1 00:01:33,000 --> 00:01:36,000 <新皇帝エルウィン・ヨーゼフ2世を 擁した> 2 00:01:36,000 --> 00:01:40,140 <ローエングラム候ラインハルトと リヒテンラーデ公に対し> 3 00:01:40,140 --> 00:01:42,070 <帝国で イチ ニを争う権勢家であった> 4 00:01:42,070 --> 00:01:45,010 <ブラウンシュヴァイク公と リッテンハイム侯は> 5 00:01:45,010 --> 00:01:49,150 <協力して これを排除することを ひそかに誓い合った> 6 00:01:49,150 --> 00:01:53,650 <かくて 皇帝派 リヒテンラーデ ローエングラム枢軸と> 7 00:01:53,650 --> 00:01:58,520 <反皇帝派 ブラウンシュヴァイク リッテンハイム連合との対決の機運は> 8 00:01:58,520 --> 00:02:01,090 <急速に高まりつつあった> 9 00:02:01,090 --> 00:02:05,960 どうしたものか ブラウンシュヴァイク公と リッテンハイム侯が手を結ぶとなると 10 00:02:05,960 --> 00:02:07,960 逆らうわけにもいかぬし 11 00:02:07,960 --> 00:02:10,100 かと言って リヒテンラーデ公は 12 00:02:10,100 --> 00:02:13,000 何と言っても 皇帝陛下を擁し奉るからな 13 00:02:13,000 --> 00:02:17,610 何の!陛下のご意向より 実際は あの小僧が問題なのだ 14 00:02:17,610 --> 00:02:20,110 戦争の天才というではないか 15 00:02:20,110 --> 00:02:23,610 しかも その部下は精鋭ぞろいと聞くし 16 00:02:23,610 --> 00:02:27,480 ローエングラム卿か 困ったことになった 17 00:02:27,480 --> 00:02:32,120 全く どちらについたものか 18 00:02:32,120 --> 00:02:35,630 ((お父様 何を考えておいでですの?)) 19 00:02:35,630 --> 00:02:39,130 ((んっ? いや 大したことではない)) 20 00:02:39,130 --> 00:02:41,060 ((それは頼もしいですわね)) 21 00:02:41,060 --> 00:02:45,000 ((銀河帝国の命運と このマリーンドルフ家の将来が)) 22 00:02:45,000 --> 00:02:49,140 ((大したことではないと おっしゃるのは)) 23 00:02:49,140 --> 00:02:52,040 ((で ご決心は おつきになりました?)) 24 00:02:52,040 --> 00:02:54,010 ((私は中立を望んでいるが)) 25 00:02:54,010 --> 00:02:57,010 ((それが かなわぬ時は ブラウンシュヴァイク公につく)) 26 00:02:57,010 --> 00:02:59,150 ((帝国貴族としては それが筋…)) 27 00:02:59,150 --> 00:03:03,020 ((お父様!人類の文明が 地球に発生して以来)) 28 00:03:03,020 --> 00:03:05,590 ((滅びなかった国家は 1つとしてありません)) 29 00:03:05,590 --> 00:03:09,090 ((銀河帝国だけが どうして 例外でありうるでしょう)) 30 00:03:09,090 --> 00:03:11,030 ((ヒルダ 何を言い出すのだ?)) 31 00:03:11,030 --> 00:03:14,970 ((ゴールデンバウム王朝は もう500年も続いてきました)) 32 00:03:14,970 --> 00:03:16,970 ((それも 一部の貴族が)) 33 00:03:16,970 --> 00:03:20,100 ((大部分の平民を支配するという ゆがんだ形で)) 34 00:03:20,100 --> 00:03:22,040 ((ヒルダ?おい ヒルダ)) 35 00:03:22,040 --> 00:03:24,610 ((これだけ やりたい放題 やってきたのですもの)) 36 00:03:24,610 --> 00:03:28,110 ((そろそろ 幕が下りても当然ですわ)) 37 00:03:28,110 --> 00:03:31,010 ((つまり ローエングラム侯に手を貸すと?)) 38 00:03:31,010 --> 00:03:32,980 ((そうです)) ((しかし)) 39 00:03:32,980 --> 00:03:37,620 ((それに ローエングラム侯には 大義名分もあります)) 40 00:03:37,620 --> 00:03:41,120 ((皇帝を擁する立場ですもの)) 41 00:03:41,120 --> 00:03:43,060 ((それに比べて ブラウンシュヴァイク公たちは)) 42 00:03:43,060 --> 00:03:47,000 ((野心むき出しの私事の戦を しようとしているにすぎません)) 43 00:03:47,000 --> 00:03:49,000 ((それに ブラウンシュヴァイク公らは)) 44 00:03:49,000 --> 00:03:52,140 ((やがて 大部分の貴族を 結集するでしょう)) 45 00:03:52,140 --> 00:03:55,040 ((その中に マリーンドルフ家が参加したところで)) 46 00:03:55,040 --> 00:03:57,010 ((何ほどのことも ないでしょう?)) 