1 00:01:34,300 --> 00:01:39,170 <宇宙暦800年 新帝国暦2年12月30日> 2 00:01:39,170 --> 00:01:43,300 <宇宙艦隊司令長官 ウォルフガング・ミッターマイヤー元帥が> 3 00:01:43,300 --> 00:01:46,800 <新帝都フェザーンに帰還した> 4 00:01:52,810 --> 00:01:57,810 <凱旋というには 重く かつ 苦い帰還であった> 5 00:02:02,160 --> 00:02:05,660 ミッターマイヤー元帥だけでも ご無事で良かった 6 00:02:05,660 --> 00:02:09,160 あえて ご生還をお喜び申し上げます 7 00:02:35,660 --> 00:02:37,660 はあ… 8 00:02:43,700 --> 00:02:45,630 <ミッターマイヤーと ビッテンフェルトは> 9 00:02:45,630 --> 00:02:47,570 <その足で大本営に参上して> 10 00:02:47,570 --> 00:02:51,070 <カイザー ラインハルトに 終戦を報告した> 11 00:03:01,650 --> 00:03:04,150 <いったん退室した ミッターマイヤーを> 12 00:03:04,150 --> 00:03:07,150 <カイザー ラインハルトが 呼び戻した> 13 00:03:30,180 --> 00:03:35,680 ミッターマイヤー 5年前のことを覚えているか? 14 00:03:35,680 --> 00:03:37,620 余が キルヒアイスと共に 15 00:03:37,620 --> 00:03:40,190 リンベルク・シュトラーセに 住んでいた時 16 00:03:40,190 --> 00:03:43,690 卿とロイエンタールが 訪ねてきたことがあったな 17 00:03:43,690 --> 00:03:47,690 はい 陛下 よく覚えております 18 00:03:51,200 --> 00:03:54,700 あの時 あの部屋で語り合った4人のうち 19 00:03:54,700 --> 00:03:58,210 なお生きているのは 卿と余だけになってしまった 20 00:03:58,710 --> 00:04:00,640 陛下… 21 00:04:00,640 --> 00:04:04,010 卿は死ぬな 卿がいなくなれば 22 00:04:04,010 --> 00:04:09,150 帝国全軍に用兵の何たるかを 身をもって教える者がいなくなる 23 00:04:09,150 --> 00:04:12,050 余も貴重な戦友を失う 24 00:04:12,050 --> 00:04:17,550 これは命令だ 死ぬなよ 25 00:04:27,540 --> 00:04:31,540 <退室するミッターマイヤーは まぶたの熱さに耐えていた> 26 00:04:31,540 --> 00:04:33,670 <そして 彼のカイザーもまた> 27 00:04:33,670 --> 00:04:37,550 <そうであろうと 信じたのであった> 28 00:04:37,550 --> 00:04:43,180 よしよしよし よしよし ハハハ 大丈夫だよ 29 00:04:43,180 --> 00:04:52,180 (笑い声) 30 00:04:59,200 --> 00:05:02,100 <ミッターマイヤーは 自宅へ帰る前に> 31 00:05:02,100 --> 00:05:06,100 <マリーンドルフ伯爵邸を 訪ねた> 32 00:05:08,010 --> 00:05:12,650 ご存じのことと思いますが 私ども夫婦には 子がありません 33 00:05:12,650 --> 00:05:17,150 故に この子を自分たちの子として 育てたく思います 34 00:05:17,150 --> 00:05:21,020 陛下のお許しを頂くために フロイラインのお力を 35 00:05:21,020 --> 00:05:24,030 貸していただければ ありがたいのですが 36 00:05:24,030 --> 00:05:27,160 ロイエンタール元帥の お子さんを… 37 00:05:27,160 --> 00:05:31,030 さようです 法的にいえば大逆犯の子 38 00:05:31,030 --> 00:05:33,670 罪は 親から子に及ぶかもしれませんが 39 00:05:33,670 --> 00:05:36,670 それは 我が身に代えても… 40 00:05:40,170 --> 00:05:44,680 その点に関しては