1 00:01:31,550 --> 00:01:34,750 「昔日の一個艦隊にも 及ばぬ寡兵で」 2 00:01:34,750 --> 00:01:38,190 「宇宙の9割を相手に 戦争をやろうというのだ」 3 00:01:38,190 --> 00:01:41,930 「恐怖と緊張の極み 発狂しても不思議ではなかった」 4 00:01:41,930 --> 00:01:45,530 「だが発狂した者は誰もいなかった なぜなら…」 5 00:01:45,530 --> 00:01:49,200 全員 最初から発狂していたような ものだからである 6 00:01:49,200 --> 00:01:52,840 ん? あまり先の読める文章を書いては 7 00:01:52,840 --> 00:01:56,640 読者が興ざめする以前に 出版社が嫌がるでしょうね 8 00:01:56,640 --> 00:01:59,910 もっと こう新鮮な刺激を 与える文章でないと 9 00:01:59,910 --> 00:02:01,850 うるさいぞ 自称エース 10 00:02:01,850 --> 00:02:05,180 他人に能書きを垂れるより お前さん自身はどうなんだ 11 00:02:05,180 --> 00:02:07,480 帝国軍の 「ジーク・カイザー」に対抗する 12 00:02:07,480 --> 00:02:10,350 歓呼の合言葉とやらは 決まったのか? 13 00:02:10,350 --> 00:02:13,020 決まりましたよ 「ビバ・デモクラシー!」 14 00:02:13,020 --> 00:02:15,430 なんだ 結局それにしたのか 15 00:02:15,430 --> 00:02:17,960 華麗さに欠けるとか 言ってたくせに 16 00:02:17,960 --> 00:02:20,730 実は もう一つ あることはあります 17 00:02:20,730 --> 00:02:22,700 拝聴しよう 18 00:02:22,700 --> 00:02:25,500 「くたばれ カイザー!」 ハハハ… 19 00:02:25,500 --> 00:02:30,310 その方がいい 前者より はるかに共和主義的表現力に富む 20 00:02:30,310 --> 00:02:34,180 しかし 結局カイザーの名を 借りんことには 21 00:02:34,180 --> 00:02:36,650 歓呼のセリフ一つ作れんとは 22 00:02:36,650 --> 00:02:40,150 俺たちは言語的寄生虫と 言うべきかもしれんな 23 00:02:40,150 --> 00:02:43,020 記録文学作家を目指すなら あまり怪しげな造語を 24 00:02:43,020 --> 00:02:45,360 乱発しない方がいいと 思いますがね 25 00:02:45,360 --> 00:02:48,260 帝国軍より入電 ん? 26 00:02:48,260 --> 00:02:51,800 宇宙歴800年 新帝国歴2年4月20日 27 00:02:51,800 --> 00:02:55,370 帝国軍 ビッテンフェルト上級大将からの 通信文が 28 00:02:55,370 --> 00:02:58,870 イゼルローン要塞に もたらされた 29 00:02:58,870 --> 00:03:02,070 ビッテンフェルト提督がね… 30 00:03:02,070 --> 00:03:04,680 どうです? 内容を確認なさいますか 31 00:03:04,680 --> 00:03:07,580 そうだな まあ 見るだけは見てみるさ 32 00:03:07,580 --> 00:03:11,220 こちらの画面に転送してくれ 33 00:03:11,220 --> 00:03:14,850 かつての自由惑星同盟軍 随一の将帥から 34 00:03:14,850 --> 00:03:18,060 今や共和主義者の残党どもの 唯一の将帥となった 35 00:03:18,060 --> 00:03:22,260 ヤン・ウェンリー氏に対し 帝国軍より通告する 36 00:03:22,260 --> 00:03:27,400 平和と統一に対する卿の抵抗は 道徳的に無益であるのみならず 37 00:03:27,400 --> 00:03:31,270 戦術的に至難であり 戦略的には不可能である 38 00:03:31,270 --> 00:03:34,200 賢者たる卿に それを理解し得ぬはずはない 39 00:03:34,200 --> 00:03:36,610 本職は心より忠告する 40 00:03:36,610 --> 00:03:40,440 卿が生命と ささやかな名誉を 守りたいと欲するならば 41 00:03:40,440 --> 00:03:43,450 反旗を降ろし カイザーの慈悲を求められよ 42 00:03:43,450 --> 00:03:46,680 本職は その仲介役を 喜んで務めるであろう 43 00:03:46,680 --> 00:03:49,680 理性あるご返答を 期待するや切である 44 00:03:54,160 --> 00:03:59,500 ビッテンフェルト提督には ケンカを高値で 売りつける才能があるようですわ 45 00:03:59,500 --> 00:04:02,470 同盟に生まれて 政治家に なっていればよかったのに 46 00:04:02,470 --> 00:04:06,940 「ヨブ・トリューニヒト氏との 舌戦が期待できたのに」かい? 47 00:04:06,940 --> 00:04:10,340 だとしたらビッテンフェルトを 応援するだろうな 48 00:04:10,340 --> 00:04:15,050 で 唯一以外の将帥としては どう思う?アッテンボロー中将 49 00:04:15,050 --> 00:04:17,880 文学的感受性とは無縁ですな 50 00:04:17,880 --> 00:04:19,880 いや そうじゃなくて 51 00:04:21,790 --> 00:04:25,620 「こういう通信を送ってきた理由を どう思う?」