47 00:03:57,010 --> 00:04:01,950 ((しかし ローエングラム侯にとっては 政治的効果もあることなので)) 48 00:04:01,950 --> 00:04:04,080 ((厚遇されるに違いないと 思うのです)) 49 00:04:04,080 --> 00:04:06,020 ((それは そうかもしれんが)) 50 00:04:06,020 --> 00:04:10,950 ((そして何より この戦いは ローエングラム候が勝ちますわ)) 51 00:04:10,950 --> 00:04:14,090 ((う~ん… 分かった)) 52 00:04:14,090 --> 00:04:16,990 ((そうまで言うなら お前に任せよう)) 53 00:04:16,990 --> 00:04:19,960 ((この家は お前が継ぐのだし 何より お前の人生だ)) 54 00:04:19,960 --> 00:04:21,970 ((お前が思うようにやりなさい)) 55 00:04:21,970 --> 00:04:26,100 ((どんな結果になろうと 私は後悔しないよ)) 56 00:04:26,100 --> 00:04:28,040 ((お父様!)) 57 00:04:28,040 --> 00:04:29,970 ((マリーンドルフ家のためなど 考えなくてもいい)) 58 00:04:29,970 --> 00:04:32,980 ((むしろ マリーンドルフ家を道具にして)) 59 00:04:32,980 --> 00:04:38,980 ((お前の生きる道を広げることを 考えなさい いいね?)) 60 00:04:43,120 --> 00:04:45,060 ありがとう お父様 61 00:04:45,060 --> 00:04:49,990 マリーンドルフ家の命運を 私に委ねてくださって 62 00:04:49,990 --> 00:04:55,130 そして 面白い時代に 私を生んでくださって 63 00:04:55,130 --> 00:05:00,940 ≪お嬢様!ヒルダお嬢様! あら お出迎え ご苦労さま 64 00:05:00,940 --> 00:05:04,570 お待ちくだされば ゲートまで お迎えにあがりましたものを 65 00:05:04,570 --> 00:05:07,080 いいのよ 思ったより 便が早く着いたの 66 00:05:07,080 --> 00:05:09,980 久方ぶりのご領地は いかがでございました? 67 00:05:09,980 --> 00:05:11,950 伯爵様は お元気におなりでしたか? 68 00:05:11,950 --> 00:05:16,090 ええ!もう すっかり! その他は相変わらずね 69 00:05:16,090 --> 00:05:18,990 このまま 行ってほしい所があるんだけど 70 00:05:18,990 --> 00:05:21,960 上屋敷にお寄りしないでですか? どちらへ? 71 00:05:21,960 --> 00:05:25,960 ローエングラム候の元帥府へよ 72 00:05:29,100 --> 00:05:32,000 フッ 貴族どもの うろたえようは どうだ? 73 00:05:32,000 --> 00:05:33,970 近来にない喜劇ではないか 74 00:05:33,970 --> 00:05:39,110 終わりが めでたくなければ 喜劇とは言えないでしょうな 75 00:05:39,110 --> 00:05:41,610 しかし その貴族たちが 大同団結すれば 76 00:05:41,610 --> 00:05:44,110 武力も財力も我らより強大です 77 00:05:44,110 --> 00:05:47,980 だからこそ 冷静な判断を下す前に 激発させるのだ 78 00:05:47,980 --> 00:05:50,990 で 報告は まだか? 79 00:05:50,990 --> 00:05:55,630 はい ですが 本日 ブラウンシュヴァイク公が園遊会と称して 80 00:05:55,630 --> 00:05:59,130 リッテンハイム侯以下の 不平貴族を集めているのは事実 81 00:05:59,130 --> 00:06:03,970 ここで 何らかの動きがあるのは 必定かと思われます 82 00:06:03,970 --> 00:06:07,940 それにしても 帝国貴族は何千家もあるというが 83 00:06:07,940 --> 00:06:10,070 見るべき人材もおらんようだな 84 00:06:10,070 --> 00:06:15,070 敵にするにしても これでは役者不足も甚だしい 85 00:06:20,080 --> 