1 00:00:02,168 --> 00:00:05,213 (ソーマ)俺が この国の人の 話す言葉が理解できたり— 2 00:00:05,296 --> 00:00:09,134 逆に 俺が話す日本語を 相手に理解させられるのは— 3 00:00:09,592 --> 00:00:12,929 どうやら 勇者に付与された 不思議な力によるようだ 4 00:00:13,430 --> 00:00:14,639 それだけではなく— 5 00:00:14,723 --> 00:00:18,143 俺は 2つの世界の 文字を読み 書くことができる 6 00:00:18,560 --> 00:00:21,229 それも 頭の中で 勝手に翻訳がなされ 7 00:00:21,312 --> 00:00:23,023 書けてしまう感じだ 8 00:00:23,106 --> 00:00:24,566 ちなみに この世界には— 9 00:00:24,649 --> 00:00:27,861 言語と呼びうるものが たったひとつしか存在しないらしい 10 00:00:28,570 --> 00:00:32,615 信じ難いが この世界の人々は 皆 同じ言葉を使っている 11 00:00:33,533 --> 00:00:34,743 それは さておき 12 00:00:34,826 --> 00:00:38,079 俺に付与された 自動翻訳機能とでも言うべきものは 13 00:00:38,163 --> 00:00:40,623 {\an8}俺自身を通したときだけ 有効らしく 14 00:00:41,207 --> 00:00:45,045 例えば この中に 保存されている音声を聞かせても 15 00:00:45,837 --> 00:00:47,338 この国の人たちには— 16 00:00:47,422 --> 00:00:50,508 理解できない異国の言葉として 聞こえてしまう 17 00:00:51,551 --> 00:00:53,219 なんとも不思議だが… 18 00:00:54,429 --> 00:00:59,476 ♪~ 19 00:02:17,929 --> 00:02:23,935 ~♪ 20 00:02:25,937 --> 00:02:29,566 (ソーマ)リーシアは いずれ この国を指導する立場の人間だ 21 00:02:32,986 --> 00:02:36,698 (ソーマ)だから こうしたことも 知っておいてほしいんだ 22 00:02:37,407 --> 00:02:39,325 (ソーマ) 俺がいなくなったあとも— 23 00:02:39,409 --> 00:02:42,120 ちゃんと この国を 経営していけるようにね 24 00:02:42,579 --> 00:02:43,955 (リーシア)ハッ… 25 00:02:49,377 --> 00:02:53,006 (ソーマ)そこから先の選択は この国の人々に任せるよ 26 00:02:53,089 --> 00:02:55,425 もちろん 婚約も破棄でいい 27 00:02:56,092 --> 00:02:58,052 (リーシア) あんなこと言ってたけど— 28 00:02:58,136 --> 00:02:59,804 ソーマ 本気で… 29 00:03:01,472 --> 00:03:05,143 ソーマは 役に立つ人材が 欲しいなんて言ってるけど— 30 00:03:05,226 --> 00:03:09,480 この国にとって ソーマこそが最も必要な人材 31 00:03:10,148 --> 00:03:15,153 (リーシア)ソーマには 向こうの世界に残してきた家族とか 32 00:03:15,236 --> 00:03:19,115 こ… 恋人とか いたの? 33 00:03:19,199 --> 00:03:20,700 (ソーマ)いないよ 34 00:03:21,159 --> 00:03:24,454 (リーシア)元の世界に 家族は もういないって言ってたし 35 00:03:24,537 --> 00:03:26,998 もし私が家族になってしまえば— 36 00:03:27,081 --> 00:03:29,667 ソーマをこの国に とどめておけるかしら? 37 00:03:30,418 --> 00:03:33,671 こ… 婚約者として 既成事実を作っちゃえば… 38 00:03:33,755 --> 00:03:35,632 (ノック) ハッ… 39 00:03:36,007 --> 00:03:38,176 (セリィナ)姫さま お目覚めの時間です 40 00:03:38,259 --> 00:03:41,179 (リーシア)あっ うん もう起きてるから 41 00:03:46,768 --> 00:03:48,978 (セリィナ) おや? どうされました? 