1 00:01:37,900 --> 00:01:39,830 宇宙暦801年 2 00:01:39,830 --> 00:01:43,600 新帝国暦3年の新年を祝う パーティーの席上 3 00:01:43,600 --> 00:01:47,310 カイザー・ラインハルトは ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを 4 00:01:47,310 --> 00:01:50,310 皇妃として迎えることを公表した 5 00:01:58,890 --> 00:02:01,760 ホーフ・カイザーリン! 6 00:02:01,760 --> 00:02:05,960 ホーフ・カイザーリン・ ヒルデガルド! 7 00:02:05,960 --> 00:02:11,200 ホーフ・カイザーリン・ ヒルデガルド 8 00:02:11,200 --> 00:02:13,930 カイザーご夫妻に乾杯 9 00:02:13,930 --> 00:02:16,000 乾杯! 10 00:02:16,000 --> 00:02:18,470 夜の庭園に充満した歓喜は 11 00:02:18,470 --> 00:02:23,770 ヒルダが6月初頭に出産予定で あると知らされて 頂点に達した 12 00:02:25,750 --> 00:02:28,250 皇太子殿下に乾杯 13 00:02:30,880 --> 00:02:34,590 なんの お美しい皇女殿下に乾杯だ 14 00:02:34,590 --> 00:02:37,590 いずれにしても めでたし めでたしだ 15 00:02:40,790 --> 00:02:44,260 とにかく 去年があまりに 多事多難な年だったからな 16 00:02:44,260 --> 00:02:48,540 今年こそは平穏な よき年であってほしいものだ 17 00:02:48,540 --> 00:02:52,270 皇帝陛下のご婚約は 全ての吉事に先駆けて 18 00:02:52,270 --> 00:02:55,280 平和と繁栄の年を 象徴するものだろう 19 00:02:55,280 --> 00:02:58,810 陛下のご病気も 近頃はすっかり よくなられたようだし 20 00:02:58,810 --> 00:03:03,350 これで皇子のご誕生あれば ローエングラム王朝も安泰だ 21 00:03:03,350 --> 00:03:07,860 ご父母のどちらに似ても 美しく 聡明なお子が誕生するだろう 22 00:03:07,860 --> 00:03:09,860 楽しみなことだ 23 00:03:12,530 --> 00:03:15,300 カイザー・ラインハルトと ヒルダの結婚について 24 00:03:15,300 --> 00:03:17,630 意義を唱える者はいなかった 25 00:03:17,630 --> 00:03:19,870 それはヒルダの父である 26 00:03:19,870 --> 00:03:22,770 マリーンドルフ伯フランツの 温和な人となりが 27 00:03:22,770 --> 00:03:27,770 人々の反感を買うものでは なかったことも一因であろう 28 00:03:30,040 --> 00:03:32,650 そのマリーンドルフ伯が ラインハルトに 29 00:03:32,650 --> 00:03:38,050 国務尚書職を退く意思を 伝えたのは1月3日のことである 30 00:03:38,050 --> 00:03:41,920 ラインハルトは マリーンドルフ伯の 真意を洞察したが 31 00:03:41,920 --> 00:03:47,690 後任を定めぬまま 国務尚書の席を 空けるわけにもいかなかった 32 00:03:47,690 --> 00:03:50,330 マリーンドルフ伯は当分の間 33 00:03:50,330 --> 00:03:53,170 国務尚書の任を務めるよう 言い渡され 34 00:03:53,170 --> 00:03:58,140 花嫁の父として 感傷に浸る 余地を与えられなかった 35 00:03:58,140 --> 00:04:00,640 そこでヒルダの結婚準備は 36 00:04:00,640 --> 00:04:05,640 家令のハンス・シュテルツァーと その妻によって進められていた 37 00:04:08,220 --> 00:04:12,090 ハア どうしたの? 