1 00:01:33,080 --> 00:01:36,380 銀河帝国ゴールデンバウム王朝 2 00:01:36,380 --> 00:01:40,850 第36代皇帝 フリードリヒ4世 3 00:01:40,850 --> 00:01:43,220 栄華を極めた この王朝も 4 00:01:43,220 --> 00:01:48,960 彼が29才で即位した時 既に衰退の兆しを見せていた 5 00:01:48,960 --> 00:01:51,870 彼は国政にほとんど関心を示さず 6 00:01:51,870 --> 00:01:56,370 もっぱら その日その世の享楽に 身を費やした 7 00:01:56,370 --> 00:01:58,440 40代の半ばに達した頃 8 00:01:58,440 --> 00:02:03,510 フリードリヒ4世は 清楚で美しい少女を探し求めた 9 00:02:03,510 --> 00:02:07,450 まずはベーネミュンデ侯爵夫人の 称号を得た少女が 10 00:02:07,450 --> 00:02:09,950 その寵愛を独占した 11 00:02:09,950 --> 00:02:13,690 だが それも長くは続かなかった 12 00:02:13,690 --> 00:02:16,360 ある日 宮内省の役人の1人が 13 00:02:16,360 --> 00:02:19,260 街角でアンネローゼ・フォン・ ミューゼルという 14 00:02:19,260 --> 00:02:22,100 15才の少女を見つけた 15 00:02:22,100 --> 00:02:27,030 宮廷に迎えられたアンネローゼは フリードリヒ4世の寵愛を受け 16 00:02:27,030 --> 00:02:31,770 グリューネワルト伯爵夫人の 称号を与えられたのである 17 00:02:31,770 --> 00:02:35,610 アンネローゼは その運命を受け止めた 18 00:02:35,610 --> 00:02:39,110 それから10年の歳月が経った 19 00:03:11,110 --> 00:03:14,210 陛下 皇帝陛下 20 00:03:16,280 --> 00:03:18,480 シュザンナか 21 00:03:29,260 --> 00:03:34,770 陛下はなぜ わらわの元に来てくださらぬのか 22 00:03:34,770 --> 00:03:36,700 全ては あの女が 23 00:03:36,700 --> 00:03:38,800 あの女が悪いのだ 24 00:03:44,440 --> 00:03:46,710 わらわはあの女が憎い 25 00:03:46,710 --> 00:03:50,520 わらわから皇帝陛下を奪った あのアンネローゼが 26 00:03:50,520 --> 00:03:54,020 あの女の顔を引き裂き 食い破ってやりたい 27 00:03:54,020 --> 00:03:57,520 最近は陛下も すっかりお元気がなくなられた 28 00:03:57,520 --> 00:03:59,790 それもあの女が来てからです 29 00:03:59,790 --> 00:04:04,530 あの女はゴールデンバウム王朝に 不吉な陰りを投げ込んだのだと 30 00:04:04,530 --> 00:04:07,430 我ら心ある貴族は うわさしております 31 00:04:07,430 --> 00:04:11,170 あの女は宮廷から 葬り去られるべきだと 32 00:04:11,170 --> 00:04:14,470 フレーゲル男爵 そなたもそう思うか? 33 00:04:14,470 --> 00:04:18,350 はい そして あの生意気な小僧も 34 00:04:18,350 --> 00:04:23,980 そうじゃ あの小僧めは あの女の弟というだけで 35 00:04:23,980 --> 00:04:26,890 元帥閣下と呼ばれるまでになった 36 00:04:26,890 --> 00:04:28,860 成り上がり者めらが 37 00:04:28,860 --> 00:04:32,190 帝国のよき秩序は 破壊されつつあります 38 00:04:32,190 --> 00:04:36,200 我ら正統派貴族が 何度 煮え湯を飲まされたことか 39 00:04:36,200 --> 00:04:38,330 国を憂う者ならば 40 00:04:38,330 --> 00:04:41,570 皆 あのような者どもを 快く思っておりませぬ 41 00:04:41,570 --> 00:04:45,110 あの女 アンネローゼを葬れば 42 00:04:45,110 --> 00:04:48,980 その弟もまた地位を失う 43 00:04:48,980 --> 00:04:52,750 そなた わらわに力を貸してくれるか? 