1 00:00:01,480 --> 00:00:04,830 〈大陸の西にある グラン・ケイオス帝国 2 00:00:05,340 --> 00:00:08,670 この大陸において 最大の領土を持ち— 3 00:00:08,900 --> 00:00:13,180 人口 軍事力 技術 人々の豊かさに至るまで— 4 00:00:13,640 --> 00:00:17,510 この大陸に比類する国なき 大帝国である 5 00:00:18,280 --> 00:00:22,180 およそ10年前 事態を一変させる 出来事があった 6 00:00:23,060 --> 00:00:24,760 魔王領の誕生である 7 00:00:25,640 --> 00:00:28,690 突如 押し寄せてきた 異形の軍勢の前に— 8 00:00:29,180 --> 00:00:32,190 人類側の団結が 叫ばれることになる 9 00:00:33,000 --> 00:00:35,360 そして その旗頭としての役割が— 10 00:00:35,740 --> 00:00:39,940 グラン・ケイオス帝国に 求められることになった 11 00:00:41,220 --> 00:00:45,840 現在 帝国の頂点に立つのが マリア・ユーフォリア 12 00:00:46,620 --> 00:00:49,540 そのマリアが掲げた「人類宣言」は— 13 00:00:50,120 --> 00:00:53,220 対魔王軍のための 共闘ということだけでなく— 14 00:00:53,780 --> 00:00:59,550 戦争停止 民族差別禁止にも 言及した崇高なものだった 15 00:01:00,020 --> 00:01:02,820 また その美しい容姿と— 16 00:01:03,060 --> 00:01:06,830 貧富と種族も問わず接する 優しい心根ゆえ— 17 00:01:07,600 --> 00:01:10,500 いつしか こう呼ばれるようになった 18 00:01:11,300 --> 00:01:13,500 「帝国の聖女」と〉 19 00:01:17,360 --> 00:01:20,100 (ノック) (マリア)どうぞ 20 00:01:20,600 --> 00:01:22,010 (ジャンヌ)失礼します 姉上 21 00:01:22,010 --> 00:01:24,110 (ドアの開閉音) 22 00:01:26,680 --> 00:01:30,520 (ジャンヌ)ジャンヌ・ユーフォリア これより陸軍総帥として— 23 00:01:30,980 --> 00:01:33,360 アミドニア公国 ヴァンへ向かいます 24 00:01:33,920 --> 00:01:37,530 (マリア)そう… 件の勇者王に会うのですね? 25 00:01:38,100 --> 00:01:39,000 はい 26 00:01:39,530 --> 00:01:42,200 アミドニアにいいように使われるのは 不本意ですが— 27 00:01:42,680 --> 00:01:46,540 占領されたヴァンを返還するよう 交渉はせねば ならないでしょう 28 00:01:47,740 --> 00:01:50,710 アミドニア公国に非があると わかってはいても— 29 00:01:51,340 --> 00:01:54,040 人類宣言に 反するようなことを許すのは— 30 00:01:54,300 --> 00:01:56,040 帝国の威信にかかわるわ 31 00:01:56,660 --> 00:01:58,550 苦渋の選択です 32 00:01:59,000 --> 00:02:01,980 ごめんなさい あなたに 気苦労をかけてしまって 33 00:02:02,360 --> 00:02:03,740 何を言っているのです 34 00:02:03,990 --> 00:02:06,660 いちばん心を痛めているのは 姉上でしょうに 35 00:02:07,380 --> 00:02:11,830 ユリウス・アミドニアには この報いを いずれ必ず受けさせてやります 36 00:02:12,440 --> 00:02:16,620 エルフリーデン王国の新王ソーマ殿は 聡明なお方と聞きます 37 00:02:17,700 --> 00:02:21,340 ちゃんと話せば わかりあえるお方だと思います 38 00:02:21,700 --> 00:02:23,340 そうですか? 39 00:02:23,340 --> 00:02:26,510 私は逆に 水と油のような気がしますが 40 00:02:27,100 --> 00:02:30,120 水と油ですか… はい 41 00:02:30,350 --> 00:02:33,850 理想論を掲げる姉上と 現実論で動く王 42 00:02:34,480 --> 00:02:37,350 2人は正反対のほうを 向いていると思うのですが 43 00:02:37,740 --> 00:02:39,850 あ… フフッ 44 00:04:11,740 --> 00:04:14,300 (リーシア)いいかげん 自分の部屋を作れば? 