1 00:00:02,000 --> 00:00:16,510 ♩~ 2 00:00:17,220 --> 00:00:23,190 ((カズヤ… 人はなぜ家族を作ると思う? 3 00:00:24,560 --> 00:00:25,320 (ソーマ)えっ? 4 00:00:26,700 --> 00:00:29,320 一人で死なないためじゃ 5 00:00:29,720 --> 00:00:33,200 ばあさんを看取って つくづく そう思った 6 00:00:33,680 --> 00:00:37,360 ワシらは息子夫婦を 早くに亡くしたが— 7 00:00:37,500 --> 00:00:39,500 お前がいてくれた 8 00:00:40,040 --> 00:00:44,740 じゃからこそ ワシらの人生は満ち足りておった 9 00:00:45,510 --> 00:00:47,510 フフフ… 10 00:00:48,060 --> 00:00:49,240 じいちゃん… 11 00:00:49,980 --> 00:00:55,720 ワシが ばあさんのところに行けば お前は一人になってしまうのぅ 12 00:00:56,640 --> 00:01:00,520 カズヤ 家族を作りなさい 13 00:01:01,000 --> 00:01:05,460 その家族を何があっても 守り抜きなさい 14 00:01:05,460 --> 00:01:11,470 そうすれば 必ず最期には よい人生だったと思えるじゃろう 15 00:01:11,470 --> 00:01:15,670 孫に送る最後の言葉じゃよ)) 16 00:01:18,580 --> 00:01:20,310 《ああ言われたとき— 17 00:01:20,310 --> 00:01:24,480 まるで遺言みたいだなと思った 18 00:01:24,480 --> 00:01:27,980 じいちゃんは今 ばあちゃんのところにいる》 19 00:01:35,280 --> 00:01:38,920 《そして俺は… 一人になった》 20 00:03:15,970 --> 00:03:18,580 (アルベルト)フーム… 困ったのぅ 21 00:03:18,800 --> 00:03:22,100 (マルクス)むぅ… 困りましたねぇ 22 00:03:24,310 --> 00:03:26,610 どうしたものかのぅ 23 00:03:28,650 --> 00:03:30,650 陛下 24 00:03:30,650 --> 00:03:36,650 かくなる上は勇者を召還するしか 手はないかと 25 00:03:36,650 --> 00:03:45,830 ♩~ 26 00:03:45,830 --> 00:03:49,670 手順は心得ておるな? はっ! 27 00:03:49,670 --> 00:03:56,270 では これより 勇者召還の儀を執り行う! 28 00:03:56,270 --> 00:04:25,470 ♩~ 29 00:04:25,470 --> 00:04:28,170 はっ!? うわっ! 30 00:04:35,480 --> 00:04:37,480 わ~っ! 31 00:04:37,480 --> 00:04:39,480 うわっ! ああっ! 32 00:04:39,480 --> 00:04:42,680 わ~っ! 33 00:04:49,830 --> 00:04:51,760 うわあっ! 34 00:04:51,760 --> 00:04:53,930 わっ! 35 00:04:53,930 --> 00:04:58,270 ハァ… ハァ… ハァ… 36 00:04:58,270 --> 00:05:00,440 んっ… 37 00:05:00,440 --> 00:05:02,610 あれ? えっ? 38 00:05:02,610 --> 00:05:06,280 まさか本当に召還されるとはのぅ 39 00:05:06,280 --> 00:05:08,950 何事もやってみるものですな 40 00:05:08,950 --> 00:05:11,650 《って… おい》 41 00:05:26,970 --> 00:05:28,970 おぉ~ 勇者よ 42 00:05:28,970 --> 00:05:32,140 よくぞ我が呼びかけに 応えてくれた 43 00:05:32,140 --> 00:05:35,640 応えたわけじゃなく勝手に 呼び出されちゃったんですが 44 00:05:35,640 --> 00:05:39,980 んっ… そ そうじゃな 45 00:05:39,980 --> 00:05:42,980 おぬしのほうからすると そうであろうな 46 00:05:42,980 --> 00:05:46,820 もしや呼び出したことを 怒っておるのか? 47 00:05:46,820 --> 00:05:49,820 怒ってないと思いますか!? ウッ… 48 00:05:49,820 --> 00:05:51,760 ハァ… 49 00:05:51,760 --> 00:05:54,760 とりあえず 説明してもらえますか? 