1 00:00:02,001 --> 00:00:04,754 (ソーマ) この世界の人々が思う魔物と— 2 00:00:04,838 --> 00:00:09,718 俺のいた世界の人々が思う魔物には 若干 ズレがあるようだ 3 00:00:10,301 --> 00:00:12,762 俺のいた世界では 魔物とは— 4 00:00:12,846 --> 00:00:17,100 人でも動物でもない 異形の生物という認識だった 5 00:00:17,892 --> 00:00:21,062 しかし この世界では そうした生き物も— 6 00:00:21,146 --> 00:00:23,815 人や動物のカテゴリーに入っている 7 00:00:24,357 --> 00:00:25,775 具体的に言うと— 8 00:00:25,859 --> 00:00:30,113 {\an8}人間族も エルフ族も 獣人(じゅうじん)族も 半竜人(ドラゴニュート)も— 9 00:00:30,196 --> 00:00:32,240 {\an8}人類という カテゴリーに入っている 10 00:00:33,199 --> 00:00:34,617 動植物で言えば— 11 00:00:34,701 --> 00:00:38,496 恐竜にしか見えなくても オオトカゲは爬虫類(はちゅうるい)であり 12 00:00:38,580 --> 00:00:41,791 人の大きさほどあっても 巨大アリはアリだし 13 00:00:41,875 --> 00:00:45,253 人を食っても マンイーターは植物なのだ 14 00:00:45,962 --> 00:00:48,339 ちなみに ドラゴンなどは神獣と呼ばれ 15 00:00:48,423 --> 00:00:50,383 また別の扱いを受けている 16 00:00:51,468 --> 00:00:52,469 これらが 魔物と— 17 00:00:52,552 --> 00:00:53,887 呼ばれて いないのは 18 00:00:53,970 --> 00:00:55,346 この世界の 生態系に— 19 00:00:55,430 --> 00:00:56,931 組み込まれて いるからだ 20 00:00:57,557 --> 00:00:59,851 そのため 俺の目から見ると— 21 00:00:59,934 --> 00:01:03,688 モンスターにしか見えない スライム状の生物 ゼルリンも— 22 00:01:03,772 --> 00:01:06,399 この世界では動物扱いされている 23 00:01:07,150 --> 00:01:09,819 では 魔物とは何かというと— 24 00:01:09,903 --> 00:01:12,989 さまざまな生物が 融合したようなものを指す 25 00:01:13,782 --> 00:01:18,328 中には 比較的 人型に 近い形態をしているものも多いが 26 00:01:18,411 --> 00:01:21,998 それらの知能は 獣と何ら変わりはない 27 00:01:23,500 --> 00:01:26,211 そんな世界で人材募集した俺は… 28 00:01:28,046 --> 00:01:31,633 それに応じて やって来た 妖狼(ようろう)族の少女から— 29 00:01:31,716 --> 00:01:33,802 とんでもないことを聞かされた 30 00:01:35,386 --> 00:01:40,433 ♪~ 31 00:02:58,887 --> 00:03:04,893 ~♪ 32 00:03:09,147 --> 00:03:10,148 {\an8}(ソーマ)さあ 33 00:03:10,231 --> 00:03:12,317 {\an8}大きな声でなくて いいから 34 00:03:12,400 --> 00:03:14,068 {\an8}緊張せずに言ってみて 35 00:03:16,988 --> 00:03:17,989 ハッ… 36 00:03:18,448 --> 00:03:19,991 間違いないのか? 37 00:03:20,658 --> 00:03:21,951 (トモエ)は… はい 38 00:03:22,535 --> 00:03:24,871 (ソーマ)このことは ほかの誰かに言った? 39 00:03:24,954 --> 00:03:28,208 (トモエ)い… いえ お母さん以外には誰にも 40 00:03:34,505 --> 00:03:37,508 (ソーマ)落ち着け 呼吸を整えろ 41 00:03:37,592 --> 00:03:40,345 この場の誰にも動揺を悟られるな 42 00:03:41,137 --> 00:03:43,139 そなたの望みは分かった 43 00:03:43,765 --> 00:03:46,392 必ずとは約束できないが 考えておこう 44 00:03:46,476 --> 00:03:47,352 えっ? 45 00:03:47,435 --> 00:03:48,311 マルクス 46 00:03:48,394 --> 00:03:49,270 (マルクス)はっ! 47 00:03:49,562 --> 00:03:51,731 彼女の才は得難いものだ 48 00:03:51,814 --> 00:03:54,901 ただ それをどう用いるかには 一考が必要だろう 49 00:03:54,984 --> 00:03:56,486 それをこのあと相談したい 50 00:03:57,278 --> 00:03:58,696 かしこまりました 51 00:03:59,822 --> 00:04:01,157 才ある者よ 52 00:04:01,616 --> 