 25 00:01:59,200 --> 00:02:02,200 俺とあなたは 初対面だったんですよ? 26 00:02:02,200 --> 00:02:04,530 しかも こんな若造だ 27 00:02:04,530 --> 00:02:07,800 どうして簡単に 譲ることができたんですか? 28 00:02:07,800 --> 00:02:09,810 2つ目 29 00:02:09,810 --> 00:02:12,640 ゲオルグの献身です 30 00:02:12,640 --> 00:02:15,810 彼は すべての泥をかぶる覚悟で— 31 00:02:15,810 --> 00:02:19,480 俺の政敵となりそうな者たちと 心中してくれました 32 00:02:19,480 --> 00:02:21,820 これもおかしい 33 00:02:21,820 --> 00:02:24,650 周到な準備期間が必要ですし— 34 00:02:24,650 --> 00:02:27,320 かつ命懸けの計画です 35 00:02:27,320 --> 00:02:31,330 信頼と忠誠心がなければ 実行できなかったでしょう 36 00:02:31,330 --> 00:02:34,000 しかし 会ったことのない俺に— 37 00:02:34,000 --> 00:02:36,330 そこまで尽くしてくれるとは 思えません 38 00:02:36,330 --> 00:02:40,840 では その忠誠心は 誰へのものだったのか… 39 00:02:40,840 --> 00:02:43,510 きっとあなたです 40 00:02:43,510 --> 00:02:48,010 最後に どうして今まで 会ってくれなかったのですか 41 00:02:48,010 --> 00:02:50,510 なぜ待たねば ならなかったのですか 42 00:02:50,510 --> 00:02:54,520 それですべてじゃろうか おおまかに言えばそうです 43 00:02:54,520 --> 00:02:57,850 承知したのじゃ まず言いたいのは— 44 00:02:57,850 --> 00:03:00,690 それらの疑問は すべて ひとつのことで— 45 00:03:00,690 --> 00:03:04,360 繋がっておるということじゃ ひとつのこと? 46 00:03:04,360 --> 00:03:08,470 最初に3つ目の疑問について 答えるのじゃ 47 00:03:08,470 --> 00:03:11,130 ワシらは見定めておった 48 00:03:11,130 --> 00:03:14,470 それをそなたに 伝えるべきかどうかを 49 00:03:14,470 --> 00:03:18,810 あるいはこのまま 何も伝えずにいるべきなのか 50 00:03:18,810 --> 00:03:22,980 犯した罪を胸の内に しまいこんでいられるほど— 51 00:03:22,980 --> 00:03:26,680 ワシの心は強くないのじゃ あ… 52 00:03:29,650 --> 00:03:31,660 ソーマ殿 53 00:03:31,660 --> 00:03:35,330 人生をやり直したいと 思ったことはあるかのぅ? 54 00:03:35,330 --> 00:03:37,660 そんなの しょっちゅうですよ 55 00:03:37,660 --> 00:03:40,000 王位を譲られてからというもの— 56 00:03:40,000 --> 00:03:42,170 「もっとうまく やれたんじゃないか」— 57 00:03:42,170 --> 00:03:45,340 「もっと多くの命を 救えたんじゃないか」と… 58 00:03:45,340 --> 00:03:47,340 でも どうしてそんなことを? 59 00:03:47,340 --> 00:03:54,180 これから話すのは昔話じゃ そう思って聞いてほしいのじゃ 60 00:03:54,180 --> 00:03:59,680 昔あるところに 一人の王様がいました 61 00:03:59,680 --> 00:04:02,690 凡庸な王様でした 62 00:04:02,690 --> 00:04:05,460 ある日 西の大国から— 63 00:04:05,460 --> 00:04:09,130 勇者召喚を行うよう 要請がありました 64 00:04:09,130 --> 00:04:13,130 王様は言われるがままに 儀式を行いました 65 00:04:13,130 --> 00:04:18,300 そして異界の青年が 勇者として召喚されたのです 66 00:04:18,300 --> 00:04:23,810 王様は青年を西の大国に 引き渡そうとしましたが— 67 00:04:23,810 --> 00:04:30,810 彼はこう言ったのです 「富国強兵を行うべきだ」と 68 00:04:30,810 --> 00:04:33,480 どこかで聞いたような… 69 00:04:33,480 --> 00:04:35,650 それって俺のことですよね? 