1 00:00:16,210 --> 00:00:19,510 《ソーマ:俺がこの国の人の 話す言葉が理解できたり— 2 00:00:19,510 --> 00:00:23,180 逆に 俺が話す日本語を 相手に理解させられるのは— 3 00:00:23,510 --> 00:00:26,850 どうやら勇者に付与された 不思議な力によるようだ 4 00:00:27,470 --> 00:00:28,850 それだけではなく— 5 00:00:28,850 --> 00:00:32,190 俺は2つの世界の文字を読み 書くことができる 6 00:00:32,710 --> 00:00:35,190 それも頭の中で 勝手に翻訳がなされ— 7 00:00:35,190 --> 00:00:37,190 書けてしまう感じだ 8 00:00:37,190 --> 00:00:40,030 ちなみに この世界には 言語と呼びうるものが— 9 00:00:40,030 --> 00:00:42,360 たった一つしか存在しないらしい 10 00:00:42,360 --> 00:00:46,530 信じがたいが この世界の人々は 皆同じ言葉を使っている 11 00:00:46,530 --> 00:00:48,540 それはさておき— 12 00:00:48,540 --> 00:00:52,040 俺に付与された自動翻訳機能 とでもいうべきものは— 13 00:00:52,040 --> 00:00:54,540 俺自身を通したときだけ 有効らしく— 14 00:00:54,540 --> 00:00:59,050 例えば この中に保存されている 音声を聞かせても— 15 00:00:59,050 --> 00:01:01,050 この国の人たちには— 16 00:01:01,430 --> 00:01:04,550 理解できない異国の言葉として 聞こえてしまう 17 00:01:05,530 --> 00:01:07,050 なんとも不思議だが…》 18 00:02:39,930 --> 00:02:44,590 ((リーシアはいずれ この国を 指導する立場の人間だ 19 00:02:46,970 --> 00:02:50,700 だから こうしたことも 知っておいてほしいんだ 20 00:02:51,390 --> 00:02:53,040 俺がいなくなったあとも— 21 00:02:53,370 --> 00:02:55,710 ちゃんと この国を 経営していけるようにね)) 22 00:02:56,540 --> 00:02:58,540 (リーシア)あっ… 23 00:03:03,430 --> 00:03:06,480 ((そこから先の選択は この国の人々に任せるよ 24 00:03:07,050 --> 00:03:09,320 もちろん 婚約も破棄でいい)) 25 00:03:10,090 --> 00:03:14,090 《あんなこと言ってたけど ソーマ 本気で? 26 00:03:15,590 --> 00:03:18,830 ソーマは役に立つ人材が欲しい なんて言ってるけど— 27 00:03:19,250 --> 00:03:23,830 この国にとって ソーマこそが最も必要な人材》 28 00:03:24,390 --> 00:03:28,430 ((ソーマには向こうの世界に 残してきた家族とか… 29 00:03:29,170 --> 00:03:34,310 こ… 恋人とかいたの? いないよ)) 30 00:03:35,290 --> 00:03:38,350 《元の世界に家族は もういないって言ってたし— 31 00:03:38,510 --> 00:03:40,850 もし私が家族になってしまえば— 32 00:03:41,210 --> 00:03:43,690 ソーマをこの国に とどめておけるかしら? 33 00:03:44,330 --> 00:03:47,690 こ… 婚約者として 既成事実を作っちゃえば》 34 00:03:47,690 --> 00:03:49,690 ハッ! (ノック) 35 00:03:49,690 --> 00:03:52,200 (セリィナ)姫様 お目覚めの時間です 36 00:03:52,200 --> 00:03:55,100 あ… うん もう起きてるから 37 00:03:59,540 --> 00:04:02,870 (セリィナ)おや? どうされました? 