1 00:00:08,175 --> 00:00:12,179 《沙季:彼は 他人に対して いつも フラットだ。 2 00:00:12,179 --> 00:00:16,517 面倒くさい性格の私と すり合わせをしてくれる。 3 00:00:16,517 --> 00:00:20,020 私を偏見なく見てくれる。 4 00:00:20,020 --> 00:00:24,858 誰にも見せたことのない 苦労や努力を認めてくれる。 5 00:00:24,858 --> 00:00:28,562 私を理解してくれる》 6 00:00:32,866 --> 00:00:38,372 《沙季:そんな彼を 私は もっと 知りたいと思う。 7 00:00:38,372 --> 00:00:41,041 理解したいと願う。 8 00:00:41,041 --> 00:00:44,211 浅村悠太。 9 00:00:44,211 --> 00:00:47,714 私は 彼に引かれているのだ》 10 00:00:51,218 --> 00:00:54,554 《沙季:彼は いろいろなことに気付く人だ。 11 00:00:54,554 --> 00:00:58,892 私が 10分以上かかって 見つけられなかった本を➡ 12 00:00:58,892 --> 00:01:02,496 あっという間に 探し出してみせた。 13 00:01:02,496 --> 00:01:08,335 でも 「あの人ならば」なんて 言われて…。 14 00:01:08,335 --> 00:01:12,506 私は とても 心の狭い人間なんじゃないかと➡ 15 00:01:12,506 --> 00:01:15,509 嫌になる。 16 00:01:15,509 --> 00:01:20,113 次の日 リビングのエアコンが壊れたんだっけ》 17 00:01:22,516 --> 00:01:26,687 《沙季:その夜 浅村君に問い詰められた。 18 00:01:26,687 --> 00:01:31,024 真綾から 2人とも プールに誘われてない? って。 19 00:01:31,024 --> 00:01:35,696 そのときの私の対応は 思い出したくない。 20 00:01:35,696 --> 00:01:40,534 だって… 私は 遊んじゃいけないんだもの。 21 00:01:40,534 --> 00:01:44,037 行けないよ…。 22 00:01:44,037 --> 00:01:47,641 私の心は もう 限界だったんだと思う》 23 00:01:50,877 --> 00:01:54,047 《沙季:突き放すような言葉を 放ってしまったのは➡ 24 00:01:54,047 --> 00:01:57,718 それ以上 聞きたくなかったからだ。 25 00:01:57,718 --> 00:02:01,922 自分の喉から出たなんて 信じられない 拒絶の言葉》 26 00:02:05,993 --> 00:02:08,295 《沙季:子どもみたいに 言っていた》 27 00:02:10,831 --> 00:02:14,001 《沙季:この日は 本当に最悪だった。 28 00:02:14,001 --> 00:02:18,005 何が嫌かって 嫌だと思ってしまう 自分の思考と➡ 29 00:02:18,005 --> 00:02:20,507 向き合わされてしまうのが 嫌だった》 30 00:02:24,344 --> 00:02:26,346 《沙季:きれいな長い髪…。 31 00:02:26,346 --> 00:02:29,016 私の目にも すてきで➡ 32 00:02:29,016 --> 00:02:32,319 浅村君の 素朴な雰囲気と よく似合っていた》 33 00:02:34,354 --> 00:02:36,356 《沙季:浅村君も➡ 34 00:02:36,356 --> 00:02:40,027 長くて きれいな髪が 好きだったりするのかな。 35 00:02:40,027 --> 00:02:45,532 私も 髪の長さだけなら…。 36 00:02:45,532 --> 00:02:50,537 ハァ… 何を考えているんだろう ほんとに》 37 00:02:53,707 --> 00:02:57,044 《沙季:食事を終えた彼は またも 言ってきた。 38 00:02:57,044 --> 00:03:00,313 私に プールで遊んでほしいと。 39 00:03:00,313 --> 00:03:03,984 なんで 彼が そんなこと 気にするのか。 40 00:03:03,984 --> 00:03:06,653 私は 勉強しなくちゃいけない。 41 00:03:06,653 --> 00:03:11,158 遊んでなんか… いられないよ》 42 00:03:15,662 --> 00:03:19,100 《沙季:ああ… あの顔は知っている。 43 00:03:19,100 --> 00:03:23,837 中学のとき お母さんに 一度だけ➡ 44 00:03:23,837 --> 00:03:27,507 海に行こうかと 誘われたことがある。 