1 00:01:32,400 --> 00:01:35,370 惑星ハイネセンにおいて オーベルシュタイン元帥と 2 00:01:35,370 --> 00:01:39,540 3名の上級大将の間に 深刻な対立が生じたことを 3 00:01:39,540 --> 00:01:41,470 カイザー・ラインハルトが 知らされたのは 4 00:01:41,470 --> 00:01:43,470 4月4日のことである 5 00:01:46,140 --> 00:01:48,750 フロイライン… ではない 6 00:01:48,750 --> 00:01:51,350 カイザーリンは この件に関して どう思うか 7 00:01:51,350 --> 00:01:56,550 まず陛下のお考えを 承りとうございますわ 8 00:01:56,550 --> 00:01:59,420 オーベルシュタインに 権限を与えたのは余だ 9 00:01:59,420 --> 00:02:01,960 余も責任を 免れるわけにはいくまい 10 00:02:01,960 --> 00:02:05,860 だが まさか あのような手段に出るとはな 11 00:02:05,860 --> 00:02:07,860 私的な感情を満たすために 12 00:02:07,860 --> 00:02:11,570 数百万の将兵の血を 流すのかと問われれば 13 00:02:11,570 --> 00:02:15,200 さすがにカイザー・ラインハルトも 鼻白まざるを得ない 14 00:02:15,200 --> 00:02:18,740 そうした命題をこのような形で 突きつけてくるとは 15 00:02:18,740 --> 00:02:22,510 誠にオーベルシュタインは 凡庸ならざる人物であると 16 00:02:22,510 --> 00:02:26,380 ラインハルトもヒルダも 再認識させられる思いであった 17 00:02:26,380 --> 00:02:28,680 「私的な感情」か 18 00:02:30,690 --> 00:02:33,960 オーベルシュタインとビッテンフェルトの そりが合わぬことなど 19 00:02:33,960 --> 00:02:36,730 考えるまでもなく 余も承知している 20 00:02:36,730 --> 00:02:38,660 しかし 事が国事であれば 21 00:02:38,660 --> 00:02:42,530 私的感情など排されて しかるべきものと思っていた 22 00:02:42,530 --> 00:02:45,740 だが 余は誤ったようだ オーベルシュタインは 23 00:02:45,740 --> 00:02:49,710 いつ いかなる状況においても 公人としての責務を優先させる 24 00:02:49,710 --> 00:02:54,410 そのあらわれ方こそが 他者に 憎悪されるものであったのにな 25 00:02:54,410 --> 00:02:56,980 「オーベルシュタイン元帥は 劇薬であって」 26 00:02:56,980 --> 00:02:59,950 「患部は治癒するかわりに 副作用が大きい」 27 00:02:59,950 --> 00:03:02,790 そう評したのは ミッターマイヤー元帥であったか 28 00:03:02,790 --> 00:03:05,460 ロイエンタール元帥であったか 29 00:03:05,460 --> 00:03:09,860 ある集団の中に 異種の思考法を 持つ者の存在は不可欠で 30 00:03:09,860 --> 00:03:11,860 帝国軍にあっては その役割は 31 00:03:11,860 --> 00:03:14,700 オーベルシュタイン元帥が 負うところでしょう 32 00:03:14,700 --> 00:03:17,330 でも例えば ヤン・ウェンリーのような人物が 33 00:03:17,330 --> 00:03:19,840 その役割を 果たしてくれていたら… 34 00:03:19,840 --> 00:03:23,170 軍務尚書をフェザーンに 召喚なさいますか 陛下 35 00:03:23,170 --> 00:03:25,770 うむ それがいいかもしれない 36 00:03:27,780 --> 00:03:30,680 陛下は私を気遣ってくださるのね 37 00:03:30,680 --> 00:03:33,450 陛下は ご自分で ハイネセンへいらして 38 00:03:33,450 --> 00:03:38,290 事態を解決したいと お考えでございましょう 39 00:03:38,290 --> 00:03:40,920 カイザーリンには 隠し事はできないな 40 00:03:40,920 --> 00:03:42,860 確かに あなたの言うとおりだ 41 00:03:42,860 --> 00:03:45,500 余にしか 事態を解決できないだろう 42 00:03:45,500 --> 00:03:48,930 だが余が出かけたところで 人質を取って 開城を迫るという 43 00:03:48,930 --> 00:03:51,400 不名誉は拭いようもないが 44 00:03:51,400 --> 00:03:54,000 開城ではなく 交渉ということなら 45 00:03:54,000 --> 00:03:56,770 よろしいのではございませんか 陛下 46 00:03:56,770 --> 00:03:58,810 交渉? ええ 47 00:03:58,810 --> 00:04:01,510 陛下は昨年 ヤン・ウェンリーとの間に 48 00:04:01,510 --> 00:04:04,080 交渉の場を 設けようとなさいました 49 00:04:04,080 --> 00:04:07,420 それを今回 実現なさったらいかがですか 50 00:04:07,420 --> 00:04:10,050 イゼルローン共和政府とやらの 首脳たちを 51 00:04:10,050 --> 00:04:13,320 罪人としてではなく 客人としてお迎えあそばせば 52 00:04:13,320 --> 00:04:16,590 よろしゅうございましょう なるほど 53 