38 00:04:02,870 --> 00:04:06,140 お顔が赤いようですが な なんでもないわ 39 00:04:06,140 --> 00:04:08,980 うん… ちょっと その… 40 00:04:08,980 --> 00:04:11,650 うん… 41 00:04:11,650 --> 00:04:15,650 フフッ… 42 00:04:15,650 --> 00:04:19,490 姫様 今日は 陛下が募集した人材の中で— 43 00:04:19,490 --> 00:04:22,830 特に優れた者を 顕彰する催しがございます 44 00:04:22,830 --> 00:04:24,830 そうだったわね 45 00:04:24,830 --> 00:04:28,830 姫様もご出席なさるのですから 早く支度してください 46 00:04:30,830 --> 00:04:33,840 応募してきた人 かなりたくさんいたみたいね 47 00:04:33,840 --> 00:04:36,010 えぇ それはもう 48 00:04:36,010 --> 00:04:38,010 審査に当たった者たちが— 49 00:04:38,010 --> 00:04:40,680 いつまでたっても終わらないと ボヤいておりました 50 00:04:40,680 --> 00:04:42,680 ソーマがそれを聞いたら— 51 00:04:42,680 --> 00:04:47,180 「ボヤく暇があったら仕事をこなせ」 とか言いそうね 52 00:04:47,180 --> 00:04:49,350 (ポンチョ)うぅ… 53 00:04:49,350 --> 00:04:52,690 (ハクヤ)どうかされましたか? ハッ! 54 00:04:52,690 --> 00:04:55,530 (ハクヤ)お加減が優れぬようですが 55 00:04:55,530 --> 00:04:59,360 あっ! いや… 才を認められてのこととはいえ— 56 00:04:59,360 --> 00:05:02,530 このあと 陛下の前に出るのかと思うと— 57 00:05:02,530 --> 00:05:05,140 緊張してしまって… ハイ 58 00:05:05,140 --> 00:05:08,470 何しろ 私の才というのは… 59 00:05:08,470 --> 00:05:17,570 ♩~ 60 00:05:20,150 --> 00:05:32,160 ♩~ 61 00:05:32,160 --> 00:05:35,830 (ルドウィン)国王陛下の御前である 頭を下げよ 62 00:05:35,830 --> 00:05:38,000 えっ… あ…! 63 00:05:38,000 --> 00:05:41,000 (アイーシャ)我が部族の しきたりゆえ勘弁願いたい 64 00:05:41,000 --> 00:05:43,010 えっ…? 65 00:05:43,010 --> 00:05:45,010 (アイーシャ)我が部族の戦士は— 66 00:05:45,010 --> 00:05:47,680 あるじ以外の者には 頭を下げません 67 00:05:47,680 --> 00:05:49,680 (ルドウィン)何を言う! 68 00:05:49,680 --> 00:05:51,850 たとえ そうであっても… かまわない 69 00:05:51,850 --> 00:05:55,190 国のためにと 協力を要請したのはこちらだ 70 00:05:55,190 --> 00:05:57,190 かたいことは なしだ 71 00:05:57,190 --> 00:05:59,360 陛下の御心のままに 72 00:05:59,360 --> 00:06:01,690 皆も平伏しないでくれ 73 00:06:01,690 --> 00:06:04,860 こちらは貴殿らに 助力をお願いする立場だ 74 00:06:04,860 --> 00:06:06,860 楽にしてくれていい 75 00:06:11,640 --> 00:06:13,640 (マルクス)陛下の召集により— 76 00:06:13,640 --> 00:06:17,310 この国の才ある者たちが 王都に集いました 77 00:06:17,310 --> 00:06:19,310 そして この者らが— 78 00:06:19,310 --> 00:06:22,980 その中で 特に稀有な才を 示した者にございます 79 00:06:22,980 --> 00:06:25,980 ええっ… う… 80 00:06:25,980 --> 00:06:29,820 それではこれより この者たちが有する才の発表と— 81 00:06:29,820 --> 00:06:31,820 賞の授与を執り行う 82 00:06:31,820 --> 00:06:37,120 「神護の森」のダークエルフ アイーシャ・ウドガルド殿 前へ! 83 00:06:42,330 --> 00:06:44,830 《ダークエルフ… か》 84 00:06:47,340 --> 00:06:49,340 《「ダークエルフ」… 85 00:06:49,340 --> 00:06:53,180 「エルフリーデン王国内では 少数民族の部類に入り— 86 00:06:53,180 --> 00:06:56,350 高い戦闘能力を有する種族 87 00:06:56,350 --> 00:06:59,850 神に守られているという 神護の森を住みかとし— 88 00:06:59,850 --> 