1 00:01:40,534 --> 00:01:43,537 《沙季:7月16日 木曜日》 2 00:01:45,539 --> 00:01:49,710 《沙季:苦手なんだよな~ 小説問題。 3 00:01:49,710 --> 00:01:52,546 文章を くみ取ることだけに集中して➡ 4 00:01:52,546 --> 00:01:56,717 問題の全部を理解しないまま 進めればいいのに➡ 5 00:01:56,717 --> 00:01:59,419 どうしても それができない》 6 00:02:01,321 --> 00:02:06,827 《沙季:人間同士の すれ違いや 思い悩む様が 意味不明で➡ 7 00:02:06,827 --> 00:02:08,829 全然 わからない》 8 00:02:10,831 --> 00:02:15,836 《沙季:んっ… わかってる。 ただの ひねくれ者だって。 9 00:02:15,836 --> 00:02:21,842 それにしても 浅村君 勉強の教え方 うまいな。 10 00:02:21,842 --> 00:02:29,516 正直 ちょっと 諦めてたんだけど おかげで 希望が持てそう。 11 00:02:29,516 --> 00:02:32,519 ありがとね。 12 00:02:32,519 --> 00:02:37,024 7月17日 金曜日。 13 00:02:37,024 --> 00:02:41,361 お薦めしてくれた音楽 すごく いい。 14 00:02:41,361 --> 00:02:45,666 わざわざ 調べてきてくれた 浅村君には 感謝しなくちゃ》 15 00:03:02,149 --> 00:03:06,653 《沙季:おかしい。 ベッドに入って 目を閉じると➡ 16 00:03:06,653 --> 00:03:10,824 余計な考えが 脳裏に よぎってしまう。 17 00:03:10,824 --> 00:03:13,660 浅村君が これを教えてもらったの➡ 18 00:03:13,660 --> 00:03:16,997 バイト先の 美人の先輩なんだよね。 19 00:03:16,997 --> 00:03:19,166 どうでもいいけど。 20 00:03:19,166 --> 00:03:21,668 なんで どうでもいいと思っているのに➡ 21 00:03:21,668 --> 00:03:24,571 わざわざ 日記に書かずに いられないんだろう》 22 00:03:27,841 --> 00:03:30,010 《沙季:よくわからない。 23 00:03:30,010 --> 00:03:32,846 どう考えても 筋が通ってない。 24 00:03:32,846 --> 00:03:38,018 私が これを書く権利なんて 何もないはずなのに。 25 00:03:38,018 --> 00:03:40,854 でも 書く。 26 00:03:40,854 --> 00:03:45,525 いいよね 自己満足で。 27 00:03:45,525 --> 00:03:48,528 浅村君の帰りが遅かった。 28 00:03:48,528 --> 00:03:50,864 バイト先の女の子。 29 00:03:50,864 --> 00:03:55,035 そんな連絡 私は受けてない。 30 00:03:55,035 --> 00:03:57,204 いや わかってる。 31 00:03:57,204 --> 00:04:02,309 私に 話を通す理由なんて 何もないんだから。 32 00:04:02,309 --> 00:04:06,113 もしかして あの人なのかな?》 33 00:04:08,315 --> 00:04:11,118 《沙季:だとしたら 嫌だな》 34 00:04:13,320 --> 00:04:17,157 《沙季:ああ… やっぱり これ 文字にすると➡ 35 00:04:17,157 --> 00:04:21,828 本当の感情と 違う出力が されてる気がする。 36 00:04:21,828 --> 00:04:25,332 知ってる単語の中で いちばん近いのが➡ 37 00:04:25,332 --> 00:04:28,001 「嫌」なんだけど。 38 00:04:28,001 --> 00:04:30,003 ほんと 最悪。 39 00:04:30,003 --> 00:04:32,339 その人のことも 知りもしないで➡ 40 00:04:32,339 --> 00:04:35,509 自分に嫌気が差す。 41 00:04:35,509 --> 00:04:37,677 自己嫌悪。 