1 00:02:53,511 --> 00:02:56,011 撃て! 2 00:03:07,025 --> 00:03:08,960 RU75ブロック破損 3 00:03:08,960 --> 00:03:12,530 被害を調査しろ それと負傷者の救出だ!急げ! 4 00:03:12,530 --> 00:03:14,466 ブロックライン 生命反応なし! 5 00:03:14,466 --> 00:03:19,404 そんな!あそこには 4000人からの 兵士が詰めていたはずだが 6 00:03:19,404 --> 00:03:22,040 全滅です! なんということだ 7 00:03:22,040 --> 00:03:23,975 外壁の修復は 現状では不可能ですが 8 00:03:23,975 --> 00:03:26,544 流体金属層は 自然回復します 9 00:03:26,544 --> 00:03:29,447 ただしRU75ブロックにも 進入します! 10 00:03:29,447 --> 00:03:31,416 やむをえない 同ブロックは放棄 11 00:03:31,416 --> 00:03:35,053 非戦闘員に外壁に面したブロックへの 立ち入りを禁止! 12 00:03:35,053 --> 00:03:37,555 司令官代理! 反撃は どうしますか 13 00:03:37,555 --> 00:03:40,058 反撃? せざるをえんでしょう 14 00:03:40,058 --> 00:03:42,560 このまま座して 第2撃を待つことは できません 15 00:03:42,560 --> 00:03:44,496 しかし 今のを見ただろう! 16 00:03:44,496 --> 00:03:48,433 双方で主砲を撃ち合えば 共倒れになってしまうぞ! 17 00:03:48,433 --> 00:03:52,070 そうです! だからこそ その恐怖を教えれば 18 00:03:52,070 --> 00:03:54,506 敵も うかつに 主砲を撃てなくなるでしょう 19 00:03:54,506 --> 00:03:59,010 そうすれば互いに手詰まりになり つまりは 時間を稼ぐことができる 20 00:03:59,010 --> 00:04:01,513 今 敵に 弱みを見せるわけには いきません 21 00:04:01,513 --> 00:04:03,448 分かった そのとおりだ 22 00:04:03,448 --> 00:04:09,187 トールハンマー用意! エネルギー充てん! 23 00:04:09,187 --> 00:04:12,023 エネルギー充てん完了! 狙点固定! 24 00:04:12,023 --> 00:04:14,023 ファイア! 25 00:04:25,537 --> 00:04:29,040 それでは 第一艦隊の出動許可は いただけないのですか? 26 00:04:29,040 --> 00:04:31,943 「当然だろう 第一艦隊を動かしてしまったら」 27 00:04:31,943 --> 00:04:33,912 「首都の守りを どうするのかね」 28 00:04:33,912 --> 00:04:38,550 自分たちの恥をさらすようですが 昨年のクーデターの時 29 00:04:38,550 --> 00:04:41,052 首都には いくつかの艦隊が 駐留しておりましたぞ 30 00:04:41,052 --> 00:04:43,555 にも関わらず クーデターは 起きたでは ありませんか 31 00:04:43,555 --> 00:04:47,058 「だからといって 首都の守りを 空にしていいものではない」 32 00:04:47,058 --> 00:04:48,993 「何しろ 今のハイネセンには」 33 00:04:48,993 --> 00:04:52,497 「頼みの綱だった アルテミスの首飾りもないのだからな」 34 00:04:52,497 --> 00:04:55,400 ですが 第一艦隊を動員するのではなくて 35 00:04:55,400 --> 00:04:58,002 ヤン提督に どの兵力を率いてもらうんですか 36 00:04:58,002 --> 00:05:00,905 「各星域の警備隊や治安部隊を 招集すればいい」 37 00:05:00,905 --> 00:05:04,509 「5000や6000は集められるだろう」 しかし… 38 00:05:04,509 --> 00:05:07,412 「とにかく 国防委員会としての決定だ」 39 00:05:07,412 --> 00:05:10,381 「貴官は その範ちゅうでの 裁量を任されているにすぎん!」 40 00:05:10,381 --> 00:05:14,519 「そこを取り違えぬように」 委員長! 41 00:05:14,519 --> 00:05:18,389 確かに独立部隊は集めても 5000や そこらには なるんじゃろうが 42 00:05:18,389 --> 00:05:21,025 そんな にわかづくりの混成部隊ではな 43 00:05:21,025 --> 00:05:22,961 それで十分とは言えませんが 44 00:05:22,961 --> 00:05:24,896 あまり ご無理をなさらないでください 45 00:05:24,896 --> 00:05:26,898 実はな 軍の内部でも 46 00:05:26,898 --> 00:05:29,534 第一艦隊の動員には 反対が強いんじゃ 47 00:05:29,534 --> 00:05:35,039 クブルスリー本部長が去年の傷がもとで また入院してしまってな 48 00:05:35,039 --> 00:05:37,942 味方してくれる者もおらん 49 00:05:37,942 --> 00:05:40,545 入院が長引けば 辞表を出さざるをえんじゃろう 50 00:05:40,545 --> 00:05:44,415 そうなると いよいよ年寄り1人 孤立無援さ 51 00:05:44,415 --> 00:05:49,053 私がいますよ そいつは ありがたい 52 00:05:49,053 --> 00:05:52,924 4つの独立部隊ですか この2人の准将は知りませんが 53 00:05:52,924 --> 00:05:56,494 モートン少将は存じています 前の第九艦隊の副司令官ですね 54 00:05:56,494 --> 00:06:00,999 うむ アムリッツァの敗戦の際 途中から指揮を引き継いで 55 00:06:00,999 --> 00:06:04,869 艦隊の全面崩壊を防いでおる なかなかに沈着な男じゃ 56 00:06:04,869 --> 00:06:07,505 このアラルコン少将は どこかで聞いた名ですが 57 00:06:07,505 --> 00:06:12,010 民間人と捕虜を虐殺した疑いで 軍法会議にかけられた… 58 00:06:12,010 --> 00:06:15,513 ああ あの証拠不十分で 片づけられた事件か 59 00:06:15,513 --> 00:06:19,384 使いにくいじゃろうが… いえ 兵力は兵力です 60 00:06:19,384 --> 00:06:23,021 とにかく出発して これらの部隊と 合流しながら行きましょう 61 00:06:23,021 --> 00:06:24,956 うむ 頼んだぞ 62 00:06:24,956 --> 00:06:27,892 次は どの手で来るかな まず艦隊を出動させて 63 00:06:27,892 --> 00:06:29,894 艦隊戦を挑むという方法が ありますが 64 00:06:29,894 --> 00:06:32,030 可能性は それほど高くありませんな 65 00:06:32,030 --> 00:06:35,900 なまじ艦隊を動かせば 主砲の 餌食になるだけのことですから 66 00:06:35,900 --> 00:06:38,536 すると? 現在 電磁波と妨害電波が 67 00:06:38,536 --> 00:06:40,471 周辺宙域に充満していて 68 00:06:40,471 --> 00:06:43,408 通信も索敵も工学的なものに 頼るしかありません 69 00:06:43,408 --> 00:06:48,046 そこで この間隙を縫って 小型艦艇で歩兵部隊を送り込み 70 00:06:48,046 --> 00:06:50,548 潜入を図ることが考えられます 71 00:06:50,548 --> 00:06:52,984 うん 防御指揮官のご意見は? 72 00:06:52,984 --> 00:06:55,887 参謀長のご意見は もっともです ただし 付け加えるんだったら 73 00:06:55,887 --> 00:06:57,855 敵が出てくるのを 待つことは ありません 74 00:06:57,855 --> 00:07:00,858 こちらから 同じ手で仕掛けてもいいでしょう 75 00:07:00,858 --> 00:07:03,494 ゲストアドミラルのお考えは? 76 00:07:03,494 --> 00:07:05,430 「第24監視所へ連絡」 77 00:07:05,430 --> 00:07:08,366 「要塞表面に敵の歩兵部隊が 降下を開始しています」 78 00:07:08,366 --> 00:07:11,002 こちらも歩兵部隊を 動員せねばなるまい 79 00:07:11,002 --> 00:07:12,937 シェーンコップ少将 頼む 80 00:07:12,937 --> 00:07:15,506 敵も どうして打つ手が早い リンツ! 81 00:07:15,506 --> 00:07:18,009 はっ! ローゼンリッターを出動させろ 大至急だ 82 00:07:18,009 --> 00:07:19,944 俺が直接 指揮を執る 83 00:07:19,944 --> 00:07:21,879 おい 何も指揮官が自ら 84 00:07:21,879 --> 00:07:25,516 白兵戦に参加する必要はなかろう ここにいてくれ 85 00:07:25,516 --> 00:07:30,016 少し運動してくるだけです すぐ戻りますよ 86 00:07:49,040 --> 00:07:51,040 甘いな 87 00:08:18,503 --> 00:08:21,406 ローゼンリッター! 88 00:08:21,406 --> 00:08:24,375 ≪ローゼンリッター? ≪バラの騎士? 89 00:08:24,375 --> 00:08:28,513 ≪ローゼンリッター… ≪バラの騎士だと… 90 00:08:28,513 --> 00:08:31,513 ひ… 引け! 91 00:08:36,387 --> 00:08:39,887 待て 深追いするな! 92 00:08:44,529 --> 00:08:48,029 砲撃しろ 93 00:08:50,401 --> 00:08:54,901 ウルムハルト 信号弾を上げろ!引き揚げるぞ! 94 00:08:57,475 --> 00:09:00,378 揚陸部隊は失敗したか まあ 仕方がない 95 00:09:00,378 --> 00:09:03,981 こちらの思惑どおり運べば 何の苦労もないからな 96 00:09:03,981 --> 00:09:05,917 相手は 何しろ ヤン・ウェンリーです 97 00:09:05,917 --> 00:09:08,853 ローエングラム侯でさえ 一目を置くほどの男ですから 98 00:09:08,853 --> 00:09:12,490 ヤン・ウェンリーか あの男は逃げ上手でな 99 00:09:12,490 --> 00:09:16,361 一昨年 アムリッツァ会戦に先立つ戦いで まんまと逃げられたことがある 100 00:09:16,361 --> 00:09:19,997 ヤツは勝っていたくせに 逃げ出したのだ 奇妙な男だ 101 00:09:19,997 --> 00:09:21,933 それだけに どんな奇策を使ってくるか 102 00:09:21,933 --> 00:09:23,868 容易に判断しかねますな 103 00:09:23,868 --> 00:09:25,870 だが それを待っていることはない 104 00:09:25,870 --> 00:09:29,507 ヤツが余計な策を弄する前に 先手先手を打つことにしよう 105 00:09:29,507 --> 00:09:32,410 例の件 準備は進んでいるな? 106 00:09:32,410 --> 00:09:35,410 あとは 返しのタイミングだけです うん 107 00:09:37,382 --> 00:09:42,520 なんとか 追い返しましたがね どうです?さっきも言いましたが 108 00:09:42,520 --> 00:09:45,423 今度は こちらから 歩兵と甲兵を送り込んでみては 109 00:09:45,423 --> 00:09:49,394 いや やはり それは駄目だ なぜです?参謀長 110 00:09:49,394 --> 00:09:52,330 貴官は敵の甲兵を数人 捕虜にした 111 00:09:52,330 --> 00:09:55,466 それとは 逆の事態が生じたら どうする? 112 00:09:55,466 --> 00:09:58,369 なるほどね その危険性はあるな 113 00:09:58,369 --> 00:10:01,339 さっきの戦闘で相手の捕虜に なった者は いないだろうな 114 00:10:01,339 --> 00:10:03,975 いないことを祈りたいですが 115 00:10:03,975 --> 00:10:06,477 戦死扱いの中に いないとは言い切れません 116 00:10:06,477 --> 00:10:09,981 宇宙では必ずしも 死体が残るとは限りませんので 117 00:10:09,981 --> 00:10:12,884 行方不明は 戦死扱いにしてしまいますから 118 00:10:12,884 --> 00:10:14,852 うん しかし それにしても… 119 00:10:14,852 --> 00:10:17,488 何だ? 今後を どうするかです 120 00:10:17,488 --> 00:10:19,991 今後? 戦えば捕虜が出るのは当然で 121 00:10:19,991 --> 00:10:21,926 それをなくすのは不可能です 122 00:10:21,926 --> 00:10:24,495 まさか兵士たちに 捕虜になるくらいなら死ねと 123 00:10:24,495 --> 00:10:26,431 命令するわけには いきませんからな 124 00:10:26,431 --> 00:10:29,000 それで? 秘密は いずれ漏れる 125 00:10:29,000 --> 00:10:31,502 とすれば それを逆用するのが得策でしょう 126 00:10:31,502 --> 00:10:34,405 ワナを仕掛けてみますか? しかし それは危険だ 127 00:10:34,405 --> 00:10:37,375 こちらの小細工が やぶへびになった時が怖い 128 00:10:37,375 --> 00:10:40,511 もう少し敵の出方を見てみよう 129 00:10:40,511 --> 00:10:42,447 そうですな それにしても 130 00:10:42,447 --> 00:10:49,020 大技の次は小技と 次は どんな手段で来ることやら 131 00:10:49,020 --> 00:10:51,522 なぜ この時期に 帝国軍は攻めてきたのでしょう 132 00:10:51,522 --> 00:10:54,959 帝国も今は 内政に 力を入れる時期だと思いますが 133 00:10:54,959 --> 00:10:59,464 う~ん たぶん 出兵自体には 大した意味は ないんじゃないかな 134 00:10:59,464 --> 00:11:02,967 新戦法を試してみる程度の つもりかもしれない 135 00:11:02,967 --> 00:11:04,902 勝てば幸いと? 136 00:11:04,902 --> 00:11:08,840 う~ん だから ローエングラム侯も 自分では出てこないんだろうね 137 00:11:08,840 --> 00:11:11,476 むしろ その時期に合わせたように 138 00:11:11,476 --> 00:11:13,978 私が呼び出されたほうに 作為を感じるね 139 00:11:13,978 --> 00:11:15,913 すると また帝国が? 140 00:11:15,913 --> 00:11:17,849 いや それが そうでもないらしい 141 00:11:17,849 --> 00:11:21,853 レベロ議員から聞いた話では そもそも今回の査問は 142 00:11:21,853 --> 00:11:23,988 フェザーンに 吹き込まれたらしいんだ 143 00:11:23,988 --> 00:11:26,891 フェザーンを経由して 帝国からというのも考えられるが 144 00:11:26,891 --> 00:11:31,496 これまでの情報によると 帝国軍は 私の不在を知らないようだ 145 00:11:31,496 --> 00:11:33,431 それでは 閣下が おっしゃっていた 146 00:11:33,431 --> 00:11:38,002 フェザーンが帝国に同盟を 滅ぼさせるという可能性が… 147 00:11:38,002 --> 00:11:39,937 現実のものと なってきたのかもしれない 148 00:11:39,937 --> 00:11:44,876 やれやれ また悪い予感ばかりが当たる 149 00:11:44,876 --> 00:11:48,012 ユリアン すまんが 家の様子を見てきてくれんか 150 00:11:48,012 --> 00:11:50,915 もう4日目だ 子供たちが心配しているだろうが 151 00:11:50,915 --> 00:11:53,818 ここを離れられんのでな 分かりました 152 00:11:53,818 --> 00:11:55,820 「勝利に近づいているのだ!」 153 00:11:55,820 --> 00:11:58,456 パトリチェフのおっさんも よく言うぜ 154 00:11:58,456 --> 00:12:00,958 何が? 前半は 正しいさ 155 00:12:00,958 --> 00:12:04,462 だけど後半がいただけないね ヤン提督が戻る前に 156 00:12:04,462 --> 00:12:07,365 イゼルローンが落ちるって 可能性を無視しているぜ 157 00:12:07,365 --> 00:12:10,334 誰でも悲観論より 楽観論を好むものさ 158 00:12:10,334 --> 00:12:12,970 それが士気ってもんだ 159 00:12:12,970 --> 00:12:16,474 まっ しょぼくれているよりは 空元気でもあったほうがマシか 160 00:12:16,474 --> 00:12:19,377 それにしても 3日以上 ただのにらみ合いだぜ 161 00:12:19,377 --> 00:12:21,979 どうも 性に合わんな 162 00:12:21,979 --> 00:12:25,483 そろそろ始めるか 「はっ!」 163 00:12:25,483 --> 00:12:27,985 「動きました! 敵要塞より艦隊が出撃!」 164 00:12:27,985 --> 00:12:30,888 「トールハンマーの射程を う回して背後に回るようです!」 165 00:12:30,888 --> 00:12:33,491 どういうつもりだ?敵は! 166 00:12:33,491 --> 00:12:37,361 恐らく陽動ですな 我がほうの主砲を艦隊に引き付け 167 00:12:37,361 --> 00:12:40,998 その隙に接近して 要塞砲を撃ち込む策でしょう 168 00:12:40,998 --> 00:12:44,502 で 対応策は? 敵艦隊の砲撃程度では 169 00:12:44,502 --> 00:12:46,437 イゼルローンの防御は 破れんでしょう 170 00:12:46,437 --> 00:12:49,373 では トールハンマーは あくまで敵要塞に向けて けん制し 171 00:12:49,373 --> 00:12:53,010 浮遊砲台を移動して 艦隊を迎撃させるか 172 00:12:53,010 --> 00:12:55,913 「敵艦隊!敵要塞の対極面に 回り込みつつあり!」 173 00:12:55,913 --> 00:12:58,883 浮遊砲台を移動して対処しろ! 174 00:12:58,883 --> 00:13:03,020 「N90からF90 E68からW2O8エリアの浮遊砲台」 175 00:13:03,020 --> 00:13:06,524 「NS00 E48へ移動!」 176 00:13:06,524 --> 00:13:09,026 イゼルローン要塞表面に 無数の砲台確認! 177 00:13:09,026 --> 00:13:12,897 かかったな ミュラー艦隊 所定の位置につきました 178 00:13:12,897 --> 00:13:15,533 よし 始めろ! 179 00:13:15,533 --> 00:13:18,436 敵要塞 移動を開始しました! 接近してきます! 180 00:13:18,436 --> 00:13:24,041 やはり!トールハンマー用意! エネルギー充てん! 181 00:13:24,041 --> 00:13:25,977 イゼルローン要塞表面 トールハンマーを確認 182 00:13:25,977 --> 00:13:29,547 発射体勢にあります! 推定目標 当要塞! 183 00:13:29,547 --> 00:13:34,051 かまわん!最大加速しながら ガイエスハーケンを撃ち込め! 184 00:13:34,051 --> 00:13:35,987 敵要塞 さらに接近! 185 00:13:35,987 --> 00:13:37,922 ヤツら トールハンマーが目に入らんのか 186 00:13:37,922 --> 00:13:40,422 左 2波 接近! 187 00:13:42,560 --> 00:13:48,065 第79砲塔 全壊!生存者なし! LB29ブロック大破 負傷者多数! 188 00:13:48,065 --> 00:13:50,001 第79砲塔は放棄 189 00:13:50,001 --> 00:13:52,903 LB29ブロックの負傷者を 急いで救出せよ! 190 00:13:52,903 --> 00:13:57,403 司令官代理! トールハンマー正射 撃ち返せ! 191 00:14:00,011 --> 00:14:02,511 ひるむな!続けろ! 192 00:14:04,515 --> 00:14:06,450 ヤツら共倒れを覚悟で… 193 00:14:06,450 --> 00:14:09,020 バカな!向こうのほうが 装甲が薄いんだぞ! 194 00:14:09,020 --> 00:14:14,525 被害状況 RG25ブロック大破! なれど先の着弾にして軽微 195 00:14:14,525 --> 00:14:17,428 さらに撃ち返せ! 敵の出力が落ちたか 196 00:14:17,428 --> 00:14:20,928 違います!妙です! 197 00:14:24,035 --> 00:14:25,970 そんな! どうした! 198 00:14:25,970 --> 00:14:27,905 敵要塞の流体金属装甲が 厚くなっていきます! 199 00:14:27,905 --> 00:14:29,907 何?そんなことが… 200 00:14:29,907 --> 00:14:31,909 司令官代理! トールハンマーが水没します! 