1 00:01:34,100 --> 00:01:36,740 <イゼルローン要塞は 銀河帝国と> 2 00:01:36,740 --> 00:01:41,250 <自由惑星同盟の境界に位置する 人工惑星である> 3 00:01:41,250 --> 00:01:45,120 <その直径60キロ 内部は数千の階層に分かれ> 4 00:01:45,120 --> 00:01:49,120 <2万隻の駐留艦隊を収容する 軍事宇宙港や> 5 00:01:49,120 --> 00:01:52,260 <兵器工しょうを含む 戦略基地としての機能を> 6 00:01:52,260 --> 00:01:54,190 <全て備えている> 7 00:01:54,190 --> 00:01:57,130 <イゼルローンは 民間人300万人を含む> 8 00:01:57,130 --> 00:02:00,060 <500万人が居留する 大都市でもある> 9 00:02:00,060 --> 00:02:04,200 <酸素供給システムの一環でもある 広大な植物プラント> 10 00:02:04,200 --> 00:02:09,070 <完全な自給自足を可能にする 水耕農場と食品工場> 11 00:02:09,070 --> 00:02:17,210 <病院 学校 スポーツ施設 娯楽施設 商店 飲食店など> 12 00:02:17,210 --> 00:02:19,150 <大都市にあるべきもので ないものはない> 13 00:02:19,150 --> 00:02:22,090 <このイゼルローン要塞の 総責任者が> 14 00:02:22,090 --> 00:02:28,090 <同盟軍の歴史上 最年少の大将 ヤン・ウェンリーである> 15 00:02:32,230 --> 00:02:36,100 ああ ありがとう 何を考えておいででした? 16 00:02:36,100 --> 00:02:39,100 うん?人に言えることじゃないよ 17 00:02:39,100 --> 00:02:41,240 どうも 勝つことばかり考えていると 18 00:02:41,240 --> 00:02:44,740 人間は際限なく 卑しくなるものだな 19 00:02:44,740 --> 00:02:48,250 軍人というのは 敵を殺し 味方を死なせ 20 00:02:48,250 --> 00:02:51,150 他人をだましたり 出し抜いたり することに明け暮れる 21 00:02:51,150 --> 00:02:54,120 ろくでもない商売だ 提督 22 00:02:54,120 --> 00:02:58,760 ユリアンが軍人になりたいと言うなら しょうがないが いいかい?ユリアン 23 00:02:58,760 --> 00:03:01,190 軍隊というのは 道具にすぎないんだ 24 00:03:01,190 --> 00:03:03,130 それも ないほうがいい道具だ 25 00:03:03,130 --> 00:03:05,060 そのことを覚えておいて その上で なるべく 26 00:03:05,060 --> 00:03:08,070 無害な道具になれるといいね はい 27 00:03:08,070 --> 00:03:11,700 私自身 ずっと そう思ってきたんだが 28 00:03:11,700 --> 00:03:16,210 9年前のエル・ファシルから 全てが狂ってきてしまった 29 00:03:16,210 --> 00:03:21,710 全く なまじ地位が上がると人間は どんどん不純になってくるね 30 00:03:21,710 --> 00:03:24,210 エル・ファシル? ええ 31 00:03:24,210 --> 00:03:27,120 フレデリカさんは あの時 エル・ファシルにいらしたんでしょ? 32 00:03:27,120 --> 00:03:33,220 ええ そういえば ちょうど 今のユリアンと同じ年だったわ 33 00:03:33,220 --> 00:03:37,090 でも あの時の大人たちの 取り乱しようったらなかった 34 00:03:37,090 --> 00:03:39,100 帝国軍が近づいているのに 35 00:03:39,100 --> 00:03:43,230 駐留軍の司令官が… リンチ少将だったわね 36 00:03:43,230 --> 00:03:45,740 自分たちだけで さっさと逃げ出して 37 00:03:45,740 --> 00:03:49,610 民間人は 落ちこぼれの新米士官と 一緒に置き去りにされたって… 38 00:03:49,610 --> 00:03:54,750 やけ酒は飲むし ヒステリーを起こして 泣きわめくし 乱闘は起こすし 39 00:03:54,750 --> 00:03:58,250 大人で平静だったのは ヤン提督ぐらいなものだったわ 40 00:03:58,250 --> 00:04:00,680 落ちこぼれの 新米士官という印象は 41 00:04:00,680 --> 00:04:03,190 今でも 変わらないんじゃありませんか? 