1 00:00:02,002 --> 00:00:04,505 <処刑寸前のアリシアを 救い出したヘルク。 2 00:00:04,505 --> 00:00:06,506 だが その目の前で➡ 3 00:00:06,506 --> 00:00:10,010 人々は勇者への覚醒を始める。 4 00:00:10,010 --> 00:00:13,013 そして ついにアリシアも> 5 00:01:58,552 --> 00:02:00,988 ⦅ヘルク:人間 滅ぼそう! 6 00:02:00,988 --> 00:02:04,992 (アリシア)いつまでも いつまでも笑顔でいて…⦆ 7 00:02:06,994 --> 00:02:10,831 《ヴァミリオ:ほら ウソついていたんじゃないか。 8 00:02:10,831 --> 00:02:14,835 あの笑顔は 偽っていたんじゃないか》 9 00:02:14,835 --> 00:02:17,504 自分勝手なヤツだと思うだろう。 10 00:02:17,504 --> 00:02:20,173 彼女を思うならば あのとき苦しむ前に➡ 11 00:02:20,173 --> 00:02:22,676 殺してやるべきだったんだ。 12 00:02:22,676 --> 00:02:25,345 諦めたくなかったんだよ。 13 00:02:25,345 --> 00:02:29,016 大切な仲間だったから 友だったから➡ 14 00:02:29,016 --> 00:02:31,351 失いたくなかったんだ。 15 00:02:31,351 --> 00:02:33,854 だけど ダメだった。 16 00:02:33,854 --> 00:02:37,024 俺は何もできなかったんだ。 17 00:02:37,024 --> 00:02:39,860 ⦅ラファエド:あの娘は死を願っていた。 18 00:02:39,860 --> 00:02:41,862 (ラファエド)なぜ殺してやらなかった! 19 00:02:41,862 --> 00:02:45,198 愚かな。 20 00:02:45,198 --> 00:02:47,200 (ラファエド)お前が あがけば あがくほど➡ 21 00:02:47,200 --> 00:02:50,871 更なる絶望がお前を襲う。 22 00:02:50,871 --> 00:02:54,541 黙れ~! 覆す! 覆してやる! 23 00:02:54,541 --> 00:02:58,211 こんな結末! 彼女は まだ抗ってる! 24 00:02:58,211 --> 00:03:01,648 まだ 間に合う! 今この雪を止めれば! 25 00:03:01,648 --> 00:03:05,318 (ゼルジオン)もうあがくな ヘルク。 26 00:03:05,318 --> 00:03:09,322 もう終わったんだよ。 ゼル お前…。 27 00:03:09,322 --> 00:03:11,324 その姿は…。 28 00:03:11,324 --> 00:03:14,828 (ゼルジオン)強制覚醒でも 覚醒率が高ければ➡ 29 00:03:14,828 --> 00:03:18,999 お前のように 自我も肉体も失わずに済むらしい。 30 00:03:18,999 --> 00:03:22,502 フフ そのおかげで最悪な光景を➡ 31 00:03:22,502 --> 00:03:25,172 目の当たりにすることに なってしまった。 32 00:03:25,172 --> 00:03:27,507 何もしてやれなかったよ。 33 00:03:27,507 --> 00:03:31,511 助けを求める仲間を 見守ることしかできなかった。 34 00:03:31,511 --> 00:03:35,015 ゼル お前は大丈夫なんだな…。 35 00:03:35,015 --> 00:03:37,017 抗ったんだな。 36 00:03:37,017 --> 00:03:39,019 (ゼルジオン)抗う? 37 00:03:39,019 --> 00:03:41,021 はっ! ゼル!? 38 00:03:41,021 --> 00:03:43,023 抗う必要がどこにある? 39 00:03:43,023 --> 00:03:45,525 ハハハッ! 見たかヘルク! 40 00:03:45,525 --> 00:03:47,694 体が軽い! まるで今まで➡ 41 00:03:47,694 --> 00:03:50,197 かせを付けて 戦っていたかのようだ。 42 00:03:50,197 --> 00:03:52,699 覚醒! すばらしいじゃないか! 43 00:03:52,699 --> 00:03:54,701 勇者の力。 44 00:03:54,701 --> 00:03:57,871 無限の可能性を秘めた 大いなる力! 45 00:03:57,871 --> 00:04:01,141 俺は手に入れたぞ 勇者の力を。 46 00:04:01,141 --> 00:04:03,143 俺は選ばれたのだ! 47 00:04:03,143 --> 00:04:05,145 ハハハハッ! 