42 00:03:49,062 --> 00:03:50,772 お顔が赤いようですが… 43 00:03:50,855 --> 00:03:52,690 (リーシア)な… 何でもないわ 44 00:03:53,191 --> 00:03:55,068 うん ちょっと その… 45 00:03:55,693 --> 00:03:56,986 う… うん 46 00:03:57,987 --> 00:04:00,156 フッ… フフフッ… 47 00:04:02,200 --> 00:04:05,703 姫さま 今日は 陛下が募集した人材の中で— 48 00:04:05,787 --> 00:04:09,248 特に優れた者を 顕彰する催しがございます 49 00:04:09,332 --> 00:04:10,583 (リーシア)そうだったわね 50 00:04:10,917 --> 00:04:15,296 姫さまもご出席なさるのですから 早く支度してください 51 00:04:16,673 --> 00:04:19,801 (リーシア)応募してきた人 かなりたくさん いたみたいね 52 00:04:20,176 --> 00:04:22,011 (セリィナ)ええ それは もう 53 00:04:22,095 --> 00:04:23,930 審査に当たった者たちが— 54 00:04:24,013 --> 00:04:26,849 いつまでたっても終わらないと ぼやいておりました 55 00:04:26,933 --> 00:04:28,643 ソーマが それを聞いたら— 56 00:04:28,726 --> 00:04:32,563 “ぼやく暇があったら 仕事をこなせ”とか言いそうね 57 00:04:33,273 --> 00:04:35,441 (ポンチョ)ウウッ… ウウッ… 58 00:04:35,525 --> 00:04:36,859 (ハクヤ)どうかされましたか? 59 00:04:36,943 --> 00:04:38,653 ハッ… アア… 60 00:04:39,195 --> 00:04:41,614 (ハクヤ)お加減が すぐれぬようですが… 61 00:04:41,698 --> 00:04:45,702 あっ いや 才を認められてのこととはいえ— 62 00:04:45,785 --> 00:04:48,454 このあと 陛下の前に 出るのかと思うと— 63 00:04:48,538 --> 00:04:50,957 緊張してしまって ハイ 64 00:04:51,874 --> 00:04:55,211 何しろ 私の才というのは… 65 00:05:18,693 --> 00:05:20,737 (ルドウィン) 国王陛下の御前である 66 00:05:20,820 --> 00:05:21,821 頭を下げよ 67 00:05:22,071 --> 00:05:24,157 えっ? あっ… アア… 68 00:05:24,240 --> 00:05:27,368 (アイーシャ)我が部族の しきたりゆえ 勘弁願いたい 69 00:05:28,036 --> 00:05:29,037 (ポンチョ)えっ? 70 00:05:29,454 --> 00:05:33,624 (アイーシャ)我が部族の戦士は 主(あるじ)以外の者には頭を下げません 71 00:05:34,083 --> 00:05:36,169 (ルドウィン)何を言う! たとえ そうであっても… 72 00:05:36,252 --> 00:05:37,837 (ソーマ)かまわない (ルドウィン)ハッ… 73 00:05:38,379 --> 00:05:41,632 国のためにと 協力を要請したのは こちらだ 74 00:05:41,716 --> 00:05:42,800 堅いことは なしだ 75 00:05:43,593 --> 00:05:45,803 (ルドウィン)陛下の御心(みこころ)のままに 76 00:05:45,887 --> 00:05:48,097 (ソーマ)皆も平伏しないでくれ 77 00:05:48,181 --> 00:05:50,808 こちらは 貴殿らに 助力をお願いする立場だ 78 00:05:51,142 --> 00:05:52,518 楽にしてくれていい 79 00:05:53,895 --> 00:05:55,188 (ポンチョ)ア… アア… 80 00:05:55,271 --> 00:05:56,272 ンッ… 81 00:05:57,899 --> 00:05:59,776 (マルクス)陛下の招集により— 82 00:05:59,859 --> 00:06:03,529 この国の才ある者たちが 王都に集いました 83 00:06:03,613 --> 00:06:05,239 そして この者らが— 84 00:06:05,323 --> 00:06:08,409 その中で 特に稀有(けう)な 才を示した者にございます 85 00:06:08,493 --> 00:06:09,952 (ポンチョ)ええっ? 86 00:06:10,036 --> 00:06:11,037 ウウッ… 87 00:06:12,038 --> 00:06:13,331 (マルクス) それでは これより— 88 00:06:13,414 --> 00:06:18,086 この者たちが有する才の発表と 賞の授与を執り行う 89 00:06:18,169 --> 00:06:23,174 神護(じんご)の森のダークエルフ アイーシャ・ウドガルドどの 前へ 90 00:06:28,971 --> 00:06:31,057 (ソーマ)ダークエルフ …か 91 00:06:33,684 --> 00:06:35,019 “ダークエルフ” 92 00:06:35,686 --> 00:06:39,273 “エルフリーデン王国内では 少数民族の部類に入り—” 93 00:06:39,357 --> 00:06:42,193 “高い戦闘能力を有する種族” 94 00:06:42,735 --> 00:06:46,197 “神に守られているという 神護の森を住みかとし—” 95 00:06:46,280 --> 