38 00:04:12,090 --> 00:04:15,360 あの小さかった ヒルダお嬢様が結婚なさる 39 00:04:15,360 --> 00:04:19,760 しかも皇帝陛下の花嫁となるとは 40 00:04:19,760 --> 00:04:25,570 感慨に浸りたいのは分かるけど 次の打ち合わせに出かける時間よ 41 00:04:25,570 --> 00:04:29,570 やれやれ 発表から挙式まで 1ヵ月もないとは 42 00:04:29,570 --> 00:04:31,970 いくら何でも慌ただしすぎる 43 00:04:31,970 --> 00:04:36,910 仕方ないでしょう お嬢様はもう ご懐妊なんだから 44 00:04:36,910 --> 00:04:41,620 それにしても 陛下も案外 手の早いお方だったのだな 45 00:04:41,620 --> 00:04:44,650 あなた! ん? 46 00:04:44,650 --> 00:04:46,650 あ… 47 00:05:02,270 --> 00:05:07,240 やれやれ 子供がいるというのは にぎやかなものだな 48 00:05:07,240 --> 00:05:11,240 アイゼナッハの家も こんな感じなのだろうか… 49 00:05:14,580 --> 00:05:17,580 いかん どうも想像がつかん 50 00:05:23,590 --> 00:05:25,990 ああ よしよし 51 00:05:28,260 --> 00:05:30,260 んー 52 00:05:32,230 --> 00:05:36,330 なあエヴァ 俺に政治家が 務まると思うかい? 53 00:05:38,470 --> 00:05:41,880 どういうおつもりで おっしゃって いるのか分かりませんけれど 54 00:05:41,880 --> 00:05:45,750 ウォルフ あなたは 公明正大な方ですわ 55 00:05:45,750 --> 00:05:50,250 それは政治家としても 立派な資質だと思いますけれど 56 00:05:50,250 --> 00:05:53,650 エヴァが褒めてくれるのは うれしいが 57 00:05:53,650 --> 00:05:57,420 公明正大だけで 国家を統治することはできないさ 58 00:05:57,420 --> 00:06:01,300 国家を統治?どうなさいましたの 59 00:06:01,300 --> 00:06:05,000 実は… 60 00:06:05,000 --> 00:06:07,000 マリーンドルフ伯が? 61 00:06:10,170 --> 00:06:13,910 そうです ご自分が 辞任した後の国務尚書に 62 00:06:13,910 --> 00:06:18,080 ミッターマイヤー閣下を 推されると 63 00:06:18,080 --> 00:06:21,350 閣下 閣下が お引き受けにならないと 64 00:06:21,350 --> 00:06:23,920 軍務尚書たる オーベルシュタイン元帥が 65 00:06:23,920 --> 00:06:26,790 その座に就くことに なるかもしれませんぞ 66 00:06:26,790 --> 00:06:28,790 そうなれば… 67 00:06:31,560 --> 00:06:35,460 俺は政治からは 極力 遠ざかろうとしていたが 68 00:06:35,460 --> 00:06:37,930 いつまで純粋な軍人でいられるか 69 00:06:37,930 --> 00:06:41,930 心もとない状況に なりつつあるようだ 70 00:06:44,540 --> 00:06:48,480 ヒルダが皇妃として冊立される ことが正式決定してから 71 00:06:48,480 --> 00:06:53,080 宮内省と司法省との間で さまざまな討議が行われた 72 00:06:53,080 --> 00:06:57,850 つまり皇妃という地位を 単に カイザーの配偶者にとどめるか 73 00:06:57,850 --> 00:06:59,890 帝国の共同統治者であり 74 00:06:59,890 --> 00:07:03,160 帝位継承権を持つものとするか どうかである 75 00:07:03,160 --> 00:07:05,090 ヒルダのみに限れば 76 00:07:05,090 --> 00:07:08,630 彼女が共同統治者となることは 既定の事実であったし 77 00:07:08,630 --> 00:07:10,560 その能力 識見は 78 00:07:10,560 --> 00:07:14,330 ラインハルトでさえ 舌を巻くほどの明哲な女性であり 79 00:07:14,330 --> 00:07:16,940 その資格は十分すぎるほどである 80 00:07:16,940 --> 00:07:19,840 だが 将来にわたってはどうか 81 00:07:19,840 --> 00:07:25,080 将来 何らの才能もない女性が 皇妃になり 国政に干渉して 82 00:07:25,080 --> 00:07:28,380 