44 00:04:52,750 --> 00:04:56,280 我らの目的は 共通のものであろうが 45 00:04:56,280 --> 00:04:58,220 はい 喜んで 46 00:04:58,220 --> 00:05:00,750 ただ追い払うだけでは足りん 47 00:05:00,750 --> 00:05:04,320 あの女を辱め 人々が口の端にのせるのも 48 00:05:04,320 --> 00:05:08,600 汚らわしいほどの仕打ちで 葬り去るのじゃ 49 00:05:08,600 --> 00:05:12,270 それでこそ あの女にふさわしい 50 00:05:12,270 --> 00:05:15,870 このフレーゲル ベーネミュンデ侯爵夫人のため 51 00:05:15,870 --> 00:05:18,540 力も知恵もお貸しいたしましょう 52 00:05:18,540 --> 00:05:21,040 そうか 頼りにするぞ 53 00:05:25,310 --> 00:05:28,220 よいな 私の名が表に出ぬよう 54 00:05:28,220 --> 00:05:32,090 注意して実行者を集めるのだ 承知しております 55 00:05:32,090 --> 00:05:36,820 それとベーネミュンデ侯爵夫人に 世間の目を向けさせる必要がある 56 00:05:36,820 --> 00:05:41,630 何かあった場合には 全ての罪は あの女に着てもらうのだからな 57 00:05:41,630 --> 00:05:46,270 それは手を打ってあります その上で口封じも忘れるでないぞ 58 00:05:46,270 --> 00:05:48,200 ベーネミュンデ侯爵夫人も? 59 00:05:48,200 --> 00:05:51,100 当たり前だ 愚かな女だ 60 00:05:51,100 --> 00:05:54,370 一度沈んだ太陽を 呼び戻せるつもりでおる 61 00:05:54,370 --> 00:05:58,210 仮にグリューネワルト伯爵夫人が 亡き者となったとて 62 00:05:58,210 --> 00:06:02,150 今更 陛下のご寵愛が 戻るわけでもあるまいに 63 00:06:02,150 --> 00:06:06,620 太陽が沈まぬうちに 沈むことの ないよう手を打っておくものだ 64 00:06:06,620 --> 00:06:08,660 このようにな はあ 65 00:06:08,660 --> 00:06:12,430 いずれにせよ あの生意気な小僧を 失脚させるため 66 00:06:12,430 --> 00:06:15,430 せいぜい協力してさしあげろ はっ 67 00:06:20,170 --> 00:06:22,640 昨日 夢を見た 68 00:06:22,640 --> 00:06:24,570 子供の頃の夢だ 69 00:06:24,570 --> 00:06:29,440 俺とお前 それに姉上の3人で 遊んだ頃のな 70 00:06:29,440 --> 00:06:32,310 私は時々 思うことがあります 71 00:06:32,310 --> 00:06:34,280 どちらが現実だろうかと 72 00:06:34,280 --> 00:06:37,180 今と昔と 今と昔? 73 00:06:37,180 --> 00:06:42,990 はい ひょっとしたら今 自分は夢を見ているのではないか 74 00:06:42,990 --> 00:06:46,830 夢の長い回廊の中を さまよっているのではないか 75 00:06:46,830 --> 00:06:50,630 そう思う時があるのです 76 00:06:50,630 --> 00:06:54,230 ある日 夢が覚めてあの日に戻る 77 00:06:54,230 --> 00:06:57,070 子供の頃の私とラインハルト様 78 00:06:57,070 --> 00:06:59,540 そして アンネローゼ様がいる 79 00:06:59,540 --> 00:07:02,840 そして私は アンネローゼ様に言うのです 80 00:07:02,840 --> 00:07:07,780 「夢を見たんだ 僕たち2人で 軍人になって 軍艦に乗って」 81 00:07:07,780 --> 00:07:13,320 「宇宙の果てまで行って 大活躍したんだよ」と 82 00:07:13,320 --> 00:07:15,720 ところで呼んだのは他でもない 83 00:07:15,720 --> 00:07:17,720 こんな物が届いていた 84 00:07:20,860 --> 00:07:23,330 「宮中のG夫人に対して」 85 00:07:23,330 --> 00:07:26,570 「B夫人が殺意を抱くなり 心せられよ」 