1 00:01:33,100 --> 00:01:37,800 宇宙暦801年 新帝国暦3年6月1日 2 00:01:37,800 --> 00:01:41,680 イゼルローン要塞に 講和成立の報がもたらされ 3 00:01:41,680 --> 00:01:46,180 およそ10万人の留守部隊は 歓呼の声に包まれた 4 00:01:50,880 --> 00:01:54,590 だが それもウィリバルト・ ヨアヒム・フォン・メルカッツ 5 00:01:54,590 --> 00:01:57,490 ワルター・フォン・シェーンコップ ルイ・マシュンゴら 6 00:01:57,490 --> 00:01:59,760 主だった戦死者の 名が伝えられると 7 00:01:59,760 --> 00:02:02,660 粛然とした雰囲気と悲嘆とに 変わっていった 8 00:02:02,660 --> 00:02:06,630 特にローゼンリッター連隊は 生存者 わずかに204名 9 00:02:06,630 --> 00:02:11,210 その全員が負傷するという 凄絶な終末を迎えていた 10 00:02:11,210 --> 00:02:16,180 シェーンコップがね あの男でも死ぬのかね 11 00:02:16,180 --> 00:02:20,310 総司令官より入電 12 00:02:20,310 --> 00:02:23,220 ユリアン あなたはズルかったわね 13 00:02:23,220 --> 00:02:28,420 ヤン提督が あの人が生きていたら きっとあなたを叱ったわ 14 00:02:28,420 --> 00:02:31,330 それはフレデリカを イゼルローン要塞に残して 15 00:02:31,330 --> 00:02:36,860 戦端を開いたことについて 非難の形をした謝意の表明だった 16 00:02:36,860 --> 00:02:39,770 すいません それが分かるユリアンも 17 00:02:39,770 --> 00:02:42,140 短く答えただけだった 18 00:02:42,140 --> 00:02:46,110 それで これからあなたは どうするの 予定を聞かせて 19 00:02:46,110 --> 00:02:49,880 残兵を統率して 惑星ハイネセンへ行きます 20 00:02:49,880 --> 00:02:51,850 帝国軍と同行して 21 00:02:51,850 --> 00:02:55,020 そこでカイザーと 会見することになるでしょう 22 00:02:55,020 --> 00:02:58,520 その時 僕はカイザーに 提案を行うつもりです 23 00:02:58,520 --> 00:03:01,090 どんなことを? 帝国軍に 24 00:03:01,090 --> 00:03:03,020 イゼルローン要塞を明け渡し 25 00:03:03,020 --> 00:03:06,890 代わりに惑星ハイネセンに 内政自治権を認めさせる 26 00:03:06,890 --> 00:03:11,700 そして いつかは帝国に憲法を 制定させ 議会を開設させて 27 00:03:11,700 --> 00:03:15,040 帝国全体を開明的な方向に 持っていく 28 00:03:15,040 --> 00:03:16,970 もちろん簡単ではないでしょう 29 00:03:16,970 --> 00:03:22,680 長い年月と不断の努力が 必要でしょうが 30 00:03:22,680 --> 00:03:26,550 もしそうなれば あの人もハイネセンに帰れるわね 31 00:03:26,550 --> 00:03:28,780 そういう表現で フレデリカは 32 00:03:28,780 --> 00:03:31,820 ユリアンの今後の 外交交渉方針を承認した 33 00:03:31,820 --> 00:03:34,690 イゼルローンは難攻不落にすぎる 34 00:03:34,690 --> 00:03:37,120 トールハンマーを含めた その強大さは 35 00:03:37,120 --> 00:03:40,660 帝国軍に必要以上の警戒を 抱かせるであろう 36 00:03:40,660 --> 00:03:44,670 これからは軍事力によらず 外交折衝によって身を守り 37 00:03:44,670 --> 00:03:48,040 帝国との共存を図るべきなのだ 38 00:03:48,040 --> 00:03:50,600 キャゼルヌ中将 お聞きのように 39 00:03:50,600 --> 00:03:53,940 イゼルローン要塞と 別れる日が来そうですわ 40 00:03:53,940 --> 00:03:56,440 事務的な処理をお任せして よろしいでしょうか 41 00:03:56,440 --> 00:04:00,110 ああ 任せておいていただこう ヤン夫人 42 00:04:00,110 --> 00:04:02,780 帝国軍が指先でホコリを探しても 43 00:04:02,780 --> 00:04:06,120 ケチのつけようがないほど 完璧に整理してやる 44 00:04:06,120 --> 00:04:08,190 お願いします 45 00:04:08,190 --> 00:04:11,560 ああ ヤン夫人 家内の言づけでね 46 00:04:11,560 --> 00:04:14,960 「今夜は夕食をご一緒にどうぞ」 ということだった 47 00:04:14,960 --> 00:04:18,830 ご迷惑かもしれんが 家内に逆らうと怖いよ 48 00:04:18,830 --> 00:04:21,270 19時にシャルロットを 迎えにやるからね 49 00:04:21,270 --> 00:04:25,370 ありがとうございます 遠慮なく伺わせていただきますわ 50 00:04:32,310 --> 00:04:35,010 この部屋ともお別れね 51 00:04:47,130 --> 00:04:52,030 ありがとう あなた 私の人生を豊かにしてくださって 52 00:05:02,480 --> 00:05:07,580 戦艦ユリシーズはついに生き残り