1 00:00:39,172 --> 00:00:42,342 (栞)何を言ってるんですか 兄様! 2 00:00:42,342 --> 00:00:44,511 (千紗)えっ? (伊織)栞? 3 00:00:44,511 --> 00:00:48,515 何を勝手に結婚なんて! 栞は絶対に許しませんよ! 4 00:00:48,515 --> 00:00:51,685 (奈々華)あぁ…。 奈々華姉様! はい? 5 00:00:51,685 --> 00:00:54,688 (栞)千紗姉様は本を床に 放り出しておくような方では➡ 6 00:00:54,688 --> 00:00:57,357 ありませんよね。 そうだけど…。 7 00:00:57,357 --> 00:00:59,860 兄様たちは服を着たままですし➡ 8 00:00:59,860 --> 00:01:03,530 奈々華姉様の帰宅を警戒せずに 寝ていたのも不自然です。 9 00:01:03,530 --> 00:01:07,200 つまり2人に何かあった というのは誤解だと思われます。 10 00:01:07,200 --> 00:01:10,037 言われてみれば…。 ですよね。 11 00:01:10,037 --> 00:01:13,040 (千紗)う うん…。 まさに そのとおりだが…。 12 00:01:13,040 --> 00:01:15,042 なぜ そこまでわかる。 13 00:01:15,042 --> 00:01:17,544 まるで 一部始終を見ていたような。 14 00:01:17,544 --> 00:01:21,248 フフッ ただの洞察力です。 15 00:02:51,838 --> 00:02:54,841 (愛菜)へぇ~。 (梓)伊織の妹ねぇ。 16 00:02:54,841 --> 00:02:56,843 北原栞と申します。 17 00:02:56,843 --> 00:02:59,346 兄がいつも お世話になっております。 18 00:02:59,346 --> 00:03:02,015 いえ こちらこそ。 はじめまして。 19 00:03:02,015 --> 00:03:05,185 (時田)礼儀正しいな。 (寿)いい娘じゃないか。 20 00:03:05,185 --> 00:03:07,688 それで 何しにきたんだ。 21 00:03:07,688 --> 00:03:09,856 兄様の様子を見に。 22 00:03:09,856 --> 00:03:13,193 俺の近況は この前 手紙に書いたじゃないか。 23 00:03:13,193 --> 00:03:18,698 はい 確かに。 「勉学にいそしみ 廉潔な毎日を送っている」と…。 24 00:03:18,698 --> 00:03:22,035 なので すべてウソだと確信して ここに来ました。 25 00:03:22,035 --> 00:03:26,206 お前も知っているだろう。 俺は不真面目が大嫌いだって。 26 00:03:26,206 --> 00:03:29,709 兄様の言わんとする ざれ言もわかりますが➡ 27 00:03:29,709 --> 00:03:33,680 先ほども 「千紗姉様と いったん結婚してみる」と…。 28 00:03:33,680 --> 00:03:37,517 いったん結婚って何!? いろいろ事情があってな。 29 00:03:37,517 --> 00:03:40,487 じゃあ 伊織の生活が心配で ここに? 30 00:03:40,487 --> 00:03:42,489 はい。 それと➡ 31 00:03:42,489 --> 00:03:45,492 一度ご挨拶をと。 あらあら。 32 00:03:45,492 --> 00:03:48,829 しっかりしてるな。 ホントにお前の妹か? 33 00:03:48,829 --> 00:03:52,833 (伊織)失敬な! こうして並ぶと そっくりでしょう。 34 00:03:52,833 --> 00:03:55,669 そうだな 目の数とか似てるな。 35 00:03:55,669 --> 00:03:58,004 指の本数とかも うり二つだ。 36 00:03:58,004 --> 00:04:02,342 もっと他にありませんかね! そうそう 兄様にも…。 37 00:04:02,342 --> 00:04:04,678 (伊織)食い物か? いえ 兄様が➡ 38 00:04:04,678 --> 00:04:08,348 家に忘れていったもので 大切なものなのでしょう。 39 00:04:08,348 --> 00:04:10,550 やめろぉ~っ! 40 00:04:10,550 --> 00:04:13,353 よかった。 飛びつくほど喜んでもらえて。 41 00:04:13,353 --> 00:04:15,355 こんなもん どっから持ってきた!? 42 00:04:15,355 --> 00:04:19,693 (栞)はい先日 鍵のついた机を こじあけたら 偶然。 43 00:04:19,693 --> 00:04:23,697 それもう100パーセント故意だよな! ハッ まさか中身を…? 44 00:04:23,697 --> 00:04:27,200 見ましたが 私は譜面には詳しくないので…。 45 00:04:27,200 --> 00:04:29,202 ホッ。 (栞)家族で解読を…。 46 00:04:29,202 --> 00:04:31,872 ハッ! 一応 父様に歌っていただいた➡ 47 00:04:31,872 --> 00:04:35,842 音源も。 