00:06:49,492 “その森の守護者として 自治も認められている” 96 00:06:50,076 --> 00:06:54,330 “あまり他種族と交わらず 極めて排他的”か 97 00:06:55,623 --> 00:06:58,167 こうやって 離れた場所の本も読めるなんて— 98 00:06:58,709 --> 00:07:02,004 やっぱ リビング・ポルターガイスツ 便利だな 99 00:07:02,088 --> 00:07:05,091 (マルクス)この者 武において顕著な才を示し 100 00:07:05,174 --> 00:07:08,427 その実力は 誠 王国随一といってよく 101 00:07:08,511 --> 00:07:10,930 これをたたえるしだいである 102 00:07:11,013 --> 00:07:13,015 王国随一の武勇か 103 00:07:13,558 --> 00:07:14,600 期待しているぞ 104 00:07:15,685 --> 00:07:16,686 ンッ… 105 00:07:17,895 --> 00:07:22,942 王様 国で1番だと認められると 褒美が出るというのは本当ですか? 106 00:07:23,276 --> 00:07:25,820 (ソーマ)ああ そういう約束だからな 107 00:07:25,903 --> 00:07:28,114 (アイーシャ) だったら 褒美は要りません 108 00:07:28,197 --> 00:07:30,825 代わりに ひとつ 願いを聞いてください 109 00:07:33,536 --> 00:07:35,621 何だ? 言ってみろ 110 00:07:35,913 --> 00:07:37,832 (アイーシャ) 今 神護の森では— 111 00:07:37,915 --> 00:07:41,085 木々が痩せ細り 若い木が育たず困っています 112 00:07:41,502 --> 00:07:44,797 何とぞ… 何とぞ 知恵をお貸しください 113 00:07:45,673 --> 00:07:48,092 …て言われてもなぁ 114 00:07:49,010 --> 00:07:50,011 あっ… 115 00:07:50,678 --> 00:07:54,390 念のため聞くけど ちゃんと間伐は してるよね? 116 00:07:54,473 --> 00:07:55,475 うん? 117 00:07:55,558 --> 00:07:58,728 かんばつ …とは何でしょうか? 118 00:07:59,061 --> 00:08:01,856 えっ? 森林を維持するために— 119 00:08:01,939 --> 00:08:04,442 適度な数の木を 伐採することなんだけど— 120 00:08:04,525 --> 00:08:06,444 それくらい常識… 121 00:08:08,571 --> 00:08:10,490 …じゃないみたいだな 122 00:08:12,158 --> 00:08:14,327 大きくなった木を放っておくと— 123 00:08:14,410 --> 00:08:18,789 その枝葉は日光を遮ってしまい 若い木が育たない 124 00:08:18,873 --> 00:08:22,251 それに 密集状態だと 互いの成長を阻害するから— 125 00:08:22,335 --> 00:08:24,837 結局 老木ばかりになってしまう 126 00:08:25,171 --> 00:08:29,175 そうなってしまった森は 雪や風で壊滅しやすい 127 00:08:29,258 --> 00:08:32,637 それに 日光が届かないと 下草も枯れてしまうから— 128 00:08:32,720 --> 00:08:37,016 土の保水力がなくなって 土砂災害が起こりやすくなる 129 00:08:37,725 --> 00:08:39,310 アア… 130 00:08:40,269 --> 00:08:42,647 (アイーシャ)王様! (ソーマ)な… 何だ? 131 00:08:42,730 --> 00:08:46,609 (アイーシャ)私は たった今 あなたに生涯の忠誠をささげました 132 00:08:46,692 --> 00:08:47,693 (ソーマ)はぁ? 133 00:08:47,777 --> 00:08:49,695 戦えと言われれば 戦います 134 00:08:49,779 --> 00:08:51,322 死ねと言われれば 死にます 135 00:08:51,781 --> 00:08:53,991 妾(めかけ)になれと言われるならば なりましょう! 136 00:08:54,575 --> 00:08:57,954 どうか 一刻も早く 神護の森へ お越しください 137 00:08:58,037 --> 00:09:01,916 そして その“かんばつ”とやらを ご教授ください! 