70 00:04:35,650 --> 00:04:38,490 よいから続きを聞くのじゃ あっ はい 71 00:04:38,490 --> 00:04:44,330 王様は青年に 自分にはない才能を感じました 72 00:04:44,330 --> 00:04:48,500 そこで彼を 宰相として登用しました 73 00:04:48,500 --> 00:04:54,340 青年は期待に応え さまざまな改革を行いました 74 00:04:54,340 --> 00:04:56,510 そのかいあって— 75 00:04:56,510 --> 00:05:02,010 王国は食糧難と財政難から 回復の兆しが見え始めたのです 76 00:05:02,010 --> 00:05:04,010 しかし… 77 00:05:04,010 --> 00:05:08,450 上流階級の身を切るような 改革を行ったため— 78 00:05:08,450 --> 00:05:11,350 貴族の恨みを買ったのです 79 00:05:15,630 --> 00:05:20,460 貴族たちは 青年が 国の害であると王に吹き込み— 80 00:05:20,460 --> 00:05:23,130 失脚させようとしました 81 00:05:23,130 --> 00:05:29,640 ただ 彼にも味方はいました その国の陸軍大将です 82 00:05:29,640 --> 00:05:35,810 彼は青年の才を正しく見抜き 後ろ盾となったのです 83 00:05:35,810 --> 00:05:41,320 ですが 貴族たちは 青年が勢いづくことを恐れました 84 00:05:41,320 --> 00:05:44,150 彼らはさらに ざん言を吹き込み— 85 00:05:44,150 --> 00:05:49,160 王様はしだいに 不安に 駆られるようになったのです 86 00:05:49,160 --> 00:05:54,160 確かに青年の才能は 魅力的だが 敵が多すぎる 87 00:05:54,160 --> 00:05:59,670 そう考えた王様は 青年を解任してしまいました 88 00:05:59,670 --> 00:06:02,670 青年は失意のまま— 89 00:06:02,670 --> 00:06:07,940 陸軍大将の居城がある 都市へと身を寄せました 90 00:06:07,940 --> 00:06:11,620 気の毒だが これで国を割らずに済む 91 00:06:11,620 --> 00:06:15,620 結果的に彼の命を 助けることになるだろう 92 00:06:15,620 --> 00:06:19,120 王様はそう自分を納得させました 93 00:06:19,120 --> 00:06:21,460 しかし— 94 00:06:21,460 --> 00:06:25,130 それですべてが終わったわけでは ありませんでした 95 00:06:25,130 --> 00:06:30,630 その年 王国を恨む 隣国が攻め込んできたのです 96 00:06:30,630 --> 00:06:36,810 陸軍大将は軍を派遣し その軍勢と対峙させました 97 00:06:36,810 --> 00:06:38,810 そのときです 98 00:06:38,810 --> 00:06:42,810 まるで見計らったかのように 貴族軍が蜂起し— 99 00:06:42,810 --> 00:06:47,820 隣国もまた その動きに呼応したのです 100 00:06:47,820 --> 00:06:49,990 いかに堅牢な城— 101 00:06:49,990 --> 00:06:53,490 また戦略に長けた 陸軍大将とはいえ— 102 00:06:53,490 --> 00:06:55,490 多勢に無勢 103 00:06:55,490 --> 00:07:00,330 激しい攻防ののち討ち取られ 城は落とされました 104 00:07:00,330 --> 00:07:06,940 居城のあった都市は炎上し 青年もまた塵と消えました 105 00:07:06,940 --> 00:07:10,640 城は三日三晩 燃え続けたそうです 106 00:07:12,610 --> 00:07:15,280 凡庸な王様は— 107 00:07:15,280 --> 00:07:17,280 自分が下した決断が— 108 00:07:17,280 --> 00:07:20,780 彼の命を奪ってしまったことを 悔やみました 109 00:07:20,780 --> 00:07:25,460 大将を失った陸軍は 敗走してしまいました 110 00:07:25,460 --> 00:07:29,460 そして隣国の軍と合流した 貴族軍は— 111 00:07:29,460 --> 00:07:32,630 その勢いで 