1 00:00:01,990 --> 00:00:03,990 《ソーマ:この世界の魔法は— 2 00:00:03,990 --> 00:00:11,180 「火」「水」「土」「風」 「光」「闇」の6属性に分けられる 3 00:00:12,600 --> 00:00:15,880 「火」「水」「土」「風」は— 4 00:00:16,060 --> 00:00:19,000 それぞれ それらを操っての 攻撃魔法であり— 5 00:00:19,380 --> 00:00:22,010 「光」は基本的に治癒系の魔法だ 6 00:00:23,360 --> 00:00:24,680 「闇」だけは特殊で— 7 00:00:24,920 --> 00:00:28,510 厳密には闇を操る魔法 というわけではなく— 8 00:00:28,820 --> 00:00:30,850 前述の5属性に当てはまらない— 9 00:00:31,160 --> 00:00:34,050 特殊魔法を総称して 「闇系」と呼んでいる》 10 00:00:36,190 --> 00:00:39,460 《リーシアやアイーシャの訓練の様子を 見ればわかるとおり— 11 00:00:39,820 --> 00:00:41,190 武器や斬撃に— 12 00:00:41,190 --> 00:00:45,200 自分の適性のある魔法を 付与させることもできる 13 00:00:46,300 --> 00:00:47,200 そんな中で— 14 00:00:47,440 --> 00:00:51,040 人よりも強い現象を 起こせる者を魔導士と呼ぶ 15 00:00:51,680 --> 00:00:53,540 魔導士が軍に所属する場合— 16 00:00:53,900 --> 00:00:57,210 その系統によって 派遣される軍が変わる 17 00:00:57,480 --> 00:01:00,650 火属性なら陸軍 風属性なら空軍 18 00:01:00,920 --> 00:01:02,740 水属性なら海軍 19 00:01:03,600 --> 00:01:07,740 土属性は国王直属の 禁軍に所属することになる 20 00:01:09,600 --> 00:01:15,830 なお 衛生兵と同じ役割の光属性は 各軍に均等に配備される 21 00:01:16,680 --> 00:01:19,330 土系の魔導士が 配属されているのを幸いに— 22 00:01:19,720 --> 00:01:24,200 今のところ俺は禁軍の大半を 土木工事に投入している 23 00:01:25,480 --> 00:01:28,340 ちなみに俺のリビング・ ポルターガイスツは— 24 00:01:28,600 --> 00:01:33,010 魔法系統的に言えば その他扱いの「闇」になるらしい 25 00:01:33,840 --> 00:01:35,010 そんな世界で俺は— 26 00:01:35,480 --> 00:01:38,010 ちょっとした冒険に 挑もうとしていた》 27 00:03:11,380 --> 00:03:12,960 (ディス)えっと… 28 00:03:14,060 --> 00:03:18,330 君が臨時でパーティーに 入ってくれる冒険者さんかい? 29 00:03:18,620 --> 00:03:21,500 (ジュリア)ねぇ あれってもしかして (フェブラル)はい 30 00:03:21,500 --> 00:03:24,500 最近うわさの 着ぐるみ姿の冒険者でしょう 31 00:03:24,500 --> 00:03:27,670 格好は変ですが 腕は確からしいですよ 32 00:03:27,670 --> 00:03:30,340 (ユノ)こんなヤツ パーティーに 入れて大丈夫なのか? 33 00:03:30,340 --> 00:03:33,010 まぁ 今日のクエストは— 34 00:03:33,010 --> 00:03:37,350 王都パルナムの地下通路の探索で 難易度も初心者レベルですし 35 00:03:37,350 --> 00:03:40,520 いいんじゃないの~? なんか愛嬌あるし 36 00:03:40,520 --> 00:03:42,520 フン… だからってなんで 37 00:03:42,520 --> 00:03:44,690 コホン… ともかく— 38 00:03:44,690 --> 00:03:46,690 今日は よろしく頼む 39 00:03:48,690 --> 00:03:50,960 (咆哮) 40 00:03:50,960 --> 00:03:52,960 (ディス)おっ! 41 00:03:57,970 --> 00:03:59,970 (コウモリの鳴き声) 42 00:04:04,970 --> 00:04:06,980 (フェブラル)見た目よりも ちゃんと動けてる 43 00:04:06,980 --> 00:04:09,480 (ジュリア)心配いらなかったわね んっ… 44 00:04:13,650 --> 00:04:16,320 このクエスト 歯応えがねえな 45 00:04:16,320 --> 00:04:19,490 地下通路を回って 通れない所があるとか— 46 00:04:19,490 --> 00:04:22,660 どんな生き物がいるかを 調べるだけだものねぇ 47 00:04:22,660 --> 00:04:25,160 だからって油断は禁物ですよ 48 00:04:25,160 --> 00:04:27,330 みんな止まって! どうした? 49 00:04:27,330 --> 00:04:29,330 何かいる… 50 00:04:29,330 --> 00:04:31,830 しかも相当でかい (うめき声) 51 00:04:34,340 --> 00:04:36,670 (咆哮) 52 00:04:36,670 --> 00:04:39,010 サラマンダー! ウソ!? 53 00:04:39,010 --> 00:04:41,110 こんな大きいの見たことない! 