42 00:04:37,677 --> 00:04:39,679 もやもやする》 43 00:04:41,848 --> 00:04:45,185 《沙季:なんとなく 浅村君が帰ってきたら➡ 44 00:04:45,185 --> 00:04:48,188 「おかえり」と 声をかけたいと思い➡ 45 00:04:48,188 --> 00:04:52,592 自分の部屋じゃなくて リビングで 勉強することにした》 46 00:04:55,028 --> 00:04:58,698 《沙季:結局 浅村君が帰ってくる時間まで➡ 47 00:04:58,698 --> 00:05:01,301 起きていられなかった。 48 00:05:01,301 --> 00:05:04,304 「おかえり」も できなかった。 49 00:05:04,304 --> 00:05:08,975 そういえば タオルケットが掛けられてたけど…。 50 00:05:08,975 --> 00:05:13,647 たぶん…。 そう考えたら➡ 51 00:05:13,647 --> 00:05:16,483 なんとなく 昨夜 感じていた もやもやが➡ 52 00:05:16,483 --> 00:05:19,653 少し 晴れたような。 53 00:05:19,653 --> 00:05:23,490 読売栞。 54 00:05:23,490 --> 00:05:26,493 きれいな名前だなって思う。 55 00:05:26,493 --> 00:05:29,829 本を愛し 本に愛され➡ 56 00:05:29,829 --> 00:05:34,834 そして 本を愛する人に 愛されそうな名前。 57 00:05:34,834 --> 00:05:39,005 それに 大学生だからなのかな? 58 00:05:39,005 --> 00:05:41,341 とても 大人っぽくて➡ 59 00:05:41,341 --> 00:05:44,844 それでいて ただ 美人なだけじゃなくて➡ 60 00:05:44,844 --> 00:05:48,348 かわいらしい 愛きょうみたいなのもあって。 61 00:05:48,348 --> 00:05:53,520 本当に… お似合いだなって思う。 62 00:05:53,520 --> 00:05:58,625 あんな人と 一緒になれたら 浅村君も…》 63 00:06:03,964 --> 00:06:06,466 《沙季:本屋か。 64 00:06:06,466 --> 00:06:11,471 効率のいい高額バイトとは 呼べないかもしれないけれど➡ 65 00:06:11,471 --> 00:06:14,307 変な近道をしようとせずに➡ 66 00:06:14,307 --> 00:06:17,644 こつこつと続けていくなら ありかも。 67 00:06:17,644 --> 00:06:20,647 でも どうだろう。 68 00:06:20,647 --> 00:06:23,316 さすがに 気持ち悪いかな? 69 00:06:23,316 --> 00:06:27,988 義理とはいえ 兄のバイト先の面接を 受けに行くなんて➡ 70 00:06:27,988 --> 00:06:30,991 普通は やらないよね。 71 00:06:30,991 --> 00:06:36,162 今日は 再テスト前 最後の追い込み。 72 00:06:36,162 --> 00:06:38,832 手伝ってくれた 浅村君や 真綾には➡ 73 00:06:38,832 --> 00:06:41,501 本当に感謝してる。 74 00:06:41,501 --> 00:06:45,005 早く寝て すっきり起きて➡ 75 00:06:45,005 --> 00:06:47,340 頭を働かせて 挑みたいから➡ 76 00:06:47,340 --> 00:06:50,510 日記も短めに。 77 00:06:50,510 --> 00:06:54,180 酢豚 おいしかったよ。 78 00:06:54,180 --> 00:06:57,684 ありがとう 2人とも》 79 00:07:02,622 --> 00:07:05,458 《沙季:再テスト クリア。 80 00:07:05,458 --> 00:07:08,628 結果が出たあとなら いくらでも言えるけど➡ 81 00:07:08,628 --> 00:07:13,967 正直 昨日ぐらいで もう 合格は確信してた。 82 00:07:13,967 --> 00:07:17,971 浅村君のおかげ。 真綾も ありがとう。 83 00:07:17,971 --> 00:07:23,643 何はともあれ これで 夏休みは 自由に 時間を使えそうだ。 84 00:07:23,643 --> 00:07:28,348 勉強をしながら こつこつと アルバイトで お金をためられる》 85 00:07:30,317 --> 00:07:34,821 《沙季:ポスターを見ていたら 声をかけられた。 86 00:07:34,821 --> 00:07:39,659 思わず 「そうです」って言ってしまった。 87 00:07:39,659 --> 00:07:42,329 もう 引き返せない。 