86 00:07:26,570 --> 00:07:31,370 G夫人 グリューネワルト伯爵夫人 87 00:07:31,370 --> 00:07:33,370 すなわち姉上のことだ 88 00:07:33,370 --> 00:07:36,080 そしてB夫人とは… 89 00:07:36,080 --> 00:07:38,980 恐らくベーネミュンデ侯爵夫人 90 00:07:38,980 --> 00:07:41,750 俺もそう思う 91 00:07:41,750 --> 00:07:44,650 このまま手を こまねいているわけにもいかぬ 92 00:07:44,650 --> 00:07:48,590 ちょうどよい 早速オーベルシュタインに調査を命じよう 93 00:07:48,590 --> 00:07:51,420 1人の人間が 重用されることにより 94 00:07:51,420 --> 00:07:54,390 何人かの人間が その地位を失っていく 95 00:07:54,390 --> 00:07:57,760 宮廷には憎悪 ねたみ 嫉妬 96 00:07:57,760 --> 00:08:00,670 あらゆる醜い感情が 取り巻いております 97 00:08:00,670 --> 00:08:03,570 アンネローゼ様や ラインハルト様をうらやむ人間は 98 00:08:03,570 --> 00:08:07,140 少ない数ではありません 恐らく いくつもの陰謀が 99 00:08:07,140 --> 00:08:09,980 張り巡らされていることと 思います 100 00:08:09,980 --> 00:08:12,810 うん だが こうした密告の書簡が 101 00:08:12,810 --> 00:08:16,680 届くということは 敵にまた敵がいることの証拠 102 00:08:16,680 --> 00:08:19,650 最も恐ろしいことは その敵同士が手を結び 103 00:08:19,650 --> 00:08:22,120 一つになったときです 104 00:08:22,120 --> 00:08:25,030 宮廷とはクモの巣だ 105 00:08:25,030 --> 00:08:28,900 陰謀の罠が幾重にも 張り巡らされている 106 00:08:28,900 --> 00:08:31,500 姉上にふさわしい場所ではない 107 00:08:33,670 --> 00:08:35,600 その頃 銀河帝国では 108 00:08:35,600 --> 00:08:38,970 攻略されたイゼルローン要塞の 奪還を巡って 109 00:08:38,970 --> 00:08:43,340 連日にわたり 軍事会議が開かれていた 110 00:08:43,340 --> 00:08:48,620 ラインハルトも元帥として 会議に臨み 多忙を極めていた 111 00:08:48,620 --> 00:08:51,080 一方 ベーネミュンデ侯爵夫人が 112 00:08:51,080 --> 00:08:53,790 アンネローゼに 殺意を抱いているといううわさは 113 00:08:53,790 --> 00:08:58,160 羽を広げ 宮廷中に広まっていった 114 00:08:58,160 --> 00:09:00,090 何と言われる 115 00:09:00,090 --> 00:09:03,930 このわらわに この館を離れて 地方の荘園にこもれと? 116 00:09:03,930 --> 00:09:08,370 いかにも それが陛下の御意でござる 117 00:09:08,370 --> 00:09:10,300 もし陛下のお気持ちが そのようであれば 118 00:09:10,300 --> 00:09:12,810 それに従いましょう 119 00:09:12,810 --> 00:09:16,180 だが なぜ陛下はご自分で わらわのところに来て 120 00:09:16,180 --> 00:09:20,050 その旨をわらわにおっしゃって くださらんのか 陛下はなぜ… 121 00:09:20,050 --> 00:09:22,950 なにぶん陛下はご多忙の身で… 122 00:09:22,950 --> 00:09:28,190 ご多忙?あの女の元に お通いになるのにご多忙なの? 