201 00:14:31,909 --> 00:14:34,545 何だと! どういうことだ! 202 00:14:34,545 --> 00:14:38,545 敵要塞 さらに接近! 映像を出します! 203 00:14:40,418 --> 00:14:43,054 これは… 引力か! 204 00:14:43,054 --> 00:14:44,989 何? 満ち潮というわけか 205 00:14:44,989 --> 00:14:47,558 敵の狙いは これだったのか 206 00:14:47,558 --> 00:14:50,061 ガイエスブルク要塞の 巨大な質量そのものを利用して 207 00:14:50,061 --> 00:14:53,931 こちらの主砲を封じるとともに 自らの装甲を強化するとは! 208 00:14:53,931 --> 00:14:55,866 しまった!後ろだ! 209 00:14:55,866 --> 00:14:58,869 敵艦隊 急速接近! 210 00:14:58,869 --> 00:15:02,506 やられた! 211 00:15:02,506 --> 00:15:06,010 撃て撃て!我らミュラー艦隊こそ 212 00:15:06,010 --> 00:15:09,880 初めて艦砲でイゼルローンの外壁を 破ったと歴史に残るぞ! 213 00:15:09,880 --> 00:15:15,019 ミュラーめ やったな 旗艦停止!距離を保て! 214 00:15:15,019 --> 00:15:17,521 ポイント B796に敵戦艦! 215 00:15:17,521 --> 00:15:21,025 第215砲台に迎撃させろ! 敵要塞停止! 216 00:15:21,025 --> 00:15:22,960 重力場の調整で 元に戻せないのか! 217 00:15:22,960 --> 00:15:24,895 やれないことは ありませんが 218 00:15:24,895 --> 00:15:26,897 すぐには無理です とにかく かかるんだ! 219 00:15:26,897 --> 00:15:30,034 「駐留艦隊 出撃準備 整っております」 220 00:15:30,034 --> 00:15:31,969 そのまま待機! 「このまま港の中で」 221 00:15:31,969 --> 00:15:34,538 「やられちゃ かないません 出撃させてください」 222 00:15:34,538 --> 00:15:37,041 とにかく待て! 「司令官代理!」 223 00:15:37,041 --> 00:15:39,543 今 出たら ガイエスブルクの主砲の餌食だ! 224 00:15:39,543 --> 00:15:41,479 「イゼルローンの陰から 出ればいいでしょう」 225 00:15:41,479 --> 00:15:45,416 そちらには敵艦隊がいる 「死角は ないんですか」 226 00:15:45,416 --> 00:15:49,053 ポイントFZ25に着弾! レーザー水爆ミサイルです! 227 00:15:49,053 --> 00:15:51,555 外壁を破られました! 228 00:15:51,555 --> 00:15:53,491 ワルキューレ発進 229 00:15:53,491 --> 00:15:55,426 重力圏内の 制宙権を確保ししだい 230 00:15:55,426 --> 00:15:58,362 強襲揚陸艦による降下作戦を展開 231 00:15:58,362 --> 00:16:01,365 装甲てき弾兵部隊5万人が 要塞内に侵入し 232 00:16:01,365 --> 00:16:05,002 外部からの攻撃に呼応して 司令室 管制室の制圧を図る 233 00:16:05,002 --> 00:16:08,506 これに成功すれば イゼルローン回廊は我々のものだ! 234 00:16:08,506 --> 00:16:11,408 敵艦隊より艦載機の発進を確認! 数およそ2000! 235 00:16:11,408 --> 00:16:15,012 第1 第2空戦隊 緊急発進! 236 00:16:15,012 --> 00:16:17,915 ユリアンお兄ちゃま 気を付けて! 237 00:16:17,915 --> 00:16:19,884 ((ユリアン 知っているか)) 238 00:16:19,884 --> 00:16:22,887 ((キャゼルヌは将来 お前と シャルロットを結婚させるんだそうだ)) 239 00:16:22,887 --> 00:16:25,022 ((からかわないでください)) 240 00:16:25,022 --> 00:16:26,957 ((シャルロットは 妹みたいなものですよ)) 241 00:16:26,957 --> 00:16:28,893 ((今は そうさ)) 242 00:16:28,893 --> 00:16:31,896 ((でも10年後には お前は26歳で シャルロットは18歳だ)) 243 00:16:31,896 --> 00:16:34,031 ((お似合いじゃないか)) 244 00:16:34,031 --> 00:16:37,902 ((提督は今31歳 グリーンヒル大尉は24歳)) 245 00:16:37,902 --> 00:16:41,906 ((もっと お似合いですよ)) 246 00:16:41,906 --> 00:16:45,042 《提督は いつになったら ハッキリさせるんだろう》 247 00:16:45,042 --> 00:16:47,545 ローエングラム侯が さん奪を企むとしたら 248 00:16:47,545 --> 00:16:49,480 やはり皇帝を殺すのでしょうか 249 00:16:49,480 --> 00:16:52,049 いや それは ないと思うね 250 00:16:52,049 --> 00:16:54,952 7歳の子供を殺せば 政治うんぬんより先に 251 00:16:54,952 --> 00:16:58,489 人道的非難を浴びることに なるのは 明らかだからね 252 00:16:58,489 --> 00:17:00,991 彼は そんな愚劣な選択は しないだろう 253 00:17:00,991 --> 00:17:04,495 そうですわね 彼には それだけの器量がある 254 00:17:04,495 --> 00:17:07,998 だからこそ 多くの名将が 彼の下に集まるんだ 255 00:17:07,998 --> 00:17:12,503 昨年 イゼルローンにみえた キルヒアイス提督も立派な方でしたわ 256 00:17:12,503 --> 00:17:16,373 ああ 私はね 彼の訃報を知った時 257 00:17:16,373 --> 00:17:20,010 古くからの友人を亡くしたような そんな気持ちにさせられた 258 00:17:20,010 --> 00:17:23,514 戦う相手同士の 偽善だといわれるかもしれないが 259 00:17:23,514 --> 00:17:26,016 彼ならば 同盟と帝国の共存のための 260 00:17:26,016 --> 00:17:27,952 懸け橋に なってくれたかもしれない 261 00:17:27,952 --> 00:17:29,887 そう思っていたのでね 262 00:17:29,887 --> 00:17:33,524 閣下は帝国と 共存を願っておられるのですか? 263 00:17:33,524 --> 00:17:36,427 とりあえず 戦争が終わればいいと願っている 264 00:17:36,427 --> 00:17:41,031 別に全人類社会が 単一国家である必要はないさ 265 00:17:41,031 --> 00:17:44,535 同盟と帝国が併存していたって 一向にかまわない 266 00:17:44,535 --> 00:17:46,470 専制国家とですか? 267 00:17:46,470 --> 00:17:48,405 専制政治自体は絶対悪じゃない 268 00:17:48,405 --> 00:17:51,041 ただの政治の いち形態にすぎないのさ 269 00:17:51,041 --> 00:17:54,912 要は それをいかに社会のために なるように運営していくかだ 270 00:17:54,912 --> 00:17:58,849 ローエングラム候は 効率的で公平な善政を敷くだろう 271 00:17:58,849 --> 00:18:01,986 現に帝国は その方向に改革されつつある 272 00:18:01,986 --> 00:18:05,489 実際 政治改革を ドラスティックに進められるのは 273 00:18:05,489 --> 00:18:07,992 民主制より専制のほうなんだ 274 00:18:07,992 --> 00:18:10,895 確かに そうですわね だが専制政治によって 275 00:18:10,895 --> 00:18:13,864 人類が統一されるのは 避けるべきだと思う 276 00:18:13,864 --> 00:18:17,001 それは? 例えばローエングラム侯には 277 00:18:17,001 --> 00:18:22,506 その力量があるかもしれない だが彼の子孫は?彼の後継者は? 278 00:18:22,506 --> 00:18:25,409 常に 名君が輩出するとは限らない 279 00:18:25,409 --> 00:18:29,380 むしろ彼のような存在は 何世紀に 1人の奇跡のようなものだ 280 00:18:29,380 --> 00:18:32,516 そんな個人の資質に 全てを懸けるような制度に 281 00:18:32,516 --> 00:18:36,387 全人類を委ねるわけには いかないと思うのさ 282 00:18:36,387 --> 00:18:38,389 ちょっと待った! 283 00:18:38,389 --> 00:18:42,526 何だ 坊やも今からか? 少佐 ごゆっくりですね 284 00:18:42,526 --> 00:18:46,030 イゼルローンのご婦人方に 博愛精神の何たるかを教授する 285 00:18:46,030 --> 00:18:49,030 重要な仕事があったものでね 286 00:18:57,474 --> 00:19:01,979 「28番機 磁気カタパルトに進入し 合図ありしだい 発進せよ」 287 00:19:01,979 --> 00:19:05,482 了解! 288 00:19:05,482 --> 00:19:08,385 「外に出た瞬間 十分に注意しろ」 289 00:19:08,385 --> 00:19:11,385 発進! 290 00:19:19,997 --> 00:19:23,867 《提督が帰ってくるまで イゼルローンを落とさせやしない》 291 00:19:23,867 --> 00:19:25,869 ウオッカ ラム アップルジャック 292 00:19:25,869 --> 00:19:28,505 シェリー コニャック 各小隊そろってるな 293 00:19:28,505 --> 00:19:31,408 いいか 国を守ろうとか 柄にもないこと考えるな 294 00:19:31,408 --> 00:19:34,011 片思いの あの子のことだけ考えろ 295 00:19:34,011 --> 00:19:35,946 生きて あの子の笑顔を見たいと念じよう 296 00:19:35,946 --> 00:19:37,881 そうすりゃ 妬み深い神様に嫌われて 297 00:19:37,881 --> 00:19:40,884 気のいい悪魔が守ってくれる 分かったか! 298 00:19:40,884 --> 00:19:44,884 「OK!」 よし!俺に続け! 299 00:19:47,524 --> 00:19:51,395 第2飛行隊に続いて 第1飛行隊も全機発進! 300 00:19:51,395 --> 00:19:53,330 コーヒーを1杯頼む 301 00:19:53,330 --> 00:19:57,334 砂糖はスプーンに半分 クリームはいらない 少し薄めにな 302 00:19:57,334 --> 00:19:59,970 生涯 最後のコーヒーかもしれんのだ 303 00:19:59,970 --> 00:20:02,873 うまいやつを頼むぞ は… はい! 304 00:20:02,873 --> 00:20:05,843 コーヒーの味に 注文をつける余裕があるうちは 305 00:20:05,843 --> 00:20:07,845 まだ大丈夫だな 306 00:20:07,845 --> 00:20:10,481 まあね 女とコーヒーについては 307 00:20:10,481 --> 00:20:13,984 死んでも 妥協したくありませんのでね 308 00:20:13,984 --> 00:20:17,488 司令官代理 309 00:20:17,488 --> 00:20:20,991 私に艦隊の指揮権を 一時お貸し願いたい 310 00:20:20,991 --> 00:20:27,498 もう少し 状況を楽にできると思うのですが 311 00:20:27,498 --> 00:20:31,001 お任せします やっていただきましょう 312 00:20:31,001 --> 00:20:34,505 敵の戦闘艇の抵抗が 思ったより激しいものの 313 00:20:34,505 --> 00:20:37,408 全体としての 我が軍の優位は動きません 314 00:20:37,408 --> 00:20:39,376 圧倒しているといって よいでしょう 315 00:20:39,376 --> 00:20:42,012 「うむ この回廊は やがて名を変えるだろう」 316 00:20:42,012 --> 00:20:43,947 「ガイエスブルク回廊とな」 317 00:20:43,947 --> 00:20:48,519 「それともケンプ・ミュラー回廊 ということもありうるぞ」 318 00:20:48,519 --> 00:20:50,454 《どうしたというのだ ケンプ司令官は》 319 00:20:50,454 --> 00:20:53,357 《勝利を前にして 妙に浮ついて見えるが》 320 00:20:53,357 --> 00:20:55,325 手間取ると 足をすくわれることもある 321 00:20:55,325 --> 00:20:59,963 あまり使いたくはないが あの手を使って 一気に決めるか! 322 00:20:59,963 --> 00:21:02,866 無人にした巡航艦を イゼルローンの軍港に突入させる 323 00:21:02,866 --> 00:21:05,469 6隻でよい 至急 用意しろ! 324 00:21:05,469 --> 00:21:08,972 守勢に徹して ヤン提督の来援を待つという 325 00:21:08,972 --> 00:21:12,476 司令官代理の基本方針は 正しいと考える 326 00:21:12,476 --> 00:21:14,978 従って その方針を戦術レベルにおいて 327 00:21:14,978 --> 00:21:18,849 有効に実施するのが 小官の任務である さしあたっては 328 00:21:18,849 --> 00:21:22,853 要塞への上陸を企図する帝国軍を 排除せねばならない 329 00:21:22,853 --> 00:21:24,988 諸君の協力を得たい 330 00:21:24,988 --> 00:21:29,860 私は メルカッツ提督を支持する 331 00:21:29,860 --> 00:21:32,863 私は ヤン提督を全面的に 支持するものです 332 00:21:32,863 --> 00:21:37,501 ですから ヤン提督が支持する メルカッツ提督を支持するでしょう 333 00:21:37,501 --> 00:21:42,372 指示せざるをえんだろう この際 334 00:21:42,372 --> 00:21:45,372 作戦を説明する 335 00:22:01,825 --> 00:22:03,961 間もなく準備完了します 336 00:22:03,961 --> 00:22:08,832 要塞側面に異常! 何! 337 00:22:08,832 --> 00:22:11,332 トールハンマーか! 338 00:22:17,975 --> 00:22:20,477 トールハンマーも 浮遊砲台の一種です 339 00:22:20,477 --> 00:22:22,412 しかも磁場によって 流体金属を へこませ 340 00:22:22,412 --> 00:22:26,350 それを反射鏡にして 射程 光軸を調整するもの 341 00:22:26,350 --> 00:22:28,986 あの角度からでも 撃てないことは ないでしょうが 342 00:22:28,986 --> 00:22:30,921 艦隊 一時後退しつつ 散開! 343 00:22:30,921 --> 00:22:34,491 まぐれ当たりでも密集してると 全滅するぞ! 344 00:22:34,491 --> 00:22:37,995 右舷 回頭! トールハンマーの死角で再集結! 345 00:22:37,995 --> 00:22:41,865 敵艦隊 出撃してきます! 何? 346 00:22:41,865 --> 00:22:44,868 敵艦隊の封じ込めに失敗したか 347 00:22:44,868 --> 00:22:48,505 閣下 まだ我が軍の優勢が 覆されたわけでは ありません! 348 00:22:48,505 --> 00:22:52,009 そのとおりだ 艦隊戦に 持ち込むというのなら望むところ 349 00:22:52,009 --> 00:22:55,512 迎撃するぞ! 敵艦隊 こちらに向かってきません 350 00:22:55,512 --> 00:23:00,017 要塞外周を逆進します! 何だと?戦わずに逃げるのか! 351 00:23:00,017 --> 00:23:01,952 ((ヤンというのは 妙な男でな)) 352 00:23:01,952 --> 00:23:04,521 これはワナだ 我々に後を追わせ 353 00:23:04,521 --> 00:23:07,424 トールハンマーの有効射程に 誘い込むつもりだ! 354 00:23:07,424 --> 00:23:10,027 時計と逆回りに イゼルローンをう回! 355 00:23:10,027 --> 00:23:13,527 敵艦隊の頭を押さえるぞ! 356 00:23:23,540 --> 00:23:28,045 しまった!こちらがワナか! 357 00:23:28,045 --> 00:23:31,545 反転しつつ上昇! 来ます 358 00:23:33,550 --> 00:23:36,453 4時の方向!敵艦隊急襲! 359 00:23:36,453 --> 00:23:39,453 上下回避! 駄目です 360 00:23:44,561 --> 00:23:49,433 密集隊形!火力と装甲の 弱い艦を内側に球形陣を敷け! 361 00:23:49,433 --> 00:23:52,369 持ちこたえれば すぐに援軍が来る! 362 00:23:52,369 --> 00:23:54,371 ミュラーは 何をやっているのだ 363 00:23:54,371 --> 00:23:57,507 主砲は撃てません! 味方を巻き込みます! 364 00:23:57,507 --> 00:24:01,011 アイヘンドルフ!パトリッケン! はっ! 365 00:24:01,011 --> 00:24:04,514 見殺しにもできん 予備兵力8000を率いて出撃し 366 00:24:04,514 --> 00:24:09,514 ミュラーの小僧を救え! はっ!出撃します! 367 00:24:11,388 --> 00:24:14,024 どうも 司令官は焦っておられるようだ 368 00:24:14,024 --> 00:24:17,894 成功すれば武勲の巨大さは 比類ないものとなるが 369 00:24:17,894 --> 00:24:19,896 万が一 失敗したら… 370 00:24:19,896 --> 00:24:23,533 降等は ともかく 官職に 回されるぐらいは あるやもしれん 371 00:24:23,533 --> 00:24:27,404 そうなればロイエンタール ミッタマイヤー両提督との差は 372 00:24:27,404 --> 00:24:30,407 絶望的なものになるからな 373 00:24:30,407 --> 00:24:33,043 ガイエスブルクより増援艦隊出撃 374 00:24:33,043 --> 00:24:36,546 よし 増援艦隊の攻撃と呼応して 一点突破を図る! 375 00:24:36,546 --> 00:24:38,482 放火を集中しろ! 376 00:24:38,482 --> 00:24:44,482 無理に逃がすまいとするな 適度に道を空けて通してやるのだ 377 00:24:49,059 --> 00:24:52,929 このまま 0陣形で敵の後部に集中砲火 378 00:24:52,929 --> 00:24:56,500 少しでも敵の兵力を そいでおくに 越したことは ないからな 379 00:24:56,500 --> 00:24:58,500 だが 深追いは無用だ 380 00:25:05,008 --> 00:25:07,511 敵艦隊は 要塞に引き揚げたようです 381 00:25:07,511 --> 00:25:10,414 味方艦隊も順次 帰還中 382 00:25:10,414 --> 00:25:13,383 さすがだな メルカッツ提督は 383 00:25:13,383 --> 00:25:16,520 まあ 敵にばっかり 優秀な人材が集まったのでは 384 00:25:16,520 --> 00:25:19,022 不公平というものですからな 385 00:25:19,022 --> 00:25:22,526 「卿は善戦した だが単に それだけのことだ」 386 00:25:22,526 --> 00:25:25,028 「実りがなくては何もならぬ」 はっ 387 00:25:25,028 --> 00:25:28,899 「以後は 後方に下がるよう よいな」 388 00:25:28,899 --> 00:25:32,903 《まさか 功を独り占めする つもりでは なかろうな》 389 00:25:32,903 --> 00:25:35,038 どうなさいます?閣下 390 00:25:35,038 --> 00:25:37,541 どうもこうもない 命令には従わざるをえん 391 00:25:37,541 --> 00:25:42,041 それに傷ついた艦隊の 再編もせねば ならんからな 392 00:25:44,414 --> 00:25:49,052 閣下 本国より 戦況報告を求めてきておりますが 393 00:25:49,052 --> 00:25:52,923 何と伝えれば よろしいでしょうか 394 00:25:52,923 --> 00:25:54,858 我が軍 有利 395 00:25:54,858 --> 00:25:57,861 はっ?それだけで… 396 00:25:57,861 --> 00:26:01,498 それ以上は何もいらん ただ我が軍 有利とだけ伝えろ 397 00:26:01,498 --> 00:26:03,998 はっ 398 00:26:06,002 --> 00:26:07,938 それは本当か! 399 00:26:07,938 --> 00:26:09,873 内容の信ぴょう性は 分かりませんが 400 00:26:09,873 --> 00:26:12,876 ひん死の捕虜が高熱にうなされて そう 口走りました 401 00:26:12,876 --> 00:26:17,013 その後 死にましたので 確認することは できませんが 402 00:26:17,013 --> 00:26:19,516 しかし そんなことが ありえるだろうか 403 00:26:19,516 --> 00:26:22,419 あの恐るべき男は 要塞にいないなどと 404 00:26:22,419 --> 00:26:26,022 ヤン・ウェンリーとは それほどまでに 恐るべき男なのですか? 