1 00:00:11,011 --> 00:00:14,681 ⦅貞時:つまり君は 私の娘が欲しいのだな? 2 00:00:14,681 --> 00:00:18,018 (ハルト)はっ? あ いえ そうではなくて➡ 3 00:00:18,018 --> 00:00:20,354 俺は この村に伝わる秘伝の技を➡ 4 00:00:20,354 --> 00:00:22,689 教えて欲しいだけなんですけど。 5 00:00:22,689 --> 00:00:25,359 キミは どんな技が欲しいのかね? 6 00:00:25,359 --> 00:00:29,696 確実に人を斬れる技を。 7 00:00:29,696 --> 00:00:33,367 俺は時々 師匠と現場に出るんですけど➡ 8 00:00:33,367 --> 00:00:36,036 その人からは 「この世に 切れないものはない」という➡ 9 00:00:36,036 --> 00:00:38,372 自信を感じるんです。 10 00:00:38,372 --> 00:00:41,041 その自信によって 無駄なものを斬らなくなる。 11 00:00:41,041 --> 00:00:45,045 それこそが 真の技の価値なのだと思うんです。 12 00:00:45,045 --> 00:00:48,048 なるほど。 しかし…。 13 00:00:48,048 --> 00:00:50,050 どこの馬の骨ともわからん男に➡ 14 00:00:50,050 --> 00:00:53,387 いきなり娘をくれと言われても 大事な娘は渡せん。 15 00:00:53,387 --> 00:00:57,057 ですが俺も 手ぶらで帰る訳にはいきません。 16 00:00:57,057 --> 00:00:59,059 技を伝授して頂けるまで➡ 17 00:00:59,059 --> 00:01:01,328 この村で お世話になろうと思います。 18 00:01:01,328 --> 00:01:04,665 ならん!! おとなしく帰りなさい 君には…。 19 00:01:04,665 --> 00:01:06,667 (裕子)宜しいのではないですか? 20 00:01:06,667 --> 00:01:10,671 目標があるのなら 全力で励みなさい。 21 00:01:10,671 --> 00:01:17,010 立ち止まって涙を流すのではなく 汗を流して前に進むのです。 22 00:01:17,010 --> 00:01:19,012 え… あ はい。 23 00:01:34,027 --> 00:01:36,697 (有坂)これなら… ふんっ おっ 行けた。 24 00:01:36,697 --> 00:01:40,033 ん… しょ。 25 00:01:40,033 --> 00:01:42,703 フゥー ムラサキさん。 26 00:01:42,703 --> 00:01:45,372 (ムラサキ)ん? 27 00:01:45,372 --> 00:01:48,709 心配ないよ。 どこか悪いわけじゃない。 28 00:01:48,709 --> 00:01:50,711 (有坂)そうですか…。 29 00:01:50,711 --> 00:01:55,382 どうしてここが? 私も一応 教師ですから。 30 00:01:55,382 --> 00:01:58,719 姉者とのことかい? 31 00:01:58,719 --> 00:02:04,725 まあ 別に隠すような話でもないし 少し聞いてくれるかな。 32 00:02:11,331 --> 00:02:16,336 ⦅ユーキ:あ サキ! こっちに来て サキも ちゃんと挨拶しなさい。 33 00:02:16,336 --> 00:02:18,672 あ 逃げた。 もぉ。 34 00:02:18,672 --> 00:02:21,675 どうしてちゃんと 挨拶できないのよぉ? 35 00:02:21,675 --> 00:02:26,013 ハハッ いいよ 知らない男がいて 戸惑ったんじゃないかな。 36 00:02:26,013 --> 00:02:28,615 (咆哮) 37 00:02:33,020 --> 00:02:35,022 (ハルト)おはよう サキ。 38 00:02:35,022 --> 00:02:38,692 俺は ハルト 宜しく。 39 00:02:38,692 --> 00:02:42,362 キミは 怪獣が好きなんだ? わからない。 40 00:02:42,362 --> 00:02:46,033 わからないって? (サキ)多分 好きなんだと思う。 41 00:02:46,033 --> 00:02:48,368 でも 一番じゃない。 42 00:02:48,368 --> 00:02:51,371 私は自分の好きな物が まだわからない。 43 00:02:51,371 --> 00:02:53,707 一番じゃないとダメなの? 44 00:02:53,707 --> 00:02:58,045 ニンジャは一番大切なもの以外を 好きになっちゃいけないんだ…。 45 00:02:58,045 --> 00:02:59,980 (ハルト)どうして。 46 00:02:59,980 --> 00:03:02,649 (サキ)迷ってしまうから。 47 00:03:02,649 --> 00:03:05,986 いざという時 一番大切なもの以外➡ 48 00:03:05,986 --> 00:03:08,655 捨てる覚悟がないといけないんだ。 