123 00:09:28,190 --> 00:09:30,160 そうだわ あの女ね 124 00:09:30,160 --> 00:09:34,960 あの女が皇帝陛下をたぶらかし わらわを追い払おうと企んでいる 125 00:09:34,960 --> 00:09:38,160 ベーネミュンデ侯爵夫人 失礼ながら 126 00:09:38,160 --> 00:09:41,500 グリューネワルト伯爵夫人に おかれては そのように 127 00:09:41,500 --> 00:09:45,110 人を悪しざまに申されておるのを 聞いたことがない 128 00:09:45,110 --> 00:09:48,980 臣が思うに その辺が陛下の お気に召したのではないかな 129 00:09:48,980 --> 00:09:51,880 そなたもあの女の肩を持つのか 130 00:09:51,880 --> 00:09:56,320 出ていきゃれ 今すぐここから出ていきゃれ 131 00:09:56,320 --> 00:09:59,120 ともかく陛下の御意は 伝えましたぞ 132 00:10:05,990 --> 00:10:11,800 陛下 陛下はなぜわらわの気持ちを 分かってくださらぬ 133 00:10:11,800 --> 00:10:15,670 話は全て 伺わせていただきましたぞ 134 00:10:15,670 --> 00:10:19,510 フレーゲル どうすれば? もはや実力行使あるのみです 135 00:10:19,510 --> 00:10:21,880 例の妙なうわさも恐らく 136 00:10:21,880 --> 00:10:25,310 グリューネワルト伯爵夫人の 振りまいたものでしょう 137 00:10:25,310 --> 00:10:30,280 あの女か 猫をかぶり わらわを追い払おうとしている 138 00:10:30,280 --> 00:10:34,020 もはや日にちはない 例の計画の実行を 139 00:10:34,020 --> 00:10:38,860 分かりました 私の頼りになる 部下を数人お貸しいたしましょう 140 00:10:38,860 --> 00:10:41,290 ただし くれぐれもご内密に 141 00:10:41,290 --> 00:10:45,070 分かっておる フレーゲル お前だけが頼りじゃ 142 00:10:45,070 --> 00:10:47,070 お前だけが 143 00:10:53,640 --> 00:10:56,880 アンネローゼ様 大変でございます 144 00:10:56,880 --> 00:11:00,250 ローエングラム伯爵様が… 弟が? 145 00:11:00,250 --> 00:11:04,780 伯爵様が演習を視察中に大ケガを 弟が? 146 00:11:04,780 --> 00:11:06,850 すぐに おいでいただきたいと 連絡が 147 00:11:06,850 --> 00:11:09,050 分かりました 参りましょう 148 00:11:19,300 --> 00:11:21,570 ん? 149 00:11:21,570 --> 00:11:24,900 あれはグリューネワルト伯爵夫人じゃ なかったかな? 150 00:11:24,900 --> 00:11:27,000 うん そんな気がしたが 151 00:11:28,880 --> 00:11:31,510 この帝国を支えてきた前線は 152 00:11:31,510 --> 00:11:34,150 あの強固な イゼルローン要塞である 153 00:11:34,150 --> 00:11:36,980 何としても あの要塞を奪回することが 154 00:11:36,980 --> 00:11:40,080 我が帝国軍の使命である 奪回作戦は… 155 00:11:42,160 --> 00:11:45,020 キルヒアイス中将 こちらでしたか これはおそろいで 156 00:11:45,020 --> 00:11:49,260 今 元帥閣下のお部屋を お訪ねしましたが お留守のようで 157 00:11:49,260 --> 00:11:52,600 会議が長引いているのでしょう 何か? 158 00:11:52,600 --> 00:11:55,900 いや 今しがた 外でグリューネワルト伯爵夫人を 159 00:11:55,900 --> 00:11:58,910 お見かけしましたが アンネローゼ様を? 160 00:11:58,910 --> 00:12:02,280 ええ 何やら慌てていらっしゃる ご様子でしたので 161 00:12:02,280 --> 00:12:05,550 いささか気になりましてね おかしいですね 162 00:12:05,550 --> 00:12:09,220 普段 ノイエ・サンスーシから お出かけになるはずはないのだが 163 00:12:09,220 --> 00:12:11,920 西の郊外に向かっていきましたが 164 00:12:14,550 --> 00:12:16,550 あっ まさか 165 00:12:32,270 --> 00:12:34,210 あなたたちは? 