1 00:00:34,935 --> 00:00:37,437 (彦弥)風読みを探すったって そんな簡単に見つかるもんですかねえ? 2 00:00:37,437 --> 00:00:40,607 (源吾)普通に探すとなると 大変だろうな 3 00:00:40,607 --> 00:00:42,776 (新之助)確か 当てがあるとか? 4 00:00:42,776 --> 00:00:47,948 ああ 昔 俺が飯田町定火消だった頃の風読みだ 5 00:00:47,948 --> 00:00:52,619 名前が少々物騒でな 俺は おやっさんと呼んでいたんだが… 6 00:00:52,619 --> 00:00:55,289 (寅次郎) 物騒な名前っていうと? 7 00:00:55,289 --> 00:00:58,625 加持孫一 (彦弥・寅次郎・新之助)カジ!? 8 00:00:58,625 --> 00:01:03,797 左門に おやっさんの消息について 何か分かったことはないか聞きに行く 9 00:01:03,797 --> 00:01:07,968 (山路)孫一は死んだ 火消をやめて程なくしてな 10 00:01:07,968 --> 00:01:11,471 《(孫一)すまぬ これでも火消の端くれなのだ》 11 00:01:11,471 --> 00:01:15,309 《(山路)行くな 孫一! 孫一!》 12 00:01:15,309 --> 00:01:18,312 (山路) 孫一が唯一 天才と呼んだ男がいる➡ 13 00:01:18,312 --> 00:01:20,647 名を加持星十郎➡ 14 00:01:20,647 --> 00:01:24,818 孫一の息子にして 希代の天才だ 15 00:01:24,818 --> 00:01:27,654 (星十郎)お断りします あ… 16 00:01:27,654 --> 00:01:30,991 私は 父と同じ道を歩むつもりはありません➡ 17 00:01:30,991 --> 00:01:35,095 父は我が一名に 星の一文字をつけられた 18 00:01:35,095 --> 00:01:37,931 天文の道を継いでほしいはず➡ 19 00:01:37,931 --> 00:01:41,435 私は 父上のやり残したことを成し遂げます 20 00:01:42,436 --> 00:01:47,441 《(孫一)人は外に出でてこそ 星のように輝くのです》 21 00:02:01,955 --> 00:02:04,291 (爆発音) 22 00:02:04,291 --> 00:02:06,293 (お鈴)あっ! 23 00:02:06,293 --> 00:02:08,295 (うめき声) あっ! 24 00:02:08,295 --> 00:02:10,297 うう… 25 00:02:10,297 --> 00:02:12,299 女将さん! 26 00:02:17,304 --> 00:03:07,821 ♬~ 27 00:03:57,938 --> 00:04:02,609 (半鐘の音) 28 00:04:02,609 --> 00:04:04,611 (新之助)はあ はあ… 29 00:04:04,611 --> 00:04:07,114 出火は上野! はあ… 30 00:04:07,114 --> 00:04:10,450 小諸屋です! なっ! 31 00:04:10,450 --> 00:04:14,054 (半鐘の音) 32 00:04:19,960 --> 00:04:21,962 あ… 33 00:04:22,963 --> 00:04:27,067 あれは い組の金五郎さんと 漣次だな 34 00:04:29,136 --> 00:04:33,406 (漣次)あ? 源! おめえも出張ってたか! 35 00:04:33,406 --> 00:04:35,742 い組が どうしてこんなところに? 36 00:04:35,742 --> 00:04:40,247 (金五郎)たまたま この辺りで会合があってな い組は俺達だけだ 37 00:04:40,247 --> 00:04:42,249 火事の状況は? 