49 00:03:08,655 --> 00:03:13,326 (ハルト)大切なモノ か。 50 00:03:13,326 --> 00:03:17,998 (サキ)ハルトは なにが一番大切? う~ん。 51 00:03:17,998 --> 00:03:20,667 俺は 俺が一番大切かな? 52 00:03:20,667 --> 00:03:24,004 傲慢だね。 知らなかった? 53 00:03:24,004 --> 00:03:35,015 ♬~ 54 00:03:35,015 --> 00:03:38,351 ここ数日で随分と日に焼けたね~。 55 00:03:38,351 --> 00:03:42,022 (裕子)何もない田舎暮らしなんて 退屈でしょうに。 56 00:03:42,022 --> 00:03:45,358 いえ 初めて見るものや 触れるものばかりで➡ 57 00:03:45,358 --> 00:03:48,061 退屈している余裕なんて ないですよ。 58 00:03:50,363 --> 00:03:54,367 あら珍しい サキが自分からお手伝いなんて。 59 00:03:54,367 --> 00:03:58,038 (サキ)まぁ たまにはね。 珍しいの? 60 00:03:58,038 --> 00:04:00,307 (ユーキ)こんな早い時間に 起きてること自体が➡ 61 00:04:00,307 --> 00:04:02,642 珍しいってカンジ? 62 00:04:02,642 --> 00:04:05,312 あのさ 前から気になってたんだけど…。 63 00:04:05,312 --> 00:04:07,981 もしかしてお母さんって目が? 64 00:04:07,981 --> 00:04:11,985 (ユーキ)あ~ うん。 家の中では あんまり不自由ないから➡ 65 00:04:11,985 --> 00:04:14,988 気にしないでいいよ。 66 00:04:14,988 --> 00:04:17,991 (タケシ)オマエの母ちゃん 目が見えないんだってな! 67 00:04:17,991 --> 00:04:20,327 (キヨシ)おい 手を出すのはダメだろ。 68 00:04:20,327 --> 00:04:23,997 (タケシ)コイツ 里の大人たちに 特別扱いされてるからって➡ 69 00:04:23,997 --> 00:04:26,333 俺達を下に見てんだよ! 70 00:04:26,333 --> 00:04:29,002 お前の母ちゃん 自分の旦那が入れ替わっても➡ 71 00:04:29,002 --> 00:04:32,672 わかんねえんじゃねえ? (コウジ)うわ やっべえ奴。 72 00:04:32,672 --> 00:04:35,342 (タケシ)キヨシ お前も コイツに何か言ってやれよ。 73 00:04:35,342 --> 00:04:38,011 (キヨシ)でも…。 (コウジ)つまんね~やつ~。 74 00:04:38,011 --> 00:04:41,014 (ハルト)ん? こらっ!! オマエ等! なにしてんだ!? 75 00:04:41,014 --> 00:04:44,317 チッ ユーキの許嫁かよ。 (コウジ)行こうぜ。 76 00:04:48,688 --> 00:04:52,025 いいよ 私は… こういうの慣れてるから。 77 00:04:52,025 --> 00:04:54,027 慣れてどうする。 78 00:04:54,027 --> 00:04:56,696 大切な人を馬鹿にされたまま 黙っているのは➡ 79 00:04:56,696 --> 00:04:59,966 ただの臆病だよ。 臆病。 80 00:04:59,966 --> 00:05:04,971 (ハルト)勇気なんてものは刀と同じ 威圧する為のものじゃない。 81 00:05:04,971 --> 00:05:08,308 大切なのは 刀を抜くタイミング。 82 00:05:08,308 --> 00:05:12,312 タイミングを見誤れば 本当に一生臆病なままだ。 83 00:05:12,312 --> 00:05:17,651 (サキ)それが出来ないのが私なんだ。 両親にも相談したけど…。 84 00:05:17,651 --> 00:05:21,655 そうか それは立派だね。 立派? 85 00:05:21,655 --> 00:05:25,325 (ハルト)まずは一歩でも 勇気を出してみたってことだろ? 86 00:05:25,325 --> 00:05:28,995 相談するってことは 相手を信頼してるってサインだ。 87 00:05:28,995 --> 00:05:32,666 きっと サキの大切な勇気に 向き合ってくれる。 88 00:05:32,666 --> 00:05:34,668 それが 親って奴なんじゃないかな? 89 00:05:34,668 --> 00:05:37,003 そうかな…。 90 00:05:37,003 --> 00:05:40,674 解決出来なきゃ 一旦その時は逃げたらいい。 91 00:05:40,674 --> 00:05:45,679 自分のペースで自分を磨いて 前より少しでも強くなればいい。 92 00:05:45,679 --> 00:05:49,349 そしたら いつか強いニンジャに なれてるはずだよ。 