なんてことしてくれてんだ お前! 48 00:04:35,842 --> 00:04:38,512 うお~っ! 49 00:04:38,512 --> 00:04:41,348 そういえば伯父様方は元気? 50 00:04:41,348 --> 00:04:43,350 父も母も壮健です。 51 00:04:43,350 --> 00:04:46,019 今度 遊びにきてほしいと 言ってました。 52 00:04:46,019 --> 00:04:48,355 よければ皆様もご一緒に。 53 00:04:48,355 --> 00:04:50,524 うちは旅館をやってるんですよ。 54 00:04:50,524 --> 00:04:53,660 へぇ すごい! それは ぜひ行ってみたいね。 55 00:04:53,660 --> 00:04:57,664 ということは…。 伊織は いずれ旅館を継ぐのか? 56 00:04:57,664 --> 00:05:01,001 いえ バカに継がせる気はないと おやじが…。 57 00:05:01,001 --> 00:05:04,004 なら しかたないな。 合理的な判断だ。 58 00:05:04,004 --> 00:05:07,674 俺も後を継ぐ気はありませんけど。 あっ そうなんだ。 59 00:05:07,674 --> 00:05:12,012 経営は バカには向かないからな。 身の程を知ってるってことか。 60 00:05:12,012 --> 00:05:15,849 俺がバカだという前提で 話をするのやめません? 61 00:05:15,849 --> 00:05:17,851 そうじゃなくて 継ぐ気がないと…。 62 00:05:17,851 --> 00:05:20,187 (栞)そんなこと 言わないでください 兄様。 63 00:05:20,187 --> 00:05:23,190 努力しだいで バカは治りますから。 64 00:05:23,190 --> 00:05:25,692 だから 前提が間違っているって 言ってんだよ! 65 00:05:25,692 --> 00:05:28,061 とにかく もう用は済んだよな! 66 00:05:28,061 --> 00:05:31,398 駅まで送るぞ。 (千紗)泊まっていかないの? 67 00:05:31,398 --> 00:05:33,300 (奈々華)せっかく 来てくれたんだし。 68 00:05:33,300 --> 00:05:35,302 (伊織)コイツ 今年 受験ですから。 69 00:05:35,302 --> 00:05:38,471 (愛菜)そんなの別に 少しくらい。 (千紗)受験 厳しいの? 70 00:05:38,471 --> 00:05:41,641 余裕はありますけど。 その考えが甘い! 71 00:05:41,641 --> 00:05:44,311 勉強は毎日するものなんだ! 72 00:05:44,311 --> 00:05:49,316 なんて薄っぺらい言葉なんだ。 説得力のなさが尋常じゃないぞ。 73 00:05:49,316 --> 00:05:51,651 さぁ帰るぞ! すぐ帰るぞ! 74 00:05:51,651 --> 00:05:53,653 兄様…。 んっ? 75 00:05:53,653 --> 00:05:56,856 栞が来たのは迷惑でしたか…? 76 00:05:56,856 --> 00:05:59,159 栞…。 77 00:05:59,159 --> 00:06:01,494 死ぬほど迷惑だ。 (時田)言い切りやがったぞ! 78 00:06:01,494 --> 00:06:03,830 (寿)兄としての優しさは ないのか! 79 00:06:03,830 --> 00:06:07,167 そうですか…。 ちょっと 伊織。 80 00:06:07,167 --> 00:06:11,171 なんてこと言うの! ぐぬっ 俺に味方はいないのか…。 81 00:06:11,171 --> 00:06:14,341 (梓)あ~ 確かに 伊織も大変かもね。 82 00:06:14,341 --> 00:06:17,444 わかってもらえますか? 梓さん! わかるわかる。 83 00:06:22,015 --> 00:06:24,017 「伊織の死」か…。 84 00:06:24,017 --> 00:06:27,854 急げ 栞! 早く ヤツが来る前に…。 85 00:06:27,854 --> 00:06:30,690 (耕平)ごきげんよう 北原…。 86 00:06:30,690 --> 00:06:34,461 いででで…! で あの子がお前の妹か? 87 00:06:34,461 --> 00:06:37,297 ちがっ…。 妹の栞と申します。 88 00:06:37,297 --> 00:06:41,635 俺の現状を察しろ! フッ そうか! 89 00:06:41,635 --> 00:06:44,471 こ… 耕平? 90 00:06:44,471 --> 00:06:47,307 頭部は野犬に食わせるとして…。 91 00:06:47,307 --> 00:06:49,342 よせ耕平 落ち着け! 黙れ! 92 00:06:49,342 --> 00:06:52,178 この世のすべての富を独占する 邪悪め! 93 00:06:52,178 --> 00:06:55,015 だが 俺も鬼ではない。 なに…? 94 00:06:55,015 --> 00:06:57,517 条件をのむなら助けてやろう。 