166 00:12:34,210 --> 00:12:37,010 我々におとなしく 従ってもらいましよう 167 00:12:41,750 --> 00:12:45,620 至急 ローエングラム元帥閣下と 連絡が取りたい 168 00:12:45,620 --> 00:12:49,490 閣下は ただ今 重要な軍事会議に出席中です 169 00:12:49,490 --> 00:12:51,760 ご伝言を承ります 170 00:12:51,760 --> 00:12:55,090 緊急の事態だ 閣下に直接 取り次いでほしい 171 00:12:55,090 --> 00:12:58,670 規則です お取次ぎはできません ご伝言を 172 00:12:58,670 --> 00:13:01,500 分かった もういい 173 00:13:01,500 --> 00:13:04,000 閣下に無用な心配を おかけすることもあるまい 174 00:13:06,070 --> 00:13:10,340 ミッターマイヤー中将 車は 西の郊外へ向かったのですね? 175 00:13:10,340 --> 00:13:12,780 ええ どちらへ? 176 00:13:12,780 --> 00:13:15,820 どうも気になるので行ってみます お一人で? 177 00:13:15,820 --> 00:13:18,020 これは私事ですから 178 00:13:18,020 --> 00:13:21,790 我らはともにローエングラム伯に 命運を委ねた身 179 00:13:21,790 --> 00:13:24,020 私事では済まないでしょう 180 00:13:24,020 --> 00:13:27,460 しかし… 手がかりは地上車だけのはず 181 00:13:27,460 --> 00:13:32,300 実際に見ている我々ならともかく どうやって捜すおつもりか? 182 00:13:32,300 --> 00:13:34,400 分かりました お願いします 183 00:13:46,450 --> 00:13:50,050 あなたはベーネミュンデ侯爵夫人 184 00:13:50,050 --> 00:13:53,520 なぜ私をこんなところへ? 185 00:13:53,520 --> 00:13:55,920 白々しい女 186 00:13:55,920 --> 00:14:00,330 この女狐め 陛下のみ心をたぶらかす女狐 187 00:14:00,330 --> 00:14:02,400 この目はごまかせないよ 188 00:14:02,400 --> 00:14:04,760 お前は陛下の御心を盗み 189 00:14:04,760 --> 00:14:08,640 国をも盗もうとしている お前の弟と組んで 190 00:14:08,640 --> 00:14:12,140 私はそんなつもりは… お黙り 191 00:14:12,140 --> 00:14:15,840 でも その企ても 全て水の泡と消えるわ 192 00:14:29,090 --> 00:14:31,190 お前はこれを飲むのさ 193 00:14:33,890 --> 00:14:38,830 明日の朝 お前は村の中で 死体となって発見される 194 00:14:38,830 --> 00:14:43,470 見知らぬ どこの馬の骨か 分からぬ男と折り重なって 195 00:14:43,470 --> 00:14:45,410 人々はうわさするわ 196 00:14:45,410 --> 00:14:49,580 「やはりグリューネワルト伯爵夫人などと いっても しょせんは下賤の身」 197 00:14:49,580 --> 00:14:54,410 「陛下に隠れ 身分卑しい男と 密通していたのだ」と 198 00:14:54,410 --> 00:14:58,280 お前は陛下を裏切った 不義の女として 199 00:14:58,280 --> 00:15:00,980 その名すら抹消される 200 00:15:02,920 --> 00:15:04,920 さあ お飲み 201 00:15:09,700 --> 00:15:13,070 おっ あれではないか? あの小屋は? 202 00:15:13,070 --> 00:15:15,030 この辺は貴族の別荘地だ 203 00:15:15,030 --> 00:15:17,130 調べてみましょう 204 00:15:23,080 --> 00:15:25,140 敵は2人か よし 205 00:15:25,140 --> 00:15:27,380 ロイエンタール 左の男を頼む 206 00:15:27,380 --> 00:15:29,320 よし 右は任せた 207 00:15:29,320 --> 00:15:31,520 キルヒアイス中将 援護を頼む 208 00:15:39,560 --> 00:15:41,560 さすが 209 00:15:47,670 --> 00:15:49,640 ジーク 210 00:15:49,640 --> 00:15:51,970 そこまでのようね 211 00:15:51,970 --> 00:15:54,340 ベーネミュンデ侯爵夫人ですね? 