88 00:07:42,329 --> 00:07:46,333 面接の練習 家で やっても よかったんだけど➡ 89 00:07:46,333 --> 00:07:51,004 もし 浅村君がいたらと思うと 気まずかった。 90 00:07:51,004 --> 00:07:53,506 聞かれたら 軽く死ねる。 91 00:07:53,506 --> 00:07:56,343 「なんで あの書店で バイトする気になったの?」とか➡ 92 00:07:56,343 --> 00:08:00,280 質問されても 答えられないし。 93 00:08:00,280 --> 00:08:03,283 私だって わからないんだから➡ 94 00:08:03,283 --> 00:08:05,485 無理だよ そんなの》 95 00:08:07,454 --> 00:08:11,458 《沙季:心配させて ごめん。 帰りが遅くなりそうだから➡ 96 00:08:11,458 --> 00:08:15,462 連絡しようかなと 思ったんだけど…。 97 00:08:15,462 --> 00:08:18,131 そうしたら どうして遅くなるのか➡ 98 00:08:18,131 --> 00:08:21,634 説明しなきゃいけなくなりそうで。 99 00:08:21,634 --> 00:08:24,304 ハァ… 言えるわけない。 100 00:08:24,304 --> 00:08:29,142 最近 感じている もやもやした感情の正体と➡ 101 00:08:29,142 --> 00:08:31,978 向き合わなきゃ いけなくなりそうで。 102 00:08:31,978 --> 00:08:34,647 せめてもの償いに➡ 103 00:08:34,647 --> 00:08:39,152 今日は 取って置きの ごちそうを 振る舞うことに決めた。 104 00:08:39,152 --> 00:08:41,321 おいしい物を食べてもらえば➡ 105 00:08:41,321 --> 00:08:45,658 少しは 許される気がするから。 106 00:08:45,658 --> 00:08:47,660 許されなくても➡ 107 00:08:47,660 --> 00:08:52,832 受け入れるしかない… かな。 108 00:08:52,832 --> 00:08:54,834 帰りが遅くなった理由は➡ 109 00:08:54,834 --> 00:08:57,837 「百貨店に寄ってたから」で 押し通そう。 110 00:08:57,837 --> 00:08:59,939 連絡がつかなかったのも➡ 111 00:08:59,939 --> 00:09:02,442 「電池が切れてたから」で いいよね》 112 00:09:04,611 --> 00:09:07,113 《沙季:うそをついているうちに➡ 113 00:09:07,113 --> 00:09:11,618 だんだんと 頭の中で 違和感の芽が成長していく》 114 00:09:15,121 --> 00:09:17,624 《沙季:私は 怖いんだ》 115 00:09:19,793 --> 00:09:22,462 《沙季:今 感じてしまっていること。 116 00:09:22,462 --> 00:09:25,799 なんとなく 自分が どうなってしまっているのか➡ 117 00:09:25,799 --> 00:09:27,967 彼のことを どう感じているのかを➡ 118 00:09:27,967 --> 00:09:30,970 理解してしまっているから。 119 00:09:30,970 --> 00:09:33,473 その たった ひと言の感情を➡ 120 00:09:33,473 --> 00:09:38,978 日記に 文章として残すことさえ ためらってしまう。 121 00:09:38,978 --> 00:09:42,482 んっ… 皮肉すぎる。 122 00:09:42,482 --> 00:09:47,487 私自身が 小説の登場人物みたいに なってしまうなんて》 123 00:09:49,823 --> 00:09:52,158 《沙季:もう 逃げられない。 124 00:09:52,158 --> 00:09:56,830 バイトの面接 あんなに あっさりと決まるなんて。 125 00:09:56,830 --> 00:10:01,334 浅村君に 説明しなくちゃいけないんだ。 126 00:10:01,334 --> 00:10:05,505 浅村君に説明するのは 怖い。 127 00:10:05,505 --> 00:10:11,010 怖いけど… でも 同時に ほっとしている自分もいた》 128 00:10:13,513 --> 00:10:16,349 《沙季:ほっとするに決まってる。 