1 00:00:05,005 --> 00:00:07,007 (セラ)ぷはぁ~! (ツェツィ)飲みますね~。 2 00:00:07,007 --> 00:00:10,677 うぅ… 昼間のあれは 大失態だ。 3 00:00:10,677 --> 00:00:14,081 大勢の前で みっともなく…。 4 00:00:16,350 --> 00:00:18,352 はぁ…。 5 00:00:18,352 --> 00:00:22,689 《しかし 異性に護られたのは初めてだな》 6 00:00:22,689 --> 00:00:27,027 私としては 以前より 親しみやすく感じましたよ。 7 00:00:27,027 --> 00:00:29,029 えっ? 8 00:00:29,029 --> 00:00:33,033 誰かのために身を挺して戦う 貴族がいるなんて➡️ 9 00:00:33,033 --> 00:00:35,035 知りませんでした。 10 00:00:35,035 --> 00:00:37,337 お酒 取ってきます。 11 00:00:42,042 --> 00:00:46,046 酔いのせいか 悪い気はしない… な。 12 00:00:59,993 --> 00:01:02,996 《私が護られるとはな…。 13 00:01:02,996 --> 00:01:08,001 いやいやいや! 何を考えているのだ 私は!》 14 00:01:08,001 --> 00:01:10,337 (ヴュフメーク)イるどれンが また来た! 15 00:01:10,337 --> 00:01:12,339 《子どもの声?》 16 00:01:12,339 --> 00:01:15,175 (ヴュフメーク)イるどれン こっち見た! 17 00:01:15,175 --> 00:01:17,678 ブーッ! (妖精たち)わぁ~っ! 18 00:01:17,678 --> 00:01:21,348 アハハハ! なんか 吹いた! おもしろ~! 19 00:01:21,348 --> 00:01:24,685 《げ… 幻覚が見えた。 飲み過ぎか?》 20 00:01:24,685 --> 00:01:27,354 (3人)イるどれンだ~ イるどれンだ~。 21 00:01:27,354 --> 00:01:29,690 こんなところに イるどれンだ~。 22 00:01:29,690 --> 00:01:31,692 な… な…。 23 00:01:31,692 --> 00:01:34,695 なんなんだ この小さいのは~! 24 00:01:34,695 --> 00:01:39,032 (ヴェーオル)さすがに 驚いておるのう セラ。 25 00:01:39,032 --> 00:01:42,703 ヴェーオル! 夕餉の後から 一体 どこに? 26 00:01:42,703 --> 00:01:45,372 いや それよりも この小さいのは…。 27 00:01:45,372 --> 00:01:47,374 まぁまぁ そう 急くな。 28 00:01:47,374 --> 00:01:50,043 もうすぐ それより もっと驚くことになるぞ。 29 00:01:50,043 --> 00:01:54,715 はぁ? (バルハス)ほう その娘か! 雷声。 30 00:01:54,715 --> 00:01:58,051 (笑い声) 31 00:01:58,051 --> 00:02:00,988 (カルカ・ロト)ツケビケシから 邑を守ったとか…。 32 00:02:00,988 --> 00:02:04,825 (グアス)竜と真っ向から戦うとは なかなかに豪胆。 33 00:02:04,825 --> 00:02:09,997 さすがは 雷声の嫁っこ。 (ユファ)その お礼もかねての宴でさ。 34 00:02:09,997 --> 00:02:13,333 宴! 宴! (ニムハラ)霊樹特製ノ➡️ 35 00:02:13,333 --> 00:02:17,337 薬草酒モ 持ッテキマシタヨ~。 (2人)イエーイ! 36 00:02:17,337 --> 00:02:21,041 (笑い声) 37 00:02:24,678 --> 00:02:28,849 《セラ:羽根つき小人に 動く植物…。 38 00:02:28,849 --> 00:02:31,685 明らかに この世の景色ではない! 39 00:02:31,685 --> 00:02:35,188 いよいよ 幻覚が極まったか!?》 40 00:02:35,188 --> 00:02:38,025 (ヴァス)こげに早く 嫁っこさ 見つかるは➡️ 41 00:02:38,025 --> 00:02:40,360 いや ホント めでてぇこって! 42 00:02:40,360 --> 00:02:43,697 大霊の導きだべ! え~っ! 43 00:02:43,697 --> 00:02:47,367 んだば これ やるよ。 祝いの品だ。 44 00:02:47,367 --> 00:02:51,038 な… なぜ 剣なんて高価なものを 私に!? 45 00:02:51,038 --> 00:02:53,040 素直に もらっておけ。 46 00:02:53,040 --> 00:02:55,542 その御仁の打つ剣は逸品だぞ。 47 00:02:55,542 --> 00:03:00,814 そうでなくてだな! らちが明かぬから 刀身を見よ。 48 00:03:00,814 --> 00:03:04,317 見れば 手放せなくなるぞ。 