1 00:01:34,400 --> 00:01:38,040 敵の妨害により イゼルローン方面はもとより 2 00:01:38,040 --> 00:01:42,010 シュワルツ・ランツェンレイター とも 通信が途絶しております 3 00:01:42,010 --> 00:01:44,810 これまでの偵察によりますと 同盟軍は 4 00:01:44,810 --> 00:01:47,450 アレクサンドル・ビュコック元帥を 司令官に 5 00:01:47,450 --> 00:01:50,820 2万隻前後の戦力を 有している模様です 6 00:01:50,820 --> 00:01:54,360 おお… 数だけは集めたものだ 7 00:01:54,360 --> 00:01:57,630 もっとも戦艦や宇宙母艦の 多かろうはずもなく 8 00:01:57,630 --> 00:02:00,460 終わった時に どれほど残っているやら 9 00:02:00,460 --> 00:02:05,000 されば一戦して これを葬るのみ 逡巡して戦機を失うは 10 00:02:05,000 --> 00:02:08,370 宇宙の統一を志す 我が軍の覇気に そぐいません 11 00:02:08,370 --> 00:02:10,640 もし いたずらに時を費やせば 12 00:02:10,640 --> 00:02:12,970 流亡の窮状にある ヤン・ウェンリー一党に 13 00:02:12,970 --> 00:02:16,750 再起の余裕を与える結果を 生ずるやもしれません 14 00:02:16,750 --> 00:02:20,220 先年 ランテマリオ星域会戦の際 彼が蠢動したために 15 00:02:20,220 --> 00:02:24,590 我が軍は同盟軍を 完全に 絶息せしめる機会を逸したのです 16 00:02:24,590 --> 00:02:27,820 陛下 何とぞ我らにお命じください 17 00:02:27,820 --> 00:02:29,760 「戦うべし」と 18 00:02:29,760 --> 00:02:31,990 ロイエンタールや ミッターマイヤーは 19 00:02:31,990 --> 00:02:35,860 今更ラインハルトに戦いを 使嗾する必要を覚えなかった 20 00:02:35,860 --> 00:02:41,170 問題は既に戦うか否かではなく どこで どのように戦うかであった 21 00:02:41,170 --> 00:02:43,640 同盟軍が どのような戦術に出るか 22 00:02:43,640 --> 00:02:47,510 ラインハルトの関心は その一事に集中していた 23 00:02:47,510 --> 00:02:49,850 そのラインハルトのもとに 同盟軍が 24 00:02:49,850 --> 00:02:53,420 マル・アデッタ星域に布陣したとの 報告がもたらされたのは 25 00:02:53,420 --> 00:02:58,920 宇宙歴800年 新帝国歴2年 1月13日のことである 26 00:02:58,920 --> 00:03:01,220 フェザーン航路局の 情報によりますと 27 00:03:01,220 --> 00:03:04,930 マル・アデッタ星系は 恒星系全体が 極めて大規模な 28 00:03:04,930 --> 00:03:07,730 アステロイドベルトを 形成しております 29 00:03:07,730 --> 00:03:10,630 惑星は最大のものでも直径120キロ 30 00:03:10,630 --> 00:03:13,600 総数は算出不能 通信は乱れ 31 00:03:13,600 --> 00:03:17,410 恒星風やエネルギー流が 無秩序に吹き荒れております 32 00:03:17,410 --> 00:03:22,340 あの老人 よくもこれほど 戦いづらい宙域を選んだものだ 33 00:03:22,340 --> 00:03:26,580 この小惑星帯の中を ねじれる ように貫く1本の回廊があり 34 00:03:26,580 --> 00:03:29,420 同盟軍は その長さ92万キロ 35 00:03:29,420 --> 00:03:32,320 直径4万キロの トンネル状の空間に潜んで 36 00:03:32,320 --> 00:03:34,960 我が軍を待ち構えております 37 00:03:34,960 --> 00:03:36,890 敵の意図は明らかだ 38 00:03:36,890 --> 00:03:40,460 これは余に対して 手袋を 