54 00:04:43,180 --> 00:04:46,680 待って! サラマンダーの粘液は強酸です 55 00:04:46,680 --> 00:04:49,020 近接武器での攻撃は危険です! 56 00:04:49,020 --> 00:04:53,790 だったら私の攻撃魔法で あなたの魔法は火属性でしょ! 57 00:04:53,790 --> 00:04:56,460 サラマンダーには効きませんよ クッ… 58 00:04:56,460 --> 00:04:58,460 となると ここは… 59 00:04:58,460 --> 00:05:01,460 (咆哮) 60 00:05:01,460 --> 00:05:03,460 逃げるしかねえ! 61 00:05:03,460 --> 00:05:06,970 (みんな)わ~っ! 62 00:05:06,970 --> 00:05:08,970 (おびえる声) 63 00:05:12,810 --> 00:05:15,480 (みんな)ハァ ハァ… 64 00:05:15,480 --> 00:05:17,480 ハァハァ… アチッ! 65 00:05:17,480 --> 00:05:20,980 気をつけてください! アイツの体液をまともに浴びたら— 66 00:05:20,980 --> 00:05:23,480 ただじゃ済みませんよ! だってよぉ… 67 00:05:26,650 --> 00:05:29,490 着ぐるみの旦那! 顔伏せて! 68 00:05:29,490 --> 00:05:32,830 ギャーッ! 69 00:05:32,830 --> 00:05:36,330 なにやってんのさ! 70 00:05:36,330 --> 00:05:41,840 (咆哮) 71 00:05:41,840 --> 00:05:45,010 (3人)あっ… あっ! 72 00:05:45,010 --> 00:05:47,010 ハッ… あ… 73 00:05:47,010 --> 00:05:49,510 (咆哮) 74 00:05:52,280 --> 00:05:54,980 (みんな)ハァ ハァ ハァ… 75 00:06:01,120 --> 00:06:03,120 ふぅ… 76 00:06:03,120 --> 00:06:07,460 こ… ここまで逃げたら もう大丈夫でしょう 77 00:06:07,460 --> 00:06:09,800 ハァ…。そうね… しかし— 78 00:06:09,800 --> 00:06:12,300 着ぐるみの旦那は大丈夫なのか? 79 00:06:12,300 --> 00:06:15,470 盛大にアイツの体液 ぶっかけられてたみたいだけど 80 00:06:15,470 --> 00:06:18,810 まったく… あそこで転ぶなんて 81 00:06:18,810 --> 00:06:23,140 私が助けに入らなかったら どうなってたか 82 00:06:23,140 --> 00:06:25,150 いや… 83 00:06:25,150 --> 00:06:27,650 そこまで謝ってもらわなくても いいんだけど 84 00:06:27,650 --> 00:06:29,820 それに… まぁ— 85 00:06:29,820 --> 00:06:33,020 私もアンタに 助けてもらったわけだし 86 00:06:34,990 --> 00:06:37,660 う… な… なんだよ 87 00:06:37,660 --> 00:06:41,860 酸で肌に痕が残るヤケドしなくて よかったってか? 88 00:06:44,170 --> 00:06:46,670 私は冒険者なんだぞ 89 00:06:46,670 --> 00:06:50,100 生傷なんて… 慣れっこで… 90 00:06:50,100 --> 00:06:54,940 なにか会話が成立しているように 見えるのですが… 91 00:06:54,940 --> 00:06:57,450 着ぐるみの旦那は 何も喋ってないのに— 92 00:06:57,450 --> 00:07:01,280 なんでユノは相手の 考えてることがわかるんだ? 93 00:07:01,280 --> 00:07:03,280 ウーン… 94 00:07:03,280 --> 00:07:06,290 もしかして… 愛の力かしら 95 00:07:06,290 --> 00:07:08,460 (2人)まさか 96 00:07:08,460 --> 00:07:16,960 ♩~ 97 00:07:16,960 --> 00:07:18,970 いやぁ… 98 00:07:18,970 --> 00:07:22,140 念のため 表面に酸への耐性 つけといてよかったな 99 00:07:22,140 --> 00:07:24,140 (リーシア)ソーマ! んっ 100 00:07:24,140 --> 00:07:26,470 こんなとこで何やって… 101 00:07:26,470 --> 00:07:28,480 それ… 102 00:07:28,480 --> 00:07:31,810 なんか 前見たときより 大きくなってない? 