王都へ進軍したのです 112 00:07:32,630 --> 00:07:36,800 王様は慌てて 軍を集めようとしましたが— 113 00:07:36,800 --> 00:07:40,470 青年と陸軍大将を 見殺しにした王様を— 114 00:07:40,470 --> 00:07:44,140 もう誰も信用してくれません 115 00:07:44,140 --> 00:07:48,310 こうなっては 義勇兵を募るしかありません 116 00:07:48,310 --> 00:07:51,150 しかし それも うまくいきませんでした 117 00:07:51,150 --> 00:07:53,480 青年の改革は— 118 00:07:53,480 --> 00:07:56,490 確かに 貴族たちの反感を買いましたが— 119 00:07:56,490 --> 00:08:00,320 民衆はそれによって 救われていたのです 120 00:08:00,320 --> 00:08:02,330 青年は恩人であり— 121 00:08:02,330 --> 00:08:07,260 彼の死因を作った王を 民衆は見捨てたのです 122 00:08:07,260 --> 00:08:10,600 結局 王様もまた— 123 00:08:10,600 --> 00:08:15,900 孤立無援の状態で大軍に 包囲されることになりました 124 00:08:20,940 --> 00:08:24,340 自業自得というやつじゃのぅ 125 00:08:27,780 --> 00:08:30,620 まるで見てきたように言いますね 126 00:08:30,620 --> 00:08:34,790 あぁ 見てきたのじゃ えっ? 127 00:08:34,790 --> 00:08:38,630 「見せられた」が正しいじゃろうか 128 00:08:38,630 --> 00:08:41,460 見せられた? どういう意味です? 129 00:08:41,460 --> 00:08:44,960 我が妻の能力によってな 130 00:08:47,970 --> 00:08:52,810 妻がそなたと同じ 闇系の魔法を使う者なのは— 131 00:08:52,810 --> 00:08:55,810 知っておるじゃろうか? 話は聞いています 132 00:08:55,810 --> 00:08:59,480 これは ごく限られた者しか 知らぬことなので— 133 00:08:59,480 --> 00:09:01,650 他言無用に願いたい 134 00:09:01,650 --> 00:09:04,650 妻の能力じゃがのぅ— 135 00:09:04,650 --> 00:09:09,090 過去の人物に 記憶を継承させることなのじゃ 136 00:09:09,090 --> 00:09:13,100 えっ… 過去の人物に記憶を 継承させる? 137 00:09:13,100 --> 00:09:15,100 どういうことです? 138 00:09:15,100 --> 00:09:19,770 あなたは未来を生きたのですか? いいえ 違いますわ 陛下 139 00:09:19,770 --> 00:09:21,770 よいかのぅ 140 00:09:21,770 --> 00:09:25,780 さっきの話は まだ少しだけ続きがあるんじゃ 141 00:09:25,780 --> 00:09:31,950 ((ワシはどうして あの若者を 罷免してしまったのじゃ 142 00:09:31,950 --> 00:09:37,620 ざん言に惑わされず 改革を持続すればよかったのに 143 00:09:37,620 --> 00:09:43,630 そうすれば 少なくとも こんな苦難には遭わなかった 144 00:09:43,630 --> 00:09:45,630 宰相ではなく— 145 00:09:45,630 --> 00:09:49,630 いっそ王位を譲り渡していれば よかったのじゃ 146 00:09:49,630 --> 00:09:51,800 そうしていれば— 147 00:09:51,800 --> 00:09:56,310 自分よりも立派に この国を 治めていたのかもしれない 148 00:09:56,310 --> 00:09:58,910 そうすれば 娘も… 149 00:10:03,650 --> 00:10:06,150 うぅ… 150 00:10:06,150 --> 00:10:11,990 あなた様は失敗しました 私たちの命運は決まっています 151 00:10:11,990 --> 00:10:14,820 ですが 私の能力を使えば— 152 00:10:14,820 --> 00:10:18,830 この失敗を 過去の自分に 伝えることができます 153 00:10:18,830 --> 00:10:21,330 な… 何を言っておるのじゃ? 154 00:10:21,330 --> 00:10:25,000 私は闇系の魔法が使えるのを ご存じでしょう? 