1 00:00:02,860 --> 00:01:29,860 ♪♪~ 2 00:01:35,790 --> 00:01:39,190 倭国は揺れていた 3 00:01:39,190 --> 00:01:43,560 海の向こうの戦に破れた大王 天智は— 4 00:01:43,560 --> 00:01:46,800 国の行く末に危機感を抱き— 5 00:01:47,200 --> 00:01:53,410 異国からの新しき神… すなわち 仏教を迎え入れ— 6 00:01:53,410 --> 00:01:57,380 国の富強を目指した 7 00:01:57,380 --> 00:02:02,220 だが その性急な仏教中心の変革は— 8 00:02:02,220 --> 00:02:06,590 国の各所に少なからぬ負荷を呼び— 9 00:02:06,590 --> 00:02:10,960 必然の軋み音を生じさせていた 10 00:02:10,960 --> 00:02:16,660 (人々の声) 11 00:02:20,270 --> 00:02:23,170 な! あぁっ! (いななき) どう どう! どいたどいた! 12 00:02:24,870 --> 00:02:27,770 ほら! ぼーっと突っ立ってると けがするぞ! 13 00:02:27,770 --> 00:02:32,450 おのれ! 大花下阿曇連猿田さまと 知っての雑言か! 14 00:02:32,450 --> 00:02:34,820 構うな! はっ… 15 00:02:34,820 --> 00:02:38,720 あの負け戦以来 この国は変わってしまった 16 00:02:58,040 --> 00:03:02,810 そのころ ハリマは犬上の姓を賜り— 17 00:03:02,810 --> 00:03:06,680 湖東の地を預かる郷長となっていた 18 00:03:06,680 --> 00:03:09,380 良い収穫が望めそうだな 19 00:03:12,490 --> 00:03:16,160 この間の大雨のときは どうなることかと思いましたが… 20 00:03:16,160 --> 00:03:18,130 まったくだ あとは天気が— 21 00:03:18,130 --> 00:03:20,630 続いてくれることを 郷長さま~!! 祈るばかりですわ 22 00:03:20,630 --> 00:03:23,600 ハァッ ハァッ うぅっ ハァ… 23 00:03:23,600 --> 00:03:26,770 大変だよ! 神座が 神座の杜が! 24 00:03:26,770 --> 00:03:28,770 何!? 25 00:03:37,040 --> 00:03:40,910 (役人)さあ どけ! (里人)そんなことを 言われましても お役人さま… 26 00:03:40,910 --> 00:03:43,380 ええい どけ! どかぬか! 27 00:03:43,380 --> 00:03:46,320 う… あ! 郷長さま! 28 00:03:46,320 --> 00:03:48,520 ん!? 何!? 29 00:03:56,260 --> 00:03:59,230 ぬ… これは どういうことなのですか 30 00:03:59,230 --> 00:04:03,040 これは犬上殿 おわかりになりませぬか 31 00:04:03,040 --> 00:04:08,310 国司さまのご命令に従い 今建立している 寺院の礎石に その岩を… 32 00:04:08,310 --> 00:04:12,750 その件なら はっきりとお断りしたはずです! 33 00:04:12,750 --> 00:04:16,920 これは 我らが里の産土神が降り坐す磐座… 34 00:04:16,920 --> 00:04:20,790 いくら寺院建立のためとはいえ 差し出すわけにはまいりません 35 00:04:20,790 --> 00:04:22,720 なっ! お帰りいただきたい 36 00:04:22,720 --> 00:04:26,060 (役人)んんん…! そのような言い訳— 37 00:04:26,060 --> 00:04:29,560 本気で通ると思っているのでは ないでしょうな!? 38 00:04:29,560 --> 00:04:31,660 ≪犬上殿ーっ! ん? んん? 39 00:04:34,800 --> 00:04:36,800 犬上殿~っ!! 40 00:04:38,470 --> 00:04:41,170 大将軍!! 41 00:04:41,170 --> 00:04:44,710 そなたが ここにいると里の者に 聞いてな 42 00:04:44,710 --> 00:04:48,980 お久しぶりです うむ そうだ もう四年になるか 43 00:04:48,980 --> 00:04:51,850 大宰府へ赴任して以来だからな ぬぅ… 帰るぞ! 44 00:04:51,850 --> 00:04:55,620 元気にしておったか? おばばはどうしている? 