405 00:26:26,022 --> 00:26:29,526 卿は あの要塞を 味方の血を一滴も流すことなく 406 00:26:29,526 --> 00:26:32,028 陥落させることができるか? いえ 407 00:26:32,028 --> 00:26:34,531 では やはり ヤン・ウェンリーは恐るべき男だ 408 00:26:34,531 --> 00:26:38,034 優れた敵には相応の敬意を 払おうじゃないか 少佐 409 00:26:38,034 --> 00:26:40,937 そうすることは我々にとって 決して恥には ならんだろうよ 410 00:26:40,937 --> 00:26:42,906 はい 411 00:26:42,906 --> 00:26:46,543 ところで先刻の敵艦隊の中に 確か 戦艦ヒューベリオンがいたな 412 00:26:46,543 --> 00:26:50,046 はあ あれは確かに ヤン・ウェンリーの旗艦でした 413 00:26:50,046 --> 00:26:53,917 うむ… それにしても ヤン・ウェンリーという男 414 00:26:53,917 --> 00:26:55,852 いればいたで いなければいないで 415 00:26:55,852 --> 00:26:58,855 どれほど 我ら帝国軍を悩ませることか 416 00:26:58,855 --> 00:27:02,492 「魔術師 ヤン」とは よく言ったものだ 417 00:27:02,492 --> 00:27:08,365 <宇宙暦798年 帝国暦489年 4月15日> 418 00:27:08,365 --> 00:27:12,865 <戦線は 再び こう着した> 419 00:27:16,506 --> 00:27:18,442 <イゼルローンへの帰路を急ぐ ヤン> 420 00:27:18,442 --> 00:27:21,378 <一方 同盟の増援の到着を知った 帝国軍は> 421 00:27:21,378 --> 00:27:24,014 <これを逆用して 一挙に回廊突破を図る> 422 00:27:24,014 --> 00:27:27,884 <だが イゼルローン要塞の中で その作戦を見抜いた者がいた> 423 00:27:27,884 --> 00:27:29,886 <次回『銀河英雄伝説』 第34話「帰還」> 424 00:27:29,886 --> 00:27:31,886 <銀河の歴史が また1ページ> 425 00:31:43,873 --> 00:31:45,875 ようやく 捕虜の1人が口を割りました 426 00:31:45,875 --> 00:31:49,012 やはり上から ヤン・ウェンリーがいないと言って 427 00:31:49,012 --> 00:31:51,915 我らを混乱させるようにと 命令されていたとのことです 428 00:31:51,915 --> 00:31:55,518 やはり そうか 危うく だまされるところでしたな 閣下 429 00:31:55,518 --> 00:31:58,021 果たして そうかな? はっ? 430 00:31:58,021 --> 00:31:59,956 ワナを仕掛けたにしては 妙だ 431 00:31:59,956 --> 00:32:03,526 そもそも ヤン・ウェンリーがいないなど という話は にわかに信じ難い 432 00:32:03,526 --> 00:32:06,429 デマとして流す内容にしては 飛躍し過ぎている 433 00:32:06,429 --> 00:32:09,399 確かに それにヤンほどの男が 434 00:32:09,399 --> 00:32:12,335 指揮を執っているにしては 後手後手に回り過ぎる 435 00:32:12,335 --> 00:32:15,972 それでは? 実際にヤンは いないのではないか 436 00:32:15,972 --> 00:32:18,475 そして その情報が漏れたのを ごまかすために 437 00:32:18,475 --> 00:32:20,977 ワナだったと思わせようと しているのではないか 438 00:32:20,977 --> 00:32:25,849 しかし… 確証はない だが… 439 00:32:25,849 --> 00:32:29,486 策敵と警戒の網を 回廊全体へ張り巡らせろ! 440 00:32:29,486 --> 00:32:31,988 閣下… ヤン・ウェンリーは要塞には いない! 441 00:32:31,988 --> 00:32:33,923 その帰途を待って 彼を捕らえるのだ 442 00:32:33,923 --> 00:32:37,861 そうすれば イゼルローンどころか 同盟軍そのものが瓦解し 443 00:32:37,861 --> 00:32:41,998 最終的な勝利は 我らの手に帰すだろう! 444 00:32:41,998 --> 00:32:43,933 何?3000隻も 445 00:32:43,933 --> 00:32:49,506 はあ ミュラー副指令の指示で 回廊の同盟が方向に分散配置を 446 00:32:49,506 --> 00:32:53,009 この時期に ミュラーは何を考えているのだ 447 00:32:53,009 --> 00:32:55,512 昨年 今は亡き ジークフリード・キルヒアイスが 448 00:32:55,512 --> 00:32:58,414 捕虜交換のために イゼルローンに赴きましたが 449 00:32:58,414 --> 00:33:00,383 帰ってから 私に漏らしたことがあります 450 00:33:00,383 --> 00:33:03,386 ヤン・ウェンリーなる人物を 初めて見たが 451 00:33:03,386 --> 00:33:06,022 勇猛な軍人のようには 少しも見えなかった 452 00:33:06,022 --> 00:33:08,525 そこにこそ 彼の恐ろしさがあるのだろうと 453 00:33:08,525 --> 00:33:11,427 「それで?」 捕虜が死ぬ間際に申しました 454 00:33:11,427 --> 00:33:13,963 ヤン・ウェンリーは 要塞にはいないとです 455 00:33:13,963 --> 00:33:15,899 その理由は分かりませんが 456 00:33:15,899 --> 00:33:18,835 当然 彼は我が軍の襲来を知り 急ぎ戻ってくるでしょう 457 00:33:18,835 --> 00:33:20,837 そこを襲って捕らえれば 458 00:33:20,837 --> 00:33:23,473 同盟軍にとっては 致命傷になります 459 00:33:23,473 --> 00:33:25,975 「ヤンは どんな奇策を使うか分からぬ」 460 00:33:25,975 --> 00:33:27,911 「そう言ったのは 卿自身ではないか」 461 00:33:27,911 --> 00:33:29,846 「イゼルローンは同盟にとって 最大の要衝だ」 462 00:33:29,846 --> 00:33:32,482 「その司令官が なんで任地を離れるものか」 463 00:33:32,482 --> 00:33:34,417 「自分が要塞にいないと思わせ」 464 00:33:34,417 --> 00:33:36,352 「兵力を分散させようとの腹に 決まっておる」 465 00:33:36,352 --> 00:33:38,988 「直ちに兵を元の位置に戻せ」 466 00:33:38,988 --> 00:33:43,488 「卿の兵力は予備戦力でして 極めて重要なのだ」 467 00:33:45,495 --> 00:33:47,997 閣下… どうしたものかな?参謀長 468 00:33:47,997 --> 00:33:49,933 お気持ちは分かりますし 469 00:33:49,933 --> 00:33:52,502 小官も閣下のお考えに 賛成では ありますが 470 00:33:52,502 --> 00:33:56,372 閣下は副司令官であられます ご自分の我を通らせるよりも 471 00:33:56,372 --> 00:34:00,376 総司令官のご方針に 従うべきでは ないでしょうか 472 00:34:00,376 --> 00:34:05,014 卿の言うことは正しい 副司令官は 総司令官の意に従うべきだ 473 00:34:05,014 --> 00:34:08,518 分かった 先刻の命令は撤回する! 474 00:34:08,518 --> 00:34:11,020 ロイエンタール ミッターマイヤー はっ! 475 00:34:11,020 --> 00:34:14,457 各々 旗下の艦隊を率いて 直ちにイゼルローン回廊に赴き 476 00:34:14,457 --> 00:34:17,961 ケンプ ミュラーと合流せよ はっ… はあ 477 00:34:17,961 --> 00:34:20,463 ご命令 謹んでお受けいたしますが 478 00:34:20,463 --> 00:34:22,966 この時期に 我らが出撃いたしますと 479 00:34:22,966 --> 00:34:26,469 功績を横取りされると ケンプ提督が誤解しますまいか 480 00:34:26,469 --> 00:34:29,372 そこまで 卿らが心配する必要はない 481 00:34:29,372 --> 00:34:32,342 第一 ケンプが 功績を立てているなら ともかく 482 00:34:32,342 --> 00:34:36,479 そうとは 限らないではないか 御意 483 00:34:36,479 --> 00:34:38,414 戦線を むやみに拡大するな 484 00:34:38,414 --> 00:34:41,351 それ以外のことは 卿らの善処に委ねる 485 00:34:41,351 --> 00:34:43,987 ローエングラム侯は どういう おつもりかな 486 00:34:43,987 --> 00:34:46,489 戦闘が こう着状態に陥っているなら 487 00:34:46,489 --> 00:34:48,992 我々の赴く理由は十分にある 488 00:34:48,992 --> 00:34:51,494 だがケンプは勝っているなら 行く必要はないし 489 00:34:51,494 --> 00:34:53,997 負けていれば いまさら行っても しかたあるまい 490 00:34:53,997 --> 00:34:56,900 いずれにせよ 我らは 宰相閣下のご命令を受けたのだ 491 00:34:56,900 --> 00:34:59,869 最善を尽くすとしよう うむ 492 00:34:59,869 --> 00:35:01,871 さしあたり 戦場に着く早々 493 00:35:01,871 --> 00:35:04,507 戦わねばならぬ状況であった時 どうするかだ 494 00:35:04,507 --> 00:35:07,010 あとは その場で考えればよかろう そうだな 495 00:35:07,010 --> 00:35:10,513 とりあえず ケンプが敗れて 追撃されている時の対処だな 496 00:35:10,513 --> 00:35:12,949 ケンプ提督からの報告書 497 00:35:12,949 --> 00:35:15,451 何やら お気に召さぬご様子と 伺いましたが 498 00:35:15,451 --> 00:35:17,387 ケンプも もう少しやると思ったが 499 00:35:17,387 --> 00:35:20,323 敵を苦しめたという辺りが 限界のようだな 500 00:35:20,323 --> 00:35:23,960 目的は 要塞を無力化することにあるのだ 501 00:35:23,960 --> 00:35:27,830 必ずしも攻略 占拠する必要はない 極端なことを言えば 502 00:35:27,830 --> 00:35:31,467 要塞に要塞をぶつけて 破壊してしまっても良かったのだ 503 00:35:31,467 --> 00:35:34,971 ですが ケンプ提督は ガイエスブルクを拠点にして 504 00:35:34,971 --> 00:35:38,474 正面から堂々と決戦を挑むことに 意義を見いだしたのでは? 505 00:35:38,474 --> 00:35:40,977 だから限界だと言っている 506 00:35:40,977 --> 00:35:44,847 その点 ケンプを責任者に 選んだほうも責任を免れますまい 507 00:35:44,847 --> 00:35:48,484 彼を推挙した小官も 誤った選択を反省しております 508 00:35:48,484 --> 00:35:53,990 ほう なかなか殊勝ではないか だが最終的に彼を選んだのは私だ 509 00:35:53,990 --> 00:35:55,925 それに 本をただせば あのシャフトが 510 00:35:55,925 --> 00:35:58,494 無用な提案をしたことに 原因がある 511 00:35:58,494 --> 00:36:00,430 無益だけなら まだ良いが 512 00:36:00,430 --> 00:36:04,000 有害ときては 私としては遇する方法を知らんが 513 00:36:04,000 --> 00:36:06,903 ですが 武力だけで 宇宙を手に入れるのは困難です 514 00:36:06,903 --> 00:36:09,872 たとえ汚れたものでも 駒は より多く 515 00:36:09,872 --> 00:36:11,808 おそろえになったほうが よろしいかと 516 00:36:11,808 --> 00:36:13,810 誤解するな オーベルシュタイン 517 00:36:13,810 --> 00:36:16,946 私は宇宙を盗みたいのではない 奪いたいのだ 518 00:36:16,946 --> 00:36:18,946 御意 519 00:36:20,817 --> 00:36:24,454 我々には それほど時間はないんだ と申しますと? 520 00:36:24,454 --> 00:36:27,357 戦線が こう着していると知った ローエングラム侯は 521 00:36:27,357 --> 00:36:31,327 増援を派遣するに違いない もし増援が来るまでに 522 00:36:31,327 --> 00:36:33,963 イゼルローン周辺宙域を 回復していなければ 523 00:36:33,963 --> 00:36:36,866 我々の勝算は ゼロに近くなる 524 00:36:36,866 --> 00:36:39,469 これまでは 時間が味方してくれたけれど 525 00:36:39,469 --> 00:36:41,404 これからは そうでは なくなるんですね 526 00:36:41,404 --> 00:36:43,339 うん それにしても 527 00:36:43,339 --> 00:36:47,343 持ちこたえてくれて幸いでしたわ もし閣下が敵の指揮官なら 528 00:36:47,343 --> 00:36:49,479 とっくにイゼルローンを 落としておいででしょ? 529 00:36:49,479 --> 00:36:52,982 そうだね 私だったら 要塞に要塞を ぶつけるだろうね 530 00:36:52,982 --> 00:36:56,486 ドカーンと一発 相打ち それで おしまいさ 531 00:36:56,486 --> 00:36:59,389 その後で 別の要塞を運んでくればいい 532 00:36:59,389 --> 00:37:03,359 随分と過激な方法ですわ でも有効だろ 533 00:37:03,359 --> 00:37:06,996 だけど どうやら帝国軍の指揮官は 発想の転換が 534 00:37:06,996 --> 00:37:10,500 できなかったみたいだ もっとも 既に その策で来られていたら 535 00:37:10,500 --> 00:37:12,435 どうにも対策は なかったんだが 536 00:37:12,435 --> 00:37:14,370 これから その手で来るということであれば 537 00:37:14,370 --> 00:37:18,870 1つだけ対応策があるんだけどね 538 00:37:22,945 --> 00:37:25,448 まあ そう興奮なさらず 弁務官殿 539 00:37:25,448 --> 00:37:27,383 とは おっしゃるが補佐官! 540 00:37:27,383 --> 00:37:29,952 小生としましては 冷静さを保ちかねます! 541 00:37:29,952 --> 00:37:31,888 我々は あなたの勧告に従って 542 00:37:31,888 --> 00:37:36,459 ヤン提督をイゼルローンから召喚し 査問にかけたんですぞ! 543 00:37:36,459 --> 00:37:38,394 ところが どうです その留守を狙って 544 00:37:38,394 --> 00:37:40,329 帝国が大挙 国境を侵してきた 545 00:37:40,329 --> 00:37:42,331 なんという 見事なタイミングでしょうか! 546 00:37:42,331 --> 00:37:45,968 この辺りの事情について ぜひとも 詳しくご説明いただきたい! 547 00:37:45,968 --> 00:37:48,871 お茶が冷めますよ お茶どころではない! 548 00:37:48,871 --> 00:37:52,475 我々は あなたの勧告に従って それを… 549 00:37:52,475 --> 00:37:55,378 不当な勧告でしたな 何ですと! 550 00:37:55,378 --> 00:37:57,980 不当だったと 申し上げているのです 551 00:37:57,980 --> 00:38:00,883 いや… そもそもヤン提督を 552 00:38:00,883 --> 00:38:02,852 査問にかけるべきだなどと 口を出す権利は 553 00:38:02,852 --> 00:38:04,854 私どもには なかった 554 00:38:04,854 --> 00:38:08,991 内政干渉に当たることですからな あなた方のほうこそ 555 00:38:08,991 --> 00:38:11,894 拒否すべき正当な権利と理由が あったはずです 556 00:38:11,894 --> 00:38:14,430 それは…! その権利を あなた方は 557 00:38:14,430 --> 00:38:17,934 行使なさらなかった 私どもが勝手に口を差し挟み 558 00:38:17,934 --> 00:38:20,837 あなた方は自主的に それを受け入れた それでも なお 559 00:38:20,837 --> 00:38:25,808 全責任は 私どもフェザーンにあると 弁務官殿は 主張なさるのですか? 560 00:38:25,808 --> 00:38:28,444 しかし あの時 もし拒否していたら 561 00:38:28,444 --> 00:38:30,379 私ども自由惑星同盟は 562 00:38:30,379 --> 00:38:33,950 あなた方 フェザーンの厚意を 得ることは 今後できなくなる! 563 00:38:33,950 --> 00:38:37,453 あの時の あなたの態度から 私どもが そう考えたとしても 564 00:38:37,453 --> 00:38:39,388 無理のないことでしょう! 565 00:38:39,388 --> 00:38:41,958 まあ 済んだことを言っても 始まりませんな 566 00:38:41,958 --> 00:38:43,893 問題は これからです 567 00:38:43,893 --> 00:38:47,463 今後 一体 どうなさる おつもりですかな?弁務官殿 568 00:38:47,463 --> 00:38:50,967 今後とは? おやおや 考えていらっしゃらない 569 00:38:50,967 --> 00:38:54,837 困りましたな 私どもフェザーンは 真剣に悩んでいるのですよ 570 00:38:54,837 --> 00:38:58,841 現在のトリューニヒト政権と 将来あるべきヤン政権と 571 00:38:58,841 --> 00:39:01,978 どちらと 友ぎを結ぶべきであろうかとね 572 00:39:01,978 --> 00:39:05,848 将来あるべきヤン政権ですと? バカな! 573 00:39:05,848 --> 00:39:08,851 いや 失礼 しかし そんなことは あるはずがない 574 00:39:08,851 --> 00:39:12,922 絶対にありません! ほう 自信満々で断定なさる 575 00:39:12,922 --> 00:39:14,857 では伺いますが3年前 576 00:39:14,857 --> 00:39:17,793 あなた方は ラインハルト・フォン・ローエングラムなる若者が 577 00:39:17,793 --> 00:39:22,431 ごく近い将来に銀河帝国の 支配者になるであろうことを 578 00:39:22,431 --> 00:39:24,367 予測なされましたか? いや それは… 579 00:39:24,367 --> 00:39:26,302 歴史の可能性の豊かなこと 580 00:39:26,302 --> 00:39:28,304 運命の気まぐれなこと かくのごとしです 581 00:39:28,304 --> 00:39:32,441 弁務官殿も よくお考えに なったほうが よろしいでしょうな 582 00:39:32,441 --> 00:39:35,344 先行投資の重要さというものを 583 00:39:35,344 --> 00:39:38,314 人間には現在は無論大切ですが 584 00:39:38,314 --> 00:39:40,950 どうせなら 過去の結果としての現在より 585 00:39:40,950 --> 00:39:47,456 未来の原因としての現在を より大切に なさるべきでしょうな 586 00:39:47,456 --> 00:39:51,961 「11時の方向に敵兵 数 およそ50 敵のしょう戒部隊と思われます!」 587 00:39:51,961 --> 00:39:54,864 発見されてしまいましたな これで奇襲は できなくなりました 588 00:39:54,864 --> 00:39:59,468 えっ 奇襲?