と聞いているのさ 52 00:04:25,620 --> 00:04:28,360 あまり意味があるとも 思えませんな 53 00:04:28,360 --> 00:04:33,300 カイザー自身の通信ならともかく あのビッテンフェルト提督がね 54 00:04:33,300 --> 00:04:35,970 シュワルツ・ランツェンレイターの 総力をもって 55 00:04:35,970 --> 00:04:38,840 アムリッツァ会戦の復讐戦を 挑んでくる方が 56 00:04:38,840 --> 00:04:40,840 彼らしいというものでしょう 57 00:04:40,840 --> 00:04:42,840 うん 58 00:04:42,840 --> 00:04:47,140 これまでカイザー・ラインハルトのみを対象に 戦略を練ってきたが 59 00:04:47,140 --> 00:04:49,580 ビッテンフェルトが カイザーの制御下から離れて 60 00:04:49,580 --> 00:04:52,620 行動するとなれば 状況が変わってくる 61 00:04:52,620 --> 00:04:55,150 そもそも これは ビッテンフェルトの独断か 62 00:04:55,150 --> 00:04:58,760 カイザーの指示によるものか 本気か 形式か 63 00:04:58,760 --> 00:05:02,630 それとも陽動か 内紛を期待してのことか 64 00:05:02,630 --> 00:05:05,230 返事を出しますか?閣下 65 00:05:05,230 --> 00:05:07,530 そうだな… どう思う?ユリアン 66 00:05:07,530 --> 00:05:10,070 放っておいても 大過ないと思いますが 67 00:05:10,070 --> 00:05:13,700 礼儀の上から言うなら あくまでも ビッテンフェルト提督宛に 68 00:05:13,700 --> 00:05:17,170 最低限のご返事を 出されてはいかがですか 69 00:05:17,170 --> 00:05:19,970 そうだね そんなところだろうな 70 00:05:22,410 --> 00:05:25,250 ヤン提督にどれほどの 奇謀の冴えがあろうと 71 00:05:25,250 --> 00:05:29,420 圧倒的な大群の前に 敗北は必至と言わざるを得ません 72 00:05:29,420 --> 00:05:31,920 このままではエル・ファシルも ヤン提督と命運を 73 00:05:31,920 --> 00:05:35,790 共にせねばならなくなります 何が言いたいのかね? 74 00:05:35,790 --> 00:05:39,330 この際 我々は 革命政権自体と ヤン一党と 75 00:05:39,330 --> 00:05:42,030 いずれかを選択しなくては ならないのではないか 76 00:05:42,030 --> 00:05:44,940 ということです 選択? 77 00:05:44,940 --> 00:05:49,170 つまりヤン一党とイゼルローン要塞を 帝国軍に引き渡し 78 00:05:49,170 --> 00:05:53,180 代償として革命政権の自治を 認めさせてはどうでしょうか 79 00:05:53,180 --> 00:05:56,950 まず帝国軍が自治を認める 提案をしてきたと称して 80 00:05:56,950 --> 00:05:59,250 ヤンをイゼルローンから おびき出し 81 00:05:59,250 --> 00:06:02,150 これを捕えてしまえば 要塞は無力化できます 82 00:06:02,150 --> 00:06:05,690 ヤンの構想が 帝国軍との共存である以上 83 00:06:05,690 --> 00:06:09,260 それを提示された時に 彼は拒否できないでしょう 84 00:06:09,260 --> 00:06:12,930 いや そんなことはできない ヤン提督を招いて 85 00:06:12,930 --> 00:06:16,630 その名声と武力を 借りようとしたのは元々 我々だ 86 00:06:16,630 --> 00:06:20,070 それを裏切れば 民主共和制それ自体の 87 00:06:20,070 --> 00:06:22,510 精神的な清潔さが 否定されてしまう 88 00:06:22,510 --> 00:06:25,410 それにレベロ議長を暗殺した 軍人どもは 89 00:06:25,410 --> 00:06:28,310 カイザーにどう遇されたか 考えてみたまえ 90 00:06:28,310 --> 00:06:31,650 第一 そんな恥ずべきことは 私は嫌だ 91 00:06:31,650 --> 00:06:34,120 こうしてヤンは 再び文民政府から 92 00:06:34,120 --> 00:06:36,990 帝国へ売り渡される危機を 回避できた 93 00:06:36,990 --> 00:06:39,890 ロムスキーの決断は むしろ非政治的なものであり 94 00:06:39,890 --> 00:06:42,890 個人的な羞恥心の 発現でしかなかった 95 00:06:42,890 --> 00:06:45,700 だが それゆえにこそ ジョアン・レベロがこうむった 96 00:06:45,700 --> 00:06:49,070 不本意な悪評から 無縁でいることがきたのである 97 00:06:49,070 --> 00:06:52,370 いずれにせよ 帝国軍の侵攻という現実の前に 98 00:06:52,370 --> 00:06:54,740 対応を迫られた革命政府は 99 00:06:54,740 --> 00:06:57,770 惑星エル・ファシル自体の 無防備宣言をした上で 100 00:06:57,770 --> 00:07:02,180 首脳部はイゼルローン要塞へ 避難することを決めた 101 00:07:02,180 --> 00:07:07,450 回廊の外に艦隊を展開すれば 絶対的多数の帝国軍に包囲される 102 00:07:07,450 --> 00:07:10,350 しかも この態勢から 用兵の迅速を誇る 103 00:07:10,350 --> 00:07:14,890 ミッターマイヤー元帥などが 急進して 回廊の入口を遮断すれば 104 00:07:14,890 --> 00:07:18,600 我々は包囲殲滅されるしか なくなってしまう 105 00:07:18,600 --> 00:07:21,830 やはり回廊内に 引きずり込むしかないか 106 00:07:21,830 --> 00:07:24,300 カイザーを回廊内に 引きずり込むには 107 00:07:24,300 --> 00:07:27,540 まず わざと負けてみせて 勝利におごらせるか 108 00:07:27,540 --> 00:07:30,440 あるいは全力を挙げて 緒戦に勝利を収め 109 00:07:30,440 --> 00:07:33,910 カイザーを敗北の屈辱で 逆上させるか… 110 00:07:33,910 --> 00:07:36,610 いや どちらもダメだな 111 00:07:36,610 --> 00:07:41,010 その程度で踊ってくれる敵なら 何も苦労はないんだが… ん? 112 00:07:44,720 --> 00:07:47,620 イゼルローン要塞に 戦略的価値がないと断じるのは 113 00:07:47,620 --> 00:07:50,260 いささか性急だったかもしれない 114 00:07:50,260 --> 00:07:53,230 帝国軍の行動線が こうまで伸びねばならないのは 115 00:07:53,230 --> 00:07:57,800 まさにイゼルローン回廊が 彼らの 手中にないからにほかならない 116 00:07:57,800 --> 00:08:02,340 無論 戦術的価値は言うまでもない 更に政治的価値 117 00:08:02,340 --> 00:08:06,510 不本意ながら 偶像としての私が 難攻不落のイゼルローン要塞に 118 00:08:06,510 --> 00:08:09,980 立てこもって抵抗を続けている という事実自体が 119 00:08:09,980 --> 00:08:13,980 共和主義を支持する人たちの 精神的な支えとなっている 120 00:08:13,980 --> 00:08:16,220 だからこそイゼルローン要塞は 121 00:08:16,220 --> 00:08:19,090 帝国との講和材料として 価値がある 122 00:08:19,090 --> 00:08:22,390 だがカイザー・ラインハルトを 交渉のテーブルにつけさせるには 123 00:08:22,390 --> 00:08:24,330 戦術レベルで勝利して 124 00:08:24,330 --> 00:08:28,630 我々に交渉を求める資格がある ことを証明してみせねばなるまい 125 00:08:28,630 --> 00:08:30,630 何より彼は… 126 00:08:32,600 --> 00:08:36,070 カイザー・ラインハルトは 私と戦いたがっているようだ 127 00:08:36,070 --> 00:08:38,810 その期待を裏切るような マネをしたら 128 00:08:38,810 --> 00:08:41,810 彼は私を永久に許さないだろうな 129 00:08:45,080 --> 00:08:47,020 実のところ そう考えるのが 130 00:08:47,020 --> 00:08:50,720 増長の限りであってくれれば いいと私は思っている 131 00:08:50,720 --> 00:08:54,590 だが彼は 私を実像以上に 大きく評価してくれている 132 00:08:54,590 --> 00:08:57,930 名誉なことのはずなんだが 133 00:08:57,930 --> 00:09:00,400 実際 バーミリオン会戦の後 134 00:09:00,400 --> 00:09:02,900 彼は私に 手を差し伸べてくれている 135 00:09:02,900 --> 00:09:06,140 そして それを拒絶したのは 私の方なんだ 136 00:09:06,140 --> 00:09:10,010 それは どんなにカイザー・ラインハルトが 優れた君主であっても 137 00:09:10,010 --> 00:09:14,750 専制支配者の手を押し戴くことは 私にはできないからだ 138 00:09:14,750 --> 00:09:16,680 カイザーにカイザーの性が あるように 139 00:09:16,680 --> 00:09:20,280 私にも どうしても 自由にならないことがあるんだ 140 00:09:20,280 --> 00:09:23,190 それは宿命というやつですか? 141 00:09:23,190 --> 00:09:27,760 「運命」と言うならまだしも 「宿命」とは実に嫌な言葉だね 142 00:09:27,760 --> 00:09:30,360 二重の意味で人間を侮辱している 143 00:09:30,360 --> 00:09:33,260 一つには状況を分析する思考を 停止させ 144 00:09:33,260 --> 00:09:39,900 もう一つには人間の自由意思を 価値の低いものとみなしてしまう 145 00:09:39,900 --> 00:09:42,710 宿命の対決なんて ないんだよ ユリアン 146 00:09:42,710 --> 00:09:47,480 どんな状況の中にあっても 結局は当人が選択したことだ 147 00:09:47,480 --> 00:09:49,850 すみません いや これは 148 00:09:49,850 --> 00:09:52,550 私自身に戒めて言っていることさ 149 00:09:52,550 --> 00:09:55,220 