ご心配いらないと存じます 41 00:05:44,680 --> 00:05:47,180 法的には 嫡出子ではないのですから 42 00:05:47,180 --> 00:05:52,050 親の罪が 子に及ぶことはありません 43 00:05:52,050 --> 00:05:55,690 まして ロイエンタール元帥のお子さんを 44 00:05:55,690 --> 00:05:58,590 ミッターマイヤー元帥が お育てになるのですもの 45 00:05:58,590 --> 00:06:01,500 どれほどの名将が 誕生しますことか 46 00:06:01,500 --> 00:06:05,500 (笑い声) 47 00:06:05,500 --> 00:06:08,140 私には 何ら異存はございません 48 00:06:08,140 --> 00:06:12,010 喜んで 陛下に対して 口添えさせていただきます 49 00:06:12,010 --> 00:06:15,510 でも1つだけ 気になる点が あるのですけれど 50 00:06:18,150 --> 00:06:20,650 フフ… 51 00:06:20,650 --> 00:06:24,150 奥様のお考えですわ ミッターマイヤー元帥 52 00:06:24,150 --> 00:06:28,650 奥様は ご主人と同じお考えで いらっしゃるのでしょうか 53 00:06:30,660 --> 00:06:33,160 こ… これは うかつと申しますか 54 00:06:33,160 --> 00:06:35,660 まだ 妻には このことを話していないのです 55 00:06:35,660 --> 00:06:40,170 一体 妻は 承諾してくれるものでしょうか 56 00:06:40,170 --> 00:06:46,040 奥様であれば きっと喜んで承諾なさるでしょう 57 00:06:46,040 --> 00:06:48,680 私も そう信じるあまり 58 00:06:48,680 --> 00:06:51,580 つい 妻の意思を問うのを 失念しておりました 59 00:06:51,580 --> 00:06:56,180 まあ フフフ… 60 00:06:56,180 --> 00:06:59,690 それと ロイエンタールの 従卒だった このハインリッヒも 61 00:06:59,690 --> 00:07:02,590 最近 両親を亡くしたということなので 62 00:07:02,590 --> 00:07:07,590 これも 妻に相談して 一緒に我が家で養おうと思います 63 00:07:13,630 --> 00:07:16,540 それでは 64 00:07:16,540 --> 00:07:19,510 ミッターマイヤー元帥 65 00:07:19,510 --> 00:07:22,640 何でしょう?フロイライン 66 00:07:22,640 --> 00:07:26,510 あなたは 帝国軍の至宝でいらっしゃいます 67 00:07:26,510 --> 00:07:29,520 陛下のご身辺が寂しくなって まいりましたけれども 68 00:07:29,520 --> 00:07:32,650 どうぞ 元帥には 今後も変わることなく 69 00:07:32,650 --> 00:07:38,160 陛下をお守りいただけるよう お願いいたします 70 00:07:38,160 --> 00:07:41,660 私は故人となった ジークフリード・キルヒアイスにも 71 00:07:41,660 --> 00:07:46,170 オスカー・フォン・ロイエンタールにも遠く及ばず 才乏しき身です 72 00:07:46,170 --> 00:07:48,100 たまたま生き残っただけで 73 00:07:48,100 --> 00:07:52,040 過分の呼称を頂くのは 心苦しいかぎりですが 74 00:07:52,040 --> 00:07:55,180 お約束させていただきましょう 75 00:07:55,180 --> 00:07:58,080 彼らの分まで カイザーにお仕えいたします 76 00:07:58,080 --> 00:08:00,980 たとえ カイザーが何をなさろうとも 77 00:08:00,980 --> 00:08:05,980 私の忠誠心は 不変であることを誓約いたします 78 00:08:19,130 --> 00:08:22,130 ≪今 帰ったよ エヴァ 79 00:08:39,150 --> 00:08:42,660 実は お土産というか 持ってきた… いや 80 00:08:42,660 --> 00:08:45,560 連れてきたものがあるんだ 81 00:08:45,560 --> 00:08:49,530 (笑い声) 82 00:08:49,530 --> 00:08:52,170 フフ… 83 00:08:52,170 --> 00:08:55,670 さあ いらっしゃい 84 00:08:55,670 --> 00:08:59,170 フフフ… 85 00:08:59,170 --> 00:09:03,040 どこのキャベツ畑から 拾っていらしたの?