00:06:22,080 (ドアが開く音) 86 00:06:24,950 --> 00:06:31,090 ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフでございます 閣下 87 00:06:31,090 --> 00:06:34,000 キルヒアイスがいないのが残念だ 88 00:06:34,000 --> 00:06:35,970 あれはマリーンドルフ家とは いささか関わりがある 89 00:06:35,970 --> 00:06:40,100 ご存じかな? はい もちろんです 90 00:06:40,100 --> 00:06:43,970 昨年のカストロプ動乱では 父を救い出していただきました 91 00:06:43,970 --> 00:06:47,980 先刻までいたのだが ちょうど すれ違いになってしまった 92 00:06:47,980 --> 00:06:52,120 で 私にご用というのは? このたびの内戦に際して 93 00:06:52,120 --> 00:06:55,020 マリーンドルフ家は 閣下にお味方させていただくこと 94 00:06:55,020 --> 00:06:59,620 申し上げにまいりました 内戦とは? 95 00:06:59,620 --> 00:07:03,060 明日にでも起こるであろう ブラウンシュヴァイク公との 96 00:07:03,060 --> 00:07:05,960 フッ 大胆な人だ 97 00:07:05,960 --> 00:07:09,570 たとえ そうなったとして 私が勝つとは かぎらないが 98 00:07:09,570 --> 00:07:12,070 それでも 私に味方してくださると? 99 00:07:12,070 --> 00:07:15,570 閣下は お勝ちになります ほう 100 00:07:15,570 --> 00:07:20,080 ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯は 一時的に手を結んだだけのことで 101 00:07:20,080 --> 00:07:22,980 お互いに協力しようとする 意思に欠けます 102 00:07:22,980 --> 00:07:24,950 何より 軍の指揮系統が 103 00:07:24,950 --> 00:07:27,950 一本化されていないのが 致命的です 104 00:07:27,950 --> 00:07:30,590 全体の兵力が 閣下を上回ったとしても 105 00:07:30,590 --> 00:07:33,490 統一された閣下の軍の 敵では ありませんでしょう 106 00:07:33,490 --> 00:07:37,090 それに貴族の主幹だけで 戦争はできません 107 00:07:37,090 --> 00:07:41,600 実際に戦闘するのは兵士たちです 平民や下級貴族の兵士たちは 108 00:07:41,600 --> 00:07:44,500 閣下とブラウンシュヴァイク公と どちらを支持するか 109 00:07:44,500 --> 00:07:47,100 火を見るより明らかでは ありませんか 110 00:07:47,100 --> 00:07:50,010 見事な見識をお持ちだ 結構 111 00:07:50,010 --> 00:07:51,980 そういうことであれば 私も味方は欲しい 112 00:07:51,980 --> 00:07:53,980 マリーンドルフ家は もちろん 113 00:07:53,980 --> 00:07:58,110 その口添えのあった家は 厚く遇することを約束しよう 114 00:07:58,110 --> 00:08:01,020 閣下の寛大なお言葉をいただき 115 00:08:01,020 --> 00:08:03,920 私どもも 知人 縁者を説得しやすくなります 116 00:08:03,920 --> 00:08:08,560 何 せっかく味方してくださるのだ 粗略なこともできまい 117 00:08:08,560 --> 00:08:10,490 もし 私で役に立つことがあったら 118 00:08:10,490 --> 00:08:13,430 何なりと言ってもらいたい 遠慮はいらぬ 119 00:08:13,430 --> 00:08:16,430 では お言葉に甘えて お願いがございます 120 00:08:16,430 --> 00:08:19,070 どうぞ? マリーンドルフ家に対し 121 00:08:19,070 --> 00:08:21,000 家門と領地を安どする 122 00:08:21,000 --> 00:08:24,940 そう 保証する 公文書をいただきとうございます 123 00:08:24,940 --> 00:08:31,080 ほう 公文書… よかろう 124 00:08:31,080 --> 00:08:34,950 今日中に文書にして お渡ししよう ありがとうございます 125 00:08:34,950 --> 00:08:38,960 マリーンドルフ家は 閣下に絶対の忠誠をお誓いします 126 00:08:38,960 --> 00:08:43,090 期待させてもらおう ところで フロイライン・マリーンドルフ 127 00:08:43,090 --> 00:08:46,960 あなたが説得してくださる 他の貴族たちに対しても 128 00:08:46,960 --> 00:08:48,970 やはり同様の保証書が必要かな? 