1 00:01:32,500 --> 00:01:35,600 私 フレデリカ・ グリーンヒル・ヤンは 2 00:01:35,600 --> 00:01:41,380 ここに民主共和政治を支持する 人々の総意に基づいて宣言します 3 00:01:41,380 --> 00:01:44,180 イゼルローン共和政府の樹立を 4 00:01:44,180 --> 00:01:48,480 アーレ・ハイネセンに始まる 自由と平等と人民主権への希求 5 00:01:48,480 --> 00:01:53,320 それを実現させるための戦いが なお続くのだということを 6 00:01:53,320 --> 00:01:55,720 この不利な 不遇な状況にあって 7 00:01:55,720 --> 00:01:59,260 民主共和政治の小さな芽を 育んでくださる皆さんに 8 00:01:59,260 --> 00:02:04,500 感謝します ありがとうございます 9 00:02:04,500 --> 00:02:09,340 そして全てが終わった時には 「ありがとうございました」と 10 00:02:09,340 --> 00:02:12,740 そう申し上げることができれば いいと思います 11 00:02:16,540 --> 00:02:18,950 イゼルローン共和政府 万歳! 12 00:02:18,950 --> 00:02:21,020 くたばれ カイザー・ラインハルト! 13 00:02:21,020 --> 00:02:25,190 イゼルローン共和政府 万歳! 14 00:02:25,190 --> 00:02:28,720 くたばれ カイザー・ラインハルト! 15 00:02:28,720 --> 00:02:32,630 おお! 16 00:02:32,630 --> 00:02:37,400 宇宙歴800年 新帝国歴2年8月8日 17 00:02:37,400 --> 00:02:41,270 イゼルローン共和政府の 成立が宣言された 18 00:02:41,270 --> 00:02:43,870 不敗のまま逝った ヤン・ウェンリーの妻 19 00:02:43,870 --> 00:02:46,240 フレデリカが政府主席となり 20 00:02:46,240 --> 00:02:51,080 6年にわたって被保護者であった ユリアンが軍司令官となった 21 00:02:51,080 --> 00:02:53,680 それは衆議によって 定まったことであり 22 00:02:53,680 --> 00:02:57,050 最善というより 唯一の選択であったが 23 00:02:57,050 --> 00:02:59,120 当事者でない一部の人々は 24 00:02:59,120 --> 00:03:03,590 孤児と未亡人による連合政権と 嘲笑する 25 00:03:03,590 --> 00:03:07,260 当事者たちは 批判を承知の上であった 26 00:03:07,260 --> 00:03:11,900 全宇宙をほぼ手中にした ローエングラム朝銀河帝国に対して 27 00:03:11,900 --> 00:03:15,770 共和主義の旗を掲げるには 核が必要であり 28 00:03:15,770 --> 00:03:18,770 唯一の核としては ヤン・ウェンリーの残像が 29 00:03:18,770 --> 00:03:21,170 存在するだけであったのだから 30 00:03:24,950 --> 00:03:27,350 あの ユリアン・ミンツ中尉ですね 31 00:03:29,780 --> 00:03:32,420 僕 以前から 中尉殿のことを知って… 32 00:03:32,420 --> 00:03:35,760 いえ 存じ上げていました お会いできて光栄です 33 00:03:35,760 --> 00:03:38,090 僕より少し年上なだけなのに 34 00:03:38,090 --> 00:03:41,000 ご立派だと思って あの… 尊敬しています 35 00:03:41,000 --> 00:03:43,800 君はいくつ? 13歳です 36 00:03:46,770 --> 00:03:49,240 ヤン大佐 ご存じですか? 37 00:03:49,240 --> 00:03:52,840 きっとご存じないでしょうね 38 00:03:52,840 --> 00:03:57,750 僕 本当は大佐のこと とても尊敬してるんですよ 39 00:03:57,750 --> 00:04:00,450 やっぱり ほら ご存じなかった 40 00:04:05,720 --> 00:04:09,690 僕は君が考えているような 偉い男ではないよ 41 00:04:09,690 --> 00:04:13,390 ただ ヤン提督のおそばに いさせてもらって 42 00:04:13,390 --> 00:04:16,930 それで ずっと勝利者の側に 身を置くことができたんだ 43 00:04:16,930 --> 00:04:20,400 運がよかっただけだよ でも まだ18歳で 44 00:04:20,400 --> 00:04:22,870 イゼルローン軍の司令官を なさってるじゃ ありませんか 45 00:04:22,870 --> 00:04:26,540 運だけで務まるお仕事じゃ ないですよ 僕 中尉を… 46 00:04:26,540 --> 00:04:30,710 いえ 司令官殿を尊敬しています 本当です 47 00:04:30,710 --> 00:04:33,310 ありがとう 努力してみるよ 48 00:04:38,750 --> 00:04:42,320 何年か前の僕がいる 49 00:04:42,320 --> 00:04:45,860 こうやって思いというものは 受け継がれていくのだろうか 50 00:04:45,860 --> 00:04:48,900 ヤン提督の思いを 僕が受け継いだように 51 00:04:48,900 --> 