刀身? 49 00:03:04,317 --> 00:03:07,020 それは 目利きくらいできるが…。 50 00:03:09,990 --> 00:03:12,993 なんと! (ヴァス)いい剣だろ? 51 00:03:12,993 --> 00:03:16,663 歪みの一つもない 滑らかな刃…。 52 00:03:16,663 --> 00:03:21,668 程よい厚みのある刀身と 装飾性もある樋…。 53 00:03:21,668 --> 00:03:23,670 これは付呪か? 54 00:03:23,670 --> 00:03:26,673 柄頭の絶妙な重量配分も良い。 55 00:03:26,673 --> 00:03:29,009 クセがない。 自在だ。 56 00:03:29,009 --> 00:03:32,345 柄を巻く革もなめらかで 吸いつくよう…。 57 00:03:32,345 --> 00:03:36,016 そして 何より この 真珠のごとき淡い輝き。 58 00:03:36,016 --> 00:03:38,351 美しい…。 59 00:03:38,351 --> 00:03:41,188 わいらしか扱えない金属で打った。 60 00:03:41,188 --> 00:03:46,026 真銀合金ちゅう 西のほうじゃ 「みすりる」とかいうやつじゃ。 61 00:03:46,026 --> 00:03:48,028 ミス… リル? 62 00:03:48,028 --> 00:03:53,366 かの有名な 『腕輪物語』や 『終焉幻想譚』に出てくる? 63 00:03:53,366 --> 00:03:56,036 んだ! 西のおとぎ話の。 64 00:03:56,036 --> 00:04:00,307 わいらのことは 「どわぁふ」とか呼ぶらしいのう。 65 00:04:00,307 --> 00:04:04,478 僭越ながら 次期 大族長である儂が➡️ 66 00:04:04,478 --> 00:04:07,981 お集まりいただいた お歴々の紹介をするとしよう。 67 00:04:07,981 --> 00:04:13,987 鉱人の三賢老 ヴァス老 グアス老 バルハス老。 68 00:04:13,987 --> 00:04:17,324 森人の理術師 カルカ・ロト殿。 69 00:04:17,324 --> 00:04:19,993 霊樹の蕾 ニムハラ殿。 70 00:04:19,993 --> 00:04:24,598 妖精の大長 ヴュフメーク殿と その眷属たち。 71 00:04:27,667 --> 00:04:31,004 エルフに精霊に妖精まで…。 72 00:04:31,004 --> 00:04:36,510 大丈夫か? セラよ。 いや… その さすがの私も➡️ 73 00:04:36,510 --> 00:04:40,514 竜を超える おとぎ話の存在は 想定していなかった。 74 00:04:40,514 --> 00:04:45,018 そう思っても あるものはあるし いるものはいるのだ。 75 00:04:45,018 --> 00:04:50,023 彼らは おとぎ話でもなんでもない 善き隣人たちである。 76 00:04:56,696 --> 00:04:58,698 気に病むことはない。 77 00:04:58,698 --> 00:05:01,301 西の者は皆 似たような反応をするので➡️ 78 00:05:01,301 --> 00:05:03,303 慣れている。 79 00:05:03,303 --> 00:05:05,972 むしろ おもろイから もっと驚いテ! 80 00:05:05,972 --> 00:05:07,974 酒の肴にするかラ! 81 00:05:07,974 --> 00:05:10,310 イルドレンよ! 82 00:05:10,310 --> 00:05:14,648 驚キ過ギニハ 鎮静作用ノアル コノはっぱガ良イデスヨ。 83 00:05:14,648 --> 00:05:17,317 あ… あぁ… ありがとう。 84 00:05:17,317 --> 00:05:21,655 タマニ 泡ヲ吐ク人モイルケド…。 えぇっ!? 85 00:05:21,655 --> 00:05:24,658 《あること自体は もう 飲み込まざるをえんが➡️ 86 00:05:24,658 --> 00:05:28,995 竜と違い 言葉まで解する衝撃は 大きすぎる!》 87 00:05:28,995 --> 00:05:35,001 東征軍で 7年も戦ってきて なお 初耳の情報が多すぎる。 88 00:05:35,001 --> 00:05:38,672 彼らは意図的に 西と距離を置いておるからな。 89 00:05:38,672 --> 00:05:42,008 では どうして 私の前に? 90 00:05:42,008 --> 00:05:45,679 今朝方 言ったであろう。 各氏族の長老たちが➡️ 91 00:05:45,679 --> 00:05:48,682 そなたと会合の場を設けるために 集まった と。 92 00:05:48,682 --> 00:05:51,017 あぁ… そういえば…。 93 00:05:51,017 --> 00:05:55,021 ツケビケシの襲撃があって 忘れるのもやむなしだがな。 94 00:05:55,021 --> 00:05:57,023 長老たちの氏族と➡️ 95 00:05:57,023 --> 00:06:00,460 最古の氏族といわれる 儂ら 汎人。 