ウォルフ 86 00:09:03,040 --> 00:09:05,980 い… いや それは何というか… 87 00:09:05,980 --> 00:09:12,620 分かっています ねっ?フフフ… 88 00:09:12,620 --> 00:09:18,130 あなた ロイエンタールという 名前の畑からでしょ? 89 00:09:18,130 --> 00:09:21,030 実は先ほど フロイライン マリーンドルフから 90 00:09:21,030 --> 00:09:25,630 お電話をいただきましたの 事情は全て伺いましたわ 91 00:09:25,630 --> 00:09:28,540 そうか それでな エヴァ… 92 00:09:28,540 --> 00:09:32,140 あなたが この子を連れて いらしたことは 当然だと思います 93 00:09:32,140 --> 00:09:35,640 私 喜んで この子のお母さんになります 94 00:09:35,640 --> 00:09:40,150 でも たった1つ 私に決めさせてちょうだい 95 00:09:40,150 --> 00:09:44,650 この子の名前を そうさせてくださる?あなた 96 00:09:44,650 --> 00:09:49,160 ああ いいとも で どんな名前にするんだい? 97 00:09:49,160 --> 00:09:51,090 「フェリックス」っていいますの 98 00:09:51,090 --> 00:09:54,660 あなたの お気に召すといいのだけど 99 00:09:54,660 --> 00:09:56,600 フェリックスか 100 00:09:56,600 --> 00:09:58,530 <それが 古い古い言語で> 101 00:09:58,530 --> 00:10:00,530 <「幸福」を 意味する名であることを> 102 00:10:00,530 --> 00:10:03,170 <ミッターマイヤーは 知っていた> 103 00:10:03,170 --> 00:10:06,070 <無論 彼の妻も知った上で何年も> 104 00:10:06,070 --> 00:10:09,680 <その名を 胸の奥で温めていたのだろう> 105 00:10:09,680 --> 00:10:12,180 <まだ生まれない子供のために> 106 00:10:12,180 --> 00:10:15,680 <ついに生まれることが ないかもしれない子供のために> 107 00:10:15,680 --> 00:10:20,190 フェリックスか いい名だ それに決めよう 108 00:10:20,190 --> 00:10:24,060 この子は今日から フェリックス・ミッターマイヤーだ 109 00:10:24,060 --> 00:10:26,060 フフフ… 110 00:10:26,060 --> 00:10:28,060 《そして いずれ成人し》 111 00:10:28,060 --> 00:10:31,200 《自分自身の判断力と価値観を 持つようになったら》 112 00:10:31,200 --> 00:10:34,100 《実父の姓を名乗らせてもいい》 113 00:10:34,100 --> 00:10:37,710 《お前の父は 誇り高い人間であったこと》 114 00:10:37,710 --> 00:10:39,640 《宇宙で ただ1人の人物にしか》 115 00:10:39,640 --> 00:10:43,580 《膝を屈しなかった 男であることを教えてやろう》 116 00:10:43,580 --> 00:10:45,580 ≪(くしゃみ) 117 00:10:45,580 --> 00:10:47,580 あっ 118 00:10:53,720 --> 00:10:56,620 まあ… ハハハ… 119 00:10:56,620 --> 00:10:59,120 どうぞ 失礼します 120 00:11:17,680 --> 00:11:19,610 (ノック) 121 00:11:19,610 --> 00:11:21,610 (ドアの開閉音) 122 00:11:38,700 --> 00:11:42,700 今日は 寒いな 123 00:11:45,210 --> 00:11:49,210 フロイライン 風邪などひいていないか? 