1 00:00:03,337 --> 00:00:05,131 (長谷川)松永よ 2 00:00:05,131 --> 00:00:08,634 おぬしに言われた秀助という男について 調べてみたが 3 00:00:08,634 --> 00:00:11,178 やはり 花火師であった 4 00:00:12,805 --> 00:00:16,809 (長谷川) しかも 花火屋の名門 鍵屋のな 5 00:00:17,810 --> 00:00:19,812 (三人)あ… 6 00:00:21,814 --> 00:00:24,358 (彦弥)こいつが 金五郎のおっさんを… 7 00:00:24,358 --> 00:00:28,028 (新之助)はっ! 小諸屋で見かけた あの坊さん! 8 00:00:28,028 --> 00:00:30,030 (源吾)何? 9 00:00:30,030 --> 00:00:32,533 間違いありません 10 00:00:32,533 --> 00:00:37,538 《(お鈴)あの席はまもなく鍵屋さん達… いえ 常連さん達が来るんです》 11 00:00:37,538 --> 00:00:39,540 《(秀助)何だと!?》 12 00:00:39,540 --> 00:00:43,544 あのときも鍵屋に対して怒ってましたし その花火師ですよ! 13 00:00:43,544 --> 00:00:45,838 (寅次郎)よく覚えてますな 14 00:00:45,838 --> 00:00:51,051 (星十郎)確かに 花火師なら風読みもできるし 氏神も稲荷です 15 00:00:51,051 --> 00:00:54,388 稲荷 といえば狐か… 16 00:00:58,559 --> 00:01:01,228 一体 どんな野郎なんです!? 17 00:01:01,228 --> 00:01:04,398 (長谷川) うむ 元は鍵屋の番頭で 18 00:01:04,398 --> 00:01:06,859 天才花火師と呼ばれていた 19 00:01:06,859 --> 00:01:11,238 子宝にも恵まれ 順風満帆な生活を送っていたのだが 20 00:01:11,238 --> 00:01:16,702 鍵屋に もう一人の天才が現れ 歯車が狂いだした 21 00:01:17,703 --> 00:01:20,706 (長谷川) もう一人の天才の名は清吉 22 00:01:20,706 --> 00:01:23,584 十歳にも満たない子供だったが 23 00:01:23,584 --> 00:01:28,422 秀助に憧れ 秀助を超えようと腕を磨いていた 24 00:01:28,422 --> 00:01:30,424 そんなある日… 25 00:01:30,424 --> 00:01:33,260 《(お糸)わあ~ フフッ》 26 00:01:33,260 --> 00:01:37,890 《おっとう お糸 花火も赤いのが見てみたい》 27 00:01:37,890 --> 00:01:41,894 《それは無理だ 赤色の花火は難しくてな》 28 00:01:41,894 --> 00:01:44,897 《今の技では 誰にも作れないんだ》 29 00:01:44,897 --> 00:01:48,275 《(お糸)でも おっとうは緑の花火が作れる》 30 00:01:48,275 --> 00:01:52,905 《だったら赤いのだってできるでしょ? 見たい 見たい!》 31 00:01:52,905 --> 00:01:57,117 《(清吉)俺が作ってやるよ お糸ちゃん》 《(お糸)ホント!?》 32 00:01:57,117 --> 00:02:01,455 《清吉 お前も赤い花火は危険だと知っているだろ》 33 00:02:01,455 --> 00:02:05,626 《いいや できます 私には考えがあります》 34 00:02:05,626 --> 00:02:08,754 《(秀助)何?》 《お糸ちゃん 俺に任せときな》 35 00:02:08,754 --> 00:02:11,632 《やった~! ありがとう 清吉さん!》 36 00:02:11,632 --> 00:02:13,759 《清吉!》 37 00:02:13,759 --> 00:02:16,303 (長谷川)そして 清吉は花火を作り上げ 38 00:02:16,303 --> 00:02:21,141 秀助には知らせず 試し上げが行われることになった 39 00:02:22,142 --> 00:02:26,313 《なぜ 誰も止めなかったんだ あんな危うい花火》 40 00:02:26,313 --> 00:02:28,315 《絶対にダメだ!》 41 00:02:32,152 --> 00:02:34,780 《おお~!》 42 00:02:34,780 --> 00:02:37,658 《キレイだ》 《すっげえ~!》 