1 00:01:33,000 --> 00:01:37,520 宇宙暦801年 新帝国暦3年 この年の1月に 2 00:01:37,520 --> 00:01:41,350 惑星ハイネセンにおいて発生した 暴動の直接の原因は 3 00:01:41,350 --> 00:01:43,690 慢性的な物資不足にあった 4 00:01:43,690 --> 00:01:47,860 この物資不足は 前年の ロイエンタール元帥の反乱により 5 00:01:47,860 --> 00:01:52,030 物資が軍事上に徴発されて 不足したという側面もあるが 6 00:01:52,030 --> 00:01:55,870 物資の流通システムに 何者かの妨害の手が加えられ 7 00:01:55,870 --> 00:01:59,740 実際以上の不足を 生じたためであった 8 00:01:59,740 --> 00:02:04,310 更に 何者かが軍事物資の 集積基地を爆破したことによって 9 00:02:04,310 --> 00:02:07,650 事態は一挙に深刻化した 10 00:02:07,650 --> 00:02:11,320 連鎖反応的に 各地で発生した暴動や争乱を 11 00:02:11,320 --> 00:02:15,820 ワーレンは速やかかつ 的確な指示の下に鎮圧していった 12 00:02:15,820 --> 00:02:20,990 同時に 軍事物資の一部を放出して 人心の安定を図ったが 13 00:02:20,990 --> 00:02:23,830 それでも いくつかの争乱が未解決のまま 14 00:02:23,830 --> 00:02:26,330 残り火をくすぶらせていた 15 00:02:26,330 --> 00:02:28,270 ワーレンは この時点で事情を 16 00:02:28,270 --> 00:02:31,170 新帝都フェザーンに 報告したのである 17 00:02:31,170 --> 00:02:34,070 その報を カイザー・ラインハルトが受けた直後 18 00:02:34,070 --> 00:02:37,680 フェザーンにおいても 看過できない事件が発生した 19 00:02:37,680 --> 00:02:39,610 1月30日の深夜 20 00:02:39,610 --> 00:02:43,020 フェザーン航路局に保管してあった 膨大な航路データが 21 00:02:43,020 --> 00:02:46,120 何者かの手によって 消去されてしまったのである 22 00:02:48,690 --> 00:02:51,730 ラインハルトは その知らせを 新婚旅行先の 23 00:02:51,730 --> 00:02:55,860 フェルライテン渓谷の 山荘で聞いた 24 00:02:55,860 --> 00:02:58,360 航路局は何をしていたのか! 25 00:02:58,360 --> 00:03:01,970 航路データの重要性を 理解していなかったというのか 26 00:03:01,970 --> 00:03:04,000 畏れながら 陛下 27 00:03:04,000 --> 00:03:07,770 航路局のデータが失われたことは 重大事ながら 28 00:03:07,770 --> 00:03:10,680 致命的な損失とは なりませんでした 29 00:03:10,680 --> 00:03:16,150 航路局のデータは 昨年末の時点で 軍務尚書閣下の御指示により 30 00:03:16,150 --> 00:03:18,180 軍務省の緊急用コンピューターに 31 00:03:18,180 --> 00:03:20,320 バックアップが 取ってございました 32 00:03:20,320 --> 00:03:22,360 何… だが 33 00:03:22,360 --> 00:03:26,130 軍務省の緊急用コンピューターでは 容量が足るまい 34 00:03:26,130 --> 00:03:30,330 おっしゃるとおりですが 他のデータを消去してでもと 35 00:03:30,330 --> 00:03:34,200 軍務尚書閣下の たっての御命令がございまして 36 00:03:34,200 --> 00:03:37,670 そうか オーベルシュタインが 37 00:03:37,670 --> 00:03:40,510 オーベルシュタインの功績を 大とする 38 00:03:40,510 --> 00:03:45,180 直ちに 航路局のデータを修復し 事件の全容を明らかにせよ 39 00:03:45,180 --> 00:03:47,110 はっ 40 00:03:47,110 --> 00:03:49,520 フロイライン… いや ヒルダ 41 00:03:49,520 --> 00:03:51,550 余には 支配者としての義務があって 42 00:03:51,550 --> 00:03:56,020 それを果たさねばならぬ すぐに余が進征することはないが 43 00:03:56,020 --> 00:03:59,890 身重のあなたを残して 征旅に立つ可能性は 大いにある 44 00:03:59,890 --> 00:04:03,630 許してもらえるだろうか 45 00:04:03,630 --> 00:04:05,930 どうぞ 陛下の御意に 46 00:04:09,500 --> 00:04:12,810 ラインハルトの命を受けた 憲兵総監 ケスラーは 47 00:04:12,810 --> 00:04:15,640 自ら 捜査指揮に当たった 48 00:04:15,640 --> 00:04:18,480 あるいは 旧フェザーンの残存勢力が 49 00:04:18,480 --> 00:04:22,980 意図的に物資流通を 阻害しているのではないか 50 00:04:22,980 --> 00:04:25,890 いずれにせよ 外部の者に犯行は不可能だ 51 00:04:25,890 --> 00:04:30,720 犯人は 航路局の中にいる そこで 架空の密告者がいることにして 52 00:04:30,720 --> 