124 00:11:57,720 --> 00:12:04,220 風邪などひいたら大変です 陛下 おなかの子供に障りますから 125 00:12:24,680 --> 00:12:28,550 改めてお願いするが 結婚してくれるだろうか 126 00:12:28,550 --> 00:12:31,550 フロイライン マリーンドルフ 127 00:12:31,550 --> 00:12:34,690 あなたが余にとって 大切な人だということが 128 00:12:34,690 --> 00:12:36,620 ようやく分かった 129 00:12:36,620 --> 00:12:40,560 この数か月 それを思い知らされてきた 130 00:12:40,560 --> 00:12:44,700 あなたは余に助言して 一度も誤ったことがないし 131 00:12:44,700 --> 00:12:50,570 余には もったいない女性だと思う 余は… 余は… 132 00:12:50,570 --> 00:12:56,070 はい 陛下 お受けいたします 私で よろしければ 133 00:13:03,650 --> 00:13:07,520 ((「フロイライン マリーンドルフ いえ ヒルダさん」)) 134 00:13:07,520 --> 00:13:10,160 ((「ラインハルトを 好きになってくださって」)) 135 00:13:10,160 --> 00:13:14,030 ((「ありがとうございます」)) 136 00:13:14,030 --> 00:13:18,030 ((「あなたのような方が ラインハルトの そばにいてくださって」)) 137 00:13:18,030 --> 00:13:20,170 ((「弟は幸せです」)) 138 00:13:20,170 --> 00:13:25,670 ((「どうか ラインハルトのことを よろしくお願いしますわね」)) 139 00:13:25,670 --> 00:13:28,670 ((アンネローゼ様…)) 140 00:13:49,700 --> 00:13:53,200 <ヒルダは ラインハルトの 長所も欠点も知っていた> 141 00:13:53,200 --> 00:13:55,700 <そして その欠点をも> 142 00:13:55,700 --> 00:13:58,700 <貴重なものに 思っていたのである> 143 00:14:00,570 --> 00:14:04,140 <光と闇が混在する 銀河系の一隅に> 144 00:14:04,140 --> 00:14:07,650 <800年にわたって 憎悪と執念を育んだ> 145 00:14:07,650 --> 00:14:10,150 <人々の一団が潜んでいる> 146 00:14:10,150 --> 00:14:13,650 <全ては 母なる地球の栄光を 回復するため> 147 00:14:13,650 --> 00:14:17,520 <幾多の陰謀を巡らし 実行してきた> 148 00:14:17,520 --> 00:14:20,530 <特に この年 ヤン・ウェンリーの暗殺と> 149 00:14:20,530 --> 00:14:24,160 <オスカー・フォン・ロイエンタールを 反逆に追い込むことに成功し> 150 00:14:24,160 --> 00:14:27,670 <その目的達成に 近づいたかとも思える> 151 00:14:27,670 --> 00:14:29,600 <だが ヨブ・トリューニヒトという> 152 00:14:29,600 --> 00:14:32,170 <重要な駒を 失ったことが知れると> 153 00:14:32,170 --> 00:14:36,040 <幹部たちの間に 新指導者たる ドヴィリエ大司教への> 154 00:14:36,040 --> 00:14:38,680 <不信の目が 芽生えたようにも見えた> 155 00:14:38,680 --> 00:14:41,580 トリューニヒトを 失っただけではない! 156 00:14:41,580 --> 00:14:44,550 カイザー ラインハルトが 結婚するという 157 00:14:44,550 --> 00:14:47,690 しかも その相手たる マリーンドルフ伯爵令嬢は 158 00:14:47,690 --> 00:14:50,190 既に 懐妊しているというではないか 159 00:14:50,190 --> 00:14:52,130 フン 160 00:14:52,130 --> 00:14:56,700 だから まず カイザー ラインハルトの暗殺を 優先するべきだったのだ 161 00:14:56,700 --> 00:14:59,200 もし このまま カイザーに世継ぎが生まれれば 162 00:14:59,200 --> 00:15:04,040 それを核として ローエングラム体制が 続いていくではないか! 