00:07:03,520 その森の守護者として 自治も認められている 89 00:07:03,520 --> 00:07:08,960 あまり他種族と交わらず 極めて排他的」か 90 00:07:08,960 --> 00:07:12,300 こうやって離れた場所の 本も読めるなんて— 91 00:07:12,300 --> 00:07:15,800 やっぱ リビング・ポルターガイスツ 便利だな》 92 00:07:15,800 --> 00:07:19,140 (マルクス)この者 武において顕著な才を示し— 93 00:07:19,140 --> 00:07:22,640 その実力は 誠 王国随一と言ってよく— 94 00:07:22,640 --> 00:07:26,980 これを称える次第である! 王国随一の武勇か 95 00:07:26,980 --> 00:07:28,980 期待しているぞ 96 00:07:28,980 --> 00:07:31,480 んっ… 97 00:07:31,480 --> 00:07:34,820 王様 国で一番だと認められると— 98 00:07:34,820 --> 00:07:36,990 褒美が出るというのは 本当ですか? 99 00:07:36,990 --> 00:07:41,660 あぁ そういう約束だからな だったら褒美はいりません 100 00:07:41,660 --> 00:07:44,490 代わりに一つ 願いを聞いてください 101 00:07:44,490 --> 00:07:47,330 ハッ… んっ… 102 00:07:47,330 --> 00:07:49,670 なんだ? 言ってみろ 103 00:07:49,670 --> 00:07:51,670 今 神護の森では— 104 00:07:51,670 --> 00:07:55,010 木々がやせ細り 若い木が育たず困っています 105 00:07:55,010 --> 00:07:58,840 なにとぞ… なにとぞ知恵をお貸しください! 106 00:07:58,840 --> 00:08:02,180 って… 言われてもなぁ… 107 00:08:02,180 --> 00:08:04,180 あっ 108 00:08:04,180 --> 00:08:06,120 念のため聞くけど— 109 00:08:06,120 --> 00:08:09,450 ちゃんと間伐はしてるよね? あっ… 110 00:08:09,450 --> 00:08:12,790 かんばつ… とは何でしょうか? 111 00:08:12,790 --> 00:08:15,790 えっ… 森林を維持するために— 112 00:08:15,790 --> 00:08:18,460 適度な数の木を 伐採することなんだけど— 113 00:08:18,460 --> 00:08:21,300 それくらい常識… 114 00:08:21,300 --> 00:08:24,300 《じゃないみたいだな》 115 00:08:26,300 --> 00:08:28,310 大きくなった木を ほうっておくと— 116 00:08:28,310 --> 00:08:32,310 その枝葉は日光を遮ってしまい 若い木が育たない 117 00:08:32,310 --> 00:08:35,980 それに密集状態だと 互いの成長を阻害するから— 118 00:08:35,980 --> 00:08:38,820 結局 老木ばかりになってしまう 119 00:08:38,820 --> 00:08:42,650 そうなってしまった森は 雪や風で壊滅しやすい 120 00:08:42,650 --> 00:08:46,490 それに日光が届かないと 下草も枯れてしまうから— 121 00:08:46,490 --> 00:08:50,990 土の保水力がなくなって 土砂災害が起こりやすくなる 122 00:08:50,990 --> 00:08:53,660 あ… 123 00:08:53,660 --> 00:08:56,170 王様! な なんだ!? 124 00:08:56,170 --> 00:08:58,170 私は たった今— 125 00:08:58,170 --> 00:09:01,170 あなたに生涯の忠誠を捧げました はっ? 126 00:09:01,170 --> 00:09:05,280 戦えと言われれば戦います! 死ねと言われれば死にます! 127 00:09:05,280 --> 00:09:07,940 妾になれと言われるならば なりましょう! 128 00:09:07,940 --> 00:09:11,950 どうか一刻も早く 神護の森へお越しください! 129 00:09:11,950 --> 00:09:17,290 そして その「かんばつ」とやらを ご教授ください! 