その強運ぶりを証明した 53 00:05:10,320 --> 00:05:15,460 もっともこの時の機能は ほとんど 病院船に近いものであったが 54 00:05:15,460 --> 00:05:18,360 俺はうっかり死ぬことも できなくなったぜ 55 00:05:18,360 --> 00:05:20,890 地獄へ行ったら ワルター・フォン・シェーンコップが 56 00:05:20,890 --> 00:05:24,460 でかい面で魔女どもを はべらせているかと思うと 57 00:05:24,460 --> 00:05:26,730 行く気になれやせん 58 00:05:26,730 --> 00:05:31,570 だったら せいぜい長生きして こちらの世界で覇を唱えるんだな 59 00:05:31,570 --> 00:05:34,340 シェーンコップの不良中年が いなくなったら 60 00:05:34,340 --> 00:05:36,710 お前さんの天下だろうが 61 00:05:36,710 --> 00:05:42,520 「オリビエ・ポプラン 宇宙暦771年15月36日生まれ」 62 00:05:42,520 --> 00:05:47,050 「801年6月1日 美女たちの涙の海で溺死」 63 00:05:47,050 --> 00:05:49,460 「享年29歳」 64 00:05:49,460 --> 00:05:51,760 ちゃんと自分で 墓碑銘まで用意したのに 65 00:05:51,760 --> 00:05:54,590 死文になってしまって残念ですよ 66 00:05:54,590 --> 00:05:59,270 うん あっ お前 さてはもう誕生日を過ぎたな 67 00:05:59,270 --> 00:06:02,170 もう30歳になっただろう そうだろう 68 00:06:02,170 --> 00:06:06,010 うるさい人だな 俺が仮に30歳になったとしたら 69 00:06:06,010 --> 00:06:08,780 中将が何か得をするんですか 70 00:06:08,780 --> 00:06:11,080 得になることしか 喜ばないとしたら 71 00:06:11,080 --> 00:06:14,580 俺はまるで強欲な フェザーン商人じゃないか 72 00:06:14,580 --> 00:06:18,020 それはそうと 我らが 司令官殿はどこにいるんだ? 73 00:06:18,020 --> 00:06:22,720 父親を亡くした 傷心の女の子を 慰めに行きましたよ 74 00:06:30,730 --> 00:06:35,240 いとしい者よ 75 00:06:35,240 --> 00:06:39,010 あなたは 76 00:06:39,010 --> 00:06:45,480 私を愛するか 77 00:06:45,480 --> 00:06:52,790 ええ 私は愛します 78 00:06:52,790 --> 00:06:58,660 生命の終わりまで 79 00:06:58,660 --> 00:07:06,370 冬の女王が鈴を鳴らすと 80 00:07:06,370 --> 00:07:12,610 樹も草も枯れはてて 81 00:07:12,610 --> 00:07:20,350 太陽さえも眠りに 82 00:07:20,350 --> 00:07:25,750 落ちた 83 00:07:25,750 --> 00:07:34,030 それでも春になれば 84 00:07:34,030 --> 00:07:39,530 鳥たちは帰ってくる 85 00:07:39,530 --> 00:07:47,670 それでも春になれば 86 00:07:47,670 --> 00:07:53,950 鳥たちは帰ってくる 87 00:07:53,950 --> 00:07:55,950 カリン 88 00:08:02,120 --> 00:08:04,990 母が好きだったのよ この歌 89 00:08:04,990 --> 00:08:08,900 昔 ワルター・フォン・シェーンコップに 聞かせてやったんだって 90 00:08:08,900 --> 00:08:12,100 別れてからも よく1人で歌ったんだって 91 00:08:12,100 --> 00:08:14,670 カリン シェーンコップ中将は… 92 00:08:14,670 --> 00:08:19,170 知ってるわよ 何よ 5回や6回 殺されたって 93 00:08:19,170 --> 00:08:21,540 すぐに復活するような 顔してたくせに 94 00:08:21,540 --> 00:08:25,810 何で死んじゃうのよ あいつに 復讐してやるつもりだったのに 95 00:08:25,810 --> 00:08:28,050 復讐? そうよ 96 00:08:28,050 --> 00:08:30,620 私の産んだ赤ん坊を 目の前につきつけて 97 00:08:30,620 --> 00:08:34,920 「あんたの孫よ おじいちゃん」と 言ってやるつもりだったのに 98 00:08:34,920 --> 00:08:40,020 それがあの不良中年には 一番効果的な復讐だったのに 99 00:08:47,000 --> 00:08:51,840 お父さん お父さん 100 00:08:51,840 --> 00:08:54,040 お父さん… 101 00:08:58,910 --> 00:09:01,720 服を濡らしちゃった ごめんね 102 00:09:01,720 --> 00:09:04,650 すぐ乾くよ 103 00:09:04,650 --> 00:09:08,250 ねえ 私のこと好き? もしそうだったら 104 00:09:08,250 --> 00:09:12,230 黙ってうなずいたりしないで ハッキリおっしゃい 105 00:09:12,230 --> 00:09:14,230 好きだよ 106 00:09:16,760 --> 00:09:19,000 民主主義って 素敵ね 107 00:09:19,000 --> 00:09:20,930 どうして? だって 108 00:09:20,930 --> 