00:04:36,320 その うわさを航路局内に流し 犯人の動揺を誘って あぶり出す 53 00:04:47,010 --> 00:04:50,510 さあ 吐け これを一体 どこで手に入れたんだ 54 00:04:53,680 --> 00:04:56,720 犯人は 逮捕後 僅か 5時間で自白した 55 00:04:56,720 --> 00:05:00,350 その自供によって 犯行を 指そうした者の名が知れた時 56 00:05:00,350 --> 00:05:03,790 憲兵隊員たちの間に緊張が走った 57 00:05:03,790 --> 00:05:07,460 首謀者は アドリアン・ルビンスキーか 58 00:05:07,460 --> 00:05:09,400 フェザーンの黒ぎつねめ 59 00:05:09,400 --> 00:05:13,630 捕まえて 生皮 剥いで 軍靴の底に貼り付けてやるぞ 60 00:05:13,630 --> 00:05:17,470 毎日 やつの皮を踏みつけてくれる 俺の前に出てくるがいい 61 00:05:17,470 --> 00:05:20,310 そう いきりたつな 火山が噴火しても 62 00:05:20,310 --> 00:05:23,340 冬が夏に変わるわけではない 63 00:05:23,340 --> 00:05:25,980 いっそ ラング次官の罪を大赦して 64 00:05:25,980 --> 00:05:29,820 この事件の捜査と摘発に 専念させてはどうか 65 00:05:29,820 --> 00:05:32,150 ラングは ルビンスキーに 利用されたことを知って 66 00:05:32,150 --> 00:05:35,190 彼を憎んでいる 功績を立てるためにも 67 00:05:35,190 --> 00:05:38,660 私怨を晴らすためにも 熱心に働くだろう 68 00:05:38,660 --> 00:05:40,690 いや それは筋が違う 69 00:05:40,690 --> 00:05:45,330 一方の罪を明らかにするために 他方の罪を免じるというのでは 70 00:05:45,330 --> 00:05:49,200 そもそも 法の公正が保てないでないか 71 00:05:49,200 --> 00:05:52,670 これは… 憲兵総監がおっしゃるとおり 72 00:05:52,670 --> 00:05:57,540 小官の軽率でした いや 提督に御安心いただけるよう 73 00:05:57,540 --> 00:06:00,950 憲兵隊が 捜査に全力を傾けましょう 74 00:06:00,950 --> 00:06:04,620 ところで 小官が近頃 疑問に思っているのは 75 00:06:04,620 --> 00:06:07,290 ルビンスキーと地球教が あるいは 76 00:06:07,290 --> 00:06:10,960 水面下で つながっているのでは ないかということだ 77 00:06:10,960 --> 00:06:12,990 やつらは協力して 新王朝に 78 00:06:12,990 --> 00:06:16,630 対抗しようとしているのでは ないだろうか 79 00:06:16,630 --> 00:06:19,470 帝国において 最初に そう疑問を抱いたのは 80 00:06:19,470 --> 00:06:21,400 実は オーベルシュタインであった 81 00:06:21,400 --> 00:06:24,640 だが オーベルシュタインは 徹底した秘密主義により 82 00:06:24,640 --> 00:06:27,140 その疑問を他者に語らなかった 83 00:06:27,140 --> 00:06:31,480 その姿勢が同時期のみならず 後世からも非難の対象となるが 84 00:06:31,480 --> 00:06:35,350 ラングなどとは異なり 彼が 一部の情報を独占していたのは 85 00:06:35,350 --> 00:06:38,150 私利私欲を 満たすためではなかった 86 00:06:38,150 --> 00:06:41,050 彼は 他人を信用していなかった ようではあるが 87 00:06:41,050 --> 00:06:44,490 自分自身を それほど評価している わけでもなかったらしい 88 00:06:44,490 --> 00:06:47,530 いずれにしても 彼は 死に至るまで寡黙で 89 00:06:47,530 --> 00:06:52,170 非協調的であり 自分自身について 語ることがなかった 90 00:06:52,170 --> 00:06:56,840 それは それとして この機に イゼルローン要塞を討つべきだろう 91 00:06:56,840 --> 00:07:01,810 あれこそ 新帝国の統一と平和を 阻害する最大の要因ではないか 92 00:07:01,810 --> 00:07:04,110 ルビンスキーなどが しゅん動するのも 93 00:07:04,110 --> 00:07:08,280 詰まるところ イゼルローンの 武力を頼りにしているからだ 94 00:07:08,280 --> 00:07:10,220 ルビンスキーのことは ともかく 95 00:07:10,220 --> 00:07:13,450 今回の暴動には 確かに イゼルローンの存在が 96 00:07:13,450 --> 00:07:16,490 大きく関わっていることは 間違いないでしょう 97 00:07:16,490 --> 00:07:18,620 ひまわりは 常に太陽を仰ぐ 98 00:07:18,620 --> 00:07:21,130 この場合 共和主義者どもが ひまわりで 99 00:07:21,130 --> 00:07:24,800 イゼルローンが 太陽ということになるな 100 00:07:24,800 --> 00:07:28,630 イゼルローンに対して 陛下の御意は いずれにあるか? 