50 00:05:54,760 --> 00:05:56,760 キレるのは それからにします 51 00:05:56,760 --> 00:05:58,930 そ そうじゃな 52 00:05:58,930 --> 00:06:01,100 説明… あぁ~ 53 00:06:01,100 --> 00:06:04,770 うん… 説明するぞい 54 00:06:04,770 --> 00:06:07,610 〈超大陸ランディア 55 00:06:07,610 --> 00:06:13,110 ここには人間をはじめ エルフ ドワーフ ドラゴニュートなど— 56 00:06:13,110 --> 00:06:19,620 多様な種族の人類が存在し 大小さまざまな国を造っていた 57 00:06:19,620 --> 00:06:24,460 だが およそ10年前 大陸の北の果てに出現した— 58 00:06:24,460 --> 00:06:28,460 魔界と呼ばれる空間から 大量の魔物が湧き出し— 59 00:06:28,460 --> 00:06:33,460 大陸北方の国々を大混乱に陥れた 60 00:06:33,460 --> 00:06:38,300 大陸最大の版図を誇る グラン・ケイオス帝国を中心に— 61 00:06:38,300 --> 00:06:43,980 各国は連合して討伐軍を編成し 魔界へと攻め込んだ 62 00:06:43,980 --> 00:06:48,150 しかし その討伐軍は壊滅 63 00:06:48,150 --> 00:06:51,750 この遠征で 主力軍を失った各国に— 64 00:06:51,750 --> 00:06:55,750 もはや魔界から出現する 魔物を防ぐ余力はなく— 65 00:06:55,750 --> 00:06:57,760 魔界勢力の領土は— 66 00:06:57,760 --> 00:07:00,590 大陸の3分の1を 占めるまでとなり— 67 00:07:00,590 --> 00:07:05,260 現在 この領域は 魔王領と呼ばれている 68 00:07:05,260 --> 00:07:08,100 戦線が拡大したことで— 69 00:07:08,100 --> 00:07:11,440 侵攻してくる魔物の数が 分散されたためか— 70 00:07:11,440 --> 00:07:13,440 人類側の各国は— 71 00:07:13,440 --> 00:07:16,610 かろうじてそれを 支えることができるようになり— 72 00:07:16,610 --> 00:07:20,410 今も その膠着状態は続いている〉 73 00:07:22,450 --> 00:07:25,950 それで? まさか俺に 魔物を征伐しろとでも? 74 00:07:25,950 --> 00:07:29,120 いや… そうでも… ないのだが 75 00:07:29,120 --> 00:07:31,790 はぁ? ゴホン… 76 00:07:31,790 --> 00:07:37,390 勇者よ 誠に申し上げにくいのだが… 77 00:07:43,630 --> 00:07:47,310 (ジャンヌ)今のところ魔王領に 大きな動きはありません 78 00:07:47,310 --> 00:07:50,910 ですが境界線に配備した軍には— 79 00:07:50,910 --> 00:07:53,580 引き続き警戒は怠らぬよう 伝えてあります 80 00:07:53,580 --> 00:07:58,420 人間界を守るため… と 兵の士気は高いのですが— 81 00:07:58,420 --> 00:08:02,090 長期にわたる駐屯となると 国庫への負担も重く— 82 00:08:02,090 --> 00:08:04,090 頭の痛いところです 83 00:08:06,090 --> 00:08:10,600 それで… 例の件ですが (マリア)例の件? 84 00:08:10,600 --> 00:08:16,100 エルフリーデン王国への 戦争支援金拠出要請の件です 85 00:08:16,100 --> 00:08:19,940 期日は迫っておりますが いまだ返答はありません 86 00:08:19,940 --> 00:08:24,440 俺を支援金の代わりに 帝国に引き渡す!? 87 00:08:24,440 --> 00:08:28,280 ごめんなのじゃ! 許してほしいのじゃ! 88 00:08:28,280 --> 00:08:31,950 あぁ… 現在 魔王領の拡大を 食い止めているのは— 89 00:08:31,950 --> 00:08:37,120 おもに そこともっとも長く境を 接しているグラン・ケイオス帝国でして 90 00:08:37,120 --> 00:08:39,120 我が エルフリーデン王国は— 91 00:08:39,120 --> 00:08:41,790 大いに恩恵を受けているわけです 92 00:08:41,790 --> 00:08:43,800 そこで帝国は魔王領と— 93 00:08:43,800 --> 00:08:45,800 境を接していない国々に— 94 00:08:45,800 --> 00:08:49,300 