48 00:04:05,145 --> 00:04:07,147 ゼル…⦆ 49 00:04:07,147 --> 00:04:09,816 力に溺れたのか。 50 00:04:09,816 --> 00:04:11,818 自我を保つというより➡ 51 00:04:11,818 --> 00:04:14,154 記憶を引き継いだ別人じゃないか。 52 00:04:14,154 --> 00:04:17,824 雪は降り続いていたが 覚醒は すでに終わっていた。 53 00:04:17,824 --> 00:04:20,994 普通の人間は もうどこにも いなかったよ。 54 00:04:20,994 --> 00:04:23,497 だが それでも王を倒せば➡ 55 00:04:23,497 --> 00:04:26,666 せめて王の支配からは 逃れられるだろう。 56 00:04:26,666 --> 00:04:29,836 たとえ よろずの勇者が 行く手を遮ろうとも➡ 57 00:04:29,836 --> 00:04:33,673 お前なら ものともせずに 王を倒すことができたはずだ! 58 00:04:33,673 --> 00:04:36,176 もちろん王を倒そうとした。 59 00:04:36,176 --> 00:04:40,013 だが王を倒しても 何も解決しないんだよ。 60 00:04:40,013 --> 00:04:44,017 はっ。 通常覚醒した者は 皆 暴走を始める。 61 00:04:44,017 --> 00:04:49,189 それを制御しているのは 王の能力 「支配の力」なんだ。 62 00:04:49,189 --> 00:04:51,191 はっ。 つまり➡ 63 00:04:51,191 --> 00:04:54,528 王を倒せば 覚醒した人間は命果てるまで➡ 64 00:04:54,528 --> 00:04:57,531 破壊と殺りくを繰り返す。 65 00:04:57,531 --> 00:05:00,634 魔物同様の存在になり果てる。 66 00:05:00,634 --> 00:05:02,636 ⦅ウソをつくな! 67 00:05:02,636 --> 00:05:05,472 だまされるものか! 俺は王を殺す! 68 00:05:05,472 --> 00:05:08,475 王を殺して この状況を覆す! 69 00:05:08,475 --> 00:05:13,313 (ミカロス)フフ… 往生際が悪いですね。 70 00:05:13,313 --> 00:05:16,149 ラファエドの話は すべて真実。 71 00:05:16,149 --> 00:05:20,153 王を殺しても お前の望む未来は やってきませんよ。 72 00:05:20,153 --> 00:05:23,156 ミカロス 生きていたのか…。 73 00:05:23,156 --> 00:05:25,158 フフ…。 74 00:05:25,158 --> 00:05:28,161 お前さえ…。 75 00:05:28,161 --> 00:05:31,498 (ミカロス)そう その力です! それが危険だった! 76 00:05:31,498 --> 00:05:35,168 私はこれまで 何人もの 優秀な戦士を見てきたが➡ 77 00:05:35,168 --> 00:05:39,005 その力を そこまで 大きく持った者はいなかった! 78 00:05:39,005 --> 00:05:41,341 お前さえいなければ! 79 00:05:41,341 --> 00:05:44,344 お前さえいなければ~! 80 00:05:44,344 --> 00:05:46,680 こんなことには ならなかったんだ! 81 00:05:46,680 --> 00:05:49,015 クレスも死なずに済んだんだ! 82 00:05:49,015 --> 00:05:54,354 フフ 私がいなければ クレスは あの雪の日に死んでいましたよ。 83 00:05:54,354 --> 00:05:57,691 黙れ~! 84 00:05:57,691 --> 00:06:01,294 (ミカロス)それにお前は1つ 大事なことを忘れている。 85 00:06:01,294 --> 00:06:05,632 計画には クレスの存在が 必要不可欠と言ったでしょう。 86 00:06:05,632 --> 00:06:07,801 下を見てみろ。 87 00:06:07,801 --> 00:06:11,471 んっ? 88 00:06:11,471 --> 00:06:14,474 (ミカロス)あれが誰だか わかるか? 89 00:06:14,474 --> 00:06:18,144 はっ クレス…。 90 00:06:18,144 --> 00:06:20,480 (ミカロス)勇者殺しが 折れていたおかげで➡ 91 00:06:20,480 --> 00:06:23,316 剣の魔力が 半減していたのでしょう。 92 00:06:23,316 --> 00:06:25,485 少々醜い姿ですが➡ 93 00:06:25,485 --> 00:06:28,488 一命を取り留めました。 94 00:06:28,488 --> 00:06:31,491 まあ死んでも かまわなかったんですがね。 