163 00:15:04,040 --> 00:15:08,010 そうなれば ロイエンタール元帥を 死に至らしめたのも 164 00:15:08,010 --> 00:15:12,650 ヤン・ウェンリーを暗殺したのも 全て あの金髪の小僧のために 165 00:15:12,650 --> 00:15:17,650 災いの種を取り除いてやった だけのことではないか! 166 00:15:23,160 --> 00:15:27,030 フフフ… 167 00:15:27,030 --> 00:15:29,030 何を慌てるのか 168 00:15:29,030 --> 00:15:32,170 まだ 世継ぎが生まれたわけではない 169 00:15:32,170 --> 00:15:35,070 それに生まれたら生まれたで それは カイザーのために 170 00:15:35,070 --> 00:15:40,040 強みになるとは 必ずしもかぎるまい フフフ… 171 00:15:40,040 --> 00:15:51,550 ハハハ…! 172 00:15:51,550 --> 00:15:54,550 <その頃 惑星ハイネセンにおいて> 173 00:15:54,550 --> 00:15:57,690 <奇妙なウワサが流れていた> 174 00:15:57,690 --> 00:16:01,560 <それは カイザーが死んだ というものであった> 175 00:16:01,560 --> 00:16:05,500 何だと?カイザー ラインハルト陛下が 崩御されたというのか 176 00:16:05,500 --> 00:16:08,640 いえ それが このウワサにいう カイザーとは 177 00:16:08,640 --> 00:16:11,540 カイザー ラインハルト陛下のことではなく 178 00:16:11,540 --> 00:16:16,540 旧ゴールデンバウム王朝の エルウィン・ヨーゼフ2世のことなのですが 179 00:16:27,020 --> 00:16:30,660 どういうことか? それが… 180 00:16:30,660 --> 00:16:33,160 <それは ロイエンタール元帥の反逆事件が> 181 00:16:33,160 --> 00:16:36,660 <収束に向かいつつあった 11月のことであった> 182 00:16:36,660 --> 00:16:40,170 <惑星ハイネセンの辺境 クラムホルスという町で> 183 00:16:40,170 --> 00:16:43,670 <挙動不審の若い男が 逮捕された> 184 00:16:45,670 --> 00:16:48,170 待て! 止まらんか! 185 00:17:59,180 --> 00:18:02,180 (ドアをたたく音) 186 00:18:05,620 --> 00:18:07,620 あっ! 187 00:18:13,130 --> 00:18:18,630 なぜ逃げた! 怪しいヤツめ! 188 00:18:18,630 --> 00:18:23,130 貴様!共和主義者の残党か! 189 00:18:25,140 --> 00:18:27,640 何だ?その包みは! 190 00:18:27,640 --> 00:18:30,540 や… やめろ!やめろ! 191 00:18:30,540 --> 00:18:32,510 何だ こいつは! 192 00:18:32,510 --> 00:18:34,510 わ~! 193 00:18:34,510 --> 00:18:36,510 貴様! 194 00:18:40,150 --> 00:18:42,660 おとなしくしろ! 195 00:18:42,660 --> 00:18:45,160 わ~! 196 00:18:45,160 --> 00:18:47,160 この! 197 00:18:52,030 --> 00:18:54,530 うっ… 198 00:18:59,670 --> 00:19:04,170 うっ! 何だ?これは 199 00:19:13,120 --> 00:19:16,990 ひっ!触るな! 200 00:19:16,990 --> 00:19:20,990 貴様ら下せんの者が 触れてよい お方ではない! 