138 00:09:03,543 --> 00:09:05,419 (ソーマ)わ… 分かった 139 00:09:16,514 --> 00:09:17,598 (エクセル)フフッ… 140 00:09:18,599 --> 00:09:22,061 あちらでは 面白いことに なっているようね 141 00:09:22,645 --> 00:09:25,940 (マルクス)次に ジュナ・ドーマどの 前へ 142 00:09:27,149 --> 00:09:28,150 (ジュナ)はい 143 00:09:32,738 --> 00:09:34,657 (従者たち)わあ… 144 00:09:42,164 --> 00:09:43,666 アア… 145 00:09:43,749 --> 00:09:45,167 (リーシアの せきばらい) (ソーマ)あっ… 146 00:09:45,960 --> 00:09:49,797 うん 仕事忘れてないから にらむの やめて 147 00:09:49,880 --> 00:09:50,881 フン! 148 00:09:52,300 --> 00:09:55,928 陛下 この者は たぐいまれなる美貌と— 149 00:09:56,012 --> 00:09:58,806 ほかに並ぶ者なき歌声を 持っております 150 00:09:59,265 --> 00:10:03,311 正に 当代随一の歌姫と 申せましょう 151 00:10:03,394 --> 00:10:07,898 (ソーマ)美貌と美声… 天は二物を与えたということか 152 00:10:07,982 --> 00:10:10,026 もったいないお言葉にございます 153 00:10:10,401 --> 00:10:12,278 (マルクス) 聞くところによりますれば— 154 00:10:12,361 --> 00:10:15,615 ドーマ家の先祖は ローレライであったとか 155 00:10:15,698 --> 00:10:18,659 歌の才は血統やもしれませぬな 156 00:10:19,327 --> 00:10:20,703 (ソーマ)ローレライ… 157 00:10:20,786 --> 00:10:26,167 その美貌と歌声で 船乗りを 惑わせる海の魔物 …だっけ? 158 00:10:26,584 --> 00:10:28,711 (ソーマ)ローレライの歌声か 159 00:10:28,794 --> 00:10:31,047 それは是非とも聞いてみたいな 160 00:10:31,130 --> 00:10:32,381 (ジュナ)お望みとあらば 161 00:10:32,715 --> 00:10:33,716 そうだ 162 00:10:34,091 --> 00:10:38,596 今 この光景は 宝珠(ほうじゅ)によって エルフリーデン中に届けられている 163 00:10:39,013 --> 00:10:40,139 ひとつ 国民たちに— 164 00:10:40,556 --> 00:10:43,601 元気が出るような歌を 歌ってはくれないだろうか? 165 00:10:43,684 --> 00:10:46,354 元気が出る歌 …ですか 166 00:10:47,188 --> 00:10:52,443 一族に伝わるローレライの歌は 大体が悲しい恋の歌でして… 167 00:10:53,027 --> 00:10:56,030 いえ 元気の出る歌を 知らないだけです 168 00:10:56,113 --> 00:10:58,282 一度 聴けば すぐに歌えるのですが 169 00:10:58,574 --> 00:11:01,619 ふむ… “一度 聴けば”か 170 00:11:01,702 --> 00:11:03,871 あっ… それじゃ… 171 00:11:06,457 --> 00:11:07,458 (リーシア)うん? 172 00:11:07,541 --> 00:11:09,210 (マルクス)はぁ? (ルドウィン)アア… 173 00:11:16,509 --> 00:11:19,011 (ジュナ)あの… それは何でしょうか? 174 00:11:19,095 --> 00:11:22,807 うん? 音楽が 流れる機械のような物かな 175 00:11:22,890 --> 00:11:24,225 それじゃ いくよ 176 00:11:24,308 --> 00:11:25,518 (ジュナ)あっ はい 177 00:11:39,698 --> 00:11:41,075 フフッ… フフフッ… 178 00:11:41,617 --> 00:11:44,703 今聴かせたのは 俺の国の歌なんだけど 179 00:11:44,787 --> 00:11:49,041 (ジュナ)それじゃ もしかして 今のは 異世界の言葉で歌われた… 180 00:11:49,125 --> 00:11:52,545 ああ 言葉が分からないと 歌うのは難しいかな? 181 00:11:52,753 --> 00:11:56,424 いえ 大丈夫です 音として覚えてしまいましたから 182 00:11:56,507 --> 00:11:58,509 それをなぞって 歌うことは できます 183 00:11:59,135 --> 00:12:01,929 1回 聴いただけで まるまる覚えてしまったのか? 184 00:12:02,012 --> 00:12:03,264 すごいな 185 00:12:04,140 --> 00:12:05,224 恐れ入ります 186 00:12:06,142 --> 00:12:07,143 (息を吸う音) 187 00:12:07,226 --> 00:12:10,312 それでは 歌わせていただきます 188 00:12:20,030 --> 00:12:25,494 ♪ 傷つく事は恐くない 189 00:12:25,578 --> 00:12:30,124 ♪ だけどけして強くない 190 00:12:30,207 --> 00:12:35,129 ♪ ただ 何もしないままで 191 00:12:35,212 --> 00:12:40,968 ♪ 悔やんだりはしたくない 192 00:12:42,470 --> 00:12:47,308 ♪ Here we go! go!        