45 00:04:14,440 --> 00:04:16,660 (ソーマ)朝から晩まで 仕事漬けなんだ 46 00:04:17,060 --> 00:04:19,660 部屋があっても 寝に帰るだけなんだ 47 00:04:20,100 --> 00:04:21,670 まったく… 48 00:04:21,670 --> 00:04:25,340 ヴァンを陥落させたことで また仕事が増えるんだもんなぁ 49 00:04:25,820 --> 00:04:29,510 官僚がいないのが痛ぇよ 弱音吐いてないで 50 00:04:30,200 --> 00:04:31,680 ほら 次の書類 51 00:04:31,980 --> 00:04:38,020 って… また広場の使用申請かよ まだまだあるわよ 使用申請書 52 00:04:38,320 --> 00:04:42,850 野外コンサートでしょ 演劇 サーカス 種飛ばし大会 53 00:04:43,560 --> 00:04:46,220 俺はパンドラの箱を 開けちまったのか? 54 00:04:46,500 --> 00:04:49,360 よくわからないけど あの放送以来— 55 00:04:49,360 --> 00:04:52,460 ヴァンの人たちは自己表現に 目覚めちゃったみたいよ 56 00:04:52,460 --> 00:04:54,800 それだけ衝撃的だったのね 57 00:04:54,800 --> 00:04:58,970 抑圧されていた分 反動はでかいわけだな まさに— 58 00:04:58,970 --> 00:05:01,810 ルネッサンス! だよ はぁ? 59 00:05:02,600 --> 00:05:03,810 なんでもない 60 00:05:05,980 --> 00:05:11,320 ♩~ 61 00:05:11,320 --> 00:05:13,320 (ロロア)ホンマ えげつないわぁ 62 00:05:13,320 --> 00:05:16,820 親父殿がずっと国民から 取り上げとったものを— 63 00:05:16,820 --> 00:05:18,820 いきなり与えよったんか 64 00:05:18,820 --> 00:05:21,660 もう兄さんの復権は絶望的やな 65 00:05:21,660 --> 00:05:23,660 (コルベール)あの… 姫様 66 00:05:23,660 --> 00:05:26,670 ガイウス陛下は いったい何を 奪っていたというのです? 67 00:05:26,670 --> 00:05:30,500 んなもん「自由」に決まってるやろ コルベールはん 68 00:05:30,500 --> 00:05:32,500 自由はタダや 69 00:05:32,500 --> 00:05:34,840 くれてやっても ソーマの懐は痛まへん 70 00:05:34,840 --> 00:05:38,840 せやけど それを奪おうとすれば 反発される 71 00:05:38,840 --> 00:05:42,010 もし帝国の威光を借りて 返り咲いたとして— 72 00:05:42,010 --> 00:05:45,020 兄さんが自由を 与えたままにできると思うん? 73 00:05:45,020 --> 00:05:48,690 まさか ソーマは そこまで考えてあの放送を? 74 00:05:48,690 --> 00:05:52,790 それに関税を下げて 物流を増やしたんや 75 00:05:52,790 --> 00:05:57,630 今までに こんなきらびやかな布 アミドニアで見たことある? 76 00:05:57,630 --> 00:05:59,970 わぁ… コルベールはん— 77 00:05:59,970 --> 00:06:02,300 こっちも準備を急がんとな 78 00:06:02,300 --> 00:06:05,300 ソーマの動きは 想像以上に速いみたいや 79 00:06:05,300 --> 00:06:07,310 あっ… 80 00:06:07,310 --> 00:06:10,810 《うちらをその気にさせといて 勝ち逃げは許さへんよ 81 00:06:10,810 --> 00:06:13,980 アンタにはきちんと 責任を取ってもらわんとな 82 00:06:13,980 --> 00:06:15,980 覚悟しときや》 83 00:06:15,980 --> 00:06:18,980 覚悟しないとな (ハクヤ)はい 84 00:06:18,980 --> 00:06:22,820 すでに帝国軍5万が 進軍を開始しています 85 00:06:22,820 --> 00:06:25,160 どれくらいでヴァンに到着しそうだ? 86 00:06:25,160 --> 00:06:27,330 本隊は しばらくかかるでしょうが— 87 00:06:27,330 --> 00:06:31,000 先遣隊がそろそろ 到着してもおかしくないかと 88 00:06:31,000 --> 00:06:34,330 わかった 新たな動きがあったら— 89 00:06:34,330 --> 00:06:37,340 すぐに報告してくれ 御意 90 00:06:37,340 --> 00:06:41,010 ハァ… (ポンチョ)あ あの陛下 91 00:06:41,010 --> 00:06:43,010 んっ? 