支援金の拠出を求めてきまして 95 00:08:49,300 --> 00:08:52,240 お金ですむなら 払えばいいじゃないですか 96 00:08:52,240 --> 00:08:55,740 魔物とやらと戦争するより よっぽどいいでしょう 97 00:08:55,740 --> 00:08:59,240 それがそうはいかんのじゃ あぁ… 98 00:08:59,240 --> 00:09:02,410 我が国は 慢性的な食糧不足に加え— 99 00:09:02,410 --> 00:09:06,920 魔王領の拡大で故郷を追われた 難民が流入してきて— 100 00:09:06,920 --> 00:09:09,420 それへの対処にも費用がかかり— 101 00:09:09,420 --> 00:09:13,260 まぁ… とても支援金を 払えるような状況では… 102 00:09:13,260 --> 00:09:16,760 しかし 帝国の支援要請の中に— 103 00:09:16,760 --> 00:09:19,430 「支援金が支払えないならば— 104 00:09:19,430 --> 00:09:22,770 貴国に伝わる 勇者召還の儀式を行い— 105 00:09:22,770 --> 00:09:27,270 それによって召還した勇者を 帝国に送るものでもいい」 106 00:09:27,270 --> 00:09:30,940 という文言があって 我らとしては— 107 00:09:30,940 --> 00:09:33,610 断腸の思いで… 借金のカタに— 108 00:09:33,610 --> 00:09:37,280 娘を売るようなまねをする… と (2人)ああっ 109 00:09:37,280 --> 00:09:39,950 ハァ… で? 110 00:09:39,950 --> 00:09:43,450 帝国に引き渡されたら 俺はどうなるんですか? 111 00:09:43,450 --> 00:09:46,290 さぁ… どうなるんじゃろうのぅ 112 00:09:46,290 --> 00:09:48,960 そもそも勇者ってなんですか? 113 00:09:48,960 --> 00:09:51,960 勇者とは時代の変革を— 114 00:09:51,960 --> 00:09:55,160 導く者だと言われています そ… 115 00:09:57,800 --> 00:10:01,640 それ漠然としすぎていません? あぁ… なにぶん— 116 00:10:01,640 --> 00:10:05,810 資料に乏しく謎に包まれた存在で ありますゆえ 117 00:10:05,810 --> 00:10:08,980 帝国が引き渡しを 求めてきたのって— 118 00:10:08,980 --> 00:10:11,480 まさか勇者の謎を 解き明かすために— 119 00:10:11,480 --> 00:10:14,650 解剖… なんてことはないですよね? 120 00:10:14,650 --> 00:10:17,320 うっ… あるのかよ! 121 00:10:17,320 --> 00:10:20,660 そ そのようなことは 万に一つもないかと 122 00:10:20,660 --> 00:10:25,000 そうじゃ! 千に一つ 百に一つもないと思うぞ 123 00:10:25,000 --> 00:10:27,200 《なんで可能性 上がってるんだよ》 124 00:10:30,000 --> 00:10:32,000 《しかし まいったな 125 00:10:32,000 --> 00:10:36,510 地方公務員になって地道な生活を 送るライフプランだったのに— 126 00:10:36,510 --> 00:10:39,510 こんなわけわかんないとこで 解剖の危機》 127 00:10:41,510 --> 00:10:43,510 《逃げる… っていっても— 128 00:10:43,510 --> 00:10:45,680 そう簡単にはいかないだろうし— 129 00:10:45,680 --> 00:10:49,850 しくじって捕まりでもしたら 事態はますます悪化する 130 00:10:49,850 --> 00:10:53,950 つまりここは… 俺の舌ひとつ… ってことか》 131 00:10:56,130 --> 00:11:00,800 王様 一つ聞いてもいいですか な… なんじゃ? 132 00:11:00,800 --> 00:11:05,140 帝国からの支援要請っていうのは 今回かぎりなんでしょうか? 133 00:11:05,140 --> 00:11:08,140 そ… それはもちろん… いえいえ 134 00:11:08,140 --> 00:11:11,310 おそらくは 魔物の侵攻が続くかぎり— 135 00:11:11,310 --> 00:11:13,640 いずれは次の要請があるかと 136 00:11:13,640 --> 00:11:17,320 そうでしょうね それともう一つ 137 00:11:17,320 --> 00:11:21,820 勇者の召還についてですが これは儀式さえ行えば— 138 00:11:21,820 --> 00:11:24,660 何人でも好きに呼び出せる 類いのものなんですか? 