00:04:16,590 --> 00:04:20,530 交渉開始に先立って 政治犯たちを 釈放することができるし 54 00:04:20,530 --> 00:04:24,870 交渉が不調に終われば 改めて戦端を開けばよいか 55 00:04:24,870 --> 00:04:27,240 それにしても結局 修正しつつも 56 00:04:27,240 --> 00:04:30,240 オーベルシュタインが敷いた レールを通ることになるのか 57 00:04:30,240 --> 00:04:33,040 陛下… カイザーリン 58 00:04:33,040 --> 00:04:36,080 余はオーベルシュタインを 好いたことは一度もないのだ 59 00:04:36,080 --> 00:04:38,310 それなのに顧みると 最も多く 60 00:04:38,310 --> 00:04:41,220 あの男の進言に 従ってきたような気がする 61 00:04:41,220 --> 00:04:47,790 あの男は いつも反論の余地を 与えぬほど 正論を主張するからだ 62 00:04:47,790 --> 00:04:51,660 正論だけを彫り込んだ 永久凍土上の石版 63 00:04:51,660 --> 00:04:54,960 誰もが正しさを認めながら 近づくことを拒む 64 00:04:54,960 --> 00:04:58,370 それがオーベルシュタイン元帥 65 00:04:58,370 --> 00:05:01,840 あの男は 余の存在が 王朝の利益と背反する時は 66 00:05:01,840 --> 00:05:03,770 余を廃立するかもしれんな 67 00:05:03,770 --> 00:05:07,380 陛下! 冗談だ カイザーリン 68 00:05:07,380 --> 00:05:12,220 あなたのむきになった表情は とても美しいな 69 00:05:12,220 --> 00:05:15,790 それはともかく ハイネセンの件だが 70 00:05:15,790 --> 00:05:17,720 どうぞ いってらっしゃいまし 71 00:05:17,720 --> 00:05:20,690 陛下でなくては 軍務尚書を抑えることも 72 00:05:20,690 --> 00:05:24,190 諸将の対立を解消させることも かないますまいから 73 00:05:24,190 --> 00:05:27,800 そして一日も早く お帰りくださいますよう 74 00:05:27,800 --> 00:05:30,200 すまない カイザーリン 75 00:05:30,200 --> 00:05:32,640 留守はケスラーに任せよう 76 00:05:32,640 --> 00:05:34,570 それと 余が不在の間 77 00:05:34,570 --> 00:05:38,440 この館にはカイザーリンの お父上に泊まっていただくとよい 78 00:05:38,440 --> 00:05:40,880 はい 父に そうしてもらいます 79 00:05:40,880 --> 00:05:44,180 お父上の後任も 早く定めなくてはな 80 00:05:44,180 --> 00:05:48,520 マリーンドルフ伯は いまだ50代半ばなのに引退を望む 81 00:05:48,520 --> 00:05:53,490 余も人生の半ばを過ぎれば そう望むようになるのかな 82 00:05:53,490 --> 00:05:55,630 ヒルダにはラインハルトが 83 00:05:55,630 --> 00:05:59,100 老人になるということが 想像できなかった 84 00:05:59,100 --> 00:06:01,860 父親になるということも 想像にかたかったが 85 00:06:01,860 --> 00:06:04,460 それは実現しつつある 86 00:06:07,340 --> 00:06:10,110 それでは大本営に行ってくる 87 00:06:10,110 --> 00:06:14,110 親征の件をミッターマイヤーらに 諮らねばならぬからな 88 00:06:16,880 --> 00:06:21,080 それにしてもジークフリード・ キルヒアイス元帥がご健在なら 89 00:06:21,080 --> 00:06:23,890 遠征軍司令官なり 国務尚書なり 90 00:06:23,890 --> 00:06:26,790 どちらかをお任せになられるのに 91 00:06:29,790 --> 00:06:34,500 オーベルシュタインとビッテンフェルトらの一件は 報道管制の隙間から 92 00:06:34,500 --> 00:06:38,130 ハイネセンの一般市民にも 知られるところとなっていた 93 00:06:38,130 --> 00:06:41,170 奇妙なことになったものだ こんな時代は 94 00:06:41,170 --> 00:06:45,470 偉大なるヤン・ウェンリーにも 予想できなかっただろうな 95 00:06:45,470 --> 00:06:49,350 何にしても 帝国軍が 内部対立を生じることは 96 00:06:49,350 --> 00:06:53,220 イゼルローンにとっては 有利な状況じゃありませんか? 