155 00:10:25,000 --> 00:10:27,340 私はその力によって— 156 00:10:27,340 --> 00:10:31,170 自分の経験を過去の自分に 送ることができるのです 157 00:10:31,170 --> 00:10:33,180 そ… そんな… 158 00:10:33,180 --> 00:10:38,350 記憶を受け取った過去の自分は 送った側の記憶を追体験し— 159 00:10:38,350 --> 00:10:42,850 さながら 時間が 巻き戻ったかのように感じます 160 00:10:42,850 --> 00:10:46,020 陛下 私はあなたに— 161 00:10:46,020 --> 00:10:48,360 謝らなければならないことが あります 162 00:10:48,360 --> 00:10:52,530 な… なんじゃ? あなたを選んだのも また— 163 00:10:52,530 --> 00:10:55,870 未来からの記憶のせいなのです なんじゃと!? 164 00:10:55,870 --> 00:10:57,870 お許しください 165 00:10:57,870 --> 00:11:01,700 今まで どんな勇猛な者を 婿にしても— 166 00:11:01,700 --> 00:11:06,480 どんな知恵者を婿にしても 王国は滅んだのです 167 00:11:06,480 --> 00:11:11,810 外敵の侵入 魔族との戦争 貴族の謀反— 168 00:11:11,810 --> 00:11:15,490 民の反乱など その理由はさまざまですが— 169 00:11:15,490 --> 00:11:19,990 結果はいつも 王都が燃えて終わります 170 00:11:19,990 --> 00:11:24,660 つ つまり ワシと結婚すれば国は滅びんと? 171 00:11:24,660 --> 00:11:28,670 しかし 今まさに 滅びようとしているではないか 172 00:11:28,670 --> 00:11:30,670 はい ですが— 173 00:11:30,670 --> 00:11:34,000 これほど長く 王国が続いたのは初めて 174 00:11:34,000 --> 00:11:37,670 子をもうけることができたのも また初めてなのです 175 00:11:37,670 --> 00:11:39,680 おぉ… 176 00:11:39,680 --> 00:11:42,180 私たちの今を 変えることはできません 177 00:11:42,180 --> 00:11:44,350 ですが 過去の自分を— 178 00:11:44,350 --> 00:11:48,020 今とは違う未来へ 導くことはできます 179 00:11:48,020 --> 00:11:53,520 そうじゃな… この失敗を過去に伝えよう 180 00:11:53,520 --> 00:11:59,530 そして過去の自分に 王位を青年へと譲らせるのじゃ 181 00:11:59,530 --> 00:12:02,200 (発射音) 182 00:12:02,200 --> 00:12:04,530 (着弾音) 183 00:12:04,530 --> 00:12:07,640 どの時点がよろしいですか? 184 00:12:07,640 --> 00:12:10,640 それも選べるのか? はい 185 00:12:10,640 --> 00:12:14,310 では 勇者殿を召喚し— 186 00:12:14,310 --> 00:12:17,980 富国強兵策を 聞いているときがよいかのぅ 187 00:12:17,980 --> 00:12:19,980 わかりました 188 00:12:19,980 --> 00:12:24,820 過去のワシよ 凡庸な決断しかできんワシよ 189 00:12:24,820 --> 00:12:28,830 せめて正しい選択を してくれなのじゃ)) 190 00:12:28,830 --> 00:12:31,630 (爆発音) 191 00:12:40,670 --> 00:12:44,840 《つまりタイムスリップ いや… タイムリープってやつか? 192 00:12:44,840 --> 00:12:48,510 いや 本人じゃなくて 記憶だけだから違うのか? 