00:04:04,869 こたびは呼びかけに 応じてくれたこと 感謝する 53 00:04:04,953 --> 00:04:08,373 この国を立て直すため 力を貸してほしい 頼む 54 00:04:08,456 --> 00:04:09,624 (アイーシャたち)はっ! 55 00:04:10,124 --> 00:04:11,125 アア… 56 00:04:19,509 --> 00:04:21,344 あ… あの… 57 00:04:21,761 --> 00:04:25,348 何か大事なお話が あるということですが… 58 00:04:25,807 --> 00:04:29,018 謁見の間で 彼女が俺に耳打ちした言葉が— 59 00:04:29,102 --> 00:04:30,311 聞こえた者は いるか? 60 00:04:30,603 --> 00:04:32,271 (リーシア)私は聞こえなかったわ 61 00:04:32,355 --> 00:04:35,316 はい 随分 小さい声でしたから 62 00:04:35,817 --> 00:04:37,777 (ルドウィン) 私の耳にも届きませんでした 63 00:04:37,860 --> 00:04:41,489 (ソーマ)なら 宝珠(ほうじゅ)放送で 声が流れた心配はないか 64 00:04:41,572 --> 00:04:43,324 (リーシア)多分 大丈夫だと思う 65 00:04:43,408 --> 00:04:45,493 あれって それほど感度は よくないから 66 00:04:45,994 --> 00:04:48,413 外に漏れるのを 気にしているみたいだけど— 67 00:04:48,496 --> 00:04:49,706 それほどのことなの? 68 00:04:49,956 --> 00:04:50,957 ああ 69 00:04:51,791 --> 00:04:55,044 彼女は動物と会話ができる それは聞いたよな? 70 00:04:55,169 --> 00:04:56,170 (リーシア)ええ 71 00:04:56,462 --> 00:04:58,756 (マルクス) 動物の言葉が分かるだけでなく— 72 00:04:58,840 --> 00:05:02,302 彼女が発する言葉は なぜか 動物に伝わるようでして 73 00:05:02,385 --> 00:05:05,138 誠 稀有(けう)な才と申せましょうか 74 00:05:05,471 --> 00:05:06,556 フゥ… 75 00:05:07,473 --> 00:05:10,143 {\an8}その力で 魔族と話したそうだ 76 00:05:10,476 --> 00:05:11,853 (3人)えっ? 77 00:05:12,895 --> 00:05:14,522 (ナレーション) 従来 この世界で— 78 00:05:14,605 --> 00:05:18,234 魔物は 動物並みの知能しか 持たないと考えられていた 79 00:05:19,235 --> 00:05:25,324 だが 魔王領の魔物の中には 集団で行動し 武器や魔法を使い 80 00:05:25,408 --> 00:05:29,078 まるで人であるかのように 行動する者たちがいた 81 00:05:29,162 --> 00:05:31,706 人間たちは そうした特殊な魔物たちを— 82 00:05:31,789 --> 00:05:34,834 区別して 魔族と呼ぶことにした 83 00:05:35,334 --> 00:05:38,880 さながら 知性があるかのように 振る舞う魔族だが— 84 00:05:38,963 --> 00:05:43,634 それらには 多種多様な種族を含む この世界の人類と— 85 00:05:43,718 --> 00:05:46,304 決定的に異なる所があった 86 00:05:47,013 --> 00:05:49,057 魔族は言葉を解さない 87 00:05:49,140 --> 00:05:54,520 そう 世界における唯一言語を 人類と共有していないのだ 88 00:05:54,687 --> 00:05:56,856 あっ… 魔族と話した!? 89 00:05:56,939 --> 00:06:00,485 そんなの ありえないわ 魔族は言葉が分からないのよ 90 00:06:00,860 --> 00:06:02,653 (ルドウィン) 一体 どのような会話を? 91 00:06:02,737 --> 00:06:05,948 わ… 私が話したのは 背が ちっちゃくて… 92 00:06:06,699 --> 00:06:09,744 顔全部が犬みたいな 魔族だったんですけど… 93 00:06:10,995 --> 00:06:13,206 山菜を採りに 山に入ったとき 94 00:06:13,289 --> 00:06:17,168 ばったり鉢合わせして 思わず“助けて”って叫んだら… 95 00:06:18,211 --> 00:06:21,297 “お前は 言葉が 分かるのか”って叫んで 96 00:06:21,380 --> 00:06:23,132 向こうも驚いた様子で… 97 00:06:24,133 --> 00:06:26,427 物見っていうんでしょうか 98 00:06:26,511 --> 00:06:29,013 そういうことをしてたみたいで 99 00:06:29,097 --> 00:06:30,681 …で その魔族が 100 00:06:30,765 --> 00:06:34,685 “同じにおいを持つ者が 殺されるのを見るのは忍びない” 101 00:06:34,769 --> 00:06:36,396 “早く逃げよ”って 