129 00:10:16,349 --> 00:10:20,019 だって ようやく この もやもやした感情から➡ 130 00:10:20,019 --> 00:10:22,021 解放されるんだから》 131 00:10:25,024 --> 00:10:27,861 《沙季:私の知らない 浅村君。 132 00:10:27,861 --> 00:10:32,532 私の知らない 浅村君と読売さんの関係。 133 00:10:32,532 --> 00:10:36,703 そこに 少しでも 触れられるんだとしたら➡ 134 00:10:36,703 --> 00:10:40,039 この もやもやした 気持ちの悪い感情も➡ 135 00:10:40,039 --> 00:10:42,041 少しは 和らいでくれる》 136 00:10:44,210 --> 00:10:46,613 《沙季:そう… 思う》 137 00:10:48,882 --> 00:10:52,719 《沙季:ハァ… ほんと 信じられない。 138 00:10:52,719 --> 00:10:58,057 なんで 私 行動の主導権を 彼に握られているんだろう。 139 00:10:58,057 --> 00:11:00,660 浅村君は 何もしてない。 140 00:11:00,660 --> 00:11:04,664 ただ 私が勝手に 自ら 鎖で つながれに行って➡ 141 00:11:04,664 --> 00:11:08,334 勝手に 縛られているだけ。 142 00:11:08,334 --> 00:11:13,139 ほんと 笑ってしまうほど 滑稽な感情だ》 143 00:11:16,509 --> 00:11:20,680 《沙季:どうせ 誰にも読ませるつもりないし➡ 144 00:11:20,680 --> 00:11:26,019 自分を戒めるために はっきり 書いておこうかな。 145 00:11:26,019 --> 00:11:28,188 鍵付きの引き出しの奥に➡ 146 00:11:28,188 --> 00:11:31,191 しっかり 保管しておけば 大丈夫だよね》 147 00:11:35,028 --> 00:11:39,132 《沙季:ここで 問題です。 私 綾瀬沙季》 148 00:11:43,870 --> 00:11:49,042 《沙季:お前の醜い感情の正体を ひと言で述べよ》 149 00:11:49,042 --> 00:11:53,546 (太一)う~ん! 今日も 最高に おいしいね。 150 00:11:53,546 --> 00:11:56,049 (沙季)そんな 普通ですよ。 151 00:11:56,049 --> 00:11:59,886 はい 浅村君。 (悠太)ありがとう 綾瀬さん。 152 00:11:59,886 --> 00:12:01,821 悠太も 沙季ちゃんも➡ 153 00:12:01,821 --> 00:12:04,324 いまだに 名字で呼び合ってるんだな。 154 00:12:04,324 --> 00:12:07,660 (亜季子) まだ 名前で呼ぶの恥ずかしい? 155 00:12:07,660 --> 00:12:09,829 あっ…。 156 00:12:09,829 --> 00:12:13,666 う~ん… 例えば 「悠太兄さん」とか? 157 00:12:13,666 --> 00:12:16,669 しっくりこないから。 そう? 158 00:12:16,669 --> 00:12:19,839 そう。 悠太もかい? 159 00:12:19,839 --> 00:12:24,344 綾瀬さんと同じ。 しっくりこない… かな。 160 00:12:24,344 --> 00:12:28,181 (太一) う~ん… まあ そういうもんか。 161 00:12:28,181 --> 00:12:32,185 (亜季子) 今日も 2人とも バイトなの? 162 00:12:32,185 --> 00:12:37,023 はい。 昼前には 家を出ようかなって。 私も。 163 00:12:37,023 --> 00:12:39,525 そんなに働いてばかりで いいのかい? 164 00:12:39,525 --> 00:12:41,694 8月も 半ば過ぎだぞ? 165 00:12:41,694 --> 00:12:45,198 心配しなくても 夏期講習 ちゃんと行ってるよ。 166 00:12:45,198 --> 00:12:48,201 いや… それは どうでもいいんだけど。 167 00:12:48,201 --> 00:12:51,704 んっ? (太一)2人とも 夏休みなのに➡ 168 00:12:51,704 --> 00:12:54,207 どこにも遊びに行ってない みたいだからさ。 169 00:12:54,207 --> 00:12:56,709 んっ… そっちかよ。 170 00:12:56,709 --> 00:12:59,979 (太一)大事なことだぞ。 