96 00:06:00,460 --> 00:06:03,630 これらを合わせて 五大氏族と呼ぶ。 97 00:06:03,630 --> 00:06:06,466 諍いの仲裁者である大族長は➡️ 98 00:06:06,466 --> 00:06:10,637 古来より 継承の儀で 大霊に選ばれた者がなる。 99 00:06:10,637 --> 00:06:14,474 大小さまざまな氏族が この地に生まれ➡️ 100 00:06:14,474 --> 00:06:17,978 育ち 生きて… やがて 土に還る。 101 00:06:17,978 --> 00:06:21,982 儂らは このうねりと流れを 共通の認識として➡️ 102 00:06:21,982 --> 00:06:23,984 共に手を取り合う。 103 00:06:23,984 --> 00:06:30,657 諸部族連盟… 大霊に結ばれし 儂らの文化圏を そう呼んでおる。 104 00:06:30,657 --> 00:06:32,993 諸部族連盟…。 105 00:06:32,993 --> 00:06:38,164 《蛮族の… いや 異なる種が作る 対等な文化圏》 106 00:06:38,164 --> 00:06:42,168 まぁ あれだ… 有事でもなければ➡️ 107 00:06:42,168 --> 00:06:46,673 このとおり ただの飲み仲間よな! 108 00:06:46,673 --> 00:06:50,677 《それは もう 宴会連盟なのでは? あっ…》 109 00:06:50,677 --> 00:06:53,013 ちょっと待て! 有事って➡️ 110 00:06:53,013 --> 00:06:56,016 それなら イルドレンの東征軍が 来たではないか! 111 00:06:58,018 --> 00:07:00,620 (ヴェーオルたち)アハハハハハ! なぜに笑うか!? 112 00:07:00,620 --> 00:07:02,956 いや すまぬ すまぬ。 113 00:07:02,956 --> 00:07:05,625 そなたを バカにするわけではないのだ。 114 00:07:05,625 --> 00:07:08,128 そもそも 諸部族連盟は➡️ 115 00:07:08,128 --> 00:07:12,632 縄張り争いに関知するような形の 連盟ではなくてだな…。 116 00:07:12,632 --> 00:07:16,803 はぁ!? えっと… もしや 我々の戦争は➡️ 117 00:07:16,803 --> 00:07:19,639 動物の小競り合いと 同程度の扱い? 118 00:07:19,639 --> 00:07:22,642 まぁ 儂らも獣も そう違わんだろう。 119 00:07:22,642 --> 00:07:26,313 それに 元より 他氏族を武力で抑圧するための➡️ 120 00:07:26,313 --> 00:07:29,983 連盟ではないのだ。 では 一体 なんの…。 121 00:07:29,983 --> 00:07:32,986 竜の脅威に対抗するためか!? 122 00:07:32,986 --> 00:07:34,988 それも違うな。 123 00:07:34,988 --> 00:07:39,659 獣や竜程度の相手なら それぞれの氏族だけで対応できる。 124 00:07:39,659 --> 00:07:44,331 連盟を組まねば対抗できない それ以上の存在があると? 125 00:07:44,331 --> 00:07:50,337 誤解はせぬように言うが… 竜は疑いようがなく 賢く強い。 126 00:07:50,337 --> 00:07:54,341 しかし おぞましくはないのだ。 おぞましい? 127 00:07:54,341 --> 00:07:58,511 化生のたぐい… 魔物というモノがいる。 128 00:07:58,511 --> 00:08:00,780 ここで暮らすなら いつか 目にする。 129 00:08:00,780 --> 00:08:04,451 災害のような存在だと覚えておけ。 魔物? 130 00:08:04,451 --> 00:08:07,954 アレに比べたら イルドレン相手は 笑顔で死ねる。 131 00:08:07,954 --> 00:08:09,956 何それ 怖い! 132 00:08:09,956 --> 00:08:12,959 アー もう! そんな話 やめやメ! 133 00:08:12,959 --> 00:08:16,463 アんな澱みのこと考えたラ 気分 悪くなるヨ! 134 00:08:16,463 --> 00:08:18,965 今日は 祝いの場でショ! 135 00:08:18,965 --> 00:08:22,302 そうだ! 飲んで 忘れるぞ! うむ! 136 00:08:22,302 --> 00:08:25,305 (バルハス)嫁っことも乾杯を! 137 00:08:25,305 --> 00:08:29,642 ドウゾ ドウゾ! オクチニ合ウト良イノデスガ…。 えっ? 138 00:08:29,642 --> 00:08:33,980 霊樹は この地で 最も生命力があふれた存在。 139 00:08:33,980 --> 00:08:37,317 縁起物だぞ。 お… おぉ…。 140 00:08:37,317 --> 00:08:40,987 (グアス)じきに拝めっかもな! 