00:09:23,840 伍長が中尉さんに 命令できるんだもの 109 00:09:23,840 --> 00:09:26,940 専制政治だったら こうはいかないわ 110 00:09:30,380 --> 00:09:32,850 将来2人が結婚した時 111 00:09:32,850 --> 00:09:36,050 6月1日は 忘れ得ぬ日になるだろう 112 00:09:36,050 --> 00:09:39,090 それは彼らの父親たちが 亡くなった日であり 113 00:09:39,090 --> 00:09:42,890 2人の新たな歴史が 始まった日でもあるのだった 114 00:09:46,060 --> 00:09:50,900 口紅がついてるぞ くちびるの右端に 115 00:09:50,900 --> 00:09:55,470 そうか ちゃんと儀式を済ませたか 結構 結構 116 00:09:55,470 --> 00:09:59,340 お人が悪いですよ 中将 しかし お前さん 117 00:09:59,340 --> 00:10:03,180 恋人が口紅をつけていないことも 知らなかったのか 118 00:10:03,180 --> 00:10:06,180 これから知るようにします 119 00:10:08,150 --> 00:10:12,590 ところで カイザーとはもう正式に 会見の予定が立ったのか 120 00:10:12,590 --> 00:10:14,520 いえ まだです 121 00:10:14,520 --> 00:10:19,030 何と言ってもカイザーの健康が もう少し回復してからでなければ 122 00:10:19,030 --> 00:10:21,530 それだがな カイザーの健康が 123 00:10:21,530 --> 00:10:24,330 確かに回復するという保証は あるのか 124 00:10:24,330 --> 00:10:26,330 死病だというが 125 00:10:28,640 --> 00:10:32,170 まあ悔いを残さないように 話し合ってくれよな 126 00:10:32,170 --> 00:10:34,710 ええ… しかしなんだな 127 00:10:34,710 --> 00:10:38,280 人間 いや人間の集団というやつは 128 00:10:38,280 --> 00:10:40,950 話し合えば 解決できる程度のことに 129 00:10:40,950 --> 00:10:44,180 何億リットルもの血を 流さなきゃならないのかな 130 00:10:44,180 --> 00:10:46,850 愚かしいと思いますか? さあな 131 00:10:46,850 --> 00:10:49,420 俺には論評する資格はない 132 00:10:49,420 --> 00:10:54,260 何しろ俺は伊達と酔狂で 血を 流してきた張本人の一人だからな 133 00:10:54,260 --> 00:10:59,630 確かに愚かなことかもしれません でも その愚かしさを失った時 134 00:10:59,630 --> 00:11:03,640 人類は進化を遂げることが できるのでしょうか 135 00:11:03,640 --> 00:11:05,810 さまざまな表現と態度で 136 00:11:05,810 --> 00:11:09,680 イゼルローン軍は 死者たちの記憶を弔った 137 00:11:09,680 --> 00:11:13,010 一方 帝国軍の方では事情が異なる 138 00:11:13,010 --> 00:11:15,650 主だった将帥に戦死者は 出なかったが 139 00:11:15,650 --> 00:11:20,390 代償と言うには巨大すぎる凶事が 彼らを襲っていた 140 00:11:20,390 --> 00:11:23,290 全軍の大元帥たる カイザー・ラインハルトが 141 00:11:23,290 --> 00:11:27,290 不治の病に冒されたことが 判明したのであるから 142 00:11:29,160 --> 00:11:32,830 なぜだ なぜオーベルシュタインの野郎が 死なないで 143 00:11:32,830 --> 00:11:34,770 カイザーが亡くなるんだ! 144 00:11:34,770 --> 00:11:37,400 この宇宙には 正義も真実もないのか 145 00:11:37,400 --> 00:11:41,240 大神オーディンは 貢ぎ物を むさぼるだけの役立たずか! 146 00:11:41,240 --> 00:11:43,240 騒ぐな ビッテンフェルト 147 00:11:43,240 --> 00:11:45,550 これが騒がずにいられるか 148 00:11:45,550 --> 00:11:48,410 理由があって 騒ぐなと言っているのだ 149 00:11:48,410 --> 00:11:53,120 第一に陛下は 確かにご病気では あるが 亡くなるとは限らぬ 150 00:11:53,120 --> 00:11:56,990 上級大将ともあろう者が 先頭に立って騒ぎ立てては 151 00:11:56,990 --> 00:11:59,660 兵士にたちに よからぬ影響があろう 152 00:11:59,660 --> 00:12:03,660 第二に カイザーリン及び アレク大公のことを考えろ 153 00:12:03,660 --> 00:12:08,070 あの方たちこそ 卿よりはるかに 悲しむ資格がおありなのだ 154 00:12:08,070 --> 00:12:10,440 それをわきまえた方がよいぞ 155 00:12:10,440 --> 00:12:15,810 なるほど そう言われると ひと言もない 俺が軽率だった 156 00:12:15,810 --> 00:12:20,080 ミッターマイヤーにはビッテンフェルトの率直さが うらやましかった 157 00:12:20,080 --> 00:12:24,820 彼自身 神の不公正を呪いたい 気持ちを胸の中に抑え込み 158 00:12:24,820 --> 00:12:28,620 まさに身を焼く思いに 苦しめられていたのだから 159 00:12:38,200 --> 00:12:42,740 キルヒアイス ロイエンタール そしてケンプ レンネンカンプ 160 00:12:42,740 --> 00:12:46,140 ファーレンハイト シュタインメッツ ルッツ… 161 00:12:46,140 --> 00:12:50,480 頼む 頼むから まだカイザーを ヴァルハラへお連れしないでくれ 162 00:12:50,480 --> 00:12:54,780 カイザーはまだ現世にこそ 必要なお方なのだ 163 00:12:57,720 --> 00:13:01,920 陛下!