走り続ける 193 00:12:47,391 --> 00:12:52,354 ♪ 誰にも止められはしない 194 00:12:52,438 --> 00:12:59,403 ♪ 未来の自分へと    Give a reason for life 195 00:12:59,487 --> 00:13:04,033 ♪ 届けたい 196 00:13:07,578 --> 00:13:11,415 (拍手と歓声) 197 00:13:11,499 --> 00:13:15,336 (拍手) 198 00:13:15,419 --> 00:13:18,839 私の歌をお聴きくださり ありがとうございました 199 00:13:18,923 --> 00:13:21,175 (ソーマ) いや こちらこそ ありがとう 200 00:13:21,258 --> 00:13:22,927 すばらしい歌声だった 201 00:13:23,010 --> 00:13:24,053 (ジュナ)できれば もっと— 202 00:13:24,136 --> 00:13:26,555 陛下の国の歌を 教えていただきたいです 203 00:13:26,639 --> 00:13:27,723 フフッ… 204 00:13:35,314 --> 00:13:36,482 (ドアの開く音) 205 00:13:39,944 --> 00:13:40,945 (セバスチャン)相変わらず— 206 00:13:41,028 --> 00:13:43,948 各地の情報収集に 余念がないようですね 207 00:13:44,198 --> 00:13:46,700 (ロロア) 価値ある情報は金(きん)にも勝る 208 00:13:46,784 --> 00:13:49,411 情報こそは 商人の生命線やからな 209 00:13:50,120 --> 00:13:52,748 何か面白い知らせは ありましたか 210 00:13:52,831 --> 00:13:55,167 (ロロア) エルフリーデンの新しい王様 211 00:13:55,251 --> 00:13:58,420 国じゅうから 大々的に 人材募集しとるようや 212 00:13:58,504 --> 00:14:03,050 カビの生えた世襲貴族の 重臣たちでは 頼むに足りないと 213 00:14:03,133 --> 00:14:04,760 そういうことやろな 214 00:14:05,469 --> 00:14:06,804 …て それについては 215 00:14:06,887 --> 00:14:09,515 うちらのほうも そう大きな口は たたけんけど 216 00:14:09,849 --> 00:14:11,475 フゥ… 217 00:14:12,351 --> 00:14:13,769 せやけど— 218 00:14:13,852 --> 00:14:18,816 才ある者ほど仕える相手が それに値するか見定めよるからな 219 00:14:19,400 --> 00:14:21,026 (ハクヤ) ダークエルフの女戦士の— 220 00:14:21,110 --> 00:14:24,864 願いを聞き入れた 度量の広さは悪くない 221 00:14:24,947 --> 00:14:27,700 ローレライの末裔(まつえい)の歌姫を どう生かすかは— 222 00:14:27,783 --> 00:14:30,536 今後に期待 …というところか 223 00:14:31,579 --> 00:14:32,580 しかし… 224 00:14:33,330 --> 00:14:36,041 本当に試されるのは ここから 225 00:14:36,125 --> 00:14:37,209 (マルクス)続きまして 226 00:14:37,293 --> 00:14:40,504 ポッテ村の ポンチョ・パナコッタどの 前へ 227 00:14:40,879 --> 00:14:43,549 は… はいでございますです ハイ! 228 00:14:43,632 --> 00:14:45,009 ウワワッ… ガッ! 229 00:14:46,260 --> 00:14:47,261 アア… 230 00:14:49,013 --> 00:14:51,640 あっ その… し… 失礼しました 231 00:14:51,724 --> 00:14:52,600 (せきばらい) 232 00:14:52,850 --> 00:14:53,851 ンッ! 233 00:14:55,269 --> 00:14:58,105 この者の才は “食べること”であります 234 00:14:58,188 --> 00:15:02,526 募集に際し “大食いの才”を 標榜(ひょうぼう)する者は多々おりましたが— 235 00:15:02,610 --> 00:15:05,279 この者に 勝てる者は ございませんでした 236 00:15:05,571 --> 00:15:08,616 また 食を探求するのも 尋常ではなく— 237 00:15:08,699 --> 00:15:12,536 世界各地を旅しては その土地の名物 珍味を食べ歩き 238 00:15:12,620 --> 00:15:16,749 本人いわく“食べられる物は 大体 食べた”とのこと 239 00:15:17,374 --> 00:15:18,459 待っていたぞ! 