45 00:04:55,620 --> 00:05:02,220 犬上殿 いつまでも国司さまのご命令に 逆らえるとは思わんことですな 46 00:05:04,000 --> 00:05:05,930 犬上殿 あれは 47 00:05:05,930 --> 00:05:07,930 …いえ 48 00:05:18,450 --> 00:05:20,510 それにしても そなた— 49 00:05:20,510 --> 00:05:24,250 里の者たちとは 随分うまくいっているようだな 50 00:05:24,250 --> 00:05:26,850 全ては猿田さまのおかげです 51 00:05:26,850 --> 00:05:30,260 謙遜するな わしは おばばに言われるまま— 52 00:05:30,260 --> 00:05:33,560 そなたをこの里の郡司に推挙しただけ 53 00:05:33,560 --> 00:05:37,500 ここの者は皆 笑顔に満ちあふれ働いている 54 00:05:37,500 --> 00:05:41,600 全ては里の者と共に努力した そなたの力だ 55 00:05:41,600 --> 00:05:44,470 ハハハハハ… ん? 56 00:05:44,470 --> 00:05:48,280 どうした? いえ 別に… 57 00:05:48,280 --> 00:05:52,810 やはりここも寺院建立の使役に 苦しめられているのだな 58 00:05:52,810 --> 00:05:54,750 猿田さま! 59 00:05:54,750 --> 00:05:56,750 うむ ここだけではない 60 00:05:56,750 --> 00:06:01,120 今は国中の男たちが 徴用に苦しめられている 61 00:06:01,120 --> 00:06:03,060 それだけではありません! 62 00:06:03,060 --> 00:06:08,230 政庁は寺院建立のため 磐座をも 差し出せと言ってきているのです! 63 00:06:08,230 --> 00:06:12,700 里の者が昔から大切に護ってきた この土地の神さえも! 64 00:06:12,700 --> 00:06:15,540 いくら御改新のためとはいえ なぜ!? 65 00:06:15,540 --> 00:06:18,140 では先ほどのは… 66 00:06:22,110 --> 00:06:27,750 犬上殿 御改新というのは あくまでも名目にすぎない それは! 67 00:06:27,750 --> 00:06:32,150 今この国は大きく変わろうとしている 68 00:06:32,150 --> 00:06:36,020 そなたは知らぬかもしれんが 今 大津京では— 69 00:06:36,020 --> 00:06:39,460 大王が病に伏せられている 70 00:06:39,460 --> 00:06:44,930 政は一握りの者たちの手に 委ねられようとしている 71 00:06:44,930 --> 00:06:47,730 一握りの? うむ 72 00:06:47,730 --> 00:06:58,710 (読経の声) 73 00:06:58,710 --> 00:07:05,490 やつらはこの機を捉え 仏教を中心とした 国づくりを推し進めようとしている 74 00:07:05,490 --> 00:07:10,090 そのために古き神々が 邪魔になってくるのだ… 75 00:07:10,090 --> 00:07:12,090 わかるか 犬上殿 76 00:07:12,090 --> 00:07:14,890 くっ… ですが! 77 00:07:14,890 --> 00:07:19,870 それでは長年 古き神を護って生きてきた 里の者たちは どうなるのですか!! 78 00:07:19,870 --> 00:07:23,600 そなたの気持ちはわかる あっ… 79 00:07:23,600 --> 00:07:30,510 犬上殿 朝廷内の全てが今のやり方を 快く思っているわけではない 80 00:07:30,510 --> 00:07:33,310 大王の御弟君にして— 81 00:07:33,310 --> 00:07:37,650 東宮の皇子にあらせられる大海人皇子は— 82 00:07:37,650 --> 00:07:43,060 心中ひそかに里の者たちの苦しみに 胸を痛めておられる 83 00:07:43,060 --> 00:07:46,890 そのようなお方が… うむ 84 00:07:46,890 --> 00:07:49,490 今は辛抱の時だ… 85 00:07:52,270 --> 00:07:55,470 犬上殿 くれぐれも無理はするな 86 00:07:55,470 --> 00:07:57,970 わかっております 