1 00:01:33,440 --> 00:01:37,410 <宇宙暦796年 8月22日> 2 00:01:37,410 --> 00:01:42,550 <自由惑星同盟軍は 帝国領への進攻を開始すべく> 3 00:01:42,550 --> 00:01:44,490 <遠征の途に上っていった> 4 00:01:44,490 --> 00:01:48,420 <これに対し 帝国元帥ローエングラム伯ラインハルトに> 5 00:01:48,420 --> 00:01:52,560 <迎撃の任に当たるべく 勅命が下った> 6 00:01:52,560 --> 00:01:56,430 私は これを機に 同盟軍を 徹底的に たたいておくつもりだ 7 00:01:56,430 --> 00:01:58,430 そのためには イゼルローン回廊の出口から 8 00:01:58,430 --> 00:02:01,370 出てくる敵をたたくのではなく 9 00:02:01,370 --> 00:02:04,510 帝国領内 深く誘い込むことが肝要だ 10 00:02:04,510 --> 00:02:06,440 すると 敵の補給船が限界に達するまでは 11 00:02:06,440 --> 00:02:09,380 攻撃はかけないと? そのとおりだ 12 00:02:09,380 --> 00:02:12,380 限界点に達したところを 全軍をもって 一挙に討つ 13 00:02:12,380 --> 00:02:16,520 戦わずに引くわけですか? そうだ 不満か? 14 00:02:16,520 --> 00:02:20,390 いえ ただ かなり時間がかかりそうなので 15 00:02:20,390 --> 00:02:24,390 我々は かまいませんが 門閥貴族たちは どう思いますかな 16 00:02:24,390 --> 00:02:26,530 ヤツらに 余計な口を出させぬためにも 17 00:02:26,530 --> 00:02:30,400 そんなに時間はかけぬ んっ? 18 00:02:30,400 --> 00:02:35,540 あるのだ それほど手間をかけずに 同盟軍を飢えさせる手が 19 00:02:35,540 --> 00:02:39,540 オーベルシュタイン 説明せよ はっ! 20 00:02:41,410 --> 00:02:43,410 諸提督方も 承知しておられるように 21 00:02:43,410 --> 00:02:47,550 同盟軍は 「解放軍」 「護民軍」を自称しておる 22 00:02:47,550 --> 00:02:50,450 すなわち ヤツらは占領地域の民衆に 23 00:02:50,450 --> 00:02:53,420 生活の保障を与える 責務を負うことになる 24 00:02:53,420 --> 00:02:56,560 つまり 敵軍の物資 食料を 25 00:02:56,560 --> 00:03:00,430 民衆に 吸い取らせようということか? 26 00:03:00,430 --> 00:03:05,370 まさか! そう イゼルローンに近接する各星系から 27 00:03:05,370 --> 00:03:10,370 駐留軍と共に 食料 物資を全て引き揚げる 28 00:03:15,510 --> 00:03:19,380 民衆の間には同盟の進攻を 歓迎する風潮もあるようだ 29 00:03:19,380 --> 00:03:23,380 しかし これによって彼らの幻想も 消えることになるだろう 30 00:03:23,380 --> 00:03:27,520 それにしても 撤退を指揮する者の 使命は重大ですが? 31 00:03:27,520 --> 00:03:32,520 かの地には かねて ケスラーが赴任しておる 32 00:03:40,530 --> 00:03:45,530 ケスラー司令官 本部から緊急指令です 何? 33 00:03:51,550 --> 00:03:54,450 おっ? 34 00:03:54,450 --> 00:03:57,420 これは! 本部は何を考えているのか 35 00:03:57,420 --> 00:04:01,360 司令官!至急 本国に 真意をただしてください 36 00:04:01,360 --> 00:04:06,490 いや… この命令は ローエングラム元帥が出されたものだ 37 00:04:06,490 --> 00:04:09,400 むやみに 民衆を 苦しめるようなことは なされまい 38 00:04:09,400 --> 00:04:11,370 我々は それを信じて 39 00:04:11,370 --> 00:04:14,370 ただ与えられた任務を 遂行するだけだ 40 00:04:14,370 --> 00:04:16,500 はい 41 00:04:16,500 --> 00:04:18,440 現在 我が部隊の 管轄下にある領域を示せ 42 00:04:18,440 --> 00:04:22,380 各分担を決める 急げ はっ! 43 00:04:22,380 --> 00:04:28,520 モールゲンにはイェーナー ダンクにはニードリヒ ハーフェンにはゾンダークを向かわせろ 44 00:04:28,520 --> 00:04:33,520 クラインゲルトには私が行く 45 00:04:49,540 --> 00:04:53,410 ほら お母様!