129 00:08:48,970 --> 00:08:52,100 それは それぞれの家の者が 考えることです 130 00:08:52,100 --> 00:08:55,000 それに 閣下が おやりになろうと していることには 131 00:08:55,000 --> 00:08:59,910 そうした物が たくさんあっては お邪魔でございましょう? 132 00:08:59,910 --> 00:09:05,050 フフフ… ハハハ…! 133 00:09:05,050 --> 00:09:08,920 いや これは失礼 見かけによらず怖い方だ 134 00:09:08,920 --> 00:09:12,920 フロイライン・マリーンドルフ (ノック) 135 00:09:12,920 --> 00:09:18,060 ご無礼を 閣下 不平貴族どもが やはり動きだしました 136 00:09:18,060 --> 00:09:21,930 フロイライン・マリーンドルフ 今日は お会いできて楽しかった 137 00:09:21,930 --> 00:09:26,930 いずれ 食事でも ご一緒させていただこう では 138 00:09:36,080 --> 00:09:40,950 <ローエングラム候ラインハルトとリヒテンラーデ公の せん互に反対する貴族たちは> 139 00:09:40,950 --> 00:09:43,950 <ブラウンシュヴァイク公の別荘のある リップシュタットの森に参集し> 140 00:09:43,950 --> 00:09:47,090 <ひそかに盟約を結んだ> 141 00:09:47,090 --> 00:09:49,990 <これを称して リップシュタット盟約と呼び> 142 00:09:49,990 --> 00:09:52,960 <これによって 誕生した貴族たちの軍事組織を> 143 00:09:52,960 --> 00:09:56,100 <リップシュタット連合軍 という> 144 00:09:56,100 --> 00:10:00,970 盟主にブラウンシュヴァイク公オットー 副盟主にリッテンハイム侯ウィルヘルム 145 00:10:00,970 --> 00:10:05,110 その他参加した貴族 3760名 146 00:10:05,110 --> 00:10:08,980 正規軍と私兵を合わせた兵力 およそ 2560万 147 00:10:08,980 --> 00:10:17,120 そして その連合軍司令官に… ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将 148 00:10:17,120 --> 00:10:20,990 メルカッツ提督が… まさか… 149 00:10:20,990 --> 00:10:24,630 やっかいなことになりましたな メルカッツ提督とは 150 00:10:24,630 --> 00:10:28,130 実績 人望共に豊かな 老練の名将ですか 151 00:10:28,130 --> 00:10:32,000 ほほう さすがに ブラウンシュヴァイク公 自ら指揮するのでは 152 00:10:32,000 --> 00:10:35,000 誰も ついてこないというわけですな 153 00:10:35,000 --> 00:10:40,140 いかに メルカッツが率いるといっても しょせん寄せ集め 恐るるに足らぬ 154 00:10:40,140 --> 00:10:43,050 一頭の獅子に率いられた 羊の群れは 155 00:10:43,050 --> 00:10:46,020 一頭の羊に率いられる 獅子の群れを駆逐するという 156 00:10:46,020 --> 00:10:50,150 油断は せぬことだ しかし メルカッツ提督は 157 00:10:50,150 --> 00:10:54,020 閣下の才能をお認めになって おられるはずですが 意外です 158 00:10:54,020 --> 00:10:57,030 メルカッツか 159 00:10:57,030 --> 00:10:59,160 お断り申し上げたはずだ 160 00:10:59,160 --> 00:11:04,000 このような無益な戦いは いたずらに兵を損ねるだけのこと 161 00:11:04,000 --> 00:11:06,970 私には 公爵閣下にもローエングラム候にも 162 00:11:06,970 --> 00:11:12,610 加担するつもりは ござらん 何を言われる 無益とは心外だな 163 00:11:12,610 --> 00:11:16,110 卿は 帝室への忠誠を いかに考えるのか? 