1 00:00:33,934 --> 00:00:38,105 <ルトルバーグ伯爵家 王都別邸 通称 幽霊屋敷。 2 00:00:38,105 --> 00:00:43,443 錆びついた門 ひび割れた石畳 手入れをされていない木々。 3 00:00:43,443 --> 00:00:46,113 まさしく幽霊屋敷の名に違わぬ➡ 4 00:00:46,113 --> 00:00:51,118 ボロ屋敷… だった二週間前までは> 5 00:00:51,118 --> 00:00:54,621 (ベアトリス)これが ルシアナの屋敷? (ミリアリア)どういうことでしょう? 6 00:00:56,623 --> 00:00:59,626 (ルシアナ)ベアトリス ミリアリア。 7 00:00:59,626 --> 00:01:01,628 (ベアトリス)ルシアナ!? (ミリアリア)ルシアナさん!? 8 00:01:01,628 --> 00:01:04,464 (ルシアナ)ようこそ我が家へ お越しくださいました。 9 00:01:04,464 --> 00:01:07,801 今日は 来てくれて とても嬉しいわ。 10 00:01:07,801 --> 00:01:09,803 うふっ。 11 00:01:09,803 --> 00:01:12,806 (ルシアナ)メロディ。 私達はテラスへ行きますね。 12 00:01:12,806 --> 00:01:16,977 お茶の用意をお願いします。 (メロディ)かしこまりました お嬢様。 13 00:01:16,977 --> 00:01:19,813 (2人)あぁ…。 14 00:01:19,813 --> 00:01:23,116 さあ 2人とも お茶をどうぞ。 15 00:01:25,152 --> 00:01:27,321 (2人)これは! 16 00:01:27,321 --> 00:01:29,323 《なんて芳醇ないい香り。 17 00:01:29,323 --> 00:01:32,759 華やかな春の香りが 優しく包み込んでくるわ》 18 00:01:32,759 --> 00:01:35,262 《味も とても美味しいですわ。 19 00:01:35,262 --> 00:01:38,098 喉を通り抜ける爽やかな口当たり。 20 00:01:38,098 --> 00:01:41,602 深いけれど渋さを感じさせない まろやかな味》 21 00:01:41,602 --> 00:01:45,606 (ミリアリア)でも こんないい茶葉を 使って大丈夫ですか? 22 00:01:45,606 --> 00:01:47,941 ふふふ。 安心なさって。 23 00:01:47,941 --> 00:01:50,777 これは いつも お出ししている紅茶ですもの。 24 00:01:50,777 --> 00:01:52,779 (2人)えぇっ!? 25 00:01:52,779 --> 00:01:55,949 低品質な茶葉でも 淹れ方次第で変わるわよ。 26 00:01:55,949 --> 00:01:59,453 そうよね メロディ。 はい お嬢様。 27 00:01:59,453 --> 00:02:02,623 (ベアトリス)そういえば メイドも変わってるじゃない? 28 00:02:02,623 --> 00:02:06,293 本当に どういう事なのですか? ルシアナさん。 29 00:02:06,293 --> 00:02:09,463 たった二週間で 何もかも見違えちゃって。 30 00:02:09,463 --> 00:02:11,631 いい加減 説明してちょうだい! 31 00:02:11,631 --> 00:02:13,800 (ルシアナ)ふふふ。 こればかりは秘密よ。 32 00:02:13,800 --> 00:02:15,802 (ミリアリア)意地悪なんだから! 33 00:02:15,802 --> 00:02:17,804 (ベアトリス)でも そろそろ その話し方は➡ 34 00:02:17,804 --> 00:02:19,806 どうにかならない? 35 00:02:19,806 --> 00:02:22,009 (ミリアリア)ルシアナさんらしく ありませんわ。 36 00:02:24,478 --> 00:02:27,314 はぁ…。 (2人)うん? 37 00:02:27,314 --> 00:02:29,983 結構 お嬢様って感じが 出てたでしょ? 38 00:02:29,983 --> 00:02:32,085 私 頑張ったんだからね! 39 00:02:32,085 --> 00:02:34,087 出てた出てた。 40 00:02:34,087 --> 00:02:36,923 私は いつものルシアナさんが好きですよ。 41 00:02:36,923 --> 00:02:39,226 (ルシアナ)そう思う? ありがとう! 42 00:02:41,928 --> 00:02:44,431 (ミリアリア)それでは また。 (ベアトリス)ごきげんよう。 