193 00:12:48,510 --> 00:12:50,510 ウーン でもちょっと待てよ 194 00:12:50,510 --> 00:12:52,850 タイムパラドックスが 生じるんじゃないのか 195 00:12:52,850 --> 00:12:54,850 んっ… ここって— 196 00:12:54,850 --> 00:12:57,450 単純な剣と魔法の 世界じゃなかったのかよ》 197 00:13:02,190 --> 00:13:05,290 (アルベルト)誠に申し訳ない えっ 198 00:13:05,290 --> 00:13:07,800 い いきなり なに謝るんですか 199 00:13:07,800 --> 00:13:13,640 記憶を送ったワシもつらかったが 送られたワシも大変だったのじゃ 200 00:13:13,640 --> 00:13:19,480 ソーマ殿を宰相にした 自分の人生を歩み 愚を犯し— 201 00:13:19,480 --> 00:13:22,480 時間を巻き戻したような 気分じゃった 202 00:13:22,480 --> 00:13:28,650 今のワシ自身は何もしておらんが 罪悪感が消えぬのじゃ 203 00:13:28,650 --> 00:13:32,660 前のワシに成り代わり 謝罪するのじゃ 204 00:13:32,660 --> 00:13:34,990 そういうことですか 205 00:13:34,990 --> 00:13:36,990 でも 謝られても— 206 00:13:36,990 --> 00:13:39,330 俺にはそんな記憶はないですから 207 00:13:39,330 --> 00:13:44,670 謝らせておくれ 謝りたいのだ それなら まぁ… 208 00:13:44,670 --> 00:13:48,500 これで1つ目と3つ目の 疑問には答えられたかのぅ 209 00:13:48,500 --> 00:13:54,180 そうなりますね となると 残る疑問はゲオルグの献身 210 00:13:54,180 --> 00:13:58,680 あっ… まさか 彼にこのことを話したんですか? 211 00:13:58,680 --> 00:14:01,350 あ… ワシは弱いのじゃ 212 00:14:01,350 --> 00:14:05,120 一人で抱え込めるほど 強くなかったのじゃ 213 00:14:05,120 --> 00:14:09,790 ワシ一人の力で 異なる未来を呼び込めるとは— 214 00:14:09,790 --> 00:14:13,960 到底 思えなかった だから信頼できる男— 215 00:14:13,960 --> 00:14:18,970 ゲオルグ・カーマインに すべてを打ち明けたのじゃ 216 00:14:18,970 --> 00:14:23,970 普通なら王の乱心と言われても しようがないようなことなのに— 217 00:14:23,970 --> 00:14:26,980 あの男は 「陛下がそうおっしゃるのなら— 218 00:14:26,980 --> 00:14:31,310 真実でしょう」と 力強く うなずいてくれたのじゃ 219 00:14:31,310 --> 00:14:35,490 彼が不正貴族たちを 根絶やしにする策を練った— 220 00:14:35,490 --> 00:14:37,490 ということでしょうか? 221 00:14:37,490 --> 00:14:40,320 カストールには 不審を抱かせてしまった 222 00:14:40,320 --> 00:14:43,830 しかし 計画を 打ち明けるわけにもいかず— 223 00:14:43,830 --> 00:14:47,000 そなたに余計な苦労を かけたのじゃ 224 00:14:47,000 --> 00:14:50,830 《踊らせるつもりが 踊らされていたのか 225 00:14:50,830 --> 00:14:54,170 自分たちで道を 切り開いた気になっていたが— 226 00:14:54,170 --> 00:14:58,340 実際は 敷かれたレールの上を 走っていただけだった》 227 00:14:58,340 --> 00:15:01,510 なんというか… 自信をなくしそうですよ 228 00:15:01,510 --> 00:15:03,850 そんなことはないじゃろう 229 00:15:03,850 --> 00:15:08,950 実際 そなたは あのときとは 違う未来へと辿りついたのじゃ 230 00:15:08,950 --> 00:15:15,120 アミドニアを併合し この国を フリードニア王国として再建させた 231 00:15:15,120 --> 00:15:20,800 王位を譲ったワシの判断は 間違っていなかったのじゃ 232 00:15:20,800 --> 00:15:23,630 そう言ってもらえるのは うれしいですが… 233 00:15:23,630 --> 00:15:26,470 どこら辺から 未来は変わっていたんでしょう? 234 00:15:26,470 --> 00:15:29,470 最初からじゃろうのぅ フフッ 235 00:15:29,470 --> 00:15:33,480 今回は最初から 陛下の横にはリーシアがおりました 236 00:15:33,480 --> 00:15:37,480 リーシア? その未来にも リーシアはいたんですか? 