少しよろしいでしょうか 92 00:06:43,010 --> 00:06:45,510 どうかしたのか? へ 陛下に— 93 00:06:45,510 --> 00:06:49,180 見ていただきたいものが あるのです 94 00:06:49,180 --> 00:06:53,120 見せたいものって花なの? は はい! 95 00:06:53,120 --> 00:06:56,450 これは 「幻惑リリー」と呼ばれる花です ハイ 96 00:06:56,450 --> 00:06:59,620 あ~ リリーってことは やっぱりユリなのか 97 00:06:59,620 --> 00:07:01,630 でも幻惑って? 98 00:07:01,630 --> 00:07:05,300 実は この花の花粉には 強い幻覚作用があって— 99 00:07:05,300 --> 00:07:08,970 吸い込むと夢遊病患者のように なってしまうのです 100 00:07:08,970 --> 00:07:10,970 怖っ! 101 00:07:10,970 --> 00:07:13,140 って… そんなもの この場に持ってくるなよ~ 102 00:07:13,140 --> 00:07:15,140 (ポンチョ)だ 大丈夫です 103 00:07:15,140 --> 00:07:17,810 花粉はちゃんと 落としてありますです ハイ 104 00:07:17,810 --> 00:07:20,980 それに花粉は オマケのようなものでして— 105 00:07:20,980 --> 00:07:24,980 陛下に見ていただきたいのは 地下茎のほうです 106 00:07:24,980 --> 00:07:29,150 ユリの根…? ユリ根か! 何? 急に 107 00:07:29,150 --> 00:07:31,160 ユリ根は高級食材だぞ! 108 00:07:31,160 --> 00:07:34,160 あぁ…? って言っても わかんないか 109 00:07:34,160 --> 00:07:36,160 食えるのか? はい 110 00:07:36,160 --> 00:07:39,500 この根には 幻覚作用はありませんです ハイ 111 00:07:39,500 --> 00:07:42,000 で 味は? ふかして食べれば— 112 00:07:42,000 --> 00:07:44,000 ホクホクしておいしいのです 113 00:07:44,000 --> 00:07:46,000 そして この幻惑リリーは— 114 00:07:46,000 --> 00:07:49,940 アミドニア公国の山間部なら どこにでも群生しております 115 00:07:49,940 --> 00:07:53,780 それはいいなぁ ユリ根は たしか 炭水化物だ 116 00:07:53,780 --> 00:07:56,110 芋と同じく主食にできる 117 00:07:56,110 --> 00:07:59,780 公国の食糧難を解決する 突破口になるんじゃないか? 118 00:07:59,780 --> 00:08:03,290 あっ… でも花粉のせいで 近づけないんだろ? 119 00:08:03,290 --> 00:08:07,290 はい それに花粉が出ている 時期に収穫しないと— 120 00:08:07,290 --> 00:08:10,460 今度は毒性が 地下茎に移ってしまいます 121 00:08:10,460 --> 00:08:12,630 それじゃ だめか… 122 00:08:12,630 --> 00:08:15,300 食べられても 収穫できないなら意味がない 123 00:08:15,300 --> 00:08:18,470 って あれ? じゃあ なんでここにあるんだ? 124 00:08:18,470 --> 00:08:22,970 グラン・ケイオス帝国内の 山間部に住む ある民族が— 125 00:08:22,970 --> 00:08:27,310 幻惑リリーを収穫し 主食として食べています ハイ 126 00:08:27,310 --> 00:08:31,320 収穫方法があるのか? 猩猩を使うのです 127 00:08:31,320 --> 00:08:34,820 猩猩って… たしか酒好きのサルだよな 128 00:08:34,820 --> 00:08:36,990 猩猩たちは ふだんから— 129 00:08:36,990 --> 00:08:40,330 幻惑リリーの地下茎を 食べているようです ハイ 130 00:08:40,330 --> 00:08:43,830 帝国の山岳民族は 彼らを飼いならし— 131 00:08:43,830 --> 00:08:46,830 収穫させてるようでした なるほど 132 00:08:46,830 --> 00:08:49,930 動物を使って収穫か 考えたな 133 00:08:49,930 --> 00:08:53,440 その猩猩はアミドニアにいるのか? はい 134 00:08:53,440 --> 00:08:57,440 すでにトモエ殿には猩猩たちと 交渉してもらっています 135 00:08:57,440 --> 00:09:00,450 給料代わりに 定期的に樽酒を渡せば— 136 00:09:00,450 --> 00:09:03,620 喜んで働くと思いますです ハイ 137 00:09:03,620 --> 