「宿命」なんていう 便利な言葉があると つい 150 00:09:55,220 --> 00:09:58,220 自分の選択を そのせいにして正当化したくなる 151 00:09:58,220 --> 00:10:01,990 私は別に いつも自分が 正しいなんて思っちゃいない 152 00:10:01,990 --> 00:10:05,730 が 同じ間違えるにしても 自分の責任で間違えたいのさ 153 00:10:05,730 --> 00:10:08,670 そうですね 提督が お間違えになったのなら 154 00:10:08,670 --> 00:10:10,670 僕らも諦めがつきます 155 00:10:10,670 --> 00:10:16,710 おいおい だけど今回のことも 正直言って私には自信はないんだ 156 00:10:16,710 --> 00:10:19,480 ここで私がカイザーに敗北したら 157 00:10:19,480 --> 00:10:23,680 恐らくカイザーは 私に従ってきた 者たちを厚く遇するだろう 158 00:10:23,680 --> 00:10:28,490 彼ら個々人の未来にとっては その方が幸福かもしれない 159 00:10:28,490 --> 00:10:30,490 提督 160 00:10:34,320 --> 00:10:36,320 ん? 161 00:10:40,400 --> 00:10:42,400 器用だな 162 00:10:50,070 --> 00:10:52,080 すみません いや 163 00:10:52,080 --> 00:10:54,710 見ていらしたんですか? その… 164 00:10:54,710 --> 00:10:58,080 器用なことをしてるなと思って 165 00:10:58,080 --> 00:11:00,750 中尉は私みたいに 不器用じゃなくて 166 00:11:00,750 --> 00:11:03,320 何でも よく おできになるそうですね 167 00:11:03,320 --> 00:11:05,760 何でもできる人たちが 周囲にいるから 168 00:11:05,760 --> 00:11:07,690 何かと教わっているだけだよ 169 00:11:07,690 --> 00:11:11,700 ええ いい教師に 恵まれていると伺います 170 00:11:11,700 --> 00:11:14,100 僕は嫉妬されているのだろうか 171 00:11:16,270 --> 00:11:19,570 シェーンコップ中将は いい人だよ 172 00:11:21,640 --> 00:11:26,410 そうですか 男から見たら さぞ うらやましいかもしれませんね 173 00:11:26,410 --> 00:11:29,880 やりたい放題 女なら誰でもいい人ですから 174 00:11:29,880 --> 00:11:31,820 一方的な言い方だね 175 00:11:31,820 --> 00:11:33,780 君のお母さんは男から見て 176 00:11:33,780 --> 00:11:37,050 誰でもいいという程度の 女性だったのかい 177 00:11:37,050 --> 00:11:40,360 そんなことを あなたに 言われなきゃならない理由はない 178 00:11:40,360 --> 00:11:43,690 いえ… ありません 中尉 179 00:11:43,690 --> 00:11:45,990 言わせるようにしたのは君だよ 180 00:11:55,310 --> 00:11:59,040 どうもユリアンの奴 思っていたより不器用だな 181 00:11:59,040 --> 00:12:01,750 気の利いた男なら 女の子のあしらい方なんぞ 182 00:12:01,750 --> 00:12:03,810 心得ていて いい年齢だが 183 00:12:03,810 --> 00:12:08,180 あら ユリアンは元々 不器用な子ですよ 184 00:12:08,180 --> 00:12:10,120 それは勉強は よくできるし 185 00:12:10,120 --> 00:12:12,990 習ったこと 学んだことは よくこなすけど 186 00:12:12,990 --> 00:12:16,790 自分の生き方を守って 他の 楽な道に目も向けないというのは 187 00:12:16,790 --> 00:12:19,700 器用な人間の生き方じゃ ありませんわ 188 00:12:19,700 --> 00:12:22,270 ヤンさんのそばにいて 影響を受ければ 189 00:12:22,270 --> 00:12:24,200 そうなってしまうんでしょうね 190 00:12:24,200 --> 00:12:27,600 うんうん つまり保護者の責任か 191 00:12:27,600 --> 00:12:29,840 ユリアンを その保護者に 引き合わせた人の 192 00:12:29,840 --> 00:12:32,310 責任はどうなるんでしょうね 193 00:12:32,310 --> 00:12:35,850 ん?あの時 お前は 反対しなかったじゃないか 194 00:12:35,850 --> 00:12:39,450 当然です いいことだと思いましたからね 195 00:12:39,450 --> 00:12:42,020 今でも そう思ってますわ あなた 196 00:12:42,020 --> 00:12:45,520 珍しく いいことをしたから 後悔なさってるんですか? 197 00:12:52,300 --> 00:12:54,300 お行儀が悪いですよ 198 00:13:03,340 --> 00:13:06,810 あれは別に隠し子ではないさ 199 00:13:06,810 --> 00:13:09,480 俺自身も 存在を知らなかったのであって 200 00:13:09,480 --> 00:13:11,850 意図的に隠していたわけではない 201 00:13:11,850 --> 00:13:16,690 公明正大なもので 誰からも 後ろ指を指される筋ではないさ 202 00:13:16,690 --> 00:13:21,560 カリンが聞いたら 後ろから 蹴飛ばしたくなるでしょうな 203 00:13:21,560 --> 00:13:24,960 おお 貴官も一緒にどうだ? 