139 00:11:24,660 --> 00:11:29,330 え… あっ いや… それは… 140 00:11:29,330 --> 00:11:31,830 あぁ… 記録によれば— 141 00:11:31,830 --> 00:11:36,000 これまでの勇者の召還は 500年近く前 142 00:11:36,000 --> 00:11:39,340 我が国 建国の際 行われたのみ 143 00:11:39,340 --> 00:11:42,170 とても そうたびたび 呼び出せるものでは 144 00:11:42,170 --> 00:11:45,340 だとすると… この俺は現状— 145 00:11:45,340 --> 00:11:48,350 この国が手にしている ただ1枚のカード 146 00:11:48,350 --> 00:11:52,120 そうなりませんか? そ… そうなるかの 147 00:11:52,120 --> 00:11:55,620 ならば それを 今ここで手放してしまうのは— 148 00:11:55,620 --> 00:11:58,790 愚策ではありませんか? ぐ… ぐさく? 149 00:11:58,790 --> 00:12:00,790 (エリシャ)あなた 150 00:12:00,790 --> 00:12:03,290 愚策とは 愚かな策という意味ですよ 151 00:12:03,290 --> 00:12:06,300 お… おう… その愚策じゃな 152 00:12:06,300 --> 00:12:08,800 《手応えアリかな》 153 00:12:08,800 --> 00:12:13,140 先のことを考えるなら まずは国の財政を見直し— 154 00:12:13,140 --> 00:12:15,310 富国強兵策をとり— 155 00:12:15,310 --> 00:12:19,310 こたびのような帝国の要請を 跳ね返せるほどの国力を— 156 00:12:19,310 --> 00:12:21,020 蓄えるべきではありませんか? 157 00:12:21,200 --> 00:12:25,760 て… 帝国の要請を 跳ね返せるほどの国力じゃと? 158 00:12:25,840 --> 00:12:29,140 し… しかし そのようなことが できるとはとても… 159 00:12:29,160 --> 00:12:33,100 勇者とは 時代の変革を 導く者と聞きました 160 00:12:34,700 --> 00:12:35,620 あっ… 161 00:12:36,420 --> 00:12:41,160 もしかするとこの国に 変革を起こせるかもしれませんよ 162 00:12:49,340 --> 00:12:53,780 《なんて言っちゃったけど 今のところノープランなんだよな 163 00:12:53,780 --> 00:12:58,280 とにかく まずは支援金を 捻出できればいいわけだから…》 164 00:12:58,280 --> 00:13:01,450 とりあえず この国の財政に関することを— 165 00:13:01,450 --> 00:13:03,450 すべて教えてもらえませんか? 166 00:13:03,450 --> 00:13:07,630 収支報告書と農林水産関連 経済産業関連 167 00:13:07,630 --> 00:13:10,630 国土交通関連の 資料をお願いします 168 00:13:10,630 --> 00:13:13,800 マルクス お願いしますね 169 00:13:13,800 --> 00:13:15,800 はっ 170 00:13:15,800 --> 00:13:19,640 〈かくして議題は多岐にわたり— 171 00:13:19,640 --> 00:13:26,140 エルフリーデン国王アルベルト 宰相マルクスそして勇者ソーマの会議は— 172 00:13:26,140 --> 00:13:28,340 三日三晩に及んだ〉 173 00:13:32,320 --> 00:13:35,820 (アルベルト)皆の者 心して聞いてもらいたい 174 00:13:35,820 --> 00:13:42,660 我がエルフリーデン王国 第13代国王 アルベルト・エルフリーデンは— 175 00:13:42,660 --> 00:13:44,660 今をもって退位し— 176 00:13:44,660 --> 00:13:49,000 王位を召されし勇者 ソーマ・カズヤに譲る! 177 00:13:49,000 --> 00:13:51,600 ハァ… あっ あっ!? 178 00:13:51,600 --> 00:13:53,940 あ… 179 00:13:53,940 --> 00:13:57,940 また我が娘 リーシア・ エルフリーデンと— 180 00:13:57,940 --> 00:14:02,280 ソーマ殿との婚約を ここに重ねて発表する! 