212 00:15:54,340 --> 00:15:57,740 こんなことは あなたのためになりません 213 00:15:57,740 --> 00:15:59,680 今なら まだ間に合います 214 00:15:59,680 --> 00:16:02,620 グリューネワルト伯爵夫人を お放しください 215 00:16:02,620 --> 00:16:07,290 ふざけるな お前たちこそ銃を捨てろ 216 00:16:07,290 --> 00:16:09,790 この女に傷がついてもいいの? 217 00:16:13,090 --> 00:16:15,190 あとの2人もよ 218 00:16:19,870 --> 00:16:22,800 アンネローゼ様 ジーク 219 00:16:22,800 --> 00:16:24,800 アンネローゼ様 220 00:16:28,140 --> 00:16:30,080 アンネローゼ様 221 00:16:30,080 --> 00:16:32,750 ジーク よく来てくれました 222 00:16:32,750 --> 00:16:34,750 ご無事で? 223 00:16:37,680 --> 00:16:40,490 遅れて申し訳ない いや この場合 224 00:16:40,490 --> 00:16:43,260 「遅れてよかった」と 申すべきですかな 225 00:16:43,260 --> 00:16:46,160 オーベルシュタイン 卿が電源を? 226 00:16:51,860 --> 00:16:55,160 ともかく元帥閣下にご報告せねば 227 00:16:59,370 --> 00:17:02,140 ローエングラム元帥閣下 228 00:17:02,140 --> 00:17:06,340 キルヒアイス中将閣下より 数度にわたりご連絡が 229 00:17:17,160 --> 00:17:19,430 どういうことだ キルヒアイス 230 00:17:19,430 --> 00:17:22,700 アンネローゼ様は かすり傷程度でご無事です 231 00:17:22,700 --> 00:17:25,160 ノイエ・サンスーシに お送りいたしました 232 00:17:25,160 --> 00:17:27,500 うん で 犯人は? 233 00:17:27,500 --> 00:17:31,370 ベーネミュンデ侯爵夫人 事は複雑になります 234 00:17:31,370 --> 00:17:34,070 宮廷警察に任せた方が よいでしょう 235 00:17:34,070 --> 00:17:37,810 雇われた男たちの身元は 分かりません 236 00:17:37,810 --> 00:17:39,750 いえ 分かっております 237 00:17:39,750 --> 00:17:42,750 フレーゲル男爵が 裏で糸を引いています 238 00:17:42,750 --> 00:17:45,080 フレーゲル? 239 00:17:45,080 --> 00:17:47,620 姉の身に気をつけるんだな 240 00:17:47,620 --> 00:17:50,820 残念ながら証拠をつかむには 至っておりませんが 241 00:17:52,830 --> 00:17:56,600 頼りにならぬやつらだ 申し訳ございません 242 00:17:56,600 --> 00:18:00,170 そやつらから秘密が漏れぬよう 手を打つのだ 243 00:18:00,170 --> 00:18:03,070 分かっておるな? はあ 恐れながら 244 00:18:03,070 --> 00:18:07,510 ベーネミュンデ侯爵夫人の方は いかがいたしましょう 245 00:18:07,510 --> 00:18:11,210 やむを得ぬ 叔父上に何とかしていただこう 246 00:18:21,390 --> 00:18:25,220 シュザンナが そこまで思い詰めておったとはな 247 00:18:25,220 --> 00:18:30,960 皇帝陛下のご寵愛は宝石の山より 貴重に思えるのも当然のこと 248 00:18:30,960 --> 00:18:35,800 失って逆上するのも 無理なきことにござりまする 249 00:18:35,800 --> 00:18:39,040 苦しまずに済むように してやるがよい 250 00:18:39,040 --> 00:18:41,040 ははっ 251 00:18:43,540 --> 00:18:45,810 どうせ余もすぐに参る 252 00:18:45,810 --> 00:18:50,310 まだ十分に美しい姿で 待っておるがよい シュザンナ 253 00:18:52,320 --> 00:18:56,890 