雷声の子が。 141 00:08:40,987 --> 00:08:43,323 おうおう! 励め 励め! 142 00:08:43,323 --> 00:08:47,494 丈夫な子が産めそうな尻しとる! なっ! 尻!? 143 00:08:47,494 --> 00:08:50,830 いや… ハッハッハッハ! お前も その気になるな! 144 00:08:50,830 --> 00:08:54,667 う~ん… すでに何年も連れ添った 夫婦のようだ。 145 00:08:54,667 --> 00:08:57,670 なんとも ほほえましい。 ちゅーしろ! 146 00:08:57,670 --> 00:09:00,106 (2人)ちゅーしろ! ちゅーしろ! 147 00:09:00,106 --> 00:09:02,442 夫婦ではない! 148 00:09:02,442 --> 00:09:04,444 この 酔っ払いたちが! 149 00:09:04,444 --> 00:09:07,113 彼らなりの祝福だ。 150 00:09:07,113 --> 00:09:10,316 皆 我がことのように 喜んでくれている。 151 00:09:12,619 --> 00:09:17,290 酒だけではないぞ その服や首輪も 彼らからのものだ。 152 00:09:17,290 --> 00:09:19,626 えっ? コのドレスは➡️ 153 00:09:19,626 --> 00:09:23,296 アタシたちの里で 紡いだものだヨ。 (2人)えっへん! 154 00:09:23,296 --> 00:09:27,967 わいらは首輪さ作った。 金と みすりるの合金。 155 00:09:27,967 --> 00:09:31,805 これも? 宝剣だけではなく? 156 00:09:31,805 --> 00:09:35,475 剣の付呪は こっちだ。 157 00:09:35,475 --> 00:09:38,812 手入れ不要の 自動修復であるぞ。 158 00:09:38,812 --> 00:09:42,982 そんなことが 可能なのか? 森人の術ならばな。 159 00:09:42,982 --> 00:09:45,652 我々は 互いに補いあう。 160 00:09:45,652 --> 00:09:51,324 皆の技術や物産品を得るかわりに 汎人は戦闘力を提供する。 161 00:09:51,324 --> 00:09:53,660 そうか…。 162 00:09:53,660 --> 00:09:59,065 ここは 本当に 豊かなところだな。 163 00:10:08,007 --> 00:10:10,009 (足音) 164 00:10:10,009 --> 00:10:12,011 うぅ… 頭 痛い…。 165 00:10:12,011 --> 00:10:14,180 お目覚めになりましたか? 166 00:10:14,180 --> 00:10:16,182 うわっ! ぐあっ! 167 00:10:16,182 --> 00:10:18,518 どうして いきなり起きるんです? 168 00:10:18,518 --> 00:10:21,020 その… なんだ 悪かった…。 169 00:10:21,020 --> 00:10:24,858 長老方も とうに帰ったので 起こしにきたんですよ。 170 00:10:24,858 --> 00:10:27,060 もう 昼過ぎか…。 171 00:10:29,696 --> 00:10:34,033 《一夜明けてみると 改めて 非現実的な➡️ 172 00:10:34,033 --> 00:10:37,704 おとぎ話の中に 入り込んだようだった》 173 00:10:37,704 --> 00:10:39,706 あっ…。 174 00:10:44,043 --> 00:10:47,046 おとぎ話ではなく 現実なのだ。 175 00:10:47,046 --> 00:10:51,050 本当に 知らないことばかりだな 私は。 176 00:10:51,050 --> 00:10:53,153 よく寝たか? セラ。 177 00:10:56,055 --> 00:10:58,224 ヴェーオル ヒゲ! 178 00:10:58,224 --> 00:11:01,995 すぐに伸びるゆえ ふだんは あまり剃ったりせぬが…。 179 00:11:01,995 --> 00:11:04,330 うむ… いつものセラだ! 180 00:11:04,330 --> 00:11:08,001 えっ… 意味がわからん! じゃあ 昼にしよう。 181 00:11:08,001 --> 00:11:10,503 なっ… なっ…。 ハハハハハ! 182 00:11:10,503 --> 00:11:12,505 なんだ!? 183 00:11:12,505 --> 00:11:15,508 うわっ! いちゃつくより お昼が先です。 184 00:11:15,508 --> 00:11:17,510 うっ うぅ…。 185 00:11:17,510 --> 00:11:23,016 なんだ この… 太くて 熱々の わりと臭みあふれる… 肉汁? 186 00:11:23,016 --> 00:11:26,352 竜肉と香草の芋パン包みです。 187 00:11:26,352 --> 00:11:29,022 セラさんが倒した ツケビケシですよ。 188 00:11:29,022 --> 00:11:32,025 昨日も 皆さんに ふるまわれてましたけど…。 