130 00:09:17,290 --> 00:09:19,590 わ わかった… 131 00:09:29,630 --> 00:09:31,640 (エクセル)フフッ… 132 00:09:31,640 --> 00:09:36,470 あちらでは おもしろいことに なっているようね 133 00:09:36,470 --> 00:09:39,980 (マルクス)次に ジュナ・ドーマ殿 前へ 134 00:09:39,980 --> 00:09:41,980 (ジュナ)はい 135 00:09:46,650 --> 00:09:48,650 (どよめき) 136 00:09:57,160 --> 00:09:59,660 あっ (咳払い) 137 00:09:59,660 --> 00:10:02,330 うん 仕事忘れてないから— 138 00:10:02,330 --> 00:10:04,630 睨むのやめて フン! 139 00:10:06,670 --> 00:10:09,840 陛下 この者は たぐいまれなる美貌と— 140 00:10:09,840 --> 00:10:12,840 他に並ぶ者なき 歌声を持っております 141 00:10:12,840 --> 00:10:17,010 まさに当代随一の 歌姫と申せましょう 142 00:10:17,010 --> 00:10:21,350 美貌と美声 天は二物を与えたということか 143 00:10:21,350 --> 00:10:24,020 もったいないお言葉にございます 144 00:10:24,020 --> 00:10:26,360 (マルクス)聞くところに よりますれば— 145 00:10:26,360 --> 00:10:29,530 ドーマ家の先祖は ローレライであったとか 146 00:10:29,530 --> 00:10:32,530 歌の才は血統やもしれませぬな 147 00:10:32,530 --> 00:10:34,700 《ローレライ… 148 00:10:34,700 --> 00:10:36,700 その美貌と歌声で— 149 00:10:36,700 --> 00:10:40,200 船乗りを惑わせる 海の魔物… だっけ》 150 00:10:40,200 --> 00:10:44,370 ローレライの歌声か それはぜひとも聞いてみたいな 151 00:10:44,370 --> 00:10:46,380 お望みとあらば 152 00:10:46,380 --> 00:10:49,380 そうだ 今この光景は— 153 00:10:49,380 --> 00:10:52,380 宝珠によって エルフリーデン中に届けられている 154 00:10:52,380 --> 00:10:54,380 ひとつ国民たちに— 155 00:10:54,380 --> 00:10:57,390 元気が出るような歌を 歌ってはくれないだろうか 156 00:10:57,390 --> 00:11:00,560 元気が出る歌… ですか 157 00:11:00,560 --> 00:11:06,500 一族に伝わるローレライの歌は だいたいが悲しい恋の歌でして 158 00:11:06,500 --> 00:11:09,830 いえ 元気の出る歌を 知らないだけです 159 00:11:09,830 --> 00:11:12,340 一度聞けば すぐに歌えるのですが 160 00:11:12,340 --> 00:11:15,670 フム… 一度聞けば か… 161 00:11:15,670 --> 00:11:19,680 あっ それじゃあ… 162 00:11:19,680 --> 00:11:21,680 あっ? 163 00:11:21,680 --> 00:11:23,680 はぁ? んっ…? 164 00:11:30,190 --> 00:11:33,690 あの… それは何でしょうか? ん~っ? 165 00:11:33,690 --> 00:11:36,690 音楽が流れる 機械のようなものかな 166 00:11:36,690 --> 00:11:39,390 それじゃ いくよ あっ はい 167 00:11:41,360 --> 00:11:53,040 ♩~ 168 00:11:53,040 --> 00:11:55,040 ウフフ… 169 00:11:55,040 --> 00:11:58,380 今 聞かせたのは 俺の国の歌なんだけど 170 00:11:58,380 --> 00:12:01,050 それじゃあ もしかして今のは— 171 00:12:01,050 --> 00:12:03,720 異世界の言葉で歌われた… あぁ 172 00:12:03,720 --> 00:12:06,490 言葉がわからないと 歌うのは難しいかな? 173 00:12:06,490 --> 00:12:08,490 いいえ 大丈夫です 174 00:12:08,490 --> 00:12:10,490 音として 覚えてしまいましたから— 175 00:12:10,490 --> 00:12:12,500 それをなぞって 歌うことはできます 176 00:12:12,500 --> 00:12:15,830 1回聞いただけで 丸々覚えてしまったのか? 