237 00:15:37,480 --> 00:15:40,820 ランデル城で出会ったのじゃ 238 00:15:40,820 --> 00:15:45,990 ゲオルグの秘書官をしておったからな 239 00:15:45,990 --> 00:15:49,830 リーシアは あの世界でも 今と同じように— 240 00:15:49,830 --> 00:15:53,500 そなたの才を見抜き 恋慕していたようじゃ 241 00:15:53,500 --> 00:15:58,330 罷免したあとも撤回を求め 直談判してきたしのぅ 242 00:15:58,330 --> 00:16:00,340 じゃが… 243 00:16:00,340 --> 00:16:02,340 貴族たちを恐れたこの人は— 244 00:16:02,340 --> 00:16:04,940 娘の進言も聞き入れませんでした 245 00:16:04,940 --> 00:16:08,440 リーシアは悔しそうに 帰っていきました 246 00:16:08,440 --> 00:16:12,840 貴族たちによって 灰じんに帰すランデル城へ 247 00:16:16,790 --> 00:16:22,460 では 俺が登用した仲間たちは? ハクヤやポンチョたちです 248 00:16:22,460 --> 00:16:24,460 おらなんだ 249 00:16:24,460 --> 00:16:27,800 そなたは宝珠放送が できなかったのじゃ 250 00:16:27,800 --> 00:16:31,630 ワシが慣習を重んじる者たちの 意見をとり— 251 00:16:31,630 --> 00:16:34,640 宝珠の使用を認めなかったのじゃ 252 00:16:34,640 --> 00:16:38,640 《思い返してみれば 今いるメンバーは大半が— 253 00:16:38,640 --> 00:16:42,310 宝珠放送を使っての 人材集めで登用した者たちだ 254 00:16:42,310 --> 00:16:46,820 そうなると あそこがすごい ターニングポイントだったように思える 255 00:16:46,820 --> 00:16:50,650 そして宝珠放送を使う 強烈な後押しとなったのが— 256 00:16:50,650 --> 00:16:52,660 譲られた王位と— 257 00:16:52,660 --> 00:16:56,990 その正当性の保証となった リーシアとの婚約だった 258 00:16:56,990 --> 00:17:01,000 あれがなければ 宝珠放送を 使うことに反対する者たちを— 259 00:17:01,000 --> 00:17:05,430 黙らせられなかったかもしれない そう考えてみると…》 260 00:17:05,430 --> 00:17:09,110 ヤバい リーシアが 勝利の女神に見えてきた 261 00:17:09,110 --> 00:17:12,610 そうじゃ 大事にしてやってほしい 262 00:17:12,610 --> 00:17:14,940 はい 263 00:17:14,940 --> 00:17:19,950 さて これでワシの知っていることは すべて話したのじゃ 264 00:17:19,950 --> 00:17:23,620 これで本当に ワシの役割は終わったのぅ 265 00:17:23,620 --> 00:17:26,290 ワシらはこの城を出て— 266 00:17:26,290 --> 00:17:31,290 ひっそり暮らそうと思う えっ… なぜです? 267 00:17:31,290 --> 00:17:36,630 いつまでも前王がいては 余計なことを考える者が出よう 268 00:17:36,630 --> 00:17:39,470 異なる未来を見届けたら身を隠す 269 00:17:39,470 --> 00:17:42,310 これも当初から 決めていたことじゃ 270 00:17:42,310 --> 00:17:44,310 フッ… 271 00:17:44,310 --> 00:17:47,310 そなたになら任せられる 272 00:17:47,310 --> 00:17:53,820 頼んだぞ 我が息子よ 承知しました 父上 母上 273 00:17:53,820 --> 00:17:55,820 今までありがとうございました 274 00:17:55,820 --> 00:17:58,820 フフッ ハハハ… 275 00:18:06,930 --> 00:18:10,770 最後に ひとつ 聞いておきたいことがあります 276 00:18:10,770 --> 00:18:14,270 なんじゃ? 俺が宰相になった世界で— 277 00:18:14,270 --> 00:18:16,940 俺とリーシアの死体は 見つかったんですか? 278 00:18:16,940 --> 00:18:22,950 灰じんに帰したと言ったじゃろう 何も見つからなかったのじゃ 279 00:18:22,950 --> 00:18:26,620 それなら リーシアも 生きていたかもしれませんよ 280 00:18:26,620 --> 00:18:30,290 なんじゃと!? 