42 00:04:03,190 --> 00:04:08,060 そうね あんまり変わらないわね 僕 ふと思ったんです 43 00:04:08,060 --> 00:04:13,200 あの戦いで 当時のヤン中尉が 英雄になどならなかったら 44 00:04:13,200 --> 00:04:16,700 そのほうが本人にとって 幸せだったんじゃないかって 45 00:04:16,700 --> 00:04:20,570 そうかもしれないわね ヤン中尉の望みとしては… 46 00:04:20,570 --> 00:04:24,580 駄目よ!そうしたら ヤン中尉自身 帝国軍の捕虜になって 47 00:04:24,580 --> 00:04:28,710 収容所暮らし そっか あのとおりの人だから 48 00:04:28,710 --> 00:04:31,620 今頃は 野たれ死にしてるかもしれないか 49 00:04:31,620 --> 00:04:33,580 ひどいわね フフ… 50 00:04:33,580 --> 00:04:39,220 でも 本人は何も変わらないのに ほんの小さな出来事で 51 00:04:39,220 --> 00:04:42,130 随分と 人生って変わってしまうんですね 52 00:04:42,130 --> 00:04:45,100 そうね あの時のリンチ少将だって 53 00:04:45,100 --> 00:04:48,230 それまでは 決して 評判の悪い人じゃなかったのに 54 00:04:48,230 --> 00:04:52,100 よく ご存じなんですか? 父の士官学校の後輩だとかで 55 00:04:52,100 --> 00:04:55,110 家にも 何度かみえたことがあったわ 56 00:04:55,110 --> 00:04:58,240 そういえば 結局 帝国軍に捕まって 57 00:04:58,240 --> 00:05:01,680 その後 どうなったのかしら 58 00:05:01,680 --> 00:05:03,610 ((逃げたんじゃない!)) 59 00:05:03,610 --> 00:05:06,180 ((民間人を連れていけば 足手まといになる)) 60 00:05:06,180 --> 00:05:09,690 ((そう考えたから 俺たちだけで脱出したんだ)) 61 00:05:09,690 --> 00:05:12,190 ((脱出して 味方の増援を頼めば)) 62 00:05:12,190 --> 00:05:15,090 ((エル・ファシルなど すぐに取り戻せた!)) 63 00:05:15,090 --> 00:05:17,060 ((それを ヤン・ウェンリーのヤツめ)) 64 00:05:17,060 --> 00:05:20,060 ((俺たちが脱出したのを おとりにしやがって)) 65 00:05:20,060 --> 00:05:25,200 ((いわば 俺たちを犠牲にして 自分が生き延びただけのことだ)) 66 00:05:25,200 --> 00:05:28,110 ((何が エル・ファシルの英雄だ!)) 67 00:05:28,110 --> 00:05:32,710 ((あの落ちこぼれ中尉が 今や 大将閣下だと?くそっ)) 68 00:05:32,710 --> 00:05:34,650 ((それに引き換え この俺は)) 69 00:05:34,650 --> 00:05:38,580 ((「ひきょう者よ 恥知らずよ」と 収容所でまで白眼視され)) 70 00:05:38,580 --> 00:05:41,220 ((風のウワサに聞けば 女房も子供も)) 71 00:05:41,220 --> 00:05:43,720 ((籍まで抜いちまったと…)) 72 00:05:43,720 --> 00:05:46,220 ((ハハハ…)) 73 00:05:46,220 --> 00:05:50,730 確かに 俺の選択は 間違っていたかもしれん 74 00:05:50,730 --> 00:05:52,660 だが ここまで おとしめられ 75 00:05:52,660 --> 00:05:56,230 ここまで苦しめられねば ならないほどのことか 76 00:05:56,230 --> 00:05:58,170 軍には もっと残虐なことや 77 00:05:58,170 --> 00:06:01,670 もっと卑劣なマネをしてきた ヤツがいっぱいいる 78 00:06:01,670 --> 00:06:04,580 第一 英雄などというヤツは 早い話が 79 00:06:04,580 --> 00:06:08,180 それだけ 大量殺人をしてきた ヤツだということじゃないか! 80 00:06:08,180 --> 00:06:14,180 そいつらより 俺は 道義的に 劣ることをしてきたというのか 81 00:06:18,190 --> 00:06:24,060 いかがですか? この男 今回の任務には適任かと 82 00:06:24,060 --> 00:06:30,200 誰だ?あんた ラインハルト・フォン・ローエングラムだ 83 00:06:30,200 --> 00:06:34,710 へ~ あんたが帝国の若き英雄か 本当に若いな 84 00:06:34,710 --> 00:06:38,210 エル・ファシルを知ってるかい? 