1 00:00:03,040 --> 00:01:29,440 ♪♪~ 2 00:01:32,800 --> 00:01:37,630 (法弁の読経) 3 00:01:37,630 --> 00:01:41,970 う…っ ううぅ… おぉ…! 4 00:01:41,970 --> 00:01:44,670 (読経) 5 00:01:48,450 --> 00:01:50,450 おぉ…! 6 00:01:58,260 --> 00:02:04,460 天智十年十二月三日 大王天智崩御 7 00:02:07,800 --> 00:02:10,770 ハッ! ハッ! その報せは— 8 00:02:10,770 --> 00:02:18,020 日をおかず 吉野に隠棲する 大海人皇子のもとへと もたらされた 9 00:02:18,110 --> 00:02:23,510 ハッハッ… 大海人皇子へ 大津よりの急報にござりまするーっ!! 10 00:02:29,150 --> 00:02:31,560 大王がお隠れになった 11 00:02:31,560 --> 00:02:33,280 (側近たち)大王が…! お隠れに… 12 00:02:33,490 --> 00:02:35,180 とうとう… 13 00:02:41,730 --> 00:02:45,640 (大友皇子)大王の殯が明けぬうちは 叔父上も動かぬ? 14 00:02:45,640 --> 00:02:50,440 だが 都では叔父上が すぐにでも兵を起こして— 15 00:02:50,440 --> 00:02:53,300 この大津へ攻め上ってくると 噂しておるではないか 16 00:02:54,020 --> 00:02:57,050 噂は所詮 噂にすぎません 17 00:02:57,050 --> 00:02:58,720 っ…! 18 00:02:59,650 --> 00:03:02,120 そなたたち この場で誓ってくれ 19 00:03:02,120 --> 00:03:06,590 何があっても大海人皇子ではなく この私に与してくれると… 20 00:03:06,590 --> 00:03:09,140 (一同)ははっ 頼むぞ… 21 00:03:09,980 --> 00:03:12,090 頼むぞ 果安… 22 00:03:17,730 --> 00:03:24,730 (トビの鳴き声) 23 00:03:29,110 --> 00:03:33,080 で あの水膨れ なんと言ってきとるんじゃ? 24 00:03:33,080 --> 00:03:36,250 大王が崩御されたらしい 25 00:03:36,250 --> 00:03:38,190 なに大王が… 26 00:03:38,190 --> 00:03:40,120 ほうかほうか! 27 00:03:40,120 --> 00:03:42,930 うっ! おばば…? 28 00:03:42,930 --> 00:03:46,800 クチイヌ これでわぬしが国司に背いた 一件もなしじゃな 29 00:03:46,800 --> 00:03:49,470 どうしてだ? 30 00:03:49,470 --> 00:03:51,400 新しい王が立つんじゃろ 31 00:03:51,400 --> 00:03:53,940 きっと大赦があるに違いないって… 32 00:03:53,940 --> 00:03:57,470 (鳴き声) 33 00:03:57,470 --> 00:04:00,410 いや そんなに甘くないだろう… 34 00:04:00,410 --> 00:04:04,110 ん? そう 終わりではない 35 00:04:04,110 --> 00:04:08,210 この里の神々の禍は まだまだ続く 36 00:04:10,950 --> 00:04:16,430 天智の遺体は 殯宮に眠り— 37 00:04:16,430 --> 00:04:23,870 人々の噂も また雪の下に冷たく身を潜めた 38 00:04:23,870 --> 00:04:31,440 だが 季節は巡り 再び芽生えの時が訪れても— 39 00:04:31,440 --> 00:04:35,410 人々の心は 重い動乱の影から— 40 00:04:35,410 --> 00:04:39,080 解き放たれることはなかった 41 00:04:39,080 --> 00:05:01,370 ♪♪~ 42 00:05:01,370 --> 00:05:04,070 マリモ… 何を? 43 00:05:07,080 --> 00:05:11,620 思い返していたのだ この国へ来てからの年月を… 44 00:05:11,620 --> 00:05:13,550 あ… 45 00:05:13,550 --> 00:05:17,990 私は自分に科された 呪縛を解くために この国へ来た 46 00:05:17,990 --> 00:05:22,490 東へ行けば運命が開ける という おばばの言葉を信じて… 47 00:05:24,090 --> 00:05:26,860 呪いを解くために… 48 00:05:26,860 --> 00:05:30,630 それが いつの間にか私は そんな かつての目的をさえ— 49 00:05:30,630 --> 00:05:33,870 ほとんど思い出さなくなってしまった 50 00:05:33,870 --> 00:05:36,910 里の人たちのことですね… 51 00:05:36,910 --> 00:05:39,680 だが それだけではない 52 00:05:39,680 --> 00:05:42,110 時折 私は気付くのだ… 53 00:05:42,110 --> 00:05:46,310 たった一つの影を いやおうなく追い求めている自分を… 54 00:05:48,550 --> 00:05:51,360 マリモ… 55 00:05:51,360 --> 00:05:54,160 犬上さま… 56 00:05:54,160 --> 00:06:02,360 ♪♪~ 57 00:06:06,270 --> 00:06:10,140 なにっ!? 皇子に諮らず 事を起こすというのか! 58 00:06:10,140 --> 00:06:16,080 残念ながら大友皇子は 心弱きお方にございます…— 59 00:06:16,080 --> 00:06:18,950 亡き大王の殯が明けた今— 60 00:06:18,950 --> 00:06:23,750 大海人皇子は必ずや兵を挙げ 吉野から動くはず— 61 00:06:23,750 --> 00:06:29,190 ところが皇子は 吉野へ目も向けようともなさらない 62 00:06:29,190 --> 00:06:33,400 それでまず 我らで事を起こそうというわけか… 63 00:06:33,400 --> 00:06:38,740 だが皇子はよいとして 朝堂の おもだった者たちを どう説き伏せる 64 00:06:38,740 --> 00:06:43,310 ふっ… 公卿たちなど— 65 00:06:43,310 --> 00:06:47,710 今この朝堂の 誰が果安さまに抗えましょうや— 66 00:06:47,710 --> 00:06:52,550 まして先に兵を挙ぐるのが 大海人皇子であれば なおのこと… 67 00:06:52,550 --> 00:06:57,520 まずは糧道を断ち 大海人皇子を謀反に走らせるのです 68 00:06:57,520 --> 00:06:59,890 なるほど… 69 00:06:59,890 --> 00:07:03,560 更に 犬上里を押さえるのです 70 00:07:03,560 --> 00:07:07,960 っ! 糧道はよいとして なにゆえ犬上里まで? 71 00:07:07,960 --> 00:07:14,300 犬上里の郷長が誰の推挙か よもやお忘れではありますまい 72 00:07:14,300 --> 00:07:17,510 猿田か… ご存じのように— 73 00:07:17,510 --> 00:07:23,180 犬上里は 近江から美濃へと至る大道の 喉元をやくする要衝— 74 00:07:23,180 --> 00:07:26,520 兵法にたけた大海人皇子が 何の意図もなく— 75 00:07:26,520 --> 00:07:30,220 かの地へ あの者を 差し向けたとは思われませぬ 76 00:07:30,220 --> 00:07:33,720 あらかじめ進軍の道を 押さえようというわけか! 77 00:07:33,720 --> 00:07:35,790 (法弁)いかにも 78 00:07:35,790 --> 00:07:37,790 わかった 79 00:07:39,530 --> 00:07:44,770 兵部省の韓国を すぐにでも犬上里へ差し向けよう 80 00:07:44,770 --> 00:08:05,720 ♪♪~ 81 00:08:05,720 --> 00:08:07,660 なにっ!? 82 00:08:07,660 --> 00:08:09,960 馬に乗った兵隊が三人…! 83 00:08:11,530 --> 00:08:17,430 (馬の駆ける音) 84 00:08:22,870 --> 00:08:24,940 どうどう… 85 00:08:24,940 --> 00:08:28,180 わぬしが この邑の郷長か? 86 00:08:28,180 --> 00:08:30,480 犬上と申します 87 00:08:30,480 --> 00:08:35,190 ほほう… なるほど 噂どおりの犬顔だな 88 00:08:35,190 --> 00:08:37,750 ん…? 