97 00:06:53,220 --> 00:06:55,690 さあ そう うまくいくかな 98 00:06:55,690 --> 00:06:57,620 軍務尚書が 退場してくれればいいが 99 00:06:57,620 --> 00:07:01,490 そうはならんだろうし ワーレン提督やミュラー提督は 100 00:07:01,490 --> 00:07:05,490 まともな人間だから 破局を 防ぐために尽力するだろうよ 101 00:07:05,490 --> 00:07:08,260 その観測どおり ワーレンとミュラーは 102 00:07:08,260 --> 00:07:11,900 事態を収拾しようと努力していた 103 00:07:11,900 --> 00:07:15,600 ビッテンフェルトは あれで結構 部下の信望が厚い 104 00:07:15,600 --> 00:07:18,510 シュワルツ・ランツェンレイターの 軍務尚書に対する反感と憎悪は 105 00:07:18,510 --> 00:07:22,350 深まるばかりだろう 激発せねばよいが 106 00:07:22,350 --> 00:07:25,380 もしシュワルツ・ ランツェンレイターが激発すれば 107 00:07:25,380 --> 00:07:27,520 陸戦が専門でないとはいえ 108 00:07:27,520 --> 00:07:30,790 軍務尚書の直属部隊とは 数が違います 109 00:07:30,790 --> 00:07:33,360 力ずくで司令官を 解放するでしょう 110 00:07:33,360 --> 00:07:35,390 ですが そうなっては… そうだ 111 00:07:35,390 --> 00:07:38,330 ビッテンフェルトも 部下たちも救いようがなくなる 112 00:07:38,330 --> 00:07:40,800 そのビッテンフェルトの 部下たちのうち 113 00:07:40,800 --> 00:07:43,670 艦隊副司令官 ハルバーシュタット大将 114 00:07:43,670 --> 00:07:46,170 参謀長 グレーブナー大将らは 115 00:07:46,170 --> 00:07:50,170 軍務尚書との面会を求めたが 冷然と拒否された 116 00:07:50,170 --> 00:07:53,910 軟禁されたビッテンフェルトとの 面会も同様であった 117 00:07:53,910 --> 00:07:56,710 一方 副参謀長のオイゲン少将は 118 00:07:56,710 --> 00:08:00,650 ワーレン ミュラー両上級大将に 協力を要請した 119 00:08:00,650 --> 00:08:04,020 求められるまでもなく 協力するには やぶさかでないが 120 00:08:04,020 --> 00:08:06,090 具体的に どうするかだ 121 00:08:06,090 --> 00:08:11,630 我らが軍務尚書に面会を求めても 拒絶されるだけでな 手も足も… 122 00:08:11,630 --> 00:08:15,560 いや 俺の場合は「義手も足も出ぬ」 といったところか 123 00:08:15,560 --> 00:08:18,400 だが くれぐれも激発せぬように 124 00:08:18,400 --> 00:08:21,070 カイザーや ミッターマイヤー元帥に連絡して 125 00:08:21,070 --> 00:08:24,810 善処を求めているから 卿らは部下を統制して 126 00:08:24,810 --> 00:08:27,580 早まった行為に出ぬよう 全力をあげてほしい 127 00:08:27,580 --> 00:08:29,980 小官らも全力を尽くします 128 00:08:29,980 --> 00:08:32,010 ですが力の及ばぬ点は 129 00:08:32,010 --> 00:08:35,220 両閣下を頼らせていただく以外 ございません 130 00:08:35,220 --> 00:08:37,220 何とぞ よしなに 131 00:08:41,020 --> 00:08:44,490 ビッテンフェルトには 過ぎた部下たちだな 132 00:08:44,490 --> 00:08:49,130 上官が無謀でも よい部下は育つとみえる 133 00:08:49,130 --> 00:08:52,400 だが階級が上がると 司令官の人格的影響を 134 00:08:52,400 --> 00:08:55,600 受けやすくなるものらしい オイゲンと入れ替わりに 135 00:08:55,600 --> 00:08:57,940 ハルバーシュタットと グレーブナーが訪れ 136 00:08:57,940 --> 00:09:01,540 軍務尚書への怒りの余波を 向けてきたのである 137 00:09:01,540 --> 00:09:03,480 もしビッテンフェルト司令官が 138 00:09:03,480 --> 00:09:05,980 不当な処罰を 被るようなことがあれば 139 00:09:05,980 --> 00:09:08,220 兵士どもに 甘んじて それを受容するよう 140 00:09:08,220 --> 00:09:10,650 説得することは 小官にはできません 141 00:09:10,650 --> 00:09:13,560 その点 どうか ご承知いただきますよう 142 00:09:13,560 --> 00:09:16,360 言葉を慎め ハルバーシュタット大将 143 00:09:16,360 --> 00:09:20,000 卿は我らを脅迫するつもりか それとも昨年に続いて 144 00:09:20,000 --> 00:09:23,930 皇帝陛下の将兵が 相打つことを望むか 145 00:09:23,930 --> 00:09:27,740 失礼いたしました 我ら自身も自重いたしますので 146 00:09:27,740 --> 00:09:30,640 どうか お見捨てなきよう 147 00:09:30,640 --> 00:09:34,810 こうして提督たちが 事態の解決に心を砕く間にも 148 00:09:34,810 --> 00:09:39,520 帝国軍内部に わだかまる反感と 敵視の火種は加熱されていった 149 00:09:39,520 --> 00:09:42,520 この陰険な軍務尚書が! 150 00:09:45,290 --> 00:09:47,590 やれ やれ ざまあみやがれってんだ 151 00:09:47,590 --> 00:09:50,060 ちいと蹴りが甘いんじゃないのか 152 00:09:50,060 --> 00:09:53,360 あ? 153 00:09:53,360 --> 00:09:55,300 貴様ら 酒を飲んでおるな 154 00:09:55,300 --> 00:09:58,530 おう 飲んでるさ それがどうした 155 00:09:58,530 --> 00:10:01,440 軍務尚書閣下より 禁酒令が出ていようが 156 00:10:01,440 --> 00:10:06,110 軍務尚書? フン こいつのことか? 