43 00:02:53,940 --> 00:02:55,942 ありがとう! メロディ! 44 00:02:55,942 --> 00:02:57,944 きゃあ~! 45 00:02:57,944 --> 00:03:00,781 お嬢様 メイドに抱きついてはいけません! 46 00:03:00,781 --> 00:03:02,783 だって嬉しいんだもん! 47 00:03:02,783 --> 00:03:05,619 お茶会が成功したのは メロディのおかげだよ! 48 00:03:05,619 --> 00:03:08,288 分かりましたから離れて下さい! 49 00:03:08,288 --> 00:03:11,124 ふふふ よいではないか よいではないか。 50 00:03:11,124 --> 00:03:14,795 どこで そんな言葉覚えてきたんですか!? 51 00:03:14,795 --> 00:03:19,132 これはもう 淑女教育のやり直しですね。 52 00:03:19,132 --> 00:03:22,135 ごめんなさい! それだけは勘弁して! 53 00:03:24,304 --> 00:03:28,141 それにしても メロディは どうして うちで働く気になったの? 54 00:03:28,141 --> 00:03:30,811 このお屋敷では 使用人は1人なので➡ 55 00:03:30,811 --> 00:03:34,247 全ての仕事を 任せて頂けるからです。 56 00:03:34,247 --> 00:03:38,251 すべて? メイドには 様々な仕事がありますから➡ 57 00:03:38,251 --> 00:03:40,921 王城などでは 分担されているんです。 58 00:03:40,921 --> 00:03:45,092 でも こちらなら あらゆる仕事は私のもの。 59 00:03:45,092 --> 00:03:47,094 こんな素敵な話は そうありません! 60 00:03:47,094 --> 00:03:49,096 素敵なのかしら? 61 00:03:49,096 --> 00:03:51,765 もちろんです! 大好きなメイドの仕事を➡ 62 00:03:51,765 --> 00:03:53,934 全部できるんですよ? 63 00:03:53,934 --> 00:04:00,273 メイドなら全ての業務を任される オールワークスメイド 一択です! 64 00:04:00,273 --> 00:04:04,111 《そう… 私 絶対 世界一 素敵なメイドに➡ 65 00:04:04,111 --> 00:04:07,013 なってみせるわ。 見ていて お母さん!》 66 00:05:50,083 --> 00:05:53,753 (セレスティ)お母さん あのきれいな人は だ~れ? 67 00:05:53,753 --> 00:05:59,426 (セレナ)きれいな人? ああ あれはメイドさんよ。 68 00:05:59,426 --> 00:06:02,929 <幼き日のメロディこと セレスティ・マクマーデンは➡ 69 00:06:02,929 --> 00:06:05,265 この日 心に決めた。 70 00:06:05,265 --> 00:06:07,601 メイドになると> 71 00:06:07,601 --> 00:06:10,103 (セレスティの鼻歌) 72 00:06:10,103 --> 00:06:12,772 (セレナ)最近のセレスティは ご機嫌ね。 73 00:06:12,772 --> 00:06:15,108 何か良い事でもあったのかしら? 74 00:06:15,108 --> 00:06:17,777 うん! でも秘密なの! 75 00:06:17,777 --> 00:06:20,280 その時が来たら教えてあげるね! 76 00:06:20,280 --> 00:06:22,449 あらあら。 77 00:06:22,449 --> 00:06:25,452 < この世界では 15歳で成人を迎える。 78 00:06:25,452 --> 00:06:27,787 セレスティは それまで こっそり➡ 79 00:06:27,787 --> 00:06:31,291 メイドの修行をして 母を驚かせようと思っていた> 80 00:06:31,291 --> 00:06:33,226 ゲホッ ゲホッ…。 81 00:06:33,226 --> 00:06:35,528 (セレナ)優しく照らせ ルーチェ。 82 00:06:38,565 --> 00:06:40,567 < だが…> 83 00:06:42,569 --> 00:06:45,472 お母さん… お母さん! 84 00:06:48,241 --> 00:06:52,579 (セレナ)「愛するセレスティ。 あなたを残して逝く私を➡ 85 00:06:52,579 --> 00:06:54,914 どうか許してちょうだい。 86 00:06:54,914 --> 00:06:56,916 もっと一緒にいたかった…。 87 00:06:56,916 --> 00:07:00,921 成人してメイドになった あなたを 祝福したかった。 