93 00:05:49,349 --> 00:05:51,351 本当? どうだろう? 94 00:05:51,351 --> 00:05:54,020 俺も師匠の受け売りだからなぁ。 95 00:05:54,020 --> 00:05:58,692 そこはウソでも 言い切ってくれた方が嬉しいかな。 96 00:05:58,692 --> 00:06:04,297 俺は正直者だからなぁ。 女の子にウソをつくのは苦手だ。 97 00:06:04,297 --> 00:06:08,301 ん? いま笑った? 笑ってない。 98 00:06:10,303 --> 00:06:12,305 ふんっ!! 99 00:06:12,305 --> 00:06:18,311 はあ… はあ… よっ… っと…。 100 00:06:18,311 --> 00:06:22,983 ぐっ… よっ… とっ… と。 101 00:06:22,983 --> 00:06:25,318 ぐおおっ! 102 00:06:25,318 --> 00:06:28,655 ぷはあっ!! 終わったあっ! 103 00:06:28,655 --> 00:06:30,657 はあ… はあ…。 104 00:06:30,657 --> 00:06:33,326 これって 実は 農作業に見せかけた➡ 105 00:06:33,326 --> 00:06:35,662 修行なんですよね? えっ? 106 00:06:35,662 --> 00:06:38,665 不均等な筋肉負荷で 鍛えにくい筋肉を鍛えよう➡ 107 00:06:38,665 --> 00:06:44,671 ってことですよね? あ うん… そう それそれ。 108 00:06:44,671 --> 00:06:47,340 キミは素直なのか単純なのか。 109 00:06:47,340 --> 00:06:51,011 まったく 子供を だましてるようで心苦しいな。 110 00:06:51,011 --> 00:06:53,680 では もしかして そろそろ秘伝の…。 111 00:06:53,680 --> 00:06:57,017 残念だが 技を伝授する気はないよ。 112 00:06:57,017 --> 00:06:59,019 (ハルト)なぜですか? 113 00:06:59,019 --> 00:07:01,621 (貞時)もう何年も前の話だが➡ 114 00:07:01,621 --> 00:07:05,625 キミのように 技を求めてやってきた男がいた。 115 00:07:08,962 --> 00:07:10,964 ヤツは技に溺れ➡ 116 00:07:10,964 --> 00:07:16,303 遊びで人を殺すような 男になってしまった。 117 00:07:16,303 --> 00:07:20,974 幸い秘伝の技を伝授する前に 破門にすることは出来たが…。 118 00:07:20,974 --> 00:07:24,978 その一件以来 一族も慎重になってね。 119 00:07:24,978 --> 00:07:29,316 それに 里にはもう まともに 技を使える者はいないんだよ。 120 00:07:29,316 --> 00:07:31,985 えっ? 勿論ユーキは使えるが➡ 121 00:07:31,985 --> 00:07:34,321 あれは仙石家に預けた身。 122 00:07:34,321 --> 00:07:37,324 邑の名を継がせる訳にはいかん。 123 00:07:37,324 --> 00:07:40,660 妻も 今は 名を返上してしまったしね。 124 00:07:40,660 --> 00:07:43,663 正式に邑の名を継ぐ 資格を持っているのは➡ 125 00:07:43,663 --> 00:07:46,100 サキだけだが あまりに未熟だ。 126 00:07:46,100 --> 00:07:49,002 キミ 家族は? 127 00:07:49,002 --> 00:07:52,305 俺は両親を知らないので…。 128 00:07:54,341 --> 00:07:57,677 そうか…。 129 00:07:57,677 --> 00:08:00,280 (ハルト)簡単に教えてもらえるような 物じゃないってのは➡ 130 00:08:00,280 --> 00:08:02,282 分かってたけど。 131 00:08:02,282 --> 00:08:04,617 父上も間違ってはいないんだよ。 132 00:08:04,617 --> 00:08:07,287 生半可に身に着ければ 危険なんだ。 133 00:08:07,287 --> 00:08:09,289 どういう技なの? 134 00:08:09,289 --> 00:08:12,292 あ 聞いちゃいけないんだったね。 135 00:08:14,627 --> 00:08:16,963 (サキ)えっと あの…。 136 00:08:16,963 --> 00:08:19,632 一族以外に教えられないなら➡ 137 00:08:19,632 --> 00:08:22,635 ハルトも 一族になればいいんじゃないかな。 138 00:08:22,635 --> 00:08:27,640 う~ん。 ハルトは一番好きな人 居るの? 139 00:08:27,640 --> 00:08:32,312 居るよ? けど その人の好きと 俺の好きは 違うと思うんだ。 