181 00:14:02,280 --> 00:14:04,280 (どよめき) 182 00:14:04,280 --> 00:14:06,280 はぁ!? 183 00:14:06,280 --> 00:14:09,950 〈大陸暦 1546年4月 184 00:14:09,950 --> 00:14:13,960 ソーマ・カズヤ エルフリーデン王国の王位を譲られる 185 00:14:13,960 --> 00:14:16,130 そして この知らせは— 186 00:14:16,130 --> 00:14:18,130 王国の軍事をつかさどる— 187 00:14:18,130 --> 00:14:21,130 三公と呼ばれる 三人の公爵たちに— 188 00:14:21,130 --> 00:14:24,300 少なからぬ波紋を投げかけた〉 189 00:14:24,300 --> 00:14:26,470 (カストール)アルベルトが 退位しただと!? 190 00:14:26,470 --> 00:14:28,970 (トルマン)はい そして王位は— 191 00:14:28,970 --> 00:14:32,640 召還した勇者 ソーマに譲ったとのことです 192 00:14:32,640 --> 00:14:34,640 んっ… 193 00:14:40,650 --> 00:14:42,650 (エクセル)あの御仁にしては— 194 00:14:42,650 --> 00:14:45,150 ずいぶん思い切ったことをしたものね 195 00:14:47,660 --> 00:14:49,660 (ゲオルグ)この知らせが届けば— 196 00:14:49,660 --> 00:14:53,100 リーシアは さぞ慌てることだろうな 197 00:14:53,100 --> 00:14:55,100 フッ… 198 00:14:59,440 --> 00:15:02,440 (リーシア)父上 母上 どうかご無事で 199 00:15:02,440 --> 00:15:05,440 (アルベルト)あ… あ… 200 00:15:05,440 --> 00:15:07,450 あ~ そこそこ 201 00:15:07,450 --> 00:15:10,110 そこなのじゃ… んっ? (扉の開く音) 202 00:15:10,110 --> 00:15:13,120 父上! ご無事で… すか… 203 00:15:13,120 --> 00:15:15,120 父上! 204 00:15:15,120 --> 00:15:18,120 私は王位が さん奪されたと 聞いて飛んできたのよ! 205 00:15:18,120 --> 00:15:20,960 それなのに 呑気に2人でイチャイチャして 206 00:15:20,960 --> 00:15:24,460 別に さん奪なぞは されておらんぞい 207 00:15:24,460 --> 00:15:28,130 ワシは自らの意思で ソーマ殿に譲位したのじゃ 208 00:15:28,130 --> 00:15:30,300 だから なぜ急にそんなことを! 209 00:15:30,300 --> 00:15:34,310 この国にとって ワシよりもあの者のほうが— 210 00:15:34,310 --> 00:15:37,140 王にふさわしいと 確信したからじゃ 211 00:15:37,140 --> 00:15:42,150 これは国を預かっていた者として 責任を持って判断したことじゃ 212 00:15:42,150 --> 00:15:45,320 異論は認めぬ! で でも— 213 00:15:45,320 --> 00:15:48,320 私の婚約まで 勝手に決めてしまうなんて 214 00:15:48,320 --> 00:15:51,760 それは当人同士で 話し合うとよかろう 215 00:15:51,760 --> 00:15:56,260 もともと この縁談は こちら側から申し出たもの 216 00:15:56,260 --> 00:16:00,930 お前が嫌というなら ソーマ殿とて 無理強いはせぬじゃろう 217 00:16:00,930 --> 00:16:05,270 母上~ まずは ソーマ殿とお会いしなさい 218 00:16:05,270 --> 00:16:10,440 これはあなたの人生なのですから あなた自身で決めるのです 219 00:16:10,440 --> 00:16:12,440 ハァ… 220 00:16:15,110 --> 00:16:18,120 《なにが「当人同士で 話し合うとよかろう」よ! 221 00:16:18,120 --> 00:16:20,780 どうせロクなヤツじゃないに 決まってるんだから》 222 00:16:20,780 --> 00:16:23,790 入るわよ… あっ 223 00:16:23,790 --> 00:16:26,460 お~い 今 入ってきたの 224 00:16:26,460 --> 00:16:28,630 えっ? 私? 225 00:16:28,630 --> 00:16:32,460 君は… 文字が読めるか? 