ハハハ… 46 00:04:53,410 --> 00:04:56,410 (ノック) 失礼いたします 旦那様 47 00:04:56,410 --> 00:04:58,550 ああ? 48 00:04:58,550 --> 00:05:01,450 どうした?モンターク はい 49 00:05:01,450 --> 00:05:05,350 ただいま この星の駐留軍本部より 知らせが まいりまして 50 00:05:05,350 --> 00:05:09,490 ついに来たか 51 00:05:09,490 --> 00:05:12,390 モンターク お前は どう考える? 52 00:05:12,390 --> 00:05:16,360 領民のことを思えば 素直に反乱軍の占領下に 53 00:05:16,360 --> 00:05:19,500 収まるべきであることは 誰の目にも明らかだ 54 00:05:19,500 --> 00:05:23,370 しかし そうなれば このクラインゲルト家の名誉は どうなる 55 00:05:23,370 --> 00:05:26,370 いや ワシは老い先短い身だ 56 00:05:26,370 --> 00:05:32,510 しかし 息子のアーベントが残した フィーアとカールの行く末を考えるとな 57 00:05:32,510 --> 00:05:37,380 それが 旦那様 来訪しましたのは 我が軍のほうだそうで 58 00:05:37,380 --> 00:05:40,380 援軍なのか? 59 00:05:47,530 --> 00:05:51,400 援軍だ 援軍が来たぞ! 60 00:05:51,400 --> 00:05:53,400 援軍だって? 帝国軍なのか? 61 00:05:53,400 --> 00:05:57,400 何でまた? 戦場になるのかな? 62 00:06:00,540 --> 00:06:04,410 カール お客様は 大切な公使様なのですから 63 00:06:04,410 --> 00:06:07,350 行儀良くするのよ? はい お母様 64 00:06:07,350 --> 00:06:09,350 ≪そんなバカなことがあるか! 65 00:06:09,350 --> 00:06:11,490 反乱軍が すぐそこまで 迫っているというのに 66 00:06:11,490 --> 00:06:13,420 援護するどころか 我が領地の物資を 67 00:06:13,420 --> 00:06:15,360 全て徴収するとは何たることだ! 68 00:06:15,360 --> 00:06:19,360 この星を この星の領民を 飢えて死なそうというのか! 69 00:06:19,360 --> 00:06:22,500 いえ 進攻してくる反乱軍は 70 00:06:22,500 --> 00:06:24,430 民衆を解放することを 旗印にしています 71 00:06:24,430 --> 00:06:29,370 領民たちが要求すれば 食料 物資などを提供するはずです 72 00:06:29,370 --> 00:06:32,510 そうかもしれん しかし保証はあるまい 73 00:06:32,510 --> 00:06:36,380 そんな中にワシの領民を残して のうのうと本国になど戻れるか! 74 00:06:36,380 --> 00:06:38,380 心中をお察しいたしますが 75 00:06:38,380 --> 00:06:42,520 全面撤退の方針は 既に決定されたことなのです 76 00:06:42,520 --> 00:06:44,450 閣下 お聞き届けいただけぬとあらば 77 00:06:44,450 --> 00:06:46,390 それなりの手段を 取らざるをえなくなります 78 00:06:46,390 --> 00:06:51,530 何! ≪どうかなさいましたか?お父様 79 00:06:51,530 --> 00:06:54,430 いや… 何でもない 80 00:06:54,430 --> 00:06:57,400 カールを連れて 部屋に戻っていなさい 81 00:06:57,400 --> 00:06:59,400 ウルリッヒ兄様 82 00:07:01,340 --> 00:07:05,470 見知っている者か? ええ 83 00:07:05,470 --> 00:07:09,470 クラインゲルト子爵 明朝までにお答えを 84 00:07:36,440 --> 00:07:39,370 何か用かね? 