201 00:19:20,990 --> 00:19:25,990 このお方は… このお方は… 202 00:19:30,540 --> 00:19:34,510 この死体は何だ! 誰の死体だというのだ! 203 00:19:34,510 --> 00:19:36,510 ひ~! 204 00:19:38,650 --> 00:19:40,580 答えろ 205 00:19:40,580 --> 00:19:43,520 あっ!や… やめろ! 206 00:19:43,520 --> 00:19:50,520 このお方を… このお方は 皇帝陛下たるぞ! 207 00:19:52,660 --> 00:19:56,160 皇帝… 陛下? 208 00:19:59,170 --> 00:20:03,040 取り調べの結果 その男が幼帝誘拐犯の1人で 209 00:20:03,040 --> 00:20:07,670 重要指名手配中の ランズベルク伯アルフレッドであることが 210 00:20:07,670 --> 00:20:09,610 確認されました 211 00:20:09,610 --> 00:20:13,180 伯は 克明な私記を所有しており それによりますと 212 00:20:13,180 --> 00:20:17,680 エルウィン・ヨーゼフ2世は 3月に拒食症の末に衰弱死し 213 00:20:17,680 --> 00:20:22,560 以来 その遺体を抱えて逃亡を 続けていたとのことであります 214 00:20:22,560 --> 00:20:27,190 衰弱死か 哀れだな 215 00:20:27,190 --> 00:20:29,700 それで その遺体は どうなった? 216 00:20:29,700 --> 00:20:33,200 引き取り手もおりませんので そのまま公共墓地に 217 00:20:33,200 --> 00:20:35,140 ランズベルク伯は? 218 00:20:35,140 --> 00:20:38,070 精神に異常を来しているとの 鑑定結果が出まして 219 00:20:38,070 --> 00:20:41,710 精神病院に 収容されているとのことですが 220 00:20:41,710 --> 00:20:43,640 お会いになりますか? 221 00:20:43,640 --> 00:20:48,220 いや 無意味だろう 後味の悪い事件だ 222 00:20:48,220 --> 00:20:51,120 フェザーンに報告書を回して 終わりにしよう 223 00:20:51,120 --> 00:20:53,090 はっ 224 00:20:53,090 --> 00:20:56,720 それに内乱の影響で各地で 物資の不足が目立ち始めていて 225 00:20:56,720 --> 00:20:59,230 そのほうが重要な問題だ 226 00:20:59,230 --> 00:21:02,660 いつまでも過去の遺物に 関わってはおられんよ 227 00:21:02,660 --> 00:21:04,600 はっ 228 00:21:04,600 --> 00:21:09,170 <この事件のてんまつは 例によって ボリス・コーネフらによって> 229 00:21:09,170 --> 00:21:12,670 <イゼルローン要塞にも もたらされた> 230 00:21:16,680 --> 00:21:18,610 <イゼルローンでは この年> 231 00:21:18,610 --> 00:21:21,550 <ヤン・ウェンリーの後継者となった ユリアン・ミンツが> 232 00:21:21,550 --> 00:21:25,690 <戦わなかったことで 指導者としての評価を得た> 233 00:21:25,690 --> 00:21:30,190 <来る年に戦うことで 成果が さらに高まるのであろうか> 234 00:21:30,190 --> 00:21:32,130 <ユリアンには分からない> 235 00:21:32,130 --> 00:21:35,700 <だが 彼は もともと 軍人を志望していたのであり> 236 00:21:35,700 --> 00:21:40,570 <避けることのできない 戦いがあることを信じていた> 237 00:21:40,570 --> 00:21:42,570 はあ… 238 00:21:42,570 --> 00:21:44,700 <最も ヤンの死後 ユリアンの中に> 239 00:21:44,700 --> 00:21:48,210 <軍人とは異なる道に 進みたいという心情が> 240 00:21:48,210 --> 00:21:52,710 <次第 次第に 芽生え始めてはいたが> 241 00:21:56,720 --> 00:22:00,220 よし そっとやれ そっとやれよ これ曲がってないか? 