95 00:06:57,517 --> 00:07:01,021 あっ!? その… なんだ…。 96 00:07:01,021 --> 00:07:05,325 彼女が俺を 「耕平おにいちゃん」と 呼んでくれたら…。 97 00:07:05,325 --> 00:07:07,694 お前は本当に気持ち悪いな…。 98 00:07:07,694 --> 00:07:11,197 ならば死ね! (伊織)待て 誰が断ると言った? 99 00:07:11,197 --> 00:07:14,034 栞 言うとおりにしてやってくれ。 100 00:07:14,034 --> 00:07:16,536 えっ。 頼む。 お前のひと言に➡ 101 00:07:16,536 --> 00:07:20,206 俺の命が懸かってるんだ! え… えっと…。 102 00:07:20,206 --> 00:07:23,543 くっ…。 そんなの… 恥ずかしいです。 103 00:07:23,543 --> 00:07:25,712 残念だよ 北原。 104 00:07:25,712 --> 00:07:28,348 兄を見捨てる気か 栞~っ! 105 00:07:28,348 --> 00:07:32,385 なので その… 「耕平兄様」で…。 106 00:07:32,385 --> 00:07:35,622 あっ…。 107 00:07:35,622 --> 00:07:37,791 えっ? 北原…。 108 00:07:37,791 --> 00:07:39,793 なんだよ。 109 00:07:39,793 --> 00:07:42,962 これで頼む…! なんの金だ おい! 110 00:07:42,962 --> 00:07:46,132 元は 「ららこたん」購入資金だ…。 111 00:07:46,132 --> 00:07:49,302 (伊織)金の出どころは聞いてない。 「ららこたん」? 112 00:07:49,302 --> 00:07:51,471 耕平が好きなアニメだよ。 113 00:07:51,471 --> 00:07:54,808 ああ 『魔法少女ららこ』のことですか。 114 00:07:54,808 --> 00:07:57,978 あっ! (愛菜)知ってるの? (栞)はい 少しだけ…。 115 00:07:57,978 --> 00:08:01,648 私も好きですよ 『魔法少女ららこ』。 116 00:08:01,648 --> 00:08:04,818 あっ… あぁ…!? 117 00:08:04,818 --> 00:08:07,153 北原…。 なんだよ? 118 00:08:07,153 --> 00:08:10,657 マジで… 頼む! だから なんの金だ おい! 119 00:08:10,657 --> 00:08:13,660 聞いてのとおりだ 栞! ここにいると危険だ! 120 00:08:13,660 --> 00:08:15,995 そうですか。 121 00:08:15,995 --> 00:08:19,666 では 片ときも兄様から 離れないようにします。 122 00:08:19,666 --> 00:08:21,668 それが危険なんだよ! 123 00:08:21,668 --> 00:08:23,670 とにかく帰れ! 嫌です! 124 00:08:23,670 --> 00:08:25,672 帰れ! 嫌! 帰れって! 125 00:08:25,672 --> 00:08:27,841 こらこら もめるんじゃない。 こういうときは➡ 126 00:08:27,841 --> 00:08:29,843 ゲームでと言ってるだろう。 127 00:08:29,843 --> 00:08:31,845 わかりました…。 128 00:08:34,814 --> 00:08:37,117 それじゃ チーム対抗で。 129 00:08:37,117 --> 00:08:40,620 私らは審判ね。 圧倒的人数差! 130 00:08:40,620 --> 00:08:42,956 俺に協力しろ。 嫌だ。 131 00:08:42,956 --> 00:08:45,125 そうか ならば…。 132 00:08:45,125 --> 00:08:49,829 栞にお前の悪評を吹き込む。 なっ… このゲスが…。 133 00:08:49,829 --> 00:08:51,798 うん? 134 00:08:54,467 --> 00:08:57,470 フッ… うがっ! 135 00:09:00,340 --> 00:09:04,511 これで… どちらも選ばずに済む…。 136 00:09:04,511 --> 00:09:06,679 自ら死を選ぶとは。 137 00:09:06,679 --> 00:09:09,182 武将のような死にざまだな。 でも…。 138 00:09:09,182 --> 00:09:11,851 伊織は 悪評を吹き込んでるけどね。 139 00:09:11,851 --> 00:09:14,687 アイツ実は虫が主食なんだ。 え~。 140 00:09:14,687 --> 00:09:16,689 (寿)鬼か アイツは…。 141 00:09:16,689 --> 00:09:19,159 (伊織)さて 勝負の内容は…。 142 00:09:19,159 --> 00:09:22,662 「ハンカチ落とし」かぁ。 ずいぶん懐かしい遊びだね。 143 00:09:22,662 --> 00:09:24,831 これは誰の? 私です! 144 00:09:24,831 --> 00:09:26,100 場所つくろっか。 