102 00:06:36,479 --> 00:06:38,856 魔族が そのようなことを… 103 00:06:39,649 --> 00:06:42,068 妖狼族を逃がしたような者たちは 104 00:06:42,151 --> 00:06:45,071 魔族全体から見れば ほんの ひと握りかもしれない 105 00:06:45,571 --> 00:06:46,656 んん… 106 00:06:46,739 --> 00:06:48,616 (ソーマ)だが たとえ 一部であっても— 107 00:06:48,699 --> 00:06:50,785 魔族と意思疎通が できるようになれば— 108 00:06:50,868 --> 00:06:53,037 状況が大きく変わるかもしれない 109 00:06:53,121 --> 00:06:54,122 どういうこと? 110 00:06:54,539 --> 00:06:58,209 まさか 魔族と交渉して 奪われた地を取り返せるとでも? 111 00:07:03,005 --> 00:07:05,675 (ソーマ)そっちのほうへ 動いてくれればいいけど… 112 00:07:06,259 --> 00:07:07,552 アア… 113 00:07:08,052 --> 00:07:13,474 今現在 人類側の国々は 一丸となって魔王領と対峙(たいじ)している 114 00:07:14,308 --> 00:07:16,727 {\an8}それは 魔族を人類の敵… 115 00:07:16,811 --> 00:07:19,689 {\an8}決して相いれない存在と 捉えているからだ 116 00:07:20,022 --> 00:07:23,025 もし 魔族側と 意思疎通ができると分かれば— 117 00:07:23,109 --> 00:07:24,610 人類側の国の中で— 118 00:07:24,694 --> 00:07:27,613 魔族と手を組もうとする者が 現れるかもしれない 119 00:07:27,697 --> 00:07:29,574 (リーシア)そんな まさか… 120 00:07:29,657 --> 00:07:32,243 俺は まだ 全部を 把握してるわけじゃないが— 121 00:07:32,326 --> 00:07:36,414 この世界も 俺がいた世界と同じで 国同士の争いは あるんだろう? 122 00:07:36,664 --> 00:07:37,665 はい 123 00:07:37,748 --> 00:07:41,377 身近な所では 我が国は 西に隣接するアミドニア公国と— 124 00:07:41,961 --> 00:07:43,212 前王のころより— 125 00:07:43,296 --> 00:07:45,298 争いの火種を抱えています 126 00:07:45,840 --> 00:07:48,217 (マルクス) 魔王領の拡大を防ぐため— 127 00:07:48,301 --> 00:07:53,306 グラン・ケイオス帝国を筆頭に 今は皆 手を携えておりますが— 128 00:07:53,389 --> 00:07:57,226 人類側も 決して 一枚岩ではありませんな 129 00:07:58,144 --> 00:07:59,353 そうね… 130 00:08:00,980 --> 00:08:02,440 ソーマの言うとおりだわ 131 00:08:09,614 --> 00:08:10,698 アア… 132 00:08:12,867 --> 00:08:17,705 まあ さっき 俺が言ったのは あくまでも そうした可能性の話だ 133 00:08:18,164 --> 00:08:21,375 何しろ 魔族と 意思疎通ができるっていうのは— 134 00:08:21,459 --> 00:08:23,794 この世界を 揺るがしかねないことだからな 135 00:08:24,545 --> 00:08:27,006 用心するに越したことはない 136 00:08:27,256 --> 00:08:31,385 この件 外に漏れぬよう 気をつけねばなりませんな 137 00:08:31,844 --> 00:08:32,845 (ソーマ)ああ 138 00:08:35,056 --> 00:08:40,353 そして 何より 我が国は全力で 君を保護しなければならない 139 00:08:40,436 --> 00:08:42,146 ほ… 保護ですか? 140 00:08:42,396 --> 00:08:43,397 (ソーマ)ああ 141 00:08:43,481 --> 00:08:48,194 誇張なしに 今の君は 俺なんかより よっぽど重要人物だ 142 00:08:48,277 --> 00:08:50,238 人類と魔族との関係を— 143 00:08:50,321 --> 00:08:52,865 一変させるかも しれない存在だからね 144 00:08:52,949 --> 00:08:54,242 (トモエ)そんな… 145 00:08:54,325 --> 00:08:56,118 ウソ …ですよね? 146 00:09:01,415 --> 00:09:04,293 (ソーマ)彼女には 王族並みの警護をつけたい 147 00:09:04,377 --> 00:09:05,378 頼めるかな? 148 00:09:05,461 --> 00:09:06,462 (ルドウィン)承知しました 149 00:09:06,671 --> 00:09:10,800 しかし それだと かえって 不審を招くのではないですかなぁ? 