ラインハルト陛下! 164 00:13:01,920 --> 00:13:04,020 お待ちください 165 00:13:06,860 --> 00:13:08,860 陛下! 166 00:13:11,660 --> 00:13:13,660 あれは… 167 00:13:38,390 --> 00:13:42,790 陛下!陛下! 168 00:13:50,400 --> 00:13:54,240 らちもない… 169 00:13:54,240 --> 00:13:56,840 ヴァルハラ征服か… 170 00:14:03,850 --> 00:14:07,350 6月10日 銀河帝国軍の 大艦隊と共に 171 00:14:07,350 --> 00:14:11,160 ユリアンは惑星ハイネセンに 到着した 172 00:14:11,160 --> 00:14:14,130 ヤンの結婚式の夜 地球へ出発して以来 173 00:14:14,130 --> 00:14:17,130 ちょうど2年ぶりの 母星への帰還である 174 00:14:20,670 --> 00:14:23,540 ハイネセンも変わった 175 00:14:23,540 --> 00:14:27,410 と思うのは僕の見る目が 変わったからでしょうか 176 00:14:27,410 --> 00:14:32,280 少なくとも2年前は 宇宙の半分を 統治する中心地だったのが 177 00:14:32,280 --> 00:14:36,120 今や辺境の一惑星に 過ぎなくなりつつあるからな 178 00:14:36,120 --> 00:14:39,020 どいつもこいつも 不景気な面しやがって 179 00:14:39,020 --> 00:14:40,990 歴史の表舞台から消えていくのを 180 00:14:40,990 --> 00:14:43,990 受容しようと しているようじゃないか 181 00:14:43,990 --> 00:14:47,660 「自由 自主 自律 自尊」 182 00:14:47,660 --> 00:14:51,030 アーレ・ハイネセンが唱えた 民主共和政治の価値観は 183 00:14:51,030 --> 00:14:53,530 どこへ消えてしまったのでしょう 184 00:14:53,530 --> 00:14:58,240 深刻に疑いつつ ユリアンは まず入院中のムライを訪ねた 185 00:14:58,240 --> 00:15:02,210 そうか イゼルローンを 放棄することになりそうかね 186 00:15:02,210 --> 00:15:04,940 多分そうなると思います 187 00:15:04,940 --> 00:15:07,280 これからカイザーと 話し合いますが 188 00:15:07,280 --> 00:15:11,480 こちらの交換条件として これ以外には まずないでしょう 189 00:15:11,480 --> 00:15:14,390 時代の一つが終わったと いうことだな 190 00:15:14,390 --> 00:15:17,860 ささやかなものではあったが 君や私にとって 191 00:15:17,860 --> 00:15:21,530 イゼルローン時代というものは 確かにあった 192 00:15:21,530 --> 00:15:24,430 私などにとっては 最後のお務めだったが 193 00:15:24,430 --> 00:15:29,900 君らにとっては次の時代への ステップであってほしいな 194 00:15:29,900 --> 00:15:33,840 同日 ハイネセンに駐留した イゼルローン軍の処遇について 195 00:15:33,840 --> 00:15:36,540 ユリアンは ハイネセンの警備を担当する 196 00:15:36,540 --> 00:15:40,850 ワーレン上級大将との間に 交渉の席を持った 197 00:15:40,850 --> 00:15:43,580 卿とは 確か以前 会ったことがあるな 198 00:15:43,580 --> 00:15:45,620 それとも記憶違いかな 199 00:15:45,620 --> 00:15:48,150 いえ 記憶違いではありません 200 00:15:48,150 --> 00:15:51,120 ワーレン提督とは 地球でお目にかかりました 201 00:15:51,120 --> 00:15:54,030 地球教の本部でか 思い出したぞ 202 00:15:54,030 --> 00:15:56,530 申し訳ありません あの時は 203 00:15:56,530 --> 00:15:59,100 閣下を偽ることに なってしまいました 204 00:15:59,100 --> 00:16:01,900 なに 謝罪される筋のものでもない 205 00:16:01,900 --> 00:16:06,510 人それぞれ 立場があってのことだ 206 00:16:06,510 --> 00:16:11,880 それにしても お互い 随分多くの知己を失ったものだな 207 00:16:11,880 --> 00:16:15,150 ワーレンの言葉は ユリアンを粛然とさせた 208 00:16:15,150 --> 00:16:18,950 それはミュラーと会談した時に 一段と増幅された 209 00:16:18,950 --> 00:16:24,490 ヘル・ミンツ 卿と私とは どちらが幸福なのだろうか 210 00:16:24,490 --> 00:16:27,290 卿らはヤン・ウェンリー元帥が 亡くなられるまで 