椅子運ぶね。 145 00:09:26,100 --> 00:09:30,503 こんな遊びがいいなんて 栞もまだまだ子どもだな。 146 00:09:33,940 --> 00:09:36,443 (2人)んっ? (倒れる音) 147 00:09:41,314 --> 00:09:46,619 《栞:兄様 これが私の言う ハンカチ落としです》 148 00:09:46,619 --> 00:09:48,788 あれ? 伊織? 149 00:09:48,788 --> 00:09:51,291 急に眠たくなったと言って。 150 00:09:51,291 --> 00:09:55,128 (愛菜)妹の顔を見たら ホッとして力が抜けたんじゃない。 151 00:09:55,128 --> 00:09:58,131 (時田/寿)よいしょっと。 部屋 案内するね。 152 00:09:58,131 --> 00:10:01,668 はい。 (愛菜)手伝うよ。 153 00:10:01,668 --> 00:10:04,504 でも あれだねぇ。 何? 154 00:10:04,504 --> 00:10:07,340 栞ちゃんって 奈々華と趣味が合うんじゃない? 155 00:10:07,340 --> 00:10:09,342 そう? だって➡ 156 00:10:09,342 --> 00:10:11,344 奈々華も ちーちゃん大好きじゃない。 157 00:10:11,344 --> 00:10:15,682 うん…。 一見 お兄ちゃん 大好きに見えるけど➡ 158 00:10:15,682 --> 00:10:18,651 なんか違う気がするのよね…。 159 00:10:18,651 --> 00:10:20,653 う~ う~…。 160 00:10:23,490 --> 00:10:27,160 家から逃げようなんて 絶対許しませんよ。 161 00:10:27,160 --> 00:10:30,363 クソ兄貴…。 162 00:10:32,332 --> 00:10:37,337 《私は北原栞。 中学3年生で 牡羊座のAB型。 163 00:10:37,337 --> 00:10:40,340 実家は古い旅館を営んでいる。 164 00:10:40,340 --> 00:10:43,343 ここで一つ告白しておきたい。 165 00:10:43,343 --> 00:10:45,845 実のところ私は…。 166 00:10:45,845 --> 00:10:49,349 別に兄が好きでもなんでもない》 167 00:10:51,351 --> 00:10:53,353 う… まぶし…。 168 00:10:53,353 --> 00:10:56,523 兄様 朝ですよ 起きてください。 169 00:10:56,523 --> 00:10:59,025 《栞:では なぜ こんな世話焼き女房のような➡ 170 00:10:59,025 --> 00:11:01,027 まねをしてるかというと…。 171 00:11:01,027 --> 00:11:04,364 ひとえに 兄に旅館を継がせるためだ。 172 00:11:04,364 --> 00:11:08,701 そのためには ブラコンですら演じきってみせる》 173 00:11:08,701 --> 00:11:11,871 おはようございます。 (店長)おお おはよう。 174 00:11:11,871 --> 00:11:15,542 今朝は ずいぶん早いな。 栞に起こされまして。 175 00:11:15,542 --> 00:11:17,877 何を言うんですか 兄様。 176 00:11:17,877 --> 00:11:20,713 旅館の仕事は もっと朝早いというのに。 177 00:11:20,713 --> 00:11:24,050 いや別に旅館の仕事はしないし。 178 00:11:24,050 --> 00:11:28,054 《栞:はあ~っ!? では まともに就職できるとでも?》 179 00:11:28,054 --> 00:11:31,891 私は兄様が帰ってきてくれると 信じてますから。 180 00:11:31,891 --> 00:11:35,695 あら 偉いわね 伊織くん。 ちゃんと服を着て。 181 00:11:35,695 --> 00:11:39,699 やはり人間 2日に1度は 服を着ませんと。 182 00:11:39,699 --> 00:11:42,835 待っててね すぐごはん作るから。 183 00:11:42,835 --> 00:11:46,172 奈々華姉様 お手伝いしても よろしいでしょうか。 184 00:11:46,172 --> 00:11:48,474 それじゃ 一緒に作りましょう。 185 00:11:51,377 --> 00:11:54,213 《さて 作戦開始です》 186 00:11:54,213 --> 00:11:56,216 (一同)いただきま~す。 187 00:11:56,216 --> 00:11:58,718 (奈々華)ほとんど 栞ちゃんが作ってくれたの。 188 00:11:58,718 --> 00:12:02,722 お口に合うとよいのですが…。 あっ おいしい。 189 00:12:02,722 --> 00:12:06,559 栞ちゃん お料理 上手なのね。 それほどでも。 190 00:12:06,559 --> 00:12:08,561 《栞:家から持ってきた味噌に➡ 191 00:12:08,561 --> 00:12:11,231 慣れ親しんだ甘い味付けの卵焼き。 