85 00:07:39,370 --> 00:07:43,510 ≪カール お母様 86 00:07:43,510 --> 00:07:48,380 急にいなくなっちゃ駄目ですよ おじい様が心配なさるでしょ? 87 00:07:48,380 --> 00:07:51,390 君の子供だったのか 88 00:07:51,390 --> 00:07:58,530 ええ そして このクラインゲルト家の 次期当主となるカールです 89 00:07:58,530 --> 00:08:01,430 さっ おじい様のところへ お行きなさい 90 00:08:01,430 --> 00:08:05,430 お母様も すぐにまいります はい お母様 91 00:08:09,470 --> 00:08:12,370 夫が亡くなって 2年ほどしか たっていないものだから 92 00:08:12,370 --> 00:08:15,340 まだ忘れられないのです あの子は 93 00:08:15,340 --> 00:08:19,480 あの人も軍人だったから どこか似ていたのね あなたと 94 00:08:19,480 --> 00:08:26,480 だから… 少し歩かないか?もしよければ 95 00:08:32,490 --> 00:08:37,490 君と こうして歩くのは 何年ぶりだろう 96 00:08:50,510 --> 00:08:52,450 ((フィーアだな?)) 97 00:08:52,450 --> 00:08:55,380 ((フィーアのこと捕まえられたら お嫁さんになってあげるよ)) 98 00:08:55,380 --> 00:08:59,520 ((ようし その言葉忘れんなよ)) 99 00:08:59,520 --> 00:09:02,520 ((こっちよ)) ((こら 待てよ)) 100 00:09:11,470 --> 00:09:15,340 ((フィーア もう 一緒に 遊んであげられないんだ)) 101 00:09:15,340 --> 00:09:20,470 ((えっ?)) ((戦場に行くことになったんだ)) 102 00:09:20,470 --> 00:09:22,410 ((いつ?)) ((これから すぐに)) 103 00:09:22,410 --> 00:09:26,350 ((ごめん もっと早く知らせようと 思ってたんだけれど)) 104 00:09:26,350 --> 00:09:28,350 ((帰ってくる?)) ((分からない)) 105 00:09:28,350 --> 00:09:31,490 ((いや!行っちゃ嫌だ 約束したじゃない フィーアを)) 106 00:09:31,490 --> 00:09:34,390 ((お嫁さんにしてくれるって 約束したじゃない)) 107 00:09:34,390 --> 00:09:38,360 ((いいかい フィーア 僕は フィーアたちの幸せを守るために)) 108 00:09:38,360 --> 00:09:40,490 ((戦いに行くんだ)) ((ウソ)) 109 00:09:40,490 --> 00:09:45,490 ((ウルリッヒ兄様がいないと フィーアは少しも幸せじゃないよ)) 110 00:09:56,510 --> 00:10:01,380 こういう形で 君を訪れようとは思わなかった 111 00:10:01,380 --> 00:10:05,520 お父様は… お父様は このクラインゲルト家が全てなの 112 00:10:05,520 --> 00:10:10,390 戦争は嫌い 私の愛するものを 全て奪い去るわ 113 00:10:10,390 --> 00:10:12,390 あなたも そしてアーベントも 114 00:10:12,390 --> 00:10:17,390 この上 お父様の誇りさえも 奪う権利が誰にあるの? 115 00:10:30,540 --> 00:10:33,450 あれ 居座るのかね? どうかな 116 00:10:33,450 --> 00:10:36,420 領主様のお館のほうへ 行ったようだったが 117 00:10:36,420 --> 00:10:39,550 どうせなら 早く出てってくれればいいのに 118 00:10:39,550 --> 00:10:42,460 罰当たりなこと言うでねえ あれは援軍だぞ 119 00:10:42,460 --> 00:10:47,460 誰の?貴族のか? オラたちには関係ないべ 120 00:10:49,560 --> 00:10:52,470 何でも 反乱軍ってのは 平民ばっかりの軍だそうだ 121 00:10:52,470 --> 00:10:55,440 オラたちを解放してくれるんだ っていうウワサだべ 122 00:10:55,440 --> 00:10:59,570 解放?