87 00:07:57,970 --> 00:07:59,910 達者でな 88 00:07:59,910 --> 00:08:02,410 猿田さまも お気をつけて 89 00:08:02,410 --> 00:08:20,510 ♪♪~ 90 00:08:30,840 --> 00:08:32,910 猿田めが…— 91 00:08:32,910 --> 00:08:35,680 あの何とか言ったな… 92 00:08:35,680 --> 00:08:37,610 犬上 でございます 93 00:08:37,610 --> 00:08:40,510 あー その犬のところへ行ったらしい 94 00:08:40,510 --> 00:08:44,250 何かにつけ 御改新に 抗う者たちですか ん? 95 00:08:44,250 --> 00:08:47,850 見せしめにするには格好の相手かと… 96 00:08:47,850 --> 00:08:50,150 ん… うむ… 97 00:08:59,830 --> 00:09:06,740 (風の音) 98 00:09:06,740 --> 00:09:09,310 どうやら雨がくるな 99 00:09:09,310 --> 00:09:11,240 (おばば)おお クチイヌ! ん? 100 00:09:11,240 --> 00:09:13,610 ちょうどよいところへ現れたわ 101 00:09:13,610 --> 00:09:17,220 今から薬の調合じゃ わぬしも手伝え 102 00:09:17,220 --> 00:09:19,220 あっ お おばば! 103 00:09:20,890 --> 00:09:24,120 おばば 私はこれから… さあ 飲むんじゃ 104 00:09:24,120 --> 00:09:26,060 んあ… んっ んん… 105 00:09:26,060 --> 00:09:29,400 よいか 半刻もしたら 痛みも治まる 106 00:09:29,400 --> 00:09:33,270 さて… ん? クチイヌ 何をしておるのじゃ! 107 00:09:33,270 --> 00:09:37,170 その棚の薬を取ってくれ 一番下のやつじゃ 108 00:09:41,980 --> 00:09:46,450 おばば 何度も言っているだろう 今の私には犬上という名が… 109 00:09:46,450 --> 00:09:50,750 クチイヌの何が悪い ほれ 今度は水じゃ 110 00:09:50,750 --> 00:09:53,720 おばば 昨日猿田さまが参られたぞ 111 00:09:53,720 --> 00:09:57,520 知っとるわい あの水膨れ 何用じゃったんじゃ 112 00:09:57,520 --> 00:10:00,430 五日前に筑紫から戻られたそうだ 113 00:10:00,430 --> 00:10:03,230 筑紫… どこじゃ いったい 114 00:10:03,230 --> 00:10:05,230 対馬の対岸にあたる国だ 115 00:10:05,230 --> 00:10:07,900 そこで城の警護に就かれていたらしい 116 00:10:07,900 --> 00:10:12,770 ふん! 体よく都から 追っ払われておったんか おばば… 117 00:10:12,770 --> 00:10:15,940 わぬしも気をつけるんじゃな 私も? 118 00:10:15,940 --> 00:10:19,280 そうじゃ いつまでも国司に抗っておると— 119 00:10:19,280 --> 00:10:23,250 あやつのように とんでもないところへ 追っ払われてしまうぞい! 120 00:10:23,250 --> 00:10:25,890 ヒヒヒヒヒッ… ん? 121 00:10:25,890 --> 00:10:28,460 どうしたんじゃ いや… 郷長さま! 122 00:10:28,460 --> 00:10:31,660 どうした それが 今 国司さまが! 123 00:10:31,660 --> 00:10:34,060 なんじゃと? 国司… 124 00:10:37,600 --> 00:10:40,370 わざわざのお越し 痛み入ります 125 00:10:40,370 --> 00:10:43,170 ふん! グッ… 126 00:10:43,170 --> 00:10:46,670 それで いかな御用向きで 参られたのでしょうか 127 00:10:46,670 --> 00:10:49,180 御用向き… ふん! 128 00:10:49,180 --> 00:10:52,180 わしが来た理由など とうに承知のはず 129 00:10:56,920 --> 00:10:59,320 寺院の建立に五十人も!? 