101 00:07:28,630 --> 00:07:31,930 徹底的な掃討か それとも共存か 102 00:07:33,970 --> 00:07:36,480 陛下のお考えは 分からぬ 103 00:07:36,480 --> 00:07:38,410 だが 陛下にはイゼルローンに 104 00:07:38,410 --> 00:07:40,650 特別の思いを 抱いておいでのようで 105 00:07:40,650 --> 00:07:45,490 単純に政治的 軍事的な執権のみで 判断するわけにもいかん 106 00:07:45,490 --> 00:07:47,820 既に カイザーは イゼルローン回廊を 107 00:07:47,820 --> 00:07:51,690 必要としない政治的体制を 完成させておられます 108 00:07:51,690 --> 00:07:54,990 イゼルローンのみに関して言えば その出入り口を封鎖し 109 00:07:54,990 --> 00:07:57,500 放置しておいても 問題はないのですが 110 00:07:57,500 --> 00:08:00,770 それは 分かっているが 暴動を放置しておいては 111 00:08:00,770 --> 00:08:03,440 新しい秩序が軽んじられるだけだ 112 00:08:03,440 --> 00:08:06,470 やはり 一度 けじめをつけておくべきだろう 113 00:08:06,470 --> 00:08:09,610 だが 武力は万能ではない 114 00:08:09,610 --> 00:08:12,110 ブラッケ民政尚書に 指摘されたことだが 115 00:08:12,110 --> 00:08:15,010 領土が拡大されたといっても その新領土で 116 00:08:15,010 --> 00:08:19,620 反乱や紛争が絶えぬというのでは 拡大も空洞化というものだ 117 00:08:19,620 --> 00:08:21,550 ハァー 118 00:08:21,550 --> 00:08:24,490 民政尚書の意見も 一理ある 119 00:08:24,490 --> 00:08:28,330 それに 出兵となれば 陛下も進征あそばすかもしれぬが 120 00:08:28,330 --> 00:08:31,230 そうなっては 玉体に障るかもしれぬ 121 00:08:31,230 --> 00:08:34,130 そう それが心配だ 122 00:08:34,130 --> 00:08:37,470 陛下の御健康には 一段と留意が必要だろう 123 00:08:37,470 --> 00:08:41,310 こうして イゼルローン軍 討伐の 必要性が論じられつつ 124 00:08:41,310 --> 00:08:43,340 カイザー・ラインハルトの健康や 125 00:08:43,340 --> 00:08:47,650 相次ぐ出征による軍の疲弊から 決定は 先送りにされ 126 00:08:47,650 --> 00:08:50,150 カイザー自身が 政務に復帰するまで 127 00:08:50,150 --> 00:08:52,950 原状の推移を見守ることとなった 128 00:08:55,960 --> 00:08:58,320 一方 当のイゼルローン要塞でも 129 00:08:58,320 --> 00:09:02,100 各地の暴動に対する 対応を迫られている 130 00:09:02,100 --> 00:09:04,130 惑星ハイネセンの動乱が 131 00:09:04,130 --> 00:09:07,600 民主共和政治の復活を 求めるものであるとすれば 132 00:09:07,600 --> 00:09:11,270 イゼルローン共和政府としては 無視するわけにはいかない 133 00:09:11,270 --> 00:09:14,170 手をこまねいて 彼らを見殺しにすれば 134 00:09:14,170 --> 00:09:17,610 旧同盟の市民たちは イゼルローン共和政府に対する 135 00:09:17,610 --> 00:09:22,950 失望を避けえないだろう だが 戦うとして 勝算はあるのか 136 00:09:22,950 --> 00:09:26,620 イゼルローンの軍事力をもって 強大な帝国軍に対し 137 00:09:26,620 --> 00:09:29,520 勝利を収めることは 可能なのだろうか 138 00:09:29,520 --> 00:09:32,020 ヤン提督なら どうなさっただろう 139 00:09:35,290 --> 00:09:38,970 ローエングラム王朝の軍隊が 強力である理由の一つは 140 00:09:38,970 --> 00:09:43,840 カイザー個人の敵と 国家の敵と 民衆の敵との別個のものではなく 141 00:09:43,840 --> 00:09:45,840 同一のものであったこと 142 00:09:45,840 --> 00:09:49,480 少なくとも 兵士たちに そう信じられていることによる 143 00:09:49,480 --> 00:09:51,410 ラインハルト・フォン・ ローエングラムは 144 00:09:51,410 --> 00:09:54,350 少なくとも 彼らにとって解放者なのだ 145 00:09:54,350 --> 00:09:56,350 従って 帝国軍とは 146 00:09:56,350 --> 00:10:01,650 ラインハルト・フォン・ローエングラム個人の 私兵集団と称しても過言ではない 147 00:10:01,650 --> 00:10:06,150 彼らは 国家といえど カイザー個人に 忠誠を尽くしているのだろう 148 00:10:10,000 --> 00:10:13,030 ラインハルト・フォン・ローエングラムが 解放者であるというのは 149 00:10:13,030 --> 00:10:15,500 錯覚のように思えて そうではない 150 00:10:15,500 --> 00:10:18,000 ゴールデンバウム王朝との 対比において 151 00:10:18,000 --> 00:10:21,840 それは 紛れもない事実なのだ 