88 00:07:00,921 --> 00:07:06,926 驚いた? セレスティの秘密なんて お母さんは お見通しだったわよ。 89 00:07:06,926 --> 00:07:10,930 実はね。 私も昔 メイドをしていたの。 90 00:07:10,930 --> 00:07:16,269 あなたの父親 クラウド・レギンバースは 当時の伯爵家の跡取り息子。 91 00:07:16,269 --> 00:07:19,606 きっともう 爵位を継いでいると思うわ。 92 00:07:19,606 --> 00:07:23,610 セレスティ あなたには 2つの選択肢があるの。 93 00:07:23,610 --> 00:07:27,614 ひとつは お父さんのもとへ向かい 伯爵令嬢となること。 94 00:07:27,614 --> 00:07:31,785 もうひとつは もちろんメイドを目指すこと。 95 00:07:31,785 --> 00:07:34,554 私は あなたの意思を尊重します。 96 00:07:34,554 --> 00:07:37,891 でも そうね。 どうせメイドを目指すなら➡ 97 00:07:37,891 --> 00:07:41,394 世界一 素敵なメイドになってちょうだい。 98 00:07:41,394 --> 00:07:45,732 愛してるわ セレスティ」。 99 00:07:45,732 --> 00:07:50,236 お母さん…私 メイドになる! 100 00:07:50,236 --> 00:07:54,574 私の為にも お母さんの為にも➡ 101 00:07:54,574 --> 00:07:57,577 世界一 素敵なメイドに なってみせる! 102 00:07:57,577 --> 00:08:02,415 ⚟自身のため 誰かのための大いなる誓い…。 103 00:08:02,415 --> 00:08:05,418 えっ? いま何か…。 104 00:08:05,418 --> 00:08:12,425 ⚟すべてが揃った… 聖なる乙女に白銀の祝福を。 105 00:08:15,428 --> 00:08:20,433 何してんだろ。 私には 魔法の才能なんてないのに…。 106 00:08:20,433 --> 00:08:22,936 子供の頃から何度試しても…。 107 00:08:24,938 --> 00:08:27,107 ((優しく照らせ)) 108 00:08:27,107 --> 00:08:29,943 ルーチェ。 109 00:08:29,943 --> 00:08:32,045 きゃっ! 110 00:08:34,547 --> 00:08:36,883 これは… 魔力? 111 00:08:36,883 --> 00:08:39,219 《どうして私に魔力が…。 112 00:08:39,219 --> 00:08:43,056 し しかも何だか お母さんより強いような…。 113 00:08:43,056 --> 00:08:46,393 これって もし暴走したらまずいんじゃ…。 114 00:08:46,393 --> 00:08:48,728 こんな魔力…》 115 00:08:48,728 --> 00:08:51,564 危ないから しまっとこ。 116 00:08:51,564 --> 00:08:53,733 <セレスティは知らない。 117 00:08:53,733 --> 00:08:56,569 自身の魔力が 王国十指の魔法使いも➡ 118 00:08:56,569 --> 00:08:59,072 比ではない強さであることを> 119 00:08:59,072 --> 00:09:02,075 そうだ! もしかして➡ 120 00:09:02,075 --> 00:09:06,579 火魔法と 風魔法を組み合わせたら…。 121 00:09:06,579 --> 00:09:08,748 すごい! 122 00:09:08,748 --> 00:09:11,918 凄いわ これだけの力があれば…。 123 00:09:11,918 --> 00:09:14,421 <彼女が手に入れた力は➡ 124 00:09:14,421 --> 00:09:18,925 その気になれば世界に君臨する ことすら難しくないほどの力。 125 00:09:18,925 --> 00:09:22,762 場合によっては 彼女は この世界を…> 126 00:09:22,762 --> 00:09:24,764 この魔法を使えば➡ 127 00:09:24,764 --> 00:09:27,934 世界一 素敵なメイドも 夢じゃないわ! 128 00:09:27,934 --> 00:09:31,738 < こうしてセレスティは メイド魔法の開発を始めた> 129 00:09:33,706 --> 00:09:37,010 (セレスティ)我が身を黒く染めよ。 アンネリーレ。 130 00:09:42,382 --> 00:09:46,219 《よし これで 目と髪の色が変わった。 