150 00:09:11,050 --> 00:09:12,885 ハッ… ウッ… 151 00:09:12,969 --> 00:09:17,515 確かに 今のところ 一介の平民にすぎぬ彼女の周りに 152 00:09:17,598 --> 00:09:22,061 仰々しく護衛をつければ 何かあると思われるのは必定 153 00:09:22,144 --> 00:09:23,604 フゥ… そうか 154 00:09:23,688 --> 00:09:26,107 そこから 嗅ぎつけられる可能性もあるか 155 00:09:26,190 --> 00:09:27,525 ならば いっそ— 156 00:09:27,608 --> 00:09:30,444 王族として迎えてしまえば よいのではないですか? 157 00:09:30,778 --> 00:09:32,905 えっ そんなことが できるのか? 158 00:09:32,989 --> 00:09:34,115 (マルクス)はい 159 00:09:34,198 --> 00:09:37,994 いちばん手っとり早いのは 陛下の養子になさることですが— 160 00:09:38,077 --> 00:09:41,622 これは まだ 陛下が 婚礼前なので不可能でございます 161 00:09:41,706 --> 00:09:45,960 姫さまとの婚礼にも 1年以上 準備が要りますからな 162 00:09:46,043 --> 00:09:47,086 …だってさ 163 00:09:47,169 --> 00:09:49,088 私に振らないでよ! 164 00:09:49,171 --> 00:09:50,172 ほかには? 165 00:09:50,506 --> 00:09:53,384 (マルクス)陛下が側妃として めとるという手もございます 166 00:09:53,467 --> 00:09:55,886 そ… 側妃って この子をか? 167 00:09:55,970 --> 00:10:00,266 この国では 子供が 王位継承権を持つ正妃には— 168 00:10:00,349 --> 00:10:03,144 騎士階級以上の 身分が必要ですが— 169 00:10:03,227 --> 00:10:06,480 正妃でなければ 問題ありません 170 00:10:06,564 --> 00:10:07,898 (ソーマ)いや そこじゃなくて 171 00:10:08,899 --> 00:10:10,443 ちなみに 君 いくつ? 172 00:10:10,526 --> 00:10:11,861 10歳ですけど… 173 00:10:11,944 --> 00:10:14,238 まあ 許容範囲内ですな 174 00:10:14,322 --> 00:10:17,783 政略結婚では 例のない年齢でもありませんし 175 00:10:18,200 --> 00:10:20,536 ソーマ 10歳は さすがに… 176 00:10:20,620 --> 00:10:22,747 (ソーマ)なんで 俺が責められてるの? 177 00:10:22,830 --> 00:10:25,124 ていうか 前王夫妻の養子でいいだろう 178 00:10:25,458 --> 00:10:29,128 ふ~む… そういう手も ございましたな 179 00:10:29,211 --> 00:10:30,838 (リーシア)それ いいわね! 180 00:10:31,172 --> 00:10:33,174 私 妹が欲しかったの 181 00:10:33,466 --> 00:10:34,467 フフッ… 182 00:10:34,550 --> 00:10:35,384 ハワワッ! 183 00:10:35,676 --> 00:10:38,721 あ… あの… そんなの困ります 184 00:10:39,388 --> 00:10:42,475 わ… 私には ちゃんと家族がいます 185 00:10:42,558 --> 00:10:46,312 お母さんと ちっちゃい弟が 難民キャンプで待ってるんです 186 00:10:46,520 --> 00:10:47,813 あっ… 187 00:10:50,274 --> 00:10:51,275 (ソーマ)大丈夫 188 00:10:51,609 --> 00:10:53,027 養子っていっても— 189 00:10:53,110 --> 00:10:55,988 君を保護するための 方便みたいなものだから 190 00:10:56,447 --> 00:10:58,407 君が俺の妹になれば— 191 00:10:58,491 --> 00:11:01,160 お母さんや弟さんも 縁戚関係になるし 192 00:11:01,243 --> 00:11:03,120 城で一緒に 暮らしてもらって かまわない 193 00:11:03,204 --> 00:11:04,205 アア… 194 00:11:04,830 --> 00:11:07,708 あの… それなら 分かりました 195 00:11:08,042 --> 00:11:09,251 うん 196 00:11:09,335 --> 00:11:12,588 マルクス 養子の件は しばらく時間をおいて— 197 00:11:12,672 --> 00:11:13,839 改めて発表する 198 00:11:14,632 --> 00:11:16,759 急に こんな話を持ち出せば— 199 00:11:16,842 --> 00:11:20,262 何かあるに違いないと 勘ぐられるおそれが あるからな 200 00:11:20,346 --> 00:11:22,181 (マルクス)賢明なご判断かと 201 00:11:22,473 --> 00:11:25,142 だが 彼女の身柄は このまま保護したい 202 00:11:25,476 --> 00:11:27,603 城に留め置く理由として— 203 00:11:27,687 --> 00:11:30,481 トモエどのに しかるべき職を与えよと? 