152 00:10:21,840 --> 00:10:26,510 仮に 帝国で最高指導者を選ぶ 投票が行われたとしたら 153 00:10:26,510 --> 00:10:31,350 間違いなく 彼… ラインハルト・フォン・ ローエングラムが選ばれるだろう 154 00:10:31,350 --> 00:10:35,020 その意味では カイザー・ラインハルトは 専制君主であり 155 00:10:35,020 --> 00:10:37,690 好戦的な 支配者であるにもかかわらず 156 00:10:37,690 --> 00:10:42,290 民衆の支持という点においては 極めて民主的な存在と言える 157 00:10:45,360 --> 00:10:49,040 よし 今日は ここまでだ 各自解散 158 00:10:49,040 --> 00:10:51,040 ありがとうございました 159 00:10:52,910 --> 00:10:54,910 よう あっ? 160 00:10:54,910 --> 00:10:58,040 フフフ… 何をうれしそうにしているんです 161 00:10:58,040 --> 00:11:00,480 気色の悪い 162 00:11:00,480 --> 00:11:03,820 お前さん 今年ついに 30歳になるんだろ 163 00:11:03,820 --> 00:11:06,650 いよいよ お仲間だな 誕生日が来るまで 164 00:11:06,650 --> 00:11:09,990 俺は まだ 20代の若者ですからね 165 00:11:09,990 --> 00:11:13,660 いつが誕生日だ 15月36日 166 00:11:13,660 --> 00:11:16,330 せこいうそ つくな 悪あがきしやがって! 167 00:11:16,330 --> 00:11:19,170 フフフ… 168 00:11:19,170 --> 00:11:21,830 あっ!失礼しました 169 00:11:21,830 --> 00:11:24,170 ウフフ… 170 00:11:24,170 --> 00:11:27,010 あの子も だいぶ明るくなったな ウフフ… 171 00:11:27,010 --> 00:11:31,340 まっ いろいろとね そういえば ユリアンはどうした 172 00:11:31,340 --> 00:11:36,220 さあ 逃げてるんじゃないですか 朱に交わって赤くなるのが嫌で 173 00:11:36,220 --> 00:11:39,720 フン!朱が自分で言うんだから 確かだろうな 174 00:11:41,850 --> 00:11:45,690 私たち これから男の子のグループと 落ち合って踊りに行くの 175 00:11:45,690 --> 00:11:49,030 男の子って言ったって みんな若手の下士官よ 176 00:11:49,030 --> 00:11:51,700 カリン あんたも一緒に来ない? 177 00:11:51,700 --> 00:11:55,370 あんたに目を付けている男どもが 大勢いるわよ 178 00:11:55,370 --> 00:11:57,400 どんなタイプでも より取り見取りなんだけど 179 00:11:57,400 --> 00:12:00,240 別に… 駄目 駄目 誘っても無駄よ 180 00:12:00,240 --> 00:12:02,170 カリンの好みは 亜麻色の髪で 181 00:12:02,170 --> 00:12:04,810 深刻ぶるのが 絵になるタイプなんだから 182 00:12:04,810 --> 00:12:06,850 ああ そうだったわね 余計なこと言っちゃった 183 00:12:06,850 --> 00:12:10,320 ウフフ… そんなんじゃないわよ 184 00:12:10,320 --> 00:12:13,320 もう! ハハハ… 185 00:12:20,660 --> 00:12:23,000 座ってもいい? 186 00:12:23,000 --> 00:12:26,500 あっ 187 00:12:26,500 --> 00:12:29,540 どうぞ 188 00:12:29,540 --> 00:12:33,370 また 何か深刻に考え込んでいるの 189 00:12:33,370 --> 00:12:37,370 責任が大きいからね なかなか 考えがまとまらなくて 190 00:12:39,510 --> 00:12:42,850 ユリアン あんたを司令官として認めた時に 191 00:12:42,850 --> 00:12:44,780 みんな決断しているのよ 192 00:12:44,780 --> 00:12:48,520 あんたの判断と決定に 全面的に従うって 193 00:12:48,520 --> 00:12:52,020 それが嫌な連中は 出ていってしまったじゃないの 194 00:12:52,020 --> 00:12:54,930 今 遠慮なしに あんたが決断することこそ 195 00:12:54,930 --> 00:12:57,530 期待に応える 唯一の道じゃないかしら 196 00:12:59,700 --> 00:13:02,300 義務じゃなくて権利か 197 00:13:02,300 --> 00:13:05,640 何… いや ありがとう 198 00:13:05,640 --> 00:13:07,570 恐らく無自覚に カリンは 199 00:13:07,570 --> 00:13:10,310 しばしば ユリアンの発想を 転換させてくれる 200 00:13:10,310 --> 00:13:14,180 それは 責任を取ることと その重圧に押し潰されること 201 00:13:14,180 --> 00:13:17,980 その間で均衡を取っているような ユリアンの心のてんびんに 202 00:13:17,980 --> 00:13:23,320 責任を果たす方向へ 僅かな加重を 与えてくれるのだった 203 00:13:23,320 --> 00:13:25,260 銀河帝国上層部で 204 