3年生になったら➡ 171 00:12:59,979 --> 00:13:02,982 受験に集中しなくちゃ いけないだろうし。 172 00:13:02,982 --> 00:13:05,318 (亜季子)そうね。 沙季も➡ 173 00:13:05,318 --> 00:13:08,321 ちょっと 根を詰めちゃうところが あるから。 174 00:13:08,321 --> 00:13:11,491 (太一)友達だって 寂しがってるかもしれないぞ。 175 00:13:11,491 --> 00:13:15,995 んっ…。 もともと 友達 少ないし…。 176 00:13:15,995 --> 00:13:18,498 ああ 俺はね。 177 00:13:18,498 --> 00:13:20,500 綾瀬さんの友達なら…。 178 00:13:20,500 --> 00:13:23,803 予定はないよ。 あっ… ああ。 179 00:13:26,005 --> 00:13:28,508 (ノック) 180 00:13:28,508 --> 00:13:32,345 んっ? はい。 181 00:13:32,345 --> 00:13:35,682 真綾のことなら 気にしないで。 えっ? 182 00:13:35,682 --> 00:13:38,851 夏休みに遊んだりする 間柄じゃないから。 183 00:13:38,851 --> 00:13:40,853 ああ…。 184 00:13:40,853 --> 00:13:44,691 ごめん。 別に 怒ってるとかじゃないから。 185 00:13:44,691 --> 00:13:48,695 真綾とは もともと そんなに 遊んでるわけじゃないの。 186 00:13:48,695 --> 00:13:50,697 何度か うちに来てたけど。 187 00:13:50,697 --> 00:13:54,701 そりゃ 浅村君に興味津々だったし。 188 00:13:54,701 --> 00:13:58,204 あと この前みたいに 私から誘ったときとかね。 189 00:14:00,139 --> 00:14:02,308 (沙季)あの子 面倒見いいから。 190 00:14:02,308 --> 00:14:06,479 誘わなければ 何もなし。 お互いにね。 191 00:14:06,479 --> 00:14:10,316 まあ その感覚 わからなくはないか。 192 00:14:10,316 --> 00:14:13,653 俺も 他人と 仲よく遊ぶタイプでもないし。 193 00:14:13,653 --> 00:14:15,988 (沙季)孤独が好きなの? 194 00:14:15,988 --> 00:14:19,492 (悠太)孤独のほうが好き… かな。 195 00:14:19,492 --> 00:14:24,163 (沙季)そっか。 じゃあ この話は おしまい。 196 00:14:24,163 --> 00:14:26,499 また あとで。 197 00:14:26,499 --> 00:14:29,168 んっ…。 (ドアの閉まる音) 198 00:14:29,168 --> 00:14:32,872 (栞)ありがとう。 (悠太)いいえ。 199 00:14:45,184 --> 00:14:48,688 仕事 覚えるの 早いよね。 200 00:14:48,688 --> 00:14:52,024 (悠太)ありがとうございました。 201 00:14:52,024 --> 00:14:56,696 んっ… 綾瀬さん 大丈夫かな? 202 00:14:56,696 --> 00:14:59,699 あっ…。 203 00:14:59,699 --> 00:15:03,803 (栞)フォローしに行ってあげて。 204 00:15:03,803 --> 00:15:05,805 はい。 205 00:15:08,474 --> 00:15:10,476 (悠太)綾瀬さん。 んっ…。 206 00:15:10,476 --> 00:15:12,979 浅村さん。 207 00:15:12,979 --> 00:15:17,984 検索は? まだ 5冊以上 在庫あるって出て…。 208 00:15:17,984 --> 00:15:21,654 う~ん… 新刊だよね。 209 00:15:21,654 --> 00:15:24,357 平台には なかった? うん。 210 00:15:26,325 --> 00:15:28,327 あっ…。 211 00:15:38,171 --> 00:15:41,007 あっ… すごい! どうして? 212 00:15:41,007 --> 00:15:44,610 お客様 待ってるから。 あっ うん。 213 00:15:47,346 --> 00:15:49,348 (沙季)今日は ありがとう。 214 00:15:49,348 --> 00:15:52,852 でも どうして わかったの? 