131 00:09:46,219 --> 00:09:50,223 お母さんの手紙にあった お父さん… クラウド・レギンバース伯爵が➡ 132 00:09:50,223 --> 00:09:52,392 私を引き取るなんて 言い出したら➡ 133 00:09:52,392 --> 00:09:55,228 メイドに なれなくなってしまうものね。 134 00:09:55,228 --> 00:09:59,232 今更お母さんを捜してるとも 思えないけど》 135 00:09:59,232 --> 00:10:05,572 それで レギンバース伯爵家の騎士様が こんな小さな町になぜ? 136 00:10:05,572 --> 00:10:08,741 (レクティアス)ある人物を捜している。 137 00:10:08,741 --> 00:10:11,744 セレナ? (レクティアス)知っているのか? 138 00:10:11,744 --> 00:10:14,080 は はあ…ですが➡ 139 00:10:14,080 --> 00:10:18,585 セレナは死にました。 もう半年ほどになりますか…。 140 00:10:18,585 --> 00:10:23,423 娘がいたのですが 母を失った 悲しみを癒やしたいと➡ 141 00:10:23,423 --> 00:10:25,425 2日前 隣国へ…。 142 00:10:25,425 --> 00:10:28,761 娘? セレナ様は ご結婚されていたのか? 143 00:10:28,761 --> 00:10:32,432 いいえ。 年は? 容姿は? 144 00:10:32,432 --> 00:10:35,101 今年で15歳になります。 145 00:10:35,101 --> 00:10:37,604 母親ゆずりの瑠璃色の瞳と➡ 146 00:10:37,604 --> 00:10:40,773 珍しい銀の髪が美しい少女です。 147 00:10:40,773 --> 00:10:43,476 銀の髪! 148 00:10:46,779 --> 00:10:48,948 《2日前 隣国へ発ったなら➡ 149 00:10:48,948 --> 00:10:51,784 このトレンディバレスに 着いている頃だが》 150 00:10:51,784 --> 00:10:54,787 ((銀の髪の女の子? さあねぇ…。 151 00:10:54,787 --> 00:10:58,491 そんな珍しい髪の子なら 覚えてると思うがなぁ)) 152 00:11:00,460 --> 00:11:06,633 《閣下と同じ銀の髪… おそらく間違いないというのに》 153 00:11:06,633 --> 00:11:08,635 んっ…。 154 00:11:12,639 --> 00:11:15,141 どうした。 迷子か? お嬢さ…。 155 00:11:15,141 --> 00:11:17,644 あっ。 んっ…。 156 00:11:17,644 --> 00:11:22,315 あ あの 王都行きの定期便の 乗り場が分からなくて…。 157 00:11:22,315 --> 00:11:24,651 あ ああ。 それなら向こうだ。 158 00:11:24,651 --> 00:11:26,653 (セレスティ)あっ 本当だ! 159 00:11:26,653 --> 00:11:29,355 ありがとうございます。 助かりました! 160 00:11:32,425 --> 00:11:35,728 いかん! 銀の髪の少女! 161 00:11:38,932 --> 00:11:43,436 (セレスティ)へぇ~ 7年前に この定期馬車便を考えたのは➡ 162 00:11:43,436 --> 00:11:45,772 王太子様なんですか。 163 00:11:45,772 --> 00:11:48,608 (マクスウェル)事業が始まったのは 7年前だけど➡ 164 00:11:48,608 --> 00:11:51,110 提案したのは更に1年前らしいよ。 165 00:11:51,110 --> 00:11:56,282 王太子様は 確か私と同い年だから 当時6歳! 166 00:11:56,282 --> 00:11:59,285 世の中には 凄い人がいるものですねえ。 167 00:11:59,285 --> 00:12:02,121 ふふふふ そうだね。 168 00:12:02,121 --> 00:12:06,292 おもしろい話をしてくれて ありがとうございます マックスさん! 169 00:12:06,292 --> 00:12:09,295 俺も楽しいよ。 ええと…。 170 00:12:09,295 --> 00:12:12,131 メロディです。 メロディ・ウェーブ。 171 00:12:12,131 --> 00:12:14,133 《見た目も変えて➡ 172 00:12:14,133 --> 00:12:17,804 町の人にも本当の行き先や目的は 言わなかったけど➡ 173 00:12:17,804 --> 00:12:21,474 名前も変えないと バレるかもしれないからね》 174 00:12:21,474 --> 00:12:24,644 それにしても この馬車の御者は凄いな。 