43 00:02:39,159 --> 00:02:42,329 《はあ はあ…》 44 00:02:45,165 --> 00:02:47,668 《皆さん おまたせしました》 45 00:02:47,668 --> 00:02:50,963 《本日の目玉 赤い花火の打ち上げです》 46 00:02:50,963 --> 00:02:53,173 《おお~!》 《待ってました!》 47 00:02:53,173 --> 00:02:55,175 《わあっ!》 48 00:02:58,178 --> 00:03:01,682 《見てなよ お糸ちゃん》 《うん!》 49 00:03:04,518 --> 00:03:07,521 《(秀助)ダメだ やめろ 清吉!》 50 00:03:07,521 --> 00:03:09,690 《はあ はあ…》 《あ…》 51 00:03:09,690 --> 00:03:11,692 《うわっ!》 52 00:03:11,692 --> 00:03:14,361 《ああ…》 53 00:03:14,361 --> 00:03:16,363 《おおっ》 54 00:03:16,363 --> 00:03:18,365 《(爆発音)》 《わっ!》 55 00:03:19,825 --> 00:03:22,202 《(悲鳴)》 56 00:03:26,206 --> 00:03:28,834 《ああ…》 57 00:03:28,834 --> 00:03:31,545 《お糸~!》 58 00:03:32,838 --> 00:03:36,550 《お糸 お糸 お糸》 59 00:03:36,550 --> 00:03:38,552 《お糸~!》 60 00:03:40,387 --> 00:03:42,723 《おい 火消 水を貸せ!》 61 00:03:42,723 --> 00:03:45,726 《えっ 水?》 《(秀助)桶の水だ!》 62 00:03:45,726 --> 00:03:47,728 《ああっ!》 63 00:03:49,021 --> 00:03:51,023 《貸せ!》 64 00:03:52,024 --> 00:03:54,026 《貴様~!》 65 00:03:54,026 --> 00:03:57,738 《こんなことになるとは思わず 用意が…》 66 00:03:57,738 --> 00:03:59,865 《うう…》 67 00:04:00,866 --> 00:04:02,868 《(秀助)うっ!》 《あっ!》 68 00:04:02,868 --> 00:04:05,871 《お糸 お糸… うう…》 69 00:04:05,871 --> 00:04:08,040 《お糸 お糸…》 70 00:04:10,751 --> 00:04:13,045 《(お糸)おっとう?》 71 00:04:13,045 --> 00:04:15,881 《熱い よ…》 72 00:04:15,881 --> 00:04:18,258 《今すぐ助けてやるから》 73 00:04:18,258 --> 00:04:21,887 《(お糸)うん うん…》 74 00:04:21,887 --> 00:04:24,598 《(鈴の音)》 《あ…》 75 00:04:27,434 --> 00:04:29,770 《お糸? お糸!》 76 00:04:34,900 --> 00:04:38,445 《お糸 お糸…》 77 00:04:38,445 --> 00:04:42,282 《お糸~!》 78 00:04:43,283 --> 00:04:47,287 (長谷川)そのあと 秀助の妻も川に身を投げた 79 00:04:47,287 --> 00:04:52,084 秀助は打ち上げを許した鍵屋や商人達 そして 火消にも 80 00:04:52,084 --> 00:04:55,295 強い恨みを持つようになったという 81 00:04:58,799 --> 00:05:01,635 もし本当に その男が下手人なら 82 00:05:01,635 --> 00:05:04,471 鍵屋も そのうち狙われるんじゃないですか? 83 00:05:04,471 --> 00:05:09,101 うむ 鍵屋付近には 田沼様一派の商家も多いゆえ 84 00:05:09,101 --> 00:05:12,646 その一帯を張っていれば 奴が現れるかもしれん 85 00:05:12,646 --> 00:05:14,648 なら話は早え 86 00:05:14,648 --> 00:05:17,943 そこで待ち構えて 狐火をとっ捕まえようぜ! 