私は最初から そんなもの する気は なかったよ 589 00:39:59,468 --> 00:40:02,972 帝国軍が我々を見つけてくれて 実は安心しているんだが 590 00:40:02,972 --> 00:40:05,875 ≪えっ? つまり帝国軍の指揮官は 591 00:40:05,875 --> 00:40:08,844 我々を発見して 選択を迫られることになる 592 00:40:08,844 --> 00:40:11,981 このまま イゼルローン要塞を攻撃し続けて 593 00:40:11,981 --> 00:40:13,916 我々の攻撃に背を向けるか 594 00:40:13,916 --> 00:40:16,852 逆に我々と対して イゼルローンに後ろを見せるか 595 00:40:16,852 --> 00:40:19,855 兵力を分散して 二正面作戦をとるか 596 00:40:19,855 --> 00:40:22,992 タイムラグをつけて 各個撃破するという賭けに出るか 597 00:40:22,992 --> 00:40:27,863 勝算なしとみて退却するか まっ 追い込まれたわけだ 598 00:40:27,863 --> 00:40:32,001 これだけでも 我々は有利になったんだよ 599 00:40:32,001 --> 00:40:34,503 私としては ぜひ 5番目の選択をしてほしいね 600 00:40:34,503 --> 00:40:38,007 そうすると犠牲者が出ないし 第一 楽でいい 601 00:40:38,007 --> 00:40:41,510 ≪ああ… ≪それは そうだ… 602 00:40:41,510 --> 00:40:43,446 この敵の援軍を逆に利用する 603 00:40:43,446 --> 00:40:46,382 まずイゼルローン要塞前面より 急速撤退する 604 00:40:46,382 --> 00:40:48,384 要塞の同盟軍が これを見れば 605 00:40:48,384 --> 00:40:51,020 援軍が来たために 我らが後退したと考え 606 00:40:51,020 --> 00:40:53,923 この機に挟撃しようとして 出撃してくるだろう 607 00:40:53,923 --> 00:40:55,891 その時 反転して これをたたく 608 00:40:55,891 --> 00:40:58,894 すると彼らは援軍の到着は 我々の擬態だと思い 609 00:40:58,894 --> 00:41:01,530 再び要塞内に引きこもるであろう 610 00:41:01,530 --> 00:41:04,033 こうして要塞の駐留艦隊を 封じ込めておいて 611 00:41:04,033 --> 00:41:06,936 再反転し同盟軍の援軍を撃破する 612 00:41:06,936 --> 00:41:12,842 時差をつけての 各個対処戦法というわけだ 613 00:41:12,842 --> 00:41:16,979 見事な作戦ですが 時間的余裕がありませんので 614 00:41:16,979 --> 00:41:19,482 一歩間違えれば 挟撃される危険性があります 615 00:41:19,482 --> 00:41:21,984 各個撃破の方針自体は 正しいと思われますので 616 00:41:21,984 --> 00:41:26,489 艦隊で敵の援軍をたたく間 ガイエスブルク要塞を イゼルローンのけん制に 617 00:41:26,489 --> 00:41:28,424 残しておかれては いかがでしょうか 618 00:41:28,424 --> 00:41:34,363 卿の言にも一理ある よかろう 作戦は一部 修正する 619 00:41:34,363 --> 00:41:38,000 敵艦隊 やはり後退しています! ガイエスブルクは? 620 00:41:38,000 --> 00:41:39,935 依然 動きません 距離60万キロ! 621 00:41:39,935 --> 00:41:41,871 援軍が来たのでしょうか 622 00:41:41,871 --> 00:41:45,508 そう思わせておいて 我々を おびき出すつもりかもしれん 623 00:41:45,508 --> 00:41:49,011 ワナというわけか 624 00:41:49,011 --> 00:41:52,515 どう思う?坊や 両方かもしれません 625 00:41:52,515 --> 00:41:54,450 両方? はい 626 00:41:54,450 --> 00:41:58,020 援軍は確かに近くまで来ています 帝国軍は それを知って 627 00:41:58,020 --> 00:42:00,523 逆にワナに利用しようと してるんじゃないでしょうか 628 00:42:00,523 --> 00:42:02,458 というと? 援軍が来たと思って 629 00:42:02,458 --> 00:42:05,027 こちらの艦隊が 出ていったところへ 630 00:42:05,027 --> 00:42:07,530 敵の全面攻撃がかかれば やはりワナだから 631 00:42:07,530 --> 00:42:09,465 引き揚げろ ということになるでしょ 632 00:42:09,465 --> 00:42:11,967 そうやって こちらの艦隊を封じ込めておいて 633 00:42:11,967 --> 00:42:17,840 彼らは援軍を迎撃するのに 全力を挙げるというわけです 634 00:42:17,840 --> 00:42:20,476 どうして そうだと思うんだ? ユリアン 635 00:42:20,476 --> 00:42:22,411 帝国軍の動きが不自然すぎます 636 00:42:22,411 --> 00:42:26,349 それは確かに そうだが それだけで判断の根拠になるのか 637 00:42:26,349 --> 00:42:29,485 えっと… それは こうです 彼らが こちらの艦隊を 638 00:42:29,485 --> 00:42:32,388 おびき出そうとする時 その目的は何でしょうか 639 00:42:32,388 --> 00:42:35,358 伏兵を敷いて 艦隊をたたこうとしているか 640 00:42:35,358 --> 00:42:37,360 こちらの艦隊の旗艦に食いついて 641 00:42:37,360 --> 00:42:40,496 要塞内に侵入を図るか どちらかですよね 642 00:42:40,496 --> 00:42:43,399 でも こちらが防御に徹して 遠く出撃しないことは 643 00:42:43,399 --> 00:42:47,002 敵も承知しているはずですから むしろ彼らは 644 00:42:47,002 --> 00:42:49,505 こちらの防御心理を利用して 封じ込めに出るでしょう 645 00:42:49,505 --> 00:42:52,408 そのほうが 確実性が高いですからね 646 00:42:52,408 --> 00:42:56,379 なるほど 坊やは 俺やポプランの弟子である前に 647 00:42:56,379 --> 00:42:59,515 ヤン提督の1番弟子であることは よく分かった 648 00:42:59,515 --> 00:43:02,418 うん メルカッツ提督 いかがですか? 649 00:43:02,418 --> 00:43:05,020 そういうことであれば 話は難しくない 650 00:43:05,020 --> 00:43:08,524 我々は彼らに封じ込まれたフリを すれば良いのです 651 00:43:08,524 --> 00:43:12,395 そして彼らが反転した時に 突出して その後背を討つ 652 00:43:12,395 --> 00:43:16,966 援軍との呼吸が合えば 理想的な 挟撃戦が展開できるでしょう 653 00:43:16,966 --> 00:43:19,869 分かりました 提督には艦隊の 指揮をお願いしたいのですが 654 00:43:19,869 --> 00:43:21,837 承知しました 655 00:43:21,837 --> 00:43:27,837 そうだ ユリアン君にはヒューベリオンに 同乗してもらおう 艦橋にな 656 00:43:30,980 --> 00:43:32,980 はい! 657 00:43:34,850 --> 00:43:36,852 敵 駐留艦隊 イゼルローンより出撃 658 00:43:36,852 --> 00:43:42,852 よし!全艦隊 急速反転! 直ちに総攻撃! 659 00:43:46,996 --> 00:43:51,996 帝国艦隊 急速に接近中 うむ 660 00:43:59,008 --> 00:44:02,508 頃合いを計って 引くぞ はい 661 00:44:04,513 --> 00:44:10,513 敵艦隊 後退します よし 一挙に押し返せ! 662 00:44:13,322 --> 00:44:17,960 要塞砲の射程には入るなよ 663 00:44:17,960 --> 00:44:20,863 帝国艦隊 主砲の射程には入ってきません 664 00:44:20,863 --> 00:44:24,467 やはりな こちらは イゼルローン要塞に戻ると見せて 665 00:44:24,467 --> 00:44:27,970 流体金属内で待機 666 00:44:27,970 --> 00:44:31,841 よし 再反転! 敵要塞の探知範囲外で合流し 667 00:44:31,841 --> 00:44:37,480 同盟領方向に転進! 敵の援軍を たたくぞ! 668 00:44:37,480 --> 00:44:42,985 前方 11時半の方向から 敵艦隊!数 およそ1万2000! 669 00:44:42,985 --> 00:44:45,888 《さて 味方は動いてくれるだろうか》 670 00:44:45,888 --> 00:44:47,857 《さもないと 5000隻程度の我々など》 671 00:44:47,857 --> 00:44:51,994 《ひとたまりもないが 老練なメルカッツ提督もおられる》 672 00:44:51,994 --> 00:44:54,897 《それにユリアン 教えたことを 覚えているだろうか》 673 00:44:54,897 --> 00:44:56,866 《そうしてくれれば… いや》 674 00:44:56,866 --> 00:44:59,869 《私は ユリアンが軍人になることを 望んでいなかったはず》 675 00:44:59,869 --> 00:45:03,005 《いささか 虫がいいというものだ》 676 00:45:03,005 --> 00:45:08,511 敵 射程距離に入ります! よし 予定どおりにしてくれ 677 00:45:08,511 --> 00:45:13,511 全艦後退! 敵との相対速度をゼロに保て 678 00:45:15,317 --> 00:45:17,319 敵は後退しつつあります 679 00:45:17,319 --> 00:45:19,955 5分前から 相対距離が縮まりません 680 00:45:19,955 --> 00:45:22,858 敵が縦深陣を敷いて 我々をその中へ 681 00:45:22,858 --> 00:45:24,827 引き込もうとしている可能性は ないか? 682 00:45:24,827 --> 00:45:29,965 その可能性は 極めて少ない模様 では ヤツらの意図は 時間稼ぎだ 683 00:45:29,965 --> 00:45:32,468 味方の艦隊が要塞を出るのを 待つつもりだろう 684 00:45:32,468 --> 00:45:38,340 こざかしい!その手に乗るか! 全艦隊!最大船速! 685 00:45:38,340 --> 00:45:40,976 敵艦隊 加速! 686 00:45:40,976 --> 00:45:44,976 敵 射程距離に入ります! よし!撃て! 687 00:45:51,987 --> 00:45:54,490 閣下! 688 00:45:54,490 --> 00:45:56,425 フォーメーションDを… 689 00:45:56,425 --> 00:45:59,925 フォーメーションD! 690 00:46:11,907 --> 00:46:13,842 こしゃくなマネを! 691 00:46:13,842 --> 00:46:16,812 強行突破して反転し 敵の外側から逆包囲しろ! 692 00:46:16,812 --> 00:46:19,448 閣下 それは無理です 何? 693 00:46:19,448 --> 00:46:22,952 敵は回廊の航行可能空間を いっぱいに利用してます 694 00:46:22,952 --> 00:46:25,854 敵のさらに外側に出ては 艦が もちません 695 00:46:25,854 --> 00:46:28,824 敵に倍する艦が 動きも取れんのか! 696 00:46:28,824 --> 00:46:30,826 後方より敵襲! 何! 697 00:46:30,826 --> 00:46:34,326 天井方向です! 698 00:46:44,340 --> 00:46:46,340 ≪やった! ≪やった やった! 699 00:46:48,477 --> 00:46:50,980 こんなに早く再出撃してくるとは 700 00:46:50,980 --> 00:46:55,484 謀られた!敵は 要塞に戻っていなかったのだ! 701 00:46:55,484 --> 00:47:00,484 味方の後衛が壊滅しつつあります 702 00:47:06,495 --> 00:47:09,999 装甲の厚い艦を前に出せ! 無秩序に後退するな! 703 00:47:09,999 --> 00:47:12,434 傷ついた艦を 内側に下がらせながら 704 00:47:12,434 --> 00:47:15,434 艦列に隙をつくるな! 705 00:47:17,940 --> 00:47:19,875 パトリッケン少将 戦死! 706 00:47:19,875 --> 00:47:23,812 退却するな!背後をつかれたら 前面の敵を打ち破り 707 00:47:23,812 --> 00:47:26,448 そのまま 同盟領に なだれ込むまでだ! 708 00:47:26,448 --> 00:47:28,951 そうすれば 不可能といわれた 回廊突破がなり 709 00:47:28,951 --> 00:47:32,821 宇宙は我らのものになる! 710 00:47:32,821 --> 00:47:36,321 フォーメーションE 711 00:47:44,433 --> 00:47:46,368 アイヘンドルフ艦隊 壊滅! 712 00:47:46,368 --> 00:47:50,339 閣下 もはや突破は不可能です このままでは死か捕虜か 713 00:47:50,339 --> 00:47:53,475 いずれかが 我々を待ち受けることになります 714 00:47:53,475 --> 00:47:58,475 申し上げにくいことながら 退却なさるべきでしょう 715 00:48:05,988 --> 00:48:09,491 そうだ あれがあった! あれと おっしゃいますと? 716 00:48:09,491 --> 00:48:12,394 ガイエスブルクだ あの薄らデカい役立たずを 717 00:48:12,394 --> 00:48:14,329 イゼルローン要塞に ぶつけてしまうのだ! 718 00:48:14,329 --> 00:48:17,299 そうすればイゼルローンとて ひとたまりもない! 719 00:48:17,299 --> 00:48:21,437 艦隊戦では敗れたが まだ完全に 負けたわけではないぞ! 720 00:48:21,437 --> 00:48:25,941 全艦反転!密集隊形をとって 後方の敵陣を強行突破し 721 00:48:25,941 --> 00:48:28,444 ガイエスブルクへ撤退する! 722 00:48:28,444 --> 00:48:31,947 敵艦隊 銀河水準面に対して マイナス方向に転進 723 00:48:31,947 --> 00:48:33,882 無理に食い止めようとするな 724 00:48:33,882 --> 00:48:38,382 今は ヤン提督との合流を 果たすのが先決だ 725 00:48:40,456 --> 00:48:45,327 「ヤン閣下 味方は なぜ みすみす 敵を取り逃がしてしまうのか!」 726 00:48:45,327 --> 00:48:47,329 「今からでも 我らが追撃をかければ」 727 00:48:47,329 --> 00:48:49,465 「味方も呼応して せん滅できましょう」 728 00:48:49,465 --> 00:48:52,968 「攻撃命令をいただきたい!」 いや あれでいいんだ 729 00:48:52,968 --> 00:48:54,903 敵には 要塞に戻ってもらわねばならない 730 00:48:54,903 --> 00:48:57,840 「閣下は甘い!敵は たたける時に たたいておかねば」 731 00:48:57,840 --> 00:49:00,476 「後に 憂いを残す結果になりますぞ!」 732 00:49:00,476 --> 00:49:03,976 私に考えがあるんだ 今は あれでいい 733 00:49:13,422 --> 00:49:15,357 ≪やった! ≪やった やった! 734 00:49:15,357 --> 00:49:19,294 メルカッツ提督 お礼の申しようもありません 735 00:49:19,294 --> 00:49:22,931 「最大の功労者を紹介します」 736 00:49:22,931 --> 00:49:24,867 「ヤン提督 おかえりなさい」 737 00:49:24,867 --> 00:49:27,867 ユリアンか 738 00:49:29,805 --> 00:49:31,940 (警報音) 739 00:49:31,940 --> 00:49:33,876 ガイエスブルク要塞が 動きだしました! 740 00:49:33,876 --> 00:49:35,811 イゼルローン要塞に 向かっています! 741 00:49:35,811 --> 00:49:40,449 まさか… まさか衝突する気では! 742 00:49:40,449 --> 00:49:43,352 気付いたな だが遅かった 743 00:49:43,352 --> 00:49:46,321 各艦 脱出シャトルの収容準備をして待機! 744 00:49:46,321 --> 00:49:48,821 ≪おい…! ≪急げ…! 745 00:49:52,961 --> 00:49:54,897 トールハンマー 発射準備完了 746 00:49:54,897 --> 00:49:58,467 いかん!近すぎる! ヤン! 747 00:49:58,467 --> 00:50:02,337 要塞そのものに艦砲は通じない 稼働中のエンジンを狙え 748 00:50:02,337 --> 00:50:06,975 進行方向 左端の1機に 全艦で集中砲火 749 00:50:06,975 --> 00:50:08,911 撃て 撃て! 750 00:50:08,911 --> 00:50:11,411 撃て! 751 00:50:40,509 --> 00:50:44,379 全艦離脱! 752 00:50:44,379 --> 00:50:47,382 ≪もう駄目だ! ≪退避しろ! 753 00:50:47,382 --> 00:50:50,382 今だ! 撃て! 754 00:51:09,538 --> 00:51:14,538 見たか!ヤン提督の魔術を! 755 00:51:27,923 --> 00:51:30,492 総員退去せよ 756 00:51:30,492 --> 00:51:35,998 閣下は どうなさるのですか? 俺は もう助からん これを見ろ 757 00:51:35,998 --> 00:51:38,998 閣下… 758 00:51:45,007 --> 00:51:48,007 緊急発進だ!邪魔をするな! 待ってくれ! 759 00:52:23,478 --> 00:52:26,978 閣下… 軍医を早く! 760 00:52:31,987 --> 00:52:34,489 全治に どれぐらいかかるか 761 00:52:34,489 --> 00:52:36,992 閣下は 不死身でいらっしゃいますな 762 00:52:36,992 --> 00:52:40,862 いいセリフだ 私の墓には そう書いてもらおう 763 00:52:40,862 --> 00:52:42,864 で 全治には どれぐらいだ? 764 00:52:42,864 --> 00:52:46,001 ろっ骨が 数本折れております 3か月は… 765 00:52:46,001 --> 00:52:48,503 そうか すぐに医務室のほうへ! 766 00:52:48,503 --> 00:52:52,007 駄目だ ここで治療してもらおう はっ… はあ 767 00:52:52,007 --> 00:53:01,007 (歓声) 768 00:53:05,520 --> 00:53:08,423 ケンプ司令官は どうなさった? 769 00:53:08,423 --> 00:53:11,960 亡くなられました 亡くなった? 770 00:53:11,960 --> 00:53:13,895 ケンプ司令官より伝言です 771 00:53:13,895 --> 00:53:20,969 最後に こう言っておいででした 「ミュラーに わびておいてくれ」と 772 00:53:20,969 --> 00:53:25,841 大神オーディンも照覧あれ! ケンプ提督の復しゅうは 必ずする! 773 00:53:25,841 --> 00:53:29,978 ヤン・ウェンリーの首を この手で つかんでやるぞ! 774 00:53:29,978 --> 00:53:33,849 今は駄目だ 俺には力がない ヤツとの差がありすぎる! 775 00:53:33,849 --> 00:53:37,486 だが 見てろ 何年か先を! 776 00:53:37,486 --> 00:53:39,421 ドレウェンツ はっ 777 00:53:39,421 --> 00:53:44,993 通信を用意しろ いや 画面はいい 音声だけ通じるようにしてくれ 778 00:53:44,993 --> 00:53:48,497 「我が軍は敗れたが 司令部は健在である」 779 00:53:48,497 --> 00:53:53,368 「司令部は 卿ら将兵全員を 生きて故郷に帰すことを約束する」 780 00:53:53,368 --> 00:53:59,868 「誇りと秩序を守り きぜんとして 帰途に つこうではないか」 781 00:54:05,514 --> 00:54:07,449 敵を追っていった者がいるって? 