140 00:08:32,312 --> 00:08:38,651 なんて言うか 俺の一方的な憧れに近いのかな。 141 00:08:38,651 --> 00:08:44,657 あの さ… 私はニンジャだから 主様が居ないとなにも出来ない。 142 00:08:44,657 --> 00:08:48,995 いずれ誰かに 仕えることになるのなら…。 143 00:08:48,995 --> 00:08:52,599 私の主様は ハルトみたいな人がいい⦆ 144 00:08:57,337 --> 00:09:00,940 《ムラサキ:ニンジャは 一番好きな人のために働き➡ 145 00:09:00,940 --> 00:09:04,277 一番大切な人のために生きる。 146 00:09:04,277 --> 00:09:08,281 なけなしの勇気を 振り絞って抜いた私の刀は➡ 147 00:09:08,281 --> 00:09:11,618 アッサリとかわされてしまった》 148 00:09:11,618 --> 00:09:16,623 ⦅分かりました。 良いですか 仕える主には➡ 149 00:09:16,623 --> 00:09:19,292 ともに地獄に落ちても いいと思える相手を➡ 150 00:09:19,292 --> 00:09:21,294 選ばなければなりません。 151 00:09:21,294 --> 00:09:25,131 主に 私が必要とされる方法を 是非! 152 00:09:25,131 --> 00:09:27,634 男の人に 必要だと思わせるのなんて➡ 153 00:09:27,634 --> 00:09:29,969 簡単なんだけど…。 是非! 154 00:09:29,969 --> 00:09:31,971 でも 困ったわねぇ…。 155 00:09:31,971 --> 00:09:35,308 ハルトさんは お姉ちゃんが 連れてきた人なんだけど…。 156 00:09:35,308 --> 00:09:38,645 まっ いいわ。 あなたにはまだ早いけど➡ 157 00:09:38,645 --> 00:09:43,316 いつか使う時が来るでしょうから。 詳しく! 158 00:09:43,316 --> 00:09:47,987 何? ハルト君をお前の主に? 159 00:09:47,987 --> 00:09:52,659 ダメだ! 何を考えてる! オマエは この村の宝なんだぞ!? 160 00:09:52,659 --> 00:09:54,994 確かにチョーっとばっか 私のようなイケメンで➡ 161 00:09:54,994 --> 00:09:57,664 素直ないい子かな~って 一瞬思った時もあったよ? 162 00:09:57,664 --> 00:10:02,001 でもねぇ 駄目なものは駄目なの! 163 00:10:02,001 --> 00:10:05,672 あ… えぇ? 164 00:10:05,672 --> 00:10:07,674 ぷはっ。 165 00:10:09,676 --> 00:10:12,011 サキは いっつもそうだよねぇ➡ 166 00:10:12,011 --> 00:10:14,681 お姉ちゃんのものは 何でも欲しくなる。 167 00:10:14,681 --> 00:10:17,016 で 私は いつも➡ 168 00:10:17,016 --> 00:10:19,686 「お姉ちゃんなんだから 我慢しなさい」ってね。 169 00:10:19,686 --> 00:10:22,355 ごめんなさい…。 (ユーキ)そうやってさ➡ 170 00:10:22,355 --> 00:10:27,026 すぐに謝ったり黙っちゃうのって 私のせいなのかな? 171 00:10:27,026 --> 00:10:31,030 前に私が我慢しきれなくなって 「私だってお姉ちゃんに➡ 172 00:10:31,030 --> 00:10:33,032 生まれたかった 訳じゃない!」って➡ 173 00:10:33,032 --> 00:10:35,368 大ギレした事があったよね。 174 00:10:35,368 --> 00:10:40,707 あの時からかな? サキが 黙っちゃうようになったのって。 175 00:10:40,707 --> 00:10:47,046 あの後 お母さんが慰めに来てくれたんだ。 176 00:10:47,046 --> 00:10:50,717 お姉ちゃんばっかり 我慢させてごめんねって。 177 00:10:50,717 --> 00:10:52,719 その時 思ったの。 178 00:10:52,719 --> 00:10:56,723 ああ 私は お母さんみたいな人になろうって。 179 00:10:56,723 --> 00:10:59,726 お姉ちゃんであることに 向き合おうって。 180 00:10:59,726 --> 00:11:02,662 だからいいんだよ? 我慢しないで。 181 00:11:02,662 --> 00:11:04,664 お姉ちゃん…。 182 00:11:04,664 --> 00:11:08,001 お~ 久しぶりだねぇ サキにそう呼ばれるの⦆ 183 00:11:08,001 --> 00:11:12,338 《ムラサキ:ハルトに言われた言葉 その意味がわかった気がする。 184 00:11:12,338 --> 00:11:15,675 我慢しているだけではダメなんだ。 