38 00:04:42,249 --> 00:04:46,586 (漣次)寛永寺には前田家が駆けつけた 加賀鳶か 39 00:04:46,586 --> 00:04:51,591 さすが 江戸一の大名火消 仕事が早いですね 40 00:04:51,591 --> 00:04:54,594 あとは 黒田家が北側を押さえるようだ 41 00:04:54,594 --> 00:04:58,765 俺達も そちらに回る 出火現場はどうなってる 42 00:04:58,765 --> 00:05:02,269 (漣次)小諸屋の土蔵の一つが 突然吹き飛んだ➡ 43 00:05:02,269 --> 00:05:06,940 その火は北西に広がり 加賀鳶と黒田がそっちに行ったんだ 44 00:05:06,940 --> 00:05:11,278 なるほど では 西と北は問題なさそうだ 45 00:05:11,278 --> 00:05:14,614 おめえもせいぜい気張れよ 火喰鳥! 46 00:05:14,614 --> 00:05:17,817 フッ 言われなくてもそうするよ 47 00:05:18,785 --> 00:05:21,788 俺達は小諸屋に急ぐぞ! (一同)おうっ! 48 00:05:27,794 --> 00:05:29,796 こりゃ どういうことだ 49 00:05:29,796 --> 00:05:33,733 (寅次郎)先着してる火消が もっといていいはずだが 50 00:05:33,733 --> 00:05:36,036 ちょっと確認してきます 51 00:05:42,742 --> 00:05:44,744 (新之助)御頭! 52 00:05:45,912 --> 00:05:48,415 火消達がいない理由が分かりました 53 00:05:49,583 --> 00:05:52,586 (新之助)火元である 小諸屋の蔵が出火したあと➡ 54 00:05:52,586 --> 00:05:55,589 強風が 北西に向かって吹き続けているため➡ 55 00:05:55,589 --> 00:05:58,925 一番風上になっているんです 56 00:05:58,925 --> 00:06:04,931 西と北は加賀鳶と黒田が押さえているから やることがねえってのは分かる 57 00:06:04,931 --> 00:06:07,434 だが 万が一 風向きが変わったら 58 00:06:07,434 --> 00:06:09,603 東に燃え移るぞ 59 00:06:09,603 --> 00:06:12,606 (新之助)その辺りは 商人の屋敷や蔵があって➡ 60 00:06:12,606 --> 00:06:17,277 周辺の役人や火消は 多額の資金援助を受けているんです 61 00:06:17,277 --> 00:06:21,114 燃える心配がねえなら わざわざ壊すなってか 62 00:06:21,114 --> 00:06:24,117 実際 そういう要請があったそうです 63 00:06:24,117 --> 00:06:26,786 何を悠長なこと言ってやがる 64 00:06:26,786 --> 00:06:29,122 さらに問題は小諸屋です 65 00:06:29,122 --> 00:06:32,125 まだ 中に病人がいるとのことで➡ 66 00:06:32,125 --> 00:06:34,561 どうも心臓の病らしく➡ 67 00:06:34,561 --> 00:06:38,231 動かせば 命の保証はないと 68 00:06:38,231 --> 00:06:40,567 俺は店の様子を見てくる 69 00:06:40,567 --> 00:06:46,072 その間に お前達は 隣接する建物を壊して 店を守れ 70 00:06:46,072 --> 00:06:48,074 (鳶達)おう! 71 00:06:51,077 --> 00:06:53,079 (足音) あ… 72 00:06:53,079 --> 00:06:55,916 大丈夫か!? あなたは先日の… 73 00:06:55,916 --> 00:06:59,252 私は大丈夫です 何で ここに? 74 00:06:59,252 --> 00:07:01,254 俺は火消だ 75 00:07:01,254 --> 00:07:03,256 先生 女将さんはどうなんだ? 76 00:07:03,256 --> 00:07:08,428 元々 発作があったようで 土蔵の爆発に驚いて倒れたらしい 77 00:07:08,428 --> 00:07:12,432 爆発したあと 火のついた紙切れが舞い上がって… 78 00:07:12,432 --> 00:07:15,268 紙の束でも保管していたのか? 79 00:07:15,268 --> 00:07:18,772 (お鈴)いいえ そば粉を置いていただけです 80 00:07:20,273 --> 00:07:22,776 いつ 風向きが変わるともしれねえ 81 00:07:22,776 --> 00:07:25,278 女将さんを運び出せるか? 82 00:07:27,447 --> 00:07:32,552 無理だ この状態では わずかな衝撃でも命取りだ 83 00:07:33,553 --> 00:07:35,955 お前だけでも先に逃げろ! 