177 00:12:15,830 --> 00:12:19,130 すごいな 恐れ入ります 178 00:12:21,170 --> 00:12:24,070 それでは歌わせていただきます 179 00:12:33,520 --> 00:12:39,520 ♩「傷つくことは怖くない」 180 00:12:39,520 --> 00:12:44,030 ♩「だけど決して強くない」 181 00:12:44,030 --> 00:12:49,030 ♩「ただ何もしないままで」 182 00:12:49,030 --> 00:12:56,210 ♩「悔やんだりはしたくない」 183 00:12:56,210 --> 00:13:01,040 ♩「Here we go! go! 走り続ける」 184 00:13:01,040 --> 00:13:06,320 ♩「誰にも止められはしない」 185 00:13:06,320 --> 00:13:10,820 ♩「未来の自分へと」 186 00:13:10,820 --> 00:13:17,020 ♩「Give a reason for life 届けたい」 187 00:13:21,330 --> 00:13:25,340 (歓声) 188 00:13:25,340 --> 00:13:28,670 (拍手) 189 00:13:28,670 --> 00:13:32,840 私の歌をお聞きくださり ありがとうございました 190 00:13:32,840 --> 00:13:36,680 いや こちらこそありがとう すばらしい歌声だった 191 00:13:36,680 --> 00:13:40,520 できればもっと陛下の国の歌を 教えていただきたいです 192 00:13:40,520 --> 00:13:42,520 フフッ 193 00:13:52,860 --> 00:13:55,200 (セバスチャン)相変わらず— 194 00:13:55,200 --> 00:13:57,870 各地の情報収集に 余念がないようですね 195 00:13:57,870 --> 00:14:00,540 (ロロア)価値ある情報は金にも勝る 196 00:14:00,540 --> 00:14:03,370 情報こそは商人の生命線やからな 197 00:14:03,370 --> 00:14:06,310 何かおもしろい知らせはありましたか? 198 00:14:06,310 --> 00:14:08,980 (ロロア)エルフリーデンの 新しい王様— 199 00:14:08,980 --> 00:14:12,150 国中から大々的に 人材募集しとるようや 200 00:14:12,150 --> 00:14:16,990 カビの生えた世襲貴族の 重臣たちでは頼むに足りないと 201 00:14:16,990 --> 00:14:18,990 そういうことやろなぁ 202 00:14:18,990 --> 00:14:20,990 って それについては— 203 00:14:20,990 --> 00:14:23,490 うちらのほうも そう大きな口はたたけんけど 204 00:14:23,490 --> 00:14:25,500 んっ… 205 00:14:25,500 --> 00:14:29,170 せやけど… 才ある者ほど— 206 00:14:29,170 --> 00:14:33,000 仕える相手がそれに値するか 見定めよるからな 207 00:14:33,000 --> 00:14:36,340 《ハクヤ:ダークエルフの女戦士の 願いを聞き入れた— 208 00:14:36,340 --> 00:14:38,510 度量の広さは悪くない 209 00:14:38,510 --> 00:14:41,680 ローレライの末裔の歌姫を どう活かすかは— 210 00:14:41,680 --> 00:14:45,350 今後に期待… というところか 211 00:14:45,350 --> 00:14:50,020 しかし… 本当に試されるのはここから》 212 00:14:50,020 --> 00:14:54,520 (マルクス)続きましてポッテ村の ポンチョ・パナコッタ殿 前へ 213 00:14:54,520 --> 00:14:56,860 はっ はいでございますです! 214 00:14:56,860 --> 00:14:59,860 はい… うわわ! 215 00:14:59,860 --> 00:15:01,860 あ… 216 00:15:01,860 --> 00:15:05,640 あ… その… し 失礼しました! 