00:04:52,470 全てではないにしても いや ほんのわずかだとしても 52 00:04:52,470 --> 00:04:55,240 提督の思いを分かち合えたように 53 00:04:55,240 --> 00:04:59,040 年長者から年少者へ 先人から後続者へ 54 00:04:59,040 --> 00:05:02,580 思いのたいまつは リレーされていくのだろうか 55 00:05:02,580 --> 00:05:05,780 だとしたら その火を貴重に思う者は 56 00:05:05,780 --> 00:05:11,290 それを絶やすことなく次の走者に 手渡す責任があるに違いない 57 00:05:11,290 --> 00:05:14,620 器量を試されているのは ユリアンだけではない 58 00:05:14,620 --> 00:05:17,320 俺たち全員が歴史に問われている 59 00:05:17,320 --> 00:05:19,260 「ヤン・ウェンリーを 失った俺たちが」 60 00:05:19,260 --> 00:05:23,430 「なお希望と統一と計画性を 失わずにいられるかどうか」 61 00:05:23,430 --> 00:05:29,170 ということをな その意味では よく60万人以上も残ったものだ 62 00:05:29,170 --> 00:05:32,470 もの好きの種は尽きないものだ 63 00:05:32,470 --> 00:05:34,440 そのうちの何十人かを ついさっき 64 00:05:34,440 --> 00:05:36,910 たたき出したのは どなたでしたっけ? 65 00:05:36,910 --> 00:05:40,350 フン あんな不覚悟な連中に いてもらう必要はない 66 00:05:40,350 --> 00:05:43,750 奴らの言いぐさを聞いたか? 「ヤン提督さえ生きていれば」 67 00:05:43,750 --> 00:05:46,790 「残留してもいいのだが」と きたもんだ 68 00:05:46,790 --> 00:05:49,960 テレビの三文アニメなら 制作者の都合によって 69 00:05:49,960 --> 00:05:53,690 死んだ主人公も生き返るだろう だが 俺たちが生きてるのは 70 00:05:53,690 --> 00:05:58,200 それほど都合のいい世界じゃない 失われた命は決して帰ってこない 71 00:05:58,200 --> 00:06:01,640 それだけに命というものが かけがえのない存在である世界に 72 00:06:01,640 --> 00:06:04,070 生きているんだからな 73 00:06:04,070 --> 00:06:06,070 名演説 名演説 74 00:06:06,070 --> 00:06:08,410 アッテンボロー中将は世が世なら 75 00:06:08,410 --> 00:06:11,310 あのヨブ・トリューニヒトの 後継者になれますな 76 00:06:11,310 --> 00:06:14,010 軍服なんぞを 着せておくのは惜しい 77 00:06:14,010 --> 00:06:17,350 ありがとうよ 俺が元首になったら お前さんに 78 00:06:17,350 --> 00:06:20,090 トリューニヒト記念賞を くれてやるよ 79 00:06:20,090 --> 00:06:23,960 おや ついに黒幕をやめて 表舞台に立つおつもりですか 80 00:06:23,960 --> 00:06:26,890 だったら俺は ヤン未亡人派ですからね 81 00:06:26,890 --> 00:06:31,700 誰が派閥抗争なんかするか あいにく俺は それほど暇じゃない 82 00:06:31,700 --> 00:06:33,800 ケンカの準備で? ん? 83 00:06:36,370 --> 00:06:40,370 「ヤン提督の生前は 祭りの準備に忙しかった」 84 00:06:40,370 --> 00:06:44,450 「死後は残っていた宿題を 片づけるのに骨を折った」 85 00:06:44,450 --> 00:06:48,120 あまり名文とは言えませんな 相変わらず 86 00:06:48,120 --> 00:06:50,050 うるさいぞ 自称エース 87 00:06:50,050 --> 00:06:53,250 お前さんこそ 子供たちを集めて 人気取りをしてるようだが 88 00:06:53,250 --> 00:06:57,160 将来の票集めか? 深慮遠謀と言ってください 89 00:06:57,160 --> 00:07:01,560 どうせ権力闘争をするなら もっと大きな勢力になって 90 00:07:01,560 --> 00:07:04,900 権力に利権が伴うように なってからにしたいですからね 91 00:07:04,900 --> 00:07:07,740 その時に 今の布石が 生きてくるんです 92 00:07:07,740 --> 00:07:11,940 今 この辺境で覇を唱えたって 何の得もありゃしない 93 00:07:11,940 --> 00:07:15,640 辺境か まあ 今の俺たちは帝国から見たら 94 00:07:15,640 --> 00:07:18,550 辺境の流刑者みたいな もんだからな 95 00:07:18,550 --> 00:07:21,350 権力闘争の起こりようもないか 96 00:07:24,820 --> 00:07:27,420 僕たちは確かに辺境にいる 97 00:07:27,420 --> 00:07:30,120 でも それは銀河帝国の辺境でも 98 00:07:30,120 --> 00:07:32,960 まして自由惑星同盟の 辺境でもない 99 00:07:32,960 --> 00:07:37,260 人類社会全体の辺境にだ そこは全宇宙で 100 00:07:37,260 --> 00:07:40,170 カイザー・ラインハルトを忠誠の 対象としない人々の唯一の集合地 101 00:07:40,170 --> 00:07:45,640 圧倒的多数に くみしない 異端者たちの聖地 102 00:07:45,640 --> 00:07:49,380 そのような場所は 辺境にしか存在しえない 103 00:07:49,380 --> 00:07:52,750 だから僕は辺境にいることを 誇りに思う 104 00:07:52,750 --> 00:07:57,750 辺境とは時代を開く地平に 最も近い所なのだから 105 00:08:00,020 --> 00:08:02,920 やあ クロイツェル伍長 106 00:08:02,920 --> 00:08:06,760 こんにちは ミンツ中尉 107 00:08:06,760 --> 00:08:09,530 ん? いや… 108 00:08:09,530 --> 00:08:13,030 またヤン提督のベンチにいたの? 109 00:08:13,030 --> 00:08:15,400 よく知ってるね 110 00:08:15,400 --> 00:08:19,140 そりゃあ中尉は日課のように あそこで考え事をしているって 111 00:08:19,140 --> 00:08:21,340 すっかり有名だから 112 00:08:27,850 --> 00:08:29,880 ヤン提督って… え? 113 00:08:29,880 --> 00:08:34,620 ヤン提督って本当に少しも 偉そうに見えない人だったわね 114 00:08:34,620 --> 00:08:38,260 でも あの人が宇宙の半分を 支えていたんだわ 115 00:08:38,260 --> 00:08:42,660 軍事的にも政治的にも そして思想的にもね 116 00:08:48,570 --> 00:08:51,240 信じられないことだわ あんな人と 117 00:08:51,240 --> 00:08:54,270 短い間でも 一緒にいることができたなんて 118 00:08:54,270 --> 00:08:58,880 自分が歴史の証人なんだって 感じるのは不思議な気分だわね 119 00:08:58,880 --> 00:09:02,420 君はヤン提督と 話をしたことがあるのかい? 120 00:09:02,420 --> 00:09:05,620 ほんの何度かね 他愛のないことばかりだけど 121 00:09:05,620 --> 00:09:08,490 不思議ね 直後には忘れていたことを 122 00:09:08,490 --> 00:09:11,260 今は はっきり 思い出すことができるわ 123 00:09:11,260 --> 00:09:14,760 実を言うとね ヤン提督が 生きていらした頃は 124 00:09:14,760 --> 00:09:17,660 それほど偉大な人だとも 思ってなかったのよ 125 00:09:17,660 --> 00:09:21,540 でも亡くなってから 少しだけ分かったような気がする 126 00:09:21,540 --> 00:09:25,310 提督の息吹を私たちは 直接 感じているけど 127 00:09:25,310 --> 00:09:28,540 その息吹はきっと 時が経つほど大きくなって 128 00:09:28,540 --> 00:09:31,840 歴史を 吹き抜けていくんでしょうね 129 00:09:33,810 --> 00:09:35,810 歴史… 130 00:09:40,150 --> 00:09:43,060 思い出させてしまった? いや 131 00:09:43,060 --> 00:09:46,360 それは ヤン提督の最期を 思い出すのはつらい 132 00:09:46,360 --> 00:09:51,200 だけど忘れるのは もっと耐えがたいことだから 133 00:09:51,200 --> 00:09:53,930 あ… 134 00:09:53,930 --> 00:09:56,970 司令官閣下 何か? 135 00:09:56,970 --> 00:10:00,610 つけあがるんじゃない ヤン提督のお命ひとつ守れなくて 136 00:10:00,610 --> 00:10:03,380 何が司令官だ 137 00:10:03,380 --> 00:10:06,380 大体 いくらヤン・ウェンリーの 養子だからといってだな… 138 00:10:06,380 --> 00:10:09,250 ヤン提督の死は ユリアンの責任じゃない 139 00:10:09,250 --> 00:10:11,720 ヤン提督を 守りきれなかったという点では 140 00:10:11,720 --> 00:10:15,690 私も他のイゼルローンの全員も 同罪だわ 141 00:10:15,690 --> 00:10:17,830 言ってやりなさいよ ユリアン 142 00:10:17,830 --> 00:10:21,400 第一ヤン提督がユリアンを 非難するとも思えないわ 143 00:10:21,400 --> 00:10:23,860 「ユリアンが駆けつけるまで 待てなくてごめん」って 144 00:10:23,860 --> 00:10:25,800 かえって謝るに違いないわ 145 00:10:25,800 --> 00:10:28,540 どうして黙って言わせておくのよ じれったいわね 146 00:10:28,540 --> 00:10:32,210 何とか言って… ミンツ中尉 どうして黙っているの 147 00:10:32,210 --> 00:10:34,140 あんたは不当に 非難されているのよ 148 00:10:34,140 --> 00:10:36,140 私だったら 平手打ちの2ダースくらい 149 00:10:36,140 --> 00:10:38,910 こいつにくれてやるわ こいつ? 150 00:10:38,910 --> 00:10:42,620 あんたは あんたを信頼し 支持してくれてる人たちのために 151 00:10:42,620 --> 00:10:45,590 自分自身の正当な権利を 守るべきではないの? 