164 00:11:16,110 --> 00:11:20,620 なればこそ 仮にも 皇帝陛下に弓引くがごとき所業に 165 00:11:20,620 --> 00:11:23,520 及ぶわけには まいらん それは 一時のこと 166 00:11:23,520 --> 00:11:26,120 陛下を リヒテンラーデやローエングラムといった 167 00:11:26,120 --> 00:11:28,060 かん臣どもから 解放申し上げ 168 00:11:28,060 --> 00:11:29,990 伝統ある秩序を 取り戻すためにこそ 169 00:11:29,990 --> 00:11:31,990 我らは立ったのだ 170 00:11:31,990 --> 00:11:35,130 ゴールデンバウム王朝を守護する 神聖なる使命は 171 00:11:35,130 --> 00:11:39,000 選ばれた我ら伝統的階級に 与えられた 義務なのだ 172 00:11:39,000 --> 00:11:45,140 大神オーディンにも ご照覧ある! 正義は我らにこそあるのだ 173 00:11:45,140 --> 00:11:51,010 何と申されましても このワシの頼みでもか? 174 00:11:51,010 --> 00:11:56,150 提督 いや どうも 若い貴族たちは血の気が多くてな 175 00:11:56,150 --> 00:12:00,020 協力を拒むような やからは 貴族の風上にも置けぬから 176 00:12:00,020 --> 00:12:01,960 天ちゅうを加えるべきだと 言ってな 177 00:12:01,960 --> 00:12:04,960 ワシは止めておるのだが どうもな 178 00:12:04,960 --> 00:12:08,100 もとより 流血も辞さぬ覚悟だと申してな 179 00:12:08,100 --> 00:12:10,600 そうした者を血祭りに上げれば 180 00:12:10,600 --> 00:12:14,100 大神オーディンへの いけにえにも ちょうどよいとな 181 00:12:14,100 --> 00:12:19,980 神への いけにえにというと 若い娘と相場が決まってるそうな 182 00:12:19,980 --> 00:12:25,110 そういえば 卿にも娘がおったな 183 00:12:25,110 --> 00:12:31,990 さて 改めて返答を聞こうか? 帝室の恩顧に報いる覚悟のほどを 184 00:12:31,990 --> 00:12:35,120 では 非才の身ながら お引き受けします 185 00:12:35,120 --> 00:12:37,060 うん 186 00:12:37,060 --> 00:12:42,000 しかしながら 次のことを 諸侯にご承知おき願いたい 187 00:12:42,000 --> 00:12:46,640 こと 実戦に関するかぎり 私に全権が委ねられること 188 00:12:46,640 --> 00:12:51,140 もう1つ 命令に背けば いかに やんごとなき身分の方でも 189 00:12:51,140 --> 00:12:56,010 軍議に従って処断される ということ この2点です 190 00:12:56,010 --> 00:12:59,020 どうなさいました? ブラウンシュヴァイク公に 191 00:12:59,020 --> 00:13:00,950 その条件を承知させたのでしょう 192 00:13:00,950 --> 00:13:05,090 うむ… ならば大軍を率いて強敵と戦うは 193 00:13:05,090 --> 00:13:07,990 武人の本懐と 私などは思いますが 194 00:13:07,990 --> 00:13:11,590 シュナイダー少佐 卿は まだ若いな 195 00:13:11,590 --> 00:13:15,100 ブラウンシュヴァイク公は 確かに この条件をのんだ 196 00:13:15,100 --> 00:13:18,000 だが すぐに 作戦に介入してくるだろうし 197 00:13:18,000 --> 00:13:20,600 軍規にも従いは すまい 198 00:13:20,600 --> 00:13:24,470 そのうち ローエングラム候より この ワシのほうを憎むようになるさ 199 00:13:24,470 --> 00:13:28,110 まさか! 特権は人の精神を腐敗させる 200 00:13:28,110 --> 00:13:31,010 自分を正当化し 他人を責めることは 201 00:13:31,010 --> 00:13:32,980 彼らの本能のようなものだ 202 00:13:32,980 --> 00:13:36,620 かくいうワシも 軍隊で下級兵士に接するまでは 203 00:13:36,620 --> 00:13:41,120 そのことに気付かなかったが 閣下 204 00:13:41,120 --> 00:13:47,000 少佐 私用を頼んで すまんが このまま家に寄ってはくれぬか 205 00:13:47,000 --> 00:13:54,000 それは かまいませんが 別れを済ませておきたいのだ 206 00:13:58,140 --> 00:14:01,580 無益な全面対決に至る必要は ありますまい 207 00:14:01,580 --> 00:14:05,080 我々は ローエングラム候 1人を倒せば十分なのです 208 00:14:05,080 --> 00:14:07,020 あの小僧を 暗殺せよとでも言うのか? 