175 00:12:24,644 --> 00:12:27,313 何がですか? まったく揺れないだろ? 176 00:12:27,313 --> 00:12:31,150 この辺りの街道は まだ整備が不十分なのに。 177 00:12:31,150 --> 00:12:34,254 《あっ そろそろ掛け直さないと》 178 00:12:34,254 --> 00:12:36,255 (車輪が揺れる音) 179 00:12:36,255 --> 00:12:39,058 揺れることなかれ オリゾンターレ。 180 00:12:46,432 --> 00:12:49,936 メイドになりたいなら 商業ギルドへ行くといい。 181 00:12:49,936 --> 00:12:54,274 紹介状を必要としない中流階層の 使用人も斡旋しているから。 182 00:12:54,274 --> 00:12:56,943 ありがとうございます マックスさん! 183 00:12:56,943 --> 00:12:58,945 それじゃあ また! 184 00:13:00,947 --> 00:13:03,616 (マクスウェル)うちで雇えれば 良かったんだけどな。 185 00:13:03,616 --> 00:13:06,819 まあでも 父上が許さないか。 186 00:13:08,955 --> 00:13:14,460 (メロディ)う~ん 短期募集か 男性向けの求人ばっかり…。 187 00:13:14,460 --> 00:13:16,963 あっ これは女性向け。 188 00:13:16,963 --> 00:13:23,303 あれ でもこれ… ルトルバーグ伯爵家? 貴族のメイド募集? 189 00:13:23,303 --> 00:13:27,307 《貴族の使用人は 紹介状が必要なはずなのに?》 190 00:13:27,307 --> 00:13:31,311 えっと 定員は1名。 仕事内容は…。 191 00:13:31,311 --> 00:13:33,579 オールワークス!? 192 00:13:33,579 --> 00:13:35,748 <オールワークス それは➡ 193 00:13:35,748 --> 00:13:40,420 台所 洗濯 掃除 接客ほか その全てを兼任する職。 194 00:13:40,420 --> 00:13:44,257 メイドの中でも最も地位が低く 過酷な仕事である。 195 00:13:44,257 --> 00:13:47,927 使用人を多く雇う余裕のない 下級貴族や➡ 196 00:13:47,927 --> 00:13:51,264 平民の中流層に主に雇われる。 197 00:13:51,264 --> 00:13:54,434 伯爵家である ルトルバーグ家が求人しているなど➡ 198 00:13:54,434 --> 00:13:58,438 どう考えても地雷案件である。 だが…> 199 00:13:58,438 --> 00:14:01,107 これ… これよ! 200 00:14:01,107 --> 00:14:04,610 私がやりたかったのは この仕事だわ! 201 00:14:04,610 --> 00:14:06,779 (鳴き声) 202 00:14:06,779 --> 00:14:09,449 幽霊屋敷? 203 00:14:09,449 --> 00:14:12,118 なんて やりがいのある荒れっぷり! 204 00:14:12,118 --> 00:14:14,787 これは 是非とも雇ってもらわないと! 205 00:14:14,787 --> 00:14:17,457 えっと 裏口は…。 (門の開閉音) 206 00:14:17,457 --> 00:14:20,460 (ルシアナ)あら? 《えっ?》 207 00:14:20,460 --> 00:14:22,628 (ルシアナ)あなた 誰? 208 00:14:22,628 --> 00:14:26,299 《わっ! すっごい美少女! 209 00:14:26,299 --> 00:14:31,471 なのに もったいない! 肌も髪もボロボロ ドレスも古い! 210 00:14:31,471 --> 00:14:33,573 じゃなかった》 211 00:14:33,573 --> 00:14:36,576 商業ギルドの メイド募集を見てまいりました。 212 00:14:36,576 --> 00:14:38,745 メロディ・ウェーブと申します。 213 00:14:38,745 --> 00:14:41,748 えぇ!? もう来てくれたの!? ありがとう! 214 00:14:41,748 --> 00:14:44,584 えっ? 早速食堂で話しましょう! 215 00:14:44,584 --> 00:14:46,586 待ってください! 