240 00:15:18,542 --> 00:15:20,669 えっ? ええっ? ええっ? 241 00:15:20,753 --> 00:15:23,005 (ソーマ)よくぞ 呼びかけに応えてくれた 242 00:15:23,297 --> 00:15:25,507 貴公のような人材を 待っていたのだ! 243 00:15:26,216 --> 00:15:28,886 へっ? あっ… ええっ? 244 00:15:29,428 --> 00:15:32,139 俺は ほかの どの才ある者よりも 245 00:15:32,222 --> 00:15:34,600 貴公が来てくれたことを うれしく思う 246 00:15:35,059 --> 00:15:36,769 へ… 陛下が… 247 00:15:37,269 --> 00:15:40,189 う… うれしく思うと… 248 00:15:40,272 --> 00:15:43,192 (泣き声) わ… 私は みんなから— 249 00:15:43,275 --> 00:15:47,613 “デブだ”“食べ物のために ムダに散財するバカだ”と言われ… 250 00:15:48,364 --> 00:15:49,615 胸を張れ! 251 00:15:49,698 --> 00:15:53,619 貴公の散財を惜しまぬ食い意地が この国を救うのだ 252 00:15:54,453 --> 00:15:57,498 そ… それは誠でしょうか? 253 00:15:57,581 --> 00:15:58,582 (ソーマ)ああ! 254 00:15:58,666 --> 00:16:01,919 各国の名物 珍味を 食べ歩いて得た知識が— 255 00:16:02,002 --> 00:16:03,629 この国を救うカギになる 256 00:16:04,463 --> 00:16:08,050 どうか この俺に 貴公の知恵を貸してもらいたい 257 00:16:08,133 --> 00:16:09,885 (ポンチョ)は… はい! 258 00:16:09,969 --> 00:16:15,099 私めの知識が役に立つなら 存分に使ってくださいです ハイ! 259 00:16:16,058 --> 00:16:17,059 フッ… 260 00:16:17,518 --> 00:16:18,519 マルクス 261 00:16:18,602 --> 00:16:21,855 この国には 功があったり 期待をかける部下に対し 262 00:16:21,939 --> 00:16:23,816 王が氏(うじ)を贈る風習があったな? 263 00:16:24,149 --> 00:16:26,944 あっ はい さようでございますが 264 00:16:27,528 --> 00:16:30,864 ならば ポンチョ 貴公に“イシヅカ”の氏を贈る 265 00:16:30,948 --> 00:16:31,782 (ポンチョ)えっ? 266 00:16:31,865 --> 00:16:33,409 俺の故国にいた— 267 00:16:33,492 --> 00:16:36,495 食の飽くなき探求者にして 伝道者の氏だ 268 00:16:37,162 --> 00:16:39,581 その名に恥じぬ働きを期待するぞ 269 00:16:40,124 --> 00:16:43,460 (ナレーション)この ソーマ王が ポンチョを歓迎する様子が— 270 00:16:43,544 --> 00:16:45,295 国じゅうに流されたことで— 271 00:16:45,379 --> 00:16:50,467 その後 “彼のような人間さえ 重用されるなら 自分も”と— 272 00:16:50,551 --> 00:16:55,180 多くの才ある者が 更に エルフリーデンに集まったという 273 00:16:55,472 --> 00:16:57,015 アア~… 274 00:16:57,099 --> 00:17:00,477 (マルクス)陛下 これまでの3人は皆 自薦でしたが 275 00:17:00,561 --> 00:17:02,896 次の者は他薦でございます 276 00:17:02,980 --> 00:17:04,064 (ソーマ)ほう… 277 00:17:04,148 --> 00:17:07,693 (マルクス)では ハクヤ・クオンミンどの 前へ 278 00:17:07,776 --> 00:17:08,777 はい 279 00:17:10,696 --> 00:17:13,490 (マルクス)この者は 知において才を示しました 280 00:17:13,574 --> 00:17:18,996 その知識 その記憶力は この国に 並び立つ者なしと思われます 281 00:17:19,538 --> 00:17:22,458 (ソーマ)他薦ということだが 誰からの推薦だ? 