209 00:14:07,020 --> 00:14:10,950 はい 私に兵を300ばかり お貸しいただければ確実に 210 00:14:10,950 --> 00:14:12,960 しとめてご覧に入れます たわけ! 211 00:14:12,960 --> 00:14:17,090 貴様ら ワシがあの小僧に 勝てぬと思っておるのか! 212 00:14:17,090 --> 00:14:21,600 いえ 私が申し上げたいのは 帝国を二分する戦いとなった場合 213 00:14:21,600 --> 00:14:25,100 勝っても負けても 大きな傷が残るということです 214 00:14:25,100 --> 00:14:28,000 ローエングラム候は破壊の後に 再生を目指す立場ですから 215 00:14:28,000 --> 00:14:29,970 かまわないにしても 閣下には 216 00:14:29,970 --> 00:14:31,970 体制を維持する義務が おありのはず 217 00:14:31,970 --> 00:14:35,110 ただ勝てばいいというものでは ないでしょう 218 00:14:35,110 --> 00:14:37,050 こざかしい口を利くな! 219 00:14:37,050 --> 00:14:40,980 閣下 申し上げにくいことですが ローエングラム候は用兵の天才です 220 00:14:40,980 --> 00:14:44,620 フェルナー大佐が申すとおり 勝ったとしても犠牲は大きく 221 00:14:44,620 --> 00:14:47,120 民衆にも かなりの害を与えるでしょう 222 00:14:47,120 --> 00:14:49,630 ご再考を 「勝てたとしても」とは何か! 223 00:14:49,630 --> 00:14:54,130 必勝の信念を持たぬ者に 用はない! 224 00:14:54,130 --> 00:14:57,630 それより アンスバッハ 脱出計画のほうは進んでおろうな 225 00:14:57,630 --> 00:15:00,070 はっ 抜かりなく うん 226 00:15:00,070 --> 00:15:06,070 貴様らも 余計なことを考えず アンスバッハの手伝いでもしておれ! 227 00:15:11,080 --> 00:15:13,020 アンスバッハ 228 00:15:13,020 --> 00:15:16,950 卿からも 閣下に もう一度 具申してはもらえぬか? 229 00:15:16,950 --> 00:15:18,960 シュトライト准将 公爵閣下は 230 00:15:18,960 --> 00:15:22,090 正面からローエングラム候の軍を 打ち破ってこそ 231 00:15:22,090 --> 00:15:25,960 意味があるとお考えなのだ それこそ リッテンハイム侯爵や 232 00:15:25,960 --> 00:15:28,970 他の諸侯に対して 実力を示すことになる 233 00:15:28,970 --> 00:15:33,100 そして それこそが この戦いの次に来るであろう 234 00:15:33,100 --> 00:15:35,600 もう1つの戦いに勝つことに つながるのだと 235 00:15:35,600 --> 00:15:38,510 暗殺では卑劣と言われるだけだと うん 236 00:15:38,510 --> 00:15:43,110 次の戦いね それどころではないと思うがな 237 00:15:43,110 --> 00:15:45,050 こうなったら 我々だけで やるしかない 238 00:15:45,050 --> 00:15:47,050 兵を集めろ はっ 239 00:16:05,070 --> 00:16:07,000 ローエングラム候を殺すか 240 00:16:07,000 --> 00:16:10,940 姉のグリューネワルト伯爵夫人を 人質にするかだ 目標を忘れるな 241 00:16:10,940 --> 00:16:13,940 はっ いくぞ 242 00:16:23,090 --> 00:16:25,020 しまった 読まれていたか 大佐… 243 00:16:25,020 --> 00:16:28,020 やむをえん 撤退する 244 00:16:29,960 --> 00:16:32,960 くそっ! 245 00:16:35,100 --> 00:16:38,000 うわっ 246 00:16:38,000 --> 00:16:43,000 フフ… 始まったな ≪ラインハルト 247 00:16:46,110 --> 00:16:48,040 ご心配なく 姉上 248 00:16:48,040 --> 00:16:50,980 この館は キルヒアイスが 直々に守備しております 249 00:16:50,980 --> 00:16:52,980 心配はありません 250 00:16:52,980 --> 00:16:55,620 私は 元帥府に まいらねばなりませんが 251 00:16:55,620 --> 00:17:01,120 姉上は どうぞ お休みになってください では 252 00:17:05,060 --> 00:17:07,000 どうしたことか! はっ 253 00:17:07,000 --> 00:17:09,930 どうやら フェルナー大佐が 独断で仕掛けたようです 254 00:17:09,930 --> 00:17:12,940 何!