超能力みたい。 215 00:15:52,852 --> 00:15:56,856 (悠太)あの新刊 ポップに 「8月22日 発売」って➡ 216 00:15:56,856 --> 00:15:58,858 書いてあったんだよ。 217 00:15:58,858 --> 00:16:03,129 でも さっき いちばん上にあった 新刊本の発売日は➡ 218 00:16:03,129 --> 00:16:06,466 もっと早かったって 思い出したんだ。 219 00:16:06,466 --> 00:16:08,801 (沙季)全然 気付かなかった。 220 00:16:08,801 --> 00:16:12,805 (悠太)フッ… ほら 一応 先輩だし。 221 00:16:12,805 --> 00:16:15,308 (沙季)それでも すごいと思う。 222 00:16:15,308 --> 00:16:19,812 (悠太)読売先輩なら たぶん もっと早く 見つけてる。 223 00:16:19,812 --> 00:16:21,814 (沙季)そう…。 224 00:16:31,490 --> 00:16:34,494 まだまだ 夏だね。 もう 秋なんだ…。 225 00:16:34,494 --> 00:16:36,495 えっ? はっ? 226 00:16:36,495 --> 00:16:39,499 もしかして この暑さの話? 227 00:16:39,499 --> 00:16:43,336 そっちは? あれだけど。 228 00:16:43,336 --> 00:16:46,839 (悠太)あれが 秋? 229 00:16:46,839 --> 00:16:49,342 えっ 本気で言ってる? 230 00:16:49,342 --> 00:16:53,679 だって あの子たち 昨日まで 違う服を着てたでしょ? 231 00:16:53,679 --> 00:16:56,682 そうだっけ? うそ…。 232 00:16:56,682 --> 00:17:00,953 浅村君って ファッションとか 興味ない人だっけ? 233 00:17:00,953 --> 00:17:05,958 俺が ファッション雑誌 読んでるの 見たことある? 234 00:17:05,958 --> 00:17:08,127 そっか…。 235 00:17:08,127 --> 00:17:12,298 ほんとに興味ないと そこまで 気付かないものなんだ。 236 00:17:12,298 --> 00:17:14,500 フッ… そうみたいだね。 237 00:17:17,136 --> 00:17:19,305 まあ 浅村君は➡ 238 00:17:19,305 --> 00:17:21,474 アパレルで バイトする気はなさそうだから➡ 239 00:17:21,474 --> 00:17:24,977 問題ないか。 なんの話? 240 00:17:24,977 --> 00:17:28,981 んっ… なんでもないよ。 241 00:17:35,821 --> 00:17:39,158 (悠太)故障? う~ん… これ➡ 242 00:17:39,158 --> 00:17:41,827 いちばん古いやつだからな。 (操作音) 243 00:17:41,827 --> 00:17:44,830 綾瀬さんは 部屋? ええ。 244 00:17:44,830 --> 00:17:48,668 悠太君が起きてくる 少し前まで いたんだけど➡ 245 00:17:48,668 --> 00:17:52,505 あの子 あんまり 暑いの 得意じゃないから。 246 00:17:52,505 --> 00:17:54,674 そうなんですか? 247 00:17:54,674 --> 00:17:58,177 子どものころは 大変だったのよ。 248 00:18:00,446 --> 00:18:04,617 (亜季子)夏になると アイス ねだってきたり➡ 249 00:18:04,617 --> 00:18:09,121 プールに連れてけって だだ こねたり。 250 00:18:09,121 --> 00:18:13,626 中学に上がったころから そういうの なくなって…。 251 00:18:13,626 --> 00:18:17,630 今みたいな感じになっちゃって。 252 00:18:17,630 --> 00:18:23,336 手は かからないけど それは それで さみしいものね。 253 00:18:27,306 --> 00:18:30,142 ⦅沙季:お母さんは 人一倍 働いて➡ 254 00:18:30,142 --> 00:18:32,545 私を養ってくれて⦆ 255 00:18:34,480 --> 00:18:38,150 んっ? 📱 256 00:18:38,150 --> 00:18:42,154 (悠太)はい。 うん。 