95 00:06:31,491 --> 00:06:34,828 あれには まだやることがある。 頭一つになっても➡ 96 00:06:34,828 --> 00:06:37,497 休ませるわけには いかないのですよ。 97 00:06:37,497 --> 00:06:41,334 ミカロス お前… お前! 98 00:06:41,334 --> 00:06:43,336 (ミカロス)フフ どんな気持ちですか? 99 00:06:43,336 --> 00:06:45,672 うれしいですか? 悲しいですか? 100 00:06:45,672 --> 00:06:49,009 複雑でしょう? あれが生きていたがために➡ 101 00:06:49,009 --> 00:06:52,178 覚醒計画は進行されたのですから。 102 00:06:52,178 --> 00:06:55,682 うう~! 103 00:06:55,682 --> 00:06:58,685 ふむ なんと すさまじい力か。 104 00:06:58,685 --> 00:07:01,621 あのとき勇者殺しを持った娘が 止めなければ➡ 105 00:07:01,621 --> 00:07:05,458 あるいは こんな未来では なかったかもしれませんね。 106 00:07:05,458 --> 00:07:08,461 フフフ… だが代わりに人間が➡ 107 00:07:08,461 --> 00:07:12,966 お前の手によって 滅びたでしょうが。 108 00:07:12,966 --> 00:07:16,970 んっ!? 今 何を…。 109 00:07:16,970 --> 00:07:18,972 化け物め。 110 00:07:18,972 --> 00:07:22,475 多少危険でも 確実に殺しておくべきだったか。 111 00:07:22,475 --> 00:07:25,812 だが 我々の邪魔はさせませんよ。 112 00:07:25,812 --> 00:07:30,150 (ミカロス)クレスの能力によって 引き出した あの世界の力。 113 00:07:30,150 --> 00:07:34,988 これは その力によって生み出した 空間を移動するための道。 114 00:07:34,988 --> 00:07:39,159 今お前と戦うのは 危険すぎるのでね。 115 00:07:39,159 --> 00:07:42,162 このまま退場してもらいますよ。 116 00:07:42,162 --> 00:07:44,664 さて 行き先は どこになるやら。 117 00:07:44,664 --> 00:07:46,666 ぐっ! 118 00:07:46,666 --> 00:07:49,169 ヘルクよ お前は よくやった。 119 00:07:49,169 --> 00:07:52,672 たった1人でよくぞ我らに抗った。 120 00:07:52,672 --> 00:07:55,508 (ラファエド)しかし これは この世のことわり。 121 00:07:55,508 --> 00:07:59,012 誰にも覆すことは できない流れなのだ。 122 00:07:59,012 --> 00:08:01,781 覚醒した人間は元には戻れない。 123 00:08:01,781 --> 00:08:04,951 ここにお前の望む未来は訪れない。 124 00:08:04,951 --> 00:08:09,956 すべてを忘れ どこか静かな土地で 余生を過ごすがいい。 125 00:08:09,956 --> 00:08:12,792 ぐああ~! くそぉ! 126 00:08:12,792 --> 00:08:17,497 くそ! くそぉお~!⦆ 127 00:08:21,468 --> 00:08:24,637 そうか それで魔界へ…。 128 00:08:24,637 --> 00:08:27,807 結局何も… 何もできなかった。 129 00:08:27,807 --> 00:08:32,145 誰も救えなかったんだ 誰も…。 130 00:08:32,145 --> 00:08:34,147 《愚かな人間。 131 00:08:34,147 --> 00:08:36,483 いるはずのない新世界生物。 132 00:08:36,483 --> 00:08:39,486 異質な存在である ミカロスとラファエド。 133 00:08:39,486 --> 00:08:41,988 いろいろと思うことはあるが➡ 134 00:08:41,988 --> 00:08:45,992 今は… ヘルク お前がどれほど無念で➡ 135 00:08:45,992 --> 00:08:47,994 どれほど つらかったか。 136 00:08:47,994 --> 00:08:50,497 ただただ同情するばかりだ》 137 00:08:50,497 --> 00:08:52,999 でも俺は まだ戦える。 138 00:08:52,999 --> 00:08:56,336 あの人間たちを倒せる力がある。 139 00:08:56,336 --> 00:09:00,273 だから俺は…。 本当に 戦えるのか? 