00:13:25,260 --> 00:13:28,830 対イゼルローン主戦論が 台頭するのに 呼応するように 205 00:13:28,830 --> 00:13:33,500 イゼルローンでも 対帝国決戦の 機運が上昇しつつある 206 00:13:33,500 --> 00:13:37,370 確かに 帝国軍と我々では 兵力に差があり過ぎる 207 00:13:37,370 --> 00:13:41,670 だが 旧同盟領は 潜在的に 反帝国勢力だ 208 00:13:41,670 --> 00:13:43,710 これを味方にできれば その兵力差は 209 00:13:43,710 --> 00:13:46,180 大幅に狭まると言えるだろう 210 00:13:46,180 --> 00:13:50,520 今回の各地の動乱が その きっかけになると 211 00:13:50,520 --> 00:13:56,020 旧同盟領で続発する流通の混乱は ひいては 経済の混乱をもたらし 212 00:13:56,020 --> 00:14:01,290 それが新帝国にとっての ありの 一穴に なりうるのではないか 213 00:14:01,290 --> 00:14:04,630 ですが 少なくとも カイザー・ラインハルトは 214 00:14:04,630 --> 00:14:09,140 ゴールデンバウム王朝の時代より 善政を 敷いているじゃありませんか 215 00:14:09,140 --> 00:14:13,810 善政の基本というやつは 人民を 飢えさせないことだぞ ユリアン 216 00:14:13,810 --> 00:14:16,640 餓死してしまえば 多少の政治的な自由など 217 00:14:16,640 --> 00:14:18,580 何の意味もないからな 218 00:14:18,580 --> 00:14:22,520 帝国の経済官僚たちは さぞ 青くなっているだろうよ 219 00:14:22,520 --> 00:14:25,820 もし これが 帝国本土まで波及したらと 220 00:14:25,820 --> 00:14:29,990 確かに だとしたら これは偶発ではなく 221 00:14:29,990 --> 00:14:35,330 遠大な謀略なのでしょうか? 例えば 旧フェザーン勢力とかの 222 00:14:35,330 --> 00:14:37,830 十分 ありうるな 223 00:14:37,830 --> 00:14:41,170 しかし フェザーンの陰謀だとするなら 224 00:14:41,170 --> 00:14:44,070 なぜ この時期を選んで この挙に出たのでしょうか 225 00:14:44,070 --> 00:14:47,340 と言うと? もともと フェザーンには 226 00:14:47,340 --> 00:14:50,180 帝国と きっ抗する武力はありません 227 00:14:50,180 --> 00:14:55,510 ですから 経済の分野でゲリラ戦を 仕掛けるのは当然の術策でしょう 228 00:14:55,510 --> 00:14:59,850 ならば なぜ カイザーとなる前の ラインハルト・フォン・ローエングラムが 229 00:14:59,850 --> 00:15:02,290 ラグナロック作戦を発動した時 230 00:15:02,290 --> 00:15:06,130 それに対する対抗処置を 取らなかったのでしょうか 231 00:15:06,130 --> 00:15:09,800 帝国軍の後方で 物資流通に混乱を起こせば 232 00:15:09,800 --> 00:15:12,300 いかに 帝国軍が 盛況を誇っていても 233 00:15:12,300 --> 00:15:14,630 長期間にわたる遠征は 不可能になり 234 00:15:14,630 --> 00:15:19,810 そうなれば フェザーンの自立は 確保されていたでしょうに 235 00:15:19,810 --> 00:15:21,740 やはり フェザーンにとって 236 00:15:21,740 --> 00:15:24,980 フェザーン自体は 重要ではなかったのだろう 237 00:15:24,980 --> 00:15:28,810 全ては 地球教の利益が 第一ということでさ 238 00:15:28,810 --> 00:15:32,990 だとしたら 今回の争乱の陰にも 地球教の意図が 239 00:15:32,990 --> 00:15:35,650 働いているということに なりはしませんか? 240 00:15:35,650 --> 00:15:38,490 それに乗じるということは 結果的に 241 00:15:38,490 --> 00:15:41,390 地球教の陰謀に手を貸すことに なるのではありませんか? 242 00:15:41,390 --> 00:15:44,360 うん うん… 243 00:15:44,360 --> 00:15:47,170 ヤン提督は いつも おっしゃっていた 244 00:15:47,170 --> 00:15:50,000 「陰謀だけで 歴史が動くことは ありえない」 245 00:15:50,000 --> 00:15:53,040 「いつだって 陰謀は たくらまれているだろうが 246 00:15:53,040 --> 00:15:57,180 それが いつも 成功するとはかぎらない」と 247 00:15:57,180 --> 00:15:59,210 共和政府の黒幕としては 248 00:15:59,210 --> 00:16:03,450 若すぎる指導者に 何か助言をして しかるべきじゃありませんか 249 00:16:03,450 --> 00:16:05,480 アッテンボロー提督 250 00:16:05,480 --> 00:16:09,790 しかし ハイネセンの連中も 迷惑なことをしてくれる 251 00:16:09,790 --> 00:16:12,120 この時機に無理に 出撃するようなことになって 252 00:16:12,120 --> 00:16:18,300 