45 00:03:27,507 --> 00:03:30,343 そのときの経済状況を考えると➡ 46 00:03:30,343 --> 00:03:33,513 そんな余裕があるように 見えなかったし➡ 47 00:03:33,513 --> 00:03:35,682 お母さんに 無理をして➡ 48 00:03:35,682 --> 00:03:38,518 休みを取らせるのは 嫌だった。 49 00:03:38,518 --> 00:03:41,021 あのときの顔だ。 50 00:03:41,021 --> 00:03:45,025 少し 困ったような顔…》 51 00:03:45,025 --> 00:03:47,861 [:(](太一)8月6日 日曜日。 52 00:03:47,861 --> 00:03:50,030 [:(]今日は 海に来ました。 53 00:03:50,030 --> 00:03:54,201 ((あっ 悠太 走っちゃ だめだよ! 54 00:03:54,201 --> 00:03:57,370 (悠太)んっ… あっ うわっ! 55 00:03:57,370 --> 00:03:59,873 あ~ 言わんこっちゃない。 56 00:03:59,873 --> 00:04:03,810 ほら 立てる?) (沙季)んっ… あっ…。 57 00:04:03,810 --> 00:04:05,812 ((うっ… んっ…。 58 00:04:05,812 --> 00:04:08,014 ハァハァハァ…。 よし。 フッ…。 んっ…。 59 00:04:15,489 --> 00:04:17,991 あっ…。 フッ… フフッ! 60 00:04:17,991 --> 00:04:20,794 遊ぼう! フフッ。 あっ…。 61 00:04:23,497 --> 00:04:26,500 あっ…。 62 00:04:26,500 --> 00:04:28,502 (亜季子)フフッ。 んっ…。 63 00:04:30,504 --> 00:04:34,841 アハハ! アハハハ! ハハハハ!) 64 00:04:34,841 --> 00:04:38,678 《沙季:ああ 温かいな。 65 00:04:38,678 --> 00:04:42,516 涼しい風に当たりながら➡ 66 00:04:42,516 --> 00:04:47,187 体の内側だけが ぽかぽか。 67 00:04:47,187 --> 00:04:50,857 フゥーと息を吐いたら➡ 68 00:04:50,857 --> 00:04:53,860 なんだか 軽くなった。 69 00:04:53,860 --> 00:04:57,197 体も 頭も。 70 00:04:57,197 --> 00:05:00,700 ずっと 考えてたの》 71 00:05:05,305 --> 00:05:07,307 《沙季:プールに行ってもいいよ》 72 00:06:48,174 --> 00:06:53,079 (せみの鳴き声) 73 00:06:55,682 --> 00:07:00,954 ((亜季子:沙季 沙季…。 74 00:07:00,954 --> 00:07:04,457 沙季。 んっ…。 75 00:07:06,459 --> 00:07:08,795 んっ? ほら 着いたよ。 76 00:07:08,795 --> 00:07:12,132 うっ… んっ…。 77 00:07:12,132 --> 00:07:14,134 うわ~。 78 00:07:19,139 --> 00:07:21,808 (あくび) 79 00:07:21,808 --> 00:07:23,810 んっ…。 80 00:07:23,810 --> 00:07:27,480 かわいい。 81 00:07:27,480 --> 00:07:31,284 かっこいい! フフッ。 82 00:07:33,320 --> 00:07:36,323 (亜季子)ほんとに これでいいの? (沙季)うん。 83 00:07:36,323 --> 00:07:39,826 これがいい! 84 00:07:39,826 --> 00:07:42,329 ぐわ~! 85 00:07:42,329 --> 00:07:46,666 エヘヘヘ。 エヘヘ…。 86 00:07:46,666 --> 00:07:48,668 うん? 87 00:07:52,005 --> 00:07:54,007 あっ…。 88 00:08:02,615 --> 00:08:04,617 うわ~! 89 00:08:08,288 --> 00:08:11,624 お母さん! ほら これ!) 90 00:08:11,624 --> 00:08:15,128 (知也)へぇ~ 浅村 本屋で バイトしてるのか。 91 00:08:15,128 --> 00:08:17,130 (由美)そうなの? (悠太)うん。 92 00:08:17,130 --> 00:08:20,300 (圭介)本屋のバイトって 稼げるの? (大輔)どうなの? どうなの? 93 00:08:20,300 --> 00:08:24,304 (悠太)どうかな… 俺 他のバイトをしたことないから。 94 00:08:24,304 --> 00:08:27,307 (由美)でも 休み中 バイトと 夏期講習ばっかとか➡ 95 00:08:27,307 --> 00:08:29,809 偉いよね! (真綾)偉い! めっちゃ偉い! 