140 00:09:00,273 --> 00:09:02,609 はっ。 仲間なんだろ。 141 00:09:02,609 --> 00:09:04,611 それは つらいだろ。 142 00:09:04,611 --> 00:09:06,613 悲しいだろが。 143 00:09:06,613 --> 00:09:09,783 もういいだろ お前は戦わなくて。 144 00:09:09,783 --> 00:09:13,286 アン…。 ヤツらの狙いは私たちなんだ。 145 00:09:13,286 --> 00:09:16,122 後のことは私たちに任せて➡ 146 00:09:16,122 --> 00:09:18,124 お前はもう…。 147 00:09:18,124 --> 00:09:20,126 魔界へ飛ばされたとき➡ 148 00:09:20,126 --> 00:09:22,128 荒野をさまよっていたところを➡ 149 00:09:22,128 --> 00:09:26,132 俺はケンロスに助けられたんだ。 150 00:09:26,132 --> 00:09:28,301 ⦅ケンロス:人間がなんで こんなところにいんだよ? 151 00:09:28,301 --> 00:09:30,804 って ボロボロじゃねえか。 152 00:09:30,804 --> 00:09:33,139 うち来いよ。 ちょっと距離あるけど➡ 153 00:09:33,139 --> 00:09:36,476 腹減ってんだろ? うまいもん食わせてやるよ!⦆ 154 00:09:36,476 --> 00:09:39,479 ケンロスは人間の俺を なんのためらいもなく➡ 155 00:09:39,479 --> 00:09:42,982 自分の町へ招待してくれたよ。 156 00:09:42,982 --> 00:09:45,985 町のみんなも 俺が人間だと言っても➡ 157 00:09:45,985 --> 00:09:48,488 魔王を倒した勇者の 兄だと言っても➡ 158 00:09:48,488 --> 00:09:50,657 みんな 優しくしてくれたんだ。 159 00:09:50,657 --> 00:09:52,659 それが うれしかった。 160 00:09:52,659 --> 00:09:54,661 優しくしてくれたことも➡ 161 00:09:54,661 --> 00:09:58,665 魔界の人たちが 本当はいい人たちだということも。 162 00:09:58,665 --> 00:10:01,501 彼らの傷つく姿は見たくないんだ。 163 00:10:01,501 --> 00:10:03,670 《ああ そうか…。 164 00:10:03,670 --> 00:10:07,173 救えなかった仲間を あの呪縛から解放してやりたい。 165 00:10:07,173 --> 00:10:11,010 その思いが ヘルクを動かしていると思っていた。 166 00:10:11,010 --> 00:10:13,012 それだけじゃないんだ。 167 00:10:13,012 --> 00:10:17,350 ヘルクの中には もう 私たちや他の種族がいるんだ。 168 00:10:17,350 --> 00:10:19,352 ヘルクが戦う理由には➡ 169 00:10:19,352 --> 00:10:22,522 私たちを守るということも 含まれているんだ。 170 00:10:22,522 --> 00:10:27,026 バカ… 他人に気を配るほど 余裕なんてないくせに》 171 00:10:27,026 --> 00:10:30,697 バカ…。 172 00:10:30,697 --> 00:10:35,535 アン 今の人間は 君が思う以上に危険な存在だ。 173 00:10:35,535 --> 00:10:38,037 それは 人間が覚醒して➡ 174 00:10:38,037 --> 00:10:40,540 勇者になったから というだけじゃないんだ。 175 00:10:40,540 --> 00:10:43,543 覚醒した人間は おそらく 何らかの方法で➡ 176 00:10:43,543 --> 00:10:46,713 死んでも よみがえることが できる力を持っている。 177 00:10:46,713 --> 00:10:48,715 はっ まさか…。 178 00:10:48,715 --> 00:10:51,885 それで あのときヒュラの邪魔を。 179 00:10:51,885 --> 00:10:54,387 今の人間たちを倒すことは➡ 180 00:10:54,387 --> 00:10:58,558 たとえ君たち帝国の 民であろうとも容易ではない。 181 00:10:58,558 --> 00:11:02,162 だから 俺がやらなければならない。 182 00:11:02,162 --> 00:11:04,163 たとえ この命果てようとも➡ 183 00:11:04,163 --> 00:11:08,668 同じ人間である俺が 片をつけなければいけないんだ。 184 00:11:08,668 --> 00:11:10,670 俺には その力がある。 