204 00:11:30,564 --> 00:11:31,774 そうだ 205 00:11:31,857 --> 00:11:33,150 う~ん… 206 00:11:33,234 --> 00:11:36,070 では 動物の言葉を話す 才を見込んで— 207 00:11:36,153 --> 00:11:39,990 陛下の馬車を引く馬の 世話係辺りで いかがでしょう? 208 00:11:40,074 --> 00:11:42,493 (ソーマ)名案だ それでいこう 209 00:11:42,576 --> 00:11:43,702 それでいいかな? 210 00:11:43,786 --> 00:11:45,121 は… はい! 211 00:11:46,038 --> 00:11:47,039 うん 212 00:11:48,165 --> 00:11:49,333 ハハッ… 213 00:12:09,478 --> 00:12:12,022 ねえ さっきから何してるの? 214 00:12:12,106 --> 00:12:14,483 見れば分かるだろう 縫い物だよ 215 00:12:14,567 --> 00:12:16,068 (リーシア)それは分かるけど— 216 00:12:16,152 --> 00:12:18,696 どうして わざわざ 私の部屋で やってるのよ? 217 00:12:18,946 --> 00:12:24,160 いや 政務室 みんな仕事してるから 息抜きしようにも落ち着かなくてさ 218 00:12:31,500 --> 00:12:34,295 いいかげん 父上の部屋 譲ってもらって 219 00:12:34,378 --> 00:12:36,088 自分の部屋にしなさいよ 220 00:12:36,172 --> 00:12:37,423 う~ん… 221 00:12:37,506 --> 00:12:39,800 けど 効率 考えると— 222 00:12:39,884 --> 00:12:43,929 今のまま 政務室で 寝泊まりするのが いいんだけどな 223 00:12:44,388 --> 00:12:46,640 だからって なんで 私の部屋で… 224 00:12:47,141 --> 00:12:49,351 (ソーマ)そういえば トモエちゃんは どうしたんだ? 225 00:12:50,102 --> 00:12:53,397 あの子が来てから ずっと べったりだったじゃないか 226 00:12:54,315 --> 00:12:58,778 最近は 母上が気に入っちゃって なかなか離さないのよ 227 00:12:58,861 --> 00:13:01,280 まあ 最初 戸惑ってたトモエちゃんも— 228 00:13:01,363 --> 00:13:03,491 お母さんが もう1人 できたみたいだって— 229 00:13:03,574 --> 00:13:04,742 喜んでるから いいけど 230 00:13:04,825 --> 00:13:05,993 (ノック) 231 00:13:06,076 --> 00:13:07,286 いいわよ 入って 232 00:13:09,497 --> 00:13:10,498 (セリィナ)うん? 233 00:13:13,167 --> 00:13:14,376 フフッ… 234 00:13:17,087 --> 00:13:19,632 ちょっと! 変な気 回さないで! 235 00:13:22,426 --> 00:13:24,595 そうか 戻ってきたか! 236 00:13:24,929 --> 00:13:27,807 はい 既に 応接の間でお待ちです 237 00:13:29,517 --> 00:13:31,060 行こう リーシア 238 00:13:31,143 --> 00:13:32,228 (リーシア)えっ? あっ… 239 00:13:32,311 --> 00:13:34,355 えっ? えっ? ええっ? 240 00:13:34,438 --> 00:13:37,066 (ドアの開閉音) フフッ… 241 00:13:38,692 --> 00:13:39,944 (ソーマ)ご苦労だったな 242 00:13:40,444 --> 00:13:42,321 …で 成果は どうだった? 243 00:13:42,822 --> 00:13:43,822 (ポンチョ)はい 244 00:13:43,906 --> 00:13:47,159 王室専用の飛竜(ワイバーン)を お貸しいただいたので— 245 00:13:47,243 --> 00:13:50,746 思った以上に早く 各地を回ることができました 246 00:13:51,288 --> 00:13:55,960 おかげで目当ての食材のほとんどを こうして集めることが… 247 00:13:56,043 --> 00:13:59,004 ちょっと それ 勇者のズタ袋じゃない 248 00:13:59,088 --> 00:14:00,172 ああ 249 00:14:00,256 --> 00:14:02,758 見た目以上に 大量に物が詰め込め 250 00:14:02,841 --> 00:14:06,637 その上 入れた物が 腐りにくいって便利な袋だからな 251 00:14:06,720 --> 00:14:08,889 食材集めに ちょうどいいと思って 貸した 252 00:14:09,390 --> 00:14:14,687 それ 王家の至宝 勇者装備一式のひとつなんだけど… 253 00:14:14,770 --> 00:14:17,147 至宝よ 至宝… 254 00:14:18,023 --> 00:14:19,608 まあ いいわ 255 00:14:19,692 --> 00:14:23,445 それで そうまでして食材を集めて 何をしようっていうの? 256 00:14:23,863 --> 00:14:27,825 何って… 少しばかり 国のためになることかな 257 00:14:28,409 --> 00:14:29,577 はぁ? 258 00:14:32,997 --> 00:14:36,333 (ジュナ)エルフリーデン王国の 皆さん こんにちは 259 00:14:36,417 --> 00:14:38,002 (ポンチョ)こ… こんにちは 260 00:14:38,460 --> 00:14:42,089 この番組は パルナム城からの 情報をお伝えする— 261 00:14:42,172 --> 00:14:44,800 「王様のブリリアントなランチ」 262 00:14:44,884 --> 00:14:47,636 略して“王様のブリンチ”です 263 00:14:47,720 --> 00:14:50,723 司会は私 ジュナ・ドーマと… 264 00:14:50,806 --> 00:14:54,476 ポンチョ・パナコッタで お送りするのです ハイ 265 00:14:54,852 --> 00:14:55,894 {\an8}(ジュナ)ポンチョさん 266 00:14:55,978 --> 00:14:58,564 {\an8}なにも そこまで緊張しなくても 267 00:14:58,647 --> 00:14:59,982 (ポンチョ)な… 何ぶん— 268 00:15:00,065 --> 00:15:02,276 こういうことに 慣れていませんもので 269 00:15:02,860 --> 00:15:06,238 ジュナどのは 実に堂々としていますなぁ 270 00:15:06,322 --> 00:15:08,449 羨ましいです ハイ 271 00:15:08,532 --> 00:15:11,744 私は よく お客さまの前で 歌っていますから 272 00:15:12,453 --> 00:15:14,204 パルナムにお越しの際には— 273 00:15:14,288 --> 00:15:16,624 私が働いている カフェ ローレライを— 274 00:15:16,707 --> 00:15:18,751 よろしくお願いしますね 275 00:15:18,834 --> 00:15:21,629 私 そこで時折 歌っていますので 276 00:15:21,712 --> 00:15:24,214 露骨な宣伝を挟まないでください 277 00:15:24,715 --> 00:15:27,885 それでは 今回の番組の趣旨について— 278 00:15:27,968 --> 00:15:30,095 この方に ご説明いただきましょう 279 00:15:30,554 --> 00:15:35,893 エ… エルフリーデン第14代国王の ソーマ・カズヤ陛下です 280 00:15:36,268 --> 00:15:40,773 俺は まだ戴冠前(たいかんまえ)だから 厳密には王じゃないんだけど 281 00:15:41,190 --> 00:15:43,025 あっ どうも 282 00:15:43,108 --> 00:15:46,487 現在 国王代理をやっている ソーマ・カズヤだ 283 00:15:47,571 --> 00:15:49,365 みんなも知っているとおり— 284 00:15:49,448 --> 00:15:52,618 現在 この国は 食料不足に陥っている 285 00:15:53,160 --> 00:15:54,870 為政者のトップとして— 286 00:15:54,953 --> 00:15:58,832 こうした事態を招いたことを 国民に深く おわびする 287 00:15:59,041 --> 00:16:00,042 アア… 288 00:16:00,125 --> 00:16:03,045 (どよめき) 289 00:16:03,379 --> 00:16:07,341 今 早急に 食料の 増産計画を進めているが— 290 00:16:07,424 --> 00:16:09,426 それには時間がかかる 291 00:16:09,885 --> 00:16:11,220 今回の放送は— 292 00:16:11,303 --> 00:16:16,141 食料不足が解決するまで 少しでも その手助けになるよう 293 00:16:16,225 --> 00:16:19,895 この国では 食べる習慣のない食材の紹介と— 294 00:16:19,979 --> 00:16:23,190 調理法の公開を行うために 企画したものだ 295 00:16:23,941 --> 00:16:26,151 そして それら未知の食材が— 296 00:16:26,694 --> 00:16:29,446 実際に食べられることを 証明するため— 297 00:16:29,530 --> 00:16:32,032 実食を担当する者たちを用意した 298 00:16:32,282 --> 00:16:33,409 (3人)あっ… 299 00:16:33,492 --> 00:16:34,994 フフフフッ… 300 00:16:35,244 --> 00:16:37,496 では 早速 まいりましょう 301 00:16:37,579 --> 00:16:40,207 ポンチョさん 最初の食材は何ですか? 