負けでもしたら 民主共和主義 それ自体が致命傷を負いかねん 253 00:16:18,300 --> 00:16:20,970 おやおや ケンカが女より好きな 254 00:16:20,970 --> 00:16:23,870 アッテンボロー提督のお言葉とも 思えませんね 255 00:16:23,870 --> 00:16:26,310 負けるケンカは嫌いだ 256 00:16:26,310 --> 00:16:28,640 お前さんだって 負け戦は嫌いだろう 257 00:16:28,640 --> 00:16:31,480 香水の匂いのする戦いでは特に 258 00:16:31,480 --> 00:16:34,310 さあね 何しろ 負けたことがないから 259 00:16:34,310 --> 00:16:36,820 このごろ ほらの質が 落ちたじゃないか 中佐殿 260 00:16:36,820 --> 00:16:40,490 うん… おや 信用していただけないので? 261 00:16:40,490 --> 00:16:42,420 お前さん 何しろ 熱もないのに 262 00:16:42,420 --> 00:16:45,360 うわごとを言う特技がある お方だからな 263 00:16:45,360 --> 00:16:47,990 お褒めにあずかって 恐縮です 264 00:16:47,990 --> 00:16:50,830 誰も… 265 00:16:50,830 --> 00:16:53,670 いや 実に羨望の至りだよ 266 00:16:53,670 --> 00:16:56,340 俺なんぞ どんなに高熱に うなされても 267 00:16:56,340 --> 00:17:00,940 思考が良識と羞恥心の台座から 離れないものな 268 00:17:00,940 --> 00:17:03,440 それは 年の功ですな 269 00:17:03,440 --> 00:17:05,950 お前な! 270 00:17:05,950 --> 00:17:08,280 全く ムライ中将がいないと… 271 00:17:08,280 --> 00:17:10,320 とにかく 旧同盟領から 272 00:17:10,320 --> 00:17:14,950 既に 10本以上も イゼルローンに 救援要請の連絡が入っている 273 00:17:14,950 --> 00:17:18,460 半分は 悲鳴だ 自分たちを見捨てないでくれと 274 00:17:18,460 --> 00:17:22,290 要するに そういうことだな 275 00:17:22,290 --> 00:17:28,100 やたらと頼られても困るんだよな こちらにも 戦略的な条件とか 276 00:17:28,100 --> 00:17:31,000 優先順位とかいうものが あるんだからな 277 00:17:31,000 --> 00:17:34,470 ところが 今回 100の戦略的理論より 278 00:17:34,470 --> 00:17:37,810 1杯の水が必要なようでね 279 00:17:37,810 --> 00:17:40,850 旧同盟領の 共和主義者の中の一部に 280 00:17:40,850 --> 00:17:44,150 イゼルローンに対する 不信感が広がっているようで 281 00:17:44,150 --> 00:17:46,650 その くすぶりを消火するために掛ける 282 00:17:46,650 --> 00:17:48,990 バケツの水がね 不信感? 283 00:17:48,990 --> 00:17:52,320 昨年のロイエンタール元帥 反逆事件の際に 284 00:17:52,320 --> 00:17:57,000 我々が帝国軍メックリンガー艦隊の 回廊通過を許したことが 285 00:17:57,000 --> 00:18:00,870 疑惑の種になっているようだ つまり イゼルローンは 286 00:18:00,870 --> 00:18:04,740 イゼルローンのみの安泰と存続を 目指しているのではないか 287 00:18:04,740 --> 00:18:10,110 不干渉だの共存だのを口実として 旧同盟領における反帝国運動を 288 00:18:10,110 --> 00:18:13,450 見殺しに するつもりではないかとね 289 00:18:13,450 --> 00:18:16,350 たとえ そうだとしても 恨まれる筋はないね 290 00:18:16,350 --> 00:18:20,120 そういうわけにもいかんだろ なあ ユリアン 291 00:18:20,120 --> 00:18:22,620 あ… ユリアンは 292 00:18:22,620 --> 00:18:26,790 自分の線の細さを自覚しつつ 考え込まざるをえなかった 293 00:18:26,790 --> 00:18:30,660 政治的目的を達成するために 軍事力が存在するとしたら 294 00:18:30,660 --> 00:18:33,300 それを使用する時機は 今なのだろうか 295 00:18:33,300 --> 00:18:36,800 旧同盟領の民主共和主義者たちの 信頼をつなぎ留め 296 00:18:36,800 --> 00:18:39,840 彼らを鼓舞するためにも あえて 帝国軍に対する 297 00:18:39,840 --> 00:18:43,140 戦術的勝利を 獲得するべきなのだろうか 298 00:18:43,140 --> 00:18:45,080 もし ここで戦闘を回避すれば 299 00:18:45,080 --> 00:18:48,950 イゼルローンは生き残っても 民主共和主義は死滅してしまう 300 00:18:48,950 --> 00:18:51,480 という結果を 生じてしまうのだろうか 301 00:18:51,480 --> 00:18:54,820 だが 一たび 帝国軍と戦端を開いた後に 302 00:18:54,820 --> 00:18:58,690 理性的な交渉を行う機会が 与えられるだろうか 303 00:18:58,690 --> 