216 00:14:46,586 --> 00:14:49,088 使用人が 正面玄関から入るなんて! 217 00:14:49,088 --> 00:14:51,591 私は裏口から…。 (ルシアナ)いいわよ そんなの。 218 00:14:51,591 --> 00:14:55,261 私がいいって言ってるんだから 問題ないわ! 219 00:14:55,261 --> 00:14:57,764 えっ? 私が? 220 00:14:57,764 --> 00:15:00,767 私の名前は ルシアナ・ルトルバーグ。 221 00:15:00,767 --> 00:15:03,436 これでも れっきとした伯爵令嬢よ。 222 00:15:03,436 --> 00:15:05,438 《ええぇ!》 223 00:15:05,438 --> 00:15:07,940 (鳴き声) 224 00:15:07,940 --> 00:15:10,777 (ルシアナ)座って 今お茶を淹れるから。 225 00:15:10,777 --> 00:15:14,447 (メロディ)そんな。 お嬢様に お茶を淹れていただくなんて。 226 00:15:14,447 --> 00:15:18,451 大丈夫よ。 領地でも 自分で淹れてたんだから。 227 00:15:18,451 --> 00:15:20,453 (メロディ)ちょっと待ったぁ! 228 00:15:20,453 --> 00:15:23,289 やっぱり私が! でも せっかくだから…。 229 00:15:23,289 --> 00:15:27,460 とびっきり美味しい紅茶を ご用意いたしますから! 230 00:15:27,460 --> 00:15:30,630 そう… じゃあ お願いしてもいい? 231 00:15:30,630 --> 00:15:33,032 お任せください! 232 00:15:35,401 --> 00:15:37,904 水は いつ汲んだものですか? 233 00:15:37,904 --> 00:15:40,907 昨日 井戸で汲んだ水だから まだ使えるわよ。 234 00:15:40,907 --> 00:15:42,909 (メロディ)う~ん 残念ながら➡ 235 00:15:42,909 --> 00:15:45,578 紅茶を淹れるには向いてませんね。 236 00:15:45,578 --> 00:15:49,081 清き水よ 今ここに。 んっ? 237 00:15:49,081 --> 00:15:51,751 ファーレディアッカ。 238 00:15:51,751 --> 00:15:54,921 すごい! あなた魔法が使えるの? 239 00:15:54,921 --> 00:15:58,424 すぐに淹れますので 少々お待ちください。 240 00:16:00,927 --> 00:16:04,030 さあ 完成です。 241 00:16:09,769 --> 00:16:13,105 おいしい! 香りも味も全然違う! 242 00:16:13,105 --> 00:16:16,609 淹れ方一つで こんなに変わるなんて! 243 00:16:16,609 --> 00:16:18,945 (ルシアナ)メロディだったよね。 244 00:16:18,945 --> 00:16:22,281 うちで働いてくれるってことで いいのかな。 245 00:16:22,281 --> 00:16:26,619 はい! よかった! これからよろしくね! 246 00:16:26,619 --> 00:16:30,456 では早速 ハウスキーパーと相談したいのですが…。 247 00:16:30,456 --> 00:16:34,060 えっ え… 聞いてないの? 248 00:16:34,060 --> 00:16:36,229 何をですか? 249 00:16:36,229 --> 00:16:39,565 あのね メロディ… あなた1人なの。 250 00:16:39,565 --> 00:16:42,401 うん? 《ルシアナ:あっ これ…》 251 00:16:42,401 --> 00:16:47,907 あなた1人だけなのよ。 うちで働くメイドというか 使用人が。 252 00:16:47,907 --> 00:16:50,243 わたし… ひとり? 253 00:16:50,243 --> 00:16:52,745 《ルシアナ:断られるやつ なんだろうな》 254 00:16:55,248 --> 00:17:01,587 <テオラス王国の王都にある教育機関 王立パルテシア高等教育学園。 255 00:17:01,587 --> 00:17:05,758 王国の貴族子女は 15歳を迎える年から3年間➡ 256 00:17:05,758 --> 00:17:08,928 この学園に 通うことが義務付けられている。 257 00:17:08,928 --> 00:17:12,098 ルシアナ・ルトルバーグも 入学が決まっており➡ 258 00:17:12,098 --> 00:17:15,601 本来は両親とともに 王都に向かう予定だった。 