226 00:16:32,460 --> 00:16:36,630 バ… バカにしないで! それなりの教育は受けてるわ 227 00:16:36,630 --> 00:16:38,800 じゃあ3+2は 5 228 00:16:38,800 --> 00:16:41,310 6×2は 12でしょ 229 00:16:41,310 --> 00:16:45,980 ハァ… 42÷7は 7! じゃなくて6! 230 00:16:45,980 --> 00:16:49,480 よし こっちに来て 作業を手伝ってくれ 231 00:16:49,480 --> 00:16:53,580 手伝えって… あなた 私をなんだと思ってるの? 232 00:16:53,580 --> 00:16:55,750 新しい労働力 233 00:16:55,750 --> 00:16:58,260 私は リーシア・エルフリーデン 234 00:16:58,260 --> 00:17:03,090 国王… いえ 前国王の アルベルト・エルフリーデンの娘よ 235 00:17:03,090 --> 00:17:05,600 あっ… お姫様だったのか 236 00:17:05,600 --> 00:17:08,270 見えない? あぁ いや 237 00:17:08,270 --> 00:17:10,600 軍服みたいなの着てるから 238 00:17:10,600 --> 00:17:12,940 みたいのじゃなくて これは軍服 239 00:17:12,940 --> 00:17:16,770 私はカーマイン公麾下の陸軍に所属 240 00:17:16,770 --> 00:17:19,280 地方巡察の任務に 就いてたんだけど— 241 00:17:19,280 --> 00:17:22,610 急ぎ帰還したの そ そうなんだ 242 00:17:22,610 --> 00:17:24,620 でも… うん 243 00:17:24,620 --> 00:17:28,450 言われてみるとお姫様っぽいかも あっ… えっ? 244 00:17:28,450 --> 00:17:33,460 俺は ソーマ・カズヤ 一応 現国王ってことになってる 245 00:17:33,460 --> 00:17:35,460 んっ… 246 00:17:35,460 --> 00:17:37,630 私 もうお姫様じゃないわ 247 00:17:37,630 --> 00:17:42,470 あなたが王位を奪ったから 私の立場 今すごい微妙だし 248 00:17:42,470 --> 00:17:44,470 奪ったって… 249 00:17:44,470 --> 00:17:47,970 俺はお前の親父さんから 王位を丸投げされたんだぞ 250 00:17:47,970 --> 00:17:50,410 いったい何があったの? 251 00:17:50,410 --> 00:17:53,580 あなたが召還された 勇者だってことは知ってるけど— 252 00:17:53,580 --> 00:17:57,250 なんでそれがいきなり国王交代なんて ことになったわけ? 253 00:17:57,250 --> 00:17:59,250 俺が聞きたいよ… 254 00:17:59,250 --> 00:18:02,420 俺はただ身の安全を 図っただけなんだけどなぁ 255 00:18:02,420 --> 00:18:04,420 えっ? 256 00:18:07,260 --> 00:18:10,590 あの2人 うまくいってくれるかのぅ 257 00:18:10,590 --> 00:18:14,600 大丈夫ですわ きっと 258 00:18:14,600 --> 00:18:17,100 財政改革の言いだしっぺとして— 259 00:18:17,100 --> 00:18:20,600 財務管理として働くことに なるかもとは思ってたけど— 260 00:18:20,600 --> 00:18:23,440 まさか王様をさせられるとはね 261 00:18:23,440 --> 00:18:26,780 あ… その… なんかごめんなさい 262 00:18:26,780 --> 00:18:31,280 君が謝ることじゃないさ むしろ被害者だろ 263 00:18:31,280 --> 00:18:33,280 いきなり婚約者にさせられたんだ 264 00:18:33,280 --> 00:18:35,790 そ そのことなんだけど… 265 00:18:35,790 --> 00:18:38,290 婚約のことは気にしなくていいよ あっ 266 00:18:38,290 --> 00:18:41,130 今の王位は預かっているだけだよ 267 00:18:41,130 --> 00:18:44,130 数年後には 王様なんてやめてるだろうしな 268 00:18:44,130 --> 00:18:46,130 えっ? 269 00:18:46,130 --> 00:18:48,300 もともと 帝国に差し出されないため— 270 00:18:48,300 --> 00:18:52,400 支援金を稼ぐ程度までしか 働く気はなかったからなぁ 271 00:18:52,400 --> 00:18:55,410 とは言え 王位を譲られた以上— 272 00:18:55,410 --> 00:18:59,240 とりあえず この国の経営を 軌道に乗せるところまではやる 273 00:18:59,240 --> 00:19:04,250 けど そこから先の選択は この国の人々に任せるよ 274 00:19:04,250 --> 00:19:07,580 もちろん婚約も破棄でいい 275 00:19:07,580 --> 00:19:09,590 あっ… 276 00:19:09,590 --> 00:19:11,590 じゃなくて! 