00:19:01,930 沈思の末に ユリアンは ついに決断した 304 00:19:01,930 --> 00:19:04,960 イゼルローン軍は 民主共和政治を守護するために 305 00:19:04,960 --> 00:19:10,600 戦う軍隊であることを どこかで 表明しておくべきであった 306 00:19:10,600 --> 00:19:13,400 一戦 交えましょう 帝国軍と 307 00:19:15,440 --> 00:19:17,780 そうか それもいいさ 308 00:19:17,780 --> 00:19:21,110 俺たちは変化を待っていた 今 変化が起こった 309 00:19:21,110 --> 00:19:24,910 これに乗じて 変化の幅を 大きくするのも立派な戦略だ 310 00:19:26,920 --> 00:19:28,850 時 来るというわけだ 311 00:19:28,850 --> 00:19:32,830 果物にも 戦いにも そして女にも 熟れごろがあるものさ 312 00:19:32,830 --> 00:19:37,300 フフフッ 僕は カイザー・ラインハルトという人の 313 00:19:37,300 --> 00:19:39,970 人となりについて 随分 考えてみました 314 00:19:39,970 --> 00:19:42,630 そして 考えついたことがあります 315 00:19:42,630 --> 00:19:44,670 戦いをたしなむか 316 00:19:44,670 --> 00:19:48,140 その点です これは 僕が考えているだけで 317 00:19:48,140 --> 00:19:51,480 必ずしも 唯一の正解とは 言えないかもしれません 318 00:19:51,480 --> 00:19:56,780 ですが こう考えたからこそ 僕は 帝国との戦いを決意したんです 319 00:19:58,820 --> 00:20:02,320 具体的には どういうことかな 司令官 320 00:20:02,320 --> 00:20:05,220 戦いによって もたらされる犠牲を承知して 321 00:20:05,220 --> 00:20:07,490 なお 目的を達しようとするか 322 00:20:07,490 --> 00:20:12,360 その手前で諦め 現実と妥協し 更には 現実に膝を屈し 323 00:20:12,360 --> 00:20:14,370 自力で 状況を改善する努力を怠るか 324 00:20:14,370 --> 00:20:18,140 どちらが 人として認められる生き方か 325 00:20:18,140 --> 00:20:21,340 その辺りに カイザー・ラインハルトの価値基準 326 00:20:21,340 --> 00:20:25,010 少なくとも その1つが 存在するのではないでしょうか 327 00:20:25,010 --> 00:20:27,350 貴重なものなら命懸けで守れ 328 00:20:27,350 --> 00:20:30,180 あるいは奪ってみろ そういうことか 329 00:20:30,180 --> 00:20:33,020 そうです 結局のところ それが 330 00:20:33,020 --> 00:20:36,360 人類社会に流血を絶やさない 要因なのかもしれません 331 00:20:36,360 --> 00:20:39,690 ですが カイザー・ラインハルトの人生は まさに 332 00:20:39,690 --> 00:20:42,030 その実践だったのではないか と思います 333 00:20:42,030 --> 00:20:45,900 そうかもしれんな その カイザー・ラインハルトが 334 00:20:45,900 --> 00:20:49,200 民主共和制に対して 敬意を表するとすれば 335 00:20:49,200 --> 00:20:51,870 それは ヤン提督が 身命を犠牲にしても 336 00:20:51,870 --> 00:20:54,770 守り抜こうとした 対象だからではないでしょうか 337 00:20:54,770 --> 00:21:00,050 だとすれば 僕たちがそれを怠れば 結局は カイザーの軽侮を買い 338 00:21:00,050 --> 00:21:04,820 平等に交渉する機会は 永遠に 失われるのではないでしょうか 339 00:21:04,820 --> 00:21:07,850 戦うことには 皆 異存がないと思う 340 00:21:07,850 --> 00:21:11,320 そこで 問題は どうやって戦うかだが 341 00:21:11,320 --> 00:21:14,230 1つ あるにはあるのです 342 00:21:14,230 --> 00:21:18,660 ワーレン艦隊をイゼルローン回廊へ 引きずり込む方法が 343 00:21:18,660 --> 00:21:22,330 よし 司令官閣下の作戦案を拝聴しよう 344 00:21:22,330 --> 00:21:25,000 イゼルローン要塞に 不穏の動きあり 345 00:21:25,000 --> 00:21:28,840 その報が もたらされた時 惑星ハイネセンに駐留する 346 00:21:28,840 --> 00:21:33,010 アウグスト・ザムエル・ワーレン上級大将に 驚きはなかった 347 00:21:33,010 --> 00:21:35,350 イゼルローンの存在自体が もともと 348 00:21:35,350 --> 00:21:39,220 不穏と危険の集まりなのだから それは 当然と言えた 349 00:21:39,220 --> 00:21:42,120 だが 驚がくはなくとも 不快は存在する 350 00:21:42,120 --> 00:21:45,360 ただでさえ 各地の暴動や争乱鎮圧のために 351 00:21:45,360 --> 00:21:47,690 奔走させられている中である 352 00:21:47,690 --> 00:21:50,030 イゼルローン軍が動くとなれば 