おのれ 勝手なマネを! 255 00:17:12,940 --> 00:17:15,070 こと ここに至っては 致し方ありません 256 00:17:15,070 --> 00:17:17,970 直ちに オーディンを脱出いたしましょう 257 00:17:17,970 --> 00:17:19,970 やむをえんな 258 00:17:31,090 --> 00:17:34,590 さすが ローエングラム卿とその部下だ 259 00:17:34,590 --> 00:17:37,490 俺などの小細工が 通じる相手ではないな 260 00:17:37,490 --> 00:17:40,490 さて どうしたものか 261 00:17:44,100 --> 00:17:47,000 どうか? はっ かねての手はずどおり 262 00:17:47,000 --> 00:17:49,000 うむ 263 00:17:54,610 --> 00:17:57,510 無礼な! 何を求めてのことか知らんが 264 00:17:57,510 --> 00:18:02,050 成り上がりの青二才は 礼儀も心得ぬのか! 265 00:18:02,050 --> 00:18:04,950 失礼いたしました 私が求めておりますのは 266 00:18:04,950 --> 00:18:10,950 時代の変化を お認めいただくことです 元帥閣下 267 00:19:09,920 --> 00:19:13,060 確か シュトライト准将であったな 268 00:19:13,060 --> 00:19:16,560 卿は私を暗殺するように ブラウンシュヴァイク公に進言したそうだが 269 00:19:16,560 --> 00:19:18,490 事実か? 事実です 270 00:19:18,490 --> 00:19:21,060 我が主君に それが入れられていれば 271 00:19:21,060 --> 00:19:23,970 今頃 手錠をかけられているのは あなただったはずです 272 00:19:23,970 --> 00:19:28,940 残念なことをしました なぜ そんなことを進言したのか 273 00:19:28,940 --> 00:19:32,070 無用な戦乱で国を損ない 民衆を損なうより 274 00:19:32,070 --> 00:19:34,980 たとえ 一時の汚名を 甘受することになっても 275 00:19:34,980 --> 00:19:41,080 そのほうが良いと考えたのです うん 殺すには惜しい男だ 276 00:19:41,080 --> 00:19:43,020 通行証を出してやるから 277 00:19:43,020 --> 00:19:46,960 主人の元へ行って 卿の忠誠を全うするがよい 278 00:19:46,960 --> 00:19:51,090 できますなら オーディンに 留まることをお許しください 279 00:19:51,090 --> 00:19:54,960 主人の元へは行かぬのか? このまま 主人の元に行っても 280 00:19:54,960 --> 00:19:58,600 なぜ助かったかを 疑われるだけでしょう 281 00:19:58,600 --> 00:20:01,500 ブラウンシュヴァイク公は 部下の忠誠というものを 282 00:20:01,500 --> 00:20:06,110 あまり信じないお方なので なるほど 283 00:20:06,110 --> 00:20:09,010 では どうだ いっそ 私の部下にならぬか? 284 00:20:09,010 --> 00:20:10,980 ありがたい仰せですが 285 00:20:10,980 --> 00:20:13,980 今日までの主人を 明日から 敵に回す気にはなれません 286 00:20:13,980 --> 00:20:19,620 お許しください 分かった 自由にするがよい 287 00:20:19,620 --> 00:20:24,130 ワーレン提督 警告を無視して 逃亡を図る船がいます 288 00:20:24,130 --> 00:20:29,130 何?攻撃しろ だが最初は当てるなよ 289 00:20:39,140 --> 00:20:43,010 ブラウンシュヴァイク公の元部下 フェルナー大佐であります 290 00:20:43,010 --> 00:20:46,020 「元」? はっ 今日を境に見限りました 291 00:20:46,020 --> 00:20:49,150 できますならば 閣下の部下に していただきたいと思い 292 00:20:49,150 --> 00:20:51,090 出頭したしだいです 293 00:20:51,090 --> 00:20:55,020 すると 卿の忠誠心は どういう基準で左右されるのか 294 00:20:55,020 --> 00:20:57,030 忠誠心などというものは 295 00:20:57,030 --> 00:21:01,100 