217 00:15:05,640 --> 00:15:08,470 んっ! (咳払い) 218 00:15:08,470 --> 00:15:11,810 この者の才は 食べることであります 219 00:15:11,810 --> 00:15:13,810 募集に際し— 220 00:15:13,810 --> 00:15:16,650 大食いの才を標ぼうする者は 多々おりましたが— 221 00:15:16,650 --> 00:15:19,320 この者に勝てる者は ございませんでした 222 00:15:19,320 --> 00:15:22,650 また 食を探求するのも尋常ではなく— 223 00:15:22,650 --> 00:15:26,490 世界各地を旅しては その土地の名物 珍味を食べ歩き— 224 00:15:26,490 --> 00:15:30,660 本人曰く「食べられるものは だいたい食べた」とのこと 225 00:15:30,660 --> 00:15:34,660 待っていたぞ! えっ… え… 226 00:15:34,660 --> 00:15:37,000 よくぞ呼びかけに応えてくれた! 227 00:15:37,000 --> 00:15:39,500 貴公のような人材を 待っていたのだ! 228 00:15:39,500 --> 00:15:42,840 へっ… あ… ええっ? 229 00:15:42,840 --> 00:15:45,680 俺は他のどの才ある者よりも— 230 00:15:45,680 --> 00:15:48,510 貴公が来てくれたことをうれしく思う! 231 00:15:48,510 --> 00:15:54,180 へ… 陛下が… う… うれしく思うと… 232 00:15:54,180 --> 00:15:57,850 わ… 私はみんなから デブだ— 233 00:15:57,850 --> 00:16:01,520 食べ物のために無駄に散財する バカだと言われ… 234 00:16:01,520 --> 00:16:03,690 うぅ… 胸を張れ 235 00:16:03,690 --> 00:16:07,630 貴公の散財を惜しまぬ食い意地が この国を救うのだ! 236 00:16:07,630 --> 00:16:12,300 そ… それは誠でしょうか あぁ! 237 00:16:12,300 --> 00:16:15,640 各国の名物 珍味を 食べ歩いて得た知識が— 238 00:16:15,640 --> 00:16:17,640 この国を救うカギになる 239 00:16:17,640 --> 00:16:21,640 どうかこの俺に 貴公の知恵を貸してもらいたい 240 00:16:21,640 --> 00:16:23,650 はっ はい! 241 00:16:23,650 --> 00:16:25,980 私めの知識が役に立つなら— 242 00:16:25,980 --> 00:16:29,150 存分に使ってくださいです ハイ! 243 00:16:29,150 --> 00:16:31,150 フッ… 244 00:16:31,150 --> 00:16:35,830 マルクス この国には功があったり 期待をかける部下に対し— 245 00:16:35,830 --> 00:16:37,830 王が氏をおくる風習があったな 246 00:16:37,830 --> 00:16:40,830 あっ… はい さようでございますが 247 00:16:40,830 --> 00:16:42,830 ならば ポンチョ 248 00:16:42,830 --> 00:16:45,840 貴公にイシヅカの氏をおくる ええっ! 249 00:16:45,840 --> 00:16:47,840 俺の故国にいた— 250 00:16:47,840 --> 00:16:50,510 食の飽くなき探究者にして 伝道者の氏だ 251 00:16:50,510 --> 00:16:53,840 その名に恥じぬ働きを期待するぞ 252 00:16:53,840 --> 00:16:57,350 〈この ソーマ王が ポンチョを歓迎する様子が— 253 00:16:57,350 --> 00:17:00,180 国中に流されたことで その後— 254 00:17:00,180 --> 00:17:04,190 「彼のような人間さえ 重用されるなら自分も」と— 255 00:17:04,190 --> 00:17:09,130 多くの才ある者が 更に エルフリーデンに集まったという〉 256 00:17:09,130 --> 00:17:11,130 あぁ… 257 00:17:11,130 --> 00:17:14,460 (マルクス)陛下 これまでの3人は 皆 自薦でしたが— 258 00:17:14,460 --> 00:17:17,970 次の者は他薦でございます ほぅ… 259 00:17:17,970 --> 00:17:21,470 (マルクス)では ハクヤ・クオンミン殿 前へ 260 00:17:21,470 --> 00:17:24,310 はい 261 00:17:24,310 --> 00:17:27,480 (マルクス)この者は知において 才を示しました 262 00:17:27,480 --> 00:17:29,650 その知識 その記憶力は— 263 00:17:29,650 --> 00:17:32,820 この国に並び立つ者なしと思われます 264 00:17:32,820 --> 00:17:36,490 他薦ということだが 誰からの推薦だ? 