185 00:11:10,670 --> 00:11:13,339 今こそ その力を使うときなんだ。 186 00:11:13,339 --> 00:11:15,341 だが 俺の力は➡ 187 00:11:15,341 --> 00:11:18,511 人間以上に 恐ろしいものかもしれない。 188 00:11:18,511 --> 00:11:22,182 それは君も すでに気が付いているはずだ。 189 00:11:22,182 --> 00:11:24,183 強い怒りを感じたとき➡ 190 00:11:24,183 --> 00:11:27,187 自分を 抑えられなくなることがある。 191 00:11:27,187 --> 00:11:29,522 そのまま 怒りに身をゆだね続ければ➡ 192 00:11:29,522 --> 00:11:33,526 俺はきっと 君たちをも 傷つけてしまうだろう。 193 00:11:33,526 --> 00:11:36,696 それで 勇者殺しを私に…。 194 00:11:36,696 --> 00:11:40,533 ああ。 本当は アズドラに渡すつもりだったんだ。 195 00:11:40,533 --> 00:11:44,370 帝国四天王である彼なら 俺を止められると思って。 196 00:11:44,370 --> 00:11:46,372 だけど会えなかった。 197 00:11:46,372 --> 00:11:48,708 考えてみれば 魔王よりも偉い人物に➡ 198 00:11:48,708 --> 00:11:51,044 簡単に会えるはずなかったんだ。 199 00:11:51,044 --> 00:11:53,046 《いいや アズドラなら会える。 200 00:11:53,046 --> 00:11:55,048 入院してただけだ》 201 00:11:55,048 --> 00:11:57,550 できることなら 巻き込みたくなかった。 202 00:11:57,550 --> 00:12:00,820 だが今頼れるのは君だけなんだ。 203 00:12:00,820 --> 00:12:03,489 君は強い。 君ならば➡ 204 00:12:03,489 --> 00:12:07,994 必ず俺を 止められると確信している。 205 00:12:07,994 --> 00:12:11,497 今一度 俺の頼みを聞いてくれ。 206 00:12:11,497 --> 00:12:14,334 勇者殺しを受け取ってほしい。 207 00:12:14,334 --> 00:12:17,003 もしも俺が暴走を始めた時➡ 208 00:12:17,003 --> 00:12:19,172 俺の命は どうなってもいい。 209 00:12:19,172 --> 00:12:21,174 大きな被害が出る前に➡ 210 00:12:21,174 --> 00:12:24,510 君の手で俺を止めてくれ。 211 00:12:24,510 --> 00:12:26,846 返事をする前に➡ 212 00:12:26,846 --> 00:12:30,016 私からも打ち明けなければ ならないことがある。 213 00:12:30,016 --> 00:12:33,686 ヘルク 私は本当は アンじゃない。 214 00:12:33,686 --> 00:12:37,023 んっ! 本当の私は 帝国四天王。 215 00:12:37,023 --> 00:12:41,194 帝国四天王 赤のヴァミリオだ。 216 00:12:41,194 --> 00:12:44,364 黙っていて すまなかった。 217 00:12:44,364 --> 00:12:47,700 ヘルク お前の覚悟は よくわかった! 218 00:12:47,700 --> 00:12:50,870 お前の その頼み 帝国四天王として➡ 219 00:12:50,870 --> 00:12:55,041 お前の仲間として 私が責任を持って引き受けよう! 220 00:12:55,041 --> 00:12:58,711 必ずお前の期待に 応えてみせると約束しよう! 221 00:12:58,711 --> 00:13:00,647 アン…。 その代わり➡ 222 00:13:00,647 --> 00:13:04,484 お前は次の言葉を心に刻め。 223 00:13:04,484 --> 00:13:06,653 死ぬつもりで戦うな! 224 00:13:06,653 --> 00:13:08,988 生き抜く信念を持って戦え! 225 00:13:08,988 --> 00:13:12,091 お前は 独りじゃないんだ! 226 00:13:15,328 --> 00:13:18,831 すべて終わったら 帝国へ来るといい。 227 00:13:18,831 --> 00:13:23,336 大丈夫。 お前なら みんな歓迎してくれる。 228 00:13:26,172 --> 00:13:28,174 ありがとう…。 229 00:13:42,021 --> 00:13:44,857 (ハルピィ)まさか 帝国の外の空にも➡ 230 00:13:44,857 --> 00:13:47,360 あんな化け物がいるなんて…。 