189 00:11:32,025 --> 00:11:34,861 あの鳥か! 竜ですって。 190 00:11:34,861 --> 00:11:38,698 フッ… かなり クセはあるが うまいではないか。 191 00:11:38,698 --> 00:11:40,700 鳥め…。 竜ですって。 192 00:11:40,700 --> 00:11:44,203 もう一つ いただこう。 めっちゃ食べるな。 193 00:11:44,203 --> 00:11:47,373 さてと セラ… 少し歩くが 良いか? 194 00:11:47,373 --> 00:11:51,044 うん? 今朝方 そなたのことを知って➡️ 195 00:11:51,044 --> 00:11:55,148 会いたいという者がおってな。 そなたの顔見知りだ。 196 00:12:02,322 --> 00:12:04,991 《顔見知りなど 心当たりもないが➡️ 197 00:12:04,991 --> 00:12:07,994 過去に剣を交えた 戦士の誰かか?》 198 00:12:09,996 --> 00:12:12,999 家で ゆるりと 待っていればよいものを。 199 00:12:12,999 --> 00:12:18,605 (ナィレア)ナハハハ… つい 浮き立っちゃって。 200 00:12:21,341 --> 00:12:25,678 あぁ… 本当に お久しぶりです。 セラフィーナ様。 201 00:12:25,678 --> 00:12:29,349 竜に襲われた母子を護って 戦われたそうで…。 202 00:12:29,349 --> 00:12:32,352 その高潔さ 勇猛さ…。 203 00:12:32,352 --> 00:12:35,188 お変わりないようで 懐かしく思います。 204 00:12:35,188 --> 00:12:38,691 すまん… 誰だ? (2人)なっ! 205 00:12:38,691 --> 00:12:43,363 あ~ 昔と かなり 変わっちゃいましたからね。 206 00:12:43,363 --> 00:12:46,032 ナィレアです。 えっ!? 207 00:12:46,032 --> 00:12:48,701 (ナィレア)私 4年前 東征騎士として➡️ 208 00:12:48,701 --> 00:12:52,372 あなたに お仕えしておりましたが 覚えていませんか? 209 00:12:52,372 --> 00:12:55,041 東征騎士の ナィレア…。 210 00:12:55,041 --> 00:12:58,378 ⦅ ナィレア:ラヴィラント筆頭 お初に お目にかかります。 211 00:12:58,378 --> 00:13:00,980 ナィレア・ド・フィロマール。 212 00:13:00,980 --> 00:13:05,485 東方征伐軍 第一騎士団麾下に 参陣仕ります。 213 00:13:05,485 --> 00:13:08,321 うむ! 214 00:13:08,321 --> 00:13:11,324 伝令より 開拓村に 襲撃の報が入った。 215 00:13:11,324 --> 00:13:13,993 行くぞ ナィレア! はっ! 216 00:13:13,993 --> 00:13:17,597 蛮族どもめ… 無駄な足掻きを! 217 00:13:21,834 --> 00:13:24,671 無事か!? ナィレア! 平気です…。 218 00:13:24,671 --> 00:13:27,073 それより 早く追撃を! 219 00:13:29,008 --> 00:13:31,010 (ヴィダル)うおぉ~っ! 220 00:13:31,010 --> 00:13:33,012 うっ! 221 00:13:33,012 --> 00:13:35,014 ナィレア!⦆ 222 00:13:41,688 --> 00:13:46,025 あっ… えぇ~っ!! ナィレア!? 223 00:13:46,025 --> 00:13:50,863 私の元部下で フィロマール子爵家の!? 死んだはずでは…。 224 00:13:50,863 --> 00:13:53,366 やっぱり 驚きますよね…。 225 00:13:53,366 --> 00:13:57,537 そ… それに その腹は まさか 子どもが? 226 00:13:57,537 --> 00:13:59,972 2人目ですね。 (セラ)2人目! 227 00:13:59,972 --> 00:14:02,975 いや… たしかに 4年も経てば いろいろあるだろうが➡️ 228 00:14:02,975 --> 00:14:05,311 いろいろありすぎて 整理がつかん! 229 00:14:05,311 --> 00:14:09,649 (ナィレア)アッハッハッハ! まぁ 積もる話もありますし➡️ 230 00:14:09,649 --> 00:14:12,318 家で話しますか。 231 00:14:12,318 --> 00:14:17,323 昨日の夜 夫から 水晶兜の話を聞きまして…。 232 00:14:17,323 --> 00:14:20,326 あなただろう と。 良くも悪くも➡️ 233 00:14:20,326 --> 00:14:24,330 目立つ兜だったからな。 それにしても 夫 か…。 234 00:14:24,330 --> 00:14:26,999 フフ… そうなんですよ。 