103 00:07:31,810 --> 00:07:34,820 城下の職人に発注して作らせたんだ 104 00:07:34,820 --> 00:07:38,150 それも例の魔法で動かせるの? もちろん 105 00:07:38,150 --> 00:07:40,150 ハッ! まさか— 106 00:07:40,150 --> 00:07:42,160 最近 城下でうわさになっている— 107 00:07:42,160 --> 00:07:44,160 「着ぐるみの冒険者」って… あぁ 108 00:07:44,160 --> 00:07:46,160 たぶん コイツだろうな 109 00:07:48,660 --> 00:07:52,600 冒険者のパーティーに交じって 地下通路の探索? 110 00:07:52,600 --> 00:07:55,600 でも なんでそんなこと ん~っ? 111 00:07:55,600 --> 00:07:57,610 ちょっと考えてることがあって 112 00:07:57,610 --> 00:08:00,110 実際に地下通路の様子を 見ておきたくってさ 113 00:08:00,110 --> 00:08:04,110 何を企んでるのか 見当もつかないけど— 114 00:08:04,110 --> 00:08:07,780 それで成果はあったの? まぁ それなりに 115 00:08:07,780 --> 00:08:11,480 《あと 冒険楽しかったしな》 116 00:08:26,630 --> 00:08:29,300 皆 いい面構えになったな 117 00:08:29,300 --> 00:08:31,310 目は虚ろで生気もなく— 118 00:08:31,310 --> 00:08:35,810 墓場をうろつく死者の霊にも似た よき面構えである 119 00:08:35,810 --> 00:08:37,810 私は知っている 120 00:08:37,810 --> 00:08:42,150 諸君らが寝る間を惜しんで働き 日がな一日数字と戦い— 121 00:08:42,150 --> 00:08:45,150 家族の制止を振り切って 登城した この日々を 122 00:08:45,150 --> 00:08:48,660 諸君らこそ まっこと我が宝である! 123 00:08:48,660 --> 00:08:50,590 誇れ! (ざわめき) 124 00:08:50,590 --> 00:08:52,590 キサマらは そのすり減らした精神の分だけ— 125 00:08:52,590 --> 00:08:55,090 この国の民を救ったのだ! 126 00:08:57,100 --> 00:08:59,100 諸君らの働きのおかげで— 127 00:08:59,100 --> 00:09:01,600 当面の資金を 確保することができた 128 00:09:01,600 --> 00:09:04,110 これで プロジェクト・ ヴェネティノヴァを— 129 00:09:04,110 --> 00:09:07,610 本格的に始動させることができる (ざわめき) 130 00:09:07,610 --> 00:09:10,280 ((ヴェネティノヴァ? 131 00:09:10,280 --> 00:09:13,780 あぁ それがここに 新しく造る都市の名だ 132 00:09:13,780 --> 00:09:17,620 海辺にってことは港を造るの? そう 133 00:09:17,620 --> 00:09:20,450 この国でいちばん大きい 湾岸都市にするつもりだ 134 00:09:20,450 --> 00:09:22,960 でも主要港としては— 135 00:09:22,960 --> 00:09:27,130 すでにウォルター公領に ラグーンシティがあるのよ? 136 00:09:27,130 --> 00:09:29,460 ソーマ まさか! 137 00:09:29,460 --> 00:09:31,800 えっ? あぁ 違う違う! 138 00:09:31,800 --> 00:09:34,970 別にウォルター公と事を構える 準備ってわけじゃない 139 00:09:34,970 --> 00:09:38,970 じゃあ新しい港を造る 本来の目的はなんなの? 140 00:09:38,970 --> 00:09:42,480 ここに都市を築くと同時に 道路建設を進める 141 00:09:42,480 --> 00:09:46,150 港から各都市への 交通網を整備すれば— 142 00:09:46,150 --> 00:09:48,980 海運と陸運の両方をコントロールして— 143 00:09:48,980 --> 00:09:51,990 流通をかなりスムーズにできるはずだ 144 00:09:51,990 --> 00:09:56,660 プロジェクトが完成すれば ヴェネティノヴァは この国の心臓となる 145 00:09:56,660 --> 00:10:00,330 そこから張り巡らされる 交通網は… 血管だ 146 00:10:00,330 --> 00:10:03,330 この国の心臓… 血管 147 00:10:03,330 --> 00:10:06,670 流通がスムーズになるって そんなに大きなことなの? 