何年前になるかな 85 00:06:38,210 --> 00:06:43,080 あんた その頃 子供だったろう 俺は少将だったぜ 86 00:06:43,080 --> 00:06:48,220 リンチ よく聞け お前に ある任務を 与えてやるから それを果たせ 87 00:06:48,220 --> 00:06:51,120 成功したら 帝国軍少将の位をくれてやる 88 00:06:51,120 --> 00:06:55,090 少将… へへへ 少将か そいつは悪くないな 89 00:06:55,090 --> 00:06:57,230 で 何をすりゃいいんだ? 90 00:06:57,230 --> 00:07:01,100 お前の故国 自由惑星同盟に潜入して 91 00:07:01,100 --> 00:07:05,040 軍内部の不平分子を扇動し クーデターを起こさせるのだ 92 00:07:05,040 --> 00:07:08,670 ハハハ… 無理だい そんなこと不可能だ 93 00:07:08,670 --> 00:07:12,180 あんた シラフで言ってんのか? 不可能ではない 94 00:07:12,180 --> 00:07:16,050 ここに計画書がある このとおりやれば 必ず成功する 95 00:07:16,050 --> 00:07:21,180 しかし!もし失敗すれば 俺は死ぬ!きっと殺される 96 00:07:21,180 --> 00:07:23,120 その時は死ね 97 00:07:23,120 --> 00:07:26,060 今のお前に生きる価値があると 思っているのか? 98 00:07:26,060 --> 00:07:28,060 お前は ひきょう者だ 99 00:07:28,060 --> 00:07:33,200 守るべき民間人も 指揮すべき兵も 捨てて逃亡した 恥知らずだ 100 00:07:33,200 --> 00:07:36,100 どのように言い訳しようと 誰も お前を支持しない! 101 00:07:36,100 --> 00:07:39,070 そんなになっても まだ命が惜しいか 102 00:07:39,070 --> 00:07:42,710 そうだ いまさら 汚名の晴らしようもない 103 00:07:42,710 --> 00:07:45,210 だとすれば せめて徹底的に 104 00:07:45,210 --> 00:07:47,140 ひきょうに恥知らずに 生きてやるか 105 00:07:47,140 --> 00:07:52,080 少将の件は間違いないだろうな? 106 00:07:52,080 --> 00:07:54,220 へへへ… 107 00:07:54,220 --> 00:07:58,090 閣下 キルヒアイス上級大将は 108 00:07:58,090 --> 00:08:03,030 今回の策 あまり 乗り気では ないように お見受けしましたが 109 00:08:03,030 --> 00:08:08,170 そんなことはない 閣下 あえて申し上げますが 110 00:08:08,170 --> 00:08:11,070 キルヒアイス閣下には 向かない仕事もあります 111 00:08:11,070 --> 00:08:15,040 宇宙艦隊に副指令長官を 置く必要はありますまい 112 00:08:15,040 --> 00:08:19,180 幼なじみも結構ですが いきなり上級大将とは 113 00:08:19,180 --> 00:08:23,050 ロイエンタールやミッターマイヤーらとの バランスもお考えください 114 00:08:23,050 --> 00:08:27,050 差し出がましいぞ オーベルシュタイン 115 00:08:27,050 --> 00:08:30,050 もう決めたことだ 116 00:08:33,190 --> 00:08:38,060 チェックですよ 提督 えっ?あれっ… いつの間に 117 00:08:38,060 --> 00:08:43,200 「お休みのところ 失礼します」 何だい?今 忙しいんだが 118 00:08:43,200 --> 00:08:46,100 「帝国軍の戦艦が 使者としてやって来ました」 119 00:08:46,100 --> 00:08:49,710 「重大な用件で 提督にお会いしたいそうです」 120 00:08:49,710 --> 00:08:58,220 そうか おいでなすったな 今 行く… さてと 121 00:08:58,220 --> 00:09:04,020 あっ 提督!銃をお忘れです いらない いらない 122 00:09:04,020 --> 00:09:07,020 提督!でも 手ぶらでは… 123 00:09:07,020 --> 00:09:11,660 ユリアン もし 私が 銃を持っていて撃ったとしてだ 124 00:09:11,660 --> 00:09:14,160 当たると思うかい? いいえ 125 00:09:14,160 --> 00:09:17,070 だったら 持っていたってしかたがない 126 00:09:17,070 --> 00:09:19,040 はあ… そういえば 127 00:09:19,040 --> 00:09:21,670 シェーンコップに 射撃を習ってるんだって? 