その価値の分かる人に ささげてこそ 意味のあるもので 296 00:21:01,100 --> 00:21:03,030 人を見る目のない主君に 忠誠を尽くすなど 297 00:21:03,030 --> 00:21:06,970 宝石を 泥の中に放り込むようなものです 298 00:21:06,970 --> 00:21:10,110 社会にとっての損失だと お思いになりませんか 299 00:21:10,110 --> 00:21:12,040 フッ ぬけぬけと言うヤツだな 300 00:21:12,040 --> 00:21:13,980 オーベルシュタイン はっ 301 00:21:13,980 --> 00:21:18,980 この男 卿に預ける 使ってやれ はっ 302 00:21:24,120 --> 00:21:27,020 提督!民間船を盾に取ってる 船がおります 303 00:21:27,020 --> 00:21:28,990 何? 304 00:21:28,990 --> 00:21:33,130 くっ 卑怯な 提督 305 00:21:33,130 --> 00:21:37,130 やむをえん 全艦砲撃停止! 306 00:21:39,000 --> 00:21:42,140 軍務省と統帥本部は 押さえましたが 307 00:21:42,140 --> 00:21:48,010 残念なことに ブラウンシュヴァイク公と リッテンハイム侯は取り逃がしたようです 308 00:21:48,010 --> 00:21:51,150 しかし リップシュタット盟約に参加した貴族 309 00:21:51,150 --> 00:21:56,020 3760名のうち 625名の拘禁に成功しました 310 00:21:56,020 --> 00:21:59,020 ふん まずは満足すべき結果かな 311 00:21:59,020 --> 00:22:02,090 首都を脱出した ブラウンシュヴァイク公たちは 312 00:22:02,090 --> 00:22:04,590 恐らく いずれかの要塞を本拠地として 313 00:22:04,590 --> 00:22:07,100 決戦を挑んでくることかと 思われます 314 00:22:07,100 --> 00:22:13,100 どこだと思うか? 恐らくは ガイエスブルク 315 00:22:17,110 --> 00:22:19,040 <オーベルシュタインの 予測どおり> 316 00:22:19,040 --> 00:22:25,040 <リップシュタット連合軍は ガイエスブルク要塞に集結した> 317 00:22:40,130 --> 00:22:43,030 <これに対して ローエングラム候ラインハルトは> 318 00:22:43,030 --> 00:22:46,000 <帝国軍 三長官職を兼任し> 319 00:22:46,000 --> 00:22:50,140 <皇帝より 帝国軍最高司令官の 称号を得るとともに> 320 00:22:50,140 --> 00:22:54,010 <リップシュタット連合軍 討伐の勅命を受けた> 321 00:22:54,010 --> 00:22:56,650 公称? はあ 公文書に載せる 322 00:22:56,650 --> 00:23:01,480 敵の公称を定めませんと… ああ 323 00:23:01,480 --> 00:23:06,460 よい名がある 「賊軍」というのだ 「賊軍」でございますか? 324 00:23:06,460 --> 00:23:09,090 そうだ そして 帝国中に伝えろ 325 00:23:09,090 --> 00:23:12,960 ヤツらにも聞こえるようにな 「お前らは賊軍だ」と 326 00:23:12,960 --> 00:23:15,960 はっ では行くぞ 327 00:23:15,960 --> 00:23:19,100 賊軍の立てこもるガイエスブルクへ はっ 328 00:23:19,100 --> 00:23:23,100 ハハハ…! 329 00:23:24,970 --> 00:23:32,110 <宇宙暦797年 帝国暦488年 帝国標準時4月6日> 330 00:23:32,110 --> 00:23:35,020 <帝国を二分する 歴史上最大の内乱は> 331 00:23:35,020 --> 00:23:36,990 <ついに勃発した> 332 00:23:36,990 --> 00:23:41,990 <それは ある悲劇の始まりであった> 333 00:23:46,130 --> 00:23:48,630 <帝国の内戦と時を同じくして> 334 00:23:48,630 --> 00:23:52,130 <同盟では 首都ハイネセンで 軍事クーデターが起こった> 335 00:23:52,130 --> 00:23:55,040 <この事態を予見していたヤンは 苦い思いを抱きつつ> 336 00:23:55,040 --> 00:23:58,010 <首都奪回に向かうべく 艦隊に出動を命じた> 337 00:23:58,010 --> 00:24:00,940 <次回『銀河英雄伝説』第19話 「ヤン艦隊出動」> 338 00:24:00,940 --> 00:24:02,940 <銀河の歴史が また1ページ>