89 00:08:37,750 --> 00:08:40,660 (羽音) 90 00:08:40,660 --> 00:08:43,560 で 失礼ですが あなたさまは? 91 00:08:43,560 --> 00:08:46,460 おれは壹伎史韓国 92 00:08:46,460 --> 00:08:50,200 たかが一介の郷長を 捕縛するためだけにしては— 93 00:08:50,200 --> 00:08:55,440 将軍と軍勢というのは あまりにも大げさすぎませぬか 94 00:08:55,440 --> 00:08:57,440 おっ… 95 00:09:01,240 --> 00:09:04,850 ハハハハッ! 貴様わかっていたのか 96 00:09:04,850 --> 00:09:08,080 朝廷に抗ったのは私だけです 97 00:09:08,080 --> 00:09:11,820 この私さえ捕らえられれば それで事は済むはず 98 00:09:11,820 --> 00:09:15,690 なにっ 自ら縛につくというのか! 99 00:09:15,690 --> 00:09:18,700 ですから里には 手出しをしないでもらいたい 100 00:09:18,700 --> 00:09:21,000 いいだろう 101 00:09:21,000 --> 00:09:23,570 ん…? ハッ! 102 00:09:23,570 --> 00:09:26,400 帰れ! 帰れ! 郷長さまは渡しゃしねえぞ! 103 00:09:26,400 --> 00:09:29,040 二度と来るな! みんな やめるんだ! 104 00:09:29,040 --> 00:09:32,510 落ち着け 静かにしろ! だども郷長さま! 105 00:09:32,510 --> 00:09:35,050 ここは私に任せろ 106 00:09:35,050 --> 00:09:40,280 韓国さま お許しください この者たちは ただ私を守ろうとして… 107 00:09:40,280 --> 00:09:43,190 その者たちが何をしたというのだ 108 00:09:43,190 --> 00:09:45,190 っ! 109 00:09:47,390 --> 00:09:49,330 気にするな犬上 110 00:09:49,330 --> 00:09:54,700 おれだって朝廷の衛士たちで 里を攻めるのは本意ではなかった 111 00:09:54,700 --> 00:09:58,300 だからこそ 兵を森の中に隠してきたのだ 112 00:09:58,300 --> 00:10:00,740 (一同)おぉ…! 113 00:10:00,740 --> 00:10:03,640 韓国さま… うむ 114 00:10:15,650 --> 00:10:17,590 何ですと! 115 00:10:17,590 --> 00:10:21,490 それでは大津は 亡き大王の陵造立にこと寄せて— 116 00:10:21,490 --> 00:10:23,860 兵を徴発していると? 117 00:10:23,860 --> 00:10:26,260 先に美濃へ行ってきた雄君が— 118 00:10:26,260 --> 00:10:30,130 美濃 尾張 両国の国司から 聞いてきたそうだ 119 00:10:30,130 --> 00:10:33,740 集めた役夫どもに 武具を持たせているとな 120 00:10:33,740 --> 00:10:35,770 武具を! おのれ…! 121 00:10:35,770 --> 00:10:38,480 よいか 我らはあくまで無勢 122 00:10:38,480 --> 00:10:41,240 大津に先んじぬ限り勝機はない! 123 00:10:41,240 --> 00:10:44,980 (大海人)男依! 君手! 君広! ハッ! ハッ! ハッ! 124 00:10:44,980 --> 00:10:49,790 そなたたちは先に美濃へ向かい 我に与する者たちに このことを告げて— 125 00:10:49,790 --> 00:10:53,660 兵を集め 不破関を押さえるのだ! 126 00:10:53,660 --> 00:11:00,400 (馬の駆ける音) 127 00:11:00,400 --> 00:11:02,770 猿田! ハッ! 128 00:11:02,770 --> 00:11:04,700 そなたには大津京へ行ってもらいたい 129 00:11:04,700 --> 00:11:07,600 急げーっ!! 130 00:11:07,600 --> 00:11:12,480 都に人質となっている我が皇子 高市皇子を救い出してもらいたい 131 00:11:12,480 --> 00:11:14,480 分かりました! 