231 00:13:47,360 --> 00:13:49,362 初任務だってのに➡ 232 00:13:49,362 --> 00:13:51,698 オラだけに なってしまったっチ。 233 00:13:51,698 --> 00:13:54,534 無理っチ 荷が重すぎるっチ…。 234 00:13:54,534 --> 00:13:57,537 オラひとりで ヴァミリオ様 見つけるなんて…。 235 00:14:00,640 --> 00:14:02,809 歩いて行くほうが 早いんじゃないか? 236 00:14:02,809 --> 00:14:05,144 いや 列車を待つほうがいい。 237 00:14:05,144 --> 00:14:07,814 私の知る限り かなり早いぞ。 238 00:14:07,814 --> 00:14:09,816 へ~ それは楽しみだ。 239 00:14:09,816 --> 00:14:12,485 列車なんて乗り物 聞くのも初めてだ。 240 00:14:12,485 --> 00:14:15,154 (ピウイ)ボクも! (列車の音) 241 00:14:15,154 --> 00:14:17,156 あ… 来た。 242 00:14:17,156 --> 00:14:19,158 (汽笛) 243 00:14:19,158 --> 00:14:21,994 ピョエ~! おお! 244 00:14:21,994 --> 00:14:24,997 ついてたな。 245 00:14:24,997 --> 00:14:28,501 すまない 乗車したいんだが。 246 00:14:28,501 --> 00:14:31,170 フッ 乗りな。 247 00:14:31,170 --> 00:14:42,849 ♬~ 248 00:14:42,849 --> 00:14:44,851 フサ公。 ピウイだよ! 249 00:14:44,851 --> 00:14:47,186 迷子か? 違うよ! 250 00:14:47,186 --> 00:14:49,856 列車が好きなのか? うん! 251 00:14:49,856 --> 00:14:51,858 フッ! 252 00:14:51,858 --> 00:14:53,860 ピッ! 253 00:14:53,860 --> 00:15:32,498 ♬~ 254 00:15:32,498 --> 00:15:35,501 (汽笛) 255 00:15:38,504 --> 00:15:41,007 バイバーイ! フッ! じゃあ行こうか。 256 00:15:41,007 --> 00:15:43,109 うん! 257 00:15:46,345 --> 00:15:49,682 硬い皮膚 丈夫な顎と鋭い刃。 258 00:15:49,682 --> 00:15:52,351 そして口から噴射される 高熱のブレス。 259 00:15:52,351 --> 00:15:56,522 きっと幾人もの戦士が お前の前に敗れ去っただろう。 260 00:15:56,522 --> 00:15:59,525 だが 相手が悪かったな。 261 00:15:59,525 --> 00:16:01,461 お見事! ピッ! 262 00:16:01,461 --> 00:16:04,463 久しく見ない 狂暴な化け物だったな。 263 00:16:04,463 --> 00:16:08,134 《ほんの僅かだが 魔界の嫌な空気も感じる。 264 00:16:08,134 --> 00:16:10,970 だいぶ近づいてきたようだな》 265 00:16:10,970 --> 00:16:14,307 ここから この程度の敵が もっと 現れるようになるかもしれない。 266 00:16:14,307 --> 00:16:17,810 ピッ。 だが 雑魚の対処は私に任せて➡ 267 00:16:17,810 --> 00:16:20,813 お前は ピウイを守ることだけに 専念していてくれ。 268 00:16:20,813 --> 00:16:23,316 了解! さぁ 行こう。 269 00:16:23,316 --> 00:16:25,651 日が暮れる前に 町に着かなければ➡ 270 00:16:25,651 --> 00:16:28,321 晩ごはんに ありつけないぞ。 271 00:16:28,321 --> 00:16:32,158 おや こんなところに 旅人がいるとは。 272 00:16:32,158 --> 00:16:35,161 わしは この先の町の長。 273 00:16:35,161 --> 00:16:37,830 旅人よ 命が惜しくば➡ 274 00:16:37,830 --> 00:16:40,333 この地から離れたほうがよい。 275 00:16:40,333 --> 00:16:43,669 この地は まもなく 死の大地と化すだろう。 276 00:16:43,669 --> 00:16:47,173 なに? 封印が解かれてしまったんだ。 277 00:16:47,173 --> 00:16:51,177 はるか昔 とある魔術師の 手によって生み出された➡ 278 00:16:51,177 --> 00:16:53,513 最強最悪の生物…。 