152 00:10:45,590 --> 00:10:49,390 それは余計なことだとは思うわよ 分かっているわよ でもね… 153 00:10:49,390 --> 00:10:52,630 それにしても ヤン提督もヤン提督だ 154 00:10:52,630 --> 00:10:57,400 地球教徒に暗殺されるなんて こんな ぶざまな死に方があるか 155 00:10:57,400 --> 00:10:59,970 カイザー・ラインハルトと 正面から戦って 156 00:10:59,970 --> 00:11:01,900 壮烈な戦死を遂げていたなら 157 00:11:01,900 --> 00:11:04,470 英雄としての生涯を 全うできたものを 158 00:11:04,470 --> 00:11:08,240 とんだ恥さらしじゃないか もう一度 言ってみろ! 159 00:11:08,240 --> 00:11:11,010 暗殺された人間は 戦死した人間より 160 00:11:11,010 --> 00:11:13,910 格が下だとでもいうのか あ… いや 161 00:11:13,910 --> 00:11:17,520 おい ユリアン いや 司令官殿 162 00:11:17,520 --> 00:11:21,020 出来の悪い部下を 殴ってはいけませんな 163 00:11:21,020 --> 00:11:23,590 ポプラン中佐 164 00:11:23,590 --> 00:11:25,630 さて この際あんたのほうは 165 00:11:25,630 --> 00:11:28,860 わずかな想像力を 働かせればいいのさ 166 00:11:28,860 --> 00:11:31,130 あんたより年齢がずっと若くて 167 00:11:31,130 --> 00:11:33,600 ずっと重い責任を 負わされた相手を 168 00:11:33,600 --> 00:11:39,110 口汚く ののしるような人間が 周囲の目に美しく見えるかどうか 169 00:11:39,110 --> 00:11:42,410 まあ 引き下がるんだな ユリアンが本気で怒ったら 170 00:11:42,410 --> 00:11:44,980 お前さんは ミンチボールにされてしまう 171 00:11:44,980 --> 00:11:48,780 お前さんの体を心配して 俺は出しゃばっているんだぜ 172 00:11:53,350 --> 00:11:56,020 ハハハ さて お若いご両人 173 00:11:56,020 --> 00:11:58,030 お暇なようだから その辺りで小生に 174 00:11:58,030 --> 00:12:00,930 コーヒーでも 付き合ってもらおうか 175 00:12:07,970 --> 00:12:11,310 フン 176 00:12:11,310 --> 00:12:14,810 ユリアンが未熟を自覚しながら 司令官職に就いたのは 177 00:12:14,810 --> 00:12:17,380 ヤン提督を 守りきれなかった責任を 178 00:12:17,380 --> 00:12:20,580 あいつなりに 果たそうとしているのさ 179 00:12:20,580 --> 00:12:24,180 ヤン提督の理念を受け継いで 実現させることでな 180 00:12:24,180 --> 00:12:26,820 その程度のことを 理解できないような奴が 181 00:12:26,820 --> 00:12:30,020 イゼルローンに残留する 必要も意義もない 182 00:12:30,020 --> 00:12:32,330 出ていってもらうべきだろうな 183 00:12:32,330 --> 00:12:34,390 俺も そうしてもらいたいと思うが 184 00:12:34,390 --> 00:12:39,430 異分子を全て排除するというのも 民主政治の原理に反するだろうな 185 00:12:39,430 --> 00:12:44,270 「民主政治とは権力者の自己規制を 法文化した体制である」か 186 00:12:44,270 --> 00:12:47,640 権力者か あのユリアンがね 187 00:12:47,640 --> 00:12:51,080 ヤン・ウェンリーはとても 英雄には見えない人間だったが 188 00:12:51,080 --> 00:12:54,750 愛弟子も それにならうか 189 00:12:54,750 --> 00:12:57,650 ユリアンには 先人に対する嫉妬心がない 190 00:12:57,650 --> 00:13:00,590 こいつは後継者としては 得がたい資質だ 191 00:13:00,590 --> 00:13:03,860 このまま伸びていって ほしいものだが 192 00:13:03,860 --> 00:13:07,190 ヤン・ウェンリーの口調を借りれば こういうことになるかな 193 00:13:07,190 --> 00:13:10,930 歴史はどう語るか 「ユリアン・ミンツは ヤン・ウェンリーの弟子だった」 194 00:13:10,930 --> 00:13:13,830 あるいは「ヤン・ウェンリーは ユリアン・ミンツの師だった」 195 00:13:13,830 --> 00:13:16,740 さて どちらになるものやら 196 00:13:16,740 --> 00:13:19,040 はっきり分かっているのは これだけだ 197 00:13:19,040 --> 00:13:23,310 俺たちは全員そろって 諦めが悪い人間だということさ 198 00:13:23,310 --> 00:13:25,710 シェーンコップ中将のご意見は? 