130 00:10:59,320 --> 00:11:02,660 ご不満か… すでにこの夏 里からは— 131 00:11:02,660 --> 00:11:05,360 かなり多くを差し出しています! なぜ!? 132 00:11:05,360 --> 00:11:08,900 わからぬか!! 我らに抗ったからよ!! 133 00:11:08,900 --> 00:11:12,230 ≪(里人)犬上さま~!! 犬上さま 大変です! 134 00:11:12,230 --> 00:11:14,430 神座の杜が! 磐座が…! 135 00:11:16,100 --> 00:11:18,100 (雷鳴) 136 00:11:18,100 --> 00:11:20,610 御神体を!! 137 00:11:20,610 --> 00:11:25,510 おう そういえば もう一つ伝えることを忘れておったわ 138 00:11:25,510 --> 00:11:28,850 フッフハハハハッ… 139 00:11:28,850 --> 00:11:30,950 クッ…! 140 00:11:35,050 --> 00:11:39,890 (掛け声) 141 00:11:39,890 --> 00:11:43,090 おい 早くしろ! 参ったぜ… ん? 142 00:11:46,270 --> 00:11:48,700 ぬぅぅぅ…ッ!! 143 00:11:48,700 --> 00:11:50,640 バ バケモノ! 144 00:11:50,640 --> 00:11:53,940 デァアアアッ!! う うわっ! 145 00:11:53,940 --> 00:11:55,880 ダァアアア!! うわぁっ! 146 00:11:55,880 --> 00:11:57,810 グゥッ!! うぅ! 147 00:11:57,810 --> 00:12:00,080 クッ…! 148 00:12:00,080 --> 00:12:02,750 ここから出ていけ…!! 149 00:12:02,750 --> 00:12:05,320 うっ うぅっ うぅ…! 150 00:12:05,320 --> 00:12:08,790 あぁっ あ あ… こ これは! 151 00:12:08,790 --> 00:12:13,560 貴様! 大王のご意向に あくまで逆らうつもりか! オイ!! 152 00:12:13,560 --> 00:12:15,560 ははっ! 153 00:12:17,260 --> 00:12:19,770 犬めが…!! 154 00:12:19,770 --> 00:12:21,830 フッ! 155 00:12:21,830 --> 00:12:24,930 ハァァアアアッ!! うおぉぉおお…! 156 00:12:26,670 --> 00:12:29,880 うおぉ…! ガァアアア…! 157 00:12:29,880 --> 00:12:31,810 ひぃいいいぃ…! 158 00:12:31,810 --> 00:12:35,580 助けてくれ! 殺される~! 159 00:12:35,580 --> 00:12:38,380 ひッ! ひぃぃ~! 160 00:12:38,380 --> 00:12:41,480 ≪(逃げ惑う声) 161 00:12:52,900 --> 00:12:58,710 都では 大王天智が病の床に 伏せっていた 162 00:12:58,710 --> 00:13:01,910 死期を悟った天智の懸念は— 163 00:13:01,910 --> 00:13:06,750 己が亡き後の大王の位のことだった 164 00:13:06,750 --> 00:13:12,890 我が子 大友皇子の 大王継承を望む天智に対し— 165 00:13:12,890 --> 00:13:19,990 宮人の多くは 大海人皇子が その跡を継ぐのがふさわしいと噂した 166 00:13:30,140 --> 00:13:33,840 気をつけなされ 大王は わかっている 167 00:13:54,060 --> 00:13:56,460 兄君 大海人でございます 168 00:13:58,560 --> 00:14:00,900 お加減は いかがでございましょうか 169 00:14:00,900 --> 00:14:02,900 (天智)大海人か… 170 00:14:04,770 --> 00:14:08,240 (天智) どうやら予にも最後の時が来たらしい… 171 00:14:08,240 --> 00:14:10,840 (大海人)何を弱気な 大王らしくもない 172 00:14:10,840 --> 00:14:14,110 いや 予にはわかるのだ… 173 00:14:14,110 --> 00:14:17,850 大海人 くれぐれも後事を頼むぞ 174 00:14:17,850 --> 00:14:20,790 貴殿には予の跡を継いで この国を 175 00:14:20,790 --> 00:14:23,020 (大海人)何をおっしゃいます!! 