235 00:14:26,999 --> 00:14:30,002 私を倒した男に 求婚されまして…。 236 00:14:30,002 --> 00:14:32,672 なんだかんだ ここにもなじんで。 237 00:14:32,672 --> 00:14:36,175 本当に 自分でも 不思議に思うくらいで…。 238 00:14:36,175 --> 00:14:39,011 東征軍に身を置いていた頃が➡️ 239 00:14:39,011 --> 00:14:42,515 今では 別の人間の人生のように 感じています。 240 00:14:42,515 --> 00:14:44,517 そうか…。 241 00:14:44,517 --> 00:14:47,687 ところで なぜ ヴェーオルに 言伝を頼んだのだ? 242 00:14:47,687 --> 00:14:53,359 一応 権力者の嫡子だと聞くが 小間使いにして大丈夫なのか? 243 00:14:53,359 --> 00:14:57,697 あぁ… そのあたり 西とは だいぶ感覚が違って…。 244 00:14:57,697 --> 00:15:00,299 ヴェーオルくんは とにかく 目立ちますから➡️ 245 00:15:00,299 --> 00:15:02,969 つい 頼んじゃうんですよね。 246 00:15:02,969 --> 00:15:06,973 たしかに 目立つが… うん? ヴェーオルくん? 247 00:15:06,973 --> 00:15:10,476 なんだ? セラ。 「くん」って柄か お前は。 248 00:15:10,476 --> 00:15:14,981 (ナィレア)セラフィーナ様 ヴェーオルくんは まだ 18歳の青年ですよ? 249 00:15:14,981 --> 00:15:18,317 えっ!? でも ヒゲモジャは…。 250 00:15:18,317 --> 00:15:22,321 あれは 特異な体質の影響でな。 251 00:15:22,321 --> 00:15:27,660 ナィレア殿は 儂の従兄の嫁… 要は 親戚というやつだな。 252 00:15:27,660 --> 00:15:30,997 そうそう 身内だから というのもありまして…。 253 00:15:30,997 --> 00:15:34,500 待て 待て! 18歳だと!? ヴェーオルが? 254 00:15:34,500 --> 00:15:37,670 うむ! 言っておらんかったか? 聞いてない! 255 00:15:37,670 --> 00:15:41,340 セラフィーナ様は 今年26歳…。 言うな! 256 00:15:41,340 --> 00:15:45,344 ハハハハハ! 女ざかりで まことに結構。 257 00:15:45,344 --> 00:15:47,513 儂としては 好ましい限りよ。 258 00:15:47,513 --> 00:15:50,516 と… 年下に 女ざかりなどと言われるのは➡️ 259 00:15:50,516 --> 00:15:56,022 癪なのだが… それとも なんだ? 10代の若さ自慢か何かか? 260 00:15:56,022 --> 00:15:59,959 いや… むしろ もう少し早く 産まれたかったと➡️ 261 00:15:59,959 --> 00:16:02,962 残念に思うくらいだ。 なぜだ? 262 00:16:02,962 --> 00:16:06,966 それなら そなたを もっと前に 迎えられていただろうし➡️ 263 00:16:06,966 --> 00:16:09,969 そなたが 歳の差を 気にせんで済んだ。 264 00:16:09,969 --> 00:16:12,305 何を言うかと思えば…。 265 00:16:12,305 --> 00:16:16,642 いいか? 肝に銘じろ ヴェーオル。 266 00:16:16,642 --> 00:16:20,313 もしもの話を 勝ったつもりで語るようでは➡️ 267 00:16:20,313 --> 00:16:24,317 たとえ 次だろうが 私は お前の嫁になりはしないぞ! 268 00:16:29,989 --> 00:16:32,992 フッ… ハハハハハ! 269 00:16:35,661 --> 00:16:38,064 ハハハハ…。 270 00:16:40,333 --> 00:16:45,338 セラフィーナ・ド・ラヴィラント殿 心から お詫びを申し上げる。 271 00:16:45,338 --> 00:16:50,676 若輩者の自惚れ… 戦士に対して 無礼であり申した。 272 00:16:50,676 --> 00:16:53,679 うん… わかればよろしい。 273 00:16:53,679 --> 00:16:57,350 なぜ いきなり ヴェーオル様が 謝罪したんですか? 274 00:16:57,350 --> 00:17:01,454 そうね… セラフィーナ様が とらえられた時➡️ 275 00:17:01,454 --> 00:17:05,958 どんな ケガをしてた? いえ… ケガなんて 特に。 276 00:17:05,958 --> 00:17:08,628 剣が折られるまで 粘られた とだけ…。 277 00:17:08,628 --> 00:17:11,464 折った じゃなくて 折れるまで…。 278 00:17:11,464 --> 00:17:15,968 じゃあ ヴェーオルくんが悪いわよ。 