204 00:13:24,960 --> 00:13:29,470 いや 遠慮しておきましょう 不純菌に感染するのは嫌ですから 205 00:13:29,470 --> 00:13:33,340 なんだ 付き合いが悪いな 先日の件で すねているな 206 00:13:33,340 --> 00:13:35,770 先日の件? いえね 207 00:13:35,770 --> 00:13:38,980 若い者の集まりに 首を突っ込みたがるから 208 00:13:38,980 --> 00:13:40,910 「30歳以上お断り」って 追い出したのを 209 00:13:40,910 --> 00:13:45,420 根に持っているんですよ 嫌だな 中年は 210 00:13:45,420 --> 00:13:48,050 聞こえてるぞ 誰が中年だ 211 00:13:48,050 --> 00:13:51,350 大体30 30って 好きでなったわけじゃない 212 00:13:51,350 --> 00:13:54,920 俺はシェーンコップ中将みたいに 悪いことは何もしてないのに 213 00:13:54,920 --> 00:13:58,800 何だって30歳にならなくちゃ ならんのだ 世の中 間違っている 214 00:13:58,800 --> 00:14:02,330 俺としては何も悪いことの できなかったような甲斐性なしに 215 00:14:02,330 --> 00:14:04,870 30代になってもらいたくないね 216 00:14:04,870 --> 00:14:07,570 あっ 217 00:14:07,570 --> 00:14:09,840 ユリアン こっちへ来て付き合えよ 218 00:14:09,840 --> 00:14:13,840 そっちへ行くと不良がうつるぞ 219 00:14:13,840 --> 00:14:16,750 しかし なんだな これだけ不利な状況のもとで 220 00:14:16,750 --> 00:14:20,080 帝国軍との決戦を 迎えなければならんというのに 221 00:14:20,080 --> 00:14:24,690 誰一人 恐れるふうもない というのは大したものだ 222 00:14:24,690 --> 00:14:27,420 これも司令官の 人となりのせいだな 223 00:14:27,420 --> 00:14:30,890 その人格的影響力 いや 汚染力のすさまじさ 224 00:14:30,890 --> 00:14:34,800 恐るべきものだ 連中だって ヤン艦隊誕生以前は 225 00:14:34,800 --> 00:14:38,100 真面目で堅苦しい 軍人さんだったに違いないぜ 226 00:14:38,100 --> 00:14:41,000 まるでメルカッツ提督みたいにさ 227 00:14:41,000 --> 00:14:45,840 例外もあるんじゃないですか シェーンコップ中将のことか? 228 00:14:45,840 --> 00:14:49,380 だけじゃないと思いますが じゃポプランだな 229 00:14:49,380 --> 00:14:52,620 あいつも生まれつき 性格がよくなさそうだ 230 00:14:52,620 --> 00:14:55,820 そうだ いいことを教えてやろうか 何です? 231 00:14:55,820 --> 00:14:58,690 この世で 一番強いセリフってやつさ 232 00:14:58,690 --> 00:15:02,160 どんな正論も雄弁も この一言にはかなわない 233 00:15:02,160 --> 00:15:04,430 ただで 教えていただけるんでしたら 234 00:15:04,430 --> 00:15:06,800 んー それもいいセリフだな 235 00:15:06,800 --> 00:15:09,630 だが こいつにはかなわない つまりな 236 00:15:09,630 --> 00:15:13,470 「それがどうした」というんだ は? 237 00:15:13,470 --> 00:15:17,410 ビッテンフェルトの通信文に そう返事してやろうかと思ってな 238 00:15:17,410 --> 00:15:20,180 あまりおちょくると 後が怖いですよ 239 00:15:20,180 --> 00:15:22,850 ユリアン 正面から まともに戦って 240 00:15:22,850 --> 00:15:24,810 帝国軍に勝つ目算は? 241 00:15:24,810 --> 00:15:27,680 皆無ですね 簡潔でよろしい 242 00:15:27,680 --> 00:15:30,120 ということはだ ここで何か やらかしても 243 00:15:30,120 --> 00:15:32,760 今更 勝率が低くなることは あり得ない 244 00:15:32,760 --> 00:15:37,590 従って何をやらかしても 不都合ではないということだ 245 00:15:37,590 --> 00:15:41,100 三段論法にも なっていないような気がするな 246 00:15:41,100 --> 00:15:45,370 それがどうした どうせ伊達と酔狂でやってるんだ 247 00:15:45,370 --> 00:15:49,270 今更 真面目になったって 帝国軍の真面目さにはかなわんよ 248 00:15:49,270 --> 00:15:52,140 犬は噛みつく 猫は引っかく 249 00:15:52,140 --> 00:15:56,080 それぞれに適した ケンカのやり方があるさ 250 00:15:56,080 --> 00:15:58,080 ケンカか 