128 00:09:21,670 --> 00:09:25,540 はい!准将のおっしゃるには 僕 筋がいいそうです 129 00:09:25,540 --> 00:09:28,180 ほう そいつは頼もしい いざとなったら 130 00:09:28,180 --> 00:09:30,110 ユリアンに助けてもらおう 131 00:09:30,110 --> 00:09:35,050 ええ!必ず守ってさしあげます コイツ!ハハハ… 132 00:09:35,050 --> 00:09:38,190 帝国のローエングラム元帥の名で 133 00:09:38,190 --> 00:09:43,060 「双方が抱えている200万人以上の 捕虜を交換したい」と言ってきた 134 00:09:43,060 --> 00:09:46,060 何だって こんな時期に? 捕虜交換ってのは 普通 135 00:09:46,060 --> 00:09:49,200 もうちょっと 平穏な時期にやるもんでしょ? 136 00:09:49,200 --> 00:09:52,700 うさんくさいですな 新しく エルウィン・ヨーゼフ2世が 137 00:09:52,700 --> 00:09:54,640 即位したのに合わせた 138 00:09:54,640 --> 00:09:57,210 恩赦だそうだ なるほど 139 00:09:57,210 --> 00:10:00,110 いや たぶん それは表向きの理由で 140 00:10:00,110 --> 00:10:04,080 狙いは別にあるはずだ と 言いますと? 141 00:10:04,080 --> 00:10:07,720 ローエングラム侯は いよいよ 貴族連合との武力抗争に 142 00:10:07,720 --> 00:10:10,620 乗り出すことを決めた ということだ 143 00:10:10,620 --> 00:10:13,590 つまり 我々 同盟軍が その間に 144 00:10:13,590 --> 00:10:15,590 帝国に ちょっかいを出せなくするために 145 00:10:15,590 --> 00:10:19,230 打ってきた手だとみるべきだと 思う 146 00:10:19,230 --> 00:10:21,730 それは? 捕虜交換に かこつけて 147 00:10:21,730 --> 00:10:25,240 工作員を潜入させ 同盟軍を分裂させる 148 00:10:25,240 --> 00:10:28,140 何ですと! そんなことが? 149 00:10:28,140 --> 00:10:32,110 できるはずがない… と 言い切れるほどに 150 00:10:32,110 --> 00:10:36,250 我が軍の団結は 強固なものではない 151 00:10:36,250 --> 00:10:40,120 では ローエングラム侯の申し入れ 拒否しますか? 152 00:10:40,120 --> 00:10:44,120 それは できない 同盟軍は文民統制が原則だ 153 00:10:44,120 --> 00:10:48,260 私には この件に関する決定権はない 154 00:10:48,260 --> 00:10:52,760 では そのことを 政府に知らせては いかがですか? 155 00:10:52,760 --> 00:10:57,270 証拠は何もない 間もなく 総選挙があるだろう? 156 00:10:57,270 --> 00:11:01,140 捕虜には選挙権がないが 帰還兵には それがある 157 00:11:01,140 --> 00:11:06,080 200万票 いや 家族を入れれば500万票かな 158 00:11:06,080 --> 00:11:09,210 こいつの魅力に勝てるだけの 説得力は持てないだろう 159 00:11:09,210 --> 00:11:11,150 それに それに? 160 00:11:11,150 --> 00:11:20,220 表沙汰になれば トリューニヒト議長の 軍に対する発言権を強めるだけだ 161 00:11:20,220 --> 00:11:25,100 それでは 帰還兵を調べて 工作員を捜し出しますか? 162 00:11:25,100 --> 00:11:27,100 それは不可能だ 163 00:11:27,100 --> 00:11:30,230 200万人の中に紛れ込まれたら 捜しようがあるまい 164 00:11:30,230 --> 00:11:35,110 それに これが おとり ということもありえる 165 00:11:35,110 --> 00:11:42,250 で どうなさる おつもりですか? 