00:09:08,120 よし ポンチョ ただちに増産体制に入ってくれ 138 00:09:08,120 --> 00:09:10,120 はっ はい! 139 00:09:12,120 --> 00:09:15,820 リリー鍋の配給はこちらなのです ハイ 140 00:09:20,300 --> 00:09:24,640 あ あちらに持ち帰り用の リリー根団子も用意してあります 141 00:09:24,640 --> 00:09:27,310 どうぞお持ち帰りになって ご家庭でも— 142 00:09:27,310 --> 00:09:30,810 作ってみていただきたいので ありますです ハイ 143 00:09:30,810 --> 00:09:34,150 (セリィナ)たくさんありますので 慌てないで 144 00:09:34,150 --> 00:09:36,650 はい 並んでくださいね~ 145 00:09:39,980 --> 00:09:44,660 (トモエ)いい天気ですね 兄様 そうだね トモエちゃん 146 00:09:44,660 --> 00:09:48,330 うわぁ いろんなお店がありますね 147 00:09:48,330 --> 00:09:52,160 何か気になるお店があったら 入ってみようか 148 00:09:52,160 --> 00:09:54,670 はい! 149 00:09:54,670 --> 00:09:58,170 ジュナさんも それでいいですか? (ジュナ)えぇ 150 00:10:02,170 --> 00:10:05,840 あの… これは? あら いけませんか? 151 00:10:05,840 --> 00:10:08,850 いけないってことは ないですけど… 152 00:10:08,850 --> 00:10:11,850 陰から守るって 話じゃないんですか? 153 00:10:11,850 --> 00:10:14,190 ちゃんと守っていますよ 154 00:10:14,190 --> 00:10:18,520 今も海兵隊の精鋭たちが 物陰から守ってくれています 155 00:10:18,520 --> 00:10:20,520 えっ 156 00:10:22,530 --> 00:10:25,530 陛下は私と 腕を組むのは お嫌ですか? 157 00:10:25,530 --> 00:10:27,530 嫌なわけないじゃないですか 158 00:10:27,530 --> 00:10:32,200 どんとこいです ウフフ ありがとうございます 159 00:10:32,200 --> 00:10:35,040 さてと どこに行きましょうか? 160 00:10:35,040 --> 00:10:38,040 あまり見てみたい場所も ないんですよね… 161 00:10:38,040 --> 00:10:41,880 トモエさんに衣服などを プレゼントしたらいかがでしょう? 162 00:10:41,880 --> 00:10:46,380 妹様なのですから 家族からのプレゼントということで 163 00:10:48,550 --> 00:10:50,990 わぁ… ウフフ… あっ 164 00:10:50,990 --> 00:10:53,830 (セバスチャン)どのようなものを お探しでしょうか 165 00:10:53,830 --> 00:10:55,830 そうですね… 166 00:10:55,830 --> 00:10:58,330 何か妹に 似合うものはないでしょうか 167 00:10:58,330 --> 00:11:00,830 ええっ! あ… 兄様 168 00:11:00,830 --> 00:11:04,000 気に入った物があったら 言ってくれていいんだよ 169 00:11:04,000 --> 00:11:06,000 あの… でも 170 00:11:06,000 --> 00:11:09,670 たまには兄貴らしいことを させてほしい 171 00:11:09,670 --> 00:11:13,180 見てみよっか あ… はい! 172 00:11:13,180 --> 00:11:17,020 (ジュナ)これなんかどう? (トモエ)わぁ! すてきです! 173 00:11:17,020 --> 00:11:20,850 見て見て! これ わぁ かわいいです! 174 00:11:20,850 --> 00:11:22,850 (はしゃぎ声) 175 00:11:26,860 --> 00:11:28,860 (セバスチャン)お客様 んっ? 176 00:11:28,860 --> 00:11:31,530 一つ お尋ねしたいことが あるのですが— 177 00:11:31,530 --> 00:11:34,370 よろしいでしょうか? なんでしょう? 178 00:11:34,370 --> 00:11:39,200 戦場において 諸将を集め軍議しているとして— 179 00:11:39,200 --> 00:11:42,710 真っ先に出た意見が 良案だったとしましょう 180 00:11:42,710 --> 00:11:46,410 あなたはその良案を すぐに採用しますか? 