132 00:11:14,480 --> 00:11:21,480 (馬の駆ける音) 133 00:11:25,660 --> 00:11:29,060 機先を制するは敵に勝つ習い 134 00:11:33,500 --> 00:11:39,600 この明るさ 月までおれに味方して 東国への道を照らしてくれているわ 135 00:11:52,550 --> 00:11:55,450 (読経) 136 00:11:55,450 --> 00:11:57,390 (月壇)吉野が動きだしました— 137 00:11:57,390 --> 00:12:00,590 おもだった舎人たちが 次々に参集しております 138 00:12:00,590 --> 00:12:03,960 さすが大海人皇子 動きが早い 139 00:12:03,960 --> 00:12:06,430 こちらも事を急がねば 140 00:12:06,430 --> 00:12:08,370 月壇 内裏へ! 141 00:12:08,370 --> 00:12:13,640 東宮の高市皇子を急いで我らで押さえ 兵部省に捕らえおけ! 142 00:12:13,640 --> 00:12:15,640 はっ! 143 00:12:24,850 --> 00:12:26,850 どう! 144 00:12:29,550 --> 00:12:34,320 あれが近江 その向こうが都だ 145 00:12:34,320 --> 00:12:37,860 犬上 都で何をするつもりだ? 146 00:12:37,860 --> 00:12:40,160 っ! あ… 147 00:12:40,160 --> 00:12:46,000 おまえが なんの意図もなく唯々諾々と 捕縛されるような者とも思えぬからな 148 00:12:46,000 --> 00:12:50,670 そうですか… 気付いておられたのですか… 149 00:12:50,670 --> 00:12:54,680 私は どうしても大王に奏上したき 儀があるのです 150 00:12:54,680 --> 00:12:56,810 大王へだと!? 151 00:12:56,810 --> 00:13:01,790 ま まさかおまえ 大王への お目通りがかなうと思っているのか! 152 00:13:01,790 --> 00:13:05,520 たとえ そのために この命を落とすことになろうとも…— 153 00:13:05,520 --> 00:13:10,060 里の苦境を 私は何としても訴えなければならない 154 00:13:10,060 --> 00:13:12,630 何としても! 155 00:13:12,630 --> 00:13:14,830 おまえ… 156 00:13:21,340 --> 00:13:24,910 犬上… 大王にお目通りができるよう— 157 00:13:24,910 --> 00:13:27,880 おれの力の及ぶ限り 手を貸してやろう 158 00:13:27,880 --> 00:13:30,450 韓国さま… 159 00:13:30,450 --> 00:13:34,320 犬上 実はおれも渡来人でな… 160 00:13:34,320 --> 00:13:38,960 もっとも おまえとは違って おれは唐の生まれだがな 161 00:13:38,960 --> 00:13:41,860 まあ わぬしとは同じような立場だ 162 00:13:41,860 --> 00:14:00,780 ♪♪~ 163 00:14:00,780 --> 00:14:02,710 っ! 164 00:14:02,710 --> 00:14:15,230 ♪♪~ 165 00:14:15,230 --> 00:14:17,630 とうさま! 166 00:14:17,630 --> 00:14:20,200 行くのか… 167 00:14:20,200 --> 00:14:22,600 ごめんなさい… でも… でも! 168 00:14:24,170 --> 00:14:27,400 マリモ… おまえ自身で決めたことだ 169 00:14:27,400 --> 00:14:30,970 迷うことはない とうさま… 170 00:14:30,970 --> 00:14:35,770 さあ 行くがいい… 私はおまえを信じている 171 00:14:38,080 --> 00:14:40,920 はい! 172 00:14:40,920 --> 00:14:44,820 とうさま… ごめんなさい… 173 00:14:44,820 --> 00:14:48,220 マリモ… 死ぬなよ 174 00:14:48,220 --> 00:14:54,720 ♪♪~ 175 00:15:08,680 --> 00:15:13,820 (足音) 176 00:15:13,820 --> 00:15:16,620 誰だ! 177 00:15:16,620 --> 00:15:18,660 (扉が開く音) 178 00:15:18,660 --> 00:15:20,860 韓国さま…! 