87 00:05:17,943 --> 00:05:21,321 ああ 今度は こっちが先手を取る番だ 88 00:05:21,321 --> 00:05:26,326 うむ 田沼様より 必ず狐を止めてくれとのこと 89 00:05:26,326 --> 00:05:29,121 どうか おぬしらの力を貸してほしい 90 00:05:29,121 --> 00:05:31,123 (一同)おう! 91 00:05:32,124 --> 00:06:22,716 ♪♪~ 92 00:07:02,089 --> 00:07:06,426 (拍子木の音) 93 00:07:06,426 --> 00:07:09,930 ああ… あれから もう六日だぜ 94 00:07:09,930 --> 00:07:12,724 狐火の野郎 全然来ねえじゃねえか 95 00:07:12,724 --> 00:07:15,561 気長に待つしかないですよ 96 00:07:15,561 --> 00:07:20,107 (彦弥)それじゃあ らちが明かねえだろ 何か罠でも仕掛けるか? 97 00:07:20,107 --> 00:07:22,109 どんな? 98 00:07:22,109 --> 00:07:24,111 あ… 99 00:07:25,279 --> 00:07:29,116 う~ん 狐を捕まえるから 100 00:07:29,116 --> 00:07:31,285 油揚げをつるして… 101 00:07:31,285 --> 00:07:34,746 (呼子の音) (三人)あっ! 102 00:07:34,746 --> 00:07:36,748 この笛は 火盗の! 103 00:07:36,748 --> 00:07:39,293 やっと来なすったか! 104 00:07:39,293 --> 00:07:42,754 (半鐘の音) 105 00:07:42,754 --> 00:07:46,758 (呼子の音) 106 00:07:46,758 --> 00:07:48,969 あっちです ああ! 107 00:07:53,307 --> 00:07:55,309 (鈴の音) あ… 108 00:07:59,605 --> 00:08:01,607 御頭? 109 00:08:01,607 --> 00:08:04,985 お前達は先に行ってくれ 俺も あとで向かう 110 00:08:07,613 --> 00:08:10,616 ええっ!? ちょっと 御頭!? 111 00:08:10,616 --> 00:08:12,618 御頭~! 112 00:08:16,330 --> 00:08:20,500 風は西から 東の建物から壊しましょう 113 00:08:25,005 --> 00:08:27,174 うん? あ… 114 00:08:28,175 --> 00:08:30,510 (長谷川)複数だと? 115 00:08:30,510 --> 00:08:33,013 いたぞ くせ者だ! 116 00:08:36,183 --> 00:08:41,021 火付盗賊改方である 神妙に縛につけ! 117 00:08:46,026 --> 00:08:49,029 狐火! って 一人じゃねえのか!? 118 00:08:49,029 --> 00:08:52,199 いや それより… (寅次郎)彦弥 こっちだ! 119 00:08:56,370 --> 00:08:58,664 うっ… 120 00:08:58,664 --> 00:09:01,541 こやつら なかなかの手練れ… 121 00:09:06,046 --> 00:09:09,383 彦弥さんは火の方を 私は あちらに加勢します 122 00:09:09,383 --> 00:09:11,843 はあ!? 何で お前があっちに… 123 00:09:11,843 --> 00:09:13,845 いいから早く! 124 00:09:13,845 --> 00:09:16,056 分かったよ! 125 00:09:17,224 --> 00:09:19,226 フン うらあ~! 126 00:09:19,226 --> 00:09:22,396 うわっ ぐっ… 127 00:09:25,399 --> 00:09:27,567 (長谷川)う~ん 128 00:09:30,862 --> 00:09:33,073 うわっ! (殴打音) 129 00:09:36,243 --> 00:09:38,245 ああっ! (殴打音) 130 00:09:47,087 --> 00:09:49,089 加勢します! 131 00:09:49,089 --> 00:09:51,883 あ… (藤五郎)チッ 132 00:09:56,722 --> 00:09:59,725 てっ! フン てっ! 133 00:09:59,725 --> 00:10:01,727 であっ! 134 00:10:03,729 --> 00:10:08,442 おお… そうであった おぬしは新庄の麒麟児 135 00:10:08,442 --> 00:10:11,737 江戸で 十本の指に入るという その腕前 136 00:10:11,737 --> 00:10:14,114 とくと見せてもらおうか! 