148 00:10:06,670 --> 00:10:09,000 大きいさ! あっ… 149 00:10:09,000 --> 00:10:13,010 リーシア 物の値段は どうやって決まるかわかるか? 150 00:10:13,010 --> 00:10:17,350 みんなが欲しがる物は高くなり 余っている物は安くなる 151 00:10:17,350 --> 00:10:20,010 それぐらいは知っているわ そう 152 00:10:20,010 --> 00:10:22,850 価格は需要と供給の関係で決まる 153 00:10:22,850 --> 00:10:26,690 絶対的に量が不足している物は しようがないけど— 154 00:10:26,690 --> 00:10:31,190 流通がスムーズなら国内のどこかで 不足している物資を— 155 00:10:31,190 --> 00:10:34,030 別の余っている場所から 運ぶことができる 156 00:10:34,030 --> 00:10:37,030 商品の過不足が 解消されていって— 157 00:10:37,030 --> 00:10:39,870 需要と供給の バランスが取れてくれば— 158 00:10:39,870 --> 00:10:42,870 高かった値段も 徐々に下がっていく 159 00:10:42,870 --> 00:10:45,870 国内での価格の均一化を 図れるわけだ 160 00:10:45,870 --> 00:10:50,140 確かに物の値段が下がるのは いいことだと思うけど… 161 00:10:50,140 --> 00:10:54,820 リーシア 今この国で 最も需要が高い物— 162 00:10:54,820 --> 00:10:58,320 人々が求めている物は なんだと思う? 163 00:10:58,320 --> 00:11:00,320 えっ…? 164 00:11:00,320 --> 00:11:02,990 食糧ね! そのとおり 165 00:11:02,990 --> 00:11:05,830 食糧難の根本的な原因は— 166 00:11:05,830 --> 00:11:09,830 国内での食用作物の生産量が 低いことにあるんだけど— 167 00:11:09,830 --> 00:11:15,000 その結果 供給不足で値段が高騰し 拍車をかけている 168 00:11:15,000 --> 00:11:17,340 いくら価格が高くても— 169 00:11:17,340 --> 00:11:19,510 食事をしないわけには いかないから— 170 00:11:19,510 --> 00:11:24,180 家計を食費が圧迫し 他のことに使えるお金が減って— 171 00:11:24,180 --> 00:11:27,180 この国の経済を 停滞させているんだ 172 00:11:27,180 --> 00:11:30,180 綿花からの転作を 進めてはいるけど— 173 00:11:30,180 --> 00:11:32,690 すぐに結果が出るものでもない 174 00:11:32,690 --> 00:11:36,360 今 打てる手で 食糧の高騰を抑える施策は— 175 00:11:36,360 --> 00:11:38,530 最も効果が大きいはず 176 00:11:38,530 --> 00:11:41,860 だから なんとしても 予算を確保して— 177 00:11:41,860 --> 00:11:44,160 これを実現する必要があるんだ)) 178 00:11:47,540 --> 00:11:52,470 このプロジェクトが成った暁には 改革は大きく前進するだろう 179 00:11:52,470 --> 00:11:55,980 それもすべて 諸君らが経費の無駄を洗い出し— 180 00:11:55,980 --> 00:11:58,310 資金を捻出したればこそである! 181 00:11:58,310 --> 00:12:00,310 民に成り代わり礼を言う! 182 00:12:00,310 --> 00:12:04,490 諸君らの名は 歴史には残らないかもしれない 183 00:12:04,490 --> 00:12:08,490 しかし! 諸君らは 一人の英雄が戦場で成すよりも— 184 00:12:08,490 --> 00:12:11,160 はるかに多くの貢献をしたのだ! 185 00:12:11,160 --> 00:12:16,160 そのことは このソーマ・カズヤが 生涯覚えておこう! 186 00:12:16,160 --> 00:12:18,170 (どよめき) 187 00:12:18,170 --> 00:12:21,170 諸君らこそが 名もなき英雄である! 188 00:12:21,170 --> 00:12:24,670 諸君らは本当によくやってくれた 189 00:12:24,670 --> 00:12:26,670 よって褒美をとらす 190 00:12:26,670 --> 00:12:29,680 明日より5日間の休暇をやろう! 