混乱を生ぜしめる危険性は ないであろうか 83 00:07:28,380 --> 00:07:32,190 皇妃の発言権に 制限を 加えるべきではないだろうか 84 00:07:32,190 --> 00:07:35,720 議論は百出して まとまる気配もなかった 85 00:07:35,720 --> 00:07:37,660 もっとも 共和主義者から見れば 86 00:07:37,660 --> 00:07:40,860 そういった議論は 冷笑の対象でしかないだろう 87 00:07:40,860 --> 00:07:43,130 そもそも血統によって最高権力を 88 00:07:43,130 --> 00:07:45,700 継承すること自体が 誤りなのである 89 00:07:45,700 --> 00:07:50,570 第一 皇妃よりもまず皇帝が 無能 惰弱 愚劣であったなら 90 00:07:50,570 --> 00:07:53,140 国政は より混乱するではないか 91 00:07:53,140 --> 00:07:56,740 そうであるには違いないが 専制政治である以上 92 00:07:56,740 --> 00:07:59,550 君主に対する 女性の影響力について 93 00:07:59,550 --> 00:08:05,490 帝国の高官たちは 配慮を怠る わけにはいかなかったのである 94 00:08:05,490 --> 00:08:09,520 ヒルダと同様 あるいはそれ以上に ラインハルトに影響力を持つ 95 00:08:09,520 --> 00:08:12,430 グリューネワルト大公妃 アンネローゼが 96 00:08:12,430 --> 00:08:15,760 弟であるラインハルトの 結婚式に出席するために 97 00:08:15,760 --> 00:08:21,060 惑星フェザーンに到着したのは 1月25日のことであった 98 00:09:08,350 --> 00:09:10,380 宿舎に充てられた邸宅には 99 00:09:10,380 --> 00:09:14,150 意外な人物が アンネローゼの到着を待っていた 100 00:09:14,150 --> 00:09:19,690 皇妃となるヒルダが 表敬のため 既にそこを訪問していたのである 101 00:09:19,690 --> 00:09:23,560 ヒルダがアンネローゼと 直接に対面するのは2度目 102 00:09:23,560 --> 00:09:27,830 およそ2年半ぶりのことである 103 00:09:27,830 --> 00:09:34,640 大公妃殿下 遠路 ご足労を おかけして恐縮でございます 104 00:09:34,640 --> 00:09:36,640 ヒルダさん 105 00:09:43,320 --> 00:09:45,320 あの時も… 106 00:09:54,060 --> 00:09:58,960 6月には国母におなりですのね ヒルダさん 107 00:10:03,040 --> 00:10:06,040 はい 順調にいきますなら 108 00:10:14,750 --> 00:10:20,890 改めて 弟のことを よろしくお願いします 109 00:10:20,890 --> 00:10:24,160 私には お願いすることしか できないのです 110 00:10:24,160 --> 00:10:29,830 その結果 弟に献身してくれた人を 不幸にしてしまいましたが 111 00:10:29,830 --> 00:10:33,630 ヒルダさんは 幸せになってくださいね 112 00:10:33,630 --> 00:10:36,140 アンネローゼ様 113 00:10:36,140 --> 00:10:40,370 それはキルヒアイス提督のこと 提督が亡くなったことは 114 00:10:40,370 --> 00:10:45,280 ずっとアンネローゼ様のお心に 重く のしかかっておいでなのだわ 115 00:10:45,280 --> 00:10:50,950 それにしても アンネローゼ様のお顔の色が… 116 00:10:50,950 --> 00:10:54,950 アンネローゼ様 カイザー・ラインハルト陛下が 117 00:11:01,390 --> 00:11:03,690 お久しぶりです 姉上 118 00:11:06,170 --> 00:11:08,170 ラインハルト 119 00:11:32,290 --> 00:11:35,230 アンネローゼ様は15歳の時に 120 00:11:35,230 --> 00:11:40,100 権力者の一方的な要求によって 連れ去られ 以後10年にわたって 121 00:11:40,100 --> 00:11:43,900 皇帝フリードリヒ4世の 寵愛を受けた 122 