176 00:14:23,020 --> 00:14:26,890 大王には 大友皇子が おられるではないですか! 177 00:14:26,890 --> 00:14:30,700 だが大友は まだまだ若輩の身 178 00:14:30,700 --> 00:14:36,140 いえ 大友皇子はすでに太政大臣という 要職を立派に務めておられます 179 00:14:36,140 --> 00:14:39,040 大王が跡を継ぐに 何の問題がありましょう— 180 00:14:39,040 --> 00:14:41,640 もし若年を心配されるのであれば— 181 00:14:41,640 --> 00:14:44,610 大后を摂政とすればよいこと 182 00:14:44,610 --> 00:14:49,950 おまえは… いや 貴殿には 大王を継ぐ意志はないと? 183 00:14:49,950 --> 00:14:52,850 不肖にして その任にあらず 184 00:14:52,850 --> 00:14:55,660 とても国を担うことはできません 185 00:14:55,660 --> 00:14:57,590 むしろ許されるのであれば! 186 00:14:57,590 --> 00:15:00,260 このまま山中に引きこもり 大王のため— 187 00:15:00,260 --> 00:15:03,300 仏事の修行に励みとうございます! 188 00:15:03,300 --> 00:15:08,100 大海人 本当に… 貴殿は本当に それでもよいのか? 189 00:15:08,100 --> 00:15:12,640 ああ いや… と とても本心とは思えん 190 00:15:12,640 --> 00:15:15,610 情けなや… 疑われますのか? 191 00:15:15,610 --> 00:15:17,610 是非もない! 192 00:15:19,710 --> 00:15:21,910 あぁ!! はっ!! 193 00:15:27,250 --> 00:15:29,190 ぬぅ…! 194 00:15:29,190 --> 00:15:42,740 ♪♪~ 195 00:15:42,740 --> 00:15:45,370 (大海人) お見苦しいところを お見せしました 196 00:15:45,370 --> 00:15:48,270 今より この身をもって仏殿へ赴き— 197 00:15:48,270 --> 00:15:51,680 剃髪して沙門となりたいと存じます 198 00:15:51,680 --> 00:15:54,580 (天智)大海人… 貴殿そこまで… 199 00:15:56,850 --> 00:16:00,250 おぉ… う… ぐぬ…! 200 00:16:02,720 --> 00:16:04,920 っ! 皇子それは! 201 00:16:06,630 --> 00:16:08,800 皇子! いったい何が! 202 00:16:08,800 --> 00:16:10,760 ば ばかな…! 203 00:16:10,760 --> 00:16:14,570 私は剃髪して 大王の快癒を祈ることにした 204 00:16:14,570 --> 00:16:16,770 は は…? 205 00:16:19,010 --> 00:16:20,940 仏にな… 206 00:16:20,940 --> 00:16:26,780 よろしいのですか!? みすみす虎に翼をつけて放つようなもの! 207 00:16:26,780 --> 00:16:31,620 必ずや後々に 禍根を残すことになりますぞ! 208 00:16:31,620 --> 00:16:33,850 何を言う果安! 209 00:16:33,850 --> 00:16:37,120 大海人は剃髪するとまで 申しておるのだぞ! 210 00:16:37,120 --> 00:16:39,930 ゴホッ ゴホッ…! 申し訳ありません 211 00:16:39,930 --> 00:16:42,160 果安 邪推が過ぎましたようで… 212 00:16:42,160 --> 00:16:44,660 (天智)もうよい下がれ! …はい 213 00:16:46,770 --> 00:16:48,870 老いられたな 214 00:16:52,540 --> 00:16:55,140 全く なんてことをしてくれたんじゃ 215 00:16:55,140 --> 00:16:58,040 なあクチイヌよ 今からでも遅くない 216 00:16:58,040 --> 00:17:01,310 政庁に行って… いや 無理だ 217 00:17:01,310 --> 00:17:04,020 いくら向こうが先に 矢を射かけたとはいえ— 218 00:17:04,020 --> 00:17:07,890 私は国司に手を上げてしまった 219 00:17:07,890 --> 00:17:10,790 だからといって どこへ行くつもりじゃ! 