782 00:54:07,449 --> 00:54:11,319 はっ アラルコン少将 グエン少将 旗下の艦艇 合わせて約5000隻が 783 00:54:11,319 --> 00:54:14,322 敗走する敵を追って帝国領へ 784 00:54:14,322 --> 00:54:17,459 なんてことだ 全艦 直ちに後を追う 785 00:54:17,459 --> 00:54:19,394 すぐに連れ戻さないと危険だ 786 00:54:19,394 --> 00:54:21,394 ≪はっ… ≪よし… 787 00:54:36,478 --> 00:54:39,381 <敗走する帝国軍の後を追った 同盟軍の前に> 788 00:54:39,381 --> 00:54:42,984 <ミッターマイヤー ロイエンタールの両艦隊が 立ちはだかる> 789 00:54:42,984 --> 00:54:46,488 <その頃 フェザーンでは 次の陰謀が動きだしていた> 790 00:54:46,488 --> 00:54:49,991 <次回『銀河英雄伝説』 第35話「決意と野心と」> 791 00:54:49,991 --> 00:54:51,991 <銀河の歴史が また1ページ> 792 00:59:03,845 --> 00:59:08,416 前方より艦艇が接近 数 およそ700隻 793 00:59:08,416 --> 00:59:11,386 停船せよ しからざれば攻撃する 794 00:59:11,386 --> 00:59:13,986 待て あれは味方だ 拡大投影しろ 795 00:59:16,124 --> 00:59:19,594 これは… 796 00:59:19,594 --> 00:59:22,897 そうか ケンプが死んだか 797 00:59:22,897 --> 00:59:24,833 卿は後方に赴いて 798 00:59:24,833 --> 00:59:27,702 ローエングラム公に 復命するがいい 799 00:59:27,702 --> 00:59:30,202 ケンプの復讐戦は俺たちに任せろ 800 00:59:32,841 --> 00:59:35,677 最大船速で前進を続けろ 801 00:59:35,677 --> 00:59:39,547 ミュラーを追ってきた 敵の先頭集団に逆撃を加える 802 00:59:39,547 --> 00:59:44,119 急襲して一撃 しかる後に離脱する それ以上の戦闘は無意味だ 803 00:59:44,119 --> 00:59:47,489 バイエルライン ビューロー ドロイゼン ジンツァー 804 00:59:47,489 --> 00:59:50,825 例の指示に従って動け いいな? はっ 805 00:59:50,825 --> 00:59:54,696 そうか ケンプが死んだか 806 00:59:54,696 --> 00:59:57,365 どうした 敵は まだ見失ったままか 807 00:59:57,365 --> 01:00:00,168 お待ちください 再発見しました 最大望遠です 808 01:00:00,168 --> 01:00:05,006 よし 今度は見失うな 新参者に負けるなよ 809 01:00:05,006 --> 01:00:08,376 惰弱なヤン艦隊の連中に 遅れを取るな 810 01:00:08,376 --> 01:00:12,113 同盟軍人のあるべき姿を 身をもって示してやるのだ 811 01:00:12,113 --> 01:00:16,117 敵です 後方 天頂方向より別の敵影が 812 01:00:16,117 --> 01:00:18,720 何? ケンプの敵だ 813 01:00:18,720 --> 01:00:21,320 一艦残らず葬ってしまえ 814 01:00:23,558 --> 01:00:26,261 前方の敵も反転してきます 815 01:00:26,261 --> 01:00:29,931 あれは あれは当初追っていた 敵の残存艦隊ではありません 816 01:00:29,931 --> 01:00:32,667 無傷の艦隊です 817 01:00:32,667 --> 01:00:35,867 こいつは参った だまされたぞ 818 01:00:39,307 --> 01:00:42,110 下だ 天底方向に逃げろ 819 01:00:42,110 --> 01:00:44,145 うん? 820 01:00:44,145 --> 01:00:47,916 主砲を斉射3連 821 01:00:47,916 --> 01:00:50,585 こいつら 本当に ヤン・ウェンリーの部下か 822 01:00:50,585 --> 01:00:53,985 アムリッツァで戦った時は こんなものではなかったぞ 823 01:01:00,295 --> 01:01:02,530 敵艦隊 全滅 824 01:01:02,530 --> 01:01:05,233 後方より新たな敵影 数 およそ1万 825 01:01:05,233 --> 01:01:07,168 聞いたか ロイエンタール 826 01:01:07,168 --> 01:01:10,071 ヤン・ウェンリーご自身の お出ましらしいな 827 01:01:10,071 --> 01:01:12,340 どうする 卿は戦いたかろう? 828 01:01:12,340 --> 01:01:15,076 まあな だが今 戦っても意味はない 829 01:01:15,076 --> 01:01:18,480 ここは撤退だな こんな小さな勝利では 830 01:01:18,480 --> 01:01:21,483 ケンプやミュラーの大敗を 償うことにはならんが 831 01:01:21,483 --> 01:01:23,685 変な欲は出さんにかぎる 832 01:01:23,685 --> 01:01:26,488 それにしても要塞まで動かして 833 01:01:26,488 --> 01:01:29,757 数千光年の征旅を 企てたというのに 834 01:01:29,757 --> 01:01:32,126 ひとり ヤン・ウェンリーに 名を成さしめたのみか 835 01:01:32,126 --> 01:01:34,062 やれやれだな 836 01:01:34,062 --> 01:01:37,832 まあ 100戦して100勝と いうわけにもいくまい 837 01:01:37,832 --> 01:01:41,369 こいつはローエングラム公の おっしゃりようだがな 838 01:01:41,369 --> 01:01:45,607 ヤン・ウェンリーの首は いずれ 俺と卿とで いただくことにするさ 839 01:01:45,607 --> 01:01:48,009 ミュラーも欲しがっている ほう 840 01:01:48,009 --> 01:01:50,709 こいつは競争が激しくなりそうだ 841 01:01:53,414 --> 01:01:55,350 見たか ユリアン 842 01:01:55,350 --> 01:01:58,786 あれが名将の 戦いぶりというものだ 843 01:01:58,786 --> 01:02:03,157 明確に目的を持ち それを 達成したら 執着せずに離脱する 844 01:02:03,157 --> 01:02:05,460 ああでなくてはな はい 845 01:02:05,460 --> 01:02:08,963 それにしても 帝国軍の人材の豊富さは どうだ 846 01:02:08,963 --> 01:02:13,801 これで あのジークフリード・キルヒアイスが 生きていたら どうなることやら 847 01:02:13,801 --> 01:02:17,472 大尉 全艦に帰還命令を伝えてくれ 848 01:02:17,472 --> 01:02:19,407 ああ それからユリアン 849 01:02:19,407 --> 01:02:21,976 お前の紅茶を 久しぶりに飲んでみたいんだが 850 01:02:21,976 --> 01:02:25,847 いれてくれるかな? もちろんです 851 01:02:25,847 --> 01:02:28,283 ユリアン君は大したものです 852 01:02:28,283 --> 01:02:32,120 帝国軍の戦術を看破したのは 彼なのですから 853 01:02:32,120 --> 01:02:35,523 ユリアンがねえ ご存じでしょうか 854 01:02:35,523 --> 01:02:38,860 私は あの子に軍人には なってほしくないんですよ 855 01:02:38,860 --> 01:02:42,564 本当は命令してでも やめさせたいくらいなのです 856 01:02:42,564 --> 01:02:46,064 それは民主主義の精神に 反しますな 857 01:02:49,437 --> 01:02:53,341 同盟の軍事費はGNPの 30パーセントを超えました 858 01:02:53,341 --> 01:02:57,912 平時の軍事費の割合は 18パーセントが限界とされていますから 859 01:02:57,912 --> 01:03:01,549 このままいけば遠からず 国家経済が破たんをきたします 860 01:03:01,549 --> 01:03:05,853 その時 我がフェザーンが完全に同盟を 乗っ取ることができるでしょう 861 01:03:05,853 --> 01:03:09,390 そして その権益を 帝国に認めさせた時 862 01:03:09,390 --> 01:03:12,594 宇宙の事実上の支配権は 我らの手に 863 01:03:12,594 --> 01:03:16,864 そのためにも いよいよ例の計画を 実行に移す時のようだな 864 01:03:16,864 --> 01:03:20,234 はい すぐにも出発させます ところで 865 01:03:20,234 --> 01:03:24,105 帝国の科学技術総監 シャフトの 件はどういたしましょう 866 01:03:24,105 --> 01:03:27,075 どうすればいいかな 君の意見を聞こう 867 01:03:27,075 --> 01:03:29,811 彼には もう使い道がないでしょう 868 01:03:29,811 --> 01:03:33,047 我々に対する要求も 拡大する一方ですし 869 01:03:33,047 --> 01:03:37,051 この際 切り捨てるべきかと 考えます 870 01:03:37,051 --> 01:03:41,789 例の書類が帝国の司法省の 関係者に自然な形で渡るように 871 01:03:41,789 --> 01:03:44,425 実は既に手配してあります 872 01:03:44,425 --> 01:03:48,129 閣下のご了承をいただき次第 実行に移せますが? 873 01:03:48,129 --> 01:03:50,064 よろしい すぐにやってもらおう 874 01:03:50,064 --> 01:03:54,002 廃物は さっさと流さないと 下水が詰まってしまうからな 875 01:03:54,002 --> 01:03:56,471 かしこまりました それでは 876 01:03:56,471 --> 01:03:59,140 明日は休んで構わんぞ はあ? 877 01:03:59,140 --> 01:04:02,877 君の母上の命日だ これは… 878 01:04:02,877 --> 01:04:07,081 プライベートなことまで ご心配 いただけるとは望外の至りです 879 01:04:07,081 --> 01:04:11,586 当然だろう 自分の血を分けた相手と思えばな 880 01:04:11,586 --> 01:04:13,521 ご存じだったのですか 881 01:04:13,521 --> 01:04:16,791 君の母親には悪いことをしたと 思っているのだ 882 01:04:16,791 --> 01:04:19,761 気にしていらしたのですか ああ ずっとな 883 01:04:19,761 --> 01:04:22,930 それを聞けば 母もあの世で喜ぶでしょう 884 01:04:22,930 --> 01:04:25,833 ですが気になさることは なかったのですよ 885 01:04:25,833 --> 01:04:28,503 その日の食事にも困るような 貧家の娘と 886 01:04:28,503 --> 01:04:32,907 宇宙全体の富の 何パーセントかを握る富豪の娘 887 01:04:32,907 --> 01:04:35,209 私も閣下と… 888 01:04:35,209 --> 01:04:38,112 閣下と同じ選択を したでしょうから 889 01:04:38,112 --> 01:04:42,050 で 大学院を出たばかりの 青二才でしかない私を 890 01:04:42,050 --> 01:04:44,252 補佐官職に 抜てきしていただいたのも 891 01:04:44,252 --> 01:04:47,288 ひとえに 親子の情愛からなのですか? 892 01:04:47,288 --> 01:04:50,558 そう思うか? 思いたくありません 893 01:04:50,558 --> 01:04:54,062 私は自分の能力に 多少は自信を持っておりますから 894 01:04:54,062 --> 01:04:57,365 そこを買っていただいたものと 信じたいですね 895 01:04:57,365 --> 01:05:02,003 君は私に内面が似ているようだな 外見は母親に似ているが 896 01:05:02,003 --> 01:05:03,938 ありがとうございます 897 01:05:03,938 --> 01:05:06,507 フェザーンの元首の地位は 世襲ではない 898 01:05:06,507 --> 01:05:11,079 私の後継者となるには血ではなく 実力と人望が必要だ 899 01:05:11,079 --> 01:05:14,449 時間をかけて それを養うことだな 900 01:05:14,449 --> 01:05:16,749 お言葉 肝に銘じておきます 901 01:05:21,222 --> 01:05:25,793 実力と人望か それを手に入れるために 902 01:05:25,793 --> 01:05:28,463 あなたは いろいろと 無理をなさいましたな 903 01:05:28,463 --> 01:05:30,431 ご自分が 時間をかけたわけでもないのに 904 01:05:30,431 --> 01:05:34,168 私には そうしろとおっしゃる 矛盾ですな 905 01:05:34,168 --> 01:05:39,707 お忘れなく 私は あなたの息子なんですよ 906 01:05:39,707 --> 01:05:43,511 ルパートは俺に似ている 907 01:05:43,511 --> 01:05:45,947 築いたにせよ 奪ったにせよ 908 01:05:45,947 --> 01:05:48,850 最初の者は 称賛を受ける資格がある 909 01:05:48,850 --> 01:05:51,119 それは当然だ 910 01:05:51,119 --> 01:05:53,888 だが自分の実力や 努力によることなく 911 01:05:53,888 --> 01:05:57,759 単に相続によって 権力や富や名誉を手に入れた者が 912 01:05:57,759 --> 01:06:01,362 何を主張する権利が あるというのだ 913 01:06:01,362 --> 01:06:05,133 血統による王朝などという 存在自体がおぞましい 914 01:06:05,133 --> 01:06:09,337 権力は一代限りのもので それは譲られるべきものではない 915 01:06:09,337 --> 01:06:11,672 奪われるべきものなのだ 916 01:06:11,672 --> 01:06:14,675 すると宰相閣下は ご自分の地位や権力を 917 01:06:14,675 --> 01:06:17,178 お子様に お継がせにならないのですか? 918 01:06:17,178 --> 01:06:20,114 子供?私の子供か 919 01:06:20,114 --> 01:06:24,919 私の跡を継ぐのは私と同じか それ以上の能力を持つ者だ 920 01:06:24,919 --> 01:06:30,224 そして それは何も 私が死んだ後とは限らない 921 01:06:30,224 --> 01:06:32,260 だが私を背後から刺し殺して 922 01:06:32,260 --> 01:06:37,331 それで全てが手に入ると思う者は 実行してみればよいのだ 923 01:06:37,331 --> 01:06:40,935 ただし失敗したら どんな結果がもたらされるか 924 01:06:40,935 --> 01:06:44,635 その点には十分な想像力を 働かせてもらおう 925 01:06:47,642 --> 01:06:50,545 誰か? オーベルシュタインです 閣下 926 01:06:50,545 --> 01:06:54,182 入れ お食事中 失礼します 927 01:06:54,182 --> 01:06:56,684 ロイエンタール ミッターマイヤー両提督より 928 01:06:56,684 --> 01:06:59,320 連絡が入りましたので 929 01:06:59,320 --> 01:07:01,355 よい知らせではないようだな 930 01:07:01,355 --> 01:07:04,192 ガイエスブルグ移動要塞は 破壊され 931 01:07:04,192 --> 01:07:08,362 ケンプ提督は要塞と 命運を共にしたとのことです 932 01:07:08,362 --> 01:07:11,632 損失した艦艇は およそ1万5000隻 933 01:07:11,632 --> 01:07:14,836 将兵の損失は180万人以上 934 01:07:14,836 --> 01:07:17,672 9割もの損失を出したというのか 935 01:07:17,672 --> 01:07:20,274 残存艦艇は およそ700隻 936 01:07:20,274 --> 01:07:23,874 ミュラー提督の指揮で 帰還の途についております 937 01:07:35,723 --> 01:07:37,723 ラインハルト様 938 01:07:42,864 --> 01:07:46,734 そうだな ミュラーのような男は 得がたい存在だ 939 01:07:46,734 --> 01:07:50,238 無益な戦いで死なせるような 愚行は やめよう 940 01:07:50,238 --> 01:07:53,238 それでいいだろう?キルヒアイス 941 01:07:57,378 --> 01:08:00,381 小官 こと閣下より 大命を仰せつかりながら 942 01:08:00,381 --> 01:08:02,717 任務を果たすことかなわず 943 01:08:02,717 --> 01:08:06,120 主将たるケンプ提督を お救いすることもできず 944 01:08:06,120 --> 01:08:09,590 多くの兵を失い 敵をして勝ち誇らせました 945 01:08:09,590 --> 01:08:13,561 この罪 万死に値しますが おめおめと生きて帰りましたのは 946 01:08:13,561 --> 01:08:15,730 事の次第を閣下にお知らせし 947 01:08:15,730 --> 01:08:18,699 お裁きを待とうと 愚考したからであります 948 01:08:18,699 --> 01:08:21,669 敗戦の罪は 全て小官にありますれば 949 01:08:21,669 --> 01:08:26,469 部下たちには どうか寛大な処置を賜りたく… 950 01:08:29,277 --> 01:08:34,415 卿に罪はない 一度の敗戦は 一度の勝利で償えばよいのだ 951 01:08:34,415 --> 01:08:37,919 遠路の征旅 ご苦労であった 閣下 952 01:08:37,919 --> 01:08:40,755 私は既にケンプ提督を失った 953 01:08:40,755 --> 01:08:45,326 この上 卿まで失うことはできぬ 傷が全快するまで静養せよ 954 01:08:45,326 --> 01:08:50,064 しかる後に 現役復帰を命じるであろう 955 01:08:50,064 --> 01:08:52,633 ははっ… 956 01:08:52,633 --> 01:08:55,636 ミュラー キスリング 病院に運んでやれ 957 01:08:55,636 --> 01:09:01,108 それからケンプは昇進だ 上級大将の称号を贈ってやれ 958 01:09:01,108 --> 01:09:03,945 ところでシャフト はっ 959 01:09:03,945 --> 01:09:05,880 弁解があれば聞こうか 960 01:09:05,880 --> 01:09:10,251 お言葉ながら閣下 小官の提案は完璧でありました 961 01:09:10,251 --> 01:09:13,554 作戦の失敗は 指揮統率の任に当たった者の 962 01:09:13,554 --> 01:09:15,523 責任でございましょう 963 01:09:15,523 --> 01:09:18,459 誰が卿に敗戦の罪を 問うと言ったか 964 01:09:18,459 --> 01:09:22,163 憲兵総監 こやつに 自分の罪状を教えてやれ 965 01:09:22,163 --> 01:09:26,701 はっ シャフト技術大将 卿を収監する 966 01:09:26,701 --> 01:09:30,972 罪状は収賄 公金横領 脱税 特別背任 967 01:09:30,972 --> 01:09:33,374 および軍事機密の漏えいだ 968 01:09:33,374 --> 01:09:35,843 証拠は? 969 01:09:35,843 --> 01:09:37,778 連れていけ 970 01:09:37,778 --> 01:09:39,714 クズが 971 01:09:39,714 --> 01:09:41,716 ケスラー 972 01:09:41,716 --> 01:09:45,186 フェザーンの弁務官事務所に 対する監視を強化しろ 973 01:09:45,186 --> 01:09:49,056 それと悟られても構わん そのこと自体が牽制になるだろう 974 01:09:49,056 --> 01:09:51,993 はっ 975 01:09:51,993 --> 01:09:56,393 メックリンガー 卿にやってもらいたいことがある 976 01:10:00,801 --> 01:10:03,270 母さん 母さん 泣かないでよ 977 01:10:03,270 --> 01:10:05,606 父さんの敵は きっと僕が討つから 978 01:10:05,606 --> 01:10:09,076 ヤンとかってやつを きっと僕がやっつけてあげるよ 979 01:10:09,076 --> 01:10:11,076 やっつけるよ 980 01:10:17,318 --> 01:10:19,620 フロイライン・マリーンドルフ 981 01:10:19,620 --> 01:10:22,523 総参謀長閣下 何か? 982 01:10:22,523 --> 01:10:25,426 あの後 フロイラインが 宰相閣下に 983 01:10:25,426 --> 01:10:29,163 ミュラーの寛恕を 進言されたのかな? 984 01:10:29,163 --> 01:10:33,467 いいえ 宰相閣下がご自身で お決めになられたことです 985 01:10:33,467 --> 01:10:35,936 私は何も申し上げておりません 986 01:10:35,936 --> 01:10:39,373 それに私などが申し上げて 987 01:10:39,373 --> 01:10:42,576 翻意される方でも ありませんでしょう 988 01:10:42,576 --> 01:10:44,845 そうかな? そうです 989 01:10:44,845 --> 01:10:49,150 でも誰かが忠告したのだとしたら あの方でしょう 990 01:10:49,150 --> 01:10:51,850 キルヒアイス提督が いらしたのですわ 991 01:10:53,988 --> 01:10:56,690 フロイラインは 存外ロマンチストのようだ 992 01:10:56,690 --> 01:10:59,593 いや 失礼した 993 01:10:59,593 --> 01:11:02,463 総参謀長はローエングラム公を 994 01:11:02,463 --> 01:11:06,167 マキャベリズムの道具としてしか 見てないのではないかしら 995 01:11:06,167 --> 01:11:10,838 だとしたら それはあの方の まだ少年のような多感さを持った 996 01:11:10,838 --> 01:11:15,076 あの方の感性を 破滅させてしまうかもしれない 997 01:11:15,076 --> 01:11:17,912 それは あの方をルドルフ大帝の再来に 998 01:11:17,912 --> 01:11:19,980 変えてしまう危険を はらんでいるわ 999 01:11:19,980 --> 01:11:23,250 そうさせないために 闘わなくてはならないんだわ 1000 01:11:23,250 --> 01:11:26,087 ヒルダ でも勝算はあるの? 