185 00:11:15,675 --> 00:11:19,345 勇気を出して 初めて分かり合えることもある。 186 00:11:19,345 --> 00:11:23,016 このお姉ちゃんが 私のお姉ちゃんでよかった。 187 00:11:23,016 --> 00:11:25,018 心からそう思った》 188 00:11:27,020 --> 00:11:30,857 ⦅あのハルトという男は 仙石家の縁者だろう? 189 00:11:30,857 --> 00:11:34,027 仙石家とは 幕末の時代からの付き合いだ➡ 190 00:11:34,027 --> 00:11:38,698 そう邪険にも扱えまいよ…。 正統な血筋ではあるまい。 191 00:11:38,698 --> 00:11:42,035 しかしなぁ 我が里が存続していられるのも➡ 192 00:11:42,035 --> 00:11:44,370 仙石家の後ろ盾があってのこと…。 193 00:11:44,370 --> 00:11:47,373 その分 見返りは くれてやっているではないか! 194 00:11:47,373 --> 00:11:51,044 これまで仙石家に何人のニンジャを 預けたと思っている! 195 00:11:51,044 --> 00:11:53,379 村長はどう思われる。 196 00:11:53,379 --> 00:11:58,384 これまでも 一族以外のものに 技を伝えたことはある。 197 00:11:58,384 --> 00:12:00,987 しかし それは異例のこと。 198 00:12:00,987 --> 00:12:06,593 以前この里に修行に来た男の件 忘れたわけでは…。 199 00:12:08,995 --> 00:12:10,997 がはっ! ぐおっ! 200 00:12:10,997 --> 00:12:13,600 お お前たちは!! がはっ! 201 00:12:18,671 --> 00:12:22,675 なんでこんな…。 マジかよ こっちも燃えてんぞ。 202 00:12:28,681 --> 00:12:32,685 煙? 村が… 火事!? 203 00:12:34,687 --> 00:12:37,690 おじじ様! いったい何がっ!? 204 00:12:37,690 --> 00:12:42,695 あんな男に 秘伝の技を伝えようとしたのが➡ 205 00:12:42,695 --> 00:12:45,698 間違いだった…。 206 00:12:45,698 --> 00:12:52,705 (サキ)まさか ハルトが!? 貞時と… ともに… 山へ。 207 00:12:52,705 --> 00:12:55,108 (サキ)父上! 母上! 208 00:12:58,378 --> 00:13:02,148 そんな… どうして…。 209 00:13:02,148 --> 00:13:05,318 母の大事な刀だけでは 飽き足らず➡ 210 00:13:05,318 --> 00:13:09,989 技が手に入らないからといって… ここまでするのか? 211 00:13:09,989 --> 00:13:15,328 あの優しさは偽りで… 2人で私を笑っていたのか? 212 00:13:15,328 --> 00:13:18,331 姉者… ハルト…。 213 00:13:18,331 --> 00:13:22,001 《本当にハルトが? 姉者が? 214 00:13:22,001 --> 00:13:26,005 分からない。 頭がおかしくなりそうだ。 215 00:13:26,005 --> 00:13:30,009 何を信じればいいのかわからない。 216 00:13:30,009 --> 00:13:34,681 けれど たった一つわかることは➡ 217 00:13:34,681 --> 00:13:37,350 いま刀を抜かなければ➡ 218 00:13:37,350 --> 00:13:42,655 私は一生 ただの臆病者のままだ という事だ⦆ 219 00:13:46,025 --> 00:13:50,330 あがっ… ハッ… ゲホッ!! 220 00:13:52,699 --> 00:13:57,036 我は刀 名もなき一振りの刀。 221 00:13:57,036 --> 00:13:59,706 主の名あらば銘を得て➡ 222 00:13:59,706 --> 00:14:04,310 我が身は凶器となり 我が心は狂気となる。 223 00:14:04,310 --> 00:14:10,316 我が名は狗駒 我が銘は邑裂 幻刀・邑裂。 224 00:14:10,316 --> 00:14:14,654 故に 我に切り裂けぬモノはなし…。 225 00:14:14,654 --> 00:14:16,656 サキは どこに? 226 00:14:16,656 --> 00:14:18,991 あの子は高いところが好きで➡ 227 00:14:18,991 --> 00:14:20,993 いつも山の上の 神社に行ってるから➡ 228 00:14:20,993 --> 00:14:22,995 多分 今日も…。 229 00:14:22,995 --> 00:14:24,997 (ハルト)いったい 誰があんなことを…。 230 00:14:24,997 --> 00:14:28,000 ⦅サキを… 頼む。 