オラ 別に 解放なんてしてもらいたくはねえ 123 00:10:59,570 --> 00:11:03,440 ここの領主様は いいお方だ そうかも しんねえけどよ 124 00:11:03,440 --> 00:11:08,380 まあ 帝国軍でも反乱軍でも とにかく ここが戦場になるのは 125 00:11:08,380 --> 00:11:13,380 ナシにしてもらいたいもんだな ああ 本当にそうだ 126 00:11:16,520 --> 00:11:18,460 ケスラー司令官は 何をなさっておいでなのだ? 127 00:11:18,460 --> 00:11:22,400 敵が この星にやって来るまで あと16時間を切ったぞ 128 00:11:22,400 --> 00:11:25,530 苦しんでおられるのだ 私だったら このような指令 129 00:11:25,530 --> 00:11:28,440 告げに行くことすら できないだろう 130 00:11:28,440 --> 00:11:32,440 リミットまでは まだある 待つしかないんだよ 131 00:11:42,550 --> 00:11:45,550 ≪まだ こちらにおいででしたか 132 00:11:47,420 --> 00:11:51,560 キルヒアイス こういう星の美しい夜は 133 00:11:51,560 --> 00:11:54,460 きっと どこかの名も知れぬ小さな星が 134 00:11:54,460 --> 00:11:56,430 ひそやかに消え去っているのだ 135 00:11:56,430 --> 00:12:01,370 だから その星の分まで 他の星々は輝きを増す 136 00:12:01,370 --> 00:12:04,500 消え去った星の 犠牲のもとにですか? 137 00:12:04,500 --> 00:12:08,500 いや 定めのもとにだ 138 00:12:12,380 --> 00:12:15,380 今日は長い夜になりそうだ 139 00:12:29,530 --> 00:12:31,460 んっ? 140 00:12:31,460 --> 00:12:33,460 ≪旦那様 141 00:12:35,400 --> 00:12:38,540 まだ起きておいででしたか 142 00:12:38,540 --> 00:12:43,410 ああ なかなか寝つけなくてな 143 00:12:43,410 --> 00:12:47,550 モンターク お前は よく仕えてくれた 144 00:12:47,550 --> 00:12:52,420 幼い頃から お前はワシの友であり 良き教師であった 145 00:12:52,420 --> 00:12:57,560 心から礼を言う 何をおっしゃいます 旦那様 146 00:12:57,560 --> 00:13:00,460 お礼を申し上げねばならないのは 私のほうです 147 00:13:00,460 --> 00:13:04,360 このクラインゲルト家に 仕えさせていただいた40年間が 148 00:13:04,360 --> 00:13:08,500 私の人生の全てでございました これからも… 149 00:13:08,500 --> 00:13:13,370 いや クラインゲルト家の歴史は こよいで幕を閉じるだろう 150 00:13:13,370 --> 00:13:17,510 えっ そ… それでは うん 151 00:13:17,510 --> 00:13:21,380 領民を無益な戦いに 巻き込むことは できないからな 152 00:13:21,380 --> 00:13:23,380 しかし 153 00:13:23,380 --> 00:13:27,520 なあ モンターク 宇宙といわず帝国にとっても 154 00:13:27,520 --> 00:13:31,390 我らのような小国が いくつか滅びたところで 155 00:13:31,390 --> 00:13:34,390 わずかばかりの影響も 与えはしないのだろうな 156 00:13:34,390 --> 00:13:38,530 まして 反乱軍にとっては 我々が数百年にわたって 157 00:13:38,530 --> 00:13:41,430 守りとおしてきた 威厳や誇りなどは 158 00:13:41,430 --> 00:13:44,400 ただの安っぽい飾りとしか 映るまい 159 00:13:44,400 --> 00:13:47,400 旦那様 160 00:13:57,550 --> 00:14:00,450 ((フィーア 父上とカールのことを くれぐれも頼む)) 161 00:14:00,450 --> 00:14:05,450 ((大丈夫 私は必ず生きて帰るよ 約束する)) 162 00:14:17,500 --> 00:14:19,500 ウソつき 163 00:14:34,520 --> 00:14:38,390 反乱軍の位置は どうだ? 