353 00:21:50,030 --> 00:21:52,700 我々の軍事力だけでは 対処はできん 354 00:21:52,700 --> 00:21:55,600 本国の増援を 求めねばならんだろう 355 00:21:55,600 --> 00:21:58,370 それに 各地の暴動を鎮静化するには 356 00:21:58,370 --> 00:22:01,270 物資の不足を 何とかせねばなるまい 357 00:22:01,270 --> 00:22:05,810 これは 単に軍事力だけで 解決できるものではない 358 00:22:05,810 --> 00:22:08,710 本国の政治的な対応を 求めるしかなかろう 359 00:22:08,710 --> 00:22:12,480 ワーレンは それらを帝国本国に 具申するとともに 360 00:22:12,480 --> 00:22:15,390 自らは 旗下の艦隊を率いて出撃し 361 00:22:15,390 --> 00:22:18,290 惑星ハイネセンと イゼルローン要塞を結ぶ航路の 362 00:22:18,290 --> 00:22:21,190 中間ポイントに艦隊を布陣した 363 00:22:21,190 --> 00:22:24,500 ここで 旧同盟領における 暴動をけん制しつつ 364 00:22:24,500 --> 00:22:29,500 イゼルローンに対する監視と即応能力を 強化する態勢を整えたのである 365 00:22:34,010 --> 00:22:37,840 早く終わらせて 本国に帰りたいものだ 366 00:22:37,840 --> 00:22:40,350 元気でいるだろうか 367 00:22:40,350 --> 00:22:43,680 一方 ワーレンからの具申を受けた カイザー・ラインハルトは 368 00:22:43,680 --> 00:22:48,350 シャーテンブルク周辺宙域に 大軍を集結させつつあった 369 00:22:48,350 --> 00:22:51,390 イゼルローンが動くか 370 00:22:51,390 --> 00:22:56,860 見せてもらおう ヤン・ウェンリーの後継者の手並みを 371 00:22:56,860 --> 00:22:59,770 そして そのイゼルローン軍が ついに動く 372 00:22:59,770 --> 00:23:03,970 出撃したのは ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ上級大将が 373 00:23:03,970 --> 00:23:08,640 指揮する艦隊である 巨象が薄氷を踏むようなものだ 374 00:23:08,640 --> 00:23:11,980 今回の作戦がでありますか? それもある 375 00:23:11,980 --> 00:23:17,320 だが イゼルローン共和政府の 存在そのものがだ 376 00:23:17,320 --> 00:23:20,150 自分たち自身を守るだけでなく 377 00:23:20,150 --> 00:23:23,990 民主共和制という 傷つきやすく繊細な花の芽を 378 00:23:23,990 --> 00:23:26,330 守っていかねば ならないのだからな 379 00:23:26,330 --> 00:23:29,660 はい これで よかったのだろうか 380 00:23:29,660 --> 00:23:32,560 ヤン提督ならばともかく この僕が 381 00:23:32,560 --> 00:23:35,470 カイザー・ラインハルトと 戦うなんて 382 00:23:35,470 --> 00:23:38,340 あの カイザー・ラインハルトと… 383 00:23:38,340 --> 00:23:42,510 ヤン・ウェンリーは かつて 「カイザー・ラインハルトが当事者になると 384 00:23:42,510 --> 00:23:47,850 悲惨であるはずの流血沙汰でさえ 華麗な光を放って見える」と評した 385 00:23:47,850 --> 00:23:51,520 また こうも言っている 「カイザー・ラインハルトの華麗さは 386 00:23:51,520 --> 00:23:57,020 炎の美しさであり 他者を燃やし 自らをも焼く危険なものだ」と 387 00:23:57,020 --> 00:24:01,290 「だが これほど さん然たる炎も 歴史上に まれであろう」と 388 00:24:01,290 --> 00:24:03,290 ヤン提督 389 00:24:09,470 --> 00:24:11,570 我々も出動します 390 00:24:19,180 --> 00:24:23,320 宇宙暦801年 新帝国暦3年 2月7日 391 00:24:23,320 --> 00:24:25,650 イゼルローン軍が出撃した 392 00:24:25,650 --> 00:24:29,150 ヤン・ウェンリー亡き後 ユリアン・ミンツの指揮の下 393 00:24:29,150 --> 00:24:31,650 初めて迎える戦いである 394 00:26:06,790 --> 00:26:10,960 ヤン亡き後 初めて 軍事行動を 起こしたイゼルローン軍であったが 395 00:26:10,960 --> 00:26:13,630 その動きは 帝国軍の意表を突いた 396 00:26:13,630 --> 00:26:16,960 旧帝国本土方面へ 進攻を図ったのである 397 00:26:16,960 --> 00:26:19,630 軍司令官としての 初陣に臨む ユリアンは 398 00:26:19,630 --> 00:26:22,530 果たして 魔術師の後継者たりえるのか 399 00:26:22,530 --> 00:26:26,330 全銀河の耳目を集める戦いが ついに始まった 400 00:26:28,810 --> 00:26:32,480 第102話… 401 00:26:32,480 --> 00:26:35,480 銀河の歴史が また1ページ