302 00:16:40,290 --> 00:16:42,960 は… はい 最初の食材は… 303 00:16:45,504 --> 00:16:46,588 (3人)ヒイッ! 304 00:16:46,672 --> 00:16:47,798 ま… まさか— 305 00:16:47,881 --> 00:16:50,009 それを 食べさせるつもりじゃ ないでしょうね? 306 00:16:51,093 --> 00:16:52,720 させるつもりだよ 307 00:16:52,803 --> 00:16:55,723 (リーシア) ヒ… ヒイッ… ウウ~ッ… 308 00:16:56,306 --> 00:16:58,475 まあ 見た目が こんなですから— 309 00:16:58,559 --> 00:17:01,562 海辺の一部の地域でしか 食されてませんでしたが— 310 00:17:01,645 --> 00:17:02,896 おいしいものですよ 311 00:17:03,147 --> 00:17:04,273 (アイーシャ) ジュ… ジュナどのは— 312 00:17:04,356 --> 00:17:06,358 それを食べたことが あるのですか? 313 00:17:06,984 --> 00:17:10,696 はい 私の故郷では 普通に食べていましたよ 314 00:17:20,247 --> 00:17:21,874 (リーシア)アア… (トモエ)ウウッ… 315 00:17:38,390 --> 00:17:40,142 (揚げる音) 316 00:17:40,642 --> 00:17:43,937 むっ? なかなかいい匂いが してきましたな 317 00:17:48,609 --> 00:17:50,611 (ソーマ)さあ 食べてみてくれ 318 00:17:50,944 --> 00:17:52,571 (リーシアたち)ンンッ… 319 00:17:53,906 --> 00:17:55,324 アア… 320 00:17:59,661 --> 00:18:01,288 なに これ… おいしい! 321 00:18:01,538 --> 00:18:02,539 えっ? 322 00:18:05,042 --> 00:18:07,252 ホントだ! すごく おいしいです 323 00:18:09,129 --> 00:18:11,006 いや これはイケますな 324 00:18:12,049 --> 00:18:13,217 手が止まりませんぞ 325 00:18:16,136 --> 00:18:18,347 私も ひとつ いただいてもいいですか? 326 00:18:18,430 --> 00:18:19,473 もちろん 327 00:18:19,932 --> 00:18:21,642 (食べる音) 328 00:18:21,725 --> 00:18:22,726 (アイーシャ)うまい! 329 00:18:22,810 --> 00:18:25,187 (アイーシャ)もう1本! (ジュナ)ホント おいしいですね 330 00:18:25,646 --> 00:18:28,732 サクッとした衣の中から 現れるタコが— 331 00:18:28,816 --> 00:18:30,359 すごくジューシーです 332 00:18:30,692 --> 00:18:31,693 (少年)父ちゃん 333 00:18:31,777 --> 00:18:34,613 タコなら 今日の網に たっくさん掛かってたな! 334 00:18:34,696 --> 00:18:37,032 (父親)ああ いつもなら捨てるとこだが— 335 00:18:37,115 --> 00:18:38,575 いっちょう食ってみっか 336 00:18:39,034 --> 00:18:42,287 次の食材は こちらでございます 337 00:18:44,998 --> 00:18:46,458 (リーシア)これは… 338 00:18:46,542 --> 00:18:48,085 木の根っこ? 339 00:18:48,168 --> 00:18:50,629 (トモエ)あんまり おいしそうじゃないですけど— 340 00:18:50,712 --> 00:18:53,048 本当に食べられるんですか? 341 00:18:53,132 --> 00:18:54,925 (アイーシャ)これはゴボウですな 342 00:18:55,008 --> 00:18:57,219 (ソーマ)なんだ アイーシャは知ってたのか 343 00:18:57,594 --> 00:19:01,181 もしかして あなた この根っこを食べたことがあるの? 344 00:19:01,598 --> 00:19:04,476 森では 食べられる物は 全て食べないと— 345 00:19:04,560 --> 00:19:06,562 生きてはいけませぬから 346 00:19:06,645 --> 00:19:07,688 そうなんだ… 347 00:19:10,566 --> 00:19:12,109 (ソーマ)こっちには塩を… 348 00:19:13,152 --> 00:19:14,778 こっちには砂糖 349 00:19:17,239 --> 00:19:18,740 よし 完成! 350 00:19:23,537 --> 00:19:26,164 サックサクで塩味が効いて おいしいわね 351 00:19:26,582 --> 00:19:28,375 ウ~ン! 352 00:19:28,458 --> 00:19:31,837 かみしめると出てくる油で 砂糖が溶け出し 353 00:19:31,920 --> 00:19:35,424 甘さが口の中に ジュワッと広がりますね 354 00:19:35,841 --> 00:19:38,844 これ お母さんに 食べさせてあげたいな 355 00:19:41,263 --> 00:19:44,349 両方一緒に食べれば 甘じょっぱくて おいしいですぞ 356 00:19:44,766 --> 00:19:47,102 陛下 おかわりは ありませぬか? 