265 00:17:36,490 --> 00:17:38,650 お世話になっている叔父上に— 266 00:17:38,650 --> 00:17:42,990 「いい歳して本ばかり読んでないで お国の役に立ってこい」と— 267 00:17:42,990 --> 00:17:45,660 勝手に応募されまして フッ… 268 00:17:45,660 --> 00:17:47,830 何か? いや 269 00:17:47,830 --> 00:17:50,000 俺もよく そんなことを言われたなと— 270 00:17:50,000 --> 00:17:52,500 思い出してな 271 00:17:52,500 --> 00:17:55,670 本は? どんなジャンルのものを 読んでいるんだ? 272 00:17:55,670 --> 00:17:57,840 ジャンルにこだわりはないです 273 00:17:57,840 --> 00:18:01,510 文学はもちろん 歴史 法律 兵法 274 00:18:01,510 --> 00:18:05,280 知らない知識を吸収することが 私の生きがいですので 275 00:18:05,280 --> 00:18:07,950 なるほど 276 00:18:07,950 --> 00:18:11,450 ならば 王城内の書庫の 司書などしてみないか? 277 00:18:11,450 --> 00:18:14,790 司書権限で閲覧自由にしてやろう 278 00:18:14,790 --> 00:18:18,960 (ハクヤ)おぉ それはいいですね ぜひお願いします 279 00:18:18,960 --> 00:18:23,800 と… 先ほどまでは 申し上げるつもりでしたが 280 00:18:23,800 --> 00:18:27,640 今は違うというのか? はい 気が変わりました 281 00:18:27,640 --> 00:18:29,840 では何を望む? 282 00:18:31,970 --> 00:18:34,480 できますれば 我が知で— 283 00:18:34,480 --> 00:18:36,980 陛下の覇業を 支えたいと存じます 284 00:18:36,980 --> 00:18:39,650 《覇業とは大きく出たな 285 00:18:39,650 --> 00:18:44,490 それを知で支えるって 軍師にでもなるつもりか?》 286 00:18:44,490 --> 00:18:47,990 それだけの才が自分にあると? 287 00:18:47,990 --> 00:18:50,660 そう自負しております 288 00:18:50,660 --> 00:18:53,830 ハッ… 289 00:18:53,830 --> 00:18:56,670 気が変わったと言ったが なぜだ? 290 00:18:56,670 --> 00:19:01,000 失礼ながら この場にて 陛下が仕えるに値する主君か— 291 00:19:01,000 --> 00:19:03,170 見定めようとしておりましたが 292 00:19:03,170 --> 00:19:07,170 その結果 それに値すると 認めてくれたということか 293 00:19:09,110 --> 00:19:11,780 ポンチョ殿を登用できるか否かが— 294 00:19:11,780 --> 00:19:14,120 王への試金石でした えっ! 295 00:19:14,120 --> 00:19:16,620 (ハクヤ)たとえ その価値に気付かなくとも— 296 00:19:16,620 --> 00:19:19,290 いつか役に立つのではと登用すれば— 297 00:19:19,290 --> 00:19:21,460 王として とりあえず合格 298 00:19:21,460 --> 00:19:26,130 ポンチョ殿の才をくだらぬものとし 不採用ならば不合格 299 00:19:26,130 --> 00:19:28,970 そう考えておりましたが… 300 00:19:28,970 --> 00:19:34,140 まさか あのように歓迎なさるとは これはうれしい誤算でした 301 00:19:34,140 --> 00:19:36,140 陛下は— 302 00:19:36,140 --> 00:19:40,480 今この国に最も必要なものが何か 理解しておられる 303 00:19:40,480 --> 00:19:43,150 んっ… 304 00:19:43,150 --> 00:19:45,150 貴公が言うように— 305 00:19:45,150 --> 00:19:48,150 俺は この国に必要なものが何か わかっているつもりだ 306 00:19:48,150 --> 00:19:52,320 貴公は そんな俺にとって 必要な人材かな? 