192 00:12:11,231 --> 00:12:14,067 漬物も私が漬けた自慢の一品。 193 00:12:14,067 --> 00:12:17,904 さぁ兄様 ホームシックに駆られなさい》 194 00:12:17,904 --> 00:12:21,574 こんなにおいしいと 実家が恋しくなるだろう。 195 00:12:21,574 --> 00:12:26,546 おふくろの味ですか…。 どんな味だっけなぁ。 196 00:12:26,546 --> 00:12:29,249 おいおい…。 ひどい記憶力…。 197 00:12:29,249 --> 00:12:31,250 《栞:このバカ どうしてくれよう。 198 00:12:31,250 --> 00:12:34,988 ならば今度は過度なブラコンを演じて ドン引きさせて➡ 199 00:12:34,988 --> 00:12:36,990 いづらくさせましょう》 200 00:12:39,492 --> 00:12:42,161 しまった! 大丈夫ですか? 兄様。 201 00:12:42,161 --> 00:12:45,331 あ~…。 早く 着替えたほうがいいぞ。 202 00:12:45,331 --> 00:12:49,168 お風呂入る? そういえば 昨日入ってないし。 203 00:12:49,168 --> 00:12:51,337 (栞)それでは兄様 そうしましょう! 204 00:12:51,337 --> 00:12:54,007 栞もご一緒して お背中流します。 205 00:12:54,007 --> 00:12:56,409 あら いいわね。 あっ…。 206 00:12:59,345 --> 00:13:02,181 《いいわねぇ? 肯定するんですか!? 207 00:13:02,181 --> 00:13:04,517 普通引くでしょう!? せめて一人ぐらいは➡ 208 00:13:04,517 --> 00:13:07,020 引いてる人が…!》 うわ~…。 209 00:13:07,020 --> 00:13:09,355 《あなたは どうでもいいんですよ~!》 210 00:13:09,355 --> 00:13:13,026 私も 久しぶりに 千紗ちゃんと入ろうかしら。 211 00:13:13,026 --> 00:13:15,361 狭くなるからダメ! え~。 212 00:13:15,361 --> 00:13:18,197 《栞:引いてほしいのは あっちのお二人なのに!》 213 00:13:18,197 --> 00:13:21,701 栞 お前に一つ言っておく。 は… はい…。 214 00:13:21,701 --> 00:13:24,537 奈々華さんを いたずらに刺激するな。 215 00:13:24,537 --> 00:13:27,540 《栞:意味がわかりません》 それじゃ➡ 216 00:13:27,540 --> 00:13:29,542 お風呂 沸かしてくるわね。 217 00:13:29,542 --> 00:13:34,313 本当に入るのか? はい 兄様がよいのであれば。 218 00:13:34,313 --> 00:13:37,650 許さん! ぎゃあ~! どこから湧いた~!? 219 00:13:37,650 --> 00:13:40,520 危なかったね もう大丈夫だよ。 220 00:13:40,520 --> 00:13:42,655 えっ? あっ はい…。 君は➡ 221 00:13:42,655 --> 00:13:47,360 もっと自分を大切にしないと。 えっと たしか今村先輩…。 222 00:13:47,360 --> 00:13:49,662 ハハハ… 違うよ 栞ちゃん。 223 00:13:49,662 --> 00:13:52,332 すみません お名前を間違えるとは…。 224 00:13:52,332 --> 00:13:55,001 いや 呼び方が違うだけさ。 225 00:13:55,001 --> 00:13:58,171 ほら あっただろう。 俺の正しい呼び方が。 226 00:13:58,171 --> 00:14:02,542 えっと… 虫が主食の今村先輩! 227 00:14:02,542 --> 00:14:05,044 貴様 何を吹き込んだ~! 228 00:14:05,044 --> 00:14:08,014 じゃあ 支度を始めましょうか。 229 00:14:08,014 --> 00:14:10,550 今日 何かあるんですか? 230 00:14:10,550 --> 00:14:15,521 うん 伊織のライセンス講習の続き。 231 00:14:18,024 --> 00:14:22,061 なんだ? 本当に兄様が海に入るんですね。 232 00:14:22,061 --> 00:14:24,063 ダイビングサークルだからな。 233 00:14:24,063 --> 00:14:27,233 てっきり形骸化した ただの飲み団体かと…。 234 00:14:27,233 --> 00:14:30,536 そんなこと… ない…。 ハハハハッ 伊織! 235 00:14:30,536 --> 00:14:33,005 返事はもっと 大きな声でしないとな。 236 00:14:33,005 --> 00:14:35,475 そういえば 栞ちゃんは泳げるの? 237 00:14:35,475 --> 00:14:37,477 一応 人並みには。 