96 00:08:29,809 --> 00:08:33,313 (大輔)俺なんて 寝てばっかりだったし。 97 00:08:33,313 --> 00:08:35,315 (悠太)偉くはないと思うけど…。 98 00:08:35,315 --> 00:08:39,152 (大輔)またまた 謙遜しちゃって。 99 00:08:39,152 --> 00:08:41,821 《沙季:そして 今日だ。 100 00:08:41,821 --> 00:08:47,827 私は そんなに 友達づきあいが 得意なほうじゃない。 101 00:08:47,827 --> 00:08:51,998 空気を読むことも苦手だし。 102 00:08:51,998 --> 00:08:56,836 でも 今日は そんなに苦しまずに済んだ。 103 00:08:56,836 --> 00:09:00,273 浅村君が いてくれたおかげだと思う。 104 00:09:00,273 --> 00:09:03,943 私よりも つきあいが うまい。 105 00:09:03,943 --> 00:09:09,449 でも 嫌なことは 嫌だって はっきり言う。 106 00:09:09,449 --> 00:09:13,453 私は そういうところに引かれるのだ》 107 00:09:13,453 --> 00:09:15,455 やっほ~! (はしゃぎ声) 108 00:09:15,455 --> 00:09:20,627 (はしゃぎ声) 109 00:09:20,627 --> 00:09:23,630 うぅ…。 110 00:09:23,630 --> 00:09:26,966 (笑い声) 111 00:09:26,966 --> 00:09:46,319 ♪~ 112 00:09:46,319 --> 00:09:48,988 (真綾)というわけで わりと さくっと遊べる➡ 113 00:09:48,988 --> 00:09:52,792 ビート板オセロをやりま~す! (一同)は~い! 114 00:09:54,828 --> 00:09:57,997 《沙季:彼は 自分が目立つことよりも➡ 115 00:09:57,997 --> 00:10:02,335 みんなが楽しめるようにばかり 考えていた。 116 00:10:02,335 --> 00:10:04,838 かっこいいと 私は思った》 117 00:10:08,174 --> 00:10:10,877 《沙季:誰も 気付かないようだけれど》 118 00:10:13,012 --> 00:10:15,615 《沙季:私だけが 気付いたのかな》 119 00:10:17,684 --> 00:10:22,355 《沙季:なんだか ちょっと 誇らしく感じて…。 120 00:10:22,355 --> 00:10:26,192 怖くなった》 121 00:10:26,192 --> 00:10:29,362 ああ… 目立つ活躍をして➡ 122 00:10:29,362 --> 00:10:32,532 失敗するリスクを 負いたくないだけだよ。 123 00:10:32,532 --> 00:10:37,203 せっかくの チーム戦だし。 そう? 124 00:10:37,203 --> 00:10:41,207 まあ 客観的事実は どうでもよくて➡ 125 00:10:41,207 --> 00:10:44,711 私が 主観的に 褒めたかっただけだから。 126 00:10:44,711 --> 00:10:48,548 それを かっこいいと思ったってだけ。 127 00:10:48,548 --> 00:10:51,050 アシストに徹する裏方みたいで。 128 00:10:53,219 --> 00:10:56,556 裏方って かっこいいかな? 129 00:10:56,556 --> 00:10:59,392 (沙季) 価値基準は 人それぞれでしょ? 130 00:10:59,392 --> 00:11:04,497 あっ… まあ 違いないか。 131 00:11:04,497 --> 00:11:07,500 そこまで言われると てれるけど。 132 00:11:14,507 --> 00:11:16,843 (沙季)まあ それだけ。 133 00:11:16,843 --> 00:11:36,863 ♪~ 134 00:11:36,863 --> 00:11:45,538 ♪~ 135 00:11:45,538 --> 00:11:49,709 (沙季)さ~て… もう少し 泳いでこようかな。 136 00:11:49,709 --> 00:12:01,487 ♪~ 137 00:12:01,487 --> 00:12:04,490 よっしゃ! そら こっちだ! (笑い声) 138 00:12:04,490 --> 00:12:15,602 (笑い声) 139 00:12:21,341 --> 00:12:23,343 《悠太:あれ?》 140 00:12:23,343 --> 00:12:43,196 ♪~ 141 00:12:43,196 --> 00:12:45,198 《好きだ》 142 00:12:54,374 --> 00:12:58,378 《正直 女性は苦手だった。 