157 00:10:06,110 --> 00:10:08,480 ほれ 158 00:10:08,480 --> 00:10:10,410 何をするか 拘束するぞ 159 00:10:10,410 --> 00:10:12,920 してみやがれ この… 160 00:10:12,920 --> 00:10:14,850 貴様ら 抵抗するか 161 00:10:14,850 --> 00:10:17,450 こいつら軍務尚書の手先だ 162 00:10:17,450 --> 00:10:20,050 やっちまえ! おお! 163 00:10:23,730 --> 00:10:27,100 偶発的に始まった 一個分隊規模の乱闘が 164 00:10:27,100 --> 00:10:30,130 一個連隊規模に 膨れ上がるのに要した時間は 165 00:10:30,130 --> 00:10:32,130 わずか30分ほど 166 00:10:38,240 --> 00:10:40,240 こっちも仲間を集めろ 167 00:10:44,050 --> 00:10:47,850 その間に100名を超える 重軽傷者が出た 168 00:10:52,090 --> 00:10:54,090 おい バリケードを作れ 169 00:10:54,090 --> 00:10:56,260 急げ 170 00:10:56,260 --> 00:10:59,060 早くしろ 171 00:10:59,060 --> 00:11:01,860 おい こっちだ こっちだ おら 持てよ 172 00:11:01,860 --> 00:11:05,470 よし 頑張れ 持ってこい おら 173 00:11:05,470 --> 00:11:07,770 バカな 市街戦になるぞ 174 00:11:07,770 --> 00:11:10,970 そうなれば 帝国軍の他の部隊どころか 175 00:11:10,970 --> 00:11:15,640 ハイネセン市民や 共和主義者たちの いい笑いものだ 176 00:11:15,640 --> 00:11:18,250 俺が現場に行って双方を押さえる 177 00:11:18,250 --> 00:11:21,480 卿は その間に何としても 軍務尚書に面会して 178 00:11:21,480 --> 00:11:24,880 事態の収拾を図ってくれ 分かりました 179 00:11:37,400 --> 00:11:39,400 ん? 180 00:11:44,470 --> 00:11:46,470 新手か? 181 00:11:56,490 --> 00:11:59,320 ワーレンは シュワルツ・ランツェンレイターと 182 00:11:59,320 --> 00:12:02,060 軍務尚書の部隊が にらみ合う十字路の中央に 183 00:12:02,060 --> 00:12:03,990 装甲地上車を止めさせ 184 00:12:03,990 --> 00:12:06,830 両陣営が激発の気配を示すつど 185 00:12:06,830 --> 00:12:10,630 鋭い眼光を左右に放って 無言で それを抑えつけた 186 00:12:15,970 --> 00:12:19,840 ワーレンの豪気が 一触即発の 雰囲気を圧している間に 187 00:12:19,840 --> 00:12:22,750 ミュラーは軍務尚書に面会を求め 188 00:12:22,750 --> 00:12:27,020 10分だけという条件つきで ようやく対面することができた 189 00:12:27,020 --> 00:12:29,280 事情はお分かりでしょう 閣下には 190 00:12:29,280 --> 00:12:32,090 この危機を回避する努力を お願いしたいのですが 191 00:12:32,090 --> 00:12:35,520 努力とは? 192 00:12:35,520 --> 00:12:39,400 せめてビッテンフェルト提督の 軟禁を解かれるべきでしょう 193 00:12:39,400 --> 00:12:41,930 シュワルツ・ランツェンレイターは 司令官の身を案じ 194 00:12:41,930 --> 00:12:43,970 平静を失っております まず 195 00:12:43,970 --> 00:12:46,570 彼らを落ち着かせてやって いただきたい 196 00:12:46,570 --> 00:12:50,970 私は勅命と法によって 自他の行動を律する者だ 197 00:12:50,970 --> 00:12:53,380 シュワルツ・ランツェンレイターが 暴発すれば 198 00:12:53,380 --> 00:12:56,280 それは帝権に対する 反逆行為である 199 00:12:56,280 --> 00:12:59,680 それに対して 一歩の妥協も譲歩も する必然性を 200 00:12:59,680 --> 00:13:04,150 持ち合わせておらぬ 誠にごもっともであるが 軍務尚書 201 00:13:04,150 --> 00:13:06,890 暴発を防いで 互いに協力させることも 202 00:13:06,890 --> 00:13:10,130 カイザーの臣僚としての 義務ではありませんか 203 00:13:10,130 --> 00:13:13,160 ビッテンフェルト提督に 非礼があったことは事実ゆえ 204 00:13:13,160 --> 00:13:15,800 謝罪するように説得してみます 205 00:13:15,800 --> 00:13:18,700 その機会をいただくわけに まいりませんか 206 00:13:29,950 --> 00:13:36,520 おい お前らの尊敬する 軍務尚書閣下は まだ生きているか 207 00:13:36,520 --> 00:13:39,560 ご健在です そうか 変だな 208 00:13:39,560 --> 00:13:41,890 昨夜 ずっと呪ってやったのだが 209 00:13:41,890 --> 00:13:45,890 オーベルシュタインの毒蛇には 呪いも通じないか 210 00:13:49,000 --> 00:13:51,330 フン 毒殺など恐れんぞ 211 00:13:51,330 --> 00:13:53,770 毒なんぞ とうに免疫になっているさ 212 00:13:53,770 --> 00:13:59,640 俺はオーベルシュタインの奴と 何年も付き合ってきたからな 213 00:13:59,640 --> 00:14:03,840 ん?