137 00:10:22,456 --> 00:10:24,458 あ… 138 00:10:24,458 --> 00:10:26,460 (鈴の音) 139 00:10:34,301 --> 00:10:36,303 やはり お前か 140 00:10:36,303 --> 00:10:38,472 秀助だな? 141 00:10:38,472 --> 00:10:40,474 お前が狐火だろ 142 00:10:40,474 --> 00:10:44,311 ハッ 狐火などと名乗った覚えはない 143 00:10:44,311 --> 00:10:47,939 バカな町人どもが 面白おかしく騒いでいるだけだ 144 00:10:47,939 --> 00:10:50,650 娘さんが亡くなった事故のことは聞いた 145 00:10:50,650 --> 00:10:54,946 だがな だからといって 火付けをしていい道理なんかねえ! 146 00:10:54,946 --> 00:10:57,657 娘さんだって きっと こんなこと望… 147 00:10:57,657 --> 00:10:59,659 黙れ 腐れ火消! 148 00:10:59,659 --> 00:11:02,788 お糸は お前ら火消に殺されたのだ 149 00:11:02,788 --> 00:11:05,665 あの日 火消は何もしなかった 150 00:11:05,665 --> 00:11:09,169 お糸が苦しんでいるのに 助けようともしなかった 151 00:11:09,169 --> 00:11:12,339 お糸は火消に殺されたのだ! 152 00:11:12,339 --> 00:11:14,341 それは… 153 00:11:14,341 --> 00:11:17,344 一方で 火消は火がないと生きていけない連中 154 00:11:17,344 --> 00:11:20,514 火を恐れるくせに 常に火を望んでいる 155 00:11:20,514 --> 00:11:23,183 それが 貴様らの正体だ! 156 00:11:23,183 --> 00:11:27,354 そんなことはねえ! 己の命を投げ出して 命を守る者もいる! 157 00:11:27,354 --> 00:11:30,524 いいや 自分の顔を見てみるんだな 158 00:11:30,524 --> 00:11:33,985 火事場を前に どんな顔をしているか 何? 159 00:11:33,985 --> 00:11:36,196 実に生き生きとしている 160 00:11:36,196 --> 00:11:38,824 火を見て高ぶり 目が輝いておる 161 00:11:38,824 --> 00:11:42,994 松永 お前も俺と同類で火を望んでいるのだ 162 00:11:44,704 --> 00:11:47,541 これより 江戸に凶事が起こる 163 00:11:47,541 --> 00:11:50,710 想像を絶するほどの厄災がな 164 00:11:50,710 --> 00:11:54,381 お前達 火消の無力さを味わうがいい 165 00:11:54,381 --> 00:11:56,383 待て! 166 00:12:02,848 --> 00:12:04,850 うっ! 167 00:12:08,228 --> 00:12:10,230 はっ! 168 00:12:11,398 --> 00:12:14,860 その火をつけたのは おぬしだな! あ… 169 00:12:16,862 --> 00:12:19,406 松永源吾 170 00:12:19,406 --> 00:12:25,036 お前が狐火か 一連の下手人として捕縛する! 171 00:12:25,036 --> 00:12:27,581 くっ… 172 00:12:30,250 --> 00:12:33,253 何で 御頭が下手人になるんだよ! 173 00:12:33,253 --> 00:12:36,756 すまぬ まさか このようなことになるとは 174 00:12:36,756 --> 00:12:40,427 俺達は狐火を捕まえるために 協力してたんだろうが! 175 00:12:40,427 --> 00:12:42,429 (左門)よせ 彦弥 176 00:12:42,429 --> 00:12:45,265 長谷川様が 大目付に掛け合ってくださったおかげで 177 00:12:45,265 --> 00:12:48,768 源吾は 新庄藩邸での監禁だけで済んでいるのだ 178 00:12:48,768 --> 00:12:53,273 でも 俺らは会っちゃダメなんだろ!? それじゃあ 意味ねえよ! 179 00:12:53,273 --> 00:12:56,276 御頭は いつ出られるんです? 