179 00:15:23,730 --> 00:15:27,730 これは? 舎人の礼服だ 180 00:15:27,730 --> 00:15:33,040 その装いで大王にお目通りさせるわけには いかんからな 181 00:15:33,040 --> 00:15:34,970 …それでは! 182 00:15:34,970 --> 00:15:39,810 ≪壹伎史韓国にございます— 183 00:15:39,810 --> 00:15:43,210 例の男を ご謁見賜りますよう… 184 00:15:49,220 --> 00:15:53,890 犬上 そなた 余に申したき儀があるそうだな 185 00:15:53,890 --> 00:15:55,960 我が望みは ただ一つ 186 00:15:55,960 --> 00:15:59,730 大王におかれましては 何とぞ寛大なる御心をもって— 187 00:15:59,730 --> 00:16:03,370 古き天地の神々への信仰を お許しくださいますよう— 188 00:16:03,370 --> 00:16:06,270 お願い申し上げることにございます 189 00:16:06,270 --> 00:16:10,840 つまり 仏教を押しつけるのをやめよ というのだな 190 00:16:10,840 --> 00:16:13,180 ははっ 191 00:16:13,180 --> 00:16:16,910 私は郷長として暮らすうちに知りました 192 00:16:16,910 --> 00:16:19,850  古より この地に息づいてきた神々を— 193 00:16:19,850 --> 00:16:24,190 里の者たちが どれほど大切に思っているかを 194 00:16:24,190 --> 00:16:27,590 確かに仏教の教えは尊いかもしれません 195 00:16:27,590 --> 00:16:33,230 ですが 古き神々への思いもまた 同じように尊いのではないでしょうか 196 00:16:33,230 --> 00:16:35,230 っ! 197 00:16:37,000 --> 00:16:41,300 確かに そなたの言うとおりかもしれぬ 古き神は尊い 198 00:16:41,300 --> 00:16:46,010 だが 今は古き尊さを守るよりも 強き国をつくるため— 199 00:16:46,010 --> 00:16:50,950 民を一つにまとめることのほうが より大切なのだ 200 00:16:50,950 --> 00:16:56,150 父が… 亡き大王が 仏教を広めようとなさったのは— 201 00:16:56,150 --> 00:17:00,120 今までのように豪族たちが それぞれの神を奉じていては— 202 00:17:00,120 --> 00:17:04,860 決して国を一つにまとめることは できないと悟ったからだ 203 00:17:04,860 --> 00:17:10,500 この倭国を一つにまとめるには 仏教を中心とせねばならない 204 00:17:10,500 --> 00:17:15,340 寺院の建立もまた 国をまとめる手段にすぎないのだ 205 00:17:15,340 --> 00:17:19,080 ですが!たとえ国が強くなったとしても— 206 00:17:19,080 --> 00:17:22,710 そのために人々が苦しんでは 何の意味がございましょう! 207 00:17:22,710 --> 00:17:24,650 っ! 208 00:17:24,650 --> 00:17:28,520 そなた 叔父上と同じようなことを言う 209 00:17:28,520 --> 00:17:30,520 えっ… 210 00:17:34,090 --> 00:17:40,860 初めは私も 大王のお考えを なかなか受け入れることができなかった 211 00:17:40,860 --> 00:17:45,640 すまぬ… 私には今のところ どうすることもできない… 212 00:17:45,640 --> 00:17:59,550 ♪♪~ 213 00:17:59,550 --> 00:18:02,250 そなたにも わかるはずだ 214 00:18:02,250 --> 00:18:05,550 人の上に立つということが いかに苦しきことか 215 00:18:24,840 --> 00:18:27,740 (いななき) 216 00:18:27,740 --> 00:18:29,740 高市皇子は東宮だ! 217 00:18:33,520 --> 00:18:35,920 犬上さま! 218 00:18:35,920 --> 00:18:38,720 犬上さま! 