143 00:12:58,378 --> 00:13:02,148 おやじと母親の姿を 見てきたから…。 144 00:13:02,148 --> 00:13:07,153 男女関係というものを 冷めた目で見てきた。 145 00:13:07,153 --> 00:13:09,155 だから 俺は➡ 146 00:13:09,155 --> 00:13:12,859 これまで 誰かに恋するなんて 経験はなかった》 147 00:13:14,827 --> 00:13:18,498 《なのに… 大勢が➡ 148 00:13:18,498 --> 00:13:22,669 それは すばらしく 尊いものだと言う その感情…。 149 00:13:22,669 --> 00:13:28,007 それが こんなにも あっさりと。 150 00:13:28,007 --> 00:13:33,012 なんで 今… どうして よりによって…》 151 00:13:35,181 --> 00:13:37,684 《彼女は 妹だ。 152 00:13:37,684 --> 00:13:42,689 だけど 彼女は 綾瀬さん。 153 00:13:42,689 --> 00:13:46,693 義理の… 妹なんだ》 154 00:13:49,362 --> 00:13:52,031 (沙季)真綾と ずいぶん 仲よくなったね。 155 00:13:52,031 --> 00:13:54,534 えっ? ああ まあ…。 156 00:13:54,534 --> 00:13:57,537 誘ってくれた お礼も 言いたかったし…。 157 00:13:57,537 --> 00:14:00,807 すごく気を使ってもらって…。 158 00:14:00,807 --> 00:14:03,142 俺も楽しめた。 159 00:14:03,142 --> 00:14:05,812 すごいよね 奈良坂さんって。 160 00:14:05,812 --> 00:14:08,648 ありがとう。 えっ? 161 00:14:08,648 --> 00:14:13,653 友達だからさ 褒めてくれて うれしい。 162 00:14:13,653 --> 00:14:15,655 あっ…。 163 00:14:15,655 --> 00:14:19,859 羽は伸ばせた? (沙季)おかげさまでね。 164 00:14:23,996 --> 00:14:25,998 んっ? 165 00:14:25,998 --> 00:14:28,668 えっ? 166 00:14:28,668 --> 00:14:32,505 小さいころから プールで泳ぐのが好きだった。 167 00:14:32,505 --> 00:14:38,344 だから 久しぶりに 気持ちよく泳げて 楽しかった。 168 00:14:38,344 --> 00:14:42,849 浅村君に言われたとおりにして よかった。 169 00:14:42,849 --> 00:14:45,017 フフッ。 170 00:14:45,017 --> 00:14:49,322 あっ… いや 俺は 別に…。 171 00:14:53,526 --> 00:14:55,528 綾瀬さ…。 172 00:14:59,198 --> 00:15:09,809 ♪~ 173 00:15:09,809 --> 00:15:12,478 びっくりした。 174 00:15:12,478 --> 00:15:15,481 今日 浴衣の人 多かったもんね。 175 00:15:15,481 --> 00:15:26,826 ♪~ 176 00:15:26,826 --> 00:15:31,831 (沙季)浅村君は 本当に 人のことを よく見てる。 177 00:15:31,831 --> 00:15:35,134 えっ? 尊敬しちゃうな。 178 00:15:39,005 --> 00:15:41,674 そう… かな。 179 00:15:41,674 --> 00:15:45,678 うん。 私は そう思う。 180 00:15:45,678 --> 00:15:49,348 《沙季:今 言わなければと思った》 181 00:15:49,348 --> 00:15:52,018 人の苦労を ちゃんと見てる。 182 00:15:52,018 --> 00:15:54,353 プールでも言ったけれどさ➡ 183 00:15:54,353 --> 00:15:58,524 私は そういうところ かっこいいと思う。 184 00:15:58,524 --> 00:16:02,795 《沙季:私には 彼が まぶしく見えてる。 185 00:16:02,795 --> 00:16:05,965 かっこよく 見えてしまっている》 186 00:16:05,965 --> 00:16:08,801 いいなって思うよ。 187 00:16:08,801 --> 00:16:10,803 《沙季:だから…》 188 00:16:14,640 --> 00:16:16,642 兄さん。 189 00:16:22,648 --> 00:16:25,818 (沙季) えっと その… 驚いちゃった? 190 00:16:25,818 --> 00:16:28,487 でも 私のこと 気にかけて➡ 191 00:16:28,487 --> 00:16:32,158 私のために いろいろ 動いてくれた。 