307 00:19:52,320 --> 00:19:55,820 それは陛下自らで 確かめていただければ 308 00:20:00,660 --> 00:20:02,670 アワワワ… 309 00:20:02,670 --> 00:20:04,670 わかった 310 00:20:04,670 --> 00:20:06,670 あとで俺の部屋に来てくれ 311 00:20:06,670 --> 00:20:09,170 そこで貴公の才が いかほどのものか— 312 00:20:09,170 --> 00:20:11,170 確かめさせてもらおう 313 00:20:11,170 --> 00:20:14,340 仰せのままに 314 00:20:14,340 --> 00:20:18,010 〈これがのちに 「黒衣の宰相」と呼ばれる— 315 00:20:18,010 --> 00:20:22,020 ハクヤ・クオンミンとソーマ王との 出会いであった 316 00:20:22,020 --> 00:20:26,190 その夜 ハクヤと遅くまで 語り合ったソーマ王は— 317 00:20:26,190 --> 00:20:33,030 彼を得難き知謀の士と認め 自分の右腕とすることになる〉 318 00:20:33,030 --> 00:20:38,030 (マルクス)それでは最後に 妖狼族の トモエ・イヌイ殿 前へ 319 00:20:38,030 --> 00:20:41,040 (トモエ)ひゃっ… ひゃい! 320 00:20:41,040 --> 00:20:44,370 あ… あぁ… う… 321 00:20:44,370 --> 00:20:48,040 この者 鳥獣と会話できるという— 322 00:20:48,040 --> 00:20:51,380 非常に稀有な才を持っております ほぅ… 323 00:20:51,380 --> 00:20:55,050 確認のため 彼女を 厩舎へと案内したところ— 324 00:20:55,050 --> 00:20:58,550 馬の健康状態から来歴まで すべて言い当てました 325 00:20:58,550 --> 00:21:02,060 当人曰く 馬自身に聞いたとのことで— 326 00:21:02,060 --> 00:21:05,160 まさに神がかり的な能力と 言えるでしょう 327 00:21:05,160 --> 00:21:07,160 妖狼族の国は— 328 00:21:07,160 --> 00:21:11,170 エルフリーデンより はるか北方… か えぇ 329 00:21:11,170 --> 00:21:15,170 私の知るかぎり この国に住む 妖狼族はいないはずよ 330 00:21:15,170 --> 00:21:18,340 ということは 難民の可能性が高いな 331 00:21:18,340 --> 00:21:20,510 んっ… んっ 332 00:21:20,510 --> 00:21:23,180 たとえそうであったとして— 333 00:21:23,180 --> 00:21:26,180 才あらば用いるという言葉は 曲げない 334 00:21:26,180 --> 00:21:30,020 《ただ 彼女の才を どうやって活かすかだが…》 335 00:21:30,020 --> 00:21:35,520 (トモエ)あ あの… 王様 んっ? なんだ? 336 00:21:35,520 --> 00:21:39,030 あのっ! その… わっ 私… 337 00:21:39,030 --> 00:21:42,030 王様に申し上げたいことが… 338 00:21:42,570 --> 00:21:46,540 何か言いたいことがあるのか? なら かまわないから言ってくれ 339 00:21:46,870 --> 00:21:50,710 ひっ… あ… 実は… んっ なに? 340 00:21:51,130 --> 00:21:53,880 もう少し大きな声じゃないと 聞こえないんだが 341 00:21:53,880 --> 00:21:57,080 あの… 私… 342 00:21:59,880 --> 00:22:01,880 フッ… 343 00:22:01,880 --> 00:22:04,220 わかった 俺がそっちに行こう 344 00:22:04,220 --> 00:22:07,120 ひゃいっ!? うぅ… 345 00:22:11,330 --> 00:22:14,500 さぁ 大きな声でなくていいから— 346 00:22:15,070 --> 00:22:20,000 緊張せずに言ってみて は はい 実は… 347 00:22:23,250 --> 00:22:24,150 ハッ! 348 00:22:24,150 --> 00:22:26,150