231 00:14:28,000 --> 00:14:33,005 私の… 刀が絵の裏に…⦆ 232 00:14:41,347 --> 00:14:44,684 誰かいる! どこ? 233 00:14:44,684 --> 00:14:48,354 (桃太郎)こんばんはっ! 桃太郎!? 234 00:14:48,354 --> 00:14:52,024 おや? これはこれは悠季お嬢さん。 235 00:14:52,024 --> 00:14:54,861 アンタが黒幕ね! なんでこんなことを!? 236 00:14:54,861 --> 00:14:58,698 フッ… 村の連中をブッ殺し回りゃ➡ 237 00:14:58,698 --> 00:15:02,635 大切なものは 勝手にこの山に集まってくる。 238 00:15:02,635 --> 00:15:06,305 それがこの里の お約束ってやつだろ? 239 00:15:06,305 --> 00:15:09,642 むっ!? そいつは 邑狐。 240 00:15:09,642 --> 00:15:13,646 お前は 狗駒ではないな…。 くっ!! 241 00:15:13,646 --> 00:15:17,984 なるほど。 元から家に無かったのか…。 242 00:15:17,984 --> 00:15:20,653 しかし 今日はついてる…。 243 00:15:20,653 --> 00:15:24,323 念願の技も刀も 手に入るっ!! 244 00:15:24,323 --> 00:15:27,994 フン! 当たんないでよ!? ハルト! 245 00:15:27,994 --> 00:15:31,297 チッ! 仲間ごと撃ちやがった! 246 00:15:35,334 --> 00:15:38,638 おせ~んだよ!! このクソガキ女が! 247 00:15:42,008 --> 00:15:44,677 あっ! あ ごめん。 248 00:15:44,677 --> 00:15:48,014 譲ろうと思ったんだけど… イラッとして つい。 249 00:15:48,014 --> 00:15:50,016 仕方ないよ。 250 00:15:50,016 --> 00:15:54,020 (ハルト)こういうのも 立ち往生っていうのかな? 251 00:15:54,020 --> 00:15:58,357 これからどうする? サキを見つけるのが先かなぁ…。 252 00:15:58,357 --> 00:16:00,359 駄洒落? 253 00:16:05,965 --> 00:16:11,304 こんな手下まで引き入れて… よくも一族を…。 254 00:16:11,304 --> 00:16:14,974 オマエ達だけは絶対に許さないっ! 255 00:16:14,974 --> 00:16:17,643 貴方 封印を…。 封印? 256 00:16:17,643 --> 00:16:19,645 避けて! えっ? 257 00:16:23,316 --> 00:16:25,985 えっ? 258 00:16:25,985 --> 00:16:28,988 ボサッとしてないで逃げるのよっ! くっ! 259 00:16:28,988 --> 00:16:31,657 (ユーキ)走って! 260 00:16:31,657 --> 00:16:34,327 あれがこの里に伝わる技の正体よ。 261 00:16:34,327 --> 00:16:36,662 何も恐れず 何も疑わず➡ 262 00:16:36,662 --> 00:16:40,666 きわめて高性能な 殺人装置になってしまう禁断の技。 263 00:16:40,666 --> 00:16:43,503 ファントムブレード 必勝法は ただ一つ。 264 00:16:43,503 --> 00:16:46,339 ひたすら逃げ続ければいい。 (ハルト)それだけ? 265 00:16:46,339 --> 00:16:48,674 (ユーキ)いずれ限界を迎えたら 最悪➡ 266 00:16:48,674 --> 00:16:51,344 脳が焼き切れて死ぬかもしれない。 267 00:16:51,344 --> 00:16:54,013 (ハルト)もしかして お母さんの目も…。 268 00:16:54,013 --> 00:16:56,682 (ユーキ)ええ 主が居ないサキは 母の死で➡ 269 00:16:56,682 --> 00:16:59,018 封印が解かれ暴走したんだと思う。 270 00:16:59,018 --> 00:17:03,623 (ハルト)どんな技なんだ? なんの変哲もない刀で木を斬った。 271 00:17:03,623 --> 00:17:06,292 (ユーキ)木なんて切れてないわ 刀も持ってない。 272 00:17:06,292 --> 00:17:08,628 (ハルト)どういうこと? 273 00:17:08,628 --> 00:17:12,632 (ユーキ)サキの使う幻刀は 究極の自己暗示と他者暗示。 274 00:17:12,632 --> 00:17:15,301 (ハルト)催眠術か? (ユーキ)強い思い込みで➡ 275 00:17:15,301 --> 00:17:17,303 幻の刀を作り出し➡ 276 00:17:17,303 --> 00:17:21,641 周囲の空間を共振させ 相手にもその感覚をシンクロさせる。 277 00:17:21,641 --> 00:17:25,645 だから サキが切ったと思ったら…。 (ハルト)相手も切られたと思い込む。 278 00:17:25,645 --> 00:17:28,981 (ユーキ)つまり 今のサキに斬れないものはない。 279 00:17:28,981 --> 00:17:31,984 何とか助けられないのか? 280 00:17:31,984 --> 00:17:37,657 (ユーキ)あのさ 私に妹を殺せって 命令してくれないかな? 281 00:17:37,657 --> 00:17:41,661 敵うか分からないけど 私も封印を解けばあるいは…。 282 00:17:41,661 --> 00:17:44,163 お前も死ぬかもしれないだろ! 283 00:17:44,163 --> 00:17:46,999 タイガ様がさらわれた事件 おぼえてる? 284 00:17:46,999 --> 00:17:49,669 あ あぁ。 あの時と同じ➡ 285 00:17:49,669 --> 00:17:51,671 たとえ簡易契約の主でも➡ 286 00:17:51,671 --> 00:17:55,341 戻って来いと命令してくれれば 私は戻って来れる。 287 00:17:55,341 --> 00:17:59,011 全てを捨ててもいいって 思える人の言葉なら。 288 00:17:59,011 --> 00:18:03,616 だからさ 少しで良いから 私に勇気を頂戴。 289 00:18:03,616 --> 00:18:09,622 ユーキの勇気を… 駄洒落かな? そう 駄洒落だよ…。 290 00:18:14,627 --> 00:18:19,966 (ユーキ)我が名は狗駒 我が銘は邑鬼。 獄刀・邑鬼。 291 00:18:19,966 --> 00:18:23,970 故に 我に斬り捨てられぬモノなし。 292 00:18:23,970 --> 00:18:25,972 (足音) 293 00:18:32,645 --> 00:18:35,648 返せっ! その刀は母上のだっ! 294 00:18:35,648 --> 00:18:39,318 やっぱり… そういう勘違いね。 295 00:18:39,318 --> 00:18:42,321 返せっ!! くっ! うっ…。 296 00:18:42,321 --> 00:18:44,623 返せ!! くっ!! 297 00:18:48,327 --> 00:18:50,663 どうして? 298 00:18:50,663 --> 00:18:52,665 しまっ!! 299 00:19:04,944 --> 00:19:06,946 刀を返せ! 300 00:19:06,946 --> 00:19:10,950 (ハルト)実の姉の想いも分からず 刃にかける。 301 00:19:10,950 --> 00:19:15,287 今の君にお母さんの刀を持つ 資格があると思うのかい? 302 00:19:15,287 --> 00:19:17,289 (サキ)渡さないなら殺す! 303 00:19:17,289 --> 00:19:20,593 取り返してごらん。 ギィッ! 304 00:19:30,302 --> 00:19:33,639 さっさと刀を返せ。 305 00:19:33,639 --> 00:19:35,641 (ハルト)駄目か。 306 00:19:35,641 --> 00:19:39,979 参ったね 亡霊ってやつは 現実の物じゃ切れないか…。 307 00:19:39,979 --> 00:19:43,315 悪かった 俺にはキミを倒せないらしい。 308 00:19:43,315 --> 00:19:45,317 刀は返すよ。 309 00:19:50,990 --> 00:19:55,294 大人はさ こうやって 相手を誘導して騙すんだって。 310 00:20:10,009 --> 00:20:14,680 ふぅ… 持つべきものは師匠だね。 311 00:20:14,680 --> 00:20:18,684 幻を切るには幻でって… 安直だったけど…。 312 00:20:18,684 --> 00:20:22,021 やってみるもんだね⦆ 313 00:20:22,021 --> 00:20:26,358 (ハルト)ユーキは 記憶障害の後遺症が残り➡ 314 00:20:26,358 --> 00:20:30,029 サキは ロシアの親族に預けられたんだ。 315 00:20:30,029 --> 00:20:36,368 サキは そこで邑の名を受け継いで ムラサキになったってわけ。 316 00:20:36,368 --> 00:20:41,373 (ムラサキ)どうだい? 大して面白い話じゃないだろう? 317 00:20:41,373 --> 00:20:46,712 姉者とは性格が合わないんだ。 ただそれだけのことだよ。 318 00:20:46,712 --> 00:20:49,215 でも こうして ちゃんとやれている自分を➡ 319 00:20:49,215 --> 00:20:52,384 お姉さんに見せておきたいんじゃ ないですか? 320 00:20:52,384 --> 00:20:56,388 今ここに居るのも…。 どうだろうね。 321 00:20:56,388 --> 00:20:59,391 ⦅ハルト:自分が一番大切だ って言ったのは➡ 322 00:20:59,391 --> 00:21:04,330 大切な人が 俺を大切に 思ってくれているからだよ。 