陛下は 陛下はどこにおわす 254 00:18:56,890 --> 00:19:00,330 陛下に会わせてたもれ 255 00:19:00,330 --> 00:19:05,900 帝国宰相代理として フリードリヒ皇帝陛下の勅命を申し渡す 256 00:19:05,900 --> 00:19:12,070 「グリューネワルト伯爵夫人の誘拐 並びに暗殺の未遂の罪により」 257 00:19:12,070 --> 00:19:15,880 「ベーネミュンデ侯爵夫人に 死を賜る」 258 00:19:15,880 --> 00:19:19,310 「格別の慈愛にて 自裁をお許しくだされた」 259 00:19:19,310 --> 00:19:22,350 「更に侯爵夫人に ふさわしき礼遇をもって」 260 00:19:22,350 --> 00:19:24,650 「その葬儀を行うであろう」 261 00:19:28,790 --> 00:19:32,790 なぜじゃ なぜわらわが 罰せられねばならんのじゃ 262 00:19:32,790 --> 00:19:35,160 わらわは ただゴールデンバウム王朝に 263 00:19:35,160 --> 00:19:38,560 あだなす奸婦を 除こうとしただけのこと 264 00:19:38,560 --> 00:19:41,330 全てはあの女が悪いのじゃ 265 00:19:41,330 --> 00:19:43,330 あの女… 266 00:19:45,500 --> 00:19:47,800 あの女の弟 267 00:19:55,250 --> 00:19:58,750 その辺で気が済みましたかな 侯爵夫人 268 00:19:58,750 --> 00:20:01,490 お放し! 269 00:20:01,490 --> 00:20:04,390 陛下に 陛下にひと目… 270 00:20:25,680 --> 00:20:30,620 陛下… 陛下 なぜ来てくださらぬ 271 00:20:30,620 --> 00:20:35,760 私を昔のように… 272 00:20:35,760 --> 00:20:39,360 陛下 陛下… 273 00:20:46,400 --> 00:20:50,800 ベーネミュンデ侯爵夫人は ただ今 ご逝去されました 274 00:20:57,140 --> 00:20:59,140 これは これは 275 00:21:02,380 --> 00:21:05,080 この次も逃げおおせると思うな 276 00:21:11,460 --> 00:21:15,460 ベーネミュンデ侯爵夫人は 自害なさいました 277 00:21:15,460 --> 00:21:19,600 ラインハルト あの人を許してあげて 278 00:21:19,600 --> 00:21:24,370 あの女は姉上を殺害しようと… 279 00:21:24,370 --> 00:21:28,940 人には誰にも悲しみがあり 苦しみがあります 280 00:21:28,940 --> 00:21:32,180 その心を分かっておあげなさい 281 00:21:32,180 --> 00:21:34,210 一度華やかな舞台に立ち 282 00:21:34,210 --> 00:21:38,280 やがて人々の心から 忘れ去られようとした あの人の 283 00:21:38,280 --> 00:21:40,320 あの人の悲しみを 284 00:21:40,320 --> 00:21:42,320 姉上 285 00:21:44,490 --> 00:21:49,130 衰退する銀河帝国 ゴールデンバウム王朝 286 00:21:49,130 --> 00:21:53,300 その内部には 退廃の病巣が深く巣食い 287 00:21:53,300 --> 00:21:56,570 さまざまな事件を起こしていた 288 00:21:56,570 --> 00:21:59,210 だが それらは極秘のうちに 289 00:21:59,210 --> 00:22:03,910 宮廷内部で処理されるのが 常であった 290 00:22:03,910 --> 00:22:09,610 この翌日 ベーネミュンデ侯爵夫人の 病死が発表された 291 00:23:46,480 --> 00:23:49,680 帝国との講和に持ち込もうとした ヤンの思惑と異なり 292 00:23:49,680 --> 00:23:53,550 同盟政府は ついに帝国領への 逆進攻を決定する 293 00:23:53,550 --> 00:23:57,120 史上最大の作戦が発令された その裏には… 294 00:23:57,120 --> 00:24:01,860 次回 銀河英雄伝説第12話 「帝国領進攻」 295 00:24:01,860 --> 00:24:04,660 銀河の歴史が また1ページ