279 00:16:53,513 --> 00:16:55,848 最強最悪の生物? 280 00:16:55,848 --> 00:16:59,185 ⚟あらゆる刃も はじき返す硬い皮膚。 281 00:16:59,185 --> 00:17:02,121 岩を砕く 強じんな顎。 282 00:17:02,121 --> 00:17:06,626 その巨体すらも浮かせる 力強い翼は空を制し➡ 283 00:17:06,626 --> 00:17:11,964 口から噴出されるガスは 一瞬で対象を燃やし尽くす。 284 00:17:11,964 --> 00:17:14,133 何人もの勇敢な戦士が➡ 285 00:17:14,133 --> 00:17:16,969 化け物によって 命を散らしていった。 286 00:17:16,969 --> 00:17:18,971 残された戦士が➡ 287 00:17:18,971 --> 00:17:22,141 今日 最後の戦いを 仕掛けるつもりだ。 288 00:17:22,141 --> 00:17:24,310 きっと 無理じゃろう…。 289 00:17:24,310 --> 00:17:28,314 あの化け物に かなうものなど存在しない。 290 00:17:28,314 --> 00:17:31,817 さぁ 化け物に見つかる前に 立ち去るがよい。 291 00:17:31,817 --> 00:17:34,820 あ…。 わしらのことは気にせんでくれ。 292 00:17:34,820 --> 00:17:39,158 先祖より守ってきたこの土地と 運命を共にするつもりだ。 293 00:17:39,158 --> 00:17:42,662 いや たぶん その化け物なら 今さっき倒したぞ。 294 00:17:42,662 --> 00:17:46,165 ホッホッホッ 優しい娘さんだ。 295 00:17:46,165 --> 00:17:48,501 だが 気休めはよしてくれ。 296 00:17:48,501 --> 00:17:50,503 いや 気休めじゃない。 297 00:17:50,503 --> 00:17:53,673 あそこに転がってる あれが きっと…。 298 00:17:53,673 --> 00:17:55,675 こ この小童どもが! 299 00:17:55,675 --> 00:17:59,178 わしが年寄りと思って からかいおってからに! 300 00:17:59,178 --> 00:18:02,448 ⚟おい見ろよ! 化け物が死んでらぁ! 301 00:18:02,448 --> 00:18:05,117 偽物じゃね? いや 間違いねえよ。 302 00:18:05,117 --> 00:18:07,119 化け物が死んでらぁ。 303 00:18:07,119 --> 00:18:10,623 町長! 化け物 死んでるってよ! 304 00:18:10,623 --> 00:18:14,627 う… うたげぇ~! 305 00:18:14,627 --> 00:18:16,963 (にぎわい) 306 00:18:16,963 --> 00:18:19,799 アンちゃん みんな楽しそう! 307 00:18:19,799 --> 00:18:21,801 これじゃ朝まで眠れないぞ。 308 00:18:21,801 --> 00:18:23,803 でも よかったじゃないか。 309 00:18:23,803 --> 00:18:27,473 偶然とはいえ アンのおかげで この町は救われたんだ。 310 00:18:27,473 --> 00:18:29,475 うむ そうだな。 311 00:18:29,475 --> 00:18:32,478 おいしい食事も いい宿も用意してもらえたし➡ 312 00:18:32,478 --> 00:18:35,147 正直こっちが感謝したいくらいだ。 313 00:18:35,147 --> 00:18:38,050 ん~ 夜風が心地いい。 314 00:18:39,986 --> 00:18:43,322 んっ? ヴァ…。 315 00:18:43,322 --> 00:18:46,826 《ヴァミリオ様のご尊顔 知らなかったっチ! 316 00:18:46,826 --> 00:18:50,830 消去法っチ! この人は… ヘ ヘルクっチ! 317 00:18:50,830 --> 00:18:52,999 ひぇ! この生き物は! 318 00:18:52,999 --> 00:18:55,668 ま まさかこの方が ヴァ…。 319 00:18:55,668 --> 00:18:59,672 ヴァミリオ様は赤髪っチ! このお方っチ!》 320 00:18:59,672 --> 00:19:02,441 ヴァ ヴァミリオ様ですか~!? 321 00:19:02,441 --> 00:19:04,443 アズドラの出した捜索隊か? 322 00:19:04,443 --> 00:19:09,115 そ そうですっチ! そ 捜索隊 ハルピィと申しますっチ! 323 00:19:09,115 --> 00:19:12,118 おお! やはり! アズドラたちは大丈夫か!? 