238 00:14:37,477 --> 00:14:39,979 (愛菜)伊織は泳げないのにね。 ほっとけ! 239 00:14:39,979 --> 00:14:42,982 やっぱり本当は 兄妹じゃないんじゃないか。 240 00:14:42,982 --> 00:14:46,986 何を言うか。 兄様は栞の大事な兄様です。 241 00:14:46,986 --> 00:14:50,656 ふむ! ならば栞ちゃんについての 質問に答えてみろ! 242 00:14:50,656 --> 00:14:53,493 それ 耕平が知りたいだけでしょ。 243 00:14:53,493 --> 00:14:57,830 第1問 彼女の好きな食べ物は!? 和菓子とかじゃないか。 244 00:14:57,830 --> 00:15:01,000 ふむふむ。 第2問 彼女の苦手なものは!? 245 00:15:01,000 --> 00:15:03,836 機械全般だな。 ふむふむ。 246 00:15:03,836 --> 00:15:07,340 第3問 彼女の好きな服は!? 着物だろう。 247 00:15:07,340 --> 00:15:11,010 合ってるの? フフフ さすが兄様です。 248 00:15:11,010 --> 00:15:13,212 《何一つ合っていない。 249 00:15:13,212 --> 00:15:16,883 好きな食べ物はドーナツだし 機械は得意分野。 250 00:15:16,883 --> 00:15:19,719 着物だって 両親が喜ぶから着てるだけ…》 251 00:15:19,719 --> 00:15:23,890 兄様の理解度に感服しました。 そりゃあよかった。 252 00:15:23,890 --> 00:15:27,693 ところで栞ちゃん 予定がないなら一緒にどう? 253 00:15:27,693 --> 00:15:30,029 一緒にって ダイビングですか? 254 00:15:30,029 --> 00:15:33,633 せっかくだし。 すごく楽しいし 気持ちいいよ。 255 00:15:33,633 --> 00:15:35,968 《ダイビングを肯定するのは➡ 256 00:15:35,968 --> 00:15:38,805 兄様の居場所づくりに 加担すること…》 257 00:15:38,805 --> 00:15:42,475 えっと すみません 私は遠慮します。 258 00:15:42,475 --> 00:15:44,644 水着の準備もしてませんし…。 259 00:15:44,644 --> 00:15:48,147 私の予備でよければ。 私のも。 260 00:15:48,147 --> 00:15:50,483 お気持ちはありがたいのですが…。 261 00:15:50,483 --> 00:15:52,652 (伊織)ああ そうか…。 262 00:15:52,652 --> 00:15:55,021 サイズが合わないよな。 263 00:15:55,021 --> 00:15:56,989 (千紗/愛菜)ヒッ! んっ? 264 00:15:56,989 --> 00:15:59,826 《この人 何してくれてるの?》 265 00:15:59,826 --> 00:16:02,161 ちょっと 伊織!? 何してるの!? 266 00:16:02,161 --> 00:16:04,497 えっ? まずかったか? 《栞:って いけない➡ 267 00:16:04,497 --> 00:16:07,667 あくまでも ブラコンの妹という体をとらないと》 268 00:16:07,667 --> 00:16:11,838 も… もう 兄様ったら 殺しますよ。 269 00:16:11,838 --> 00:16:13,840 《しまった 本音が…》 270 00:16:13,840 --> 00:16:18,845 でも 兄様の言うとおり 栞には姉様方の水着は少し…。 271 00:16:18,845 --> 00:16:20,847 そう…? いやぁ~。 272 00:16:20,847 --> 00:16:23,349 奈々華のは いくらなんでもねぇ。 273 00:16:23,349 --> 00:16:30,189 んっ!? 私のなら… サイズ… 合うかも…。 274 00:16:30,189 --> 00:16:35,328 大丈夫 まだこれからだって。 気休めはやめてください。 275 00:16:35,328 --> 00:16:38,497 栞はここから 兄様の雄姿を見ていますから。 276 00:16:38,497 --> 00:16:42,001 そうか。 まぁ 栞が そう言うなら無理には…。 277 00:16:42,001 --> 00:16:45,171 (耕平)待ちな! プレゼントだ~っ! 278 00:16:45,171 --> 00:16:47,139 うん? 279 00:16:49,809 --> 00:16:52,845 あ~っ! 野生のポリスメンが! 280 00:16:52,845 --> 00:16:54,814 通報はよせ 北原! 281 00:16:56,849 --> 00:16:59,318 安心しろ! お前は誤解しているだけだ! 282 00:16:59,318 --> 00:17:01,320 未使用品だ。 283 00:17:01,320 --> 00:17:04,156 使用済みだったら 怖くて震えが止まらねえよ。 284 00:17:04,156 --> 00:17:06,325 みなさん お気遣いなく。 