181 00:11:48,380 --> 00:11:52,320 しないな… もっといい案が あるんじゃないかと思ってしまう 182 00:11:52,320 --> 00:11:54,320 だから もし— 183 00:11:54,320 --> 00:11:57,820 自分が諸将側で 自分の案を通したい場合には— 184 00:11:57,820 --> 00:12:01,160 すぐに出さずに 議論が行き詰まったころに— 185 00:12:01,160 --> 00:12:03,160 そっと出すのがいいのです 186 00:12:05,500 --> 00:12:07,670 私が申し上げたいのは— 187 00:12:07,670 --> 00:12:11,340 男女の駆け引きも また戦いということです 188 00:12:11,340 --> 00:12:13,340 あっ… 189 00:12:13,340 --> 00:12:16,640 (はしゃぎ声) 190 00:12:19,180 --> 00:12:21,350 《トモエちゃんに似合うと思っても— 191 00:12:21,350 --> 00:12:23,850 もう少し待ったほうがいいわけか》 192 00:12:25,850 --> 00:12:30,690 あなたはすばらしい策士です お褒めにあずかり光栄です 193 00:12:30,690 --> 00:12:35,030 先ほど軍議を例に出したけど 何か深い意味が? 194 00:12:35,030 --> 00:12:37,200 失礼いたしました 195 00:12:37,200 --> 00:12:41,530 つい先日まで高貴な方々を 相手にしていたもので 196 00:12:41,530 --> 00:12:44,540 その高貴な方々とは軍人ですか? 197 00:12:44,540 --> 00:12:49,210 いえいえ とても愛くるしい 小狸のようなお方ですよ 198 00:12:49,210 --> 00:12:51,980 ハーックショーン! ロロア様 199 00:12:51,980 --> 00:12:54,810 淑女たるもの そのように クシャミをなされるのは… 200 00:12:54,810 --> 00:12:56,810 ええやないの 201 00:12:56,810 --> 00:12:59,980 一度はうわさされ 二度は惚れられ 202 00:12:59,980 --> 00:13:03,280 二度目はいつかなぁ はぁ…? 203 00:13:05,320 --> 00:13:07,830 (ジュナ)カズヤさん 204 00:13:07,830 --> 00:13:09,830 いかがですか? 205 00:13:09,830 --> 00:13:11,830 おぉ… 206 00:13:15,500 --> 00:13:18,170 トモエちゃん 持とうか? いいんです 207 00:13:18,170 --> 00:13:20,670 兄様に 買っていただいた物ですから 208 00:13:20,670 --> 00:13:23,340 じゃあ これは 荷物になっちゃうかな? 209 00:13:23,340 --> 00:13:25,840 あっ… わぁ! 210 00:13:25,840 --> 00:13:27,840 ウフフ… 211 00:13:30,010 --> 00:13:37,020 あ… ありがとうございます 兄様 212 00:13:37,020 --> 00:13:40,360 大切にします 213 00:13:40,360 --> 00:13:43,660 あぁ ジュナさんは これを受け取ってください 214 00:13:46,030 --> 00:13:48,700 えっ? あの… これは? 215 00:13:48,700 --> 00:13:51,300 ジュナさんには いつもお世話になってますから— 216 00:13:51,300 --> 00:13:54,470 そのお礼です そんな… 217 00:13:54,470 --> 00:13:57,570 私に このような物を いただく資格など… 218 00:13:59,980 --> 00:14:03,150 とてもよくお似合いです ジュナさん 219 00:14:03,150 --> 00:14:05,150 陛下 220 00:14:05,150 --> 00:14:07,990 陛下が私たちに プレゼントを贈るのなら— 221 00:14:07,990 --> 00:14:10,320 ちゃんと姫様たちにも 贈るべきです 222 00:14:10,320 --> 00:14:15,490 大丈夫ですよ リーシアやアイーシャにも ちゃんと用意してあります 223 00:14:15,490 --> 00:14:18,660 ところで ジュナさん なんでしょうか? 224 00:14:18,660 --> 00:14:22,670 陛下じゃなくて カズヤさんでしょ あっ 225 00:14:22,670 --> 00:14:25,840 カズヤさんって 意外と意地悪なんですね 226 00:14:26,420 --> 00:14:27,660 そうですか? 