陛下 どういうことですか? 281 00:18:30,290 --> 00:18:32,960 俺なら むざむざ彼女を— 282 00:18:32,960 --> 00:18:34,960 死なせるようなことはしないからです 283 00:18:34,960 --> 00:18:38,460 彼女を連れて恥も外聞もなく— 284 00:18:38,460 --> 00:18:40,630 どんなことをしてでも逃げたはずです 285 00:18:40,630 --> 00:18:43,130 死体が残っていなかったということは— 286 00:18:43,130 --> 00:18:45,300 逃げ切ったんじゃないでしょうか 287 00:18:45,300 --> 00:18:48,100 おぉ…! あぁ… 288 00:18:53,480 --> 00:18:57,980 ありがとう… 息子よ 289 00:19:01,320 --> 00:19:03,990 (リーシア)こんな所で何やってるのよ 290 00:19:03,990 --> 00:19:07,420 リーシアか 「リーシアか」じゃないわ 291 00:19:07,420 --> 00:19:11,930 こんな寒空に何やってるの? 292 00:19:11,930 --> 00:19:14,260 父上と どんな話があったの? 293 00:19:14,260 --> 00:19:17,100 それは… 今は言えない そう 294 00:19:17,100 --> 00:19:21,600 やけに納得が早いな だって ソーマがそう言うからには— 295 00:19:21,600 --> 00:19:23,610 ちゃんとした理由があるんだもの 296 00:19:23,610 --> 00:19:27,280 それに ソーマなら 話せるときがきたら— 297 00:19:27,280 --> 00:19:29,280 きちんと話してくれるから 298 00:19:34,620 --> 00:19:37,950 そろそろ 新年を祝う 花火が上がるわ 299 00:19:37,950 --> 00:19:41,150 それまで こうしていましょう あぁ 300 00:19:45,460 --> 00:19:49,130 わぁ… 雪 あぁ… ホントだ 301 00:19:49,130 --> 00:19:56,310 ♩~ 302 00:19:56,310 --> 00:19:58,310 あっ? 303 00:19:58,310 --> 00:20:00,310 あっ… 304 00:20:04,150 --> 00:20:06,150 えっ!? 305 00:20:06,150 --> 00:20:08,650 ちょ… ソーマ 306 00:20:08,650 --> 00:20:11,650 本当は… 本当はアイーシャより— 307 00:20:11,650 --> 00:20:14,660 ジュナさんよりも先に 伝えなければいけなかったんだ 308 00:20:14,660 --> 00:20:17,990 リーシア 君を愛している 309 00:20:17,990 --> 00:20:20,190 俺と結婚してくれ 310 00:20:22,160 --> 00:20:25,170 本当に今更ね 311 00:20:25,170 --> 00:20:28,340 私もあなたのことが大好きよ 312 00:20:28,340 --> 00:20:31,140 ソーマ… 313 00:20:33,840 --> 00:20:38,840 (花火の音) 314 00:20:50,530 --> 00:20:53,860 新年 あけまして おめでとうございます 315 00:20:53,860 --> 00:20:55,870 (みんな)あっ…? 316 00:20:55,870 --> 00:20:58,370 すまない 317 00:20:58,370 --> 00:21:01,200 俺がいた国での新年の挨拶なんだ 318 00:21:01,200 --> 00:21:04,370 (ハクヤ)あぁ… こちらでは特に— 319 00:21:04,370 --> 00:21:06,810 新年だからという 挨拶はありません 320 00:21:06,810 --> 00:21:08,810 わかってる 321 00:21:08,810 --> 00:21:12,480 集まってもらったのは 新年の抱負というか… 322 00:21:12,480 --> 00:21:14,980 改まった言い方は面倒くさいな 323 00:21:16,990 --> 00:21:18,990 ハクヤ はい 324 00:21:18,990 --> 00:21:21,990 これからも俺を助け 国をもり立ててくれ 325 00:21:21,990 --> 00:21:24,160 もちろんです 陛下 326 00:21:24,160 --> 00:21:27,000 