211 00:16:27,290 --> 00:16:29,260 そのことを知らなかった 212 00:16:29,260 --> 00:16:32,270 我々は 陛下が 亡くなられるについて 213 00:16:32,270 --> 00:16:34,930 心の準備をする期間を与えられた 214 00:16:34,930 --> 00:16:38,910 だが 卿らは悲しみが スタート地点から始まったのに 215 00:16:38,910 --> 00:16:41,340 我々はまずゴールを迎えて 216 00:16:41,340 --> 00:16:45,750 それからまた心の飢えを満たす ために出発しなくてはならない 217 00:16:45,750 --> 00:16:47,680 生き残った者は… 218 00:16:47,680 --> 00:16:51,480 そう 生き残った者にとって 旅は続く 219 00:16:51,480 --> 00:16:53,950 いつか死者たちと合流する日まで 220 00:16:53,950 --> 00:16:58,690 飛ぶことを許されず その日まで 歩き続けなければならない 221 00:16:58,690 --> 00:17:04,030 それにしても 帝国軍の提督たちと 心の交流を持ち得たことは 222 00:17:04,030 --> 00:17:06,930 喜ばしいことだと思う だが 223 00:17:06,930 --> 00:17:10,770 この事実も後世においては 批判の種になるかもしれない 224 00:17:10,770 --> 00:17:14,340 「大量殺戮者同士の 恥知らずな握手だ」と 225 00:17:14,340 --> 00:17:16,280 いや 後世はともかく 226 00:17:16,280 --> 00:17:19,880 戦死者の遺族からは 何と罵倒されても仕方がない 227 00:17:19,880 --> 00:17:22,780 でも 他に選択の道はなかったんだ 228 00:17:22,780 --> 00:17:28,590 今日の状況を作り出すために まず戦わねばならなかったんだ 229 00:17:28,590 --> 00:17:31,190 何をなさってるんです 船長 230 00:17:31,190 --> 00:17:34,730 複利計算 複利計算って 何の? 231 00:17:34,730 --> 00:17:39,370 これまでイゼルローンの連中に 提供した情報の代金さ 232 00:17:39,370 --> 00:17:42,800 代金を取るんですか? そりゃそうさ 233 00:17:42,800 --> 00:17:45,770 第一 無料奉仕なんぞを してもらったとあっては 234 00:17:45,770 --> 00:17:49,380 イゼルローンの連中も 気分が落ち着かんだろ 235 00:17:49,380 --> 00:17:51,310 そうでしょうかね 236 00:17:51,310 --> 00:17:53,980 少なくとも俺なら落ち着かん 237 00:17:53,980 --> 00:17:58,350 俺は誰かと違って 伊達や酔狂で 命を懸けてきたんじゃないぞ 238 00:17:58,350 --> 00:18:00,390 おや そうでしたかね 239 00:18:00,390 --> 00:18:02,790 そうさ 240 00:18:02,790 --> 00:18:04,860 決めた マリネスク 241 00:18:04,860 --> 00:18:08,590 イゼルローンの連中が この過酷なゲームに勝ち残ったら 242 00:18:08,590 --> 00:18:10,830 俺は情報を売買して 243 00:18:10,830 --> 00:18:14,030 新しい時代にふさわしい商人に なってやるぞ 244 00:18:14,030 --> 00:18:18,000 まあ何にしても 良質の製品を売って信用を得て 245 00:18:18,000 --> 00:18:21,210 事業を拡大するのは いいことです 246 00:18:21,210 --> 00:18:24,080 何 一般論を言ってるんだ 247 00:18:24,080 --> 00:18:28,680 それじゃ 早速イゼルローンの 連中の宿舎へ行ってくるかな 248 00:18:32,390 --> 00:18:34,650 何だ 幹部は留守か 249 00:18:34,650 --> 00:18:40,060 よう フェザーンの辣腕家 おたくのルビンスキー氏は元気か 250 00:18:40,060 --> 00:18:42,330 死ぬさ 何! 251 00:18:42,330 --> 00:18:44,930 病院関係者からの情報だ 252 00:18:44,930 --> 00:18:48,700 奴は脳腫瘍で元々 1年足らずの余命だというが 253 00:18:48,700 --> 00:18:51,170 カイザーがハイネセンに 帰着した前後から 254 00:18:51,170 --> 00:18:55,410 食事を拒否しているらしい もう時間の問題だな 255 00:18:55,410 --> 00:18:59,710 ハンストか?しかし そいつは 何だか奴らしくないな 256 00:18:59,710 --> 00:19:02,720 他人の食い物を奪ってでも 生き延びる奴じゃないか 257 00:19:02,720 --> 00:19:06,790 まったくだ だが余命幾ばくもないとなれば 258 00:19:06,790 --> 00:19:09,090 心境も変わるのだろうさ 259 00:19:09,090 --> 00:19:12,730 しかし まずい手だな 偉そうに言ってくれるね 260 00:19:12,730 --> 00:19:15,530 勝負するか? 望むところだ 261 00:19:15,530 --> 00:19:19,230 それは6月13日の 夜のことであった 262 00:19:42,590 --> 00:19:46,990 ああ!大変です ドクター ドクターを! 