220 00:17:10,790 --> 00:17:15,390 大津の都だ 都じゃと? そんなとこ行ってどうするんじゃ! 221 00:17:15,390 --> 00:17:17,460 猿田さまは言っていた 222 00:17:17,460 --> 00:17:21,130 内裏には今のやり方に 反対されているお方もいると 223 00:17:21,130 --> 00:17:26,610 そうだ… もしかしたら そのお方の心を 動かすことができるやもしれない 224 00:17:26,610 --> 00:17:28,880 どういうことだ!? 225 00:17:28,880 --> 00:17:32,180 うん クチイヌ わぬし… 226 00:17:34,680 --> 00:17:36,880 クチイヌーッ!! 227 00:17:44,890 --> 00:17:47,590 ッ! 228 00:17:47,590 --> 00:17:50,500 フッ! どうーっ! (いななき) 229 00:17:50,500 --> 00:17:52,770 ウッ! 230 00:17:52,770 --> 00:17:54,870 クッ ハッ ハッ…! 231 00:17:58,170 --> 00:18:00,740 ハッ…! 232 00:18:00,740 --> 00:18:03,640 ハッ… ハッ… 233 00:18:03,640 --> 00:18:05,940 ハッ ハッ ハ…ッ! 234 00:18:08,080 --> 00:18:11,320 フッ! グッ! 235 00:18:11,320 --> 00:18:14,220 ヘヘヘヘヘヘッ… 236 00:18:15,860 --> 00:18:17,860 ウッ! ヘヘヘヘヘッ… 237 00:18:17,860 --> 00:18:20,760 デァッ! ヘッヘヘ… 238 00:18:20,760 --> 00:18:23,100 ヘヘヘヘヘヘ… 239 00:18:23,100 --> 00:18:25,600 闇討ちとは卑怯な! 何者だ! 240 00:18:25,600 --> 00:18:28,330 フハハハ… 犬風情が生意気な 241 00:18:28,330 --> 00:18:30,770 我らは剛炎寺が縁の者 242 00:18:30,770 --> 00:18:35,410 貴様を仏法の名において始末してやる! 観念せい!! 243 00:18:35,410 --> 00:18:38,440 クッ! ハッ ハッ…! 244 00:18:38,440 --> 00:18:40,440 ぬおおおおッ! 245 00:18:42,180 --> 00:18:44,920 でぁあああ! 246 00:18:44,920 --> 00:18:47,020 おぉっ うおお! 247 00:18:49,260 --> 00:18:51,320 ハッ! 248 00:18:51,320 --> 00:18:53,820 クッ! ハァッ! …ッ!! 249 00:18:58,030 --> 00:19:00,230 〈犬上さま こちらへ〉 250 00:19:04,170 --> 00:19:06,110 逃がさんぞ! 251 00:19:06,110 --> 00:19:23,190 ♪♪~ 252 00:19:23,190 --> 00:19:25,590 〈神座の杜に逃げ込めば…!〉 253 00:19:27,630 --> 00:19:30,830 アッ! ぬああああっ!! 254 00:19:32,500 --> 00:19:35,500 ぬあああぁぁ!! 255 00:19:35,500 --> 00:19:38,000 〈あぁっ!〉 256 00:19:38,000 --> 00:19:40,340 うああぁぁ…! 257 00:19:40,340 --> 00:19:42,640 あぁ… うぁっ… 258 00:19:45,180 --> 00:19:47,810 これで終わりだ! 引導じゃ!! 259 00:19:47,810 --> 00:19:50,550 うっ! (うなり声) 260 00:19:50,550 --> 00:19:53,520 なんだ貴様は! (うなり声) 261 00:19:53,520 --> 00:19:56,390 うっ… あ… 262 00:19:56,390 --> 00:19:59,030 待て! 貴様! (咆哮) 263 00:19:59,030 --> 00:20:03,600 ハァッ ハァッ ハァッ ハァッ… 264 00:20:03,600 --> 00:20:07,500 ハァッ ハァッ アッ… 265 00:20:09,500 --> 00:20:11,940 ふあぁ! 266 00:20:11,940 --> 00:20:16,610 ぬぅ… 目障りな! 串刺しにしてくれる! 