00:11:43,900 --> 00:11:46,740 アンネローゼ様は どのようなお気持ちで 123 00:11:46,740 --> 00:11:49,610 ご自分の境遇を 受け入れたのだろうか 124 00:11:49,610 --> 00:11:52,550 それは私には分からない 125 00:11:52,550 --> 00:11:56,020 でも 明白なことは それを拒否したら 126 00:11:56,020 --> 00:11:59,690 ミューゼル家が地上から消えて しまっていただろうことだわ 127 00:11:59,690 --> 00:12:05,130 そして アンネローゼ様は 弟を守るために お心を砕かれた 128 00:12:05,130 --> 00:12:08,700 あの方がいなければ ラインハルト・フォン・ローエングラムも 129 00:12:08,700 --> 00:12:11,900 ローエングラム王朝も 存在し得なかった 130 00:12:11,900 --> 00:12:15,640 いわば あの方は 今日の歴史状況をつくった 131 00:12:15,640 --> 00:12:18,140 母体そのものなのだわ 132 00:12:20,470 --> 00:12:24,980 陛下が前王朝の宰相として 独裁権を握ると同時に 133 00:12:24,980 --> 00:12:27,810 あの方は世を捨てられた 134 00:12:27,810 --> 00:12:31,790 ご自分は もはや必要がないと 思われたのだろうか 135 00:12:31,790 --> 00:12:33,790 それとも… 136 00:12:36,590 --> 00:12:40,390 フロイライン・マリーンドルフ 137 00:12:40,390 --> 00:12:42,830 はい 陛下 いや 138 00:12:42,830 --> 00:12:47,030 もう この呼び方はおかしいな あなたと余は結婚するのだし 139 00:12:47,030 --> 00:12:50,900 そうなれば あなたはもう 「フロイライン」ではない 140 00:12:50,900 --> 00:12:53,240 はい さようでございます 141 00:12:53,240 --> 00:12:56,510 これから あなたを 「ヒルダ」と呼ぶことにする 142 00:12:56,510 --> 00:12:59,180 だから あなたも 余を「陛下」などと呼ばず 143 00:12:59,180 --> 00:13:01,210 「ラインハルト」と呼んでほしい 144 00:13:01,210 --> 00:13:04,520 はい 陛下 ラインハルト 145 00:13:04,520 --> 00:13:08,320 はい ラインハルト… 様 146 00:13:11,730 --> 00:13:15,660 答えながらヒルダは 確信に近いものを胸に抱いていた 147 00:13:15,660 --> 00:13:20,230 「これは恐らくアンネローゼが ラインハルトに勧めたことであろう」と 148 00:13:20,230 --> 00:13:23,570 もっとも ラインハルト自身の 宣言にもかかわらず 149 00:13:23,570 --> 00:13:27,210 のちにラインハルトはヒルダを 皇妃 「カイザーリン」と呼び 150 00:13:27,210 --> 00:13:31,910 ヒルダも結局 夫を 「陛下」と呼ぶようになったが… 151 00:13:34,950 --> 00:13:37,320 こうして1月29日 152 00:13:37,320 --> 00:13:41,320 ラインハルトとヒルダの 結婚式の日が来た 153 00:13:56,170 --> 00:14:01,010 まったく せっかくのよき日だと いうのに 何という天候だ 154 00:14:01,010 --> 00:14:05,850 あれほど神に祈ったのに 祈りがいがない 155 00:14:05,850 --> 00:14:07,850 あなた ああ? 156 00:14:16,890 --> 00:14:19,790 美しい… 157 00:14:19,790 --> 00:14:21,790 素晴らしい… 158 00:15:08,010 --> 00:15:10,040 きれいだよ ヒルダ 159 00:15:10,040 --> 00:15:15,550 亡くなった母さんが見たら さぞ喜ぶだろうな 160 00:15:15,550 --> 00:15:19,250 ありがとう お父さま 161 00:15:28,700 --> 00:15:31,100 マリーンドルフ伯 これからは 162 00:15:31,100 --> 00:15:34,970 