圏内到達まで およそ7時間です 164 00:14:38,390 --> 00:14:42,400 7時間か 思っていたよりも 随分早いな 165 00:14:42,400 --> 00:14:45,530 我々の退却に要する時間を 考慮すると 166 00:14:45,530 --> 00:14:48,440 リミットは今から2時間だな 167 00:14:48,440 --> 00:14:50,400 それまでに 子爵の了解を得られない場合は 168 00:14:50,400 --> 00:14:54,540 作戦を強行しろ しかし 司令官 169 00:14:54,540 --> 00:14:57,440 この作戦は 我々だけの問題ではない 170 00:14:57,440 --> 00:14:59,410 失敗すれば全てが無駄になるのだ 171 00:14:59,410 --> 00:15:03,410 帝国の存亡が 懸かっていることを忘れるな! 172 00:15:10,490 --> 00:15:12,430 随分 早いお出ましですな 173 00:15:12,430 --> 00:15:15,360 はっ 多少 状況が変化しましたので 174 00:15:15,360 --> 00:15:18,360 なるほど どうやらお急ぎのようなので 175 00:15:18,360 --> 00:15:25,510 手短に結論をお伝えする 我々は指示された指令に従う 176 00:15:25,510 --> 00:15:28,410 ただし 条件がある 177 00:15:28,410 --> 00:15:33,380 私にできることでしたら いや ぜひとも やってもらう 178 00:15:33,380 --> 00:15:35,520 というのは フィーアとカールのことだ 179 00:15:35,520 --> 00:15:38,420 2人を オーディンへ連れていってもらいたい 180 00:15:38,420 --> 00:15:42,390 それは もちろんですが まさか子爵は 181 00:15:42,390 --> 00:15:45,530 うん ワシは ここに残る 182 00:15:45,530 --> 00:15:48,430 そんな… 敵は間もなく やって来ますぞ 183 00:15:48,430 --> 00:15:51,400 その敵の中に 食料も持たぬ領民たちだけを 184 00:15:51,400 --> 00:15:54,530 残していくことは やはりワシにはできん 185 00:15:54,530 --> 00:15:56,470 しかし それに この地は 186 00:15:56,470 --> 00:15:58,400 我が先祖が自ら切り開き 187 00:15:58,400 --> 00:16:02,340 ていしゅつより安どされたる 伝来の地 188 00:16:02,340 --> 00:16:04,340 そして 何より このワシが生まれ育ち 189 00:16:04,340 --> 00:16:11,480 亡き両親や妻や 息子のアーベントの思い出が眠る星だ 190 00:16:11,480 --> 00:16:17,360 閣下 どうせワシは老い先短い身だ 191 00:16:17,360 --> 00:16:20,490 オーディンかどこかで 客死するよりも 192 00:16:20,490 --> 00:16:25,370 たとえ 反乱軍に処刑されようと 領民に殺されようと 193 00:16:25,370 --> 00:16:28,370 この地で果てることを選びたい 194 00:16:30,500 --> 00:16:34,370 だが 孫のカールは5歳 嫁のフィーアも まだ若い 195 00:16:34,370 --> 00:16:37,380 あの者たちは 生きるべき未来がある 196 00:16:37,380 --> 00:16:42,520 年寄りの感傷になど つきあうことはない 197 00:16:42,520 --> 00:16:48,390 頼む准将 このとおりだ あの2人を頼む 198 00:16:48,390 --> 00:16:52,530 そして カールはクラインゲルト家を 再興できるよう 計らってほしい 199 00:16:52,530 --> 00:16:54,460 お手をお上げください 200 00:16:54,460 --> 00:16:58,460 私にできるだけのことは いたします 201 00:17:04,470 --> 00:17:06,410 くれぐれも頼む 202 00:17:06,410 --> 00:17:08,340 カールは あのアーベントの血を引いた子だ 203 00:17:08,340 --> 00:17:14,480 きっと いつの日かクラインゲルト家を 復興させてくれることだろう 204 00:17:14,480 --> 00:17:17,380 しかし 民衆のほうは いかがなさいます 205 00:17:17,380 --> 00:17:19,350 それはワシに任せてもらおう 206 00:17:19,350 --> 00:17:22,360 さっ 早く フィーアのところへ行ってやってくれ 207 00:17:22,360 --> 00:17:27,360 はい では くれぐれも ご無理をなさいませんように 