180 00:12:56,276 --> 00:12:59,613 狐火が捕まるまでは 無理だろう 181 00:12:59,613 --> 00:13:02,782 (長谷川)すまぬ わしの力が至らぬばかりに… 182 00:13:02,782 --> 00:13:06,912 松永ではないと申したのだが 全く相手にしてもらえず… 183 00:13:06,912 --> 00:13:10,457 町じゅうに こんな読売まで出回っていました 184 00:13:10,457 --> 00:13:14,294 やはり 御頭が狐火だと… 185 00:13:14,294 --> 00:13:16,463 だから 違えって! 186 00:13:18,465 --> 00:13:23,470 しかし 昨日の今日で こんな読売が出回るのは早すぎます 187 00:13:23,470 --> 00:13:26,097 何者かの陰謀としか考えられません 188 00:13:26,097 --> 00:13:28,808 やはり そうなりますかね 189 00:13:28,808 --> 00:13:31,478 ぜってえ そうだろ! 190 00:13:31,478 --> 00:13:35,941 長谷川様 昨日捕らえたあの男達は何と? 191 00:13:35,941 --> 00:13:40,111 奴らも一様に主犯は松永源吾だと言い 192 00:13:40,111 --> 00:13:44,324 自ら舌を噛んで果てた あ… 193 00:13:44,324 --> 00:13:48,119 恐らく 奴らの後ろには大きな黒幕がいる 194 00:13:48,119 --> 00:13:51,831 大目付すら飼い慣らせるほどの者がな 195 00:13:53,333 --> 00:13:55,335 (深雪)旦那様… 196 00:13:57,337 --> 00:13:59,339 俺じゃねえ! 197 00:13:59,339 --> 00:14:01,967 下手人は元花火師の秀助だ 198 00:14:01,967 --> 00:14:05,971 早く あの男を見つけねえと 江戸が大変なことになるぞ! 199 00:14:07,138 --> 00:14:10,350 《お前達 火消の無力さを味わうがいい》 200 00:14:12,143 --> 00:14:14,145 クソッ… 201 00:14:22,862 --> 00:14:26,658 (半鐘の音) あ… 202 00:14:26,658 --> 00:14:31,371 (半鐘の音) 203 00:14:31,371 --> 00:14:34,040 (掛け声が飛び交う) 204 00:14:35,375 --> 00:14:38,378 私達は 町火消の支援に回ります 205 00:14:38,378 --> 00:14:42,048 寅次郎さん 壊し手を連れて火元の右隣へ 206 00:14:42,048 --> 00:14:44,050 承知! 207 00:14:44,050 --> 00:14:46,678 邪魔だ! どいてろ 狐火 208 00:14:46,678 --> 00:14:50,682 なっ! 何だと てめえ… どけ 邪魔だ 209 00:14:50,682 --> 00:14:53,685 そんな… いっ! 210 00:15:03,695 --> 00:15:06,531 やめろ やめてくれ! 211 00:15:11,536 --> 00:15:13,538 狐火は あっち行ってろ! 212 00:15:13,538 --> 00:15:16,541 まさか また お前達がつけたのか? 213 00:15:16,541 --> 00:15:18,710 何だと!? 214 00:15:18,710 --> 00:15:21,713 お前達には 火消をやる資格なんかねえんだよ 215 00:15:21,713 --> 00:15:24,257 火付けをする奴なんか来るんじゃねえ! 216 00:15:24,257 --> 00:15:28,428 俺達だって火消だ! ああっ ちょっと 彦弥さん! 217 00:15:32,557 --> 00:15:34,934 (大音)なぜ来た ぼろ鳶 218 00:15:35,935 --> 00:15:38,104 なぜって… 219 00:15:38,104 --> 00:15:41,107 今は おぬしらがいても邪魔なだけ 220 00:15:41,107 --> 00:15:43,109 帰れ! 221 00:15:47,947 --> 00:15:51,743 (半鐘の音) 222 00:15:51,743 --> 00:15:55,455 頼む 誰か早く秀助を… 223 00:15:55,455 --> 00:15:57,582 秀助を! 224 00:16:07,133 --> 00:16:09,135 やってらんねえ! 225 00:16:09,135 --> 00:16:12,305 現場にも出れねえのに 訓練どころじゃねえだろ! 