285 00:17:06,325 --> 00:17:10,162 栞は兄様の姿を見れるだけで 十分ですから。 286 00:17:10,162 --> 00:17:19,539 (波の音) 287 00:17:19,539 --> 00:17:22,174 (店長)栞ちゃんは海が嫌いか? 288 00:17:22,174 --> 00:17:24,176 えっ!? 289 00:17:24,176 --> 00:17:26,679 私は あまり入りませんけど➡ 290 00:17:26,679 --> 00:17:29,348 魅力的で すてきな場所だと思います。 291 00:17:29,348 --> 00:17:33,286 ハハハッ 相手を気遣った 頭のいい返事だ。 292 00:17:33,286 --> 00:17:35,288 あっ いえ そんな。 293 00:17:35,288 --> 00:17:39,125 そんな栞ちゃんにこそ 一度 潜ってみてほしいがね。 294 00:17:39,125 --> 00:17:41,127 どういう意味ですか? 295 00:17:41,127 --> 00:17:43,462 頭のいい子には貴重なんだよ。 296 00:17:43,462 --> 00:17:47,300 大自然の中で 頭空っぽにできる 時間ってのはさ。 297 00:17:47,300 --> 00:17:51,804 まぁ アイツらが楽しそうに見えたら やってみるといい。 298 00:17:51,804 --> 00:17:54,140 《ダイビング…? 299 00:17:54,140 --> 00:17:57,143 私は兄様を戻らせるほうが 重要ですし➡ 300 00:17:57,143 --> 00:18:01,647 そもそも 楽しそうに… なんか…》 301 00:18:01,647 --> 00:18:09,488 ♬~ 302 00:18:09,488 --> 00:18:11,824 (2人)あっ!? 303 00:18:11,824 --> 00:18:15,494 栞も… やってみたい… です。 304 00:18:15,494 --> 00:18:18,164 じゃあ 私と一緒に潜ろうか。 305 00:18:18,164 --> 00:18:20,100 あっ いえ 栞は兄様と一緒に。 306 00:18:20,100 --> 00:18:23,669 俺は試験中だからなぁ…。 307 00:18:23,669 --> 00:18:26,672 極力 伊織の近くに いるようにするから。 308 00:18:26,672 --> 00:18:28,674 わかりました。 309 00:18:28,674 --> 00:18:32,678 《けして兄様たちが楽しそうに 見えたからではありません…。 310 00:18:32,678 --> 00:18:34,647 別に そんなんじゃ…》 311 00:18:34,647 --> 00:18:37,984 (千紗)浮力調整は私がするから 安心してね。 はい。 312 00:18:37,984 --> 00:18:45,992 ♬~ 313 00:18:45,992 --> 00:18:50,162 《へぇ… これが海の中の風景ですか。 314 00:18:50,162 --> 00:18:52,498 先日 雨が降ったせいか➡ 315 00:18:52,498 --> 00:18:55,368 水はそんなに きれいじゃありませんね》 316 00:19:01,674 --> 00:19:07,013 《でも 人と一緒にいるのに 声が聞こえない…。 317 00:19:07,013 --> 00:19:10,349 言葉に気を遣わなくていい…。 318 00:19:10,349 --> 00:19:15,621 この不思議な時間は 確かに貴重かもしれません》 319 00:19:17,690 --> 00:19:22,028 それでは 栞ちゃんの歓迎と 伊織のライセンス取得を祝って…。 320 00:19:22,028 --> 00:19:24,196 (一同)かんぱ~い! 321 00:19:24,196 --> 00:19:27,500 (寿)これで一人前の オープンウォーターダイバーだな! 322 00:19:27,500 --> 00:19:30,703 風邪さえひいていなければ 余裕ですよ。 323 00:19:30,703 --> 00:19:33,272 中性浮力で失敗してたがな。 324 00:19:33,272 --> 00:19:35,441 栞ちゃんはどうだった? 325 00:19:35,441 --> 00:19:38,811 えっと… お味噌汁の中を 泳いでるようでした。 326 00:19:38,811 --> 00:19:42,982 アハハッ 海藻もあったしね。 雨が降ったあとだから。 327 00:19:42,982 --> 00:19:44,984 本当は もっときれいなんだよ。 328 00:19:44,984 --> 00:19:47,787 でも すごく新鮮な体験ができました。 329 00:19:47,787 --> 00:19:50,790 よかったよかった ハハハハ…! 330 00:19:53,159 --> 00:19:57,830 《栞:あのウーロン茶は可燃性 ズボンが無意識に半分脱げている。 331 00:19:57,830 --> 00:20:02,501 やはり早急に戻ってくるよう あとで成績表でも探し出して➡ 332 00:20:02,501 --> 00:20:05,171 父様たちに密告しましょう…》 333 00:20:11,010 --> 00:20:12,978 まったく 兄様は…。 