投げてきたということであろう 39 00:03:40,460 --> 00:03:43,200 あの老人は 自らの命を犠牲にすることで 40 00:03:43,200 --> 00:03:47,500 民主共和主義者たちの精神を 鼓舞しようとしているのだ 41 00:03:47,500 --> 00:03:51,100 「老いてなお気骨ある者は 賞すべきかな」 42 00:03:53,980 --> 00:03:56,650 陛下 あえてご自身で 43 00:03:56,650 --> 00:04:00,480 正面から敵と勝敗を 決せられる必要はありますまい 44 00:04:00,480 --> 00:04:05,320 一軍を持って敵の妄動を抑え込み 本隊は一路 ハイネセンを突けば 45 00:04:05,320 --> 00:04:07,660 事はそれで決します 46 00:04:07,660 --> 00:04:11,060 ビュコック元帥に 老練の用兵と人望があろうとも 47 00:04:11,060 --> 00:04:13,630 しょせんは 一戦場に運命を懸けるのみ 48 00:04:13,630 --> 00:04:16,060 無視なさってよろしいかと 存じます 49 00:04:16,060 --> 00:04:18,800 卿の進言は誤ってはいない 50 00:04:18,800 --> 00:04:22,170 だが歴戦の老提督の 恐らくは死を賭しての挑戦 51 00:04:22,170 --> 00:04:24,110 受けねば非礼にあたろう 52 00:04:24,110 --> 00:04:26,140 他にも理由がないわけではないが 53 00:04:26,140 --> 00:04:29,740 余と余の軍隊にとっては それで十分のはずだ 54 00:04:37,650 --> 00:04:40,620 ミッターマイヤー 卿は左翼を指揮せよ 55 00:04:40,620 --> 00:04:42,990 右翼アイゼナッハ 後衛はミュラー 56 00:04:42,990 --> 00:04:46,230 ファーレンハイトは 予備兵力として星域外縁に待機 57 00:04:46,230 --> 00:04:50,100 前衛はクナップシュタイン グリルパルツァーの両名に命ずる 58 00:04:50,100 --> 00:04:54,100 はっ!先陣の光栄を賜り ありがたき幸せ 59 00:04:54,100 --> 00:04:57,840 同盟軍の宿将にふさわしい 死に場所を与えてさしあげます 60 00:04:57,840 --> 00:05:01,640 もはや白髪の老人の 活躍すべき時代ではありません 61 00:05:01,640 --> 00:05:05,350 「言うは易し」だ 卿らの言う白髪の老将に 62 00:05:05,350 --> 00:05:07,350 手玉に取られるなよ 63 00:05:07,350 --> 00:05:11,550 翌14日 帝国軍は マル・アデッタ星域に侵入する 64 00:05:11,550 --> 00:05:14,490 この時 既にイゼルローン要塞は 失陥していたが 65 00:05:14,490 --> 00:05:18,690 その報は いまだラインハルトのもとに 届けられてはいない 66 00:05:18,690 --> 00:05:22,600 卿はどう思う?この戦いを 67 00:05:22,600 --> 00:05:26,270 この一戦に意味があるとすれば 理性の面ではなく 68 00:05:26,270 --> 00:05:28,300 感情の面においてだな 69 00:05:28,300 --> 00:05:32,070 老いた獅子と若い獅子とが ともに戦いを望んでいる 70 00:05:32,070 --> 00:05:34,910 名誉が それに彩りを 添えることになるだろうが 71 00:05:34,910 --> 00:05:37,380 結局のところ 抜かれた剣は 72 00:05:37,380 --> 00:05:42,220 血塗られずして 鞘に収まるものではないさ 73 00:05:42,220 --> 00:05:46,790 卿が詩人の魂を持っているとは 今日まで知らなかった 74 00:05:46,790 --> 00:05:49,690 俺には分かる 卿にも分かっているはずだ 75 00:05:49,690 --> 00:05:51,960 歴史というやつは人間同様 76 00:05:51,960 --> 00:05:55,630 眠りから覚める時 のどを渇かしている 77 00:05:55,630 --> 00:05:58,030 ゴールデンバウム王朝は 既に滅びた 78 00:05:58,030 --> 00:06:02,870 自由惑星同盟も今日まで 生き永らえたが 明日には滅びる 79 00:06:02,870 --> 00:06:05,770 歴史は大量の血を 飲み干したがっている 80 00:06:05,770 --> 00:06:09,740 だとしても既に存分に 飲み飽きたはずだと俺は思うが 81 00:06:09,740 --> 00:06:13,050 そうかな?