84 00:07:36,890 --> 00:07:41,695 私にとって女将さんは親も同然 見捨てるわけにはいきません! 85 00:07:45,398 --> 00:07:49,069 はあ… 分かった 何か手を打つ 86 00:07:49,069 --> 00:07:51,471 先生 頼むぞ 87 00:07:54,574 --> 00:07:56,743 御頭 どうでした? 88 00:07:56,743 --> 00:08:00,413 容体が落ち着くまで 女将は動かせねえ 89 00:08:00,413 --> 00:08:04,517 店への引火を防ぐには あの蔵を壊せば… 90 00:08:06,086 --> 00:08:10,090 (寅次郎)先に 中の燃えやすいものだけでも引き上げましょう 91 00:08:10,090 --> 00:08:12,258 よし きた! 92 00:08:12,258 --> 00:08:14,260 待て! 93 00:08:16,096 --> 00:08:18,298 何かが変だ 94 00:08:19,599 --> 00:08:22,102 熱い 中が燃えている 95 00:08:22,102 --> 00:08:25,105 なら 早く開けて消し止めねえと! 96 00:08:25,105 --> 00:08:27,774 ダメだ! これは… 97 00:08:27,774 --> 00:08:30,110 まさか 朱土竜!? 98 00:08:30,110 --> 00:08:33,546 扉を開けたが最後 炎が噴き出すぞ! 99 00:08:33,546 --> 00:08:39,552 一体どうなっているんだ! 一つがはぜて もう一つは朱土竜… 100 00:08:39,552 --> 00:08:43,223 風が… 風向きが変わるかもしれねえ 101 00:08:43,223 --> 00:08:46,226 御頭 このままじゃ… 102 00:08:48,561 --> 00:08:51,731 彦弥 急ぎで馬を連れてきてくれ! 103 00:08:51,731 --> 00:08:54,401 まさか あいつのところに行くんじゃ… 104 00:08:54,401 --> 00:08:57,404 そのまさかだ 早く馬を! 105 00:09:03,410 --> 00:09:07,247 おい 火事だ! そのようですね 106 00:09:07,247 --> 00:09:10,750 一刻の猶予もない 一緒に来てくれ 107 00:09:10,750 --> 00:09:13,420 お断りいたします てめえ! 108 00:09:13,420 --> 00:09:15,922 火元は小諸屋の蔵だ 109 00:09:15,922 --> 00:09:20,427 店の中には動かせない病人がいて 回復を待っている 110 00:09:20,427 --> 00:09:23,930 風は北西から 南東に吹き返すはずだが 111 00:09:23,930 --> 00:09:26,933 いつまで待てる? 112 00:09:26,933 --> 00:09:31,604 嵐のせいで 陸が冷え始めるのが いつもより早い 113 00:09:31,604 --> 00:09:34,874 あと半刻 といったところでしょう 114 00:09:34,874 --> 00:09:39,379 分かった 彦弥 戻ったら すぐに女将を運び出すぞ 115 00:09:39,379 --> 00:09:43,049 いや でも それじゃあ お鈴が納得しねえ➡ 116 00:09:43,049 --> 00:09:45,552 ありゃあ てこでも 女将さんから離れねえよ 117 00:09:45,552 --> 00:09:48,555 あ… お鈴さんもいるんですか!? 118 00:09:48,555 --> 00:09:52,392 助けるつもりもねえお前には 関係ねえだろ!➡ 119 00:09:52,392 --> 00:09:55,395 学問しか頭にねえ冷血漢がよ! 120 00:10:00,066 --> 00:10:02,402 怖いんだな 121 00:10:02,402 --> 00:10:04,904 お前は冷血漢なんかじゃねえ 122 00:10:04,904 --> 00:10:07,907 むしろ 人一倍優しい男だ 123 00:10:07,907 --> 00:10:09,909 一度 感情に流されたら 124 00:10:09,909 --> 00:10:14,747 己の人生の目標の妨げになることが 分かっているんだろう 125 00:10:14,747 --> 00:10:17,250 お前は それが怖いんだ 126 00:10:20,420 --> 00:10:24,257 星十郎 俺達はもう戻らなくてはいけない 127 00:10:24,257 --> 00:10:26,759 最後に言わせてくれ 何を申されても… 128 00:10:26,759 --> 00:10:28,928 黙って聞け! 