犬上さま! 219 00:18:38,720 --> 00:18:41,420 マリモか! ハッ! マリモ! 220 00:18:41,420 --> 00:18:44,890 ハァッ 犬上さま! ご無事なんですね! ああ 221 00:18:44,890 --> 00:18:47,190 今すぐ ここから出して差し上げます! 222 00:18:58,140 --> 00:19:00,980 (七人衆)フフフヘヘヘヘ… 223 00:19:00,980 --> 00:19:03,380 な 何者! 224 00:19:03,380 --> 00:19:07,050 大海人皇子が皇子 高市皇子だな 225 00:19:07,050 --> 00:19:09,390 えっ 何ですって!? 226 00:19:09,390 --> 00:19:12,290 一緒には行けない 私はここにとどまる 227 00:19:12,290 --> 00:19:16,060 なぜ!? どうしてですか 犬上さま! 228 00:19:16,060 --> 00:19:19,260 私には まだやらねばならぬことがある 229 00:19:19,260 --> 00:19:22,830 ここにいては 犬上さまは いずれ殺されてしまいます! 230 00:19:22,830 --> 00:19:24,770 そうかもしれない 231 00:19:24,770 --> 00:19:29,410 だが 私は大王に 訴え続けなければならないのだ 232 00:19:29,410 --> 00:19:35,080 今夜はだめだったが… 私の命ある限り 諦めずに…! 233 00:19:35,080 --> 00:19:37,480 犬上さま… 234 00:19:37,480 --> 00:19:41,350 死んではだめです… 私は… 私は… 235 00:19:41,350 --> 00:19:46,120 マリモ… ああ… 犬上さま… 236 00:19:46,120 --> 00:19:48,320 っ… マリモ…! 237 00:19:51,930 --> 00:19:53,860 ハッ! 238 00:19:53,860 --> 00:19:55,870 ムウ… 239 00:19:55,870 --> 00:19:58,030 何者! 240 00:19:58,030 --> 00:20:00,940 おまえら 犬上さまを襲った者たちだな! 241 00:20:00,940 --> 00:20:04,640 なにっ!? ンッ フ…! 242 00:20:04,640 --> 00:20:07,440 ッ! マリモ! やめろ 逃げるんだ! 243 00:20:07,440 --> 00:20:09,410 ほう 犬もいたか… 244 00:20:09,410 --> 00:20:12,210 ちょうどいい 二人一緒に始末してやる! 245 00:20:16,120 --> 00:20:19,460 マリモ! 逃げろ! 犬上さまは私が守る! 246 00:20:19,460 --> 00:20:21,820 ヒャーッ! ヘッ! 247 00:20:21,820 --> 00:20:23,820 ウッ! クッ! 248 00:20:25,560 --> 00:20:28,560 クゥッ!! マリモーーーッ!! 249 00:20:31,330 --> 00:20:33,940 これは! 250 00:20:33,940 --> 00:20:35,970 まだ遠くへは行っていない! 251 00:20:35,970 --> 00:20:38,110 手分けして捜せ! (部下たち)はっ! 252 00:20:38,110 --> 00:20:40,110 テェェッ!! うッ! 253 00:20:40,110 --> 00:20:42,680 マリモ!! マリモーッ!! 254 00:20:42,680 --> 00:20:44,610 グッ! ウオーーッ!! 255 00:20:44,610 --> 00:20:47,250 ヒヒヒヒ… うっ… うぅ… 256 00:20:47,250 --> 00:20:50,150 さっさと片づけろ! ウゥ… ハァッ!! 257 00:20:52,760 --> 00:20:54,860 ムン! ラァッ! 258 00:20:59,500 --> 00:21:01,600 ウィィッ!! ハッ! 259 00:21:03,470 --> 00:21:06,140 マリモ!! 260 00:21:06,140 --> 00:21:08,070 マリモーッ!! 261 00:21:08,070 --> 00:21:10,310 (戦う声) 262 00:21:10,310 --> 00:21:12,740 ゥァァアアアア!! 