227 00:14:29,400 --> 00:14:33,040 えぇ それに たらしの才能があります 228 00:14:35,320 --> 00:14:38,820 (トモエ)兄様 小さなお店が たくさん出てますよ 229 00:14:39,040 --> 00:14:43,350 短期間でこんなに露店が (ジュナ)娯楽の中心ですから 230 00:14:43,680 --> 00:14:49,190 旦那 奥さんに一ついかがですか ふかしリリー根団子あるよ 231 00:14:49,500 --> 00:14:51,800 兄様 お腹が空きました 232 00:14:52,240 --> 00:14:55,130 それじゃ露店で何か買おうか はい! 233 00:14:55,400 --> 00:14:57,140 アーン… 234 00:14:57,140 --> 00:15:00,300 うわぁ おいしいです 兄様 235 00:15:00,300 --> 00:15:05,480 リリー根コロッケも なかなかイケるな この揚げ卵もおいしいですよ 236 00:15:05,480 --> 00:15:08,280 半熟の黄身で ヤケドしそうですけど 237 00:15:16,320 --> 00:15:18,990 [スピーカー]皆さん こんにちは クリスです 238 00:15:18,990 --> 00:15:22,990 (ジュナ)こんな穏やかな日が ずっと続けばいいのですが 239 00:15:22,990 --> 00:15:25,500 [スピーカー]本日のエルフリーデン およびヴァンは晴れ 240 00:15:25,500 --> 00:15:27,500 [スピーカー]洗濯日和です 241 00:15:27,500 --> 00:15:30,500 (ジャンヌ)まさか宝珠放送を こんなふうに使うとは 242 00:15:50,290 --> 00:15:54,490 帝国軍が こんな敵地深くに? あっ 243 00:15:57,300 --> 00:15:59,960 (ジャンヌ)我が国に 導入したい制度ですね 244 00:15:59,960 --> 00:16:02,470 帰国後に検討しましょう 245 00:16:02,470 --> 00:16:04,470 んっ… 246 00:16:04,470 --> 00:16:08,140 こちらに敵意はありません 歌姫のジュナ殿 247 00:16:08,140 --> 00:16:10,140 あっ… あなたは? 248 00:16:10,140 --> 00:16:16,310 グラン・ケイオス帝国女皇 マリア・ ユーフォリアの妹 ジャンヌと申します 249 00:16:16,310 --> 00:16:19,650 我が占領下にある ヴァンに乗り込んでくるとは— 250 00:16:19,650 --> 00:16:21,650 ずいぶんと豪胆だな 251 00:16:21,650 --> 00:16:25,320 交渉相手を この目で 見たかっただけなのです 252 00:16:25,320 --> 00:16:27,830 うわさだけでは どんな相手か— 253 00:16:27,830 --> 00:16:30,490 判断できませんから うわさ? 254 00:16:30,490 --> 00:16:32,500 なんでも— 255 00:16:32,500 --> 00:16:36,000 破綻寸前だった王国の経済を 立て直した名君ですとか— 256 00:16:36,000 --> 00:16:39,500 食べる習慣のなかった物の 調理法を編み出し— 257 00:16:39,500 --> 00:16:42,010 食糧難を救ったですとか 258 00:16:42,010 --> 00:16:46,510 それと 無類の好色家であるという うわさも耳にしました 259 00:16:46,510 --> 00:16:48,510 ちょっと待て! なんだそれは!? 260 00:16:48,510 --> 00:16:52,280 美しき先代王の娘と 婚約したにもかかわらず— 261 00:16:52,280 --> 00:16:56,120 王国中の美女を集めて 側室選びを行ったとか 262 00:16:56,120 --> 00:16:58,620 そ… 側室ですか 263 00:16:58,620 --> 00:17:01,960 そういう うわさが立っていたのは 知っていましたけど 264 00:17:01,960 --> 00:17:03,960 マジか… 265 00:17:03,960 --> 00:17:07,300 うわさがガセとなると あの手は使えませんかね 266 00:17:07,300 --> 00:17:10,640 あの手? 好色な王様なら— 267 00:17:10,640 --> 00:17:13,970 美しい姉上に接待させて おねだりさせれば— 268 00:17:13,970 --> 00:17:16,970 簡単に要求を通せると思っていたので 269 00:17:16,970 --> 00:17:19,810 帝国の聖女に 何をさせようとしてるんだ! 270 00:17:19,810 --> 00:17:23,150 姉上自身は聖女という肩書を— 271 00:17:23,150 --> 00:17:25,650 あまり気に入っていないようなのですが 272 00:17:25,650 --> 00:17:28,650 でも 殿方的にはグッとくるのでは? 