1001 01:11:26,087 --> 01:11:29,957 決意だけで勝てるなら 誰も苦労はしないわよ 1002 01:11:29,957 --> 01:11:34,457 そうね あの方の姉君に お目にかかる機会を作りましょう 1003 01:11:36,564 --> 01:11:39,467 それにしても キルヒアイス提督が健在なら 1004 01:11:39,467 --> 01:11:42,369 私などが 出しゃばる必要はないのだけれど 1005 01:11:42,369 --> 01:11:46,907 ケンプの葬儀は 帝国軍葬で行われるそうだ 1006 01:11:46,907 --> 01:11:49,810 敗戦での戦死としては 異例の処置だな 1007 01:11:49,810 --> 01:11:51,812 ミュラーも処罰されなかったし 1008 01:11:51,812 --> 01:11:54,181 ローエングラム公の ご寛容とご器量は 1009 01:11:54,181 --> 01:11:56,851 やはり さすがというものだな 1010 01:11:56,851 --> 01:11:58,886 そうかな? うん? 1011 01:11:58,886 --> 01:12:01,655 ケンプは 使い捨てにされたようなものだ 1012 01:12:01,655 --> 01:12:03,591 ローエングラム公にとって 1013 01:12:03,591 --> 01:12:06,594 ジークフリード・キルヒアイス 以外の部下は 1014 01:12:06,594 --> 01:12:10,097 皆 使い捨ての道具に すぎないのではないかと 1015 01:12:10,097 --> 01:12:12,166 最近 俺はそう思っている 1016 01:12:12,166 --> 01:12:15,903 おい だが公爵は ケンプの死を悼んだからこそ… 1017 01:12:15,903 --> 01:12:20,641 そこだがな ミッターマイヤー こうも考えられるだろう 1018 01:12:20,641 --> 01:12:24,145 ケンプは死んだ 死者には涙と名誉を与えれば済む 1019 01:12:24,145 --> 01:12:26,847 だが生きてる者には もっと実質的なものを 1020 01:12:26,847 --> 01:12:28,916 富とか権力とかを与えねばならん 1021 01:12:28,916 --> 01:12:31,285 あの方に果たして それができるかな? 1022 01:12:31,285 --> 01:12:33,220 そうは言うが 昨年の秋 1023 01:12:33,220 --> 01:12:35,489 キルヒアイスが あのような死に方をして 1024 01:12:35,489 --> 01:12:37,458 公爵が放心状態にあった時 1025 01:12:37,458 --> 01:12:41,295 「必ず立ち直っていただく」と 言ったのは卿ではなかったか 1026 01:12:41,295 --> 01:12:45,966 あれは本心ではなかったのか? 本心だったさ あの時はな 1027 01:12:45,966 --> 01:12:47,902 だが俺は生まれた時から 1028 01:12:47,902 --> 01:12:51,338 正しい判断や選択のみを 重ねてきたわけではない 1029 01:12:51,338 --> 01:12:53,941 今は そうでもないが いつか その選択を 1030 01:12:53,941 --> 01:12:57,441 後悔するような時が 来ないとも限らないさ 1031 01:13:01,382 --> 01:13:03,751 聞かなかったことにしておこう 1032 01:13:03,751 --> 01:13:06,654 めったなことは 口にしないほうがいいぞ 1033 01:13:06,654 --> 01:13:09,089 オーベルシュタインの 耳にでも入ったら 1034 01:13:09,089 --> 01:13:11,592 粛清の対象にもなりかねん 1035 01:13:11,592 --> 01:13:14,495 ローエングラム公は一代の英雄だ 1036 01:13:14,495 --> 01:13:17,264 俺たちは あの方の手足となって働き 1037 01:13:17,264 --> 01:13:20,568 それ相応の恩賞をいただけば それでいい 1038 01:13:20,568 --> 01:13:23,003 俺は そう思ってるがね 1039 01:13:23,003 --> 01:13:26,303 またしても俺としたことが 1040 01:13:28,842 --> 01:13:31,942 「宇宙を手に入れる」か 1041 01:13:35,082 --> 01:13:38,953 新しい時代とは 新しい不和をもたらす時代なのか 1042 01:13:38,953 --> 01:13:40,988 ジークフリード・キルヒアイスが 生きていれば 1043 01:13:40,988 --> 01:13:43,357 こんなことにもならないものを 1044 01:13:43,357 --> 01:13:45,926 敵にも不和や悩みはあるだろうか 1045 01:13:45,926 --> 01:13:49,330 ヤン・ウェンリーなる男は 今ごろ何をしているやら 1046 01:13:49,330 --> 01:13:52,130 戦勝パーティーで 美女とダンスでもしているか 1047 01:13:54,235 --> 01:13:56,237 ホットパンチを作りますね 1048 01:13:56,237 --> 01:13:58,372 ワインに ハチミツとレモンを入れて 1049 01:13:58,372 --> 01:14:00,674 お湯で割って 風邪には一番ですよ 1050 01:14:00,674 --> 01:14:03,110 ハチミツとレモンとお湯を 抜いてくれ 1051 01:14:03,110 --> 01:14:06,580 ダメです 大した違いはないじゃないか 1052 01:14:06,580 --> 01:14:09,350 じゃ いっそワインを 抜きましょうか 1053 01:14:09,350 --> 01:14:12,953 お前 4年前にうちに来た時は もっと素直だったよ 1054 01:14:12,953 --> 01:14:16,624 ええ 僕がこうなったのも 後天的な原因によるものです 1055 01:14:16,624 --> 01:14:18,559 そうか やっぱりな 1056 01:14:18,559 --> 01:14:21,061 周りに ろくな性格のやつがいないからな 1057 01:14:21,061 --> 01:14:23,364 キャゼルヌだろ シェーンコップだろ 1058 01:14:23,364 --> 01:14:25,299 それにポプランとくれば 1059 01:14:25,299 --> 01:14:29,670 誰か忘れていませんか? アッテンボローか? 1060 01:14:29,670 --> 01:14:33,641 もっと身近な 一番の責任者のことです 1061 01:14:33,641 --> 01:14:36,910 あーあ 何もいいことのない 人生だった 1062 01:14:36,910 --> 01:14:39,680 嫌な仕事は押し付けられるし 恋人はいないし 1063 01:14:39,680 --> 01:14:42,583 せめて酒でも飲もうとすれば 叱られるし 1064 01:14:42,583 --> 01:14:46,754 風邪くらいで 気分出さないでください 1065 01:14:46,754 --> 01:14:50,958 おっ?お前 いい子だよ 1066 01:14:50,958 --> 01:14:53,327 ヤン提督 何だい 1067 01:14:53,327 --> 01:14:56,997 僕 正式に軍人になりたいんです 1068 01:14:56,997 --> 01:14:58,932 許可をいただけますか? 1069 01:14:58,932 --> 01:15:01,902 もし どうしても ダメだと言うんなら諦めます 1070 01:15:01,902 --> 01:15:04,571 どうしても なりたいのか? はい 1071 01:15:04,571 --> 01:15:07,474 自由と平等を守る 軍人になりたいんです 1072 01:15:07,474 --> 01:15:11,011 侵略や圧政の手先になるような 軍人ではなくて 1073 01:15:11,011 --> 01:15:13,914 市民の権利を守るための 軍人にです 1074 01:15:13,914 --> 01:15:17,418 「諦める」と言ったけど 諦めてどうするんだ 1075 01:15:17,418 --> 01:15:20,220 分かりません いや その時は 1076 01:15:20,220 --> 01:15:22,222 提督が「なれ」とおっしゃるものに なります 1077 01:15:22,222 --> 01:15:25,693 お前 最初からダメだと 言われることなんて 1078 01:15:25,693 --> 01:15:29,163 考えてないだろ そんなことはありません 1079 01:15:29,163 --> 01:15:33,934 15年の時間差を甘く見るな それくらいお見通しだ 1080 01:15:33,934 --> 01:15:35,869 すみません 1081 01:15:35,869 --> 01:15:40,374 しょうがないな そんな顔されたら ダメだなんて言えないじゃないか 1082 01:15:40,374 --> 01:15:43,877 分かった お前なら 困り者の軍人にはならないだろう 1083 01:15:43,877 --> 01:15:46,313 なりたいものになりなさい 1084 01:15:46,313 --> 01:15:49,283 ありがとうございます ありがとうございます 提督 1085 01:15:49,283 --> 01:15:53,087 しかし そんなに 軍人になりたいかね 1086 01:15:53,087 --> 01:15:55,089 なあ ユリアン 1087 01:15:55,089 --> 01:15:57,758 あまり柄にない話は したくないんだが 1088 01:15:57,758 --> 01:16:02,363 お前が軍人になると言うのなら 忘れてほしくないことがあるんだ 1089 01:16:02,363 --> 01:16:06,567 軍隊は暴力機関であり 暴力には2種類あるってことだ 1090 01:16:06,567 --> 01:16:10,170 いい暴力と悪い暴力? いや そうじゃない 1091 01:16:10,170 --> 01:16:14,975 支配し 抑圧するための暴力と 解放の手段としての暴力だ 1092 01:16:14,975 --> 01:16:20,247 国家の軍隊というやつは 本質的に前者の組織なんだ 1093 01:16:20,247 --> 01:16:23,150 残念なことだが 歴史が それを証明している 1094 01:16:23,150 --> 01:16:27,688 権力者と市民が対立した時 軍隊が 市民の味方をした例は少ない 1095 01:16:27,688 --> 01:16:30,224 それどころか 過去いくつもの国で 1096 01:16:30,224 --> 01:16:36,130 軍隊そのものが権力機構と化して 暴力的に市民を支配さえしてきた 1097 01:16:36,130 --> 01:16:39,366 昨年も それをやろうとして 失敗したやつらがいる 1098 01:16:39,366 --> 01:16:43,103 でも提督は軍人だけど それに反対なさったでしょう 1099 01:16:43,103 --> 01:16:45,506 僕は提督みたいな 軍人になりたいんです 1100 01:16:45,506 --> 01:16:47,808 せめて志だけでも 1101 01:16:47,808 --> 01:16:49,810 おいおい そいつは困る 1102 01:16:49,810 --> 01:16:52,613 私の志は 軍隊にはないんだということを 1103 01:16:52,613 --> 01:16:55,149 お前は よく知っているはずじゃないか 1104 01:16:55,149 --> 01:16:59,720 歴史の研究ですか? そうさ 「ペンは剣よりも強し」 1105 01:16:59,720 --> 01:17:02,956 こいつは真理など めったに 存在しない人間社会の中で 1106 01:17:02,956 --> 01:17:05,325 数少ない例外の一つさ 1107 01:17:05,325 --> 01:17:08,228 ルドルフ大帝を剣によって 倒すことはできなかった 1108 01:17:08,228 --> 01:17:13,066 だが我々は彼の悪行を知っている それはペンの力だ 1109 01:17:13,066 --> 01:17:17,504 ペンは何百年も前の独裁者や 何千年も昔の暴君を 1110 01:17:17,504 --> 01:17:21,341 告発することができるんだ ええ でもそれは結局 1111 01:17:21,341 --> 01:17:23,777 過去を確認できると いうだけのことでしょう 1112 01:17:23,777 --> 01:17:26,580 過去か いいかい ユリアン 1113 01:17:26,580 --> 01:17:28,849 人類の歴史が これからも続くとすれば 1114 01:17:28,849 --> 01:17:31,785 過去というやつは 無限に積み重ねられていく 1115 01:17:31,785 --> 01:17:34,087 歴史とは 過去の記録というだけでなく 1116 01:17:34,087 --> 01:17:37,825 文明が現在まで継続していると いう証でもあるんだ 1117 01:17:37,825 --> 01:17:40,727 現在の文明は過去の歴史の 集積の上に立っている 1118 01:17:40,727 --> 01:17:42,663 分かるかい? はい 1119 01:17:42,663 --> 01:17:45,432 生物は子孫に遺伝子を 伝えることでしか 1120 01:17:45,432 --> 01:17:49,303 長い時の流れの中で 己の存在を 主張することはできない 1121 01:17:49,303 --> 01:17:51,872 だが人間だけが歴史を持っている 1122 01:17:51,872 --> 01:17:53,941 歴史を持つことが人類を 1123 01:17:53,941 --> 01:17:56,743 他の生物と 違う存在にしているんだ 1124 01:17:56,743 --> 01:17:59,513 だから私は 歴史家になりたかったんだ 1125 01:17:59,513 --> 01:18:02,349 それが最初のボタンを かけ間違えたばっかりに 1126 01:18:02,349 --> 01:18:04,384 このありさまだもんな 1127 01:18:04,384 --> 01:18:07,287 でも歴史を作る人間がいなければ 1128 01:18:07,287 --> 01:18:12,726 歴史を書く人の存在価値も なくなるんじゃありませんか? 1129 01:18:12,726 --> 01:18:16,463 ユリアン さっきのホットワイン… じゃなかったホットパンチか 1130 01:18:16,463 --> 01:18:18,398 あれを もう一杯 作ってくれないか? 1131 01:18:18,398 --> 01:18:21,935 実にうまかった はい すぐに 1132 01:18:21,935 --> 01:18:25,172 まあ なかなか 思いどおりにはいかないものさ 1133 01:18:25,172 --> 01:18:28,475 自分の人生も 他人の人生も 1134 01:18:28,475 --> 01:18:31,111 要するに あなた方は 理由さえあれば 1135 01:18:31,111 --> 01:18:34,481 ヤン・ウェンリーを辞めさせたい しかし辞めた後 1136 01:18:34,481 --> 01:18:38,118 彼が政界に進出して あなた方の権力の牙城を 1137 01:18:38,118 --> 01:18:41,955 脅かすようになっては困る そういうわけですな? 1138 01:18:41,955 --> 01:18:44,791 ヤン提督個人が どうというのではない 1139 01:18:44,791 --> 01:18:47,628 軍人の政界進出を抑制したいのだ 1140 01:18:47,628 --> 01:18:50,531 そういうことなら 法律を作ればよろしい 1141 01:18:50,531 --> 01:18:52,566 何のための権力ですか 1142 01:18:52,566 --> 01:18:56,904 自分が作った法律や規則を 万人が順守しなければならない 1143 01:18:56,904 --> 01:18:58,839 その楽しみがあればこそ 1144 01:18:58,839 --> 01:19:03,243 大金を投入しても 権力を握ろうとするのでしょう 1145 01:19:03,243 --> 01:19:06,547 違いますかな? おっしゃるものですな 1146 01:19:06,547 --> 01:19:10,017 まったく 何のお供をさせるかと思えば 1147 01:19:10,017 --> 01:19:13,020 軍需物資の輸入で リベートを取る談合と 1148 01:19:13,020 --> 01:19:15,322 ヤンの足を引っ張る相談か 1149 01:19:15,322 --> 01:19:18,559 これだから 宮仕えなんかしたくないってんだ 1150 01:19:18,559 --> 01:19:21,361 もう限界だぜ 1151 01:19:21,361 --> 01:19:27,801 「翼あらざるに重力の掌を逃れ 大空を飛翔するを得たり」 1152 01:19:27,801 --> 01:19:32,372 「見捨てられし母星は 古き日は緑なれど 今は…」 1153 01:19:32,372 --> 01:19:35,943 もういい 下がれ 1154 01:19:35,943 --> 01:19:39,546 もう長くない 一体 僕は何のために生きてきたのか 1155 01:19:39,546 --> 01:19:41,481 何ひとつ世に生み出すでもなく 1156 01:19:41,481 --> 01:19:44,017 この世に生きた証を 立てるでもなく 1157 01:19:44,017 --> 01:19:46,386 このまま空しく消え去るのか 1158 01:19:46,386 --> 01:19:48,922 嫌だ このままでは死ねない 1159 01:19:48,922 --> 01:19:52,526 生きていたという証を 歴史の上に残してからでなければ 1160 01:19:52,526 --> 01:19:54,726 死ぬわけにはいかない 1161 01:19:59,800 --> 01:20:03,437 そろそろ行こうか 大佐 1162 01:20:03,437 --> 01:20:08,875 宇宙暦798年 帝国暦489年は 1163 01:20:08,875 --> 01:20:11,778 まだ その前半を終えただけである 1164 01:20:11,778 --> 01:20:17,651 銀河帝国と自由惑星同盟の双方を 驚愕させる事件が発生するまで 1165 01:20:17,651 --> 01:20:20,551 なお1ヵ月を必要としていた 1166 01:21:54,981 --> 01:21:56,983 フェザーンの策謀を知った ラインハルトは 1167 01:21:56,983 --> 01:22:00,787 万が一に備えて姉 アンネローゼの 護衛を強化せんとする 1168 01:22:00,787 --> 01:22:03,623 ラインハルトの依頼を受け 山荘に隠棲する 1169 01:22:03,623 --> 01:22:06,460 アンネローゼの元を 訪れたヒルダは… 1170 01:22:06,460 --> 01:22:10,831 次回 銀河英雄伝説 第36話 「雷鳴」 1171 01:22:10,831 --> 01:22:13,931 銀河の歴史が また1ページ 1172 01:24:55,328 --> 01:24:57,764 帝都オーディンでは ノイエ・サンスーシより 1173 01:24:57,764 --> 01:25:00,533 高い建物の建設は 認められていない 1174 01:25:00,533 --> 01:25:05,238 それは国政を司る この帝国宰相府とて例外ではない 1175 01:25:05,238 --> 01:25:09,209 帝国では 第31代皇帝オトフリート3世が 1176 01:25:09,209 --> 01:25:11,845 皇太子時代に 帝国宰相を務めて以来 1177 01:25:11,845 --> 01:25:13,780 正式には宰相を置かず 1178 01:25:13,780 --> 01:25:17,517 国務尚書が宰相代理として その任に当たってきた 1179 01:25:17,517 --> 01:25:21,755 臣下が皇帝の先例にならうことを はばかったのである 1180 01:25:21,755 --> 01:25:24,190 先年 リヒテンラーデ公クラウスが 1181 01:25:24,190 --> 01:25:27,227 およそ1世紀ぶりに 宰相の地位に就いたものの 1182 01:25:27,227 --> 01:25:30,030 リップシュタット戦役終了時の 混乱によって 1183 01:25:30,030 --> 01:25:32,799 その地位を追われている 1184 01:25:32,799 --> 01:25:37,304 現在の宰相府の主は 帝国軍最高司令長官を兼任し 1185 01:25:37,304 --> 01:25:41,274 臣下としては歴史上最大の権力を 持つに至っている 1186 01:25:41,274 --> 01:25:45,045 ありがとう しかも歴代の宰相や宰相代理が 1187 01:25:45,045 --> 01:25:49,482 皇帝に任命されたのと異なり 皇帝に任命させたのだと言われる 1188 01:25:49,482 --> 01:25:52,285 それがローエングラム公 ラインハルトである 1189 01:25:52,285 --> 01:25:54,988 お邪魔だったでしょうか 宰相閣下 1190 01:25:54,988 --> 01:25:58,558 いや 構わない 用件を伺おう フロイライン 1191 01:25:58,558 --> 01:26:02,495 憲兵総監 ケスラー大将より 面会願いが届いております 1192 01:26:02,495 --> 01:26:04,864 それも至急にと ほう? 1193 01:26:04,864 --> 01:26:08,168 ケスラーほどの男が それほど急いでいるか 1194 01:26:08,168 --> 01:26:12,038 会おう 連れてきてくれ はい 1195 01:26:12,038 --> 01:26:13,974 荒れそうだな 1196 01:26:13,974 --> 01:26:18,074 雷雨になるだろうと 気象部から報告が来ております 1197 01:26:22,248 --> 01:26:25,085 旧リップシュタット連合軍の 残党2人が 1198 01:26:25,085 --> 01:26:28,588 先日 帝都に潜入したとの情報が 入りましたので 1199 01:26:28,588 --> 01:26:30,824 ご報告に参上した次第です 1200 01:26:30,824 --> 01:26:34,627 なぜ それが分かったのだ 実は密告がございまして 1201 01:26:34,627 --> 01:26:39,127 密告?