ポンチョ (ポンチョ)ハ ハイなのです 327 00:21:27,000 --> 00:21:29,170 君の舌に期待している 328 00:21:29,170 --> 00:21:31,670 食べられる食材を もっと探してくれ 329 00:21:31,670 --> 00:21:34,500 うまいものも開発してくれ もちろんです ハイ! 330 00:21:34,500 --> 00:21:36,840 もちろんです ハイ! 331 00:21:36,840 --> 00:21:40,510 ロロア (ロロア)改まってなんやねん ダーリン 332 00:21:40,510 --> 00:21:44,180 これからも経済面から 王国を支えてくれ 333 00:21:44,180 --> 00:21:47,520 当たり前やろ うちは商人や 334 00:21:47,520 --> 00:21:52,350 うちが儲かって国も儲かる双方 ニッコニコや 335 00:21:52,350 --> 00:21:55,020 ジュナさん (ジュナ)はい 陛下 336 00:21:55,020 --> 00:21:57,030 宝珠放送はこれから— 337 00:21:57,030 --> 00:21:59,200 もっと番組を 増やしていくつもりです 338 00:21:59,200 --> 00:22:01,200 歌姫として— 339 00:22:01,200 --> 00:22:03,200 国民の希望を 紡いでください 340 00:22:03,200 --> 00:22:06,140 承知いたしました 陛下 341 00:22:06,140 --> 00:22:08,140 トモエちゃん (トモエ)はいっ 342 00:22:08,140 --> 00:22:10,640 動物と話せる 君の能力は— 343 00:22:10,640 --> 00:22:12,640 国が大きくなるにつれ— 344 00:22:12,640 --> 00:22:14,640 どんどん 必要になるだろう 345 00:22:14,640 --> 00:22:16,650 頑張ってほしい 346 00:22:16,650 --> 00:22:18,650 はい 兄様! 347 00:22:18,650 --> 00:22:21,650 アイーシャ (アイーシャ)はいっ! 348 00:22:21,650 --> 00:22:25,650 俺の身辺警護 引き続きよろしく頼む 349 00:22:25,650 --> 00:22:29,160 それと くれぐれも 食べすぎには注意してくれ 350 00:22:29,160 --> 00:22:33,460 陛下 なんで私だけ 注意事項つきなんですか 351 00:22:36,330 --> 00:22:38,330 リーシア… あっ 352 00:22:38,330 --> 00:22:43,510 何も言わなくても 私はあなたを支え続けるわ 353 00:22:43,510 --> 00:22:45,910 あなたは私たちの王なのよ 354 00:22:48,010 --> 00:22:50,850 昨日 アルベルト殿と話して— 355 00:22:50,850 --> 00:22:53,850 この国の未来を託されたと 覚悟したんだ 356 00:22:53,850 --> 00:22:57,190 でも それは一人じゃできない 357 00:22:57,190 --> 00:23:01,690 ここにいるみんな いや 国民全員の手を借りないと— 358 00:23:01,690 --> 00:23:04,690 国の未来は切り開けない 359 00:23:04,690 --> 00:23:08,130 頼む 力を貸してほしい 360 00:23:08,130 --> 00:23:10,800 ソーマ… 361 00:23:11,200 --> 00:23:13,970 (ロロア)ダーリンが 頭下げることやないと思う 362 00:23:13,970 --> 00:23:16,370 (ジュナ)お顔を上げてください 陛下 363 00:23:19,720 --> 00:23:23,150 陛下の作る未来を 私も見てみたいのです 364 00:23:23,960 --> 00:23:26,150 (ポンチョ)へ 陛下が お命じになるなら— 365 00:23:26,260 --> 00:23:28,650 このポンチョ 武器を手にすることも! 366 00:23:29,020 --> 00:23:31,150 そんなこと しなくていいよ ポンチョ 367 00:23:31,440 --> 00:23:34,490 おのおのが 自分にできることを しようと努める 368 00:23:34,900 --> 00:23:37,160 できる者が できることをする 369 00:23:37,920 --> 00:23:41,460 そうやってこの国の未来を みんなで築こう! 370 00:23:41,460 --> 00:23:43,460