226 00:16:12,305 --> 00:16:14,307 なあ? 227 00:16:17,602 --> 00:16:19,604 (新之助)違いますよ 228 00:16:19,604 --> 00:16:22,774 御頭がいない今だからこそ 訓練しなければならないのです 229 00:16:22,774 --> 00:16:24,984 だから 皆さんも励んでください 230 00:16:24,984 --> 00:16:28,988 今 意味ねえって 他にもやることがあんだろうが! 231 00:16:30,782 --> 00:16:32,784 (新之助)他って何ですか? 232 00:16:32,784 --> 00:16:36,329 彦弥さんも聞いたでしょ? 狐火が何か企んでるって 233 00:16:36,329 --> 00:16:38,331 だから 何かあったときのために 234 00:16:38,331 --> 00:16:43,503 いつでも 我々が迅速に火を消せるように 訓練しておかなければならないんです 235 00:16:43,503 --> 00:16:48,007 だから その狐火を捜すのが 先だろって言ってんだ ボケ! 236 00:16:48,007 --> 00:16:50,009 (新之助)くっ! 237 00:16:51,511 --> 00:16:55,348 ボケは あなたの方ですよ! 何だと!? 238 00:16:55,348 --> 00:16:57,350 もういっぺん言ってみろ! 239 00:16:57,350 --> 00:16:59,519 ええ 何度でも言ってあげますよ 240 00:16:59,519 --> 00:17:01,813 ボケ ボケ ボケ ボケ! 241 00:17:01,813 --> 00:17:03,815 てんめえ~! 242 00:17:03,815 --> 00:17:05,817 やめろ! 243 00:17:05,817 --> 00:17:08,361 彦弥 お前の気持ちも分かる 244 00:17:08,361 --> 00:17:12,824 だが 御頭がいない今 副頭取に従うのが道理だ 245 00:17:12,824 --> 00:17:15,201 ああ!? どこがだよ! 246 00:17:15,201 --> 00:17:18,663 ええ 彦弥さんの言い分にも一理あります 247 00:17:18,663 --> 00:17:21,833 私も 御頭の無実を晴らす方が先決かと 248 00:17:21,833 --> 00:17:24,544 そんなこと 私だって分かってますよ 249 00:17:24,544 --> 00:17:26,838 でも どうやって晴らすんですか!? 250 00:17:26,838 --> 00:17:29,674 んっ それは… 251 00:17:29,674 --> 00:17:31,843 何もないじゃないですか 252 00:17:31,843 --> 00:17:34,220 じゃあ 訓練したっていいですよね? 253 00:17:34,220 --> 00:17:38,224 今 私達にできることって これしかないですから! 254 00:17:44,397 --> 00:17:46,566 俺はもう ついて行けねえや 255 00:17:46,566 --> 00:17:49,402 こんな組 抜けさせてもらうぜ 256 00:17:51,696 --> 00:17:53,865 あ… 257 00:17:53,865 --> 00:17:55,867 新之助さん! 258 00:17:55,867 --> 00:17:59,412 (新之助)いいですよ やりたくない人は帰ってもらっても 259 00:17:59,412 --> 00:18:02,707 あとは 私一人で何とかしますから 260 00:18:04,584 --> 00:18:06,711 くっ… 261 00:18:06,711 --> 00:18:10,882 (足音) 262 00:18:10,882 --> 00:18:13,426 私だって… 263 00:18:13,426 --> 00:18:16,262 今日の訓練は これにて終了! 264 00:18:40,912 --> 00:18:42,914 えっ? 265 00:18:42,914 --> 00:18:45,917 彦弥が離脱!? 