263 00:21:12,740 --> 00:21:15,240 ウゥッ グゥウウ!! 264 00:21:15,240 --> 00:21:17,180 フゥッ グウッ!! 265 00:21:17,180 --> 00:21:19,180 ハッ!? 266 00:21:19,180 --> 00:21:23,450 ガァァアアアアアアア!! 267 00:21:23,450 --> 00:21:25,890 キィィイ!! グエエッ!! 268 00:21:25,890 --> 00:21:27,890 ウウ…ッ! 269 00:21:30,130 --> 00:21:32,190 犬上さま! 270 00:21:32,190 --> 00:21:34,460 ケガはないか はい! 271 00:21:34,460 --> 00:21:36,870 おのれ! 272 00:21:36,870 --> 00:21:39,540 おれから離れるな! はい! 273 00:21:39,540 --> 00:21:41,540 犬上どの!! 274 00:21:41,540 --> 00:21:45,940 猿田さま! そなた なぜここへ! 275 00:21:45,940 --> 00:21:49,810 どうやら わけを聞いている暇はなさそうだ 276 00:21:49,810 --> 00:21:52,680 ん!? 277 00:21:52,680 --> 00:21:55,950 ウッ ウグ… グ…! 278 00:21:55,950 --> 00:22:00,760 皇子…! そうか 皇子を連れ出したのは貴様らか! 279 00:22:00,760 --> 00:22:02,690 大海人の手の者か! 280 00:22:02,690 --> 00:22:05,430 皇子ーっ!! 281 00:22:05,430 --> 00:22:08,100 ぬぅっ はっ! ヌァアア! 282 00:22:08,100 --> 00:22:10,530 うおぁあああ!! 283 00:22:10,530 --> 00:22:13,000 ウゥ… ハァッ!! 284 00:22:13,000 --> 00:22:16,240 うおおおお!! はぁぁ!! 285 00:22:16,240 --> 00:22:19,810 ウゥッ フアァッ!! うっ! てぁあ!! 286 00:22:19,810 --> 00:22:21,810 退けぇ!! 287 00:22:25,250 --> 00:22:28,620 ンッ… 皇子 ご無事で! 288 00:22:28,620 --> 00:22:30,440 猿田! これは一体… 289 00:22:30,650 --> 00:22:34,420 今は時がありません 全ては都を脱してから! 290 00:22:34,420 --> 00:22:39,620 (馬の駆ける音) 291 00:22:45,000 --> 00:22:49,840 (川の流れの音) 292 00:22:49,840 --> 00:22:54,380 (高市)里のことなら 私の父が守ってくれる 心配いらない 293 00:22:54,380 --> 00:22:57,010 大海人皇子が… 294 00:22:57,010 --> 00:23:01,320 父はもとより 強引な仏教の押しつけには 反対されていた 295 00:23:01,320 --> 00:23:03,590 そなたの望みも聞き入れてくれるだろう 296 00:23:03,590 --> 00:23:05,590 そうですか… 297 00:23:07,460 --> 00:23:12,830 二日後 犬上たちは 大海人の軍勢と合流した 298 00:23:12,830 --> 00:23:15,530 そなたが犬上か 299 00:23:15,530 --> 00:23:17,470 ハッ 300 00:23:17,470 --> 00:23:22,370 皇子のための一方ならぬ尽力… 礼を言うぞ 301 00:23:22,780 --> 00:23:27,870 犬上と大海人の最初の出会いであった 302 00:23:30,950 --> 00:24:58,150 ♪♪~ 303 00:25:02,100 --> 00:25:09,120 風渡る大地で 光満ちる大空で 戦いが始まる 304 00:25:09,260 --> 00:25:13,900 人と人とが 神と神とが 死力を尽くす 305 00:25:13,920 --> 00:25:16,000 だが なぜだ 306 00:25:16,000 --> 00:25:19,080 なぜ戦わなければならない 307 00:25:19,080 --> 00:25:21,380 理非はどちらにある 308 00:25:21,840 --> 00:25:25,680 火の鳥よ 教えてくれ あなたなら分かるはず 309 00:25:25,680 --> 00:25:27,680