199 00:13:25,710 --> 00:13:28,210 反論できないのが残念だな 200 00:13:34,420 --> 00:13:37,320 何だ?帝国に憲法を作らせるって 201 00:13:37,320 --> 00:13:41,700 そうです 急進的である必要は 必ずしもありません 202 00:13:41,700 --> 00:13:44,600 立憲制度によって 銀河帝国そのものを 203 00:13:44,600 --> 00:13:47,100 じわじわと乗っ取ってしまえば いいんです 204 00:13:47,100 --> 00:13:51,740 なるほど 考えてみれば それも有力な選択肢の一つだな 205 00:13:51,740 --> 00:13:54,510 憲法というものは たとえ それがどんなものでも 206 00:13:54,510 --> 00:13:58,780 君主制から人民主権へ向かう ステップになり得るか 207 00:13:58,780 --> 00:14:01,380 ヤン・ウェンリーの死が カイザー・ラインハルトの 208 00:14:01,380 --> 00:14:03,320 手によるものではなかったことが 209 00:14:03,320 --> 00:14:08,160 結果的にユリアンを 帝国に対する 不毛な憎悪から自由にした 210 00:14:08,160 --> 00:14:11,060 そして それは その政略的な選択肢に 211 00:14:11,060 --> 00:14:14,060 柔軟性を持たせることと なったのである 212 00:14:14,060 --> 00:14:19,730 銀河帝国自体を専制国家から 立憲国家に変質させてしまう 213 00:14:19,730 --> 00:14:22,270 もし それが可能であるとしたら 214 00:14:22,270 --> 00:14:26,110 全人類社会が単一国家として 統一されている時が 215 00:14:26,110 --> 00:14:28,110 一番 効率がいいかもしれません 216 00:14:28,110 --> 00:14:32,980 その意味では今の状況はかえって 都合がいいかもしれませんよ 217 00:14:32,980 --> 00:14:37,780 フン ヤン提督は帝国軍からは ペテン師呼ばわりされていたが 218 00:14:37,780 --> 00:14:40,590 お前さん 立派な後継者になれるぜ 219 00:14:40,590 --> 00:14:42,590 言うだけなら簡単ですよね 220 00:14:42,590 --> 00:14:45,530 でもルドルフ・フォン・ ゴールデンバウムが 221 00:14:45,530 --> 00:14:48,330 単一政体である 銀河連邦を乗っ取って 222 00:14:48,330 --> 00:14:50,960 銀河帝国を成立させたように 223 00:14:50,960 --> 00:14:54,670 その逆はできないものかと 思いまして 224 00:14:54,670 --> 00:14:57,400 で ユリアン… じゃない ミンツ司令官 225 00:14:57,400 --> 00:15:00,610 カイザー・ラインハルトが 大軍をもってイゼルローン回廊へ 226 00:15:00,610 --> 00:15:05,050 侵攻してくる可能性は 今のところは やはり低いか? 227 00:15:05,050 --> 00:15:07,650 そう思います 今のところは 228 00:15:07,650 --> 00:15:10,120 カイザーはフェザーンを 中枢とする 229 00:15:10,120 --> 00:15:13,990 全宇宙の体系再編に 当分は意を用いるでしょう 230 00:15:13,990 --> 00:15:17,290 だがカイザーの人となりは 戦いを好む 231 00:15:17,290 --> 00:15:20,260 いずれ平和に飽きて 宇宙統一の完成を口実に 232 00:15:20,260 --> 00:15:23,000 戦端を開くということはないかな 233 00:15:23,000 --> 00:15:27,200 それも まず考えられませんね ヤン提督がご健在なら 234 00:15:27,200 --> 00:15:29,900 カイザーも 戦意を刺激されるでしょうが 235 00:15:29,900 --> 00:15:34,170 相手が… 我々では役者不足か 236 00:15:34,170 --> 00:15:39,010 まあ いいさ 今 帝国軍と戦って 万に一つも勝ち目はない 237 00:15:39,010 --> 00:15:42,650 かといって華々しく玉砕するのも 趣味じゃないし 238 00:15:42,650 --> 00:15:44,990 ここは時間を稼がせてもらおう 239 00:15:44,990 --> 00:15:50,220 民主共和政の遺産を後世に伝える そのことに成功してこそ 240 00:15:50,220 --> 00:15:54,800 伊達と酔狂も 完成するというものだからな 241 00:15:54,800 --> 00:15:58,670 早期に帝国軍が侵攻してくる ことはあり得ないにしても 242 00:15:58,670 --> 00:16:03,170 軍事力による対応の準備を 怠ることはできなかった 243 00:16:03,170 --> 00:16:05,440 ユリアンは元より アッテンボローも 244 00:16:05,440 --> 00:16:09,140 メルカッツもシェーンコップも キャゼルヌもポプランも 245 00:16:09,140 --> 00:16:13,810 編制 補給 人事 施設管理 訓練などの作業に追われて 246 00:16:13,810 --> 00:16:17,480 