324 00:19:12,118 --> 00:19:15,621 (ハルピィ)は はい! 少なくとも オラが出発するまでは➡ 325 00:19:15,621 --> 00:19:17,957 まだまだ 余裕を保っていましたっチ! 326 00:19:17,957 --> 00:19:20,626 《よかった… ヘルクの話を聞いてから➡ 327 00:19:20,626 --> 00:19:22,628 少し心配していたが…。 328 00:19:22,628 --> 00:19:26,132 まあ アズドラがいれば 簡単にやられはしないか》 329 00:19:26,132 --> 00:19:29,635 ぴぇ~ん! やっと会えましたっチ。 330 00:19:29,635 --> 00:19:31,637 よかった よかった。 331 00:19:31,637 --> 00:19:33,639 任務達成っチ…。 332 00:19:33,639 --> 00:19:35,641 ほら 涙を拭きなよ。 333 00:19:35,641 --> 00:19:38,477 お疲れさま。 ひぇ! 勇者ヘルク! 334 00:19:38,477 --> 00:19:40,479 ありがとうっチ。 335 00:19:40,479 --> 00:19:42,648 それじゃあ お前一人なのか。 336 00:19:42,648 --> 00:19:46,819 はいっチ。 みんな空の化け物に襲撃されて➡ 337 00:19:46,819 --> 00:19:49,655 動けるのは オラだけになってしまったっチ。 338 00:19:49,655 --> 00:19:51,657 苦労をかけたな。 339 00:19:51,657 --> 00:19:54,994 危険を顧みず ここまで 来てくれたこと 感謝する。 340 00:19:54,994 --> 00:19:57,997 ひぇ! ももも もったいないですっチ! 341 00:19:57,997 --> 00:20:01,333 《しかし それじゃあ… 私やピウイを運べても➡ 342 00:20:01,333 --> 00:20:04,503 ヘルクは運べないな。 343 00:20:04,503 --> 00:20:06,505 はるばる ここまで来てもらったが➡ 344 00:20:06,505 --> 00:20:08,841 やはり地道に戻るしかあるまい。 345 00:20:08,841 --> 00:20:10,843 いや 待てよ。 346 00:20:10,843 --> 00:20:13,512 アズドラが この事態 予測できないはずが…》 347 00:20:13,512 --> 00:20:16,515 ヴァミリオ様 オ オラ ヴァミリオ様を➡ 348 00:20:16,515 --> 00:20:18,517 迎えに来ただけじゃ ないですっチ! 349 00:20:18,517 --> 00:20:20,519 伝令を預かってるっチ! 350 00:20:20,519 --> 00:20:23,355 あっ ほらやっぱり! 351 00:20:23,355 --> 00:20:25,357 《アズドラ:「ヴァミリオちゃんへ。 352 00:20:25,357 --> 00:20:28,360 もしも ヘルクと共に行動しているならば➡ 353 00:20:28,360 --> 00:20:32,364 帝国ではなく 人間の国の南側を目指すべし。 354 00:20:32,364 --> 00:20:35,034 あず」》 《なるほど。 355 00:20:35,034 --> 00:20:38,370 行方不明者を戦略の要とするか。 356 00:20:38,370 --> 00:20:41,707 アイツらしいな》 アン これは…。 357 00:20:41,707 --> 00:20:45,377 安心しろ 私たちの進路に変更はない。 358 00:20:45,377 --> 00:20:49,381 それよりヘルク お前は もう帝国の戦力として➡ 359 00:20:49,381 --> 00:20:52,218 頭数に 入れられてしまっているようだ。 360 00:20:52,218 --> 00:20:54,220 えっ? 361 00:20:54,220 --> 00:20:59,225 (ホン)え~ 私たちは敵と ダラダラ戦うだけでいいんですか? 362 00:20:59,225 --> 00:21:01,660 それじゃ王は 倒せなくないですか? 363 00:21:01,660 --> 00:21:06,165 (アズドラ)プランA 王を倒すのは 僕らじゃないのだよ。 364 00:21:06,165 --> 00:21:08,167 これは陽動作戦。 365 00:21:08,167 --> 00:21:10,669 僕らは可能な限り敵をひきつける。 366 00:21:10,669 --> 00:21:12,671 それだけでいい。 367 00:21:12,671 --> 00:21:17,176 王を討つのは ヘルクとヴァミリオちゃん。 368 00:21:17,176 --> 00:21:19,378 この2人だ。