誰だ 鍵は外からしか かけておらんぞ 214 00:14:05,880 --> 00:14:08,750 おお よく来てくれた ミュラー提督 215 00:14:08,750 --> 00:14:10,990 オーベルシュタインめを たたきつぶす棍棒でも 216 00:14:10,990 --> 00:14:15,220 差し入れに来てくれたのか 残念ながら 217 00:14:15,220 --> 00:14:17,160 もちろん 棍棒はおろか 武器を持って 218 00:14:17,160 --> 00:14:19,090 入室することは許されなかった 219 00:14:19,090 --> 00:14:23,330 むしろ入室が許されたことが 驚くべき寛容と言うべきであった 220 00:14:23,330 --> 00:14:27,300 ミュラーとしては軍務尚書の真意に 疑問を抱かずにはいられない 221 00:14:27,300 --> 00:14:30,670 あるいはミュラーをビッテンフェルトに あえて対面させ 222 00:14:30,670 --> 00:14:34,010 それを理由に通謀罪を 課してくるのではないかと 223 00:14:34,010 --> 00:14:36,380 だが一方で そこまで姑息な手段を 224 00:14:36,380 --> 00:14:39,620 取る人ではないとも 思えるのだった 225 00:14:39,620 --> 00:14:43,590 おい 盗聴されているかもしれん 226 00:14:43,590 --> 00:14:48,120 俺は今更どうでもよいが 卿は用心した方がよいぞ 227 00:14:48,120 --> 00:14:52,960 後日 言いがかりを つけられぬようにな 228 00:14:52,960 --> 00:14:55,860 オーベルシュタインに 私心がないことは認める 229 00:14:55,860 --> 00:15:00,370 認めてやってもいい だが 奴は 自分に私心がないことを知って 230 00:15:00,370 --> 00:15:02,700 それを最大の武器にしていやがる 231 00:15:02,700 --> 00:15:06,510 俺が気に食わんのは その点だ! 232 00:15:06,510 --> 00:15:09,950 ビッテンフェルト提督 卿の主張には一理あります 233 00:15:09,950 --> 00:15:13,820 しかし その点を議論していては 事態が進展しません 234 00:15:13,820 --> 00:15:16,620 卿が軍務尚書に つかみかかった事実は事実 235 00:15:16,620 --> 00:15:21,460 それを謝罪して 軟禁を 解いてもらってはどうですか 236 00:15:21,460 --> 00:15:24,360 このままでは 卿の部下たちが激発して 237 00:15:24,360 --> 00:15:27,030 帝国軍同士が戦う事態を招来し 238 00:15:27,030 --> 00:15:29,930 その場合 反乱軍の汚名を着るのは 239 00:15:29,930 --> 00:15:32,570 シュワルツ・ランツェンレイターの 方になりますぞ 240 00:15:32,570 --> 00:15:35,270 それでは 今まで忠節を尽くしてきたのが 241 00:15:35,270 --> 00:15:38,170 無駄になるではありませんか 242 00:15:38,170 --> 00:15:41,080 俺は思うのだがな ミュラー提督 243 00:15:41,080 --> 00:15:43,980 軍務尚書は政治犯たちの命を盾に 244 00:15:43,980 --> 00:15:47,580 イゼルローンの首脳部を ハイネセンに呼びつけようとしている 245 00:15:47,580 --> 00:15:52,220 だがイゼルローンの奴らが 生きて ハイネセンの土を踏めると思うか? 246 00:15:52,220 --> 00:15:55,720 とおっしゃると? 卿には分かっているはずだ 247 00:15:55,720 --> 00:15:59,430 俺が危惧しているのは 地球教徒どものことではない 248 00:15:59,430 --> 00:16:02,200 奴らを装って 軍務尚書自身が 249 00:16:02,200 --> 00:16:05,930 イゼルローンの首脳部を 途中で 謀殺するかもしれんということだ 250 00:16:05,930 --> 00:16:08,840 まさか 251 00:16:08,840 --> 00:16:10,770 だが 十分あり得るか… 252 00:16:10,770 --> 00:16:15,580 いや 軍務尚書なら そのような 手段によらず 大逆罪の名の下に 253 00:16:15,580 --> 00:16:19,450 堂々とイゼルローンの首脳部を 処刑するのではなかろうか 254 00:16:19,450 --> 00:16:22,220 それにしても ビッテンフェルト提督が 255 00:16:22,220 --> 00:16:24,450 そうもイゼルローンの 首脳部たちの命運を 256 00:16:24,450 --> 00:16:27,290 思いやっておられるとは 知りませんでした 257 00:16:27,290 --> 00:16:30,690 俺は別にイゼルローンの奴らを 気にかけているわけではない 258 00:16:30,690 --> 00:16:32,630 オーベルシュタインの毒蛇めに 259 00:16:32,630 --> 00:16:35,830 これ以上 我が世の春を 