191 00:12:29,680 --> 00:12:31,680 (歓声) 192 00:12:31,680 --> 00:12:35,350 本当なら賞与のひとつでも 出してやりたいのだが— 193 00:12:35,350 --> 00:12:39,690 諸君らがせっかく捻出してくれた 資金に手をつけては本末転倒 194 00:12:39,690 --> 00:12:42,020 本当にすまない 195 00:12:42,020 --> 00:12:46,360 代わりに城内の酒蔵にあるワインを 一人1本ずつくれてやる 196 00:12:46,360 --> 00:12:49,200 祝杯をあげるなり換金するなり 好きにしろ! 197 00:12:49,200 --> 00:12:53,400 (歓声) 198 00:12:55,300 --> 00:12:57,640 さっきのアレ なんなの? 199 00:12:57,640 --> 00:13:00,640 うれしいのはわかるけど テンションおかしすぎない? 200 00:13:00,640 --> 00:13:04,980 明け方近くまで仕事してたから 寝不足でハイになってたんだ 201 00:13:04,980 --> 00:13:07,310 でもソーマは ほら… あれ 202 00:13:07,310 --> 00:13:13,650 リビング・ポルターガイスツで意識を 交互に休められるんでしょ? 203 00:13:13,650 --> 00:13:16,660 えっ… あぁ うん… まぁな 204 00:13:16,660 --> 00:13:20,160 でも今後のプロジェクトに 必要な予算が— 205 00:13:20,160 --> 00:13:22,500 もう少しで組めるって段階だったから— 206 00:13:22,500 --> 00:13:25,000 全意識フル稼働で 働いちゃったんだよ 207 00:13:25,000 --> 00:13:30,000 ハァ… 頑張ってるのはわかるけど 心配させないで 208 00:13:30,000 --> 00:13:32,170 ソーマに代わりはいないんだから 209 00:13:32,170 --> 00:13:34,340 ハハ… そのときは— 210 00:13:34,340 --> 00:13:37,680 また別な勇者を 召喚したらいいんじゃないか? 211 00:13:37,680 --> 00:13:40,010 少しだけ寝させてくれ 212 00:13:40,010 --> 00:13:43,610 起きたら一緒に ヴェネティノヴァの建設予定地に行こう 213 00:13:45,690 --> 00:13:49,520 ルドウィンたちが先発して 作業を始めてるだろうから 214 00:13:49,520 --> 00:13:51,460 フゥ… 215 00:13:51,460 --> 00:13:54,460 それを見にいかないと… 216 00:13:54,460 --> 00:13:57,260 わかったわ おやすみなさい… あっ 217 00:14:00,630 --> 00:14:04,630 もう寝ちゃった よっぽど疲れてたのね 218 00:14:08,480 --> 00:14:13,150 さっき 別の勇者を召喚したら いいなんて言ってたけど— 219 00:14:13,150 --> 00:14:15,820 その人はソーマじゃないでしょう 220 00:14:15,820 --> 00:14:17,990 私は… 221 00:14:17,990 --> 00:14:20,090 《ソーマがいいの》 222 00:14:22,160 --> 00:14:24,660 (馬車の扉の開閉音) 223 00:14:24,660 --> 00:14:27,160 ウーン… 224 00:14:27,160 --> 00:14:29,160 ハァ… 225 00:14:29,160 --> 00:14:31,500 思ってたより パルナムから近いな 226 00:14:31,500 --> 00:14:34,100 (アイーシャ)腹が空く間も なかったですな 227 00:14:36,340 --> 00:14:41,340 国の中枢に近く 地形も港を造るには理想的 228 00:14:41,340 --> 00:14:44,350 なんで こんな おあつらえ向きの場所が— 229 00:14:44,350 --> 00:14:46,350 手付かずだったんだろう… (ルドウィン)陛下! 230 00:14:46,350 --> 00:14:49,520 あっ ようこそいらしてくださいました 231 00:14:49,520 --> 00:14:54,790 それに姫様も ヴェネティノヴァ建設予定地へようこそ 232 00:14:54,790 --> 00:14:56,790 (咳払い) 233 00:14:56,790 --> 00:14:59,460 アイーシャ殿も陛下の護衛— 234 00:14:59,460 --> 00:15:01,800 ご苦労さまです ムフーッ 235 00:15:01,800 --> 00:15:04,470 ルドウィン 早速だが— 236 00:15:04,470 --> 00:15:06,470 工事の進捗状況は どうなっている? 