129 00:10:28,928 --> 00:10:32,765 人は外に出でてこそ 星のように輝く 130 00:10:32,765 --> 00:10:34,934 おやっさんの言葉だ 131 00:10:34,934 --> 00:10:37,036 お前の名は何だ! 132 00:10:39,939 --> 00:10:44,611 お前にとって一日は 暦の中のひとかけらかもしれねえ 133 00:10:44,611 --> 00:10:49,816 だが 人は その一日にしがみついて必死に生きてるんだ! 134 00:10:50,783 --> 00:10:52,952 一日は一日 135 00:10:52,952 --> 00:10:58,458 人が何をなそうが 必ず訪れる単位の一つに過ぎません 136 00:11:00,627 --> 00:11:02,795 分かった 137 00:11:02,795 --> 00:11:05,465 邪魔したな 138 00:11:05,465 --> 00:11:07,467 (星十郎)お待ちを! 139 00:11:11,137 --> 00:11:16,809 お鈴さんにも 必ず訪れる次の一日を 140 00:11:16,809 --> 00:11:19,312 ご覧いただきましょうか! 141 00:11:31,157 --> 00:11:33,259 ふう… 待たせたな 142 00:11:33,259 --> 00:11:36,095 (新之助)あ… 女将さんの方はどうだ? 143 00:11:36,095 --> 00:11:39,766 まだ予断を許さない状況です 144 00:11:39,766 --> 00:11:42,936 うん? どうした? 星十郎 145 00:11:42,936 --> 00:11:45,939 やはり これは火付けです なっ… 146 00:11:47,106 --> 00:11:49,108 (星十郎)導火線です 147 00:11:49,108 --> 00:11:52,111 これを蔵に入れて 火をつけたのでしょう 148 00:11:52,111 --> 00:11:54,781 しかし 肝心の火薬は? 149 00:11:54,781 --> 00:11:56,783 粉塵爆発 150 00:11:56,783 --> 00:12:01,120 何です? それ このがれきに そば粉がついています➡ 151 00:12:01,120 --> 00:12:05,959 下手人は そば粉を土蔵いっぱいに巻き上げ それに引火させた➡ 152 00:12:05,959 --> 00:12:09,796 そば粉の一粒一粒に すさまじい速さで火が移れば➡ 153 00:12:09,796 --> 00:12:12,465 それは すなわち爆発となるのです➡ 154 00:12:12,465 --> 00:12:16,636 ヘタをすれば 火薬以上の威力で吹き飛ぶでしょう 155 00:12:16,636 --> 00:12:20,640 同時に仕込んでおいた紙切れで 店にも引火させようとした 156 00:12:20,640 --> 00:12:25,979 だが 嵐の影響で 風向きを読み間違えたというわけです 157 00:12:25,979 --> 00:12:29,482 風向きが変わるまで あと四半刻 158 00:12:33,419 --> 00:12:35,922 こっちの朱土竜は どうする 159 00:12:35,922 --> 00:12:40,426 女将さんを運び出すまでは 店への延焼を防がねばなりません 160 00:12:40,426 --> 00:12:45,598 蔵の扉が焼け落ち 噴き出した炎で店に被害が及ぶことを考えれば 161 00:12:45,598 --> 00:12:47,934 今 何とかしないと 162 00:12:47,934 --> 00:12:50,536 朱土竜の炎を逃がすには… 163 00:12:55,608 --> 00:12:58,945 そういうことか 寅! 164 00:12:58,945 --> 00:13:01,280 いつでもいけますよ! 165 00:13:01,280 --> 00:13:04,584 やれ! うおお~! 166 00:13:11,958 --> 00:13:16,262 これで 朱土竜の心配はない 一気に片をつけるぞ! 167 00:13:23,136 --> 00:13:25,338 あと どのくらい待てる 168 00:13:37,917 --> 00:13:40,920 今すぐ 女将さんを運び出しましょう! 