謳歌させたくないだけだ 260 00:16:35,830 --> 00:16:39,200 第一 イゼルローンは 俺自身の手で粉砕してやらねば 261 00:16:39,200 --> 00:16:41,200 気が済まぬ イタ… 262 00:16:43,610 --> 00:16:46,110 卿のお気持ちも 分からないではないが 263 00:16:46,110 --> 00:16:48,840 卿と軍務尚書が 対立を続けていれば 264 00:16:48,840 --> 00:16:52,550 カイザーの宸襟を 騒がせ奉ることになりますぞ 265 00:16:52,550 --> 00:16:55,320 カイザーはご自身 しばしば ご病臥され 266 00:16:55,320 --> 00:16:58,690 カイザーリンのご出産も 近いという この時期です 267 00:16:58,690 --> 00:17:02,690 臣下たるもの 私情を慎むべきではありませんか 268 00:17:05,860 --> 00:17:10,600 分かった 卿らに そう迷惑を かけるわけにも いかんだろうな 269 00:17:10,600 --> 00:17:15,200 要するにカイザーの影に 頭を下げると思えば腹も立たん 270 00:17:15,200 --> 00:17:18,240 オーベルシュタインを 人間と思うから腹が立つのだ 271 00:17:18,240 --> 00:17:21,780 卿も そう思うだろう? はあ… 272 00:17:21,780 --> 00:17:25,380 惑星ハイネセンにおける オーベルシュタインの草刈りについて 273 00:17:25,380 --> 00:17:28,680 イゼルローンが受領した情報は 早く かつ豊富だった 274 00:17:28,680 --> 00:17:30,620 帝国軍が この件に関しては 275 00:17:30,620 --> 00:17:32,960 情報封鎖を 行わなかったからであり 276 00:17:32,960 --> 00:17:34,920 その意図は明白だった 277 00:17:34,920 --> 00:17:38,760 正々堂々と戦って 100万人の血を流すことと 278 00:17:38,760 --> 00:17:42,160 最小限の犠牲で 平和と統一を達成することと 279 00:17:42,160 --> 00:17:44,600 どちらが より歴史に貢献するのか 280 00:17:44,600 --> 00:17:46,970 その命題を 突きつけているのである 281 00:17:46,970 --> 00:17:50,570 しかも出題者の側には 明確な価値観が備わっており 282 00:17:50,570 --> 00:17:54,040 ユリアンらは それに 抵抗しなくてはならなかった 283 00:17:54,040 --> 00:17:57,480 こいつは余計なことだがな ユリアン 284 00:17:57,480 --> 00:18:00,720 この際 悪名を被るのは銀河帝国 285 00:18:00,720 --> 00:18:03,650 特に策謀を実行する オーベルシュタイン元帥と 286 00:18:03,650 --> 00:18:06,590 その やり口を追認する カイザー・ラインハルトだ 287 00:18:06,590 --> 00:18:09,460 お前さんじゃない 分かっています 288 00:18:09,460 --> 00:18:13,400 でも納得できないのです ハイネセンに捕らわれた人々を 289 00:18:13,400 --> 00:18:15,530 もし見捨てたりしたら… 290 00:18:15,530 --> 00:18:20,370 だが 専制君主によって政治犯 思想犯として捕えられるのは 291 00:18:20,370 --> 00:18:23,270 民主共和主義者にとっては 本望じゃないのか 292 00:18:23,270 --> 00:18:27,780 ことに自由惑星同盟で高い地位に 就いていて 市民や兵士に 293 00:18:27,780 --> 00:18:32,080 民主共和政の大義に基づく聖戦を 鼓舞したような連中はな 294 00:18:32,080 --> 00:18:34,850 それは僕も 思わないでもなかったですが 295 00:18:34,850 --> 00:18:38,290 逮捕者リストの中に ムライ中将の名があったんですよ 296 00:18:38,290 --> 00:18:40,990 見殺しにできないでしょう ええ? 297 00:18:40,990 --> 00:18:43,230 本当だ 298 00:18:43,230 --> 00:18:46,860 何だ?あの歩く小言が 捕まったって? 299 00:18:46,860 --> 00:18:49,230 帝国軍の奴らも勇気があるな 300 00:18:49,230 --> 00:18:51,170 宇宙で あの小うるさいおっさんに 301 00:18:51,170 --> 00:18:53,600 勝てる奴はいないと 思っていたがな 302 00:18:53,600 --> 00:18:56,540 さすがに銀河帝国の 軍務尚書ともなると 303 00:18:56,540 --> 00:18:59,310 イゼルローンの参謀長より 上手だぜ 304 00:18:59,310 --> 00:19:03,750 捕まえた奴にも 捕まった奴にも 俺は近寄りたくないね 305 00:19:03,750 --> 00:19:07,050 別世界の出来事にしておこうや 助けてあげたら 306 00:19:07,050 --> 00:19:09,650 恩を着せてやることが できるかもしれませんよ 307 00:19:09,650 --> 00:19:11,950 ん? うんうん 308 00:19:11,950 --> 00:19:14,850 で どうする気だ 司令官殿 309 00:19:17,760 --> 00:19:20,660 民主主義の 基本的な精神から言えば 310 00:19:20,660 --> 00:19:23,030 