そう思うか ミッターマイヤー 82 00:06:13,050 --> 00:06:15,450 カイザー・ラインハルト陛下の 御手によって 83 00:06:15,450 --> 00:06:19,450 分裂していた宇宙が統一され 平和がもたらされる 84 00:06:19,450 --> 00:06:22,260 卿の言うように 明日 同盟が滅びるなら 85 00:06:22,260 --> 00:06:25,230 明後日の朝は 平和の光で明けることだろうよ 86 00:06:25,230 --> 00:06:28,100 そうでなければ 俺たちがやってきたことも 87 00:06:28,100 --> 00:06:30,500 これまでに流された血も 無駄になる 88 00:06:30,500 --> 00:06:34,040 そのとおりだ だが俺は思うのだ 89 00:06:34,040 --> 00:06:37,410 歴史が血を飲み飽きたとしても それは量だけのこと 90 00:06:37,410 --> 00:06:40,340 質的にはどうかな? 犠牲は高貴なほど 91 00:06:40,340 --> 00:06:43,040 残忍な神に喜ばれるものだし 92 00:06:43,040 --> 00:06:45,810 ロイエンタール! あ… 93 00:06:45,810 --> 00:06:49,120 どうも柄にもない役を 演じていたようだな 94 00:06:49,120 --> 00:06:53,560 俺は詩人でも哲学者でもなく 粗雑な軍人に過ぎぬというのに 95 00:06:53,560 --> 00:06:58,530 このような役はメックリンガーなどに 任せたがよさそうだ 96 00:06:58,530 --> 00:07:00,760 目を覚ましてくれてありがたい 97 00:07:00,760 --> 00:07:03,130 さしあたり俺たちとしては 会ったこともない 98 00:07:03,130 --> 00:07:07,640 歴史の神とやらより 目の前にいる 敵の思惑をこそ知りたいものさ 99 00:07:07,640 --> 00:07:11,040 いずれにしても この戦いは儀式と言うべきだ 100 00:07:11,040 --> 00:07:14,740 自由惑星同盟の葬列に 手向けるためのな 101 00:07:14,740 --> 00:07:17,610 この形式を踏まねば 生者も死者も 102 00:07:17,610 --> 00:07:21,010 滅亡の事実を 受け入れることはできんだろう 103 00:07:31,060 --> 00:07:34,360 もうお休みになっては いかがですか?閣下 104 00:07:34,360 --> 00:07:38,630 うむ そうするつもりだったが やはり戦う以上は 105 00:07:38,630 --> 00:07:43,000 納得のいく戦いをしたいのでな 大丈夫ですよ 106 00:07:43,000 --> 00:07:45,940 カイザー・ラインハルトが 呆れるようなことはないでしょう 107 00:07:45,940 --> 00:07:48,640 そう願いたいものだ 108 00:07:48,640 --> 00:07:51,550 それにしても わし自身はともかく 109 00:07:51,550 --> 00:07:54,550 多くの者を死なせることになるな 110 00:07:54,550 --> 00:07:57,250 今更ながら罪深いことだ 111 00:07:57,250 --> 00:08:02,060 来世は医者にでも おなりください それでバランスが取れるはずです 112 00:08:02,060 --> 00:08:05,290 「来世」か ハッハッハッハ 113 00:08:05,290 --> 00:08:10,770 いや 貴官がそのような言葉を 使うとは意外でな 114 00:08:10,770 --> 00:08:14,640 考えてみると わしは多分 幸せ者じゃろう 115 00:08:14,640 --> 00:08:17,640 人生の最後にラインハルト・ フォン・ローエングラムと 116 00:08:17,640 --> 00:08:19,770 ヤン・ウェンリーという2人の 117 00:08:19,770 --> 00:08:23,650 比類なく偉大な用兵家と 出会うことができた 118 00:08:23,650 --> 00:08:26,410 そして2人のうち いずれかが傷つき 119 00:08:26,410 --> 00:08:29,780 倒れる光景を 見ないですむのだからな 120 00:08:29,780 --> 00:08:32,090 それに… 「それに」 121 00:08:32,090 --> 00:08:36,990 「自由惑星同盟が 完全に滅亡するありさまも」ですか 122 00:08:39,760 --> 00:08:43,360 1月16日 ついに両軍は激突する 123 00:08:46,530 --> 00:08:48,930 ファイヤー! ファイエル! 124 00:08:59,810 --> 00:09:04,910 よし 戦列を崩さぬように 後退して回廊内に下がるぞ 125 00:09:10,360 --> 00:09:13,260 敵が下がるぞ 逃がすな 126 00:09:13,260 --> 00:09:16,100 この機に一挙に回廊に突入する 127 00:09:16,100 --> 00:09:19,200 クナップシュタイン艦隊に 遅れを取るな 128 00:09:38,320 --> 00:09:42,190 前衛のグリルパルツァー艦隊が 回廊突入に成功しました 129 00:09:42,190 --> 00:09:45,530 もろくはありませんか? 罠だと思うか? 130 00:09:45,530 --> 00:09:48,800 御意 ですが敵の出方を 見るためにも 131 00:09:48,800 --> 00:09:51,000 ここは このままに 132 00:10:03,240 --> 00:10:06,650 ここが踏ん張りどころじゃ 打ち負かされるなよ 133 00:10:06,650 --> 00:10:08,850 どうだ? そろそろのはずですが 134 00:10:33,780 --> 00:10:37,780 左舷方向 大規模な恒星風が来ます 何? 135 00:10:45,120 --> 00:10:49,620 うろたえるな 各艦の 間隔を取って陣形を立て直せ 136 00:11:11,180 --> 00:11:14,550 小惑星に近づくな 137 00:11:14,550 --> 00:11:18,650 敵が密集しました よし 砲火を集中しろ 138 00:11:28,100 --> 00:11:32,630 何をしている?このままでは 戦力を消耗するばかりではないか 139 00:11:32,630 --> 00:11:34,900 後退して 逆に敵を引きずり出せ 140 00:11:34,900 --> 00:11:38,840 やむを得ん 後退だ こんな狭い空間では動きが取れん 141 00:11:38,840 --> 00:11:42,710 しかし敵の砲火は苛烈です 後退こそ至難の業かと 142 00:11:42,710 --> 00:11:45,710 ある程度の被害は覚悟の上だ 143 00:11:50,050 --> 00:11:52,250 第2波 来ます 144 00:12:02,360 --> 00:12:07,360 艦列を乱すな 混乱すれば それだけ被害が増大する 145 00:12:14,780 --> 00:12:17,080 敵艦隊 回廊を離脱しました 146 00:12:17,080 --> 00:12:19,980 全艦停止 追撃は無用だ 147 00:12:21,920 --> 00:12:25,150 各艦 拡散して 回廊出口を半包囲せよ 148 00:12:25,150 --> 00:12:28,390 敵が出てきたところを叩く 被害は? 149 00:12:28,390 --> 00:12:30,860 脱出できたのは艦隊の7割強です 150 00:12:30,860 --> 00:12:34,960 クッ やられっぱなしで 済ますと思うなよ 151 00:12:37,700 --> 00:12:41,500 ほう グリルパルツァーは すぐに逆撃態勢を取ったか 152 00:12:41,500 --> 00:12:44,270 さすがとは思いますが うむ 153 00:12:44,270 --> 00:12:48,140 問題は敵が出てくるかだが 154 00:12:48,140 --> 00:12:50,680 チッ 追ってこないのか 155 00:12:50,680 --> 00:12:54,980 敵は狭い回廊の中でこそ どうにか優勢に戦えるが 156 00:12:54,980 --> 00:12:59,550 外に出ては大軍に包囲殲滅される だけだということを知っていよう 157 00:12:59,550 --> 00:13:03,990 これは少々 手を焼きそうだな 158 00:13:03,990 --> 00:13:06,730 ファーレンハイト グリルパルツァーには 159 00:13:06,730 --> 00:13:10,630 いったん下がらせよ はっ 160 00:13:10,630 --> 00:13:13,870 卿の兵力をもって 老いた虎を穴から追い出せ 161 00:13:13,870 --> 00:13:15,800 はっ 162 00:13:15,800 --> 00:13:18,710 ファーレンハイトの動きから 敵の注意をそらす 163 00:13:18,710 --> 00:13:22,210 ではクナップシュタインに? うむ 164 00:13:26,010 --> 00:13:30,850 グリルパルツァーには悪いが 先行した分 貧乏くじを引いたな 165 00:13:30,850 --> 00:13:35,720 おかげで重要な任務が こちらに回ってきたわけだ 166 00:13:35,720 --> 00:13:38,320 さて どんなものかな 167 00:13:40,860 --> 00:13:42,960 何? 168 00:13:46,270 --> 00:13:48,470 各艦 密集するな 169 00:13:52,640 --> 00:13:54,640 結構 しぶといのう 170 00:14:00,880 --> 00:14:03,280 クナップシュタインも よくやっているようだが 171 00:14:03,280 --> 00:14:06,190 やはり経験の差は大きいか 172 00:14:06,190 --> 00:14:09,660 あの老人を死なせたくない ものだな バイエルライン 173 00:14:09,660 --> 00:14:12,130 敵ながら敬愛に値するじいさんだ 174 00:14:12,130 --> 00:14:15,960 同感ですが 降伏を勧めても 承知はしないでしょう 175 00:14:15,960 --> 00:14:19,830 私にしても 敵に敗れて 仰ぐ旗を変えようとは思いません 176 00:14:19,830 --> 00:14:23,700 うん あ… 卿の考えはそれでよいが 177 00:14:23,700 --> 00:14:26,440 口に出すのは慎めよ は? 178 00:14:26,440 --> 00:14:29,440 ファーレンハイトやシュトライトのような 生き方もあるし 179 00:14:29,440 --> 00:14:32,910 それは非難されるべきことでは ないということだ 180 00:14:32,910 --> 00:14:36,220 はっ 軽率でした うむ 181 00:14:36,220 --> 00:14:40,190 いずれにしても 同盟軍の善戦と言うべきだろうな 182 00:14:40,190 --> 00:14:43,190 いかに地の利があるといってもな 183 00:14:47,430 --> 00:14:51,930 同盟軍め 楽しませてくれるではないか 184 00:14:51,930 --> 00:14:54,570 いずれ増援が必要でしょうが 185 00:14:54,570 --> 00:14:57,170 アイゼナッハ艦隊で よろしいでしょうか? 186 00:14:57,170 --> 00:14:59,270 うむ 任せる 187 00:15:10,350 --> 00:15:14,750 前方 回廊内に敵影 全艦 砲撃開始 188 00:15:19,060 --> 00:15:21,060 後方の敵が突入してきます 189 00:15:21,060 --> 00:15:24,060 よし 全艦 直ちに反転 190 00:15:29,370 --> 00:15:31,970 いや 待て 全艦停止 191 00:15:31,970 --> 00:15:34,880 閣下 これは罠だ 192 00:15:34,880 --> 00:15:38,080 敵は我らが回廊内に 侵入したところを見計らって 193 00:15:38,080 --> 00:15:40,950 大挙して回廊内を 逆進してくるつもりだ 194 00:15:40,950 --> 00:15:43,990 それでは… 全艦 いったん後退だ 195 00:15:43,990 --> 00:15:48,160 後退して回廊出入り口を包囲し 敵が出てきたところを 196 00:15:48,160 --> 00:15:52,160 ゼロ距離射撃によって 掃滅するのだ 急げ 197 00:15:57,500 --> 00:16:00,270 敵艦隊 回廊の奥に退いていきます 198 00:16:00,270 --> 00:16:03,770 よし この機を逃すな 一気に突入だ 199 00:16:06,070 --> 00:16:08,010 ロイエンタール はっ 200 00:16:08,010 --> 00:16:10,680 卿はどう思う? クナップシュタインは 201 00:16:10,680 --> 00:16:15,280 敵の逆進に乗じる形で 回廊の奥へ入り込んでいったが 202 00:16:15,280 --> 00:16:19,050 入ったはよろしいが 問題は 抜けられるかどうかでしょう 203 00:16:19,050 --> 00:16:21,060 理由は? 小官であれば 204 00:16:21,060 --> 00:16:25,860 回廊内に機雷を敷設し 侵入してくる敵の前進を阻みます 205 00:16:25,860 --> 00:16:28,330 同感だ 今にして思えば 206 00:16:28,330 --> 00:16:31,230 こちらが その手を使ってもよかったな 207 00:16:36,840 --> 00:16:40,140 前方に機雷群 熱反応型の自動機雷です 208 00:16:40,140 --> 00:16:42,240 クッ 全艦停止 209 00:16:48,220 --> 00:16:50,320 いかん! 210 00:16:57,860 --> 00:17:01,260 退避!全艦 回廊を脱出しろ 211 00:17:06,530 --> 00:17:09,100 クッ やむを得ん 砲撃だ 212 00:17:09,100 --> 00:17:12,300 弾幕を張って 機雷群の接近を阻止しろ 213 00:17:27,620 --> 00:17:30,120 敵影 確認 撃て! 214 00:17:34,800 --> 00:17:36,900 何? 215 00:17:43,900 --> 00:17:47,100 いけ!敵を挟撃する好機は今ぞ 216 00:17:49,140 --> 00:17:52,380 伏兵だと?こしゃくなまねを 217 00:17:52,380 --> 00:17:55,650 閣下 このままでは挟撃の危機に 218 00:17:55,650 --> 00:17:58,590 やむを得ん 後退する では右旋回を? 219 00:17:58,590 --> 00:18:03,290 いや 右に旋回しては敵が合流して 後背に食いつかれるだけだ 220 00:18:03,290 --> 00:18:06,290 真っすぐ6時の方向に下がれ 221 00:18:11,030 --> 00:18:15,130 敵が交錯して混乱するところを 一気に押し出して叩く 222 00:18:17,710 --> 00:18:20,540 なかなか どうして 同盟軍の戦術も 223 00:18:20,540 --> 00:18:23,010 軽視し得ぬものがあるではないか 224 00:18:23,010 --> 00:18:25,110 次は当然… 225 00:18:30,450 --> 00:18:33,320 あっ… 敵は 次は当然 226 00:18:33,320 --> 00:18:36,320 我らの後背へ 出ようとするでしょう 227 00:18:41,030 --> 00:18:43,930 敵にとっては 予定の行動というわけか 228 00:18:43,930 --> 00:18:46,430 あるいは一つの可能性として 229 00:18:46,430 --> 00:18:51,070 この星域の敵全体が 戦局を混乱させ 時間を稼ぐ隙に 230 00:18:51,070 --> 00:18:55,340 別動隊が後方から 襲うという策が考えられます 231 00:18:55,340 --> 00:18:58,950 ただ現在の同盟軍に それほど膨大な別動兵力が 232 00:18:58,950 --> 00:19:01,380 存在するとも思えません 233 00:19:01,380 --> 00:19:05,250 まして迂回したところで 我が軍の後衛は鉄壁ミュラーです 234 00:19:05,250 --> 00:19:08,720 たとえ2万隻程度の敵が 別に存在したとしても 235 00:19:08,720 --> 00:19:11,330 長期にわたって 戦線を維持し得ることに 236 00:19:11,330 --> 00:19:14,160 疑問の余地はありません 237 00:19:14,160 --> 00:19:16,530 だがヤン・ウェンリーの件は どう思う? 238 00:19:16,530 --> 00:19:18,900 なるほど この天才にして 239 00:19:18,900 --> 00:19:22,800 あの魔術師を無視することは かなわぬとみえる 240 00:19:22,800 --> 00:19:26,100 おかしなものだ 俺は嫉妬したのか? 241 00:19:30,340 --> 00:19:34,050 敵はあのまま 我が軍本隊の 後背に回り込むつもりだ 242 00:19:34,050 --> 00:19:36,150 行かせるな 243 00:19:41,790 --> 00:19:45,230 ここは我々に お付き合い願いたいものですな 244 00:19:45,230 --> 00:19:48,130 全艦 砲撃 245 00:19:48,130 --> 00:19:51,170 全艦 左右に展開 敵は密集しています 246 00:19:51,170 --> 00:19:53,400 それでは中央突破を されてしまいます 247 00:19:53,400 --> 00:19:57,810 構わん 突破させてやれ な… 248 00:19:57,810 --> 00:20:02,110 ヤン・ウェンリーならば 我が軍を直接 攻撃するより 249 00:20:02,110 --> 00:20:05,980 後背へ出てフェザーンへの帰路を 絶つのではありますまいか 250 00:20:05,980 --> 00:20:09,780 卿の言うとおりだな 奴ならば そうするだろう 251 00:20:09,780 --> 00:20:14,150 ですが今の奴には それを実現する だけの兵力はありますまい 252 00:20:14,150 --> 00:20:17,860 またシュタインメッツからも 何も言ってこないところをみても 253 00:20:17,860 --> 00:20:21,360 今回は無視してよろしいかと うむ 254 00:20:23,360 --> 00:20:26,930 仮にヤン・ウェンリーが フェザーンへの帰路を絶たんとしても 255 00:20:26,930 --> 00:20:32,140 我が軍は前進して正面の敵を 一蹴し 惑星ハイネセンを討ち 256 00:20:32,140 --> 00:20:35,480 イゼルローン回廊から 帝国本土に帰るだけのことだ 257 00:20:35,480 --> 00:20:37,580 恐れるべき何ものもない 258 00:20:41,280 --> 00:20:44,990 やったぞ 帝国軍の後ろを取った 259 00:20:44,990 --> 00:20:47,090 ん? 260 00:20:49,860 --> 00:20:54,260 全艦隊 凹形陣に展開 一隻たりとも通すな 261 00:20:54,260 --> 00:20:56,530 強行突破だ 生きて帰れずとも 262 00:20:56,530 --> 00:20:59,270 カイザーに ひと太刀 浴びせずにおくものか 263 00:20:59,270 --> 00:21:01,470 全艦 突撃! 264 00:21:03,900 --> 00:21:05,900 撃て! 265 00:21:12,150 --> 00:21:15,650 構うな 敵に突破させ そのまま前進だ 266 00:21:18,920 --> 00:21:22,490 これは一本取られましたな なんの まだまだじゃ 267 00:21:22,490 --> 00:21:25,990 全艦 反転して敵を追撃する 268 00:21:42,680 --> 00:21:45,580 鉄壁ミュラーか かつてヤン提督が 269 00:21:45,580 --> 00:21:48,580 良将と称賛したというが さすがに しぶとい 270 00:21:48,580 --> 00:21:50,680 背後より敵接近 来たか 271 00:21:55,160 --> 00:21:57,090 敵の別動隊は少数だ 272 00:21:57,090 --> 00:21:59,890 ミュラー艦隊と挟撃すれば ひともみにできる 273 00:21:59,890 --> 00:22:02,490 閣下 後背より敵接近 274 00:22:04,730 --> 00:22:08,340 もう来たか クナップシュタインはどうした? 