259 00:17:15,601 --> 00:17:20,606 だが トラブルのためルシアナだけが 先行する形になったのだ。 260 00:17:20,606 --> 00:17:22,608 そして…> 261 00:17:24,610 --> 00:17:26,612 ((なにこれ…。 262 00:17:26,612 --> 00:17:29,282 <使用人は お婆さんメイドが1人。 263 00:17:29,282 --> 00:17:31,484 だが 彼女も…> 264 00:17:33,553 --> 00:17:35,554 《だ 大丈夫よ。 265 00:17:35,554 --> 00:17:39,058 領地でだって自分のことは 自分でしてきたわ!》 266 00:17:47,900 --> 00:17:50,903 ケホッ ケホッ…。 267 00:17:50,903 --> 00:17:56,409 《大丈夫 大丈夫 がんばれるよ》 268 00:17:56,409 --> 00:17:59,745 (カラスの鳴き声) 269 00:17:59,745 --> 00:18:02,248 《買い出しに行かないと…》)) 270 00:18:02,248 --> 00:18:04,450 (鳴き声) 271 00:18:07,253 --> 00:18:11,757 あの お嬢様。 私が全ての業務を するんですよね? 272 00:18:11,757 --> 00:18:13,926 オールワークスですもの。 273 00:18:13,926 --> 00:18:17,263 全部なんて無理よ! やれる範囲で十分だわ。 274 00:18:17,263 --> 00:18:22,935 私も できるだけ手伝うわ。 だから… だからっ! 275 00:18:22,935 --> 00:18:25,938 わあ! ありがとうございます お嬢様! 276 00:18:25,938 --> 00:18:28,441 私 今日から頑張ります! 277 00:18:30,610 --> 00:18:32,545 んっ んっ んっ? 278 00:18:32,545 --> 00:18:34,547 ほ 本当にいいの? 279 00:18:34,547 --> 00:18:37,049 1人でうちを切り盛りしなくちゃ いけないんだよ? 280 00:18:37,049 --> 00:18:39,552 もちろんです! まさか全ての業務を➡ 281 00:18:39,552 --> 00:18:42,555 任せて頂けるなんて 感激です! 282 00:18:42,555 --> 00:18:45,224 《どうして こんなに嬉しそうなの?》 283 00:18:45,224 --> 00:18:47,927 私って なんて幸せ者なの? 284 00:18:49,895 --> 00:18:55,234 では 仕事をはじめ… る前に 制服の作成ですね! 285 00:18:55,234 --> 00:18:58,738 制服? 今から? すぐにできますよ。 286 00:18:58,738 --> 00:19:02,742 我が身にふさわしき衣を。リクチトゥーラ。 287 00:19:07,246 --> 00:19:09,248 えっ? 288 00:19:11,250 --> 00:19:14,420 《凄い… 肝心なところは バッチリ見えないわ!》 289 00:19:14,420 --> 00:19:16,756 <ツッコミ不在> 290 00:19:16,756 --> 00:19:19,592 《メロディ:私 なれるのね メイドに。 291 00:19:19,592 --> 00:19:22,928 ずっと夢見ていた… 生まれ変わる前から➡ 292 00:19:22,928 --> 00:19:26,766 ずっと憧れていた本物のメイドに!》 293 00:19:26,766 --> 00:19:29,602 <今の言葉を お聞き頂けただろうか。 294 00:19:29,602 --> 00:19:32,538 生まれ変わる前からずっと…。 295 00:19:32,538 --> 00:19:36,042 そう 彼女… メロディ・ウェーブは➡ 296 00:19:36,042 --> 00:19:39,879 あるきっかけで この世界に やって来た転生者であった。 297 00:19:39,879 --> 00:19:44,050 転生する前の名前は 瑞波律子。 298 00:19:44,050 --> 00:19:46,218 世界は モノクロでできている。 299 00:19:46,218 --> 00:19:48,721 彼女は本気で そう思っていた。 300 00:19:48,721 --> 00:19:52,391 幼い頃から天才で 6歳であらゆる分野で➡ 301 00:19:52,391 --> 00:19:55,061 大人顔負けの 知識を手にした結果➡ 302 00:19:55,061 --> 00:19:59,398 世界の全てに対し 興味を失ってしまったのだ。 