263 00:19:50,330 --> 00:19:53,130 心停止です ショックを 200で 264 00:19:53,130 --> 00:19:57,770 200 3 2 1 265 00:19:57,770 --> 00:20:02,610 そうです ルビンスキー本人が 自分で機器を外したようです 266 00:20:02,610 --> 00:20:06,180 はい はい そうです 危篤状態です 267 00:20:06,180 --> 00:20:08,380 あっ お待ちください 268 00:20:12,950 --> 00:20:15,450 今 死亡しました 269 00:20:15,450 --> 00:20:19,190 そうか 陰謀の巨魁も 最期はあっけないな 270 00:20:19,190 --> 00:20:22,090 これで宇宙も 少しは静かになるだろう 271 00:20:22,090 --> 00:20:28,030 ルビンスキー関連の書類は まとめて… ん?何だ! 272 00:20:28,030 --> 00:20:30,800 アドリアン・ルビンスキーの 脳波が停止したのは 273 00:20:30,800 --> 00:20:35,610 20時40分のことであり ほぼ同時に それは起こった 274 00:20:35,610 --> 00:20:38,510 それは地震ではなく ハイネセンポリスの地下で 275 00:20:38,510 --> 00:20:41,710 大規模な 人為的爆発が起きたのである 276 00:20:54,460 --> 00:20:59,300 のちに判明したことであるが ルビンスキーは自らの頭蓋骨の中に 277 00:20:59,300 --> 00:21:03,270 脳波による 極低周波爆弾の 制御装置を埋め込んでいて 278 00:21:03,270 --> 00:21:07,040 自分の死と同時に ハイネセンポリスの地下に設置した爆弾が 279 00:21:07,040 --> 00:21:10,040 作動するようにしていたのだった 280 00:21:13,880 --> 00:21:16,720 ルビンスキーの自殺は カイザー・ラインハルトが 281 00:21:16,720 --> 00:21:20,090 ハイネセンに滞在する時機を 狙って爆発を起こし 282 00:21:20,090 --> 00:21:23,690 カイザーを道連れにすることを 狙ったものであった 283 00:21:26,430 --> 00:21:28,430 逃げろ! 284 00:21:35,870 --> 00:21:37,800 消火の用意だ 急げ 急げ 285 00:21:37,800 --> 00:21:40,100 こっちにも来てください 286 00:21:43,510 --> 00:21:46,250 陛下 ご無礼を 287 00:21:46,250 --> 00:21:48,280 陛下 火が迫っております 288 00:21:48,280 --> 00:21:52,650 ここは危険ですので 直ちにご退去を 289 00:21:52,650 --> 00:21:56,290 ハイネセンで死なねば ならんとしたら ここで死ぬ 290 00:21:56,290 --> 00:21:59,160 避難民のように逃げ惑うのは嫌だ 291 00:21:59,160 --> 00:22:03,030 何をおっしゃるのです フェザーンではカイザーリンと皇子が 292 00:22:03,030 --> 00:22:06,270 陛下のお帰りを お待ちになっていらっしゃいます 293 00:22:06,270 --> 00:22:09,470 ご無事でお連れするのが 臣下としての責務なれば 294 00:22:09,470 --> 00:22:11,470 失礼つかまつる 295 00:22:14,310 --> 00:22:17,110 こうしてラインハルトは 危地を脱した 296 00:22:22,450 --> 00:22:25,950 この件に関して 芸術家提督メックリンガーが 297 00:22:25,950 --> 00:22:28,550 記述した文章が残されている 298 00:22:28,550 --> 00:22:33,330 「カイザーの身が無事であったのは ビッテンフェルトの功績であったが」 299 00:22:33,330 --> 00:22:38,260 「彼が芸術 ことに美術造形に 全く興味がなかったからこそ」 300 00:22:38,260 --> 00:22:41,070 「全てが迅速に 処理されたのであった」 301 00:22:41,070 --> 00:22:43,540 「もし美術品の消失を懸念したら」 302 00:22:43,540 --> 00:22:47,370 「万事が遅滞して 重大な結果を生じたであろう」 303 00:22:47,370 --> 00:22:50,640 「誠に幸運と言うべきである」 304 00:22:50,640 --> 00:22:53,550 それはビッテンフェルトの 功績を認めつつ 305 00:22:53,550 --> 00:22:56,820 彼が美術品の搬出に興味を示さず 306 00:22:56,820 --> 00:23:00,320 多くの貴重な絵画や彫刻が 焼失するに任せたことを 307 00:23:00,320 --> 00:23:02,390 暗に批判している 308 00:23:02,390 --> 00:23:06,860 ただ この夜 焼失したのは 美術品だけではなかった 309 00:23:06,860 --> 00:23:09,760 結局 市街は3日間にわたって 炎上を続け 310 00:23:09,760 --> 00:23:15,270 ようやく鎮火した時には 市街地の 30パーセントが焼失してしまっていた 311 00:23:15,270 --> 00:23:21,710 焼死 及び行方不明は5000人を超え 被災者は その500倍に達した 312 00:23:21,710 --> 00:23:26,210 この件が ルビンスキーの命を懸けた テロであることが判明したのは 313 00:23:26,210 --> 00:23:29,710 