279 00:17:15,968 --> 00:17:20,306 (ナィレア)いい? 騎士は敵として 戦士は礼儀として➡️ 280 00:17:20,306 --> 00:17:24,977 お互い 戦場で殺し合ったのよ? 一切の容赦なく。 281 00:17:24,977 --> 00:17:28,648 そして 実力の伯仲した者同士の 決着は➡️ 282 00:17:28,648 --> 00:17:32,652 戦闘不能しか ありえない。 なのに…。 283 00:17:32,652 --> 00:17:37,490 ヴェーオルくんは 竜も巌も断つ豪剣を 幾度繰り出しても なお➡️ 284 00:17:37,490 --> 00:17:40,826 ついぞ ただの鋼の剣が 限界を迎えるまで➡️ 285 00:17:40,826 --> 00:17:43,329 一本も取れなかった。 286 00:17:43,329 --> 00:17:46,332 つまり 装備の差で やっと五分。 287 00:17:46,332 --> 00:17:51,337 それと 超人的な体力で 一方的に押し切るしかなかった。 288 00:17:51,337 --> 00:17:55,541 もし 反撃の隙を 少しでも与えていたら たぶん…。 289 00:18:00,279 --> 00:18:05,117 まぁ… お互いに望みうる限り 万全の装備をするのが戦だし➡️ 290 00:18:05,117 --> 00:18:08,621 奥の手の雷声も 使ってないみたいだけれども…。 291 00:18:08,621 --> 00:18:11,123 それでも 技量で 完封された相手に➡️ 292 00:18:11,123 --> 00:18:15,127 次も勝って嫁にする は 言えないかな~ ハハハ…。 293 00:18:15,127 --> 00:18:19,632 うむ… 赤面の至り。 もう少し手心を。 294 00:18:19,632 --> 00:18:21,634 《レア顔…》 295 00:18:21,634 --> 00:18:24,036 って 何を 私は まじまじと…。 296 00:18:26,639 --> 00:18:29,976 セラ… 改めて謝罪する。 297 00:18:29,976 --> 00:18:33,980 そして そなたに勝てた幸運に 感謝しよう。 298 00:18:33,980 --> 00:18:36,315 う… うむ。 299 00:18:36,315 --> 00:18:41,654 なになに? セラフィーナ様 完全に ヴェーオルくんのこと 好きじゃない。 300 00:18:41,654 --> 00:18:43,823 さくっと くっつけばいいんですよ。 301 00:18:43,823 --> 00:18:46,492 お前ら もう 遠慮する気ないな!? 302 00:18:46,492 --> 00:18:48,995 ⚟ ただいま~! 303 00:18:48,995 --> 00:18:51,330 あっ ヴィダル… おかえりなさい。 304 00:18:51,330 --> 00:18:55,668 (ヴィダル)あぁ。 おぉ ヴィオ! 305 00:18:55,668 --> 00:18:59,005 幼名で呼ぶのは勘弁してくれ ヴィド。 306 00:18:59,005 --> 00:19:02,942 お前のほうこそ! 水晶兜とツェツィも来てたか。 307 00:19:02,942 --> 00:19:06,245 おじゃましてます。 ゆっくりしていけ。 308 00:19:09,281 --> 00:19:11,951 (エリク)ははうえ。 おかえり。 309 00:19:11,951 --> 00:19:15,454 ここ最近 走りが しっかりしてきたぞ。 310 00:19:15,454 --> 00:19:19,625 本当? もう少し大きくなったら 木剣を与えなきゃ。 311 00:19:19,625 --> 00:19:22,795 ナィレアの夫と息子… か。 312 00:19:22,795 --> 00:19:26,799 ⦅ ナィレア:セラフィーナ様 女風情が 騎士の真似事をするなと➡️ 313 00:19:26,799 --> 00:19:31,470 疎まれた私ですが それでも あなたの下で騎士として戦い➡️ 314 00:19:31,470 --> 00:19:35,808 天啓を得ました。 神に与えられし使命は➡️ 315 00:19:35,808 --> 00:19:40,312 祖国のため 民たちのために 身命を捧げ 蛮地を拓き➡️ 316 00:19:40,312 --> 00:19:44,483 蛮族どもの流した血で 畑を潤してやることなのだと⦆ 317 00:19:44,483 --> 00:19:48,654 《本当に変わったな ナィレア。 318 00:19:48,654 --> 00:19:51,323 だが… 今のお前は➡️ 319 00:19:51,323 --> 00:19:55,494 記憶の中の どのお前より 幸せそうな顔をしている》 320 00:19:55,494 --> 00:19:58,330 いいな。 321 00:19:58,330 --> 00:20:01,500 あ~! 違う! 今のは無意識で…。 322 00:20:01,500 --> 00:20:03,502 無意識で? 323 00:20:03,502 --> 00:20:06,005 本心ではなくてだな…。 