卿を「父上」と呼ぶべきだろうな 163 00:15:34,970 --> 00:15:39,510 今後とも よろしくお願いする 164 00:15:39,510 --> 00:15:43,780 私は陛下の臣でございます どうぞ これまでどおり 165 00:15:43,780 --> 00:15:47,210 「マリーンドルフ伯」と お呼びくださいますように 166 00:15:47,210 --> 00:15:50,110 そうか 167 00:15:53,320 --> 00:15:57,490 皇帝陛下の義父になるというのは どのようなご気分ですか 168 00:15:57,490 --> 00:16:00,490 いや… ハハハ… 169 00:16:40,030 --> 00:16:44,300 こ… ここに宣言する 170 00:16:44,300 --> 00:16:48,570 新帝国暦3年1月29日 171 00:16:48,570 --> 00:16:52,440 ラインハルト・フォン・ローエングラム及びヒルデガルドは 172 00:16:52,440 --> 00:16:54,410 夫婦となった 173 00:16:54,410 --> 00:16:58,650 落ち着け 宮内尚書 卿が結婚するわけでもあるまいに 174 00:16:58,650 --> 00:17:00,650 はっ!はあ 175 00:17:04,360 --> 00:17:08,190 ジーク・カイザー! ホーフ・カイザーリン! 176 00:17:08,190 --> 00:17:12,400 ジーク・カイザー ホーフ・カイザーリン 177 00:17:12,400 --> 00:17:15,370 ジーク・カイザー・ラインハルト 178 00:17:15,370 --> 00:17:19,170 ホーフ・カイザーリン・ ヒルデガルド 179 00:17:19,170 --> 00:17:23,140 ジーク・カイザー ホーフ・カイザーリン 180 00:17:23,140 --> 00:17:26,580 まことに お美しい花嫁であられるな 181 00:17:26,580 --> 00:17:28,510 やはりカイザーのおそばには 182 00:17:28,510 --> 00:17:31,250 フロイライン・マリーンドルフ こそがふさわしい 183 00:17:31,250 --> 00:17:36,420 あなた もうフロイライン・マリーンドルフでは ありませんよ 184 00:17:36,420 --> 00:17:40,230 カイザーリン・ヒルデガルド様で いらっしゃるんですよ 185 00:17:40,230 --> 00:17:42,730 そうか そうだったな 186 00:18:04,380 --> 00:18:07,190 俺の本心を言うとな ミュラー提督 187 00:18:07,190 --> 00:18:09,820 カイザーは結婚式の花婿としては 188 00:18:09,820 --> 00:18:14,060 おそれ多いことながら ただの美青年にすぎぬ 189 00:18:14,060 --> 00:18:17,630 だが 全軍の先頭に立つ 大元帥としては 190 00:18:17,630 --> 00:18:22,030 まことに神々しいほどのお方だ 卿はそう思わんか? 191 00:18:22,030 --> 00:18:26,830 私が思うに 花婿としても 十分 神々しくあらせられます 192 00:18:43,190 --> 00:18:45,920 お二人のご結婚は まことにめでたい 193 00:18:45,920 --> 00:18:47,920 だが… 194 00:18:51,800 --> 00:18:54,670 そういえば このご結婚に伴う恩赦で 195 00:18:54,670 --> 00:18:57,600 ラングめの処刑も延期になった 196 00:18:57,600 --> 00:19:00,300 あくまで延期ではあるが 197 00:19:08,050 --> 00:19:11,950 皇帝陛下 謹んで報告いたします 198 00:19:13,920 --> 00:19:16,590 軍務省よりの連絡によりますと 199 00:19:16,590 --> 00:19:20,330 旧同盟の首都たる 惑星ハイネセンにおきまして 200 00:19:20,330 --> 00:19:24,430 反国家的暴動が 生じましたよしにございます 201 00:19:30,700 --> 00:19:33,940 チッ せめて式が終わるまで 待てなかったのか 202 00:19:33,940 --> 00:19:36,440 今 お伝えすることもあるまい 203 00:19:36,440 --> 00:19:40,950 そうだ この吉日に 無粋なマネをするものではない 204 00:19:40,950 --> 00:19:45,050 さよう! そうだ まったくだ 205 00:19:47,050 --> 00:19:50,720 吉事は延期できるが 凶事は そうはいかぬ 206 00:19:50,720 --> 00:19:52,790 まして国家の安寧に関わること 207 00:19:52,790 --> 00:19:55,460 陛下のご裁断が どう下るかはともかく 208 00:19:55,460 --> 00:19:58,460 お耳に入れぬわけにはいかぬ 209 00:20:00,900 --> 00:20:05,140 マイン・カイザー そのような ささいな騒乱を鎮定するに 210 00:20:05,140 --> 00:20:08,470 わざわざ玉体を お運びになる必要はございません 211 00:20:08,470 --> 00:20:11,380 かの地には ワーレン提督もおります 212 00:20:11,380 --> 00:20:16,620 万が一にも彼の手に余る時には 小官らが出征いたしますれば 213 00:20:16,620 --> 00:20:20,620 陛下は どうぞ御心を 安んじられますよう 214 00:20:22,990 --> 00:20:25,590 ラインハルトは ヒルダの助言を求めたが 215 00:20:25,590 --> 00:20:28,130 ヒルダはあえて答えなかった 216 00:20:28,130 --> 00:20:32,000 それはヒルダが 大本営幕僚総監を辞任しており 217 00:20:32,000 --> 00:20:34,900 皇妃としての立場から 公衆の面前で 218 00:20:34,900 --> 00:20:38,770 出すぎた言動に及ぶことを 避けたからである 219 00:20:38,770 --> 00:20:42,770 よろしい さしあたっては ワーレン提督に一任しよう 220 00:20:42,770 --> 00:20:46,850 だが 卿らも出征の準備を 怠らぬようにな 221 00:20:46,850 --> 00:20:48,850 はっ! 222 00:20:57,260 --> 00:21:01,460 ジーク・カイザー ホーフ・カイザーリン 223 00:21:01,460 --> 00:21:04,430 ジーク・カイザー・ラインハルト 224 00:21:04,430 --> 00:21:08,230 ホーフ・カイザーリン・ ヒルデガルド 225 00:21:08,230 --> 00:21:12,470 ジーク・カイザー ホーフ・カイザーリン 226 00:21:12,470 --> 00:21:15,410 ジーク・カイザー・ラインハルト 227 00:21:15,410 --> 00:21:18,910 ホーフ・カイザーリン・ ヒルデガルド 228 00:21:21,650 --> 00:21:25,520 総大主教はどこにいらっしゃるか 総大主教にお目にかかりたい 229 00:21:25,520 --> 00:21:29,250 総大主教猊下は瞑想に 入っておられる 230 00:21:29,250 --> 00:21:32,790 またか 我らが面会を求めても 231 00:21:32,790 --> 00:21:37,160 そのつど ご瞑想とか ご就寝とか 理由をつけて 232 00:21:37,160 --> 00:21:39,200 拒むばかりではないか 233 00:21:39,200 --> 00:21:43,940 忠実な信徒たちの間に 不安と疑惑が広がりつつある 234 00:21:43,940 --> 00:21:47,810 地球の総本部が 帝国軍の手に破壊されてより 235 00:21:47,810 --> 00:21:53,150 総大主教猊下は信徒たちの前に お姿を見せてくださらぬ 236 00:21:53,150 --> 00:21:56,050 そうだ! なぜ お姿を… 237 00:21:56,050 --> 00:22:00,850 一度でも お姿を見せて いただければ 信徒たちも安堵する 238 00:22:00,850 --> 00:22:05,060 それを なぜ接見を拒否なさるのか かつては連日のごとく 239 00:22:05,060 --> 00:22:09,630 信徒たちに ありがたいお言葉を 賜わったではないか 240 00:22:09,630 --> 00:22:11,560 そうだ お姿を… 241 00:22:11,560 --> 00:22:15,300 昨今 総大主教猊下が 既に亡くなられたと 242 00:22:15,300 --> 00:22:18,040 奇怪な流言を飛ばす者がいるが 243 00:22:18,040 --> 