生命を脅かされている人々を 311 00:19:23,030 --> 00:19:25,500 少数だからといって 見捨てることはできない 312 00:19:25,500 --> 00:19:28,540 だが そのために 宇宙に唯一 残された 313 00:19:28,540 --> 00:19:31,310 民主共和政治の根拠地を失うのか 314 00:19:31,310 --> 00:19:35,940 この件に関して最大の味方は フェザーンにいるかもしれんな 315 00:19:35,940 --> 00:19:39,850 カイザー・ラインハルトか カイザー・ラインハルトなら 316 00:19:39,850 --> 00:19:44,090 人質を取って開城を迫るような 手段を是とはしないだろう 317 00:19:44,090 --> 00:19:46,990 だが カイザーの矜持に 期待するということと 318 00:19:46,990 --> 00:19:51,860 寛容と慈悲を求めることと どう異なるのだろうか 319 00:19:51,860 --> 00:19:56,000 それにしても オーベルシュタイン元帥の ような手段を用いなくては 320 00:19:56,000 --> 00:19:59,500 平和と統一と秩序は 確立し得ないのだろうか 321 00:19:59,500 --> 00:20:03,070 もし そうだとしたら カイザー・ラインハルトとヤン提督とは 322 00:20:03,070 --> 00:20:06,610 なぜ流血を繰り返さなくては ならなかったのだろうか 323 00:20:06,610 --> 00:20:08,980 最も卑劣に感じられる手段が 324 00:20:08,980 --> 00:20:12,010 最も有効に 流血を減らすのだとしたら 325 00:20:12,010 --> 00:20:16,520 何のために人は正道を求めて 苦しむのだろうか 326 00:20:16,520 --> 00:20:18,450 この時 ユリアンの思考は 327 00:20:18,450 --> 00:20:21,290 やや危険な方向に 向かっていたかもしれない 328 00:20:21,290 --> 00:20:24,690 彼が考えるべきは 倫理上の優劣ではなく 329 00:20:24,690 --> 00:20:27,900 オーベルシュタインの策謀に どのような政治的技術で 330 00:20:27,900 --> 00:20:32,200 対抗すべきかということで あったはずなのである 331 00:20:32,200 --> 00:20:35,100 そして それは 4月10日にもたらされた 332 00:20:35,100 --> 00:20:38,770 銀河帝国 軍務尚書 パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥からの 333 00:20:38,770 --> 00:20:42,680 正式な宣告である 惑星ハイネセンに虜囚となった 334 00:20:42,680 --> 00:20:46,550 5000余名の政治犯 思想犯の 解放を欲するのであれば 335 00:20:46,550 --> 00:20:50,150 イゼルローン共和政府 及び革命軍の代表者は 336 00:20:50,150 --> 00:20:53,490 ハイネセンに 出頭せよというのであった 337 00:20:53,490 --> 00:20:56,260 帝国軍のやり方の是非はともかく 338 00:20:56,260 --> 00:21:00,130 この要求を明確に拒絶することは できないと思います 339 00:21:00,130 --> 00:21:05,930 受諾する… 少なくとも受諾したと 見せることが必要でしょう 340 00:21:05,930 --> 00:21:09,340 しかし かなり危険が大きい 今回はヤン夫人には 341 00:21:09,340 --> 00:21:12,540 残留していただいた方が よいと思うが 342 00:21:12,540 --> 00:21:14,580 ご厚意はありがたいのですけど 343 00:21:14,580 --> 00:21:19,380 女性だからという理由で 免責されるのは 私は不本意です 344 00:21:19,380 --> 00:21:23,520 私はイゼルローン共和政府の主席という ことにしていただいていますし 345 00:21:23,520 --> 00:21:28,920 私がハイネセンに赴かなければ 軍務尚書も納得しないでしょう 346 00:21:28,920 --> 00:21:31,760 それはいいとして ヤン・ウェンリーの例がある 347 00:21:31,760 --> 00:21:34,230 ハイネセンなり フェザーンなりに出頭する際 348 00:21:34,230 --> 00:21:37,730 テロリストの襲撃を受けたら どうするんだ ユリアン? 349 00:21:37,730 --> 00:21:42,870 今回の場合は帝国軍に護衛艦隊を 要求すればよいと思います 350 00:21:42,870 --> 00:21:46,740 まず回廊から出た辺りで その要求をハイネセンに伝えましょう 351 00:21:46,740 --> 00:21:48,710 帝国軍に護衛を? 352 00:21:48,710 --> 00:21:52,480 オーベルシュタイン元帥に 俺たちの命運を委ねるのか? 353 00:21:52,480 --> 00:21:57,690 帝国軍の全員がオーベルシュタイン印の製品 というわけじゃありませんよ 354 00:21:57,690 --> 00:22:00,590 全員が?オエ 355 00:22:00,590 --> 00:22:04,890 そうか ミュラー提督なら 信用できるかもしれんな 356 00:22:04,890 --> 00:22:10,630 頼られた方は迷惑だろうが この際 ワラよりはマシだろう 357 00:22:10,630 --> 00:22:13,200 ところで今回 行くのは 将官だけでいい 358 00:22:13,200 --> 00:22:17,610 お前さんたち佐官級は おとなしく 留守番をしていることだな 359 00:22:17,610 --> 00:22:19,540 納得しかねますね 360 00:22:19,540 --> 00:22:23,040 「くたばれ カイザー!」