273 00:17:28,650 --> 00:17:31,990 そ それは… わからないでもないけど 274 00:17:31,990 --> 00:17:35,660 肩書ですか? 歌姫はグッときますか? 275 00:17:35,660 --> 00:17:38,160 なんでジュナさんまで のってきたんだ? 276 00:17:38,160 --> 00:17:41,330 あっ いえ つい… フフッ 277 00:17:41,330 --> 00:17:43,830 想像以上に愉快な方ですね 278 00:17:43,830 --> 00:17:47,340 別におもしろがられたいわけじゃ ないんだがなぁ 279 00:17:47,340 --> 00:17:50,780 いえいえ 王と家臣の距離が近いのは— 280 00:17:50,780 --> 00:17:52,940 国が安定している証拠でしょう 281 00:17:52,940 --> 00:17:55,110 その点 帝国では— 282 00:17:55,110 --> 00:17:58,120 姉上は聖女と呼ばれ みんなが遠慮します 283 00:17:58,120 --> 00:18:02,290 しかも 皇女たらんとして 誰に対しても平等に接し— 284 00:18:02,290 --> 00:18:05,960 結果 誰にも心を許せない 状況下にあります 285 00:18:05,960 --> 00:18:08,460 今回のことだってそうです 286 00:18:08,460 --> 00:18:12,460 人類宣言を無視したアミドニア公国に 手を貸したところで— 287 00:18:12,460 --> 00:18:15,970 こちらには なんのメリットもないというのに 288 00:18:15,970 --> 00:18:20,300 フーン… 理想を掲げる マリア殿の妹にしては— 289 00:18:20,300 --> 00:18:23,140 ずいぶんと 現実的な考え方をするんだな 290 00:18:23,140 --> 00:18:25,310 姉が夢見がちだと— 291 00:18:25,310 --> 00:18:27,650 妹がしっかりしないと いけないんです 292 00:18:27,650 --> 00:18:31,820 ところで あの宝珠放送の使い方は すごいですね 293 00:18:31,820 --> 00:18:34,990 うちの国でも まねしてよろしいでしょうか? 294 00:18:34,990 --> 00:18:38,160 ご自由に だめだって禁止もできないし 295 00:18:38,160 --> 00:18:40,160 (ジャンヌ)ありがとうございます 296 00:18:40,160 --> 00:18:43,660 どうすれば そんな 先進的な発想ができるのですか? 297 00:18:43,660 --> 00:18:48,170 先進的? 俺のいた世界では 普通のことだったんだけど 298 00:18:48,170 --> 00:18:51,440 いた世界… そうでしたね 299 00:18:51,440 --> 00:18:55,270 あなたには とんでもない ご迷惑をおかけしてました 300 00:18:55,270 --> 00:18:59,280 この場にいない姉に代わりまして お詫びいたします 301 00:18:59,280 --> 00:19:01,280 えっ? 302 00:19:01,280 --> 00:19:03,280 勇者召喚のことです 303 00:19:03,280 --> 00:19:06,280 どうかお許しください 頭を上げてくれ 304 00:19:06,280 --> 00:19:08,790 もう過ぎたことだ ですが… 305 00:19:08,790 --> 00:19:13,460 帝国が勇者を欲しがる 理由なんてない そうだろう? 306 00:19:13,460 --> 00:19:16,130 帝国なりの 気遣いだったのだろう? 307 00:19:16,130 --> 00:19:19,800 戦争支援金を捻出できない 王国に対しての 308 00:19:19,800 --> 00:19:22,970 んっ… はい やっぱりな 309 00:19:22,970 --> 00:19:26,300 俺は人身御供だったのさ えっ? 310 00:19:26,300 --> 00:19:29,640 エルフリーデン王国は 魔王領から離れている 311 00:19:29,640 --> 00:19:32,480 しかも人類宣言を批准していない 312 00:19:32,480 --> 00:19:36,980 批准国からすれば 俺たちは 宣言に守られているくせに— 313 00:19:36,980 --> 00:19:39,980 資金提供も何もしない国だ 314 00:19:39,980 --> 00:19:42,150 勇者召喚を行わせて— 315 00:19:42,150 --> 00:19:45,050 支援したという体面を 作らせようとしたんだろう 316 00:19:46,990 --> 00:19:50,490 待ってください 人類宣言に加盟していない以上— 317 00:19:50,490 --> 00:19:53,830 そもそも支援する義務など ないのではありませんか? 