257 00:18:42,154 --> 00:18:44,357 うん… これから? 258 00:18:48,327 --> 00:18:50,329 (丸)そういえば 浅村。 259 00:18:50,329 --> 00:18:54,667 奈良坂たちと プールに行くんだって? 260 00:18:54,667 --> 00:18:58,170 えっ? 何? その話。 何って…。 261 00:18:58,170 --> 00:19:02,942 綾瀬と お前が 奈良坂と プールに行くという話だが。 262 00:19:02,942 --> 00:19:07,113 いや 初耳。 誘われてないのか? 263 00:19:07,113 --> 00:19:12,284 全然。 なら これから 誘われるのかもな。 264 00:19:12,284 --> 00:19:15,121 んっ…。 そう… だね。 265 00:19:15,121 --> 00:19:17,289 お前 そろそろ 時間か? 266 00:19:17,289 --> 00:19:20,626 あっ… ああ うん。 行くか。 267 00:19:20,626 --> 00:19:23,295 先に トイレ 行ってくる。 うん。 268 00:19:23,295 --> 00:19:25,998 んっ…。 269 00:19:31,137 --> 00:19:35,975 (悠太)バイト 慣れた? うん おかげさまで だいぶ。 270 00:19:35,975 --> 00:19:39,478 綾瀬さん 真面目だし 飲み込みが早いよね。 271 00:19:39,478 --> 00:19:43,816 ありがとう。 先輩たちも 褒めてたよ。 272 00:19:43,816 --> 00:19:46,152 そう…。 273 00:19:46,152 --> 00:19:49,655 うわ~ アハハハ! ハハハハ! 274 00:19:49,655 --> 00:19:52,658 まあ きれいね。 うわ~! 275 00:19:52,658 --> 00:19:54,660 うわ~。 276 00:19:56,829 --> 00:19:59,999 でも ほんと おやじが言ったとおり➡ 277 00:19:59,999 --> 00:20:04,170 バイトずくめの夏休みって感じだね。 278 00:20:04,170 --> 00:20:06,172 うん。 279 00:20:16,348 --> 00:20:26,525 ♬~ 280 00:20:26,525 --> 00:20:29,528 (悠太)綾瀬さん。 281 00:20:29,528 --> 00:20:31,530 んっ…。 282 00:20:31,530 --> 00:20:35,634 もしかして 奈良坂さんに プール 誘われてない? 283 00:20:38,370 --> 00:20:41,073 (悠太) 俺も 誘われてるっていうやつ。 284 00:20:43,375 --> 00:20:45,878 真綾から 直接 連絡 来たの? 285 00:20:45,878 --> 00:20:51,217 いや… 奈良坂さん 俺の連絡先 知らないし。 286 00:20:51,217 --> 00:20:53,719 じゃあ なんで その話を? 287 00:20:53,719 --> 00:20:59,225 人づてに聞いただけ。 俺も 知らなかった。 288 00:20:59,225 --> 00:21:01,827 (沙季)浅村君は 行きたい? 289 00:21:01,827 --> 00:21:04,663 えっ? ああ…。 290 00:21:04,663 --> 00:21:09,001 正直 明るい人たちとのプールは➡ 291 00:21:09,001 --> 00:21:13,806 浮く気しかしなくて 苦手かな。 そう…。 292 00:21:16,842 --> 00:21:18,844 綾瀬さん? 293 00:21:18,844 --> 00:21:22,148 なら 無理に参加しなくて いいんじゃないかな。 294 00:21:24,183 --> 00:21:27,686 行かないの? プール。 (沙季)行かないよ。 295 00:21:35,194 --> 00:21:39,532 ⦅あしたから 浅村君と同じとこで バイトだから。 296 00:21:39,532 --> 00:21:43,135 なんで バイトに応募したこと 黙ってたの? 297 00:21:45,371 --> 00:21:47,873 落ちたら 恥ずかしかったから⦆ 298 00:21:57,216 --> 00:22:02,822 《沙季:ここで 問題です。 私 綾瀬沙季。 299 00:22:02,822 --> 00:22:07,626 お前の醜い感情の正体を ひと言で述べよ》 300 00:22:11,997 --> 00:22:13,999 嫉妬です。