357 00:19:47,561 --> 00:19:50,981 (ロブトール)兄上 アイーシャは 元気にやっているようですな 358 00:19:51,064 --> 00:19:52,357 (ボーダン)あ… ああ 359 00:19:52,566 --> 00:19:56,069 次は 既に調理済みの物を 用意いたしました 360 00:19:59,239 --> 00:20:00,240 (2人)アアッ… 361 00:20:02,701 --> 00:20:04,870 こ… これを食すのですか? 362 00:20:04,953 --> 00:20:09,249 も… 森では 何でも食べないと 生きていけないんじゃなかったの? 363 00:20:09,333 --> 00:20:14,004 た… 確かに そう申しましたが さすがに これは… 364 00:20:14,087 --> 00:20:15,672 (食べる音) 365 00:20:15,756 --> 00:20:18,217 (トモエ)ウ~ン! おいしいです 366 00:20:18,884 --> 00:20:22,095 懐かしの味です 大イナゴのつくだ煮 367 00:20:22,387 --> 00:20:25,349 つくだ煮? これって つくだ煮なのか? 368 00:20:25,432 --> 00:20:26,600 あっ はい 369 00:20:26,683 --> 00:20:30,062 味付けは 主に ひしおみずと 砂糖でしてあります 370 00:20:30,437 --> 00:20:31,980 (ソーマ)ひしおみず? 371 00:20:32,064 --> 00:20:33,398 (ポンチョ) “ひしおみず”とは— 372 00:20:33,482 --> 00:20:37,069 妖狼族たちが 好んで用いる調味料のことです 373 00:20:38,403 --> 00:20:42,115 妖狼族には 豆を塩漬けにして発酵させた— 374 00:20:42,199 --> 00:20:45,327 “まめびしお”なる調味料が あったのですが— 375 00:20:45,410 --> 00:20:50,082 その生成過程で生まれた上澄みを くみ出し 熟成させたのが— 376 00:20:50,165 --> 00:20:51,792 “ひしおみず”なのです 377 00:20:52,417 --> 00:20:57,381 どちらも この国にはない 独特な風味の調味料なのです ハイ 378 00:20:57,464 --> 00:21:00,300 つまり “まめびしお”とは 味噌(みそ)のことで— 379 00:21:00,384 --> 00:21:02,469 “ひしおみず”は醤油(しょうゆ)ってことか 380 00:21:04,638 --> 00:21:06,932 (リーシア)ソーマ それ食べる気なの? 381 00:21:08,976 --> 00:21:09,851 ヒイッ… 382 00:21:15,774 --> 00:21:16,942 アア… 383 00:21:18,151 --> 00:21:20,320 えっ? ソーマったら泣いてるの? 384 00:21:20,696 --> 00:21:23,156 これが泣かずにいられるか 385 00:21:23,240 --> 00:21:24,491 これは… 386 00:21:24,574 --> 00:21:26,285 俺の故郷の味なんだ 387 00:21:26,910 --> 00:21:28,745 ソーマの故郷の味… 388 00:21:29,204 --> 00:21:34,209 (ソーマ)ああ… かみしめる度 口の中に広がる懐かしい味 389 00:21:34,835 --> 00:21:38,088 この世界にも醤油がある 味噌がある 390 00:21:38,547 --> 00:21:39,881 口に なじんだ あの味を— 391 00:21:39,965 --> 00:21:42,968 もう一度 味わうことも 夢じゃないんだ 392 00:21:45,637 --> 00:21:47,139 (ジュナ)あの… 陛下 393 00:21:47,222 --> 00:21:50,183 感動されているところ 申し訳ないのですが— 394 00:21:50,267 --> 00:21:52,310 そろそろ 次にいっても よろしいでしょうか? 395 00:21:52,644 --> 00:21:53,812 あっ… 396 00:21:53,895 --> 00:21:55,230 ンンッ… 397 00:21:56,106 --> 00:21:59,026 ああ すまない 番組を続けてくれ 398 00:21:59,735 --> 00:22:02,154 では ポンチョさん 次の食材は? 399 00:22:03,405 --> 00:22:06,158 はい こちらでございます 400 00:22:06,742 --> 00:22:07,743 えっ!? 401 00:22:07,826 --> 00:22:08,702 ウッ! 402 00:22:08,785 --> 00:22:10,912 アア… 403 00:22:10,996 --> 00:22:17,002 {\an8}♪~ 404 00:23:34,496 --> 00:23:40,502 {\an8}~♪