318 00:19:53,830 --> 00:19:58,340 俺たちは人類宣言による 魔族防波堤の恩恵を受けている 319 00:19:58,340 --> 00:20:00,500 なのに義務を果たさないのは— 320 00:20:00,500 --> 00:20:04,680 加盟国側の反発を招くことになる そんな… 321 00:20:04,680 --> 00:20:06,840 加盟国をなだめるために— 322 00:20:06,840 --> 00:20:10,180 非加盟国にも 戦争支援金を要求し— 323 00:20:10,180 --> 00:20:14,020 さもなければ 同等の犠牲を払ってもらう 324 00:20:14,020 --> 00:20:16,520 返す言葉もありません 325 00:20:16,520 --> 00:20:18,520 ぶっちゃけた話— 326 00:20:18,520 --> 00:20:22,030 勇者召喚が成功するとは 思っていなかったんじゃないか? 327 00:20:22,030 --> 00:20:26,200 帝国は召喚を行ったという事実のみで— 328 00:20:26,200 --> 00:20:29,200 加盟国を説得できると踏んでいた 329 00:20:29,200 --> 00:20:31,200 そのとおりです 330 00:20:31,200 --> 00:20:35,370 しかし 結果として ソーマ殿が召喚されてしまいました 331 00:20:35,370 --> 00:20:37,710 呼び出されたあなたは— 332 00:20:37,710 --> 00:20:40,540 アルベルト殿から王位を 譲られてからというもの— 333 00:20:40,540 --> 00:20:42,710 国の立て直しに奔走され— 334 00:20:42,710 --> 00:20:45,220 支援金まで 捻出してくださいました 335 00:20:45,220 --> 00:20:48,050 さっきも言ったけど過ぎたことだ 336 00:20:48,050 --> 00:20:51,320 事情がわかってからは 恨みに思っていないよ 337 00:20:51,320 --> 00:20:53,520 それに… 338 00:20:55,490 --> 00:20:58,830 こっちに守りたい家族が できたからな 339 00:20:58,830 --> 00:21:03,670 まぁ 気にしてヴァンの領有を 認めてくれるっていうなら— 340 00:21:03,670 --> 00:21:06,670 それでもいいけど 残念ながら— 341 00:21:06,670 --> 00:21:09,840 私にも守るべき家族がいますので 342 00:21:09,840 --> 00:21:13,510 そうか ならば 交渉するしかないな 343 00:21:13,510 --> 00:21:17,610 えぇ そのときはどうか お手柔らかにお願いします 344 00:21:24,020 --> 00:21:26,520 難しい交渉になりそうだ 345 00:21:29,690 --> 00:21:31,700 見てください これ! 346 00:21:31,700 --> 00:21:35,530 兄様に買っていただきました よかったわね 347 00:21:35,530 --> 00:21:38,370 アイーシャ よかったらこれを 348 00:21:38,370 --> 00:21:40,370 (アイーシャ)あぁ~ 陛下! 349 00:21:40,370 --> 00:21:43,370 お土産をいただけるなんて 恐悦至極です! 350 00:21:43,370 --> 00:21:45,380 おぉ~っ 351 00:21:45,380 --> 00:21:49,210 よかったですね アイーシャさん はい ジュナ殿 352 00:21:49,580 --> 00:21:51,650 このリップで女を磨いてみせます 353 00:21:51,860 --> 00:21:53,650 そして いつまでも陛下のそばに— 354 00:21:53,650 --> 00:21:55,650 おいていただけるよう頑張ります! 355 00:21:56,120 --> 00:21:58,150 もちろん リーシアの分もあるよ あっ 356 00:22:00,460 --> 00:22:03,560 わぁ… ありがとう! 357 00:22:09,400 --> 00:22:11,500 どう? 似合うかしら 358 00:22:11,500 --> 00:22:13,500 (トモエ)姉様 お似合いです! 359 00:22:13,940 --> 00:22:15,510 (ジュナ)えぇ! (アイーシャ)すてきです 姫様! 360 00:22:15,510 --> 00:22:17,510 《帝国であれ どこが相手だろうと— 361 00:22:17,860 --> 00:22:19,840 俺はこれからも前へ進む 362 00:22:20,540 --> 00:22:21,850 リーシアたちを… 363 00:22:22,200 --> 00:22:24,550 家族と思える人を守るために》 364 00:22:24,550 --> 00:22:26,550