208 00:17:43,510 --> 00:17:45,450 ≪旦那様 んっ? 209 00:17:45,450 --> 00:17:48,380 領民の代表がまいりました 210 00:17:48,380 --> 00:17:51,380 通しなさい はい 211 00:17:53,520 --> 00:17:55,460 お父様が そんなことを 212 00:17:55,460 --> 00:18:00,460 フィーア 急いで支度をしてくれ あまり時間がないんだ 213 00:18:06,470 --> 00:18:11,340 ここを戦場にしないためには 必要な処置なのだ 心配はいらん 214 00:18:11,340 --> 00:18:14,340 供出した物資や食料も 反乱軍が来れば 215 00:18:14,340 --> 00:18:19,340 倍になって返ってくるぞ 心配するな ワシも残るのじゃ 216 00:18:24,480 --> 00:18:27,480 早く 急いでください 217 00:18:35,500 --> 00:18:38,500 フィーア 218 00:18:55,520 --> 00:18:59,520 順調だな ああ だが あと1時間しかないぞ 219 00:19:07,460 --> 00:19:10,360 行けない えっ? 220 00:19:10,360 --> 00:19:12,330 カールもお父様も いえ… 221 00:19:12,330 --> 00:19:15,340 この国の全てを あの人は愛していた 222 00:19:15,340 --> 00:19:17,470 捨てては行けない しかし 223 00:19:17,470 --> 00:19:21,340 行ってください カールも きっと分かってくれると思います 224 00:19:21,340 --> 00:19:24,340 カール 225 00:19:24,340 --> 00:19:27,480 カール おじい様のところへ帰りましょう 226 00:19:27,480 --> 00:19:29,480 はい お母様 227 00:19:33,350 --> 00:19:38,350 強くなったな フィーア もはや… 228 00:19:58,440 --> 00:20:01,380 いや 辛うじて間に合いましたな 229 00:20:01,380 --> 00:20:04,380 ≪いよいよです 敵が現れました 230 00:20:04,380 --> 00:20:08,380 よし 全艦 全速で離脱 はっ! 231 00:20:12,530 --> 00:20:15,530 《さらばだ フィーア》 232 00:20:32,550 --> 00:20:35,450 ≪来たぞ! ≪お~い! 233 00:20:35,450 --> 00:20:40,450 ≪同盟軍万歳 同盟軍万歳… 234 00:20:46,560 --> 00:20:51,430 知らぬ間に雨が降ったようだな はい わずかばかり 235 00:20:51,430 --> 00:20:53,430 不思議だな 雨というのは 236 00:20:53,430 --> 00:20:56,570 降っている間は 妙に心を重くするが 237 00:20:56,570 --> 00:21:00,440 ひとたび 上がれば 全てを美しく見せる 238 00:21:00,440 --> 00:21:03,380 雨というのは 消えた名もない星々の 239 00:21:03,380 --> 00:21:07,510 涙なのかもしれませんね フッ 詩人だな 240 00:21:07,510 --> 00:21:10,510 女々しいだけです 241 00:21:36,540 --> 00:21:40,410 <自由惑星同盟は 帝国の圧制を逃れた> 242 00:21:40,410 --> 00:21:43,420 <共和主義者によって 建てられた国家である> 243 00:21:43,420 --> 00:21:47,550 <従って その戦いは いまだ 帝国の圧制に苦しむ> 244 00:21:47,550 --> 00:21:50,460 <民衆の解放を目的としている> 245 00:21:50,460 --> 00:21:57,460 <だが その解放すべき民衆との 蜜月時代は 長く続かなかった> 246 00:23:46,540 --> 00:23:49,440 <戦うことなく撤退した 帝国軍につられるように> 247 00:23:49,440 --> 00:23:52,410 <同盟軍は帝国領深く進攻した> 248 00:23:52,410 --> 00:23:56,550 <だが ヤンは そこに秘められた 危険性を感じていた> 249 00:23:56,550 --> 00:23:59,450 <次回『銀河英雄伝説』第14話 「辺境の解放」> 250 00:23:59,450 --> 00:24:01,450 <銀河の歴史が また1ページ>