オーベルシュタインの命を受けた 憲兵隊の働きによる 314 00:23:32,420 --> 00:23:34,890 事件に際し オーベルシュタインは 315 00:23:34,890 --> 00:23:38,190 軍務省関係の書類を 整然と運び出させると 316 00:23:38,190 --> 00:23:42,390 憲兵隊を動かして 不審人物の検挙に当たらせた 317 00:23:42,390 --> 00:23:45,900 その際 検挙された者の中に ルビンスキーの情婦で 318 00:23:45,900 --> 00:23:48,230 共犯者として指名手配されていた 319 00:23:48,230 --> 00:23:50,700 ドミニク・サン・ピエールが いたのである 320 00:23:50,700 --> 00:23:54,410 そうか この一件はルビンスキーが カイザーに捧げる 321 00:23:54,410 --> 00:23:56,940 血まみれの花束か 322 00:23:56,940 --> 00:24:01,680 このような形で銀河帝国に対する 挑戦が終わるということは 323 00:24:01,680 --> 00:24:06,450 アドリアン・ルビンスキーにとって さぞ不本意だったことでしょう 324 00:24:06,450 --> 00:24:09,020 でも 私は同情しません 325 00:24:09,020 --> 00:24:13,860 同情されても喜ぶような人では ありませんでしたから 326 00:24:13,860 --> 00:24:16,230 エルフリーデ・フォン・ コールラウシュという 327 00:24:16,230 --> 00:24:20,170 女性の行方を知っているか? 328 00:24:20,170 --> 00:24:23,600 いいえ そうか 329 00:24:23,600 --> 00:24:27,700 オーベルシュタインは それ以上 追及しようとはしなかった 330 00:24:30,480 --> 00:24:33,710 ドミニクはその後 2ヵ月にわたって勾留され 331 00:24:33,710 --> 00:24:37,580 取り調べを受けたが 結局 起訴猶予となり 332 00:24:37,580 --> 00:24:40,680 釈放されたのち 消息を絶った 333 00:24:42,790 --> 00:24:44,790 ユリアン・ミンツと カイザー・ラインハルトの 334 00:24:44,790 --> 00:24:49,690 正式な会見が実現したのは 6月20日の午後のことであった 335 00:25:08,910 --> 00:25:11,850 卿は確か19歳と聞くが 336 00:25:11,850 --> 00:25:14,720 はい さようです 陛下 337 00:25:14,720 --> 00:25:19,890 19歳の折 余はまだ ゴールデンバウム王朝の大将であった 338 00:25:19,890 --> 00:25:23,530 姓もローエングラムではなく 「自分は何でもやれる」 339 00:25:23,530 --> 00:25:28,030 「友人と2人で 宇宙の全てを 征服できる」と思っていた 340 00:25:28,030 --> 00:25:30,770 陛下はそれを実現なさいました 341 00:25:30,770 --> 00:25:34,240 うむ 卿と初めて対面した時 342 00:25:34,240 --> 00:25:36,880 卿は大言壮語を吐いたな 343 00:25:36,880 --> 00:25:40,250 ローエングラム王朝のために よい策を献じると 344 00:25:40,250 --> 00:25:42,850 それについて 卿が大言を証明する機会を 345 00:25:42,850 --> 00:25:45,850 与えることにしたいのだが 346 00:26:00,630 --> 00:26:04,340 それで 卿は 銀河帝国が死病に侵されぬよう 347 00:26:04,340 --> 00:26:07,870 どのような薬を 調合してくれるのだ 348 00:26:07,870 --> 00:26:10,780 まず 陛下 憲法をお作りください 349 00:26:10,780 --> 00:26:14,680 次に議会をお開きください それで形が整います 350 00:26:14,680 --> 00:26:16,680 立憲政治という器が 351 00:26:16,680 --> 00:26:20,450 器を作った後には 酒をつがなくてはなるまい 352 00:26:20,450 --> 00:26:22,990 どのような酒がふさわしい 353 00:26:22,990 --> 00:26:26,590 酒はよい味を出すまでに 時間がかかります 354 00:26:26,590 --> 00:26:29,060 立憲政治に似合う人材が揃い 355 00:26:29,060 --> 00:26:33,900 それを最もよく運営するまでには 時間が必要でしょう 356 00:26:33,900 --> 00:26:37,770 その時間が カイザーにはないのだった 357 00:26:37,770 --> 00:26:41,470 卿が目的とするところは いささか違うだろう 358 00:26:41,470 --> 00:26:44,780 銀河帝国という器に 立憲政治という酒を 359 00:26:44,780 --> 00:26:48,410 つぐつもりではないのか 360 00:26:48,410 --> 00:26:51,350 そうなれば 民主思想とやらが 銀河帝国を 361 00:26:51,350 --> 00:26:56,160 乗っ取ってしまうことに なるやもしれぬな 362 00:26:56,160 --> 00:26:59,690 フッ 余はフェザーンに帰る 363 00:26:59,690 --> 00:27:02,930 余を待っていてくれる者たちが 幾人かいるのでな 364 00:27:02,930 --> 00:27:07,400 最後の旅をする価値があるだろう 365 00:27:07,400 --> 00:27:11,140 卿もフェザーンへ来るがよい よろしいのですか 陛下? 366 00:27:11,140 --> 00:27:15,010 その方がよい 余よりも むしろ次の支配者に 367 00:27:15,010 --> 00:27:18,410 卿の抱負と識見を 語っておくべきだろう 368 00:27:18,410 --> 00:27:22,280 カイザーリンは余よりはるかに 政治家としての識見に富む 369 00:27:22,280 --> 00:27:26,990 具体的なことは むしろ彼女と 話し合う方がよいだろう 370 00:27:26,990 --> 00:27:31,760 それはカイザー・ラインハルトにとって 最大の のろけではなかったかと 371 00:27:31,760 --> 00:27:35,090 後日になって ユリアンは思ったのだった 372 00:27:35,090 --> 00:27:38,000 その日はラインハルトが 疲労を見せたため 373 00:27:38,000 --> 00:27:40,730 会見は30分ほどで終了し 374 00:27:40,730 --> 00:27:43,970 ユリアンは 目的を達したという満足感を 375 00:27:43,970 --> 00:27:46,970 得られぬまま退出したのだった 376 00:27:51,410 --> 00:27:54,150 ゴールデン・ルーヴェが 377 00:27:54,150 --> 00:27:59,590 全宇宙を征服した覇王の旗が あんなにも力なく… 378 00:27:59,590 --> 00:28:02,520 これはもう最後まで事件が つきまとうぞ 379 00:28:02,520 --> 00:28:05,060 音もなく終幕とはいくまい 380 00:28:05,060 --> 00:28:07,990 予測ではなく 願望でしょう そいつは 381 00:28:07,990 --> 00:28:11,830 とにかく 俺はユリアンに くっついてフェザーンまで行く 382 00:28:11,830 --> 00:28:14,730 こうなれば最後の幕まで 見届けてやるさ 383 00:28:14,730 --> 00:28:16,740 軍務はどうするんです 384 00:28:16,740 --> 00:28:19,400 スーン・スールに任せるさ 385 00:28:19,400 --> 00:28:24,580 あいつは俺ほど独創性はないが 責任感は1.6倍ばかりあるからな 386 00:28:24,580 --> 00:28:26,510 ラオに手伝わせよう 387 00:28:26,510 --> 00:28:30,050 で エース殿は ハイネセンに残るのか? 388 00:28:30,050 --> 00:28:33,790 まさか 留守番は 子供の頃から嫌いでね 389 00:28:33,790 --> 00:28:35,850 聞くところでは ムライのおっさんは 390 00:28:35,850 --> 00:28:40,430 楽隠居してしまう気らしいが 俺たちは そうもいくまい 391 00:28:40,430 --> 00:28:43,360 幕が下りて 劇場の収支が 黒字になったことを 392 00:28:43,360 --> 00:28:47,200 確認するまでは ユリアンに付き合おうや 393 00:28:47,200 --> 00:28:49,470 その頃 ユリアンは シュナイダーから 394 00:28:49,470 --> 00:28:52,000 別れの挨拶を受けていた 395 00:28:52,000 --> 00:28:55,870 メルカッツ提督のご遺族の所へ いらっしゃるのですね 396 00:28:55,870 --> 00:29:00,450 そういうことだ メルカッツ提督は旅を終えられた 397 00:29:00,450 --> 00:29:05,250 そのことをご遺族の方たちに お伝えして 俺の旅も終わる 398 00:29:07,150 --> 00:29:09,090 またいつか会おう 399 00:29:09,090 --> 00:29:11,060 またいつか 必ず 400 00:29:11,060 --> 00:29:15,290 生きての別れであれば いつかまた会えるはずだ 401 00:29:15,290 --> 00:29:18,760 シュナイダーの旅が 実りある終わり方をするよう 402 00:29:18,760 --> 00:29:21,770 ユリアンは心から願った 403 00:29:21,770 --> 00:29:27,270 宇宙暦801年 新帝国暦3年6月27日 404 00:29:33,280 --> 00:29:36,980 銀河帝国皇帝 ラインハルト・ フォン・ローエングラムは 405 00:29:36,980 --> 00:29:40,420 修復を完了した総旗艦 ブリュンヒルトに搭乗して 406 00:29:40,420 --> 00:29:46,160 惑星ハイネセンを発し 帝都フェザーンへと向かった 407 00:29:46,160 --> 00:29:51,160 ラインハルトにとって 最後の恒星間飛行が始まる 408 00:31:25,960 --> 00:31:29,290 自ら終焉の地と定めた 惑星フェザーンに 409 00:31:29,290 --> 00:31:32,060 カイザー・ラインハルトは 帰ってきた 410 00:31:32,060 --> 00:31:35,000 皇妃ヒルダと 姉アンネローゼに見守られて 411 00:31:35,000 --> 00:31:39,440 今 ラインハルトは最期の時を 迎えようとしていた 412 00:31:39,440 --> 00:31:43,380 だが その安息は 地球教徒の 襲撃によって撃ち破られ 413 00:31:43,380 --> 00:31:45,910 居合わせたユリアンらは… 414 00:31:45,910 --> 00:31:51,450 次回「銀河英雄伝説」 最終話「夢、見果てたり」 415 00:31:51,450 --> 00:31:54,050 銀河の歴史も あと1ページ