282 00:17:22,708 --> 00:17:24,710 お世話になっている叔父上に— 283 00:17:24,793 --> 00:17:27,004 “いい年して 本ばかり読んでないで—” 284 00:17:27,087 --> 00:17:30,674 “お国の役に立ってこい”と 勝手に応募されまして 285 00:17:30,758 --> 00:17:31,759 フッ… 286 00:17:32,217 --> 00:17:33,886 (ハクヤ)何か? (ソーマ)いや… 287 00:17:33,969 --> 00:17:37,473 俺も よく そんなことを 言われたなと思い出してな 288 00:17:38,849 --> 00:17:41,935 本は どんなジャンルのものを 読んでいるんだ? 289 00:17:42,019 --> 00:17:44,063 (ハクヤ)ジャンルに こだわりは ないです 290 00:17:44,146 --> 00:17:47,691 文学は もちろん 歴史 法律 兵法… 291 00:17:47,775 --> 00:17:51,487 知らない知識を吸収することが 私の生きがいですので 292 00:17:52,029 --> 00:17:53,238 なるほど 293 00:17:54,281 --> 00:17:57,910 (ソーマ)ならば 王城内の 書庫の司書など してみないか? 294 00:17:57,993 --> 00:18:01,121 司書権限で閲覧自由にしてやろう 295 00:18:01,205 --> 00:18:03,373 (ハクヤ)おお… それは いいですね 296 00:18:03,457 --> 00:18:05,042 是非 お願いします 297 00:18:06,126 --> 00:18:09,755 …と 先ほどまでは 申し上げるつもりでしたが 298 00:18:10,130 --> 00:18:11,840 (ソーマ)今は違うというのか? 299 00:18:11,924 --> 00:18:13,717 (ハクヤ)はい 気が変わりました 300 00:18:14,051 --> 00:18:15,844 では 何を望む? 301 00:18:18,347 --> 00:18:23,018 できますれば 我が知で 陛下の覇業を支えたいと存じます 302 00:18:23,393 --> 00:18:25,813 (ソーマ)覇業とは大きく出たな 303 00:18:25,896 --> 00:18:27,481 それを知で支えるって… 304 00:18:27,856 --> 00:18:29,900 軍師にでも なるつもりか? 305 00:18:31,819 --> 00:18:34,029 それだけの才が自分にあると? 306 00:18:34,988 --> 00:18:36,615 そう自負しております 307 00:18:36,865 --> 00:18:37,866 アッ… 308 00:18:40,202 --> 00:18:42,704 気が変わったと言ったが なぜだ? 309 00:18:42,788 --> 00:18:44,581 (ハクヤ) 失礼ながら この場にて— 310 00:18:44,665 --> 00:18:49,169 陛下が仕えるに値する主君か 見定めようとしておりましたが… 311 00:18:49,253 --> 00:18:53,132 その結果 それに値すると 認めてくれたということか 312 00:18:55,134 --> 00:18:59,137 ポンチョどのを登用できるか否かが 王への試金石でした 313 00:18:59,221 --> 00:19:00,222 えっ? 314 00:19:00,305 --> 00:19:02,724 (ハクヤ)たとえ その価値に気づかなくとも— 315 00:19:02,808 --> 00:19:07,437 いつか役に立つのではと登用すれば 王として とりあえず合格 316 00:19:07,896 --> 00:19:10,148 ポンチョどのの才を くだらぬものとし 317 00:19:10,232 --> 00:19:12,151 不採用ならば 不合格 318 00:19:12,860 --> 00:19:14,736 そう考えておりましたが… 319 00:19:15,487 --> 00:19:18,323 まさか あのように歓迎なさるとは… 320 00:19:18,407 --> 00:19:20,117 これは うれしい誤算でした 321 00:19:20,993 --> 00:19:21,994 陛下は— 322 00:19:22,077 --> 00:19:26,582 今 この国に最も必要なものが何か 理解しておられる 323 00:19:27,082 --> 00:19:28,083 ハッ… 324 00:19:29,418 --> 00:19:31,044 貴公が言うように— 325 00:19:31,128 --> 00:19:34,173 俺は この国に必要なものが何か 分かっているつもりだ 326 00:19:35,132 --> 00:19:38,385 貴公は そんな俺にとって 必要な人材かな? 