まあよい で? 1202 01:26:41,134 --> 01:26:44,571 ランズベルク伯アルフレッドです 年齢26歳 1203 01:26:44,571 --> 01:26:47,474 昨年のリップシュタット盟約に 参加した貴族の一人で 1204 01:26:47,474 --> 01:26:49,809 敗戦後はフェザーンに 亡命しておりました 1205 01:26:49,809 --> 01:26:53,446 覚えている 何度か宮廷などで 顔を合わせたことがある 1206 01:26:53,446 --> 01:26:57,250 それほど私に敵意や憎悪を 抱いている風ではなかったが 1207 01:26:57,250 --> 01:26:59,586 うまくもない詩や小説に熱中する 1208 01:26:59,586 --> 01:27:01,988 苦労知らずという 感じだったからな 1209 01:27:01,988 --> 01:27:05,592 単純に門閥主義を絶対と 信じ込んだのだろうが 1210 01:27:05,592 --> 01:27:08,428 リップシュタット連合軍の 参謀の一員であった 1211 01:27:08,428 --> 01:27:12,165 レオポルド・シューマッハ大佐です 年齢は32歳 1212 01:27:12,165 --> 01:27:16,369 この男は知らんが 平民の出で30そこそこで大佐とは 1213 01:27:16,369 --> 01:27:18,304 よほどの武勲に恵まれたのか 1214 01:27:18,304 --> 01:27:22,108 後方勤務が多かったようですので 異例の出世と言うべきですが 1215 01:27:22,108 --> 01:27:25,011 それだけの能力を 持った男のようです 1216 01:27:25,011 --> 01:27:27,447 そうか 惜しいな 1217 01:27:27,447 --> 01:27:29,949 この2名が安全な亡命地を捨てて 1218 01:27:29,949 --> 01:27:32,318 なぜ このオーディンに 立ち戻ったのか 1219 01:27:32,318 --> 01:27:34,387 その目的は まだ つかめてはおりませんが 1220 01:27:34,387 --> 01:27:38,191 不逞なたくらみを企てているのは まず間違いないかと 1221 01:27:38,191 --> 01:27:41,361 彼らは旅券と入国査証を 持っていたはずだな 1222 01:27:41,361 --> 01:27:44,898 それも偽名の物を やはり偽物だったのか 1223 01:27:44,898 --> 01:27:46,833 いえ 入国審査に際しては 1224 01:27:46,833 --> 01:27:48,902 何ら不審な点は ございませんでした 1225 01:27:48,902 --> 01:27:52,272 密告がなければ その正体は 判明しなかったでしょう 1226 01:27:52,272 --> 01:27:55,475 実は こうして参上しましたのは 旅券と査証が 1227 01:27:55,475 --> 01:27:58,111 フェザーン政府発行の 本物であった以上 1228 01:27:58,111 --> 01:28:01,014 この件にフェザーンが 何らかの形で関与しているのは 1229 01:28:01,014 --> 01:28:03,316 明白であると思われますので 1230 01:28:03,316 --> 01:28:07,187 閣下の政治的ご判断を 仰ぐべきだと考えたからです 1231 01:28:07,187 --> 01:28:12,025 彼らの所在は? ひそかに監視をさせております 1232 01:28:12,025 --> 01:28:15,295 分かった そのまま 気づかれぬように監視を続けろ 1233 01:28:15,295 --> 01:28:18,895 後のことは追って指示する はっ それでは 1234 01:28:24,003 --> 01:28:27,040 帝国の歴史家どもは ルドルフ大帝の怒号を 1235 01:28:27,040 --> 01:28:30,610 雷に例えているが ご存じだろうか? 1236 01:28:30,610 --> 01:28:32,545 ええ 存じております 1237 01:28:32,545 --> 01:28:35,882 なかなか巧みな比喩だ 1238 01:28:35,882 --> 01:28:39,853 雷というやつは 要するにエネルギーの浪費だ 1239 01:28:39,853 --> 01:28:42,355 巨大な熱と光と音を持っているが 1240 01:28:42,355 --> 01:28:46,793 ただ荒れ狂うだけで 何ひとつ他を益するものはない 1241 01:28:46,793 --> 01:28:50,663 まさにルドルフにふさわしい 1242 01:28:50,663 --> 01:28:54,868 だが俺は違う 俺は そうはならない 1243 01:28:54,868 --> 01:28:56,803 フロイライン・マリーンドルフ 1244 01:28:56,803 --> 01:29:00,006 あなたは どうお考えかな 意見を聞かせてほしい 1245 01:29:00,006 --> 01:29:03,576 ランズベルク伯が帝都へ 戻ってきた理由についてですの? 1246 01:29:03,576 --> 01:29:06,179 そうだ おとなしく フェザーンに居座って 1247 01:29:06,179 --> 01:29:08,948 下手な詩でも作っていれば 平和に過ごせるものを 1248 01:29:08,948 --> 01:29:11,651 なぜ危険を冒してまで 戻ってきたか 1249 01:29:11,651 --> 01:29:13,586 あなたはどう考える? 1250 01:29:13,586 --> 01:29:16,055 ランズベルク伯は 私の知る限りでは 1251 01:29:16,055 --> 01:29:18,892 かなりのロマンチストでしたわ 1252 01:29:18,892 --> 01:29:20,927 あなたの観察に異存はないが 1253 01:29:20,927 --> 01:29:23,530 あのヘボ詩人が 故郷へ帰ること自体に 1254 01:29:23,530 --> 01:29:26,132 ロマンを見出したとも思えないな 1255 01:29:26,132 --> 01:29:29,102 老人になってからのことなら 納得もできるが 1256 01:29:29,102 --> 01:29:31,938 昨年の内乱から まだ1年も経っていない 1257 01:29:31,938 --> 01:29:33,907 おっしゃるとおりです 1258 01:29:33,907 --> 01:29:37,544 ランズベルク伯が 戻ってきた理由は もっと深刻で 1259 01:29:37,544 --> 01:29:39,979 彼にとって危険を冒す価値の あるものでしょう 1260 01:29:39,979 --> 01:29:42,515 それは何かな? テロです 1261 01:29:42,515 --> 01:29:45,385 歴史が証明するように 行動的ロマンチストを 1262 01:29:45,385 --> 01:29:48,955 最も高揚させるのは 強者に対するテロリズムです 1263 01:29:48,955 --> 01:29:51,791 テロというと 私を暗殺するつもりかな? 1264 01:29:51,791 --> 01:29:53,726 いいえ 恐らく違うと思います 1265 01:29:53,726 --> 01:29:55,662 ほう?なぜ そう言い切れる 1266 01:29:55,662 --> 01:29:57,664 ケスラー大将がおっしゃるように 1267 01:29:57,664 --> 01:30:01,301 今回の件にはフェザーンが 絡んでいると思われます 1268 01:30:01,301 --> 01:30:04,337 今 万が一閣下が暗殺の手に お倒れになれば 1269 01:30:04,337 --> 01:30:06,806 せっかくの統一権力が瓦解して 1270 01:30:06,806 --> 01:30:09,576 社会と経済の混乱をきたすことは 明白です 1271 01:30:09,576 --> 01:30:11,511 少なくとも現時点において 1272 01:30:11,511 --> 01:30:14,080 フェザーンが それを望むとは思えません 1273 01:30:14,080 --> 01:30:16,316 もしフェザーンが テロを使嗾するとすれば 1274 01:30:16,316 --> 01:30:19,786 暗殺ではなく 要人の誘拐ではないかと 1275 01:30:19,786 --> 01:30:22,422 だとすると その対象は誰かな? 1276 01:30:22,422 --> 01:30:24,357 3人の方が考えられます 1277 01:30:24,357 --> 01:30:27,260 1人は むろん私だな あとの2人は? 1278 01:30:27,260 --> 01:30:30,597 1人は閣下の姉君 グリューネワルト伯爵夫人です 1279 01:30:30,597 --> 01:30:33,466 もし姉上に危害を 加えるようなことがあったら 1280 01:30:33,466 --> 01:30:36,269 ヘボ詩人め 絶対に許さん 1281 01:30:36,269 --> 01:30:39,872 人間に感じられる痛みという 痛みを味わわせてくれる 1282 01:30:39,872 --> 01:30:42,675 これ以上 考えられないほど 残酷に殺してやるぞ 1283 01:30:42,675 --> 01:30:45,245 ローエングラム公 私の申し上げたことは 1284 01:30:45,245 --> 01:30:47,914 配慮が足りませんでした お許しください 1285 01:30:47,914 --> 01:30:51,217 姉君が誘拐されることは 今回の場合 まずあり得ません 1286 01:30:51,217 --> 01:30:54,988 なぜ そう言い切れる 女性を誘拐して人質とすることは 1287 01:30:54,988 --> 01:30:57,423 ランズベルク伯の主義に 反するからです 1288 01:30:57,423 --> 01:31:01,094 先ほども申し上げましたけれど 彼はロマンチストです 1289 01:31:01,094 --> 01:31:03,730 か弱い女性をさらったと 後ろ指を指されるより 1290 01:31:03,730 --> 01:31:07,033 実行の困難さに勝る 他の道を選ぶことでしょう 1291 01:31:07,033 --> 01:31:11,304 なるほど ランズベルク伯は あのヘボ詩人はそうかもしれない 1292 01:31:11,304 --> 01:31:14,007 だがフェザーンは最も 悪い意味においてリアリストだ 1293 01:31:14,007 --> 01:31:17,810 労少なくして功多い方法を 実行者に強制する可能性は 1294 01:31:17,810 --> 01:31:19,779 あるではないか 閣下 それならば 1295 01:31:19,779 --> 01:31:23,583 わざわざランズベルク伯という 人選はしないでしょう 1296 01:31:23,583 --> 01:31:26,986 結局 計画者と実行者の双方が 満足する要件を満たす 1297 01:31:26,986 --> 01:31:30,690 第3の方こそ 今回の誘拐の対象だと考えます 1298 01:31:30,690 --> 01:31:35,328 それは誰のことかな 現在 至尊の冠を頂いておられます 1299 01:31:35,328 --> 01:31:38,765 すると あなたは ヘボ詩人が皇帝を誘拐すると? 1300 01:31:38,765 --> 01:31:41,567 彼にとって これは誘拐ではありません 1301 01:31:41,567 --> 01:31:45,772 幼少の主君を敵の手から救出する 忠臣の行為です 1302 01:31:45,772 --> 01:31:49,575 何の抵抗もなく それどころか 喜々として実行するでしょう 1303 01:31:49,575 --> 01:31:54,180 ヘボ詩人にとっては それでいいだろう だが 1304 01:31:54,180 --> 01:31:57,083 結局 またしても フェザーンの黒狐が 1305 01:31:57,083 --> 01:32:01,621 やつは決して自分では踊らない 幕の影で笛を吹くだけだ 1306 01:32:01,621 --> 01:32:04,290 踊らされるほうこそ いい面の皮だな 1307 01:32:04,290 --> 01:32:06,225 フロイライン・マリーンドルフ 1308 01:32:06,225 --> 01:32:08,828 ヘボ詩人たちの潜入を 密告してきたのは 1309 01:32:08,828 --> 01:32:12,765 フェザーンの工作員ではないかと 私は思うのだが どうだろう 1310 01:32:12,765 --> 01:32:15,465 閣下のお考えが 正しいと考えます 1311 01:32:23,343 --> 01:32:27,113 うん やはり帝都の黒ビールの 芳醇なこと 1312 01:32:27,113 --> 01:32:29,749 フェザーンの物では こうはいかないからな 1313 01:32:29,749 --> 01:32:31,684 失礼ながら伯爵閣下 1314 01:32:31,684 --> 01:32:33,986 そのビールを 製造しております工場は 1315 01:32:33,986 --> 01:32:36,522 我がフェザーンの資本で 運営されております 1316 01:32:36,522 --> 01:32:39,225 それに このホテルも フェザーンの経営でして 1317 01:32:39,225 --> 01:32:44,030 まあ それだけに秘密も守れるし 安全でもあるというわけですが 1318 01:32:44,030 --> 01:32:46,599 いや 余計なことを 言いましたかな 1319 01:32:46,599 --> 01:32:49,969 それでは上司からの指示は お伝えしました 1320 01:32:49,969 --> 01:32:52,569 決行の日などは追って連絡します 1321 01:32:55,708 --> 01:33:00,446 書記官殿 ボルテック弁務官殿には ご協力感謝するとお伝えください 1322 01:33:00,446 --> 01:33:02,446 承知しました 1323 01:33:08,321 --> 01:33:11,090 うん?大佐 食事をしないのか 1324 01:33:11,090 --> 01:33:15,561 ちょっと用を思い出しました すぐ戻ります 1325 01:33:15,561 --> 01:33:18,561 やれやれ 落ち着かん男だな 1326 01:33:22,335 --> 01:33:26,339 大佐 何を? 1327 01:33:26,339 --> 01:33:28,474 話してもらおうか 1328 01:33:28,474 --> 01:33:31,043 ボルテック弁務官は 他にも何か言っていただろう 1329 01:33:31,043 --> 01:33:33,946 報酬のことか それなら我々ではなく 1330 01:33:33,946 --> 01:33:38,484 フェザーンにいるレムシャイド伯が 貴官には提督の称号を授けると 1331 01:33:38,484 --> 01:33:41,387 そんなことではない ならば何を 1332 01:33:41,387 --> 01:33:45,158 このオーディンに戻って実感した 社会が変わったのだ 1333 01:33:45,158 --> 01:33:49,996 それも綱紀が粛正され いい方向への改革がなされている 1334 01:33:49,996 --> 01:33:52,432 仮に今回の計画が成功して 1335 01:33:52,432 --> 01:33:55,835 将来的にローエングラム公の 打倒を目指すのだとしたら 1336 01:33:55,835 --> 01:33:58,337 それは歴史の逆行だ 1337 01:33:58,337 --> 01:34:00,406 旧王朝への忠誠心に燃える 1338 01:34:00,406 --> 01:34:03,209 ランズベルク伯や レムシャイド伯はともかく 1339 01:34:03,209 --> 01:34:06,813 現実主義者のフェザーンが 真にたくらんでいるのは何だ 1340 01:34:06,813 --> 01:34:11,284 それはローエングラム公の改革が 我々の権益を損ねるから… 1341 01:34:11,284 --> 01:34:14,854 それだけか?まさか我々を そそのかしておいて 1342 01:34:14,854 --> 01:34:17,590 その情報をローエングラム公に 流して恩を売る 1343 01:34:17,590 --> 01:34:21,461 そんなことを考えているのでは あるまいな どうなんだ? 1344 01:34:21,461 --> 01:34:24,363 そんなことはない この計画は成功させる 1345 01:34:24,363 --> 01:34:29,202 我々が それを目指しているのに うそ偽りはない 1346 01:34:29,202 --> 01:34:32,672 大佐 貴官こそ 裏切るつもりではなかろうな 1347 01:34:32,672 --> 01:34:35,675 そうだ と言いたいところだが この計画には 1348 01:34:35,675 --> 01:34:38,544 フェザーンにいる部下たちの 安全と生活がかかっている 1349 01:34:38,544 --> 01:34:40,780 それに やる以上は成功させる 1350 01:34:40,780 --> 01:34:43,382 それは武人としての私の 最後の意地だ 1351 01:34:43,382 --> 01:34:47,720 ならば結構 我々の目的と利害は一致している 1352 01:34:47,720 --> 01:34:50,957 貴官らを信頼して 実行を任せているのだ 1353 01:34:50,957 --> 01:34:54,160 こちらの支援も 信頼してもらいたいものだな 1354 01:34:54,160 --> 01:34:57,930 その言葉 高等弁務官の口から 直接聞きたい 1355 01:34:57,930 --> 01:35:00,867 何?むちゃだ 直接など 1356 01:35:00,867 --> 01:35:04,437 私が来ているだけでも 危ない橋を渡っているのに 1357 01:35:04,437 --> 01:35:08,140 方法は こちらから連絡する 嫌とは言わせん いいな 1358 01:35:08,140 --> 01:35:11,010 分かった とにかく上司に伝える 1359 01:35:11,010 --> 01:35:14,010 お互いのためにも いい返事を期待している 1360 01:35:16,215 --> 01:35:18,150 それから あまり余計なことを言って 1361 01:35:18,150 --> 01:35:21,650 伯爵の気分を壊すのは 控えてもらいたいものだ 1362 01:35:29,762 --> 01:35:34,233 「我が友 ジークフリード・ キルヒアイス ここに眠る」 1363 01:35:34,233 --> 01:35:36,233 我が友… 1364 01:36:00,826 --> 01:36:04,297 まだ上りが随分あります 車でも入れますが 1365 01:36:04,297 --> 01:36:07,197 いいわ 手頃な運動に なるでしょうから 1366 01:36:31,390 --> 01:36:33,759 グリューネワルト伯爵夫人で いらっしゃいますね 1367 01:36:33,759 --> 01:36:35,695 あなたは? 1368 01:36:35,695 --> 01:36:38,598 ヒルデガルド・フォン・ マリーンドルフと申します 1369 01:36:38,598 --> 01:36:42,401 ローエングラム公爵閣下の 秘書官を務めております 1370 01:36:42,401 --> 01:36:46,272 お時間をいただければ幸いです 1371 01:36:46,272 --> 01:36:48,774 コンラート はい 1372 01:36:48,774 --> 01:36:51,177 お呼びですか アンネローゼ様 1373 01:36:51,177 --> 01:36:55,114 お客様がいらしたので お相手をしなくてはならないの 1374 01:36:55,114 --> 01:36:59,752 お供の方を食堂へお連れして 夕食を差し上げてちょうだい 1375 01:36:59,752 --> 01:37:03,152 はい アンネローゼ様 こちらに 1376 01:37:06,058 --> 01:37:08,995 あの子は確かモーデル子爵家の… 1377 01:37:08,995 --> 01:37:12,264 ええ モーデル家の一門です 1378 01:37:12,264 --> 01:37:17,536 ある人に依頼されて 私がお預かりしています 1379 01:37:17,536 --> 01:37:19,536 こちらへ 1380 01:37:22,174 --> 01:37:26,379 私に護衛をつけると ラインハルトは言うのですか 1381 01:37:26,379 --> 01:37:28,614 はい ローエングラム公は 1382 01:37:28,614 --> 01:37:32,485 伯爵夫人がテロの対象と なることを心配されておいでです 1383 01:37:32,485 --> 01:37:37,657 できれば戻って自分と一緒に 暮らしてほしいとお望みですけど 1384 01:37:37,657 --> 01:37:41,260 恐らくは承知してくださるまいと 1385 01:37:41,260 --> 01:37:45,531 ですから せめて山荘の周囲に 警備の兵士を配置することを 1386 01:37:45,531 --> 01:37:48,831 許してほしいと そう申しておられます 1387 01:37:51,971 --> 01:37:56,308 できるなら私自身で 姉上の元をお訪ねしたいのだが 1388 01:37:56,308 --> 01:37:58,978 姉上は お会いくださらぬだろう 1389 01:37:58,978 --> 01:38:02,181 だから あなたに頼むのだ 1390 01:38:02,181 --> 01:38:07,019 この人がいなかったら 現在の歴史は なかったのだわ 1391 01:38:07,019 --> 01:38:12,425 私には護衛をしてもらう必要も 資格もありません フロイライン 1392 01:38:12,425 --> 01:38:15,995 伯爵夫人は そのどちらも お持ちでいらっしゃいます 1393 01:38:15,995 --> 01:38:19,865 少なくともローエングラム公は そう考えておいでですわ 1394 01:38:19,865 --> 01:38:23,202 ご生活の静けさを 妨げぬようにいたしますから 1395 01:38:23,202 --> 01:38:27,073 せめて山荘の護衛は 認めていただけませんか? 