242 00:22:00,220 --> 00:22:02,660 よし ちゃんとやれよ 243 00:22:02,660 --> 00:22:05,560 大丈夫だ そんなとこかな? 244 00:22:05,560 --> 00:22:07,530 ストップ! 245 00:22:07,530 --> 00:22:11,670 やれやれ 今年は これでも ヤンの喪中の年なのに 246 00:22:11,670 --> 00:22:13,600 この はしゃぎようは どうだ 247 00:22:13,600 --> 00:22:16,540 あの人は 仲間内のお祭り騒ぎを 248 00:22:16,540 --> 00:22:19,540 嫌ったことは 一度もありませんでした 249 00:22:19,540 --> 00:22:23,180 むしろ あの人のためにも にぎやかにやってください 250 00:22:23,180 --> 00:22:26,680 フン 祭りは まだ終わらないか 251 00:22:31,050 --> 00:22:34,690 うるさいな だってさ! 252 00:22:34,690 --> 00:22:38,190 なあ ユリアン 来年は出番を つくってくれるんだろうな? 253 00:22:38,190 --> 00:22:41,090 期待してるぜ!司令官殿 254 00:22:41,090 --> 00:22:45,700 僕より カイザーに聞いてください そのほうが確かですよ 255 00:22:45,700 --> 00:22:48,700 ハハハ…! 256 00:23:21,530 --> 00:23:24,170 ユリアン 257 00:23:24,170 --> 00:23:27,070 ユリアン パーティーが始まるわよ 258 00:23:27,070 --> 00:23:31,570 フレデリカさんや キャゼルヌご一家がお待ちよ 259 00:23:33,680 --> 00:23:35,620 初めてだね 260 00:23:35,620 --> 00:23:37,550 何が? 261 00:23:37,550 --> 00:23:41,550 いや 行こう カリン 262 00:23:51,700 --> 00:23:56,200 3 2 1! 263 00:23:56,200 --> 00:24:03,010 <こうして 宇宙暦801年 新帝国歴3年の年が明ける> 264 00:24:03,010 --> 00:24:06,010 <この年の1月のうちに カイザー ラインハルトは> 265 00:24:06,010 --> 00:24:08,650 <ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを> 266 00:24:08,650 --> 00:24:13,520 <正式に皇妃として 迎えることになるであろう> 267 00:24:13,520 --> 00:24:18,660 <それを望む者もいれば 望まない者も存在する> 268 00:24:18,660 --> 00:24:24,160 <つい先年 宇宙に樹立された 新しい秩序が永続し得るか> 269 00:24:24,160 --> 00:24:28,030 <歴史の大河に一瞬だけ浮かんだ うたかたとして終わるか> 270 00:24:28,030 --> 00:24:33,030 <それが決定されるべき年が 訪れようとしていた> 271 00:26:07,130 --> 00:26:11,640 <新帝国暦3年の年明けとともに カイザー ラインハルトは> 272 00:26:11,640 --> 00:26:13,570 <ヒルダを 皇妃として冊立することと> 273 00:26:13,570 --> 00:26:17,510 <そのヒルダが既に 懐妊していることを公表した> 274 00:26:17,510 --> 00:26:20,150 <祝福と喜びに沸き返る 帝国全土> 275 00:26:20,150 --> 00:26:22,080 <だが その片隅では> 276 00:26:22,080 --> 00:26:27,020 <国家の転覆を謀る陰謀が 着々と進められていた> 277 00:26:27,020 --> 00:26:30,660 <次回『銀河英雄伝説』第100話 「ホーフ・カーザーリン」> 278 00:26:30,660 --> 00:26:32,660 <銀河の歴史が また1ページ>