327 00:19:38,886 --> 00:19:42,097 それは 陛下自らで 確かめていただければ… 328 00:19:47,394 --> 00:19:48,770 アワワワッ… 329 00:19:49,188 --> 00:19:50,230 (ソーマ)分かった 330 00:19:50,856 --> 00:19:52,816 あとで俺の部屋に来てくれ 331 00:19:52,900 --> 00:19:55,402 そこで 貴公の才が いかほどのものか— 332 00:19:55,485 --> 00:19:56,987 確かめさせてもらおう 333 00:19:58,155 --> 00:19:59,990 (ハクヤ)仰せのままに 334 00:20:00,908 --> 00:20:02,326 (ナレーション) これが のちに— 335 00:20:02,409 --> 00:20:05,746 “黒衣の宰相”と 呼ばれるハクヤ・クオンミンと— 336 00:20:05,829 --> 00:20:08,081 ソーマ王との出会いであった 337 00:20:08,457 --> 00:20:12,461 その夜 ハクヤと 遅くまで語り合ったソーマ王は— 338 00:20:12,544 --> 00:20:17,925 彼を得難き知謀の士と認め 自分の右腕とすることになる 339 00:20:19,134 --> 00:20:24,056 (マルクス)それでは 最後に 妖狼(ようろう)族のトモエ・イヌイどの 前へ 340 00:20:25,432 --> 00:20:27,017 (トモエ)ひゃ… ひゃい! 341 00:20:27,392 --> 00:20:29,394 ア… アア… 342 00:20:29,478 --> 00:20:30,479 ウッ… 343 00:20:30,812 --> 00:20:33,857 (マルクス)この者 鳥獣と会話できるという— 344 00:20:33,941 --> 00:20:36,360 非常に稀有な才を持っております 345 00:20:36,443 --> 00:20:37,444 (ソーマ)ほう… 346 00:20:37,694 --> 00:20:41,114 確認のため 彼女を 厩舎(きゅうしゃ)へと案内したところ— 347 00:20:41,198 --> 00:20:44,660 馬の健康状態から来歴まで 全て言い当てました 348 00:20:44,952 --> 00:20:47,955 当人いわく 馬自身に聞いたとのことで 349 00:20:48,038 --> 00:20:51,124 正に神がかり的な能力と 言えるでしょう 350 00:20:51,708 --> 00:20:53,210 (ソーマ)“妖狼族の国は—” 351 00:20:53,710 --> 00:20:56,546 “エルフリーデンより はるか北方”か 352 00:20:56,630 --> 00:20:58,799 ええ 私の知るかぎり— 353 00:20:58,882 --> 00:21:01,551 この国に住む妖狼族は いないはずよ 354 00:21:01,635 --> 00:21:04,846 …ということは 難民の可能性が高いな 355 00:21:04,930 --> 00:21:06,056 (リーシア)ンッ… 356 00:21:06,139 --> 00:21:07,140 (ソーマ)うん? 357 00:21:07,599 --> 00:21:09,476 たとえ そうであったとして— 358 00:21:09,559 --> 00:21:12,354 “才あらば用いる”という 言葉は曲げない 359 00:21:12,729 --> 00:21:16,358 ただ 彼女の才を どうやって生かすかだが… 360 00:21:16,858 --> 00:21:17,943 (トモエ)あ… あの… 361 00:21:19,111 --> 00:21:20,153 王様… 362 00:21:20,237 --> 00:21:21,530 うん? 何だ? 363 00:21:21,905 --> 00:21:23,657 あの… その… 364 00:21:23,740 --> 00:21:27,995 わ… 私 王様に 申し上げたいことが… 365 00:21:28,620 --> 00:21:30,664 (ソーマ) 何か言いたいことが あるのか? 366 00:21:30,747 --> 00:21:32,749 なら かまわないから言ってくれ 367 00:21:32,833 --> 00:21:35,335 (トモエ)ひゃい! あっ 実は… 368 00:21:35,419 --> 00:21:37,045 (ソーマ)うん? なに? 369 00:21:37,129 --> 00:21:39,965 もう少し大きな声じゃないと 聞こえないんだが… 370 00:21:40,382 --> 00:21:42,592 あの… 私… 371 00:21:48,181 --> 00:21:50,600 (ソーマ)分かった 俺が そっちに行こう 372 00:21:50,684 --> 00:21:51,685 ひゃい!? 373 00:21:52,185 --> 00:21:53,186 あう… 374 00:21:57,899 --> 00:21:58,942 さあ 375 00:21:59,026 --> 00:22:00,986 大きな声でなくていいから 376 00:22:01,069 --> 00:22:02,654 緊張せずに言ってみて 377 00:22:03,363 --> 00:22:06,033 は… はい 実は… 378 00:22:09,369 --> 00:22:10,370 ハッ… 379 00:22:11,038 --> 00:22:17,044 {\an8}♪~ 380 00:23:34,496 --> 00:23:40,502 {\an8}~♪