何で… 266 00:18:45,917 --> 00:18:48,628 (笑い声) 267 00:18:48,628 --> 00:18:50,922 気にしたって仕方ねえ 268 00:18:50,922 --> 00:18:55,134 このまま お前は ここで何もできずにくたばるだけだ 269 00:18:55,134 --> 00:18:57,762 まもなく 江戸の町は火の海になる 270 00:18:57,762 --> 00:19:00,932 誰も この火を消し止められねえ 271 00:19:04,310 --> 00:19:10,483 無力に駆られたぼろ鳶は 次は誰がいなくなるんだろうなあ 272 00:19:12,777 --> 00:19:15,154 火消の振りして火付けらしいよ 273 00:19:15,154 --> 00:19:19,784 自分達の活躍を見せつけたいからって わざと火をつけて 嫌だねえ 274 00:19:19,784 --> 00:19:23,663 あんななりで火消だなんて 変だと思ってたんですよ 275 00:19:23,663 --> 00:19:26,165 あ~ やだやだ ぼろ狐 276 00:19:26,165 --> 00:19:28,668 近づいたら うちまで燃やされる 277 00:19:28,668 --> 00:19:31,170 くっ… 278 00:19:31,170 --> 00:19:33,965 (深呼吸) 279 00:19:35,341 --> 00:19:37,343 ごきげんよう 280 00:19:43,182 --> 00:19:47,687 何でだよ! 何で あんなふうに言われなきゃならないんだ! 281 00:19:47,687 --> 00:19:52,358 これまで どんなに町が燃えても 私達が頑張ってきたのに! 282 00:19:52,358 --> 00:19:56,988 やっぱり 火消になんかなるんじゃなかった! 283 00:19:56,988 --> 00:19:58,990 (物音) (秋代)はっ! 284 00:19:58,990 --> 00:20:01,200 えっ? 285 00:20:04,203 --> 00:20:07,206 くっ… 286 00:20:07,206 --> 00:20:10,710 どうして あんな言われ方… 287 00:20:10,710 --> 00:20:12,712 みんなもいなくなって… 288 00:20:15,840 --> 00:20:20,219 一体 何のために こんなに学んできたんだか… 289 00:20:22,013 --> 00:20:24,849 あっ 何だ? 290 00:20:24,849 --> 00:20:30,229 「七月十日 雨 朝食に鰯がつく」 291 00:20:30,229 --> 00:20:33,232 「せっかくの好物だが一人で食す」 292 00:20:33,232 --> 00:20:37,403 「新之助と口を利かなくなってから どれくらいたっただろうか」 293 00:20:37,403 --> 00:20:40,865 「新之助は 今日も道場へと行ったようだ」 294 00:20:40,865 --> 00:20:43,576 ってこれ 父上の日記! 295 00:20:47,747 --> 00:20:52,251 「相変わらず 火消には全く興味を示さないが」 296 00:20:52,251 --> 00:20:56,756 (新之助・鳥越)「剣の腕前は めきめきと上達しているらしい」 297 00:20:56,756 --> 00:21:01,594 《(鳥越)「戦がなくなったとはいえ 何が起きるか分からない世の中」》 298 00:21:01,594 --> 00:21:04,597 《「その剣を 人のために役立てられるよう」》 299 00:21:04,597 --> 00:21:07,600 《「せめて それだけでも伝えたいが」》 300 00:21:07,600 --> 00:21:11,062 《「残念ながら 声のかけ方が分からない」》 301 00:21:11,062 --> 00:21:16,442 《「一体いつから 我が子への声のかけ方を 忘れてしまったのだろうか」》 302 00:21:17,443 --> 00:21:19,445 父上… 303 00:21:19,445 --> 00:21:21,781 バカじゃないですか? 304 00:21:21,781 --> 00:21:24,784 こんなに 色々思ってることがあったなら 305 00:21:24,784 --> 00:21:27,912 もっと早く話してくださいよ 306 00:21:27,912 --> 00:21:31,082 父上のバカ アホ… 307 00:21:34,627 --> 00:21:37,797 (息を吸う) 308 00:21:40,174 --> 00:21:50,143 (半鐘の音) 309 00:21:50,143 --> 00:21:52,145 (解錠音と扉が開く) 310 00:21:52,145 --> 00:21:54,147 (走る足音) 311 00:21:54,147 --> 00:21:56,149 源吾! 312 00:21:59,318 --> 00:22:01,821 新之助が… 313 00:22:01,821 --> 00:22:03,823 死んだ! 314 00:22:08,161 --> 00:22:10,621 えっ? 315 00:22:10,621 --> 00:22:25,470 ♪♪~