00:22:23,840 そなたらも そのような流言に 踊らされているのではあるまいな 244 00:22:23,840 --> 00:22:26,750 めっそうもない ただ信徒として 245 00:22:26,750 --> 00:22:30,280 総大主教猊下のお姿を 拝したいだけのこと 246 00:22:30,280 --> 00:22:32,980 そうか それならよいが 247 00:22:36,860 --> 00:22:39,290 今 カイザー・ラインハルトは 結婚し 248 00:22:39,290 --> 00:22:44,030 皇妃となったマリーンドルフの 小娘は懐妊している 249 00:22:44,030 --> 00:22:46,930 6月に出産するのは 帝位を継承するべき 250 00:22:46,930 --> 00:22:49,500 男児であるかもしれんのだ 251 00:22:49,500 --> 00:22:53,340 宇宙の命運に関わるかもしれぬ この重要な時期に 252 00:22:53,340 --> 00:22:57,080 徒党を組んで 総大主教猊下の 御心を騒がせるとは 253 00:22:57,080 --> 00:22:59,010 何の謂あってのことか! 254 00:22:59,010 --> 00:23:03,850 重要な時期であればこそ 総大主教猊下のご尊顔を拝し 255 00:23:03,850 --> 00:23:07,450 お言葉を賜りたいと望むのは 当然ではないか 256 00:23:07,450 --> 00:23:12,890 総大主教猊下は 一部の 高位聖職者の占有物ではあるまい 257 00:23:12,890 --> 00:23:17,400 我ら信徒全てに教理と慈悲を 与えたもうお方ではないか 258 00:23:17,400 --> 00:23:22,330 大主教であれ ただの信徒であれ 信徒は全て平等であるはず 259 00:23:22,330 --> 00:23:25,440 そのとおりだ フン 260 00:23:25,440 --> 00:23:28,410 おお! 261 00:23:28,410 --> 00:23:30,740 ん? 262 00:23:30,740 --> 00:23:34,280 総大主教猊下 263 00:23:34,280 --> 00:23:37,520 ははっ 264 00:23:37,520 --> 00:23:42,720 地球を捨てし者ども ことごとく滅びるがよい 265 00:23:42,720 --> 00:23:49,420 自ら根を絶って なお生き続ける ことができると考える愚か者ども 266 00:23:52,100 --> 00:23:54,870 ド・ヴィリエは わが腹心である 267 00:23:54,870 --> 00:24:00,410 彼のやり方に従い その成功に そなたらも寄与するがよい 268 00:24:00,410 --> 00:24:05,540 それでこそ 地球の栄光を 回復する日も近まろう 269 00:24:05,540 --> 00:24:07,540 ははっ! 270 00:24:13,290 --> 00:24:17,120 バカどもめ 271 00:24:17,120 --> 00:24:20,360 新帝国暦3年1月29日 272 00:24:20,360 --> 00:24:22,930 カイザー・ラインハルト・フォン・ ローエングラムが 273 00:24:22,930 --> 00:24:26,670 ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを 皇妃として迎えたその日 274 00:24:26,670 --> 00:24:31,670 宇宙には再び陰謀と動乱の火種が くすぶり始めていた 275 00:26:06,260 --> 00:26:08,800 旧同盟領で続発する反乱は 276 00:26:08,800 --> 00:26:12,770 帝国にも イゼルローンにも 大きな決断を迫るものであった 277 00:26:12,770 --> 00:26:16,580 対応に苦慮したワーレンが 帝国本土に応援を求め 278 00:26:16,580 --> 00:26:20,210 また 反帝国勢力からの 救援要請に応えるべく 279 00:26:20,210 --> 00:26:22,280 ユリアンも出動を決める 280 00:26:22,280 --> 00:26:26,850 帝国軍とイゼルローン軍は ついに全面対決へ向かうのか 281 00:26:26,850 --> 00:26:31,690 次回「銀河英雄伝説」 第101話「動乱への誘い」 282 00:26:31,690 --> 00:26:34,190 銀河の歴史が また1ページ