251 00:16:06,290 --> 00:16:08,630 (叫び声) 252 00:16:08,630 --> 00:16:10,630 ん? 253 00:16:24,010 --> 00:16:26,440 はあ… 254 00:16:26,440 --> 00:16:29,010 あっ こんばんは 255 00:16:29,010 --> 00:16:31,310 すみません お騒がせして 256 00:16:31,310 --> 00:16:33,380 何だか今日は いろんなことがあって 257 00:16:33,380 --> 00:16:37,120 自分が未熟な人間だってことを 思い知らされて それで 258 00:16:37,120 --> 00:16:40,160 つい大声を出して 発散させたくなったんです 259 00:16:40,160 --> 00:16:42,760 いや お前は別に未熟じゃないよ 260 00:16:42,760 --> 00:16:46,260 いわば まあ半熟だな 261 00:16:46,260 --> 00:16:49,200 まあ どうだ一杯? ありがとうございます 262 00:16:49,200 --> 00:16:52,800 でも いいんですか 寝室を抜け出してきたりなさって 263 00:16:52,800 --> 00:16:55,570 キャゼルヌ中将が嘆いていたよ 264 00:16:55,570 --> 00:16:59,240 「俺には息子と酒をくみ交わす 楽しみがない」とね 265 00:16:59,240 --> 00:17:02,650 善良な後輩を長い間 いびってきた報いだろうさ 266 00:17:02,650 --> 00:17:06,450 いい気味だ 267 00:17:06,450 --> 00:17:12,090 大人になるということは 自分の酒量をわきまえることさ 268 00:17:12,090 --> 00:17:14,990 その夜 夜明けまで 語り合ったことを 269 00:17:14,990 --> 00:17:17,430 ユリアンは のちのちまで忘れなかった 270 00:17:17,430 --> 00:17:21,060 少なくとも これまでのところ カイザー・ラインハルトは 271 00:17:21,060 --> 00:17:25,300 歴史上最高級の 専制君主であることは間違いない 272 00:17:25,300 --> 00:17:27,240 そこで我々は最大の矛盾に 273 00:17:27,240 --> 00:17:30,140 直面させられるのさ 矛盾? 274 00:17:30,140 --> 00:17:34,940 結局のところ ヤンは恋愛に関して 大した意見は述べなかった 275 00:17:34,940 --> 00:17:39,850 つまり人民の大多数が 専制政治を肯定し 受容した時 276 00:17:39,850 --> 00:17:44,050 人民主権を唱える我々は 人民の敵となるということだ 277 00:17:44,050 --> 00:17:45,990 それは人それぞれが身をもって 278 00:17:45,990 --> 00:17:48,660 監督しなければ ならないことがあることを 279 00:17:48,660 --> 00:17:52,360 ヤンも ユリアン自身も 承知していたからにほかならない 280 00:17:52,360 --> 00:17:56,830 民主政治の制度を守るために 名君を倒さねばならないとしたら 281 00:17:56,830 --> 00:18:00,440 民主制が善政の敵になってしまう 282 00:18:00,440 --> 00:18:02,670 こいつは笑うしかない パラドックスだ 283 00:18:02,670 --> 00:18:06,680 自然 現在彼らが置かれた状況に 話題は傾いた 284 00:18:06,680 --> 00:18:11,210 しかし それはカイザー・ラインハルトの ような名君ならばともかく 285 00:18:11,210 --> 00:18:15,590 将来 暴君が現れた時の予防処置 という意味合いがあるわけで… 286 00:18:15,590 --> 00:18:19,760 将来の恐怖をもって 現在の流血を正当化するやからは 287 00:18:19,760 --> 00:18:21,690 過去に いくらでもいたさ 288 00:18:21,690 --> 00:18:26,460 政治的弾圧は大抵 それが口実に使われるんだ 289 00:18:26,460 --> 00:18:30,230 私としては 善政が 敷かれている間は雌伏しつつ 290 00:18:30,230 --> 00:18:35,200 悪政の時に立つための 民主政治の 苗床を確保しておきたいんだ 291 00:18:35,200 --> 00:18:37,540 それを帝国に認めさせるためには 292 00:18:37,540 --> 00:18:41,410 カイザー・ラインハルトと戦って 勝たねばならない 293 00:18:41,410 --> 00:18:44,250 だが そんな考え自体が 無意味なものとして 294 00:18:44,250 --> 00:18:50,150 人民自身から退けられる可能性が 今や はなはだ大きくなっている 295 00:18:50,150 --> 00:18:53,320 ユリアンは 絶対だと思っていたヤンも 296 00:18:53,320 --> 00:18:56,590 さまざまな苦悩を 抱えていることを改めて感じ 297 00:18:56,590 --> 00:19:01,230 話の内容以上に そのことに感銘を受けていた 298 00:19:01,230 --> 00:19:05,940 テレビドラマのように この世に 絶対善と絶対悪が存在するなら 299 00:19:05,940 --> 00:19:09,210 人は なんと単純に 生きられることだろうね 300 00:19:09,210 --> 