192 00:16:32,158 --> 00:16:38,164 まるで 頼りになる 本物の兄みたいだなって。 193 00:16:38,164 --> 00:16:40,666 うれしいよ 綾瀬さん。 194 00:16:40,666 --> 00:16:45,338 アハハ… でも やっぱり しっくりは こないね。 195 00:16:45,338 --> 00:16:50,042 んっ… そんなことないよ。 そうかな。 196 00:16:52,178 --> 00:16:55,181 《悠太:正直 助かった。 197 00:16:55,181 --> 00:16:59,018 不意打ちの その呼び方のおかげで➡ 198 00:16:59,018 --> 00:17:01,787 俺は 我に返ることができた。 199 00:17:01,787 --> 00:17:06,792 綾瀬さんの好意的な態度も 褒め言葉も➡ 200 00:17:06,792 --> 00:17:10,296 あくまで 兄に対してのもの。 201 00:17:10,296 --> 00:17:13,799 彼女は 信頼してくれている。 202 00:17:13,799 --> 00:17:17,136 なのに 俺という男は➡ 203 00:17:17,136 --> 00:17:19,805 ルールを破ろうとしていたなんて…》 204 00:17:19,805 --> 00:17:21,807 (自転車の止まる音) 205 00:17:29,649 --> 00:17:31,817 だめだ…。 206 00:17:31,817 --> 00:17:35,321 どんな顔して 家に帰ればいいんだよ…。 207 00:17:37,323 --> 00:17:42,328 《沙季:指先が震えていたことに 気付いていなければいい。 208 00:17:42,328 --> 00:17:45,998 自分自身に 言い聞かせなければならない。 209 00:17:45,998 --> 00:17:49,502 私たちは 兄妹なのだぞと。 210 00:17:49,502 --> 00:17:54,507 でも もしも…。 211 00:17:54,507 --> 00:17:58,344 浅村君が 私のことを好きでいてくれて➡ 212 00:17:58,344 --> 00:18:01,948 その気持ちを伝えてくれたら…。 213 00:18:01,948 --> 00:18:04,450 その気持ちを 正しく拒絶することが➡ 214 00:18:04,450 --> 00:18:07,453 できるのだろうか? 215 00:18:07,453 --> 00:18:10,289 怖い…。 216 00:18:10,289 --> 00:18:15,795 彼が 一歩 踏み出してしまったら 私は きっと…》 217 00:18:18,464 --> 00:18:21,467 《沙季:完全に 崩れる》 218 00:18:21,467 --> 00:18:28,975 📱(アラーム音) 219 00:18:28,975 --> 00:18:31,644 (沙季)あれ? お母さん 仕事は? 220 00:18:31,644 --> 00:18:35,815 休み 取ったの! 悠太のやつ まだ 寝てるのか? 221 00:18:35,815 --> 00:18:39,986 疲れてるのよ。 もう少し 寝かせてあげましょ。 222 00:18:39,986 --> 00:18:42,989 (太一) 沙季ちゃんは 今日も バイトかい? 223 00:18:42,989 --> 00:18:45,324 昨日と今日は 休みです。 224 00:18:45,324 --> 00:18:47,660 (亜季子)悠太君も? うん。 225 00:18:47,660 --> 00:18:51,163 まあ! じゃあ ゆっくり 団らんできそう! 226 00:18:51,163 --> 00:18:53,100 一家4人で。 んっ…。 227 00:18:53,100 --> 00:18:56,002 《沙季:よかったね。 228 00:18:56,002 --> 00:19:01,440 今までが つらかった分 たくさん 幸せになってほしい。 229 00:19:01,440 --> 00:19:04,777 だから… ねっ。 230 00:19:04,777 --> 00:19:09,281 私は 自分の気持ちを封印するよ。 231 00:19:09,281 --> 00:19:12,952 お母さんと お義父さんの幸せを 壊したくない。 232 00:19:12,952 --> 00:19:16,956 浅村君を困らせたくない》 233 00:19:16,956 --> 00:19:32,805 ♪~ 234 00:19:32,805 --> 00:19:35,141 《沙季:どうか…。 235 00:19:35,141 --> 00:19:38,644 この感情が ばれませんように》 236 00:19:38,644 --> 00:19:41,981 あっ… んっ…。 237 00:19:41,981 --> 00:19:44,483 あっ ハァ…。 