275 00:22:08,340 --> 00:22:12,440 更に敵本隊の背後を突けば 我が方が圧倒的に有利だ 276 00:22:16,080 --> 00:22:18,480 また別の機雷群です 277 00:22:18,480 --> 00:22:21,450 敵は爆発に わざと時差をつけているようです 278 00:22:21,450 --> 00:22:26,520 クッ 指向性ゼッフル粒子さえあれば 279 00:22:26,520 --> 00:22:28,490 回廊の封鎖は うまくいったようです 280 00:22:28,490 --> 00:22:31,930 後ろは安全圏となったか ありがたい 281 00:22:31,930 --> 00:22:34,530 このままファーレンハイト艦隊を 追うよりは… 282 00:22:34,530 --> 00:22:36,630 一挙に狙うか うむ 283 00:22:40,700 --> 00:22:45,970 一挙に殲滅して しかるのちに反転 背後の敵を時間差をつけて叩く 284 00:22:45,970 --> 00:22:48,480 後ろの敵に構うな あと一歩 285 00:22:48,480 --> 00:22:51,180 あと一歩で 前面の敵陣を突破できる 286 00:22:51,180 --> 00:22:53,280 陣形を固めろ 287 00:22:59,020 --> 00:23:01,920 閣下 背後の敵が 何? 288 00:23:04,730 --> 00:23:08,700 急げ このまま一挙に 帝国軍の本営を突くのだ 289 00:23:08,700 --> 00:23:11,200 カールセン 支えてくれよ 290 00:23:11,200 --> 00:23:13,470 おお!撃ちまくれ 291 00:23:13,470 --> 00:23:16,670 ここで全滅しても 無駄死ににはならんぞ 292 00:23:26,610 --> 00:23:30,080 行かせるな!ヴァルヒ シュナーベル ハウシルド 293 00:23:30,080 --> 00:23:32,520 なんとしても 同盟軍本隊を食い止め 294 00:23:32,520 --> 00:23:35,360 カイザーを守りまいらせろ はっ 295 00:23:35,360 --> 00:23:39,090 しかし閣下 旗下の3割も 振り向けてしまいましては… 296 00:23:39,090 --> 00:23:42,760 分かっている だが… 297 00:23:42,760 --> 00:23:46,460 んー 敵は少ない ここは突破じゃ 298 00:23:49,500 --> 00:23:51,600 閣下 天頂方向から ん? 299 00:23:54,010 --> 00:23:56,910 行かせるか! 300 00:23:56,910 --> 00:23:59,110 ダメか ですが これで… 301 00:24:03,080 --> 00:24:06,790 今だ 敵は手薄になったぞ 302 00:24:06,790 --> 00:24:09,190 しまった! 突撃 303 00:24:11,330 --> 00:24:13,430 敵陣 突破! 304 00:24:22,270 --> 00:24:26,840 宇宙歴800年 新帝国歴2年1月16日 305 00:24:26,840 --> 00:24:30,440 帝国軍は 意外な苦戦の中にいた 306 00:26:36,500 --> 00:26:39,410 乾坤一擲 カールセンらの猛攻は 307 00:26:39,410 --> 00:26:42,410 帝国軍の大本営を とらえるかに思われた 308 00:26:42,410 --> 00:26:46,010 だが絶対的な兵力で勝る 帝国軍の反撃に 309 00:26:46,010 --> 00:26:49,680 同盟軍の攻勢も ついに その終末点を迎える 310 00:26:49,680 --> 00:26:53,390 ラインハルトからの 降伏勧告に対してビュコックは? 311 00:26:53,390 --> 00:26:56,320 次回「銀河英雄伝説」 第72話 312 00:26:56,320 --> 00:26:59,830 「マル・アデッタ星域の会戦 (後編)」 313 00:26:59,830 --> 00:27:02,230 銀河の歴史が また1ページ