考えは ある 166 00:11:42,250 --> 00:11:44,180 <ヤンの予想したとおり> 167 00:11:44,180 --> 00:11:49,180 <同盟政府は 帝国の提案を受け入れた> 168 00:11:53,260 --> 00:11:57,130 「勇戦むなしく 敵中に捕らわれた 忠実なる兵士たちよ」 169 00:11:57,130 --> 00:11:59,760 「私は卿らに約束する」 170 00:11:59,760 --> 00:12:04,200 「捕虜となったことを罪とし それを責めるごとき愚劣な慣習は」 171 00:12:04,200 --> 00:12:07,100 「これを 全面的に廃止するものである」 172 00:12:07,100 --> 00:12:11,070 「帰国した諸君全員に 一時金と休暇を与える」 173 00:12:11,070 --> 00:12:15,210 「しかる後 希望者は 自らの意思をもって軍に復帰せよ」 174 00:12:15,210 --> 00:12:20,720 「全員 1階級を昇格させる 我が兵士 英雄諸君」 175 00:12:20,720 --> 00:12:23,220 「恥じるべき何ものも 卿らにはない」 176 00:12:23,220 --> 00:12:25,160 「胸を張って帰国せよ」 177 00:12:25,160 --> 00:12:27,090 「恥じるべきは 卿らを前線に駆り立て」 178 00:12:27,090 --> 00:12:29,730 「降伏も やむなき窮状に追い込んだ」 179 00:12:29,730 --> 00:12:33,230 「無能で卑劣な 旧軍指導者たちである」 180 00:12:33,230 --> 00:12:37,730 「私 ローエングラム元帥も諸君らに感謝し かつ わびねばならぬ」 181 00:12:37,730 --> 00:12:40,240 「最後に 人道をもって 捕虜交換に応じてくれた」 182 00:12:40,240 --> 00:12:44,740 「自由惑星同盟軍の対応に 感謝の意を表するものである」 183 00:12:44,740 --> 00:12:51,740 「銀河帝国宇宙艦隊 司令長官 ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥」 184 00:12:53,750 --> 00:12:55,690 完璧だ 185 00:12:55,690 --> 00:13:01,190 ローエングラム侯は 200万の精鋭を補充することになる 186 00:13:07,200 --> 00:13:11,070 どうやら本物らしいな 187 00:13:11,070 --> 00:13:14,070 いや… 爆弾でも積んでるんじゃ ないかと思ってね 188 00:13:14,070 --> 00:13:16,710 そんな小細工はしないだろ 189 00:13:16,710 --> 00:13:19,210 この時期に イゼルローンを取り戻しても 190 00:13:19,210 --> 00:13:22,110 ローエングラム侯にとって あまり メリットはない 191 00:13:22,110 --> 00:13:25,080 むしろ 維持するために 戦力を割かねばならず 192 00:13:25,080 --> 00:13:27,080 不利になるからね なるほど 193 00:13:27,080 --> 00:13:32,220 ハンサムな人ですね そうね なかなかの好男子ね 194 00:13:32,220 --> 00:13:35,730 ヘッ まあ あれだな ローエングラム侯には及ばんな 195 00:13:35,730 --> 00:13:39,230 そうだな あと10年も 人格に磨きをかけて 196 00:13:39,230 --> 00:13:44,100 深みと成熟さを増したら 俺の対抗馬になるかもしれんな 197 00:13:44,100 --> 00:13:46,100 フフフ… 198 00:13:46,100 --> 00:13:51,100 すごいな 僕と6つしか違わないのに 199 00:13:55,250 --> 00:13:59,750 銀河帝国軍 上級大将 ジークフリード・キルヒアイスです 200 00:13:59,750 --> 00:14:03,190 ヤン・ウェンリーです 遠路 ご苦労さまです 201 00:14:03,190 --> 00:14:07,060 ヤン閣下には かねがね お会いしたいと思っていました 202 00:14:07,060 --> 00:14:10,060 こういう形で お会いできてよかった 203 00:14:10,060 --> 00:14:12,200 全くですね 204 00:14:12,200 --> 00:14:16,200 すてきね ハンサムだわ 205 00:14:25,210 --> 00:14:28,110 形式というのは 必要かもしれませんが 206 00:14:28,110 --> 00:14:32,080 ばかばかしいことでもありますね ヤン提督 207 00:14:32,080 --> 00:14:35,080 同感です 208 00:14:45,230 --> 00:14:48,730 君は いくつですか? 