多忙を極めていた 247 00:16:17,480 --> 00:16:20,720 特に若い世代が 著しく勤勉になったのは 248 00:16:20,720 --> 00:16:23,720 使命感もさることながら 多忙によって 249 00:16:23,720 --> 00:16:28,320 ヤンの死の記憶から遠ざかろうと した事実も否定できない 250 00:16:30,500 --> 00:16:33,800 生き残ってしまったよ 1人だけ 251 00:16:33,800 --> 00:16:35,900 また… 252 00:16:38,000 --> 00:16:40,910 生き残っていただかないと 困るところでした 253 00:16:40,910 --> 00:16:42,840 少佐が 生きていらっしゃるからこそ 254 00:16:42,840 --> 00:16:47,110 僕たちはどうにか 自分を慰めることができるんです 255 00:16:47,110 --> 00:16:49,110 ユリアン 256 00:16:56,620 --> 00:17:00,130 ユリアンは公務の合間に 毎日 少しずつ 257 00:17:00,130 --> 00:17:03,730 ヤン・ウェンリーの言行に関する 資料を整理している 258 00:17:03,730 --> 00:17:07,600 残された多くのメモと ユリアン自身の記憶によって 259 00:17:07,600 --> 00:17:09,970 ヤン・ウェンリーの 思考の軌跡をたどり 260 00:17:09,970 --> 00:17:12,410 体系的に まとめようというのである 261 00:17:12,410 --> 00:17:15,140 それは決して 孤独な作業ではなかった 262 00:17:15,140 --> 00:17:17,210 それを行っている時 ユリアンは 263 00:17:17,210 --> 00:17:20,550 死者と語り合うことが できるのだから 264 00:17:20,550 --> 00:17:24,220 「言葉では伝わらないものが 確かにある しかしそれは」 265 00:17:24,220 --> 00:17:27,720 「言葉を使い尽くした人だけが 言えることである」 266 00:17:27,720 --> 00:17:32,190 「言葉は心という海に浮かんだ 氷山のようなものだ」 267 00:17:32,190 --> 00:17:34,660 「海面から浮かんでいる部分は わずかだが」 268 00:17:34,660 --> 00:17:38,530 「それによって海面下に存在する 大きなものを知覚したり」 269 00:17:38,530 --> 00:17:41,740 「感じ取ったりすることができる」 270 00:17:41,740 --> 00:17:44,600 「言葉は大事に使いなさい そうすれば」 271 00:17:44,600 --> 00:17:46,870 「ただ沈黙しているより 多くのことを」 272 00:17:46,870 --> 00:17:49,240 「より正確に伝えられる」 273 00:17:49,240 --> 00:17:52,150 「正しい判断は 正しい情報と」 274 00:17:52,150 --> 00:17:55,050 「正しい分析の上に 初めて成立する」 275 00:17:55,050 --> 00:17:57,880 3年前のドーリア星域会戦の直前 276 00:17:57,880 --> 00:18:00,790 ヒューベリオンで 1通の報告書を受け取ったヤンは 277 00:18:00,790 --> 00:18:02,860 文字どおり 踊り上がって喜んだ 278 00:18:02,860 --> 00:18:06,030 クーデター派の 第11艦隊の居場所を知って 279 00:18:06,030 --> 00:18:07,960 ヤンは勝利を確信したのだ 280 00:18:07,960 --> 00:18:11,300 しかし同じ同盟軍を 攻撃するという現実は 281 00:18:11,300 --> 00:18:14,530 ヤンの気を重くさせた だがヤンの敗北は 282 00:18:14,530 --> 00:18:17,040 クーデターの成功に つながってしまうからには 283 00:18:17,040 --> 00:18:19,040 絶対に負けるわけには いかなかった 284 00:18:19,040 --> 00:18:23,840 だからこそ正しい情報の重要性を 痛感するヤンであった 285 00:18:26,850 --> 00:18:30,520 全てはヤン提督が やってくださっていた 286 00:18:30,520 --> 00:18:33,220 考えることも悩むことも 287 00:18:33,220 --> 00:18:37,090 僕は安心して 全てを任せていられたのに 288 00:18:37,090 --> 00:18:40,690 ヤン提督が生きていらしたら… 289 00:18:40,690 --> 00:18:45,270 ヤン提督を惜しみ ヤン提督を 殺した人間を憎悪するのは 290 00:18:45,270 --> 00:18:47,330 僕の心が狭いからだろうか 291 00:18:47,330 --> 00:18:50,870 ユリアンの問いに ヤンならば こう答えただろう 292 00:18:50,870 --> 00:18:53,640 「何かを憎悪することが できない人間に」 293 00:18:53,640 --> 00:18:57,110 「何かを愛することが できるはずがない」と 294 00:18:57,110 --> 00:18:59,350 そのとおりです 提督 295 00:18:59,350 --> 00:19:03,320 提督と提督をめぐる人々が 作り出す小宇宙とを 296 00:19:03,320 --> 00:19:05,790 僕はどれほど 愛していたことでしょう 297 00:19:05,790 --> 00:19:09,660 だから それを壊した者たちを 僕は憎みます 298 00:19:09,660 --> 00:19:12,660 愛が全てを解決するなどとは 思いません 299 00:19:12,660 --> 00:19:17,560 それを見誤らないようにして 帝国との共存の道を探します 300 00:19:21,130 --> 00:19:23,130 提督 301 00:19:28,540 --> 00:19:31,980 この事態は あなたには不本意でしょうね 302 00:19:31,980 --> 00:19:34,880 あなたの妻が革命政権の 主席の座に着き 303 00:19:34,880 --> 00:19:38,320 あなたの養子が 革命軍司令官を務め 304 00:19:38,320 --> 00:19:41,220 あなた自身は 民主共和政治の守護神として 305 00:19:41,220 --> 00:19:46,830 死後も私たちを精神的に救い その正当性を擁護する役目を担う 306 00:19:46,830 --> 00:19:51,300 「死んでからも働かせるのかい」と あなたはおっしゃりたいでしょう 307 00:19:51,300 --> 00:19:53,230 でも あなたがご健在なら 308 00:19:53,230 --> 00:19:58,440 私たちが こんな責任を 課せられることもなかったのよ 309 00:19:58,440 --> 00:20:01,170 あなたのせいなのよ ヤン・ウェンリー 310 00:20:01,170 --> 00:20:03,240 全部 あなたのせい 311 00:20:03,240 --> 00:20:05,980 私が軍人になったのも イゼルローンが 312 00:20:05,980 --> 00:20:09,520 いつの間にか民主主義の 最後の拠点になってしまったのも 313 00:20:09,520 --> 00:20:14,090 みんなが そこに残って 祭りの夢を追い続けているのも 314 00:20:14,090 --> 00:20:19,260 ご自分の責任を自覚なさったら さっさと生き返ってらっしゃい 315 00:20:19,260 --> 00:20:21,530 生き返ってらっしゃい 316 00:20:21,530 --> 00:20:26,100 自然の法則に反したって 一度だけなら許してあげる 317 00:20:26,100 --> 00:20:30,500 そうなったら今度は 私が死ぬまで 死なせてあげないから 318 00:20:33,670 --> 00:20:35,610 あなたは たくさんの人を死なせてきて 319 00:20:35,610 --> 00:20:38,240 その罪の深さを恐れていらした 320 00:20:38,240 --> 00:20:42,120 一度 死んだくらいでは 償えないだろうと 321 00:20:42,120 --> 00:20:45,650 でも私はあなたに 罪を償ってほしくなどなかった 322 00:20:45,650 --> 00:20:49,220 死者の命を吸い取ってでも 生き続けてほしかった 323 00:20:49,220 --> 00:20:52,620 年金泥棒として 長生きしてほしかった 324 00:20:54,660 --> 00:20:57,630 私は確かに あなたを失いました 325 00:20:57,630 --> 00:21:00,330 でも最初から あなたが いなかったことに比べたら 326 00:21:00,330 --> 00:21:02,940 私はずっと幸せです 327 00:21:02,940 --> 00:21:05,940 あなたは何百万人もの人を 殺したかもしれないけど 328 00:21:05,940 --> 00:21:09,540 少なくとも私だけは 幸せにしてくださったのよ 329 00:21:09,540 --> 00:21:13,850 ヤンの最期の言葉をフレデリカは 聞くことができなかった 330 00:21:13,850 --> 00:21:17,420 だが その点に関する限り 彼女は悔やんではいない 331 00:21:17,420 --> 00:21:19,350 彼女には分かっているのだ 332 00:21:19,350 --> 00:21:23,120 それが「ごめん」か「ありがとう」か どちらかだということが 333 00:21:23,120 --> 00:21:25,990 そして恐らく 前者であるだろうことが 334 00:21:25,990 --> 00:21:28,530 誰に信じてもらう 必要もなかったが 335 00:21:28,530 --> 00:21:31,530 彼女にだけは分かっていたのだ 336 00:21:33,670 --> 00:21:36,900 イゼルローン監獄の諸君 変わりはないかね? 337 00:21:36,900 --> 00:21:39,200 差し入れに来てやったぞ 338 00:21:41,740 --> 00:21:45,040 帝国の人事に関する ニュース映像だが 339 00:21:49,450 --> 00:21:51,750 ん? な! 340 00:21:51,750 --> 00:21:53,750 ヨブ・トリューニヒト? 