のかけ声を 実現するチャンスなんだ 361 00:22:23,040 --> 00:22:25,310 ぜひ入場券を 分けていただきましょう 362 00:22:25,310 --> 00:22:29,180 俺なんか才能と人望は 将官級なんだけどな 363 00:22:29,180 --> 00:22:32,450 いや それでなくとも 今更 将官と佐官の間に 364 00:22:32,450 --> 00:22:37,260 差など つけてほしくないな やれやれ 救いがたい精神状態だな 365 00:22:37,260 --> 00:22:42,030 行ったが最後 即逮捕されて 処刑という確率の方が高いんだぞ 366 00:22:42,030 --> 00:22:44,430 今更 そんなことは 問題ではないでしょう 367 00:22:44,430 --> 00:22:47,240 私は二度も司令官に 先立たれました 368 00:22:47,240 --> 00:22:49,940 もはや この命は捨てています 369 00:22:49,940 --> 00:22:53,280 ぜひとも同行させていただきます 370 00:22:53,280 --> 00:22:56,310 そう自分の願望ばかり 並べ立てるものじゃない 371 00:22:56,310 --> 00:22:58,610 将官の中でもキャゼルヌ中将は 372 00:22:58,610 --> 00:23:01,180 残留するんだからな え? 373 00:23:01,180 --> 00:23:04,020 留守部隊を 管理 統率する者は必要だし 374 00:23:04,020 --> 00:23:06,320 仮に交渉がまとまって イゼルローン要塞を 375 00:23:06,320 --> 00:23:08,260 無血開城するとしたら 376 00:23:08,260 --> 00:23:12,160 その実施ができるのは キャゼルヌ中将だけだからな 377 00:23:12,160 --> 00:23:14,460 それに 378 00:23:14,460 --> 00:23:16,700 何といっても貴官には家庭がある 379 00:23:16,700 --> 00:23:18,630 独身者だけの楽しいパーティーに 380 00:23:18,630 --> 00:23:21,570 妻帯者を混ぜるわけには いかんのでね 381 00:23:21,570 --> 00:23:24,570 キャゼルヌ中将の残留に 反対の者は? 382 00:23:27,340 --> 00:23:32,180 多数決だ 最も民主的な方法で 貴官は残留と決まった 383 00:23:32,180 --> 00:23:34,180 いや めでたい 384 00:23:36,450 --> 00:23:38,390 「危険から逃げた」と言われては 385 00:23:38,390 --> 00:23:42,120 「見境なく不美人に手を出した」と 言われるのと同じくらいに 386 00:23:42,120 --> 00:23:45,790 オリビエ・ポプランの名折れだ 俺はついていくからな 387 00:23:45,790 --> 00:23:47,730 ポプラン中佐らしい 388 00:23:47,730 --> 00:23:50,630 危険とは ポプラン自身のことだろうに 389 00:23:50,630 --> 00:23:55,940 黙って ついてくればいいものを 口数が多いのは未熟の表れだ 390 00:23:55,940 --> 00:23:59,540 ポプラン中佐が行かれるなら やはり小官も 391 00:23:59,540 --> 00:24:04,080 とにかく万が一に備えて 半数は残留する必要があるんだ 392 00:24:04,080 --> 00:24:06,010 全員でノコノコ出かけていって 393 00:24:06,010 --> 00:24:09,050 一網打尽にされたら 目も当てられんからな 394 00:24:09,050 --> 00:24:12,550 こうして帝国軍の 出頭勧告に応じることと 395 00:24:12,550 --> 00:24:16,390 そのメンバーが決せられた 396 00:24:16,390 --> 00:24:18,330 フレデリカ ユリアンに 同行するのは 397 00:24:18,330 --> 00:24:22,560 シェーンコップ アッテンボロー ポプランらで 留守をキャゼルヌが預かり 398 00:24:22,560 --> 00:24:25,470 メルカッツが 艦隊の指揮を執ることとなった 399 00:24:25,470 --> 00:24:30,310 だが 一行がイゼルローン回廊を 出るより早く 事態は急転する 400 00:24:30,310 --> 00:24:32,710 ラグプール事件の 発生である 401 00:26:07,470 --> 00:26:10,370 大量の政治犯が収容された ラグプール刑務所で 402 00:26:10,370 --> 00:26:12,910 暴動が起こり 多くの犠牲が出た 403 00:26:12,910 --> 00:26:16,680 一方 イゼルローン回廊でも 偶発的な軍事衝突が生じ 404 00:26:16,680 --> 00:26:20,320 いよいよ宇宙は 一触即発の危機を はらみつつあった 405 00:26:20,320 --> 00:26:22,580 そんな中 ようやく カイザー・ラインハルトが 406 00:26:22,580 --> 00:26:26,990 ハイネセンに到着し その決定が注目されたが… 407 00:26:26,990 --> 00:26:31,860 次回「銀河英雄伝説」 第105話「昏迷の惑星」 408 00:26:31,860 --> 00:26:34,360 銀河の歴史が また1ページ