277 00:19:11,590 --> 00:19:14,590 「数年後には王様なんて やめてるだろうしな」って 278 00:19:14,590 --> 00:19:17,590 あなた数年でこの国を なんとかできるつもりなの? 279 00:19:17,590 --> 00:19:20,760 そもそも その前に 帝国への支援金はどうするの? 280 00:19:20,760 --> 00:19:22,930 んっ… あぁ 281 00:19:22,930 --> 00:19:25,770 支援金はすでに確保しているよ 282 00:19:25,770 --> 00:19:34,280 ♩~ 283 00:19:34,280 --> 00:19:37,610 (ロロア)エルフリーデン王国からの 放出品— 284 00:19:37,610 --> 00:19:40,120 あらかた 引き取り手は 見つかったようやな 285 00:19:40,120 --> 00:19:43,290 (セバスチャン)王家由来の 宝飾品ともなれば— 286 00:19:43,290 --> 00:19:47,460 欲しがる金持ちは多いですから 多額の資金を投じて— 287 00:19:47,460 --> 00:19:51,630 めぼしいものを真っ先に 押さえたのは正解でしたね 288 00:19:51,630 --> 00:19:54,470 (ロロア)おかげで ええ商売させてもろたで 289 00:19:54,470 --> 00:19:56,800 (セバスチャン)しかし 新しい国王も— 290 00:19:56,800 --> 00:19:59,140 なかなか思い切ったことを しましたね 291 00:19:59,140 --> 00:20:02,970 今 あの国に必要なんは 食えもせん宝石やない 292 00:20:02,970 --> 00:20:04,980 経済を回す金や 293 00:20:04,980 --> 00:20:08,980 召還した勇者を王様に? なんて思ったけど— 294 00:20:08,980 --> 00:20:11,320 それがわかっとるとは— 295 00:20:11,320 --> 00:20:14,650 手ごわい相手になりそうやで えぇ 296 00:20:14,650 --> 00:20:17,650 え~っ! 国宝売り払っちゃったの!? 297 00:20:17,650 --> 00:20:21,660 国宝は国全体の物なのよ! それを勝手に売るなんて! 298 00:20:21,660 --> 00:20:25,830 まぁ落ち着けって 国全体の物だって言うなら— 299 00:20:25,830 --> 00:20:28,830 国民全体のために売るのも アリなんじゃないか? 300 00:20:28,830 --> 00:20:32,170 だからって 文化や歴史のある 物だってあったのに 301 00:20:32,170 --> 00:20:35,010 あぁ そういうのは ちゃんと除外してあるよ 302 00:20:35,010 --> 00:20:39,840 国宝を歴史 文化的に 価値のあるものをA類 303 00:20:39,840 --> 00:20:43,180 歴史 文化的価値のない物をB類 304 00:20:43,180 --> 00:20:46,680 その他をC類に分けて B類だけ売ったんだ 305 00:20:46,680 --> 00:20:49,350 あ… A類は ただ売るよりも— 306 00:20:49,350 --> 00:20:52,290 美術館や博物館かなんかで 展示したほうが— 307 00:20:52,290 --> 00:20:54,960 恒久的な資金獲得に なりそうだからな 308 00:20:54,960 --> 00:20:59,460 それはそうかもしれないけど… で C類は? 309 00:20:59,460 --> 00:21:03,300 魔道具とか 正直 取り扱いに困っている— 310 00:21:03,300 --> 00:21:05,800 言うなれば 兵器みたいなものだからな 311 00:21:05,800 --> 00:21:09,970 下手に売り払うわけにも 展示するわけにもいかないし 312 00:21:09,970 --> 00:21:13,810 あ~ あと いにしえの勇者の装備一式とか— 313 00:21:13,810 --> 00:21:16,480 売れれば結構な値段に なりそうなんだよなぁ 314 00:21:16,480 --> 00:21:18,480 売っていい? 