169 00:13:40,920 --> 00:13:43,089 まだ四半刻もたってねえぞ! 170 00:13:43,089 --> 00:13:46,926 私の読みより早く 風向きが変わりそうです 171 00:13:46,926 --> 00:13:49,929 ひよって 適当 言ってんじゃねえだろうな 172 00:13:49,929 --> 00:13:52,765 女将がどういう状況か 分かってんのか!? 173 00:13:52,765 --> 00:13:54,767 分かっているからです! 174 00:13:54,767 --> 00:13:58,271 風読みは あなたが思っているほど簡単ではない! 175 00:13:58,271 --> 00:14:01,441 分かった なら 女将を運び出して 176 00:14:01,441 --> 00:14:04,277 周りの建物も全部ぶっ壊すぞ! 177 00:14:04,277 --> 00:14:06,279 (杉野)ちょっと待ちいや➡ 178 00:14:06,279 --> 00:14:08,281 それは聞き捨てならんで 179 00:14:08,281 --> 00:14:12,952 あんたは? 最近 この辺に店を出した杉野いうもんや 180 00:14:12,952 --> 00:14:17,123 あんた 今 周りの建物を全部ぶっ壊す言うたな? 181 00:14:17,123 --> 00:14:20,626 ああ 女将を助けるのは あんたらの勝手や 182 00:14:20,626 --> 00:14:24,797 せやけど ワイの店を壊すんは筋違いちゃいますか? 183 00:14:24,797 --> 00:14:27,633 やっと 江戸に出てきて 軌道に乗ったところや 184 00:14:27,633 --> 00:14:30,303 店も まっさらさらの新築やで 185 00:14:30,303 --> 00:14:34,073 店は また造れる 人の命には代えられねえ! 186 00:14:34,073 --> 00:14:37,410 ほう~ 大層なこと言いよるで 187 00:14:37,410 --> 00:14:42,248 ほな その命 壊した建物より価値があると 188 00:14:42,248 --> 00:14:44,250 ホンマに言い切れるんか? 189 00:14:44,250 --> 00:14:47,754 当たり前だ なあ? 星十郎 190 00:14:47,754 --> 00:14:52,592 あ… 建造物の価値は おおよその見当はつきます 191 00:14:52,592 --> 00:14:55,261 しかし 命の価値となると 192 00:14:55,261 --> 00:14:58,765 私達風情では 量ることは かなわぬものかと 193 00:14:58,765 --> 00:15:02,101 難しいことはいい 結論を言え! 194 00:15:02,101 --> 00:15:04,103 つまり 195 00:15:04,103 --> 00:15:06,105 ぶっ壊しましょう! 196 00:15:06,105 --> 00:15:09,108 (鳶達)おお~! 197 00:15:09,108 --> 00:15:13,112 ってことだ あんたの命も軽くねえ 早く行け 198 00:15:13,112 --> 00:15:15,114 チッ 199 00:15:16,115 --> 00:15:19,318 壊すしか能のないクソ火消が! 200 00:15:20,620 --> 00:15:23,122 星十郎 読み上げろ 201 00:15:29,796 --> 00:15:32,899 本日 神無月晦日 202 00:15:32,899 --> 00:15:37,236 時は子の刻 月は三十日月にて隠れ➡ 203 00:15:37,236 --> 00:15:40,573 風は北西より まもなく南東へ➡ 204 00:15:40,573 --> 00:15:43,976 一片の火の粉とて炎に変えぬよう 205 00:15:46,913 --> 00:15:50,583 (星十郎)幅十間の火除地を帯状に 206 00:15:50,583 --> 00:15:54,253 丑の刻には風が強まる見通し 207 00:15:54,253 --> 00:15:56,255 各々方!➡ 208 00:15:56,255 --> 00:15:59,425 必ずや この炎に打ち勝ちましょう! 209 00:15:59,425 --> 00:16:01,594 (鳶達)おお~! 