323 00:21:04,330 --> 00:21:09,001 誰かの役に立ちたいなら まずは自分を大事にしないと。 324 00:21:09,001 --> 00:21:14,006 無理せず 自分に出来ることを 精いっぱいしていればいい。 325 00:21:14,006 --> 00:21:18,344 いつか そのことを理解出来る ニンジャになれていたら➡ 326 00:21:18,344 --> 00:21:21,046 キミの主になってあげる⦆ 327 00:21:23,682 --> 00:21:27,019 その方がいい仕事が 出来ると思ったからだよ。 328 00:21:27,019 --> 00:21:30,022 そういう事にしておきますね。 329 00:21:30,022 --> 00:21:32,324 (ムラサキ)そうだね。 330 00:21:35,694 --> 00:21:38,364 どうして美浜に帰って来たんだ? 331 00:21:38,364 --> 00:21:42,701 ハルトまでそういうこと言う? 帰ってきちゃダメだった? 332 00:21:42,701 --> 00:21:45,704 そうじゃない。 でも 自分の代わりにって➡ 333 00:21:45,704 --> 00:21:48,374 ムラサキを美浜に寄越したのは オマエだろ? 334 00:21:48,374 --> 00:21:52,044 大丈夫だよ。 そのうちまた フッといなくなるから。 335 00:21:52,044 --> 00:21:54,046 なんだよ それ…。 336 00:21:54,046 --> 00:21:57,049 これでも 帰りを 待ってくれてる人もいるのよ? 337 00:21:57,049 --> 00:21:59,985 へぇ… 彼氏? 気になる? 338 00:21:59,985 --> 00:22:03,989 いや別に どうせ嘘だろうし。 339 00:22:03,989 --> 00:22:06,992 実は ハルトの傍に居たいから 戻ってきた➡ 340 00:22:06,992 --> 00:22:09,995 って言ったら どうする? 341 00:22:21,340 --> 00:22:24,343 出発時間は 誰にも言わなかったのに。 342 00:22:24,343 --> 00:22:26,345 ムラサキに気を使ったのか。 343 00:22:26,345 --> 00:22:29,014 や~ねぇ そんなんじゃないわよ。 344 00:22:29,014 --> 00:22:33,018 自分が居るとムラサキの邪魔になる。 だから出て行く。 345 00:22:33,018 --> 00:22:37,690 あはは 買いかぶり過ぎよ? 急に呼び出しをくらっただけ。 346 00:22:37,690 --> 00:22:40,359 (ハルト)いや それも嘘だろ。 347 00:22:40,359 --> 00:22:43,696 嘘をつかないのは 自分の主人だけ。 348 00:22:43,696 --> 00:22:46,031 ユーキが平気で 嘘をつくのは➡ 349 00:22:46,031 --> 00:22:49,368 一生主人を持たず 妹の為に生きて行こうと➡ 350 00:22:49,368 --> 00:22:51,370 決めたからだ。 351 00:22:51,370 --> 00:22:53,539 そうね。 じゃあ それで。 352 00:22:53,539 --> 00:22:56,709 どう? 私 良いお姉ちゃんでしょ? 353 00:22:56,709 --> 00:22:59,712 ムラサキは いいお姉ちゃんなんか 求めてないぞ? 354 00:22:59,712 --> 00:23:03,315 はいはい もう行かなきゃ。 見送りはいいわ。 355 00:23:03,315 --> 00:23:06,318 じゃあね 生きてたらまた会いましょう。 356 00:23:06,318 --> 00:23:11,991 気が向いたら また帰っておいで! 待ってるから! 357 00:23:11,991 --> 00:23:15,327 🔊ただいま88番ゲートにて ご搭乗➡ 358 00:23:15,327 --> 00:23:17,329 最終のご案内でございます。 359 00:23:17,329 --> 00:23:19,665 🎤まもなく…。 360 00:23:19,665 --> 00:23:21,667 顔を出せばよかったのに。 361 00:23:21,667 --> 00:23:23,669 大丈夫だよ。 362 00:23:23,669 --> 00:23:26,005 言葉なんか かわさなくても➡ 363 00:23:26,005 --> 00:23:28,307 ちゃんと 繋がってるから。 364 00:23:32,678 --> 00:23:35,848 (ムラサキ)もし 今日で 世界が終わるといわれても➡ 365 00:23:35,848 --> 00:23:40,019 私たちは何も変わらないし 後悔もない。 366 00:23:40,019 --> 00:23:43,355 その程度には 分かり合えてると思う。 367 00:23:43,355 --> 00:23:45,357 そして明日もまた➡ 368 00:23:45,357 --> 00:23:49,061 意地を張り合いながら 相対していくだけなのだ。