267 00:20:16,610 --> 00:20:20,350 っ!? なんだ この霧は! 268 00:20:20,350 --> 00:20:23,620 どんどん濃くなるぞ! 269 00:20:23,620 --> 00:20:25,820 これは産土の結界! 270 00:20:30,260 --> 00:20:32,960 犬め 命冥加な… 271 00:20:44,600 --> 00:20:48,470 はっ… 犬上さま! 犬上さま!! 272 00:20:48,470 --> 00:20:51,180 犬上さま! 今おばばさまを! 273 00:20:51,180 --> 00:20:55,010 …っ! 待っていてください! 274 00:20:55,010 --> 00:20:58,780 う… そなたは… やはり… 275 00:20:58,780 --> 00:21:01,350 あの折の狗族の… 276 00:21:01,350 --> 00:21:05,120 私も ずっとおまえのことを感じていた… 277 00:21:05,120 --> 00:21:08,220 犬上さま 必ずお助けいたします! 278 00:21:13,730 --> 00:21:17,270 ん? おまえ…? 279 00:21:17,270 --> 00:21:20,070 そうじゃ おまえはあの時の… 280 00:21:20,070 --> 00:21:22,370 あの時の… 281 00:21:22,370 --> 00:21:26,910 確か狗族とかいう… ん? なんじゃ? 282 00:21:26,910 --> 00:21:31,080 こ これは… クチイヌの着物! 283 00:21:31,080 --> 00:21:33,890 (おばば)…クチイヌ!! 284 00:21:33,890 --> 00:21:36,290 クチイヌ しっかりしろ!! 285 00:21:36,290 --> 00:21:38,490 クチイヌ!! 286 00:21:40,630 --> 00:21:42,560 急げ 急ぐんじゃ! 287 00:21:42,560 --> 00:21:46,460 何をしている! 薬小屋に早く運ぶんじゃ! 288 00:21:50,300 --> 00:21:54,710 クチイヌ… 負けるでないぞ! 289 00:21:54,710 --> 00:21:56,640 グッ… 290 00:21:56,640 --> 00:22:00,180 こんな傷… よいかクチイヌ… 291 00:22:00,180 --> 00:22:03,580 わしゃこれまで 自分の運を切り開くために— 292 00:22:03,580 --> 00:22:07,020 おまえと一緒だったようなことを 言ってきたが…— 293 00:22:07,020 --> 00:22:08,990 ほんとは違うのじゃ… 294 00:22:08,990 --> 00:22:13,690 いつからか わしゃ おまえが ほんとの息子に思えてきたんじゃ… 295 00:22:13,690 --> 00:22:17,130 クチイヌ 治ってくれ…! 296 00:22:17,130 --> 00:22:33,150 ♪♪~ 297 00:22:33,150 --> 00:22:37,150 あ… あぁ…! 298 00:22:37,150 --> 00:22:40,290 犬上さま… 死なないで!! 299 00:22:40,290 --> 00:22:50,500 ♪♪~ 300 00:22:50,500 --> 00:22:55,070 ≪大丈夫 あの者は生き続けるでしょう≫ 301 00:22:55,070 --> 00:22:58,370 ≪それが 運命なのですから…≫ 302 00:22:58,370 --> 00:23:15,250 ♪♪~ 303 00:23:15,250 --> 00:23:17,450 火の鳥…! 304 00:23:19,530 --> 00:23:26,230 こののち ふた月を待たずして 大王天智は崩御した 305 00:23:30,840 --> 00:24:57,940 ♪♪~ 306 00:25:02,140 --> 00:25:06,180 己の運命を変えた 犬の顔 307 00:25:06,820 --> 00:25:11,180 だが それゆえに得た愛が 我が身を揺さぶる 308 00:25:11,340 --> 00:25:14,680 犬上様 死んでは駄目です 309 00:25:14,680 --> 00:25:17,200 私は 私は… 310 00:25:17,200 --> 00:25:18,740 マリモ… あっ 311 00:25:18,740 --> 00:25:20,460 犬上様 312 00:25:20,460 --> 00:25:27,380 そして 国の動乱に巻き込まれた愛は 怒濤に変わった 313 00:25:27,380 --> 00:25:29,380