237 00:15:06,470 --> 00:15:08,970 すでに縄張りは完了しています 238 00:15:08,970 --> 00:15:13,310 工事は順調… だったのですが どうした? 239 00:15:13,310 --> 00:15:15,980 トラブルでもあったか? いや まぁ… 240 00:15:15,980 --> 00:15:19,310 ここではなんですから テント内で ご説明します 241 00:15:19,310 --> 00:15:22,320 建設に反対している 者たちがいる? 242 00:15:22,320 --> 00:15:24,650 はい… ここから少し— 243 00:15:24,650 --> 00:15:27,320 内陸に入った村の 住人たちなのですが— 244 00:15:27,320 --> 00:15:29,660 ウルップという ご老人が中心になって— 245 00:15:29,660 --> 00:15:32,490 「この地に町など造ってはならぬ」と 246 00:15:32,490 --> 00:15:36,330 彼らはなぜ反対しているんだ? それが… 247 00:15:36,330 --> 00:15:41,000 「ここは海神様の領域で 家を 建てるとその怒りを買う」と 248 00:15:41,000 --> 00:15:43,000 カイジン? 249 00:15:43,000 --> 00:15:46,340 そのご老人によれば 海の神様だということです 250 00:15:46,340 --> 00:15:49,010 海の神で海神か 251 00:15:49,010 --> 00:15:50,950 海の神様って… 252 00:15:50,950 --> 00:15:53,110 この世界に そんなものまでいるのか? 253 00:15:53,110 --> 00:15:55,120 まぁ そうしたものを— 254 00:15:55,120 --> 00:15:57,950 信仰している人たちは いるかもしれないけど— 255 00:15:57,950 --> 00:16:00,290 実際にいるとは思えないわね 256 00:16:00,290 --> 00:16:03,120 私も お目にかかったことは ありませんな 257 00:16:03,120 --> 00:16:06,790 おそらく迷信のたぐいだと 思うのですが 258 00:16:06,790 --> 00:16:09,630 「海神様の聖域に家を建てると— 259 00:16:09,630 --> 00:16:12,970 海からとてつもなく 大きな魔物が現れて— 260 00:16:12,970 --> 00:16:14,970 ひと呑みにしてしまう」と… 261 00:16:14,970 --> 00:16:18,810 海から大きな魔物が来て 家をひと呑みに… 262 00:16:18,810 --> 00:16:20,810 あっ! 263 00:16:20,810 --> 00:16:23,640 ルドウィン! その老人の話 聞いてみたい 264 00:16:23,640 --> 00:16:25,810 えっ!? どこに行けば会える? 265 00:16:25,810 --> 00:16:31,150 そ… そう遠くはない村なので 今からご案内できますが 266 00:16:31,150 --> 00:16:33,150 (ノック) 267 00:16:33,150 --> 00:16:35,820 (ウルップ)なんじゃ またキサマか! 268 00:16:35,820 --> 00:16:38,990 海神様のことは 何度も話したじゃろう 269 00:16:38,990 --> 00:16:41,830 ワシゃ あそこに 町を造るのは… んっ? 270 00:16:41,830 --> 00:16:44,000 ご老人 すまないが— 271 00:16:44,000 --> 00:16:47,330 海神様の話 詳しく聞かせてもらえないか? 272 00:16:47,330 --> 00:16:49,340 なんじゃ おぬしは 273 00:16:49,340 --> 00:16:52,440 エルフリーデン国王代理の ソーマ・カズヤだ 274 00:16:52,440 --> 00:16:54,440 んっ…? 275 00:16:54,440 --> 00:16:57,610 へ 陛下~! 276 00:16:57,610 --> 00:17:01,950 それで ウルップさん 海神様の話なんだけど 277 00:17:01,950 --> 00:17:03,950 あ… 陛下 278 00:17:03,950 --> 00:17:07,450 どうか あそこに町を造るのは お考え直しくだされ 279 00:17:07,450 --> 00:17:11,460 あの地はもともと 海神様のものだったのですじゃ 280 00:17:11,460 --> 00:17:15,460 じゃから 陸に住まう者が 家を建てたりすると— 281 00:17:15,460 --> 00:17:18,470 怒って家を 滅ぼしてしまわれるんじゃ 282 00:17:18,470 --> 00:17:20,470 うっ… うぅ… 283 00:17:20,470 --> 00:17:23,140 じゃから この村のもんはもちろん— 284 00:17:23,140 --> 00:17:26,640 隣も そのまた隣の村も… 285 00:17:26,640 --> 00:17:29,480 あそこに住もうなんてもんは おらん! 286 00:17:29,480 --> 00:17:32,810 うぅ~… 287 00:17:32,810 --> 00:17:37,650 ウルップさん 海神様の聖域が どこからどこまでか— 288 00:17:37,650 --> 00:17:39,650 詳しく教えてくれないか 289 00:17:43,320 --> 00:17:47,660 (ハクヤ)海神様の聖域ですか… まさか陛下は— 290 00:17:47,660 --> 00:17:50,760 海神様とやらがいると 信じておられるので? 291 00:17:50,760 --> 00:17:52,770 いいや そんなものはいないだろう 292 00:17:52,770 --> 00:17:54,770 んっ… 293 00:17:54,770 --> 00:17:58,110 だが そうした伝承が 語り継がれているからには— 294 00:17:58,110 --> 00:18:00,770 その中に 次世代に伝えるべき教訓が— 295 00:18:00,770 --> 00:18:05,450 含まれていると 俺は思う この海神様のたたりもそうだと? 296 00:18:05,450 --> 00:18:08,780 あぁ この伝承が伝える教訓は— 297 00:18:08,780 --> 00:18:11,450 「特定の場所に 家を造らないこと」だ 298 00:18:11,450 --> 00:18:13,450 それを無視すると— 299 00:18:13,450 --> 00:18:16,290 海からとてつもなく 大きな魔物が現れ— 300 00:18:16,290 --> 00:18:18,790 建てた家をひと呑みにしてしまう 301 00:18:18,790 --> 00:18:23,300 俺は海神様のたたりとは 津波のことだと思う 302 00:18:23,300 --> 00:18:25,300 ですが私は— 303 00:18:25,300 --> 00:18:27,470 あの辺りが津波に 襲われたという話を— 304 00:18:27,470 --> 00:18:29,470 聞いたことはありませんが 305 00:18:29,470 --> 00:18:32,470 たぶん津波が起こる周期が とても長いんだろう 306 00:18:32,470 --> 00:18:34,980 100年 200年… 307 00:18:34,980 --> 00:18:37,980 もしかしたら 千年単位かもしれない 308 00:18:37,980 --> 00:18:39,980 千年… 309 00:18:39,980 --> 00:18:44,490 城に戻ってくる前に 建設予定地周辺の村々を回って— 310 00:18:44,490 --> 00:18:46,820 そこに伝わる伝承を聞いてきた 311 00:18:46,820 --> 00:18:50,420 それで大まかな 津波の到達範囲を割り出せた 312 00:18:50,420 --> 00:18:52,430 (ハクヤ)それが この地図に— 313 00:18:52,430 --> 00:18:54,600 斜線が引かれた部分 というわけですね 314 00:18:54,600 --> 00:18:58,270 (ルドウィン)ヴェネティノヴァ 建設予定地と大きく重なっていますね 315 00:18:58,270 --> 00:19:00,770 あぁ… 見事なぐらいにな 316 00:19:00,770 --> 00:19:05,070 (ハクヤ)では陛下 ヴェネティノヴァの 建設は中止なさいますか? 317 00:19:09,280 --> 00:19:12,280 建設計画は続行する あっ 318 00:19:12,280 --> 00:19:15,120 ただし 建設予定地は変更する 319 00:19:15,120 --> 00:19:17,950 変更!? 今からですか? あっ 320 00:19:17,950 --> 00:19:20,790 こうした V字型に切れ込んだ地形は— 321 00:19:20,790 --> 00:19:22,790 港には適しているが— 322 00:19:22,790 --> 00:19:26,290 津波が起きたとき 被害が大きくなる恐れがある 323 00:19:26,290 --> 00:19:29,800 新たな建設予定地は この辺にしようと思う 324 00:19:29,800 --> 00:19:32,300 た 確かにその辺りも— 325 00:19:32,300 --> 00:19:34,640 候補の一つとして あがっていましたが… 326 00:19:34,640 --> 00:19:36,970 しかし 千年に一度— 327 00:19:36,970 --> 00:19:39,470 起こるかどうかもわからない 津波のために— 328 00:19:39,470 --> 00:19:43,480 そこまでする必要が? その千年に一度の津波が— 329 00:19:43,480 --> 00:19:46,310 近々起こらないという保障はない あっ… 330 00:19:46,310 --> 00:19:51,490 いい機会だから ヴェネティノヴァは 災害に強い防災都市にしたい 331 00:19:51,490 --> 00:19:54,990 備えあれば憂いなし… ということですか? 