00:19:13,110 ユリアン・ミンツがヤン・ウェンリーと 夜を徹して語り合ったのは 301 00:19:13,110 --> 00:19:15,110 この日が最後となった 302 00:19:22,490 --> 00:19:25,460 フォーク准将 君こそは民主共和政治の 303 00:19:25,460 --> 00:19:29,060 真の救い手になれるだろう ヤン・ウェンリーは… 304 00:19:31,130 --> 00:19:35,630 ヤン・ウェンリーは 専制支配者 ラインハルト・フォン・ローエングラムと妥協し 305 00:19:35,630 --> 00:19:37,870 講和して彼の覇権を容認し 306 00:19:37,870 --> 00:19:42,370 そのもとで自己の地位と特権を 確保しようとしている 307 00:19:42,370 --> 00:19:44,440 ヤン・ウェンリーを殺せ! 308 00:19:44,440 --> 00:19:47,240 奴は民主共和政治の大義を 売り渡そうとする 309 00:19:47,240 --> 00:19:49,780 醜悪な裏切り者だ 310 00:19:49,780 --> 00:19:53,620 フォーク准将 いや 本来なら君こそが 311 00:19:53,620 --> 00:19:57,090 今頃は若き元帥となり 同盟全軍を指揮して 312 00:19:57,090 --> 00:20:00,620 宇宙を二分する決戦に 臨んでいたはずなのだ 313 00:20:00,620 --> 00:20:04,260 ヤン・ウェンリーは 君の地位を盗んだのだ! 314 00:20:04,260 --> 00:20:06,930 全ての準備は我々が整える 315 00:20:06,930 --> 00:20:09,830 ヤン・ウェンリーを抹殺して 民主共和政治を救い 316 00:20:09,830 --> 00:20:13,700 かつ 君の正当な地位を 回復したまえ 317 00:20:13,700 --> 00:20:15,670 そうだ 私こそが 318 00:20:15,670 --> 00:20:18,980 民主共和制擁護の英雄なのだ 319 00:20:18,980 --> 00:20:21,840 私こそが… 320 00:20:21,840 --> 00:20:25,940 ヤンめ ヤン・ウェンリーめ… 321 00:20:31,390 --> 00:20:33,460 奴を操るなど造作もない 322 00:20:33,460 --> 00:20:37,590 元々 奴が信じたがっているものを 信じさせてやればよいのだ 323 00:20:37,590 --> 00:20:41,300 よいかな?別に覚えておいて もらう必要もないことだが 324 00:20:41,300 --> 00:20:43,330 一つ言っておきたい 古来 325 00:20:43,330 --> 00:20:47,040 暗殺される者は 暗殺されずとも歴史に名を残す 326 00:20:47,040 --> 00:20:52,980 だが暗殺する者は 暗殺したことに よってのみ歴史に名を残す 327 00:20:52,980 --> 00:20:55,680 ヤン・ウェンリーを殺した男として 328 00:20:55,680 --> 00:20:59,950 アンドリュー・フォークは後世に 恐らく悪名を残すことになろう 329 00:20:59,950 --> 00:21:02,520 だが忘れ去られるより はるかにマシだ 330 00:21:02,520 --> 00:21:05,090 つまり これは功徳というものだ 331 00:21:05,090 --> 00:21:08,790 実力もなく栄光を求めた 愚者に対する な 332 00:21:10,830 --> 00:21:14,260 いや 意外と苦労しました 333 00:21:14,260 --> 00:21:16,970 第一稿は下品に過ぎたので破棄し 334 00:21:16,970 --> 00:21:21,340 第二稿は過激に思えたので 書き直し それが第三稿です 335 00:21:21,340 --> 00:21:26,540 ふうん つまり これが 上品で穏健だというわけかい 336 00:21:26,540 --> 00:21:28,880 「連年 失敗続きにもかかわらず」 337 00:21:28,880 --> 00:21:33,550 「その都度 階級が上昇する 奇跡の人 ビッテンフェルト提督へ」 338 00:21:33,550 --> 00:21:36,820 「貴官の短所は 勇気と思慮の不均衡にあり」 339 00:21:36,820 --> 00:21:40,560 「それを是正したく思われるなら 我が軍を攻撃されよ」 340 00:21:40,560 --> 00:21:43,160 「貴官は 失敗を教訓として成長する」 341 00:21:43,160 --> 00:21:45,700 「最後の機会を 与えられるであろう」 342 00:21:45,700 --> 00:21:49,430 「唯一以外の将帥 ダスティ・アッテンボロー」 343 00:21:49,430 --> 00:21:53,300 お前な 俺はいいんですよ 佐官だから 344 00:21:53,300 --> 00:21:55,970 そういう問題か 345 00:21:55,970 --> 00:21:58,540 さぞビッテンフェルト提督は 怒るだろうな 346 00:21:58,540 --> 00:22:00,480 まさに それが狙いです 347 00:22:00,480 --> 00:22:04,380 元々 多すぎる血の気が 全部頭に上ってしまうでしょう 348 00:22:07,220 --> 00:22:09,850 アッテンボロー中将の意図は 分かるが 349 00:22:09,850 --> 00:22:12,390 あまり洗練された文章とは 言えんな 350 00:22:12,390 --> 00:22:16,760 