セラ? 324 00:20:06,005 --> 00:20:10,009 氷のラヴィラントが あんなに ゆだって… まぁ。 325 00:20:10,009 --> 00:20:12,344 新婚の頃を思い出すな。 326 00:20:12,344 --> 00:20:16,348 よし! 今日は祝いの酒だ。 飲んでけ ヴィオ! 327 00:20:16,348 --> 00:20:19,552 ハハハハ! 新婚って 私は…。 328 00:20:25,691 --> 00:20:29,395 まさか 2日連続で 宴になるとはな。 329 00:20:31,697 --> 00:20:34,533 昨日と今日で思い知った。 330 00:20:34,533 --> 00:20:38,537 私は この地について 何も知らなかったのだな。 331 00:20:38,537 --> 00:20:42,041 どんな生命がいて どんな文化があるのか…。 332 00:20:42,041 --> 00:20:47,046 何も知らぬまま戦い 何も知らぬまま東征した。 333 00:20:47,046 --> 00:20:50,049 イルドレンの騎士にも 家族があるのと同様に➡️ 334 00:20:50,049 --> 00:20:55,054 戦士たちにも家族がいるのに…。 そんな 当たり前のことを➡️ 335 00:20:55,054 --> 00:20:58,390 考えないよう 見ないようにしてきた。 336 00:20:58,390 --> 00:21:01,327 蛮族 蛮地などと呼んでな。 337 00:21:01,327 --> 00:21:06,165 そして その侵略を正当化し それを是として恥もせず➡️ 338 00:21:06,165 --> 00:21:09,568 民のための大義だと 信じていた。 339 00:21:12,838 --> 00:21:14,840 セラ…。 お前のことも➡️ 340 00:21:14,840 --> 00:21:19,011 憎むべき敵だと思っていた。 しかし 人となりを知り➡️ 341 00:21:19,011 --> 00:21:23,349 そうではないと 解ってしまった。 342 00:21:23,349 --> 00:21:28,020 それでも 私は イルドレンの騎士であり 貴族だ。 343 00:21:28,020 --> 00:21:31,023 荒れた祖国を 領民の苦境を➡️ 344 00:21:31,023 --> 00:21:33,359 救いたい気持ちは いまだ変わらぬ。 345 00:21:33,359 --> 00:21:38,697 この地で得た経験を持ち帰れば その願いが叶うかもしれんのだ。 346 00:21:38,697 --> 00:21:43,536 ゆえに… 改めて お前の期待に応える気はない! 347 00:21:43,536 --> 00:21:46,038 だろうな。 348 00:21:46,038 --> 00:21:50,342 (セラ)だが… それは 騎士としての気持ちだ。 349 00:21:52,378 --> 00:21:55,548 だから その… えっと…。 350 00:21:55,548 --> 00:22:01,153 私個人としては 好ましく 思ってはいるんだぞ ヴェーオル。 351 00:22:01,153 --> 00:22:03,822 あっ… セラ! 352 00:22:03,822 --> 00:22:06,325 あぁ もう! 353 00:22:06,325 --> 00:22:10,663 今 儂は確信した。 そなた 顔に似合わず➡️ 354 00:22:10,663 --> 00:22:13,999 ずるい おなごだのう。 はぁ!? 何がずるい? 355 00:22:13,999 --> 00:22:17,670 うむ… 素で それか。 ずるいのう…。 356 00:22:17,670 --> 00:22:19,672 だから 何がだ! 357 00:22:19,672 --> 00:22:24,677 ハハハハハ! 今日も 飯がうまい! 358 00:22:24,677 --> 00:22:27,012 ずいぶん 機嫌がいいな。 359 00:22:27,012 --> 00:22:29,014 そりゃあ 昨夜の そなたが➡️ 360 00:22:29,014 --> 00:22:31,016 あまりに 愛いことを言ったからのう。 361 00:22:31,016 --> 00:22:36,021 あっ… あ あ あれはだな! 酔った勢いで言っただけで! 362 00:22:36,021 --> 00:22:38,357 そう… だったのか。 363 00:22:38,357 --> 00:22:41,694 つまり 心にもないことを 言ってしまった と…。 364 00:22:41,694 --> 00:22:47,032 貴様… 私が前言を翻して恥じぬ 厚顔だと申すか? 365 00:22:47,032 --> 00:22:51,704 昨夜のは正真正銘 私の本心だ! 愚弄するな! 366 00:22:51,704 --> 00:22:54,540 わぁ… 素で言ってますよ この人。 367 00:22:54,540 --> 00:22:59,545 素面で これとか… 本当に ずるくて 愛いやつだのう。 368 00:22:59,545 --> 00:23:04,049 うぅ… 昨日も言ったな その言葉!