303 00:19:59,398 --> 00:20:01,567 だが…> 304 00:20:01,567 --> 00:20:05,738 いらっしゃいませ。 ようこそお越しくださいました。 305 00:20:05,738 --> 00:20:10,576 (律子)あっ… お母さん あのきれいなひとは だ~れ? 306 00:20:10,576 --> 00:20:14,080 綺麗な人? ああ あれはメイドさんよ。 307 00:20:14,080 --> 00:20:17,583 律子の知識は 学問に偏っているからな。 308 00:20:17,583 --> 00:20:21,420 彼女は 主催が英国から わざわざ呼び寄せたらしい。 309 00:20:21,420 --> 00:20:23,923 接客担当のパーラーメイドだ。 310 00:20:25,925 --> 00:20:28,761 あっ…。 311 00:20:28,761 --> 00:20:31,263 わぁ~。 312 00:20:31,263 --> 00:20:33,933 とってもきれい…。 313 00:20:33,933 --> 00:20:41,240 メイド… 女性の家事使用人。 特にメイドが栄えたのは19世紀後半。 314 00:20:43,275 --> 00:20:45,611 お帰りなさいませ 旦那様。 315 00:20:45,611 --> 00:20:48,280 なんて可愛らしいメイドさんだ! 316 00:20:48,280 --> 00:20:52,451 最近の律子は 楽しそうでよかった。 本当に。 317 00:20:52,451 --> 00:20:56,288 ここのところ何をしても つまらなそうだったのに。 318 00:20:56,288 --> 00:21:00,126 <失いかけた 世界の色彩が取り戻されていく。 319 00:21:00,126 --> 00:21:04,964 そして 律子は立派な メイドジャンキーに成長した。 320 00:21:04,964 --> 00:21:07,466 類いまれな学習能力で➡ 321 00:21:07,466 --> 00:21:12,471 メイドに関わるあらゆる技能を 身につけ 学問を学び…> 322 00:21:12,471 --> 00:21:15,808 お父さん お母さん 私 メイドになるために➡ 323 00:21:15,808 --> 00:21:17,977 英国に留学します! 324 00:21:17,977 --> 00:21:21,480 おお そうか。 ビッグベンが観光名所らしいぞ。 325 00:21:21,480 --> 00:21:24,483 律子ちゃんは 本当にメイドが好きねえ。 326 00:21:24,483 --> 00:21:26,485 楽しんできてね。 327 00:21:26,485 --> 00:21:28,587 < そして…> 328 00:21:33,259 --> 00:21:36,428 《セレスティ:メイド… 飛行機…》 329 00:21:36,428 --> 00:21:39,765 < あの時 思い出したのであった。 330 00:21:39,765 --> 00:21:43,435 生まれ変わる前の自分のことを。 331 00:21:43,435 --> 00:21:45,938 ちなみに…> 332 00:21:51,443 --> 00:21:55,781 お待たせいたしました。 いかがでしょうか お嬢様。 333 00:21:55,781 --> 00:22:00,286 うん 可愛いと思うわ。 ありがとうございます。 334 00:22:00,286 --> 00:22:02,955 やはり メイドといえば これですよね。 335 00:22:02,955 --> 00:22:05,624 魔法って こんなこともできるのね。 336 00:22:05,624 --> 00:22:07,960 なかなか いい制服ができました。 337 00:22:07,960 --> 00:22:12,131 守りの魔法もあるので その辺の鎧より丈夫ですよ。 338 00:22:12,131 --> 00:22:15,301 メロディって変な冗談言うのね。 339 00:22:15,301 --> 00:22:17,803 <冗談だったら よかったのにね> 340 00:22:17,803 --> 00:22:20,139 (カラスの鳴き声) 341 00:22:20,139 --> 00:22:23,642 最優先は やっぱり屋敷のメンテナンスね。 342 00:22:23,642 --> 00:22:26,645 さすがに 1人で整えるのは難しいかも…。 343 00:22:26,645 --> 00:22:28,647 だったら➡ 344 00:22:28,647 --> 00:22:31,650 我が身はひとつにあらず。 アルテレーゴ! 345 00:22:36,922 --> 00:22:39,925 みんな はじめるわよ! (分身たち)はいっ!