今年15になります 209 00:14:48,730 --> 00:14:53,240 そうですか 私が初陣したのも 15の時でした 210 00:14:53,240 --> 00:15:00,240 頑張りなさいと言える立場では ありませんが 元気でいてください 211 00:15:02,050 --> 00:15:04,680 (拍手) 212 00:15:04,680 --> 00:15:07,180 ほら あんまり感激して 213 00:15:07,180 --> 00:15:10,090 帝国へ寝返えんなよ? えっ? 214 00:15:10,090 --> 00:15:15,060 ジークフリード・キルヒアイスか 感じのいい人でしたね 215 00:15:15,060 --> 00:15:17,190 うん 妙なもんだな 216 00:15:17,190 --> 00:15:22,070 味方の政治家より 敵の将軍に好感を持てるなんて 217 00:15:22,070 --> 00:15:30,210 会ってみたくなったな ローエングラム侯ラインハルトに 218 00:15:30,210 --> 00:15:33,110 さっ ユリアン 首都星ハイネセンに戻るぞ 219 00:15:33,110 --> 00:15:37,110 帰還兵の歓迎式典に 出席しなきゃならない 220 00:15:45,220 --> 00:15:48,120 「今回 諸君らの帰国がかなったのは」 221 00:15:48,120 --> 00:15:51,090 「我が政府の人道主義と たゆまぬ外交政策の」 222 00:15:51,090 --> 00:15:53,100 「成果であると 自負するところである」 223 00:15:53,100 --> 00:15:56,230 「諸君らは ここで英気を養い 体を休め」 224 00:15:56,230 --> 00:15:59,140 「しかる後 再び 神聖なる解放戦争へと」 225 00:15:59,140 --> 00:16:02,040 「身を投じていかねば ならないことを銘記してほしい」 226 00:16:02,040 --> 00:16:04,670 「諸君らは 生きて故国に帰り着いた」 227 00:16:04,670 --> 00:16:07,580 「しかし 諸君らに 十倍する英霊が」 228 00:16:07,580 --> 00:16:11,180 「アムリッツァで散華した記憶も 生々しい」 229 00:16:11,180 --> 00:16:14,080 ユリアン 準備はいいか? そろそろ抜け出すぞ 230 00:16:14,080 --> 00:16:16,050 はい 提督 231 00:16:16,050 --> 00:16:19,060 「専制国家とは 不倶戴天の敵である」 232 00:16:19,060 --> 00:16:25,200 「撃つとしやまん 鬼畜帝国 共和制万歳 共和制万歳」 233 00:16:25,200 --> 00:16:29,700 お疲れさまでした 提督 はあ 全く 疲れたよ 234 00:16:29,700 --> 00:16:32,200 トリューニヒトの演説は 聞かされるわ 235 00:16:32,200 --> 00:16:37,200 社交辞令につきあわされるわ これも給料分かな 236 00:16:42,210 --> 00:16:45,720 やれやれ こんなふうに 人目を避けねばならんとは 237 00:16:45,720 --> 00:16:49,220 不便なことだな 私は 結構 楽しみましたよ 238 00:16:49,220 --> 00:16:52,120 士官学校時代を思い出しましてね 239 00:16:52,120 --> 00:16:56,090 門限破りの方法に ない知恵を絞ったもんです 240 00:16:56,090 --> 00:17:01,160 ああ ありがとう 周りを見ててくれ 241 00:17:01,160 --> 00:17:06,040 それでは 話を聞こうか? そうですね 242 00:17:06,040 --> 00:17:10,170 近いうちに この国で クーデターが起こる可能性があります 243 00:17:10,170 --> 00:17:12,110 クーデターじゃと! ええ 244 00:17:12,110 --> 00:17:14,040 それが 帝国のローエングラム侯が 245 00:17:14,040 --> 00:17:18,050 背後の憂いを断つために 打ってくる手なのです 246 00:17:18,050 --> 00:17:20,180 う~む… 247 00:17:20,180 --> 00:17:24,050 なるほど すると 実際に クーデターを起こす連中は 248 00:17:24,050 --> 00:17:28,060 自分たちが ローエングラム侯に コントロールされていることは 249 00:17:28,060 --> 00:17:31,190 知らんというわけじゃな? ええ 250 00:17:31,190 --> 00:17:34,100 それにしても 面倒なことを考えたもんじゃ 251 00:17:34,100 --> 