238 00:19:44,483 --> 00:19:48,654 (亜季子)沙季から聞いたわ。 バイト お休みなんでしょ? 239 00:19:48,654 --> 00:19:50,656 あっ はい。 (太一)この時間だと➡ 240 00:19:50,656 --> 00:19:55,161 予備校も サボり確定だもんな。 アハハハハハハ! 241 00:19:55,161 --> 00:19:58,497 もしかして わかってて 起こさなかったの? 242 00:19:58,497 --> 00:20:02,334 たまには こういうのも いいもんだぞ。 243 00:20:02,334 --> 00:20:04,503 ハァ…。 244 00:20:04,503 --> 00:20:08,174 ありがとう 悠太君。 えっ? 245 00:20:08,174 --> 00:20:11,677 沙季を プールに連れてってくれて。 246 00:20:11,677 --> 00:20:14,180 ああ… いえ。 247 00:20:14,180 --> 00:20:17,850 誘ってくれたのは 綾瀬さんの友達なんで。 248 00:20:17,850 --> 00:20:20,352 フフッ… でも➡ 249 00:20:20,352 --> 00:20:23,522 悠太君が 強引にでも引っ張らなかったら➡ 250 00:20:23,522 --> 00:20:25,858 あの子 たぶん 行かなかったわ。 251 00:20:25,858 --> 00:20:28,694 あっ…。 252 00:20:28,694 --> 00:20:32,364 そう… かもしれませんね。 253 00:20:32,364 --> 00:20:36,702 悠太君が お兄ちゃんで ほんとに よかった。 254 00:20:36,702 --> 00:20:39,538 あっ… んっ…。 255 00:20:39,538 --> 00:20:43,042 (亜季子) そうだ 悠太君。 沙季の好物! 256 00:20:43,042 --> 00:20:45,211 (悠太)あっ 前に話してた…。 257 00:20:45,211 --> 00:20:48,047 (亜季子)うん。 教えとくね。 258 00:20:48,047 --> 00:20:50,549 はい。 ああ。 259 00:20:50,549 --> 00:20:52,885 あっ。 へぇ~ これが…。 260 00:20:52,885 --> 00:20:55,888 (沙季)ただいま。 おかえり。 261 00:20:55,888 --> 00:21:00,159 あら 新鮮! おかえりなさ…。 262 00:21:00,159 --> 00:21:03,329 お~! 雰囲気 変わるね。 263 00:21:03,329 --> 00:21:05,531 (亜季子)似合ってるわ。 (太一)うん! 264 00:21:08,167 --> 00:21:11,871 おかえりなさい… 綾瀬さん。 265 00:21:14,507 --> 00:21:18,310 フフッ… ただいま 兄さん。 266 00:21:26,352 --> 00:21:31,357 《沙季:日記を取り出して これまでの分を読み返した。 267 00:21:31,357 --> 00:21:34,860 自分が 思ったよりも正直に➡ 268 00:21:34,860 --> 00:21:38,864 日記を つづっていたのだと 気付かされる。 269 00:21:38,864 --> 00:21:41,367 こんなにも…。 270 00:21:41,367 --> 00:21:44,537 彼に引かれていく 自分の感情が➡ 271 00:21:44,537 --> 00:21:46,839 そのまま つづられている》 272 00:22:19,338 --> 00:22:22,675 《沙季:だけど 今週の私の日記は➡ 273 00:22:22,675 --> 00:22:26,011 私の頭の中にだけ 存在する。 274 00:22:26,011 --> 00:22:28,180 文章にして 残してしまったら➡ 275 00:22:28,180 --> 00:22:31,684 何かの拍子に 彼の目に 触れないともかぎらない》 276 00:22:58,544 --> 00:23:03,549 《沙季:二度と 自分の感情を 書き残すようなことはしない》 277 00:23:05,651 --> 00:23:07,653 《沙季:思い出を 振り返るのは➡ 278 00:23:07,653 --> 00:23:10,823 頭の中だけにする。 279 00:23:10,823 --> 00:23:13,158 私が送るべき生活は➡ 280 00:23:13,158 --> 00:23:17,062 彼に 女の子として 接するのではなく…》 281 00:23:20,332 --> 00:23:24,003 《沙季:あくまで 妹。 282 00:23:24,003 --> 00:23:27,840 義妹として 接する生活だ。 283 00:23:27,840 --> 00:23:33,145 この義妹生活に もう 日記は いらない》