332 00:19:54,990 --> 00:19:58,990 話を聞いた古老たちは皆 たたりの前触れとして— 333 00:19:58,990 --> 00:20:02,160 海神様の怒りが 大地を震わせたと言っていた 334 00:20:02,160 --> 00:20:05,170 地震… ですか そうだ 335 00:20:05,170 --> 00:20:08,000 海底で大きな地震が発生すると— 336 00:20:08,200 --> 00:20:11,340 断層運動で海底が 盛り上がったり沈んだりして— 337 00:20:11,340 --> 00:20:13,510 そのせいで海面が… 338 00:20:13,510 --> 00:20:15,510 (2人)あぁ… 339 00:20:15,510 --> 00:20:17,510 とりあえず理屈はいいから— 340 00:20:17,510 --> 00:20:20,850 わずかでも地面が揺れたら 津波が来る恐れがあると— 341 00:20:20,850 --> 00:20:22,850 そのことだけ覚えておいてくれ 342 00:20:22,850 --> 00:20:25,520 んっ… わかりました 343 00:20:25,520 --> 00:20:29,020 念のため この国の海岸線ならどこでも— 344 00:20:29,020 --> 00:20:32,690 津波が来る可能性はあると 考えておいたほうがいいだろう 345 00:20:32,690 --> 00:20:36,860 だから地震が起きたら 一刻も早く海辺から離れる 346 00:20:36,860 --> 00:20:40,030 できることなら 高台などに避難する 347 00:20:40,030 --> 00:20:42,040 海辺に住む国民すべてに— 348 00:20:42,040 --> 00:20:44,540 このことを 周知徹底させる必要がある 349 00:20:44,540 --> 00:20:46,540 承知しました 350 00:20:46,540 --> 00:20:49,980 そういうことでしたら 地震が起きたときの避難場所と— 351 00:20:49,980 --> 00:20:53,150 そこへの経路の整備も 考えたほうがいいでしょう 352 00:20:53,150 --> 00:20:57,480 頼む それで 具体的な建設計画なんだが— 353 00:20:57,480 --> 00:21:00,150 まず全体的に盛り土をして— 354 00:21:00,150 --> 00:21:02,820 新たな建設予定地の 標高を上げよう 355 00:21:03,100 --> 00:21:06,830 それは… かなり 時間がかかってしまいますが 356 00:21:07,140 --> 00:21:10,330 禁軍内の土系魔導士たちを 優先的に回す 357 00:21:10,980 --> 00:21:14,670 他の工期に影響が出ますが やむをえないでしょうね 358 00:21:14,820 --> 00:21:17,000 居住区や商業区は— 359 00:21:17,000 --> 00:21:19,840 海岸線から少し奥まった所に 置くとして… 360 00:21:20,280 --> 00:21:23,510 (ハクヤ)領事館などの重要施設も そのほうがいいでしょう 361 00:21:23,510 --> 00:21:27,010 そうなると 港湾施設周辺をどうするかだが 362 00:21:27,010 --> 00:21:30,850 陛下 いつになく 熱が入っておられるようですな 363 00:21:30,850 --> 00:21:35,360 このプロジェクトのために 必死になって予算を捻出したんだもの 364 00:21:35,360 --> 00:21:37,360 熱が入るのも当然よ 365 00:21:37,360 --> 00:21:41,360 陛下は本当に この国のことを 思っておられるのですな 366 00:21:41,360 --> 00:21:43,700 えぇ そうね 本当にそう 367 00:21:44,480 --> 00:21:47,200 ねぇ アイーシャ なんですかな? 368 00:21:47,400 --> 00:21:50,400 アイーシャはソーマのこと… 好き? 369 00:21:50,480 --> 00:21:52,310 はっ! わっ! 370 00:21:52,310 --> 00:21:55,140 敬愛しております! アイーシャ… 371 00:21:55,760 --> 00:21:58,900 ソーマが笑っていられるように 私たちで支えましょう 372 00:21:59,440 --> 00:22:01,320 もちろんであります! 373 00:22:02,440 --> 00:22:03,200 フッ… 374 00:22:03,200 --> 00:22:05,200