1396 01:38:27,073 --> 01:38:29,875 古いことをお話ししましょう 1397 01:38:29,875 --> 01:38:34,346 私とラインハルトの父が わずかな資産を使い果たして 1398 01:38:34,346 --> 01:38:37,983 とうとう屋敷も手放し 下町の小さな家に移ったのは 1399 01:38:37,983 --> 01:38:39,919 12年前のことです 1400 01:38:39,919 --> 01:38:42,488 何もかも なくしたように見えましたけど 1401 01:38:42,488 --> 01:38:44,957 新しく得たものもありました 1402 01:38:44,957 --> 01:38:49,495 ラインハルトが生まれて初めて 持った友人は 燃えるような赤毛と 1403 01:38:49,495 --> 01:38:53,065 感じのいい笑顔を持った 少年でした 1404 01:38:53,065 --> 01:38:57,636 その少年に私は言ったのです 1405 01:38:57,636 --> 01:39:02,108 「ジーク 弟と 仲良くしてやってね」と 1406 01:39:02,108 --> 01:39:05,511 赤毛の少年は 約束を守ってくれました 1407 01:39:05,511 --> 01:39:09,682 いえ それどころか 私の望んでいた以上のこと 1408 01:39:09,682 --> 01:39:14,520 他の誰にもできないことを やってくれたのです 1409 01:39:14,520 --> 01:39:19,391 私がジークフリード・ キルヒアイスの人生と命と 1410 01:39:19,391 --> 01:39:24,196 そして それ以外の全てまでも 奪ってしまったのです 1411 01:39:24,196 --> 01:39:28,934 彼は亡くなり 私は生き永らえています 1412 01:39:28,934 --> 01:39:32,404 私は罪の深い女です 1413 01:39:32,404 --> 01:39:34,640 グリューネワルト伯爵夫人 1414 01:39:34,640 --> 01:39:38,577 このような申し上げ方を することをお許しください 1415 01:39:38,577 --> 01:39:42,114 でも あえて申し上げます 1416 01:39:42,114 --> 01:39:45,017 あなたが旧大貴族派のテロに 害されたら 1417 01:39:45,017 --> 01:39:50,489 ヴァルハラにいらっしゃるキルヒアイス提督は お喜びになるでしょうか 1418 01:39:50,489 --> 01:39:53,459 それに亡くなられた方の ことばかりでなく 1419 01:39:53,459 --> 01:39:56,929 生きておられる方のことも どうかお考えください 1420 01:39:56,929 --> 01:40:00,332 伯爵夫人 あなたが お見捨てになったら 1421 01:40:00,332 --> 01:40:04,904 ローエングラム公は救われません キルヒアイス提督は 1422 01:40:04,904 --> 01:40:07,506 亡くなられるには 若すぎる年齢でした 1423 01:40:07,506 --> 01:40:10,409 ですが同じように ローエングラム公も 1424 01:40:10,409 --> 01:40:14,280 精神的に死ぬには若すぎる 年齢だとは お考えになりませんか 1425 01:40:14,280 --> 01:40:17,550 私が弟を見捨てたと おっしゃるのですか 1426 01:40:17,550 --> 01:40:21,387 ローエングラム公は 姉君に対して責任を果たしたい 1427 01:40:21,387 --> 01:40:23,389 そう考えておいでです 1428 01:40:23,389 --> 01:40:25,724 その願いを 受け入れていただいたら 1429 01:40:25,724 --> 01:40:28,727 自分は まだ姉君に対して 必要な存在なのだと 1430 01:40:28,727 --> 01:40:32,064 お考えになれるでしょう そして それは 1431 01:40:32,064 --> 01:40:34,433 ローエングラム公個人だけでなく 1432 01:40:34,433 --> 01:40:38,304 もっと広い範囲の人々にとっても 大切なことなのです 1433 01:40:38,304 --> 01:40:41,240 もっと広い範囲の人々と おっしゃると 1434 01:40:41,240 --> 01:40:43,976 あなたご自身も 含まれるのですか? 1435 01:40:43,976 --> 01:40:47,913 フロイライン ええ それは否定しません 1436 01:40:47,913 --> 01:40:52,284 でも重要なのは 更に広範囲の人々のことです 1437 01:40:52,284 --> 01:40:54,954 銀河帝国の何十億という民衆は 1438 01:40:54,954 --> 01:40:59,592 虚無に陥った支配者を 望みはしないでしょう 1439 01:40:59,592 --> 01:41:01,594 ご生活を かき乱さないということは 1440 01:41:01,594 --> 01:41:04,563 重ねて お約束させていただきます 1441 01:41:04,563 --> 01:41:06,932 どうかローエングラム公 いえ 1442 01:41:06,932 --> 01:41:10,469 ラインハルト様の願いを かなえてあげてください 1443 01:41:10,469 --> 01:41:15,269 あの方が志をお立てになったのも 姉君のためにこそなのですから 1444 01:41:18,344 --> 01:41:23,115 お礼を申し上げなくては いけませんわね フロイライン 1445 01:41:23,115 --> 01:41:26,452 弟のことを そんなに思いやってくださって 1446 01:41:26,452 --> 01:41:28,387 ありがとう 1447 01:41:28,387 --> 01:41:33,125 フロイライン・マリーンドルフ あなたのご裁量にお任せします 1448 01:41:33,125 --> 01:41:35,628 この山荘を出るつもりは ありませんが 1449 01:41:35,628 --> 01:41:40,132 それ以外のことは どうぞあなたの よろしいようになさってください 1450 01:41:40,132 --> 01:41:43,035 感謝します グリューネワルト伯爵夫人 1451 01:41:43,035 --> 01:41:46,305 アンネローゼと呼んでくださいね これから 1452 01:41:46,305 --> 01:41:51,677 はい では私のことも ヒルダとお呼びください 1453 01:41:51,677 --> 01:41:54,680 最初に 確認しておきたいことがある 1454 01:41:54,680 --> 01:41:57,483 はい 閣下 何事でございましょう 1455 01:41:57,483 --> 01:42:02,454 卿は自治領主の全権代理か それとも単なる使い走りか 1456 01:42:02,454 --> 01:42:04,990 はあ? どうなのだ 1457 01:42:04,990 --> 01:42:07,927 形としては後者でございます 閣下 1458 01:42:07,927 --> 01:42:11,764 形か フェザーン人が 実よりも形に重きを置くとは 1459 01:42:11,764 --> 01:42:13,999 寡聞にして知らぬな 1460 01:42:13,999 --> 01:42:16,535 お褒めいただいたと思って よろしいので? 1461 01:42:16,535 --> 01:42:20,506 卿の解釈に干渉する気はない はあ 1462 01:42:20,506 --> 01:42:24,276 フェザーンは何を望んでいる おそれながら閣下 1463 01:42:24,276 --> 01:42:26,879 おっしゃる意味が よく分かりませんが 1464 01:42:26,879 --> 01:42:28,881 ほう 分からぬか 1465 01:42:28,881 --> 01:42:31,617 はい 何のことやら 不敏なる身には 1466 01:42:31,617 --> 01:42:33,552 それは困った 1467 01:42:33,552 --> 01:42:36,855 一流の戯曲が一流の劇として 完成をみるには 1468 01:42:36,855 --> 01:42:39,491 一流の俳優が必要だそうだが 1469 01:42:39,491 --> 01:42:43,362 卿の演技は いささか 見え透いていて興をそぐな 1470 01:42:43,362 --> 01:42:45,864 これは手厳しいおっしゃりようで 1471 01:42:45,864 --> 01:42:48,634 言い直したほうがよさそうだな 1472 01:42:48,634 --> 01:42:51,370 皇帝を誘拐して 何の利益があるのかと 1473 01:42:51,370 --> 01:42:55,374 そう聞いているのだ それにランズベルク伯では 1474 01:42:55,374 --> 01:42:58,477 いささか荷が勝ちすぎるとも 思うが どうかな 1475 01:42:58,477 --> 01:43:02,915 驚きましたな そこまで お見通しでいらっしゃいましたか 1476 01:43:02,915 --> 01:43:04,850 すると密告したのが 1477 01:43:04,850 --> 01:43:07,386 私どもフェザーン自治政府の 者であることも 1478 01:43:07,386 --> 01:43:09,788 それが閣下への サインであったことも 1479 01:43:09,788 --> 01:43:12,358 当然ご承知でいらっしゃいますな 1480 01:43:12,358 --> 01:43:16,962 それでは私どもの思惑の全てを ご高覧に入れましょう 1481 01:43:16,962 --> 01:43:18,897 私どもフェザーン政府は 1482 01:43:18,897 --> 01:43:21,900 閣下が全宇宙を 統一支配なさるにつき 1483 01:43:21,900 --> 01:43:26,605 その ご入り用に協力させて いただきたいと考えております 1484 01:43:26,605 --> 01:43:29,942 それはルビンスキーの意思か? はい 1485 01:43:29,942 --> 01:43:32,845 それにしても その協力の第一歩が 1486 01:43:32,845 --> 01:43:37,249 門閥貴族の残党どもに皇帝を 誘拐させることだというのは 1487 01:43:37,249 --> 01:43:41,520 いささか説明を 要するのではないか 1488 01:43:41,520 --> 01:43:44,356 私どもの考えるところは こうでございます 1489 01:43:44,356 --> 01:43:46,291 ランズベルク伯アルフレッドは 1490 01:43:46,291 --> 01:43:51,096 幼帝エルウィン・ヨーゼフ2世陛下を 逆臣の手から救出… 1491 01:43:51,096 --> 01:43:53,932 いえ これはもちろん 彼の主観ですが 1492 01:43:53,932 --> 01:43:57,136 フェザーンを経由して 自由惑星同盟へ逃亡し 1493 01:43:57,136 --> 01:44:00,039 そこで亡命政府を 樹立することになりましょう 1494 01:44:00,039 --> 01:44:02,975 無論 何ら実態のあるものでは ございませんが 1495 01:44:02,975 --> 01:44:07,246 このような事態を閣下は お認めにはなられますまい 1496 01:44:07,246 --> 01:44:09,248 当然だ ですから そこで閣下は 1497 01:44:09,248 --> 01:44:11,650 自由惑星同盟を討伐なさる 1498 01:44:11,650 --> 01:44:15,020 立派な大義名分を 手に入れることになります 1499 01:44:15,020 --> 01:44:18,557 大義名分? はい 閣下を支持する民衆たちも 1500 01:44:18,557 --> 01:44:21,460 とりあえず内政が 安定していることで満足し 1501 01:44:21,460 --> 01:44:25,631 戦いを望まない風潮が 生まれつつあるのではないかと 1502 01:44:25,631 --> 01:44:28,434 拝察します 失礼ながら特に 1503 01:44:28,434 --> 01:44:32,004 先の要塞戦の結果から 厭戦気分にとらわれる者も 1504 01:44:32,004 --> 01:44:36,175 出るでしょう しかし戦う相手が 旧貴族派の残党と 1505 01:44:36,175 --> 01:44:40,546 それに加担する者だとなれば 閣下と共に同盟を倒すべく 1506 01:44:40,546 --> 01:44:44,316 挙げて力を注ぐことになる いかがでしょう 1507 01:44:44,316 --> 01:44:47,686 更に同盟の内部では 皇帝の亡命という事態に 1508 01:44:47,686 --> 01:44:50,189 国論が分裂することは必至となり 1509 01:44:50,189 --> 01:44:53,692 その点も閣下にとっては 有利に働きます 1510 01:44:53,692 --> 01:44:55,627 そうではありませんか? 1511 01:44:55,627 --> 01:44:58,530 それで私は どうすればいいのだ 1512 01:44:58,530 --> 01:45:02,101 フェザーンの厚意に対して 頭を下げて礼を言えばよいのか? 1513 01:45:02,101 --> 01:45:04,136 そう皮肉をおっしゃいますな 1514 01:45:04,136 --> 01:45:06,438 では何をしてほしいか はっきり言え 1515 01:45:06,438 --> 01:45:08,373 腹の探り合いも時にはよいが 1516 01:45:08,373 --> 01:45:10,976 毎回 そうでは いささか胃にもたれる 1517 01:45:10,976 --> 01:45:13,278 では単刀直入に申し上げます 1518 01:45:13,278 --> 01:45:16,315 ローエングラム公は 政治上 軍事上の覇権と 1519 01:45:16,315 --> 01:45:19,885 世俗的な権威の全てを お手になさいませ 1520 01:45:19,885 --> 01:45:23,655 私どもフェザーンは 閣下の支配なさる全宇宙における 1521 01:45:23,655 --> 01:45:28,293 経済的権益 特に 恒星間の流通と輸送の全てを 1522 01:45:28,293 --> 01:45:31,830 独占させていただきます いかがなものでしょうか 1523 01:45:31,830 --> 01:45:34,733 悪くない話だが 抜け落ちた点がある 1524 01:45:34,733 --> 01:45:36,668 フェザーンの政治的地位は? 1525 01:45:36,668 --> 01:45:40,072 閣下の宗主権のもとに 自治を認めていただきます 1526 01:45:40,072 --> 01:45:43,542 つまり 主変われど これまでどおりというわけで 1527 01:45:43,542 --> 01:45:46,445 それは認めてもよい だが いずれにしても 1528 01:45:46,445 --> 01:45:49,314 同盟が皇帝の亡命を 受け入れぬ限り 1529 01:45:49,314 --> 01:45:52,184 どれほど優れた戯曲でも 筋の進めようがないが 1530 01:45:52,184 --> 01:45:54,119 その辺りはどうか 1531 01:45:54,119 --> 01:45:57,990 その点は我がフェザーンの工作を ご信頼くださいますよう 1532 01:45:57,990 --> 01:46:00,692 手は打ってあります 必要な限り 1533 01:46:00,692 --> 01:46:04,196 同盟が皇帝の受け入れを 拒否すれば 1534 01:46:04,196 --> 01:46:07,499 最も間の抜けた立場に 立たされるのは私だ 1535 01:46:07,499 --> 01:46:12,204 使い道のないジョーカーを 押し付けられるようなものだ 1536 01:46:12,204 --> 01:46:14,139 自ら火を放っておいて 1537 01:46:14,139 --> 01:46:17,509 延焼だけは防いでやるとでも 言うのか 笑止な 1538 01:46:17,509 --> 01:46:19,444 そのようなことは… 1539 01:46:19,444 --> 01:46:24,149 まあよい だがな弁務官 私と盟約を結びたいというのなら 1540 01:46:24,149 --> 01:46:27,052 一つ提供してもらわねば ならぬものがある 1541 01:46:27,052 --> 01:46:29,922 何でございましょう 言わずと知れたこと 1542 01:46:29,922 --> 01:46:32,824 フェザーン回廊の自由航行権だ 1543 01:46:32,824 --> 01:46:36,595 どうした 何を驚く なぜ返答せぬ 1544 01:46:36,595 --> 01:46:38,530 ええ 即答いたしかねます 1545 01:46:38,530 --> 01:46:41,033 私が覇権を確立するのに 協力すると 1546 01:46:41,033 --> 01:46:45,938 そう卿は言ったではないか しかもルビンスキーの意思だと 1547 01:46:45,938 --> 01:46:48,907 であれば帝国軍が フェザーン回廊を使用するのに 1548 01:46:48,907 --> 01:46:52,744 何の不都合があるか 喜んで私の要求に 1549 01:46:52,744 --> 01:46:55,314 応じるべきであろう それは… 1550 01:46:55,314 --> 01:46:57,916 いくら侵攻の大義名分が できたところで 1551 01:46:57,916 --> 01:46:59,918 それを生かす道が 閉ざされていては 1552 01:46:59,918 --> 01:47:02,754 無益というものだ ですが… 1553 01:47:02,754 --> 01:47:06,625 汗を拭け弁務官 それとも卿らが真に望むのは 1554 01:47:06,625 --> 01:47:10,796 帝国がイゼルローン回廊に 無数のしかばねを並べることか? 1555 01:47:10,796 --> 01:47:14,199 あり得ることだな 両勢力共倒れの後に 1556 01:47:14,199 --> 01:47:17,236 フェザーンひとり 漁夫の利を占めるか 1557 01:47:17,236 --> 01:47:20,105 考えすぎでございます 閣下 1558 01:47:20,105 --> 01:47:22,241 まあ よかろう 1559 01:47:22,241 --> 01:47:25,043 フェザーンにはフェザーンの 利益と主張があるのだろう 1560 01:47:25,043 --> 01:47:28,280 だが それは帝国や同盟とて 同じこと 1561 01:47:28,280 --> 01:47:31,049 3つの勢力のうち 2つが手を結ぶとして 1562 01:47:31,049 --> 01:47:33,518 その一方が必ず フェザーンだなどと 1563 01:47:33,518 --> 01:47:35,918 思わぬほうがよいのではないか 1564 01:47:45,163 --> 01:47:48,934 どうぞ 失礼します 1565 01:47:48,934 --> 01:47:51,837 ありがとう いえ 1566 01:47:51,837 --> 01:47:55,807 ねえ これはアンネローゼ様が お作りになったのかしら? 1567 01:47:55,807 --> 01:47:59,578 そうです ベッドカバーも テーブルクロスも 1568 01:47:59,578 --> 01:48:02,147 みんな アンネローゼ様の お手作りです 1569 01:48:02,147 --> 01:48:04,082 そう 1570 01:48:04,082 --> 01:48:06,985 興味がおありなんですか? ううん 1571 01:48:06,985 --> 01:48:10,188 私は こういった女らしいことは 全然ダメなの 1572 01:48:10,188 --> 01:48:12,624 コンプレックスを感じるだけね 1573 01:48:12,624 --> 01:48:16,194 1つお聞きしていいですか? いいわよ どうぞ 1574 01:48:16,194 --> 01:48:19,564 どうしてアンネローゼ様をそっとして おいてあげないんですか 1575 01:48:19,564 --> 01:48:23,435 あの方は静かに暮らしたいと 考えておいでなのに 1576 01:48:23,435 --> 01:48:26,171 僕の他にも何人か お仕えしているし 1577 01:48:26,171 --> 01:48:29,141 あの方を十分 守ってさしあげられますよ 1578 01:48:29,141 --> 01:48:31,143 あなたにも約束するわ 1579 01:48:31,143 --> 01:48:34,479 アンネローゼ様の生活を 乱さないと 1580 01:48:34,479 --> 01:48:37,883 護衛の兵士は この山荘には 入らないようにするし 1581 01:48:37,883 --> 01:48:40,886 あなたの仕事の領分も 決して侵さないわ 1582 01:48:40,886 --> 01:48:43,155 だから あなたの他にも 1583 01:48:43,155 --> 01:48:45,924 アンネローゼ様をお守り したい人がいるということを 1584 01:48:45,924 --> 01:48:47,924 認めてあげてね 1585 01:49:13,018 --> 01:49:16,888 陰謀を巡らすボルテック 実行犯とならざるを得ないシューマッハ 1586 01:49:16,888 --> 01:49:19,157 その陰謀を逆用するラインハルト 1587 01:49:19,157 --> 01:49:24,029 さまざまな思惑の交錯する中 皇帝誘拐計画が実行に移された 1588 01:49:24,029 --> 01:49:28,567 次回 銀河英雄伝説 第37話 「幼帝誘拐」 1589 01:49:28,567 --> 01:49:31,667 銀河の歴史が また1ページ