315 00:21:18,480 --> 00:21:21,820 やめなさいよ あなた仮にも勇者でしょうが 316 00:21:21,820 --> 00:21:23,820 フフッ… 317 00:21:37,670 --> 00:21:43,170 突然の譲位にもかかわらず 一見 国は平穏を保っている 318 00:21:43,170 --> 00:21:46,180 これがいつまで続くのか 319 00:21:46,180 --> 00:21:48,380 それでは カナリア 320 00:21:50,280 --> 00:21:53,450 新たに王となった勇者が いかほどの者か— 321 00:21:53,450 --> 00:21:56,120 その目で見極めていらっしゃい 322 00:21:56,120 --> 00:22:00,290 国宝を売っ払っちゃうなんて とんだ勇者もいたものね 323 00:22:00,290 --> 00:22:02,290 そう言うなよ 324 00:22:02,290 --> 00:22:04,630 でなきゃこっちが 帝国に送られちまうんだから 325 00:22:04,630 --> 00:22:06,630 それはそうだけど… 326 00:22:06,630 --> 00:22:09,970 ねっ 支援金って もう帝国に支払っちゃったの? 327 00:22:09,970 --> 00:22:11,970 いや まだだ 328 00:22:11,970 --> 00:22:14,810 支払いは期日いっぱいまで 粘るように言ってある 329 00:22:14,810 --> 00:22:16,810 だったら そのお金— 330 00:22:16,810 --> 00:22:19,310 帝国に差し出さずに 軍備に回したらどう? 331 00:22:19,310 --> 00:22:22,150 帝国に対抗できる態勢を 整えるのが— 332 00:22:22,150 --> 00:22:24,150 あなたの計画なんでしょ? 333 00:22:24,150 --> 00:22:27,650 士官学校では 「国防に千金を賭すとも— 334 00:22:27,650 --> 00:22:30,150 貢物に一毛を割かず」 と習ったわ 335 00:22:30,150 --> 00:22:33,320 貢ぎ物をして いっときの平和を得るより— 336 00:22:33,320 --> 00:22:35,990 長い目で見れば 軍備を増強したほうが— 337 00:22:35,990 --> 00:22:38,000 いいってやつか… 338 00:22:38,460 --> 00:22:41,500 その諺にチェーンして 速効諺発動! 339 00:22:41,500 --> 00:22:42,920 時は金なり! 340 00:22:43,240 --> 00:22:46,060 この効果は支援金を受け 生贄をささげることで— 341 00:22:46,140 --> 00:22:49,820 現状 我が国で最も必要な 時間を得ることができる 342 00:22:49,840 --> 00:22:52,940 なに? その言い回し 気にするな 343 00:22:53,280 --> 00:22:56,110 ともかく 軍備が増強できたところで— 344 00:22:56,110 --> 00:22:58,620 国内問題が放置されていたら 意味がない 345 00:22:59,200 --> 00:23:02,290 食糧問題と難民問題を 解決しないかぎり— 346 00:23:02,290 --> 00:23:04,790 国民の支持を失い続ける 347 00:23:05,020 --> 00:23:08,630 そうなれば他国がちょっと あおるだけで暴動が起きる 348 00:23:08,630 --> 00:23:10,440 脆弱な国の出来上がりだ 349 00:23:11,020 --> 00:23:12,860 そんな… 国民だって— 350 00:23:12,880 --> 00:23:15,970 この国のこと愛しているはずよ 反乱なんて… 351 00:23:15,970 --> 00:23:17,970 それは理想論だよ 352 00:23:17,970 --> 00:23:19,970 結局 お腹がすいていたら— 353 00:23:19,970 --> 00:23:21,970 道徳も愛国心もないんだよ 354 00:23:22,440 --> 00:23:23,800 自分に余裕がなければ— 355 00:23:23,800 --> 00:23:26,040 他者を気遣うことだって できない 356 00:23:26,310 --> 00:23:28,140 そうだろ? フッ… 357 00:23:28,480 --> 00:23:32,140 あなたって すごく現実主義なのね 358 00:23:32,520 --> 00:23:33,580 あぁ… 359 00:23:34,740 --> 00:23:36,760 そうかもな 360 00:23:36,760 --> 00:23:38,760