341 00:21:53,750 --> 00:21:58,590 そう お前さんたちの かつての国家元首殿だ 342 00:21:58,590 --> 00:22:01,430 このたびノイエ・ラント総督府 高等参事官として 343 00:22:01,430 --> 00:22:04,130 めでたく故国の土を踏んだわけだ 344 00:22:04,130 --> 00:22:07,500 悪夢だ 345 00:22:07,500 --> 00:22:12,340 カイザーの人事にもあきれるが それより この男こそ驚異だな 346 00:22:12,340 --> 00:22:14,670 内心はどうか知らぬが 表面だけにせよ 347 00:22:14,670 --> 00:22:19,310 よく まあ笑っていられる トリューニヒトという野郎 348 00:22:19,310 --> 00:22:25,120 俺たちが考えていたより はるかに化け物じみた男らしいな 349 00:22:25,120 --> 00:22:29,290 こんなニュースを知って ヤン夫人は平静でいられますか? 350 00:22:29,290 --> 00:22:32,530 ええ とても平静ではいられないわ 351 00:22:32,530 --> 00:22:34,460 でも 考えなくては いけないでしょう 352 00:22:34,460 --> 00:22:39,400 この人事に どういう意味が あるかということをね 353 00:22:39,400 --> 00:22:43,870 問題は誰が望んだ人事かという 点じゃないかな 354 00:22:43,870 --> 00:22:47,310 トリューニヒトは 単に厚顔な権力志向者だとしても 355 00:22:47,310 --> 00:22:50,840 そういう花を咲かせた土壌に 問題がありそうだ 356 00:22:50,840 --> 00:22:53,750 何者かの陰謀が裏にあると? 357 00:22:53,750 --> 00:22:57,020 そこまでは言い切れないが ユリアン 358 00:22:57,020 --> 00:23:00,450 地球教の本部で 総大主教を見かけた時に 359 00:23:00,450 --> 00:23:03,460 一緒に若い大主教とかが いただろ?覚えてるか 360 00:23:03,460 --> 00:23:05,590 え?ええ 361 00:23:05,590 --> 00:23:09,130 先日 ハイネセンポリスで 奴を見かけたんだが 362 00:23:09,130 --> 00:23:11,160 何? それが 363 00:23:11,160 --> 00:23:13,300 連中がアジトにしていたのが 364 00:23:13,300 --> 00:23:17,270 なんとトリューニヒトの 屋敷なのさ 365 00:23:17,270 --> 00:23:20,570 そういえばクーデターの時に 地下に潜ったトリューニヒトを 366 00:23:20,570 --> 00:23:23,480 かくまったのは地球教団だったな 367 00:23:23,480 --> 00:23:25,750 トリューニヒトと地球教 368 00:23:25,750 --> 00:23:28,310 思った以上に つながりは深いかもしれん 369 00:23:28,310 --> 00:23:30,320 例の地球教のディスクには 370 00:23:30,320 --> 00:23:34,120 トリューニヒトのことは 出ていなかったが 371 00:23:34,120 --> 00:23:38,060 この時期 ユリアン・ミンツは 2つの責務を自らに課していた 372 00:23:38,060 --> 00:23:40,590 1つはヤン・ウェンリーの 遺志を継いで 373 00:23:40,590 --> 00:23:44,360 民主共和政治の種を 歴史の土壌に植え込むこと 374 00:23:44,360 --> 00:23:47,400 そして もう1つは ヤン・ウェンリーの復讐である 375 00:23:47,400 --> 00:23:50,000 そのユリアンにとって ボリス・コーネフが 376 00:23:50,000 --> 00:23:53,870 もたらした情報は 看過できない重大なものであった 377 00:23:53,870 --> 00:23:58,080 いずれにしても判断するには 情報が少なすぎます 378 00:23:58,080 --> 00:24:01,950 コーネフ船長 引き続き 情報収集をお願いできますか 379 00:24:01,950 --> 00:24:04,620 もちろんだ アンドリュー・フォークが 380 00:24:04,620 --> 00:24:08,350 ヤンの暗殺をたくらんでいると いう情報をつかんでおきながら 381 00:24:08,350 --> 00:24:10,990 みすみすヤンを死なせてしまった 382 00:24:10,990 --> 00:24:14,230 ヤン暗殺の黒幕を あぶり出さないことには 383 00:24:14,230 --> 00:24:18,630 俺自身の気持ちにも 決着がつかないからな 384 00:24:18,630 --> 00:24:20,870 ボリス・コーネフらは 落ち着く間もなく 385 00:24:20,870 --> 00:24:23,570 再び惑星ハイネセンへと向かった 386 00:24:23,570 --> 00:24:28,510 だが彼らがハイネセンに 到着するより早く事件は起こった 387 00:24:28,510 --> 00:24:32,910 9月1日のグエン・キム・ホア広場事件が それである 388 00:26:11,710 --> 00:26:14,410 「ヴェスターラントを忘れたのか」 389 00:26:14,410 --> 00:26:19,320 暗殺者の放った一言は ラインハルトに深い衝撃を与えた 390 00:26:19,320 --> 00:26:22,460 自責の念にさいなまれる ラインハルトを救ったのは 391 00:26:22,460 --> 00:26:25,730 ヒルダの献身だった 392 00:26:25,730 --> 00:26:31,630 次回「銀河英雄伝説」 第89話「夏の終わりのバラ」 393 00:26:31,630 --> 00:26:34,230 銀河の歴史が また1ページ