品性というやつを 貴官を 基準にして考えない方がいいぞ 351 00:22:16,760 --> 00:22:21,130 洗練された文章を 相手が そのまま理解できるとは限るまい 352 00:22:21,130 --> 00:22:23,100 ビッテンフェルトが 売りつけてきた商品に 353 00:22:23,100 --> 00:22:26,000 付加価値をつけて 送り返してやるだけのことさ 354 00:22:26,000 --> 00:22:28,870 効果はあると思うのだが 355 00:22:28,870 --> 00:22:32,240 いきり立ったビッテンフェルトが 猪突してくるか 356 00:22:32,240 --> 00:22:35,180 カイザーから自制の命令が 出ているに違いない 357 00:22:35,180 --> 00:22:38,350 奴とて軽々しく妄動するものか 358 00:22:38,350 --> 00:22:42,920 あるいは逆に挑発が 帝国軍の全面侵攻を誘発し 359 00:22:42,920 --> 00:22:44,850 こちらの準備が整わないうちに 360 00:22:44,850 --> 00:22:48,720 本格的な戦闘に 引きずり込まれるかもしれん 361 00:22:48,720 --> 00:22:52,730 ましてビッテンフェルトもファーレンハイトも 百戦錬磨の指揮官だ 362 00:22:52,730 --> 00:22:56,500 多少の小細工など粉砕してしまう だけの破壊力を有していることを 363 00:22:56,500 --> 00:22:59,040 忘れてはいかんな 364 00:22:59,040 --> 00:23:03,440 シェーンコップ中将の見解は 珍しく真っ当だと思うがね 365 00:23:03,440 --> 00:23:05,370 艦隊戦だと出番がないから 366 00:23:05,370 --> 00:23:08,680 他人の作戦案に対する評価が 辛くなるんじゃないかな 367 00:23:08,680 --> 00:23:10,610 辛くなる?冗談じゃない 368 00:23:10,610 --> 00:23:14,010 それじゃ まるで 普段が甘いみたいじゃないか 369 00:23:17,950 --> 00:23:21,820 もしビッテンフェルト ファーレンハイトの 両艦隊だけでも 370 00:23:21,820 --> 00:23:24,730 各個撃破の対象に することができたら 371 00:23:24,730 --> 00:23:28,460 多少なりとも戦力格差を 縮小することがかないましょう 372 00:23:28,460 --> 00:23:31,170 やってみる価値は あるかもしれませんな 373 00:23:31,170 --> 00:23:35,500 その通信文を送ると同時に 我が軍が突出したら 374 00:23:35,500 --> 00:23:39,440 それを回避して後退するような マネは よもやしますまい 375 00:23:39,440 --> 00:23:44,680 彼らの性格以前に 攻撃に対しては 応戦せざるを得ないはずです 376 00:23:44,680 --> 00:23:46,620 まず彼らを叩き 377 00:23:46,620 --> 00:23:50,250 しかる後にカイザー・ラインハルトの 本軍と対峙すれば 378 00:23:50,250 --> 00:23:53,160 誇り高いカイザーに 心理上の先制を 379 00:23:53,160 --> 00:23:56,190 加えることが できるかもしれません 380 00:23:56,190 --> 00:23:59,760 賛成 賛成 381 00:23:59,760 --> 00:24:01,700 その策を使うにしても 382 00:24:01,700 --> 00:24:05,370 相手がシュワルツ・ランツェンレイターであれば 撒き餌を持った手を 383 00:24:05,370 --> 00:24:08,270 ひじから食いちぎられる 恐れがありますな 384 00:24:08,270 --> 00:24:12,240 こいつは我ながら悪辣だが 385 00:24:12,240 --> 00:24:15,040 メルカッツ提督 お名前を 拝借させていただきたいのですが 386 00:24:15,040 --> 00:24:16,980 よろしいでしょうか 387 00:24:16,980 --> 00:24:21,420 宇宙歴800年 新帝国歴2年4月27日 388 00:24:21,420 --> 00:24:24,920 アッテンボローの文案になる 降伏勧告への返信が 389 00:24:24,920 --> 00:24:27,920 シュワルツ・ランツェンレイター 宛に発信された 390 00:24:27,920 --> 00:24:31,590 この年を人類史における 悲劇の年と位置づける 391 00:24:31,590 --> 00:24:35,990 回廊の戦いが今 まさに 始まらんとしていた 392 00:26:43,690 --> 00:26:46,130 ヤン・ウェンリーは シュワルツ・ランツェンレイターを 393 00:26:46,130 --> 00:26:48,730 戦いに引きずり込むべく 罠をかける 394 00:26:48,730 --> 00:26:51,670 罠と知りつつ強行突破を図る ビッテンフェルトに 395 00:26:51,670 --> 00:26:54,100 ファーレンハイトも 参戦を余儀なくされ 396 00:26:54,100 --> 00:26:56,810 ついに決戦の火蓋は切られた 397 00:26:56,810 --> 00:27:00,180 次回「銀河英雄伝説」 第79話 398 00:27:00,180 --> 00:27:04,810 「回廊の戦い(前編) 常勝と不敗と」 399 00:27:04,810 --> 00:27:07,410 銀河の歴史が また1ページ