210 00:16:01,594 --> 00:16:05,431 上出来だ 星十郎 彦弥 新之助 211 00:16:05,431 --> 00:16:08,100 俺達は女将を運び出すぞ! 212 00:16:08,100 --> 00:16:11,437 寅次郎は 残りの者達と火除地を作れ! 213 00:16:11,437 --> 00:16:13,439 (星十郎・彦弥・新之助・寅次郎)おう! 214 00:16:17,944 --> 00:16:21,948 嫌です! もしものことがあったら どうするんですか! 215 00:16:21,948 --> 00:16:26,619 ここはもう危険です まずは お鈴さんだけでも逃げて 216 00:16:26,619 --> 00:16:29,121 私だけ逃げるなんてできません! 217 00:16:29,121 --> 00:16:31,457 分かるぜ お鈴 218 00:16:31,457 --> 00:16:33,726 俺にも同じような経験がある 219 00:16:33,726 --> 00:16:36,529 自分だけ逃げるなんて できねえよな 220 00:16:37,730 --> 00:16:41,400 そのとき 俺は大事な人を亡くしたが 221 00:16:41,400 --> 00:16:45,238 お前は そうはならねえ 女将は必ず助ける! 222 00:16:45,238 --> 00:16:47,240 俺達を信じてくれ! 223 00:16:49,242 --> 00:16:52,578 女将さんの状態も 随分よくなりました 224 00:16:52,578 --> 00:16:55,281 ここは 彼らに任せましょう 225 00:16:56,415 --> 00:16:58,518 はあ はあ… 226 00:17:16,602 --> 00:17:18,604 くっ… 227 00:17:28,114 --> 00:17:30,616 あ… おおっ 228 00:17:30,616 --> 00:17:32,618 何やってんだ! 229 00:17:32,618 --> 00:17:34,887 あっ! あっ! 230 00:17:34,887 --> 00:17:37,690 (寅次郎)フン! 寅次郎さん! 231 00:17:42,061 --> 00:17:44,764 お前らの好きにはさせねえ! 232 00:17:48,234 --> 00:17:51,737 早く行け! さあ 早く! 233 00:17:54,240 --> 00:17:56,943 いいぞ 落ち着いて行け 234 00:18:01,247 --> 00:18:03,249 あ… 235 00:18:14,927 --> 00:18:19,265 御頭! 耐えてください ここが正念場です 236 00:18:19,265 --> 00:18:22,601 すまん 寅 助かった 237 00:18:22,601 --> 00:18:24,603 お前ら 何してる! 238 00:18:24,603 --> 00:18:26,806 行け! 振り返るな! 239 00:18:28,774 --> 00:18:32,778 あ… お鈴 お鈴… 240 00:18:32,778 --> 00:18:37,216 重てえだろ これが人の命の重さだ 241 00:18:37,216 --> 00:18:39,418 はっ! 242 00:18:42,722 --> 00:18:45,057 絶対に手 離すんじゃねえぞ! 243 00:18:45,057 --> 00:18:48,561 絶対に 絶対に離しません! 244 00:19:00,072 --> 00:19:02,074 女将さん! 245 00:19:04,910 --> 00:19:06,912 お鈴… 246 00:19:11,083 --> 00:19:15,287 (お鈴が泣く) 247 00:19:27,767 --> 00:19:29,769 父上 248 00:19:40,546 --> 00:19:43,382 (寅次郎) いや~ さすがに疲れましたな 249 00:19:43,382 --> 00:19:48,187 ボロボロじゃないですか お前も変わんねえだろうが 250 00:19:49,889 --> 00:19:51,991 ありがとうございました 251 00:19:53,559 --> 00:19:56,262 女将さんの容体も安定しました 252 00:19:57,229 --> 00:20:00,733 もしも あのとき運び出してくれなければ 253 00:20:00,733 --> 00:20:03,569 私達は… 254 00:20:03,569 --> 00:20:06,472 こいつのおかげだ うわっ! 255 00:20:07,573 --> 00:20:10,409 本当に ありがとうございました 256 00:20:10,409 --> 00:20:14,747 わ… 私は何も 顔を上げてください 257 00:20:14,747 --> 00:20:18,250 とにかく 女将さんが無事でよかった 258 00:20:18,250 --> 00:20:21,087 俺達は いつでも力になる 259 00:20:21,087 --> 00:20:24,757 また うまい蕎麦が食えるのを 楽しみにしてるぜ 260 00:20:24,757 --> 00:20:26,959 はい! 261 00:20:32,431 --> 00:20:36,769 色々と失礼なことを言って 申し訳ありませんでした 262 00:20:36,769 --> 00:20:39,271 どうでもいい そんなことは 263 00:20:39,271 --> 00:20:42,608 人は外に出でてこそ 星のように輝く 264 00:20:42,608 --> 00:20:47,113 父の言葉の意味が 少しだけ分かったような気がします 265 00:20:47,113 --> 00:20:49,115 そうか 266 00:20:49,115 --> 00:20:53,452 父は人のために生きたのですね ああ 267 00:20:53,452 --> 00:20:55,788 私にもできるでしょうか 268 00:20:55,788 --> 00:20:57,790 できるさ! 269 00:20:57,790 --> 00:21:01,627 俺は信じてる! えっ? じゃあ… 270 00:21:01,627 --> 00:21:05,297 はい 新庄藩への仕官の儀 271 00:21:05,297 --> 00:21:08,000 謹んで お受けいたします 272 00:21:12,972 --> 00:21:17,810 (北条)随分と 無茶を重ねているらしいな➡ 273 00:21:17,810 --> 00:21:20,980 先日の小諸屋の火事の件 274 00:21:20,980 --> 00:21:25,151 燃えそうにもない商店や蔵を 潰したそうだな 275 00:21:25,151 --> 00:21:29,155 人命が懸かっておりましたゆえ 致し方なく 276 00:21:29,155 --> 00:21:34,560 しかし 他の大名や商人に疎まれては困る 277 00:21:36,428 --> 00:21:43,269 加賀鳶のごとく 人気も実力も 一流のものにしてもらわねばならぬ 278 00:21:43,269 --> 00:21:46,772 あんな黒ずくめの どこがいいのやら… 279 00:21:46,772 --> 00:21:53,279 加賀鳶に対し 当家の火消は 何と呼ばれているか知っておるか? 280 00:21:53,279 --> 00:21:55,781 新庄鳶 でしょうか? 281 00:21:55,781 --> 00:21:57,783 ぼろ鳶だ! 282 00:21:59,118 --> 00:22:01,620 ハハハハハハハ! 283 00:22:01,620 --> 00:22:03,622 何がおかしい! 284 00:22:03,622 --> 00:22:06,959 そのまますぎて むしろ気持ちがいい 285 00:22:06,959 --> 00:22:10,629 このままでは 当家の沽券に関わる 286 00:22:10,629 --> 00:22:13,465 ならば 腹を切れとでも? 287 00:22:13,465 --> 00:22:18,804 おぬしが そうしたいのであれば 止めはせぬ 288 00:22:18,804 --> 00:22:23,309 御家老は名声が欲しいのですか? ああ そうだ 289 00:22:23,309 --> 00:22:27,146 しかし… 金は出せん でしょう? 290 00:22:27,146 --> 00:22:29,315 耳にタコができますよ 291 00:22:29,315 --> 00:22:34,253 ええい! それでどうなのだ? おぬしにできるのか? 292 00:22:34,253 --> 00:22:36,589 優秀な風読みも入ったし 293 00:22:36,589 --> 00:22:39,592 名声なんぞ 嫌でもついてくるでしょうよ 294 00:22:39,592 --> 00:22:43,596 楽しみにしておる しかと励め 295 00:22:44,597 --> 00:22:46,599 うん? 296 00:22:53,272 --> 00:23:31,277 ♬~