00:17:36,070 やらせるほうにしてみれば 252 00:17:36,070 --> 00:17:39,070 それほど 労力を 必要とするわけではありません 253 00:17:39,070 --> 00:17:42,210 それに ローエングラム侯にしてみれば 254 00:17:42,210 --> 00:17:44,710 クーデターが 成功する必要はないのです 255 00:17:44,710 --> 00:17:47,210 自分が国内を平定する間 256 00:17:47,210 --> 00:17:50,110 同盟を分裂させておけば いいだけですから 257 00:17:50,110 --> 00:17:54,080 う~ん… で? ワシが 近く発生するクーデターを 258 00:17:54,080 --> 00:17:57,220 未然に防がねばならぬ というわけじゃな? 259 00:17:57,220 --> 00:18:01,090 事が事ですので うっかり他人に話せません 260 00:18:01,090 --> 00:18:05,030 責任重大じゃな それと もう1つ 261 00:18:05,030 --> 00:18:09,170 頂いておきたいものがあります んっ? 262 00:18:09,170 --> 00:18:13,670 なるほど 分かった 明日にでも渡せるようにしよう 263 00:18:13,670 --> 00:18:17,170 最も そんな物使わんでも 済むにこしたことはないが 264 00:18:17,170 --> 00:18:21,040 それでは 帰るとするかな ええ 265 00:18:21,040 --> 00:18:24,050 ああ そうじゃった 1つ 良い知らせがあった 266 00:18:24,050 --> 00:18:27,180 貴官が願い出ていた キャゼルヌ少将の件 267 00:18:27,180 --> 00:18:29,120 うまく いきそうじゃよ 268 00:18:29,120 --> 00:18:32,690 キャゼルヌ少将が イゼルローンに来られるのですか? 269 00:18:32,690 --> 00:18:35,190 ああ 提督!よかったですね 270 00:18:35,190 --> 00:18:38,090 ああ これで だいぶ 私も楽になる 271 00:18:38,090 --> 00:18:42,070 ≪地球を我が手に… んっ?何です?あれは 272 00:18:42,070 --> 00:18:47,200 最近 流行しとる宗教団体で 「地球教」とかいうそうだ 273 00:18:47,200 --> 00:18:51,710 地球?あの人類発祥の星ですか ああ 274 00:18:51,710 --> 00:18:55,580 今や 帝国のかなたにある地球を 聖地として あがめて 275 00:18:55,580 --> 00:19:00,150 この戦争を その聖地奪還のための 聖戦と位置づけて 276 00:19:00,150 --> 00:19:02,650 積極的に協力するんだそうだ 277 00:19:02,650 --> 00:19:05,560 バカな いまさら 十字軍でもあるまいに 278 00:19:05,560 --> 00:19:08,520 う~ん 甚だしい時代錯誤じゃな 279 00:19:08,520 --> 00:19:11,660 まっ 早い話 右翼集団には違いない 280 00:19:11,660 --> 00:19:15,160 テルヌーゼンの選挙で 評判を落とした憂国騎士団が 281 00:19:15,160 --> 00:19:18,670 衣替えしただけというところか 282 00:19:18,670 --> 00:19:21,570 このままでは 自由惑星同盟は滅びる 283 00:19:21,570 --> 00:19:26,180 自己の利権ばかりを図る政治家に その道具と成り下がった軍部 284 00:19:26,180 --> 00:19:29,680 建国の理想を失い 腐敗しきった衆愚政治を 285 00:19:29,680 --> 00:19:31,610 我々の手で浄化するんだ 286 00:19:31,610 --> 00:19:35,550 これは国家再建のため 避けては通れない関門なのだ 287 00:19:35,550 --> 00:19:39,190 さて ここで問題となる人物が1人いる 288 00:19:39,190 --> 00:19:42,090 イゼルローン要塞の ヤン・ウェンリー提督だ 289 00:19:42,090 --> 00:19:45,700 首都にいなかったこともあり 彼を同士に加えていないが 290 00:19:45,700 --> 00:19:52,200 それについて 意見があれば聞こう あの知力と人望は 大いに有用だ 291 00:19:52,200 --> 00:19:55,100 イゼルローンの 戦略的価値も無視できない 292 00:19:55,100 --> 00:19:59,080 何といっても 駐留艦隊だけでも 国内最大規模だからな 293 00:19:59,080 --> 00:20:01,710 敵に回せば やっかいだ 294 00:20:01,710 --> 00:20:05,210 それは確かだが 決行の日まで時間がなさすぎる 295 00:20:05,210 --> 00:20:08,120 今から 彼を説得できるだろうか 296 00:20:08,120 --> 00:20:11,090 あんな男を 同士に 引き込む必要はないでしょう 297 00:20:11,090 --> 00:20:14,220 個人的感情で 物を言うものではない 298 00:20:14,220 --> 00:20:17,130 我々は 大義のために立つのだ 299 00:20:17,130 --> 00:20:20,100 とにかく 首都を制圧してしまえば 300 00:20:20,100 --> 00:20:23,230 いかに「奇跡のヤン」でも すぐには手を出せまい 301 00:20:23,230 --> 00:20:27,100 その時点で 彼を説得しても 遅くはないと思うが 302 00:20:27,100 --> 00:20:30,110 ≪賛成だ ≪しかたがない 303 00:20:30,110 --> 00:20:35,240 提案 同士の1人を送り込み ヤンを監視させるべきです 304 00:20:35,240 --> 00:20:39,750 もし ヤンが我々に不利益な行動を 取るようなら 抹殺できるように 305 00:20:39,750 --> 00:20:42,250 それは いいかもしれん 危険な要素には 306 00:20:42,250 --> 00:20:44,190 手を打っておくに こしたことはない 307 00:20:44,190 --> 00:20:50,130 反対はいないか? よかろう 今の提案を採用する 308 00:20:50,130 --> 00:20:53,760 《踊るがいい 手のひらの上で》 309 00:20:53,760 --> 00:21:01,260 《最後まで踊り続けられるか あとは お前らの力しだいだ!》 310 00:21:04,210 --> 00:21:08,710 あれが成功すれば ヤン・ウェンリーは イゼルローンから出てこれなくなる 311 00:21:08,710 --> 00:21:11,610 はい ところで どんな男であった? 312 00:21:11,610 --> 00:21:14,220 ヤン・ウェンリーとは? はい 313 00:21:14,220 --> 00:21:20,090 正直 つかみかねております 恐ろしいほどに 自然体で懐深く 314 00:21:20,090 --> 00:21:23,230 恐らくは 今回の作戦も見抜いているかと 315 00:21:23,230 --> 00:21:26,130 何? では なぜ こちらの策に乗るのか 316 00:21:26,130 --> 00:21:29,730 分かりません 何か手を考えているのか 317 00:21:29,730 --> 00:21:34,240 それとも いかなる状況からでも 逆転できる自信があるのか 318 00:21:34,240 --> 00:21:38,110 しかし その辺りが ヤン提督の 人となりの深さかと 319 00:21:38,110 --> 00:21:40,110 フン いずれにせよ 320 00:21:40,110 --> 00:21:43,250 敵として これほど 恐ろしい相手を知りません 321 00:21:43,250 --> 00:21:46,150 しかし しかし? 322 00:21:46,150 --> 00:21:50,750 友とできれば これに勝るものはないかと 323 00:21:50,750 --> 00:21:57,260 《ヤン・ウェンリーか 会ってみたいものだ》 324 00:21:57,260 --> 00:22:03,070 <宇宙暦797年 帝国暦488年の この年の幕開けは> 325 00:22:03,070 --> 00:22:06,070 <一見 平穏そうであった> 326 00:22:06,070 --> 00:22:09,710 <だが 誰もが その すぐ後に 来るであろう嵐を> 327 00:22:09,710 --> 00:22:13,210 <予感せずに いられなかった> 328 00:23:45,230 --> 00:23:47,170 <ラインハルトの元を訪れた ヒルダは> 329 00:23:47,170 --> 00:23:50,110 <来るべき内戦に際しての 味方を約束する> 330 00:23:50,110 --> 00:23:53,110 <まさに その時 ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯が> 331 00:23:53,110 --> 00:23:56,750 <盟約を結び ついに内戦が勃発した> 332 00:23:56,750 --> 00:24:00,180 <次回『銀河英雄伝説』第18話 「リップシュタットの密約」> 333 00:24:00,180 --> 00:24:02,180 <銀河の歴史が また1ページ>