334 00:20:15,314 --> 00:20:17,483 (伊織)何やってんだ? あっ! 335 00:20:17,483 --> 00:20:21,987 着替えにきたら あまりに 散らかっていたので片づけを…。 336 00:20:21,987 --> 00:20:25,324 ありゃ ついに 押し入れが崩壊したか。 337 00:20:25,324 --> 00:20:27,326 兄様こそ何をしに? 338 00:20:27,326 --> 00:20:30,830 お前を捜してたんだよ。 ちょっと引っ掛かってな。 339 00:20:30,830 --> 00:20:34,166 《まさか 気付かれた?》 340 00:20:34,166 --> 00:20:36,502 お前 ホントは…。 341 00:20:36,502 --> 00:20:40,172 今日 他に行きたい所が あったんじゃないか? はい? 342 00:20:40,172 --> 00:20:43,843 (栞)いえ そんなことないですよ。 (伊織)それならいいが…。 343 00:20:43,843 --> 00:20:46,846 《この鈍さ やはり兄様ですね》 344 00:20:46,846 --> 00:20:49,849 心配しすぎですよ 兄様は。 345 00:20:49,849 --> 00:20:52,351 (伊織)そうか。 346 00:20:52,351 --> 00:20:55,187 (栞)もう栞も 子どもじゃありませんし。 347 00:20:55,187 --> 00:20:58,357 (伊織)だって お前 そういうの 言いだすの苦手だろう。 348 00:20:58,357 --> 00:21:01,360 別に そんなことも。 でも お前➡ 349 00:21:01,360 --> 00:21:04,196 旅館を継ぐの嫌だってことも 言えてないっぽいし。 350 00:21:04,196 --> 00:21:07,032 えっ! どうした? 351 00:21:07,032 --> 00:21:10,703 今 私が旅館を継ぐのが 嫌だって…。 352 00:21:10,703 --> 00:21:15,374 あのなぁ お前がどれだけ俺を バカだと思ってるか知らんけど➡ 353 00:21:15,374 --> 00:21:18,043 それくらい わかるっての。 354 00:21:18,043 --> 00:21:21,714 お前の好きな食べ物も服も よく知らないけどさ…。 355 00:21:21,714 --> 00:21:25,417 俺は お前の兄ちゃんなんだから。 356 00:21:27,887 --> 00:21:30,923 (泣き声) 357 00:21:30,923 --> 00:21:32,825 ((んっ。 358 00:21:32,825 --> 00:21:34,827 ひぐっ…。 359 00:21:34,827 --> 00:21:39,999 栞のいる場所 よくわかったね。 そんなの簡単だ。 360 00:21:39,999 --> 00:21:43,335 俺は お前の兄ちゃんなんだから)) 361 00:21:43,335 --> 00:21:46,672 お… お兄ちゃん…。 362 00:21:46,672 --> 00:21:50,009 じゃあ 兄様が 実家を継いでください。 363 00:21:50,009 --> 00:21:52,211 それは御免被る! えっ! 364 00:21:54,180 --> 00:21:56,182 ぶす…。 365 00:21:56,182 --> 00:21:58,851 それじゃあ栞 みんなに挨拶を。 366 00:21:58,851 --> 00:22:00,853 またね。 今度は➡ 367 00:22:00,853 --> 00:22:02,855 透明度が高いときに来るといい。 368 00:22:02,855 --> 00:22:05,357 んっ…。 どうした? 369 00:22:05,357 --> 00:22:09,195 栞は おとなしく帰りますから 兄様一緒に…。 370 00:22:09,195 --> 00:22:12,865 お前 そのまま俺を 実家に監禁する気だろ。 371 00:22:12,865 --> 00:22:16,368 そのうち実家に顔を出すから 今日は帰っとけ。 372 00:22:16,368 --> 00:22:18,704 うおお~っ! 373 00:22:18,704 --> 00:22:21,540 やっぱり 奈々華と 同じに見えるけどなぁ…。 374 00:22:21,540 --> 00:22:23,542 んっ? 何がだ? 375 00:22:23,542 --> 00:22:26,045 家を出たお兄ちゃんに 一人で会いにきて➡ 376 00:22:26,045 --> 00:22:29,715 やってることまねして 環境が気になって…。 377 00:22:29,715 --> 00:22:33,919 それって 完全にブラコンだよね。 378 00:22:36,021 --> 00:22:39,024 《私は北原栞…。 379 00:22:39,024 --> 00:22:43,195 別に兄が好きでもなんでもない… けど➡ 380 00:22:43,195 --> 00:22:47,666 まぁ 嫌いでもないかな…》